説明

熱転写リボンの製造方法

【課題】安価に熱転写リボンの終端部をエンドフリーの状態に構成でき、且つ接着剤の飛散または両面接着テープの接着面によるサーマルヘッドの損傷を確実に抑制できる熱転写リボンの製造方法を提供する。
【解決手段】コアに熱転写シートを巻き取る熱転写リボンの製造方法であって、少なくとも、コアと、コアと同期して回転する被間接固定部とを配置し、被間接固定部に間接固定部材を接続し、間接固定部材により熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定する工程、およびコアと被間接固定部とを同期させて回転させ、それにより、熱転写シートとコアとを間接的に同期させて回転させることによりコアに熱転写シートを巻き取る工程を有する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱転写リボンの製造方法に関し、より詳しくは、印字時の終端部をコアに対してフリーな状態で熱転写シートを巻き取ることにより、プリンタ及びファクシミリ等のギヤ等に負荷をかけない熱転写リボンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーマルプリンタやファクシミリでは、基材フィルムの片面に熱溶融性インク層が設けられた熱転写リボンの裏側(熱溶融性インク層が設けられた側とは反対の側)から印字パターンに応じて所望箇所を加熱、加圧することにより、熱溶融性インクを溶融させて受像紙に転写を行っている。
【0003】
ところで、通常、上記熱転写リボンは、図1に示すように熱転写シート2がコア3に巻取られた形の熱転写リボン1の形態で用いられている。一般に、熱転写シート2がコア3に巻き取られる際にはエンドフィルムを介してコア3に巻き取られている。このエンドフィルムとしては、例えば樹脂フィルムの表面にアルミニウムが蒸着されたフィルムが用いられており、エンドフィルムは、そのアルミニウム蒸着面が光を透過しない点を利用して、例えばサーマルプリンタに設けられた透過型の検知センサと組み合わせて、熱転写リボンの印字の終端検知を行うためのエンド検知フィルムとしての機能を有している。
【0004】
しかしながら、例えば、熱転写リボンの終端に配置されているエンドフィルムが印字操作中に検知センサ上を通過するときに、本来行わなければならないエンド検知を行わず、即ち誤検知によりコアと熱転写シートとの接続点まで繰り出されることがある。この場合、熱転写シートとコアとを直接接着固定していると、機械に過負荷がかかり、ファクシミリまたはサーマルプリンタ等の故障の原因となっていた。これは、近年、ファクシミリおよびサーマルプリンタ等のギヤなど、従来金属製であった駆動部分が樹脂製になったことにより、ギヤの刃こぼれ等が起こりやすくなったためである。
【0005】
このような問題点を解決するため、また熱転写リボンが熱転写シートの終端でコアから外れることにより機械負荷が変動する点を利用して熱転写リボンの終端検知を行うために、熱転写リボンのコアから熱転写シートの終端が離れるようにする、いわゆる「エンドフリー」の状態で熱転写リボンを構成することが行われている(特許文献1参照)。しかしながら、このようなエンドフリーの状態を形成するための熱転写リボンの製造方法では、例えば弱接着性の両面接着テープまたはポリビニルアルコール等の弱接着性接着剤をコアと熱転写シートとの間に介在させることにより製造しているが、いずれも擬似的なエンドフリー状態であり、(1)弱接着性のものを用いても、誤検知の際に機械に過負荷がかかる恐れがある、(2)特別な弱接着性の材料を用いることによりコスト高となる、(3)熱転写リボンの終端部がコアから外れる際に、接着剤が飛散したりまたは両面接着テープの接着面の一部がサーマルヘッドと接触して傷をつけたりする等の問題があった。
【特許文献1】特開平5−294038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、安価に熱転写リボンの終端部をエンドフリーの状態に構成でき、且つ接着剤の飛散または両面接着テープの接着面によるサーマルヘッドの損傷を確実に抑制できる熱転写リボンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は次のとおりである。本発明は、コアに熱転写シートを巻き取る熱転写リボンの製造方法において、少なくとも、コアと、熱転写シートの巻き取り時にコアと同期して回転する被間接固定部とを配置し、該被間接固定部に間接固定部材を接続し、該間接固定部材により熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定する工程、およびコアと被間接固定部とを同期させて回転させ、それにより、該熱転写シートとコアとを間接的に同期させて回転させることによりコアに熱転写シートを巻き取る工程を有することを特徴とするエンドフリーとした熱転写リボンの製造方法である。
【0008】
本発明の別の態様によれば、本発明は、該間接固定部材が接着テープであり、該接着テープを被間接固定部に接続し、且つコアの巻き取り部外周の所定箇所に一端部を配置した熱転写シートと該接着テープとを接続することにより、熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定することを特徴とする熱転写リボンの製造方法である。
【0009】
本発明の別の態様によれば、本発明は、直接固定部材を介して該間接固定部材を被間接固定部に接続し、コアの巻き取り部外周の所定箇所に配置した熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周と間接固定部材により挟持することにより該熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定することを特徴とする熱転写リボンの製造方法である。
【0010】
本発明の別の態様によれば、本発明は、該直接固定部材が接着剤又は両面接着テープであり、該間接固定部材が非接着テープであることを特徴とする熱転写リボンの製造方法である。
【0011】
本発明の別の態様によれば、本発明は、熱転写シートの巻き取り途中又は巻き取り後、該間接固定部材を熱転写シートの間から取り除くことを特徴とする熱転写リボンの製造方法である。
【0012】
本発明の別の態様によれば、本発明は、該間接固定部材が弱強度部を有することを特徴とする熱転写リボンの製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の熱転写リボンの製造方法は、コアの個々に接着剤を塗布したり又は両面接着テープを貼り付けたりすることなく、間接固定部材として接着テープを用いる態様では、複数の熱転写シートの巻き始め処理を行えるので工数の削減に繋がり、コスト的に有利となる。
また、コアと熱転写シートとの間に接着剤又は両面接着テープ等の接続部材を介在させることなく確実にエンドフリーな状態で熱転写リボンを構成できるので、誤検知等によって熱転写リボンの終端検知ができない場合でもサーマルプリンタ又はファクシミリなどに過負荷をかける恐れがない。また、接着剤や接着テープ等の飛散がないのでプリンタ等の故障の一因を除くことができる。さらに、特別な接着剤等を用いる必要がないので、コストの抑制に貢献することができる。さらにまた、エンドフリーの状態、すなわち機械に負荷が掛からなくなった状態を終端検知に利用する場合などでも、確実に熱転写リボンの終端部を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、コアに熱転写シートを巻き取る熱転写リボンの製造方法において、少なくとも、コアと、熱転写シートの巻き取り時にコアと同期して回転する被間接固定部とを配置し、該被間接固定部に間接固定部材を接続し、該間接固定部材により熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定する工程、およびコアと被間接固定部とを同期させて回転させ、それにより、該熱転写シートとコアとを間接的に同期させて回転させることによりコアに熱転写シートを巻き取る工程を有する。
【0015】
図面を用いて本発明の熱転写リボンの製造方法について説明する。図1に、本発明の製造方法により得られる熱転写リボン1を示す。図1に示すように、熱転写シート2がコア3(例えば、巻き取りボビン)に巻き取られて、熱転写リボン1を構成する。
【0016】
図9に、本発明の方法に使用する熱転写シートの巻き取り装置の概略を示す。図9に示すように、熱転写シートの原反91からの1枚の熱転写シートはスリット刃92を用いて複数個の帯状の熱転写シート93に分割され、それぞれの熱転写シート93はそれぞれ対応するコア94(例えば、プラスチック製ボビン)に巻き取られ、熱転写リボンが形成される。ここでは、熱転写シート93を巻き取るコア94は、被間接固定部として機能するスペーサ95と交互に並置されている。ここで、この場合はコアと同じプラスチック製ボビンをスペーサ95として使用している。
【0017】
本発明において、間接固定部材により熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定する工程(仮固定工程)を実施するには、好ましくは、間接固定部材が接着テープである場合(本発明の第1の態様)と非接着テープである場合(本発明の第2の態様)とがある。
【0018】
(本発明の第1の態様)
本発明の第1の態様では、上記仮固定工程は、間接固定部材として接着テープを使用し、接着テープを被間接固定部に接続し、且つコアの巻き取り部外周の所定箇所に一端部を配置した熱転写シートと接着テープとを接続(接着)することにより行われる。この工程は図2乃至4に示されている。
【0019】
図2に、熱転写シートの巻き取り装置に用いるコアと、熱転写シートの巻き取り時にコアと同期して回転する被間接固定部との配置の概略を示す。図2に示すように、熱転写シートを巻き取るためのコア22と、熱転写シートを仮固定するための被間接固定部としてのスペーサ23とが配置されている。コア22とスペーサ23とは、交互に同一のシャフト24を通じて並置されている。コア22とスペーサ23とは、それぞれ別個独立しているが、両者は巻き取り時に巻き取りシャフトの回転に合わせて同期して回転する状態にある。
【0020】
図2ではコア22と被間接固定部としてのスペーサ23は交互に配置されているが、必ずしもその必要はなく、例えばコア22とコア22の間にあるスペーサ23mを1つ置きに取り除いてもよいし、あるいは最も外側にある2つのスペーサ23eのみ配置してもよく、特に限定はない。また、被間接固定部(例えば、スペーサ)は必ずしもコアと同一の材料、形状である必要はなく、コアと同期して回転する状態にあり、且つ間接固定部材(例えば、接着テープ)と協働して熱転写シートをコアの外周に仮固定できるものであればよい。
【0021】
図3および図4に、巻き取るべき熱転写シート20の一端部をコア22の巻き取り部外周の所定箇所に仮固定する態様を示す。熱転写シート20の一端部をコア22の巻き取り部外周上に置き(図3)、熱転写シート20の一端部および被間接固定部としてのスペーサ23の上に間接固定部材としての接着テープ25を貼り付け、熱転写シート20をコア22上へ仮固定する(図4)。その結果、コア22部分では、熱転写シート20がコア22と接着テープ25の間に存在することになり、熱転写シート20と接着テープ25とは接着するが、熱転写シート20とコア22とは接着しない。一方、スペーサ23の部分では、直接、スペーサ23の表面の一部に接着テープ25を接続(接着)することになる。これにより、熱転写シート20はコア22に直接接着固定されていないが、接着テープ25とスペーサ23とが接続(接着)されていること、熱転写シート20の一端部がコア22の外周上で接着テープ25と接着されていること、コア22とスペーサ23とが同期して回転することから、結果として巻き取り動作を行った際にはコア22、スペーサ23、接着テープ25、熱転写シート20が全て同期して回転することになり、よって熱転写シート20の一端部はコア22の巻き取り部外周の所定箇所に間接的に固定された(仮固定された)状態となる。
【0022】
熱転写シート20の端部をコア22上へ仮固定するとき、図4に示すように、接着テープ25が熱転写シートの端部の巻き始め端20aにかかるか、かからない程度にすることが好ましい。あまり巻き始め端20aを多く出すと、剛性がないため巻き取る際に折れ曲がって、シワの原因となる恐れがある。また、熱転写シート20の端部の巻き始め端20aを越えて接着テープ25をコア22側にはみ出るように貼り付けると、接着テープ25の側端が、直接、コア22の表面に接着することになり、期待するエンドフリーを達成することができない。但し、本発明の目的を逸脱しない程度のはみ出しは許容される。
【0023】
本発明は、上述のとおり、間接固定部材により熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定した後、コアと被間接固定部とを同期させて回転させ、それにより、該熱転写シートとコアとを間接的に同期させて回転させることによりコアに熱転写シートを巻き取る工程を有する。図5に、熱転写シート20をコア22へ巻き込む(巻き取る)態様を示す。接着テープ25を用いて熱転写シート20をコア22上へ仮固定した後、図5に示すように熱転写シート20をコア22へ巻き込む(巻き取る)(図5)。その時、コア22及びスペーサ23が同期して回転するように設置されており、また熱転写シート20はコア22に直接接着固定されていないが、接着テープ25とスペーサ23とが接続(接着)されていること、熱転写シート20の一端部がコア22の外周上で接着テープ25と接着されていることから、結果としてコア22と熱転写シート20が同期して回転することとなり、熱転写シート20にずれ、シワなどを発生させることなく容易に熱転写シート20をコア22に巻き込むことができる。その後、巻き込みを続け、所定量の熱転写シート22が巻き込まれて熱転写リボンとなる。尚、熱転写リボンの巻終わり端部には、印字や印画に使用された熱転写シートを巻き取るための、巻き取り用コア(不図示)を接続してもよい。
【0024】
図6に、所定量の熱転写シート20をコア22に巻き取った状態を示す。図6に示すように、所定量の熱転写シート20をコア22に巻き取った後、熱転写シート20の巻き終わり部分26を切り離す。また、熱転写シートの巻き取り完了後、スペーサ23側に露出している接着テープ25を、巻き取った熱転写体シート20の側端に沿って、切り離す。この切り離しにはナイフ等を用いることができる。
【0025】
接着テープ25を切り離した後、図7に示すように、スペーサ23と、熱転写リボン20を巻き取ったコア22とを、シャフト24から取り外す。
【0026】
図8に、印字を行った後の熱転写リボンの終端部分、即ち、巻き始め部分を示す。上記の工程によりコア22上に巻き取った熱転写シート20は、図8から分かるように、熱転写シート20と接着テープ25とは接着されているが、コア22と熱転写シート20とは接続(接着)されていない。従って、印字を行った後に、熱転写リボンの終端部はエンドフリーの状態となっており、印字が終了したとき、負荷がかからない状態で熱転写シート20の終端部分20aが容易にコア22から外れることになる。
【0027】
(本発明の第2の態様)
本発明の第2の態様では、上記仮固定工程は、直接固定部材を介して間接固定部材を被間接固定部に接続し、コアの巻き取り部外周の所定箇所に配置した熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周と間接固定部材により挟持することにより行われる。
好ましくは、直接固定部材として接着剤又は両面接着テープが用いられ、間接固定部材として非接着テープが用いられる。この工程は図10及び11に示されている。第2の態様においても、図9に示すような熱転写シートの巻き取り装置を用いることができる。
【0028】
図10に、熱転写シートの巻き取り装置におけるコア22等の配置の概略を示す。図10に示すように、熱転写シート20を巻き取るためのコア22と、コア22と略同径の外径を有し、幅が1/2の2個1組の被間接固定部であるスペーサ23が交互に並置されている。ここで、スペーサ23の必要箇所に直接固定部材として、例えば両面接着テープを貼っておく。
【0029】
図11に、巻き取るべき熱転写シート20をコア22に仮固定する態様を示す。熱転写シート20の一端部をコア22の上に置き、熱転写シート20の端部およびスペーサ23の上にわたって間接固定部材である厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート製の非接着テープ28(仮固定用非接着テープ)を配置し、熱転写シート20の一端部をコア22に仮固定する。
【0030】
この際、非接着テープ28は、先にスペーサ23に貼っておいた両面接着テープを介して、スペーサ23に直接固定する。また、コア22においては、熱転写シート20は、上からの非接着テープ28の押し圧で、コア22へ仮固定される。この際、非接着テープ28は接着性ではないので、非接着テープ28と熱転写シート20とが直接接着することがなく、また、コア22上へは接着剤又は両面接着テープが設けられていないので熱転写シート20がコア22へ直接接着することもない。
【0031】
さらに詳細に述べると、非接着テープ28は、熱転写シート20の端部及びスペーサ23の両方の上へ取り付けられる(図11)。その結果、コア22では、熱転写シート20がコア22と非接着テープ28との間に存在することになるが、熱転写シート20と非接着テープ28との間においても、また、熱転写シート20とコア22との間においても、互いに接着していない。一方、スペーサ23は、非接着テープ28と接着剤又は両面接着シートを介して接着することになる。これにより、熱転写シート20は、コア22に直接固定されていないが、非接着テープ28の押し圧で仮固定された状態となる(図11)。尚、ここでは直接固定部材として両面接着テープを例示したが、本発明はこれに限定されず、単にスペーサ23に接着剤を塗布する、クリップ等でスペーサ23と間接固定部材である非接着テープとを挟持する、ピン等によりスペーサに非接着テープを固定する等、間接固定部材を被間接固定部に直接固定できればよい。また、本発明における両面接着テープ及び接着剤としては特に限定はないが、作業の容易性から両面接着テープ又は接着剤が好適に使用できる。
【0032】
熱転写シート20の端部をコア22上へ仮固定するとき、図11に示すように、仮固定用テープ28の側端が熱転写シート20の巻き始め端20aにかかっても、又かからなくてもよい。必要なことは、非接着テープ28が熱転写シート20の巻き始め端20a、又はその近傍を覆うようにして熱転写シートを非接着テープ28の押し圧で仮固定することである。
【0033】
本発明の第2の態様では、非接着テープ28を使用することから、埃の付着やブロッキングの問題がない。しかし、巻き取りが完了した後も製品としての熱転写リボンに非接着テープが残ったままであると、印字終わりに非接着テープが外れてしまうので、印字装置内に残って故障の原因となる恐れがある。それを防ぐためには、熱転写シートの巻き取り途中又は巻き取り後、間接固定部材である非接着テープを熱転写シートの間から取り除くことが好ましい。しかし、熱転写シートの巻き圧があるため間接固定部材を容易には取り除くことができない場合がある。また、間接固定部材(例えば仮固定用テープ)を取り除くために(抜き取るために)片側から引っ張ると、巻き取った熱転写リボンの巻崩れが起きる恐れがある。そこで、間接固定部材に切断用の弱強度部を設けることが好ましい。例えば、図12のように間接固定部材としての非接着テープ28に切り込み等により切断用の弱強度部30を設けておくことで、巻き取り終了後両側から、非接着テープを引っ張ることにより弱強度部で切断されるので比較的容易に抜き取ることができる。切断用の弱強度部30は非接着テープ28の、巻き取りボビンに対応する個所に設けるのが好ましい。もちろん、切断用の弱強度部30は、非接着テープが容易に取り除くことができるものである場合には、必要はなく、本発明にとって必須ではない。
【0034】
次に、非接着テープ28を用いてコア22上へ仮固定された熱転写シート20を、図5に示すと同様な態様で、コア22上へ巻き込む。巻き込みを続け、所定量の熱転写シートをコア22上へ巻き取る。
【0035】
図13に、所定量の熱転写シートをコア上へ巻き取ったときの状態を示す。図13に示すように、所定量の熱転写シート20をコア22上へ巻き取った後、熱転写体シート20の巻き終わり部分26を切り離す。また、熱転写シートの巻き取り完了後、スペーサ23上に露出している非接着テープ28を、その両端がコア上へ巻き取った熱転写シート20の側端からはみ出す(露出する)ように、その中央部分又はその近傍で、切り離す。この切り離しにはナイフ等を用いることができる。
【0036】
非接着テープ28を切り離した後、図14に示すように、コア22上に巻き取った熱転写リボン29を、その両端に位置するスペーサ23a、23bとともに、シャフト24から取り外す。
【0037】
シャフト24から取り外した後、巻き取った熱転写リボンの両側にあるスペーサ23a、23bを、それらに接着している非接着テープ28と共に、反対方向へ引っ張り、巻き取った熱転写シートの下に挟まれている非接着テープ28を取り除く。図12に示すような弱強度部30を非接着テープ28に設けた場合には、図15に示すように、非接着テープ28はその弱強度部30又はその近傍で、容易に破断され、取り除かれる。
【0038】
この方法によりコア上に巻き取った熱転写シートは、コア上へは接着していない。したがって、印字を行った後に、熱転写体リボンの終端部分20a(巻き始め部分)はエンドフリーの状態となっており、印字が終了したとき、負荷がかからない状態で熱転写リボンの終端部20aが容易にコア22から外れることになる。
【0039】
本発明では、熱転写シートの巻き始め側の端部には、任意で、検知フィルム、リードフィルム等を接続してもよい。
【0040】
(検知フィルム)
検知フィルムは、合成樹脂フィルムからなる基材の表面にアルミニウムが蒸着されたもの(透過型検知センサ用)または無蒸着のもの(反射型検知センサ用)が好適に用いられる。基材は、特に限定はないが、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、アラミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、セロファン等の合成樹脂フィルムであることが好ましい。基材の厚みは特に限定はないが、通常は5〜30μm程度である。また、アルミニウムの蒸着膜の厚さは400〜800Åであることが好ましい。
【0041】
(リードフィルム)
ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、アラミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、セロファン等の合成樹脂フィルムのみのいわゆるリードテープが単独又は上記のような検知フィルムとともに熱転写リボンの巻始め部に設けられていてもよい。
【0042】
その他、必要により、ニアエンドを検知するための検知マークを印刷等により形成したり、または熱溶融性インク層の一部を他の部材に転写する等によりインクを一部剥がしたりして形成してもよい。
【0043】
本発明で用いるコアは、材質、サイズなどにおいて特に限定されるものではなく、プラスチック製ボビン、紙管等、通常熱転写リボンのコアとして用いられているものであればよい。
【0044】
また、本発明の被間接固定部についても、材質、サイズなどにおいて、特に限定されるものではない。例えば、前記コアと略同一のものを被間接固定部としてのスペーサとして用いる、またはコアを支持するシャフトを被間接固定部とすることもできる。さらに、巻き取り時にコアと同期して回転する回転体を外部に設置することも可能である。また巻き取り時にコアと同期して回転する箇所であればどこでもよく、例えば巻き取り装置のシャフト自体など、が挙げられるが、作業性の観点からコアと同一のボビン又は紙管を巻き取り装置のシャフトにコアとともに設置するのがよい。但し、第2の態様で間接固定部材を引き抜く際、被間接固定部を持って引き抜くのが作業性の点で好ましいが、コアと略同一幅のボビン又は紙管を被間接固定部として用いると、無駄にスペースをとるので、図10にあるようなコアの幅の半分程度の幅を有するスペーサを用いてもよい。
【0045】
また、前述したように被間接固定部としてスペーサを用いる場合などでは、コアと交互に配置してもよいし、また複数のコアの中間には配置せず、コアの両側にのみ配置してもよい。さらに、第1の態様において間接固定部材として接着テープを用いた場合や、第2の態様において直接固定部材として両面接着テープまたは接着剤を用い、例えば被間接固定部としてスペーサを用いた場合、接着テープや両面接着テープを剥がさないと、その分徐々にスペーサの外径が大きくなりスペーサの被間接固定部としての機能が低下するが、被間接固定部に離型剤を塗布するなどして離型処理を施しておけば容易に剥がせるので、被間接固定部の機能を維持して再利用できる点からも好ましい。
【0046】
尚、第2の態様においては、仮固定を間接固定部材とコアとで熱転写シートの端部を挟持することにより、その押圧力で実現しているので、例えば被間接固定部としてスペーサを用いる場合は、その外径をコアの外径と同程度かそれより小さくすることが好ましい。
【0047】
本発明の第1の態様における熱転写シートをコア上に仮固定するための間接固定部材としては、樹脂フィルム樹脂フィルムに接着剤が塗布された接着テープが好ましく、また接着テープの中でも作業の容易性等から粘着テープがより好ましい。接着テープについては、その剥離力およびサイズ等については特に限定はないが、好ましいものを例示すれば以下のごとくである。接着テープの幅としては、例えば12mm、15mm、18mm、24mm等あるが、コアのサイズ、および巻き取り時に熱転写シートにかかる張力等を考慮して適宜決定すればよい。また、接着テープの厚さは特に限定されないが、あまり厚すぎると接着テープの厚み分だけ巻き取り時に段差が発生するので、10〜60μm程度とすることが好ましい。さらに、接着テープとしては剥離力が、JIS Z 0237に準じた方法で、熱転写の接する面に対する接着テープの180度ピール、測定幅10mmの条件での測定値が0.003〜0.01N/10mmの微接着性、0.01〜10N/10mm程度の弱接着性、10N/10mm以上の強接着性の各接着テープが特に限定なく使用できる。
【0048】
また、本発明の第2の態様における間接固定部材としては、該間接固定部材とコアとの間にて熱転写シートを挟持することにより、その押し圧により熱転写シートを仮固定することを実現できる部材であれば、特に限定はない。例えば、帯状、糸状等の、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン等の合成樹脂フィルム、或いはこれらの発泡フィルム、これらにアルミニウム等の金属を蒸着した蒸着フィルム、合成紙、コンデンサー紙、グラシン紙、トレーシング紙、金属フィルム、金属箔、不織布、織布、天然繊維、合成繊維等が挙げられる。しかしながら、コスト及び作業性等の観点から、帯状の合成樹脂フィルムを好適に用いることができる。本態様における間接固定部材のサイズ等については、特に限定はなく、前記仮固定の作用を発揮することができること、巻き取り時にかかる負荷等を考慮して適宜決定すればよい。
【0049】
また、本発明の第2の態様では、熱転写リボンの使用後に熱転写リボンの巻き始め端まで繰り出されると、間接固定部材は熱転写シートと接着されていないため、間接固定部材がサーマルヘッドプリンタ及びファクシミリ等の機器内に残留し、最悪の場合には故障の原因となる恐れがある。従って、本態様では、間接固定部材を熱転写シートの巻き取り途中、または巻き取り後に抜き取ることが好ましい。この場合、間接固定部材の剛性が高いとの理由で間接固定部材を抜き取りにくい場合は、上述したように間接固定部材の熱転写シートと接する部分に弱強度部を設けておくことが好ましい(図12参照)。弱強度部は図12に示す形状に限定されず、例えばミシン目により形成する、またはハーフカットにより形成する等、熱転写シートの巻き取り時には破断せず、弱強度部の両側から抜き取りのために張力を加えた場合に、該弱強度部で切断されるような構成であればよい。
【0050】
(熱転写シートの構成)
熱転写シートの代表的な構成について説明するが、この説明は一般的な熱転写リボンの製造に共通するもので、本発明に用いることができる熱転写シートがこれらに限定されるものではない。熱転写シートは、一般的には、基材の一方の面に耐熱保護層を設け、基材の他方の面に剥離層を設け、その上に熱溶融性インク層を設けて構成する。
【0051】
基材としては、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、アラミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、セロファン等の合成樹脂フィルム、或いはコンデンサー紙、グラシン紙、トレーシング紙のような薄葉紙等が挙げられる。基材としては耐熱性フィルムが好ましく、特にポリエステルフィルムが価格、機械的強度、寸法安定性、耐熱性等の総合的見地から好ましい。基材の厚さは、一般的には1〜30μm、好ましくは2〜15μmである。
【0052】
基材の熱溶融性インク層が積層されている面とは反対側の面には、転写時の加熱から基材等を保護するために、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネート樹脂との反応生成物、または耐熱粒子を含むアクリル樹脂等を含む、所謂耐熱保護層を形成することが好ましい。
【0053】
熱溶融性インク層は、顔料または染料のような着色剤、ワックス、結着樹脂などを含有する。着色剤としては顔料および染料が含まれ、カーボンブラック、酸化鉄、群青、レーキレッド、酸化チタン、塩基性ベース系、ネオザポン系、ジスアゾ系、アゾ系、アントラキノン系、インジゴイド系、可溶性染料系、硫化系、フタロシアニン系、キノンイミン系、シアニン系、ニトロソ系、ニトロ系、スチルベン系、キノリン系、ピラゾロン系、金属錯塩系、ベンゾキノン系、ナフトキノ系等が挙げられるが、これらに限定されない。ワックスとしては、カルナウバワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、木ロウ、蜜ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、部分変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等が含まれ、これらに限定されない。結着樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、テルペン樹脂やロジン樹脂等の石油系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等が含まれ、これらに限定されない。
【0054】
また、熱溶融性インク層には本発明の目的を損ねない範囲で、必要に応じてその他の添加剤を含有させてもよく、例えば、クロマン系化合物、フェノール系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4−チアゾリドン系化合物、紫外線吸収性ポリマー等の紫外線吸収剤等を含有させてもよい。またこの他に有機及び/または無機の充填材等の微粒子、離型剤、可塑剤、分散剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、消泡剤、レベリング剤等を含ませてもよい。
【0055】
上記熱溶融性インク層を含む各層の形成に用いられる材料は、例えばホットメルト法により、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸ブチル、ジオキサン等の溶媒に加えられ、必要に応じて、ボールミル、バスケットミル、アトライター等を用いて均一に分散、溶解された後、基材に塗布、乾燥される。尚塗布に際してはグラビアコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、各種ブレードコーター、カーテンコーター等の従来使用されている各種塗布装置を使用することができる。
【0056】
本発明に用いられる熱転写リボンは、黒色のみや赤色のみの単色であっても、シアン、マゼンダ、イエロー又はR、G、Bの三色、又は黒色を加えた4色、更に特色を設けた複数色の熱転写リボンであってもよく、その場合線順次、面順次のいずれであってもよい。
【実施例】
【0057】
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
実施例1
ポリエステルフィルムをリードフィルムとして用い、これにポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)の表面にアルミニウムの蒸着層が設けられたアルミ蒸着フィルム(麗光社製)をセロテープ(登録商標)CT405AP−15(ニチバン社製接着テープ、商品名)により接着する。接続されたアルミ蒸着フィルムの他端に下記の方法により製造された熱転写シートを同じくセロテープ(登録商標)CT405AP−15(ニチバン社製接着テープ、商品名)により接続し、ボビンに巻き取るための熱転写シートを準備する。
【0058】
熱転写シートの作製:
厚さ5μmのポリエチレンフタレート(PET)フィルムの一方の面に下記組成(I)の塗布液を塗布量が0.3g/mとなるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて耐熱保護層を形成した。
組成(I)シリコーン樹脂 10部
トルエン 45部
MEK 45部
【0059】
上記PETフィルムの他方の面に下記組成(II)の塗布液を塗布量が0.5g/mとなるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて剥離層を形成した。
組成(II)ポリエチレンワックス 9部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 1部
トルエン 10部
【0060】
この剥離層上に下記組成(III)の塗布液を塗布量が1.0g/mとなるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて熱溶融性インク層を形成し、熱転写シートを得た。
組成(III)
カルナバワックス 10部
テルペンフェノール樹脂 30部
カーボンブラック 10部
トルエン 100部
【0061】
図9に示す巻き取り装置を用いて、下記の方法で熱転写シートを巻き取った。巻き取るための熱転写シートのリードフィルム側を、巻始めとして、中空部を有する1インチ紙管(外径33〜34mm、幅80mm)のコアに配置し、熱転写シートの巻き始め部分上および、コアと並置された、コアと同じ1インチ紙管からなるスペーサ上に間接固定部材である接着テープ(セロテープ(登録商標)CT405AP−15、ニチバン製)を貼り付けて、熱転写シートをコア上へ仮固定する(図3、4参照)。熱転写シート100mをコアへ巻き取り、巻き取り完了後、熱転写シートの巻き終わり部分を切り離し、さらに接着テープをコアの側端部で切り離し、熱転写シートが巻き取られたコアをシャフトから取り外し、熱転写リボンを得た。
【0062】
得られた熱転写リボンのコアの中空部に、そのコアの内径より小さい外径を有するアルミニウム棒を通し、アルミニウム棒の両端を水平に支持しながら、熱転写リボンの熱転写シートを繰り出していき、終端部がコアから離れる際の張力を確認した。終端部がコアから離れる際の張力に変動はなく、熱転写リボンの終端部がフリーな状態で巻き取られていたことを確認した。
【0063】
実施例2
実施例1と同様にして、熱転写シートを紙管に巻き取った。ただし、実施例2においては、スペーサとして外径32mmのものを用い、熱転写シートをコア上へ仮固定するに際し、スペーサの外周に両面接着テープ(日東電工社製両面接着テープN.500)を貼り付けておいた。
【0064】
さらに、実施例2においては、実施例1で用いた接着テープに替えて、図12の30で示すような弱強度部を設けた厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートテープ(幅15mm)を用いた。なお、このテープは非接着性である。
【0065】
また、熱転写シートの巻き取り操作が終了した後、熱転写シートの巻き終わり部分を切り離し、さらにスペーサ上まで露出しているポリエチレンテレフタレートテープを、図13に示すようにその両端が巻き取った熱転写シートの側端からスペーサ上へはみ出すように、切り離した。続いて、コアに熱転写シートが巻き取られた熱転写リボン及びその両側のスペーサをシャフトから取り外し、スペーサ上へはみ出しているポリエチレンテレフタレートテープを両側に反対方向に引っ張り取り除いた。
【0066】
得られた熱転写リボンのコアの中空部に、そのコアの内径より小さい外径を有するアルミニウム棒を通し、アルミニウム棒の両端を水平に支持しながら、熱転写リボンの熱転写シートを繰り出していき、終端部がコアから離れる際の張力を確認した。終端部がコアから離れる際の張力に変動はなく、熱転写リボンの終端部がフリーな状態で巻き取られていたことを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の製造方法により得られた熱転写リボンを示す概略図である。
【図2】熱転写シートの巻き取り装置に用いるボビンの構成を示す概略図である。
【図3】巻き取るべき熱転写リボンをコアに仮固定する態様を示す概略図である。
【図4】巻き取るべき熱転写リボンをコアに仮固定する態様であって、仮固定用接着テープを貼り付けた状態を示す概略図である。
【図5】熱転写シートをコア上へ巻き込む態様を示す概略図である。
【図6】熱転写シートをコア上へ巻き取った状態を示す概略図である。
【図7】コア上へ巻き取った熱転写リボンと、スペーサとをシャフトから取り外した状態を示す概略図である。
【図8】印字を行った後の熱転写リボンの終端部分(巻き始め部分)を示す概略図である。
【図9】本発明の方法に使用する熱転写シートの巻き取り装置を示す概略図である。
【図10】熱転写シートの巻き取り装置に用いるコアと被間接固定部の配置の一例を示す概略図である。
【図11】巻き取るべき熱転写リボンを非接着性の仮固定用テープを用いてコアに仮固定する態様を示す概略図である。
【図12】間接固定部材としての非接着テープに弱強度部を設ける態様を示す概略図である。
【図13】熱転写シートをコア上へ巻き取った状態を示す概略図である。
【図14】熱転写リボンを、その両端に位置するスペーサと共にシャフトから取り外す態様を示す概略図である。
【図15】間接固定部材としての非接着テープを両端から引き抜いた状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0068】
1 熱転写リボン
2 熱転写シート
3 コア
20 熱転写シート
20a 熱転写シートの端部の終端部分(巻き始め端)
22 コア
23 スペーサ
23a、23b スペーサ
24 シャフト
25 間接固定部材としての接着テープ
26 熱転写シートの巻き終わり部分
28 間接固定部材としての非接着テープ
30 弱強度部
91 熱転写シートの原反
92 スリット刃
93 熱転写シート
94 コア
95 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアに熱転写シートを巻き取る熱転写リボンの製造方法において、少なくとも、
コアと、熱転写シートの巻き取り時にコアと同期して回転する被間接固定部とを配置し、該被間接固定部に間接固定部材を接続し、該間接固定部材により熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定する工程、および
コアと被間接固定部とを同期させて回転させ、それにより、該熱転写シートとコアとを間接的に同期させて回転させることによりコアに熱転写シートを巻き取る工程、
を有することを特徴とするエンドフリーとした熱転写リボンの製造方法。
【請求項2】
該間接固定部材が接着テープであり、該接着テープを被間接固定部に接続し、且つコアの巻き取り部外周の所定箇所に一端部を配置した熱転写シートと該接着テープとを接続することにより、熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定することを特徴とする請求項1記載の熱転写リボンの製造方法。
【請求項3】
直接固定部材を介して該間接固定部材を被間接固定部に接続し、コアの巻き取り部外周の所定箇所に配置した熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周と間接固定部材により挟持することにより該熱転写シートの一端部をコアの巻き取り部外周の所定箇所に仮固定することを特徴とする請求項1記載の熱転写リボンの製造方法。
【請求項4】
該直接固定部材が接着剤又は両面接着テープであり、該間接固定部材が非接着テープであることを特徴とする請求項3記載の熱転写リボンの製造方法。
【請求項5】
熱転写シートの巻き取り途中又は巻き取り後、該間接固定部材を熱転写シートの間から取り除くことを特徴とする請求項4記載の熱転写リボンの製造方法。
【請求項6】
該間接固定部材が弱強度部を有することを特徴とする請求項5記載の熱転写リボンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−301793(P2007−301793A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131383(P2006−131383)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(505091905)ゼネラルテクノロジー株式会社 (117)
【Fターム(参考)】