説明

熱電ユニット

【課題】 熱電ユニットを改善する。
【解決手段】 熱電ユニットが、複数の互いに連結された熱電要素(5)を有し、二重壁冷却管(3)の扁平内管(7)の主面と扁平外管(8)の主面との間に配置されている第1の熱電モジュール(2)と、複数の互いに連結された熱電要素(5)を有し、前記二重壁冷却管(3)の前記扁平内管(7)のさらに別の主面と前記扁平外管(8)のさらに別の主面との間、および/または、さらに別の二重壁冷却管の扁平内管の主面と扁平外管の主面との間に配置されている第2の熱電モジュール(2)と、前記第1のモジュールを前記第2のモジュールに導電可能に接続できるように構成されている電気コネクタ(35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;49;50;58)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
排ガス内に熱の形態で貯蔵されたエネルギーは、これまで利用されることなく外界に放出されてきた。設備、例えば車両の効率を向上させるために、かつ、従って、動作時のCO排出量を低減するために、熱電発電機(TEG)を実装することができ、この発電機の熱電モジュール(TEM)によって、前記熱の一部が電気エネルギーに変換されて前記設備へ導き戻される。TEGは、様々な利点を有して排ガス管路内または排ガス再循環管路内の任意の場所に格納しておくことができる。TEGは、電気駆動によって熱電加熱器または熱電冷却器(TE−HK)としても利用することができる。
【0003】
特許文献1は熱電要素を備えた熱電発電機を開示しており、この熱電要素は、電気を生成するために、高温熱源としてエンジンからの排ガスを利用し、低温熱源としてエンジン冷却剤を利用する。バルブによって、前記熱源要素への排ガスの供給部がエンジン負荷に応じてフィードバック制御される。
【0004】
従来技術に係るこれまでのTEMは、それらの構成および接合技術を理由に、TEG内で使用するには最適ではなく、また効果も比較的低い。さらに、TEMは、最適な仕方で電気的な組込みおよび接続が行われていなければならない。
【0005】
従来のTEGは、熱電活性材料と熱源/ヒートシンクとの間の伝熱抵抗が高いためにほとんど有効ではない。また、熱交換器へのTEMの組込みは、ほとんど実現不可能であることが明らかになっている。従来利用可能である接合技術の一部は、高温安定性を有していない。さらに、熱交換器におけるTEMのガス側接触部では僅かな熱伝達しかないことが多い。従って、従来技術において、これまでのTEMは、それらの構成および接合技術を理由に、TEG内で使用するには最適ではなく、また効果も比較的低い。電気的な接続はしばしば高コストであり、安定性を欠く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1475532号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、改善された熱電ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の熱電ユニットによって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の根底をなす認識は、電気接続接点の有利な構成によって、非常に容易にかなり大きな数量の熱電モジュールを互いに連結することができるということである。このようにすることで、コンパクトに組み立てられた熱交換器の場合にも、熱電要素の利点を効率的に利用することができる。
【0010】
本発明は、複数の熱電モジュールを電気的に接続するための熱電ユニットを提供し、この熱電ユニットは以下の特徴を有する。すなわち、複数の互いに連結された熱電要素を有する第1の熱電モジュールであって、二重壁冷却管の扁平内管の主面と扁平外管の主面との間に配置されている第1の熱電モジュール、複数の互いに連結された熱電要素を有する第2の熱電モジュールであって、前記二重壁冷却管の前記扁平内管のさらに別の主面と前記扁平外管のさらに別の主面との間、および/または、さらに別の二重壁冷却管の扁平内管の主面と扁平外管の主面との間に配置されている第2の熱電モジュール、および、前記第1のモジュールを前記第2のモジュールに導電可能に接続できるように構成されている電気コネクタを有する。
【0011】
前記熱電モジュール(または略してTEM)は、例えば熱交換器内で使用することができる。熱交換器は、車両内で熱電発電機または熱電加熱器および熱電冷却器として使用することができる。例えば、前記熱交換器を熱電発電機またはTEGとして使用する場合、相異なるように調温されて空間的に分離された2つの媒体または流体が、前記熱電モジュール内で電流が生成されるように互いの近傍を案内される。前記熱電要素は、例えば相異なるようにドーブされた半導体材料であり得る。前記熱電要素は、前記扁平内管の前記主面と前記扁平外管の前記主面との間に複数のブロックとして配置しておくことができ、かつ、導電体を有することができ、これらの導電体を介して、前記個々のブロックが導電可能に互いに接続されている。このようにして、二重壁冷却管は、一般に、断面を見た場合に互いに重なり合って配置されている熱電モジュールまたはTEMを有する。前記二重壁冷却管は、従ってまたTEM管と呼ぶこともできる。前記二重壁冷却管は、例えば矩形の断面を有することができ、すなわち、矩形内管とこの矩形内管を取り囲む矩形外管とで構成される。従って、前記扁平内管の主面と前記扁平外管の主面とは、前記内側および外側矩形管の、互いに重なり合って位置する大きい方の面である。例えば、前記熱交換器の前記2つの相異なるように調温された流体のうちの一方が、TEM管の内管内を案内される。この流体は、例えばエンジン冷却回路の冷却剤であってもよい。前記2つの相異なるように調温された流体のうちのもう一方は、例えば車両の内燃機関からの排ガスであってもよく、前記二重壁冷却管の前記外管の外側面へ案内することができる。このようにして、前記2つの媒体の温度差によって、内管と外管との間に配置された熱電モジュール内で電流が生成される。熱交換器は、一般に、前記扁平内管の前記主面と前記扁平外管の前記主面との間の各中間スペース内にそれぞれ熱電モジュールを備えた、複数の例えば層状に配置された二重壁冷却管を有する。前記電気コネクタは、相異なるように形成された導電性の金属要素であり得る。これらの金属要素は、前記2つの熱電モジュールを二重壁冷却管内で接続でき、かつ、同時にまたは代替的にこれらの熱電モジュールをさらに別の二重壁冷却管の熱電モジュールに導電可能に接続できるように構成しておくことができる。
【0012】
1実施形態では、少なくとも1つの側面において前記扁平内管の端部が前記扁平外管の対応する端部を越えて張り出すように、前記二重壁冷却管の前記扁平内管が前記二重壁冷却管の前記扁平外管よりも大きな長さを有し、かつ、前記さらに別の二重壁冷却管の前記扁平内管が前記さらに別の二重壁冷却管の前記扁平外管よりも大きな長さを有し、その際、前記電気コネクタは、前記二重壁冷却管の前記内管の前記張り出した端部から、前記さらに別の二重壁冷却管の内管の前記張り出した端部にまで延在する。有利には、このようにすることで、複数の冷却管の熱電モジュールを導電可能に接続するための導体接続部を容易に位置決めし、固定することができる。
【0013】
例えば、前記電気コネクタは、一体型のクリップとして構成しておくことができ、このクリップは、前記二重壁冷却管の側面において前記扁平内管を側方からクランプし、その際、前記コネクタの第1の端部が前記二重壁冷却管の前記第1の熱電モジュールに接触し、かつ、前記コネクタの第2の端部または中間接点が前記二重壁冷却管の前記もう一方の熱電モジュールに接触する。この種の電気コネクタは、容易にかつ低コストで製造することができ、使用する際にも複雑でない。前記接触は、例えば前記端部および前記第2の端部または前記中間接点を前記熱電モジュールの前記諸要素の1つと前記扁平内管との間に挿入することによって実現できる。前記一体型のクリップは、前記扁平内管に完全に当接すること、または前記扁平内管の側面から離間しておくことが可能である。
【0014】
さらに別の実施形態では、前記電気コネクタを一体型のマルチクリップとして構成しておくことができ、このマルチクリップは、前記二重壁冷却管の前記扁平内管と前記少なくとも1つのさらに別の二重壁冷却管の前記扁平内管とを側面において側方からクランプし、その際、前記マルチクリップは、前記二重壁冷却管に配設された2つの熱電モジュールをさらに別の二重壁冷却管の少なくとも1つの熱電モジュールに接続できるように構成されている。この実施態様でも、前記電気コネクタは、製造が容易かつ低コストであり、かつ、特に複数の冷却管の前記熱電モジュールを接続する必要がある場合に、支障なく位置決めして固定することができる。
【0015】
また、前記電気コネクタは、複合部材のクリップとして構成しておくことができ、このクリップの第1の部材が、前記二重壁冷却管の前記扁平内管の側面をクランプし、かつ、少なくとも1つの第2の部材が、さらに別の二重壁冷却管の前記扁平内管を側面においてクランプし、その際、前記第1の部材と前記第2の部材とを形状結合により接続することができ、これにより、前記二重壁冷却管に配設された少なくとも1つの熱電モジュールを前記さらに別の二重壁冷却管に配設された少なくとも1つの熱電要素に導電可能に接続することができる。例えば、前記1つの部材と前記少なくとも1つのさらに別の部材とを、互いに係合可能なフックとして構成しておくことができる。この実施形態は、前記クリップの前記少なくとも2つの部材を位置決めする作業ステップと接続する作業ステップとを分離することによって、前記電気コネクタの取り付けおよび取り外しを簡素化できる、という利点を供する。
【0016】
さらに別の実施形態では、前記電気コネクタは、前記内管の幅の狭い側面の周囲に締着しておき、かつ、前記内管の前記両主面を繋ぐ前記内管の副面の領域にブシュを有することができ、このブシュは、差込み導体に導電可能に接続されるように構成しておくことができる。前記差込み導体は、例えば電気絶縁された銅ケーブルまたは導体留め具であってもよく、この導体に個々のTEM管を接続すること、または、この導体によって外部電源との接続を確立することができる。このことにより、前記個々の熱電モジュールの迅速な接触が、複数の冷却管に渡る場合にも可能となる。
【0017】
また、前記二重壁冷却管の前記扁平外管は、第1の開口部を有すること、および、前記さらに別の二重壁冷却管の前記扁平外管の主表面に第2の開口部を有することができ、この第2の開口部は、前記第1の開口部に対向する位置に配置されており、かつ、その際、電気コネクタは差込みピンとして構成されており、この差込みピンは、前記第1の開口部および前記第2の開口部の中を延通されている。差込みピンとこの種の開口部とを組み合わせることで、熱電モジュールを導電可能に接続するための、特に省スペースの方式が可能となる。
【0018】
1実施形態では、前記差込みピンは非導電性の外装部を有することができる。前記差込みコネクタは、導電性コアと電気絶縁された外装部とを備えた二重プラグまたは導体ピンとして構成しておくことができ、これにより、前記熱電モジュールと周囲との接点の電気絶縁を改善することが保証されている。このことは、特に、車両での使用の場合のように前記熱電ユニットにとって不利な周囲条件の場合に、前記熱電ユニットの耐久性を向上させるであろう。
【0019】
さらに別の実施形態では、前記電気コネクタが第1の部材を有し、この第1の部材を前記熱電モジュールに導電可能に接続された軸ピンとして構成しておくことができ、この軸ピンは、前記第2の二重壁冷却管の前記扁平外管の主面開口部から突出しており、かつ、その際、前記電気コネクタはさらに第2の部材を有することができ、この第2の部材も同様に導電性の軸ピンとして構成しておくことができ、前記第2の部材は、さらに別の二重壁冷却管に配設された第2の熱電モジュールに導電可能に接続されており、かつ、この第2の部材は、前記第2の二重壁冷却管の前記扁平外管の主面開口部から突出している。この場合、前記電気コネクタの前記第1および第2の部材は、互いに導電可能に接触させておくことができる。その際、前記熱電モジュールをさらに別の熱電モジュールに電気接続するために、前記二重壁冷却管を、さらに別の二重壁冷却管に密に隣接させて、前記それぞれの熱電モジュールに接続された軸ピンが互いに接触できるように配置しておくことができる。ここでも、包囲する前記媒体に対して前記軸ピンを電気絶縁しておくことが可能であり、これにより、上記利点がやはり実現できる。
【0020】
また、前記電気コネクタはケーブルとして構成しておくことができ、このケーブルの端部は、前記二重壁冷却管の前記扁平外管の主面開口部によって、前記熱電モジュールに材料結合的にかつ導電可能に接続しておくことができる。この実施形態の場合、必要とされる材料コストを特に低く維持することができ、その際、個々の熱電モジュールを確実に電気的に接触させることが、前記材料結合による接続によって保証されている。それに対して、この種の接続部に関する接続確立コストは、適宜形成されたクリップによる接続に関する接続確立コストおよび固定コストよりも大きくなるであろう。
【0021】
本発明の有利な実施例については、以下において、添付の図面を参照しながらさらに詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例に係る、TEM管の一体型または二部材構成の扁平外管あるいは扁平内管を示す等角投影図である。
【図2】本発明の実施例に係る、TEM管の一体型または二部材構成の扁平外管あるいは扁平内管を示す等角投影図である。
【図3】本発明の実施例に係る、TEM管の一体型または二部材構成の扁平外管あるいは扁平内管を示す等角投影図である。
【図4】本発明の実施例に係る、TEM管の一体型または二部材構成の扁平外管あるいは扁平内管を示す等角投影図である。
【図5】本発明の実施例に係る、TEM管の一体型または二部材構成の扁平外管あるいは扁平内管を示す等角投影図である。
【図6】本発明の実施例に係る、TEM管の一体型または二部材構成の扁平外管あるいは扁平内管を示す等角投影図である。
【図7】本発明の実施例に係る、TEM管の一体型または二部材構成の扁平外管あるいは扁平内管を示す等角投影図である。
【図8】本発明の実施例に係る開口部を備えた扁平外管を示す等角投影図である。
【図9】本発明の実施例に係る開口部を備えた扁平外管を示す等角投影図である。
【図10】本発明の実施例に係る熱電モジュールを示す等角投影図である。
【図11】本発明の実施例に係る、TE(熱電)材料を備えた扁平内管を示す等角投影図である。
【図12】本発明の実施例に係る、TE材料を備えたTEM管を示す等角投影図である。
【図13】本発明の実施例に係る、TE材料を備えたTEM管の一部分を示す断面図である。
【図14】本発明の実施例に係る、TE材料を備えたTEM管を示す部分断面詳細図である。
【図15】本発明の実施例に係るTEM管蓋部を示す等角投影図である。
【図16】本発明の実施例に係るTEM管蓋部を示す等角投影図である。
【図17】本発明の実施例に係るTEM管蓋部を示す等角投影図である。
【図18】本発明の実施例に係る、TEM管とTEM管蓋部との接続に関する等角投影図である。
【図19】本発明の実施例に係る、TEM管とTEM管蓋部との接続に関する等角投影図である。
【図20】本発明の実施例に係る、TEGの組立てに関する分解図である。
【図21】本発明の諸実施例に係る、扁平外管に対する扁平内管の配置を示す断面図である。
【図22】本発明の実施例に係る、扁平外管に対する扁平内管の配置を示す断面図である。
【図23】本発明の実施例に係る底部を備えたTEM管を示す断面図である。
【図24】本発明の実施例に係る底部を備えたTEM管を示す断面図である。
【図25】本発明の実施例に係る底部を備えたTEM管を示す断面図である。
【図26】本発明の実施例に係る底部を備えたTEM管を示す断面図である。
【図27】本発明の実施例に係る、底部に接合されたTEM管を示す部分等角投影図である。
【図28】本発明の実施例に係るTEモジュールと導体コネクタとを備えた扁平内管を示す部分等角投影図である。
【図29】図28のTEモジュールと導体コネクタとを備えた扁平内管を示す部分断面図である。
【図30】本発明のさらに別の実施例に係るTEモジュールと導体コネクタとを備えた扁平内管を示す部分断面図である。
【図31】本発明の実施例に係る、ブシュを備えた導体コネクタを示す等角投影図である。
【図32】本発明の実施例に係る導体接続部を介したTEM扁平内管の連結に関する等角投影図である。
【図33】本発明の実施例に係る二部材構成の導体コネクタを示す等角投影図である。
【図34】本発明の実施例に係る二部材構成の導体コネクタとTEM管との連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図35】本発明の実施例に係る二部材構成の導体コネクタとTEM管との連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図36】本発明の実施例に係る二部材構成の導体コネクタとTEM管との連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図37】本発明のさらに別の実施例に係る導体コネクタを示す等角投影図である。
【図38】本発明の実施例に係る図37の導体コネクタとTEM管部分との接続に関する部分等角投影図である。
【図39】本発明の実施例に係る図37の導体コネクタとTEM管部分との接続に関する部分等角投影図である。
【図40】本発明の実施例に係る差込み導体を示す等角投影図である。
【図41】図40の差込み導体を備えた扁平内管を示す部分等角投影図である。
【図42】本発明のさらに別の実施例に係る差込み導体を示す等角投影図である。
【図43】図42の差込み導体を備えたTEM扁平内管を示す部分等角投影図である。
【図44】本発明のさらに別の実施例に係る二部材構成の差込みブシュを示す等角投影図である。
【図45】図44の二部材構成の差込みブシュを備えたTEM扁平内管を示す部分等角投影図である。
【図46】本発明の実施例に係るTEM管プラグを示す等角投影図である。
【図47】本発明の実施例に係る図46のTEM管プラグとTEM管との接続に関する等角投影図である。
【図48】本発明の実施例に係るTEM管プラグを介したTEM管の連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図49】本発明の実施例に係るTEM管プラグを介したTEM管の連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図50】本発明の実施例に係る導体接続スリーブを介したTEM管の連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図51】本発明の実施例に係る導体接続スリーブを介したTEM管の連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図52】本発明の実施例に係る導体ピンとTEM管との連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図53】本発明の実施例に係る導体ピンとTEM管との連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図54】本発明の実施例に係る導体ピンとTEM管との連結に関する等角投影図および部分断面図である。
【図55】本発明の実施例に係るろう付けされたケーブルを介したTEM管の結合に関する断面図である。
【図56】本発明の実施例に係る、変形により形成された管形状加工部を備えたTEM管を示す等角投影図である。
【図57】本発明の諸実施例に係る充填された管変形形状加工部および/または金属薄板で被覆された管変形形状加工部に関する等角投影図および断面図である。
【図58】本発明の諸実施例に係る充填された管変形形状加工部および/または金属薄板で被覆された管変形形状加工部に関する等角投影図および断面図である。
【図59】本発明の諸実施例に係る充填された管変形形状加工部および/または金属薄板で被覆された管変形形状加工部に関する等角投影図および断面図である。
【実施例】
【0023】
本発明の好ましい実施例についての下記説明では、様々な図面に示された、類似の働きをする要素に対して同一または類似の符号が用いられており、これらの要素について繰り返し説明されることはない。
【0024】
ここに提示される本発明の諸実施例に係るTEM管は、二壁矩形管によって形成され、TE活性材料が両壁部の中間スペース内に設けられる。前記TEM管の内管が、TEGを貫流する2つの流体のうちの一方に接触しており、前記TEM管の外管が、前記TEGを貫流する前記2つの流体のうちのもう一方に接触している。
【0025】
前記二壁矩形管の内管および/または外管に関する様々な実施例が、図1〜図9に示されている。
【0026】
例えば、図1は、TEG内で用いるための一体型の外管あるいは扁平外管8を示す等角投影図である。前記扁平外管8は内部に非導体15を有する。前記扁平外管8の外向きの主面が形状加工部20を備えている。
【0027】
図2は、形状加工された一体型の外管8の類似の実施例を示す等角投影図であり、ここでは、前記管8は前記管8の側面に継目21を有する。図2に示された管は、二壁管のための内管7として用いることもできる。
【0028】
図3は、非導体15と形状加工部20とを備えた一体型の内管7の実施例を示す等角投影図である。
【0029】
前記内管7も前記外管8も、実質的に金属材料から、好ましくは特殊鋼、例えば1.4404鋼から製造されている。しかし、比較的低い使用温度に関してはアルミニウム材料または銅材料も考えられる。
【0030】
前記両管7、8は、少なくとも、それらの、前記管7、8の間の中間スペースの方を向いた側面が部分的または全体的に前記非導電性材料15で被覆されており、これにより、TE材料と管7、8とは、あるいは導電体と管7、8とは、互いに対して電気絶縁されている。この非導電性材料15は、例えばセラミックコーティングまたはセラミックフィルム15であってもよい。非導電性材料15は、例えばろう付けプロセスまたは焼結プロセスを介して付着させることができ、そのために、管7、8を様々な方法で前処理しておくことが可能である。例えば、管7、8に、電気めっきまたは印刷を施しておくことができ、また、例えばタングステンまたは銀による付加的な被覆を施しておくことも可能である。
【0031】
前記外管8および/または前記内管7は、それぞれ1つの流体に割り当てられた側面に形状加工部20を有することができる。図1〜図9に示された諸実施例の場合、前記形状加工部20は、細長いバーリングの形態で構成されている。前記形状加工部20は、例えばフィン部、えら状部、ウィングレットまたはエンボスとして構成しておくことが可能である。前記形状加工部20によって、流体が流れる際の伝熱が改善されること、および/または、熱交換面が拡大されることが実現される。前記フィン部20は、様々な方法で実現することができ、例えば腐食、エッチング、フライス加工、レーザ溶融法、エンボス加工、付加的なTEインサートまたはフィンによって実現することができる。
【0032】
外管8および/または内管7は、それぞれ一体としてまたは複合部材として構成しておくことができる。二部材構成の場合、前記管が、例えば2つの半殻の形態で上部部材18と下部部材19とで構成されている。前記上部部材18と下部部材19とは、前記管の側面領域に、すなわち、短い管壁側面に接合継目21を有する。
【0033】
これに関連して、図4〜図7が、二部材構成の内管7および外管8の実施例を示す等角投影図である。
【0034】
例えば、図4は、前記接合継目21を側面中央領域に有する二部材構成の外管8の実施例を示し、図5は、前記接合継目21を側面上部領域および/または側面下部領域に有する二部材構成の外管8の実施例を示す。
【0035】
図6は、前記接合継目21を側面中央領域に有する二部材構成の内管7の実施例を示し、図7は、前記接合継目21を側面上部領域および/または側面下部領域に有する二部材構成の内管7の実施例を示す。
【0036】
管7、8は、一体としてまたは複合部材として製造されているかどうかに関わらず、前記継目21を有することができる。
【0037】
管7、8は、前記TEMを電気的に結合するために開口部22を有することができる。
【0038】
これに関連して、図8が、側面開口部22を有する外管8の実施例を示す部分等角投影図である。図9が、前記外管8の下部主面および/または上部主面に下部開口部および/または上部開口部22を備えた外管8の実施例を示す部分等角投影図である。
【0039】
図10は、熱電モジュール(TEM)2を示す等角投影図である。前記TEM2は、複数の熱電活性(TE活性)材料5と導体16とで構成されている。前記TE活性材料5は、一平面に互いに離間して配置されている。各導体16は、2つのTE活性材料5のそれぞれ1つの下面および/または上面に接合されている。前記導体16は、例えば薄壁の銅薄板であってもよい。
【0040】
図11は、内管7を示す等角投影図であり、この内管は両主面外側6にTE材料5を備えている。前記管7は、非導電性のセラミック材料からなる非導体15でコーティングされている。前記導体16は、例えばろう付けまたは焼結によって前記セラミックコーティング15に接合されている。
【0041】
図12は、完備したTEM管4を示すさらに別の等角投影図である。ここでは、図11との関連で説明した、TE活性材料5を備えた内管7が、前記外管8によって取り囲まれている。従って、前記TEM管4は、TEMと、前記内管7および前記外管8からなる二壁管3とで構成されている。前記二壁矩形管(3)または扁平管(3)は、図12に示されている実施例の場合のように、丸みを帯びたエッジを有することができる。
【0042】
図13では、図12のTEM管4の一部分の断面が見て取れる。示されているものは、前記TE活性材料5、前記TEM管4の2つの壁の間にある前記中間スペース6、前記外管8、第1の流体9(図示せず)、第2の流体10(図示せず)、前記中間スペースの上部の間隙および/または平坦な間隙11、前記中間スペースの側面領域12、前記第1の流体9のための内部領域13、前記第2の流体10のための外部領域14、前記非導電性材料15、前記導電性材料16および前記外管8上の形状加工部20である。
【0043】
前記TE材料5は、前記中間領域11の上部の平坦な間隙にも下部の平坦な間隙にも存在し、すなわち前記TEM管4の長い管壁側面に存在するが、短い管壁側にある側面領域12には存在しない。その限りにおいて、前記TEM管4は、実質的に2つの平面的なTEMあるいはTEMモジュール2からなり、これらのTEMあるいはTEMモジュールは平行に対峙して、その間に位置する前記中間スペース13を形成し、この中間スペースが前記両流体9、10のうちの第1の流体9を受け入れ、かつ、外向き側面で境界画定されている。前記側面領域12の中間スペースは、内部13と外部14との間の熱分離部となることができる。前記中間スペース6は、付加的に不活性ガスまたは非導電性材料を充填しておくことができ、これにより、前記TE材料5を保護することができる。前記非導電性材料は、例えばプラスチック、接着剤、例えばシリコーンベースの接着剤、またはセラミックによって形成することができる。
【0044】
図14は、前記TEM管4の一部分を拡大して示したさらに別の断面図である。
【0045】
前記導体16は、前記TE材料5に例えばろう付けによって接合されており、従って、これらのTE材料を互いに並列および/または直列に電気的に連結する。導体16と本来のTE材料5との間にさらにバリア層17を設けておくことができ、このバリア層が、使用時に前記TE材料5を、あるいは前記TE材料5のドーピングを保護する。
【0046】
前記TEM管4の軸方向端部は、前記中間スペース6に対して封止されており、これにより、前記第1の流体9も前記第2の流体10も前記中間スペース6内へ入り込むことができず、前記TEM2は封入されている。これは、TEM管蓋部23を介して実現でき、このTEM管蓋部は前記中間スペース6を軸方向に閉鎖する。
【0047】
これに関連して、図15〜図17が、例としてのTEM管蓋部23を示す等角投影図である。前記蓋部23は、内輪郭24と外輪郭25とを有する。前記TEM管蓋部23は、前記TEM2を電気的に結合するために開口部22を有することができ、これは、図16および図17に示された実施例に明らかである。
【0048】
図18および図19は、前記TEM管4と前記TEM管蓋部23との接合、あるいは蓋部23が接合された前記TEM管4を例示する。
【0049】
この場合、前記TEM管蓋部23の前記内輪郭24は前記内管7に接合されており、前記TEM管蓋部23の前記外輪郭25は前記外管8に接合されている。従って、前記蓋部23は、流体が妨げられることなく前記TEM管4の前記内部スペース13と前記外部スペース14とに流通することを保証する。前記蓋部23は、前記管3と面一で封止するか、または、前記内管7に関連して後退した位置にあることができ、この場合、前記外管8は前記内管7よりも短い。前記TEM管蓋部23は、前記TEM管4の電気的な構成部品16、5に対して絶縁しておくことができる。
【0050】
製造技術上、まず、前記内管7にTEM2を両側面に装備し、それに続いて、前記外管8を付け加えることができる。次に、繋ぎ合わされた外管8、TEM2、内管7、および場合によってはまたTEM管蓋部23は、熱処理、例えば炉中ろう付けに供することができ、これにより、これらの構成部品は互いに接合される。
【0051】
図20は、熱電発電機(TEG)の個々の構成部品の組立てを例示した分解等角投影図である。示されているものは、複数のTEM管4、前記第1の流体のためのディフューザ26、前記第2の流体ためのハウジング27、前記ディフューザ26の開口部28、前記ハウジング27の開口部29、および、開口部33を有する底部30である。
【0052】
前記TEGは、中心部が、複数の互いに上下に積層されたTEM管4、ならびに、底部30、ディフューザ26、ハウジング27および多様な電子構成部品、例えば線路および/またはプラグで構成されており、これらの構成部品は、前記TEGを外部へと電子的に結合し、また、必要に応じて、前記TEM管4を互いに直列または並列に連結する。前記TEGの前記電気的結合のために、前記ディフューザ26および/または前記ハウジング27は、これに関連する開口部を有するように構成されている。明瞭にするために、図20において等角投影図で示されたTEGは、底部30およびディフューザ26と共にのみ示されている。同様の目的で、前記開口部33および29のうちの1つのみに符号が付されている。前記電子構成部品は図示されていない。
【0053】
図20から明らかなように、前記TEM管4は互いに離間されており、その限りにおいて互いに接触し合うことはない。前記TEM管4は前記底部30の前記開口部33に接合されている。前記底部30の前記開口部33の形状は、前記TEM管4の内管断面に一致するように形成されている。前記底部30は、前記ハウジング27および/または前記ディフューザ26に接合されている。前記ハウジング27と前記ディフューザ26とは、互いに接合しておくことができる。
【0054】
図20に示された、例としてのTEGに、前記第1の流体を前記ディフューザ26の前記開口部28を介して送給することができる。それに続いて、この流体を前記TEM管4の内部スペース内へ導くことができる。その後、前記第1の流体は、前記第2のディフューザ26内に到達でき、続いてこのディフューザの開口部28を介して前記流体を外へ案内することが可能である。前記第2の流体は、前記ハウジング27の前記開口部29を介して前記TEGに達することができる。前記第2の流体は、前記ハウジング27内で前記TEM管4の関連外部スペースの周囲を流れ、前記ハウジング27内の前記対向する開口部29を介して前記流体を再び外に案内することが可能である。
【0055】
前記底部30は、前記TEG内の前記第1の流体の領域を前記第2の流体の領域から分離する。
【0056】
図20には示されていないが、前述したような前記TEM管4の電気的結合は、前記TEM管の側面領域の開口部を介して、および/または、前記TEM管の上部領域および下部領域の開口部を介して、または、軸方向へ行うことができる。この場合、これはTEM管蓋部を介して行うことも可能である。
【0057】
前記TEM管の前記内管は、前記外管と面一であってもよい。また、前記外管は、前記内管よりも後退した位置にあってもよい。これらに対応する実施例が図21および図22に示されており、これらの図には、それぞれ例としてのTEM管の内管7および外管8の長手方向断面が示されている。
【0058】
例えば、図21の実施例の断面図は、内管7および外管8が長手方向に面一に配置されていることを示す。それに対して、図22に示された実施例の場合、前記内管7は前記外管8よりも長手方向に張り出している。
【0059】
外管と内管とがどのように形成されているか、および、TEM管蓋部が用いられるかどうか、さらに、前記TEM管の前記電気的結合がどのように行われるかに応じて、内管底部および/または外管底部が用いられることになる。
【0060】
これに関連して、図23〜図27が底部30の様々な実施例を示しており、これらの実施例は、外管8に対する内管7の配置に即して内管底部31および/または外管底部32として構成されている。
【0061】
図23は、内管底部31としての前記底部の実施態様を示す断面図であり、前記外管8よりも2つの内管7の方が張り出している。前記TEM管は蓋部23を備えている。前記内管底部31は、前記外管8から離間されており、この底部の開口部を介して前記内管7に接続されている。前記内管底部31は、前記第1の流体9と前記第2の流体10とを分離する。
【0062】
図24は、外管底部32としての前記底部の実施態様を示す断面図であり、この底部と組み合わせて、2つの外管8が前記内管7に対して同一平面上に配置されている。この場合も、前記TEM管は蓋部23を備えている。前記外管底部32は、この底部の開口部33を介して前記外管8に接続しておくことができ、前記第1の流体9と前記第2の流体10とを分離する。
【0063】
図25は、内管底部31としての前記底部の実施態様を示すさらに別の断面図であり、この底部に組み合わせて、前記外管8よりも張り出した2つの内管7が備えられている。前記内管底部31と前記外管8とが離間されていないので、前記内管底部31も前記外管8に接続されている。従って、この実施態様では蓋部23を必要としない。この場合も、内管底部31は、前記第1の流体9を前記第2の流体10から分離する。
【0064】
図26は、内管底部31と外管底部32との両方を用いた実施例を示す。外管底部32と内管底部31との両方が用いられる場合、これらの両底部31と32との間に中間スペース34が形成され、この中間スペースは前記第1の流体9も前記第2の流体10も受け入れない。この中間スペース34は、例えば前記TEM管および/または前記TEGを電気的に結合するために適している。図26に示されたこの実施態様は、蓋部23の有無に関わらず実現可能である。
【0065】
図27は、図26との関連において説明された実施例をさらに分かりやすくするために再度示した等角投影図である。ここでは、前記内管底部31と前記外管底部32とによって形成された、流体が貫流しない中間スペース34を明確に見て取ることができる。
【0066】
以下において、個々の熱電モジュールの電気的接続の様々な可能な方式について説明する。
【0067】
一般に、前記TE活性材料あるいは熱電モジュールは、TEM管内の前記中間領域の下部間隙および上部間隙において互いに直列および/または並列に連結しておくことができる。また、前記中間領域の下部間隙の前記TE活性材料は、前記中間領域の上部間隙の前記TE活性材料に直列および/または並列に連結しておくことができる。前記TEM管の外部の前記導電性接続部は、前記第1の流体および/または前記第2の流体と接触しているが、場合によっては電気絶縁されていなければならない。前記電気的結合は、前記第1の流体の領域、前記第2の流体の領域、または、外管底部と内管底部との間の前記底部中間スペースの中立的な領域で行うことができる。前記電気的結合は、摩擦結合、形状結合または材料結合が可能である。
【0068】
前記中間領域の上部領域および下部領域のTE材料は、それら自体の導体と導体コネクタとを介して互いに電気的に接続しておくことができる。場合によっては、これは、差込み導体または差込みブシュを介しても実現できる。前記導体コネクタは、好ましくは薄壁の銅板である。
【0069】
以下において、前記電気的結合の、互いに組合せ可能な様々な実施態様についてさらに詳述する。
【0070】
以下の図28〜図45は、導体コネクタの様々な実施例およびそれらの可能な接続方式を示す。
【0071】
例えば、図28は、例としての内管7の一部分を示す等角投影図であり、この内管は、互いに向き合った主面にTE活性材料5を備えている。主面上に隣接して配置されたTE活性材料5は、それら全体で前記熱電モジュール2を形成する。図28には、前記中間領域の前記上部間隙と下部間隙との導体接続部35が示されている。これによって、TEM管の前記上部および下部の熱電モジュール5は、導電可能に互いに接続されている。図28に示されているように、前記導体コネクタ35は、前記内管7から部分的に突出していてもよく、常時、内管7に対して電気絶縁15されている。
【0072】
このことは、図28のTEM管部分を示した図29の断面図から一層明確に見て取れる。前記中間領域11の前記上部および下部の間隙を接続する前記導体接続部35は、前記中間領域の側面領域に突出している。
【0073】
これとは対照的に、図30の部分断面図に示された、前記中間領域11の前記上部および下部の間隙を接続する前記導体接続部35の実施例は、全面が内管7に接合されている。
【0074】
また、前記導体コネクタはブシュを有することができ、これは、導体コネクタ36の実施例の等角投影図によって図31に示されている。ここでは、ブシュ57が電気的接続要素として働き、これにより、前記TEM管を線路、ケーブル、プラグ等を介して外部に電気的に結合することができる。前記ブシュ57は、円錐状の形状を有すること、あるいは係止要素または有刺フックまたはクランプを有することができ、これにより、線路またはプラグが外れるのを防止できる。
【0075】
図32は、ブシュ57を備えた導体接続部36を介したTEM管の可能な連結方式を示す等角投影図である。図32に示された実施例の場合、電線路37、例えば電気絶縁された銅ケーブルは、前記導体接続部36のブシュ57によって案内され、これにより、3つの互いに上下に積層されたTEM管を互いに接続することができる。TEM管は、図32では外管なしで示されている。また、図示された3つのTEM管よりも個数の多いまたは少ないTEM管を接続することも可能である。従って、ブシュ37を備えた前記導体接続部36は、同一のTEM管の前記TEモジュールを連結すること、および、複数のTEM管を電気的に連結すること、という二重の機能を果たす。
【0076】
図33の等角投影図は、二部材構成の導体コネクタ38の実施例を示す。この二部材構成のTEM管/TEM管導体コネクタ38は、2つのTEM管を互いに電気的に連結できるように構成されており、これに関連して付加的な特徴部58を有し、これらの特徴部が、前記導体コネクタ38の第1の部材38aと第2の部材38bとを互いに接続する。
【0077】
これに関連して、図34が前記例としての導体コネクタ38の使用法を示す部分等角投影図である。両部材38aおよび38bは、2つのTEM管4のそれぞれ1つの内管上に差し込まれている。矢印が、前記部材38aと38bとを両部材38a、38bの前記特徴部58を使って繋ぎ合わせるための作業ステップを示しており、これにより、前記TEM管4の電気的な連結を確立することができる。
【0078】
図35は、図34に係る作業ステップが完了した後の状態を示す等角投影図である。前記二部材構成のTEM管/TEM管導体コネクタ38を使って連結された2つのTEM管4が示されている。前記二部材構成のTEM管/TEM管導体コネクタ38は、前記外管よりも張り出した内管を備えているTEM管を電気的に連結することに適している。
【0079】
明確にするために、再度、図36に、TEMを連結するための前記二部材構成のコネクタ38の機能を示す拡大図が挙げられている。
【0080】
図37は、一体型のTEM管/TEM管導体コネクタ39を示す等角投影図である。
【0081】
前記TEM管/TEM管導体コネクタ39を使用するための作業ステップが、図38に等角投影図で示されている。前記導体コネクタ39は、一体的な形態で2つのTEM管4を電気的に互いに連結することができ、かつ、このコネクタは、よりクリップに類似した構成を有している。
【0082】
これに関連して、図39が、一体型のTEM管/TEM管導体コネクタ39の繋ぎ合わせを示す等角投影図である。この電気コネクタ39も、前記外管よりも張り出した内管を備えているTEM管を電気的に連結することに適している。
【0083】
図40〜図45は、熱電モジュールを連結するための、ここで提案された電気コネクタのさらに別の実施可能な方式、および、TEM管におけるそれらの使用位置を示す等角投影図である。
【0084】
図40および図41は、差込みコネクタ40の実施例あるいはTEM管の熱電モジュールに接合された差込み導体40を示す。
【0085】
図42および図43は、差込みコネクタ41の実施例あるいはTEM管の熱電モジュールに接合された差込みブシュ41を示す。
【0086】
図44は、第1の部材42aと第2の部材42bとを備えた二部材構成の差込みブシュ42の実施例を示す。図45には、TEM管の熱電モジュールに接合された前記二部材構成の差込みブシュ42が示されている。
【0087】
図40〜図45に示された、例としての一体型または複合部材の導体コネクタ40、41および42は、成形部、例えば拡張部、中空部、ブシュ、曲げ部等を有することができ、これらの成形部は、TEM管外部の線路またはプラグを挿入することまたは差し込むことを可能にする。
【0088】
TEM管を導電可能に接続するためのさらに別の可能な方式は、TEM管プラグである。
【0089】
図46は、本発明の実施例に係るTEM管プラグ43を示す等角投影図である。このTEM管プラグ43は非導体45と導体46とを有する。
【0090】
図47は、矢印によって、前記TEM管プラグ43を繋ぎ合わせるための作業ステップを示す等角投影図である。
【0091】
前記TEM管プラグ43は、2つのTEM管4を電気的に互いに連結する。その際、前記TEM管プラグ43の両端は、前記両TEM管4の前記開口部22内に差し込まれる。前記TEM管プラグ43は、内部に位置する導電性コア46と非導電性の外装部45とを有する。前記導電性コア46は、前記TEM管4のTEMの導電性の構成部品、例えば導体または導体接続部に接触する。前記非導電性の外装部45は、前記TEM管プラグ43の外部領域および前記TEM管への入口箇所22において電気絶縁する。これにより、前記開口部22は流体密になる。付加的に、封止接着剤、例えばシリコーンを施すことも可能である。
【0092】
図48は、前記TEM管プラグ43を介したTEM管4の連結を部分的に示す等角投影図である。
【0093】
図49には、前記TEM管プラグ43を介したTEM管4の連結の断面が示されている。
【0094】
さらに、TEM管4は、導体接続スリーブを使って連結することもでき、これは、図50に導体接続スリーブ44の実施例を用いて示されており、この導体接続スリーブは2つの導体軸ピン49を含む。図51は、前記導体接続スリーブ44を介したTEM管4の連結を示す断面図である。前記導電体49は、前記管8の前記開口部22から軸ピン状に前記外部領域14へ突出している。前記導電体49は、流体密にかつ電気絶縁されて前記管8に接続されている。前記導電体49は、TEMの前記電気系統部分16に連結されている。前記導体接続スリーブ44は、内部に位置する導電性スリーブ48と非導電性の外装部47とを有する。2つの隣接するTEM管4の前記導電体49の前記軸ピンは、前記導体スリーブ44の内部に位置する導電性スリーブ48に差し込まれ、これにより電気的に互いに接続されている。前記非導電性の外装部47は、外部領域14において前記導体接続スリーブ44を電気絶縁する。付加的に、封止接着剤、例えばシリコーンを前記導体接続スリーブ44と前記管8との間に施すことも可能である。
【0095】
図52は、導体ブシュ53を備えた導体ピン50を介したTEM管4の連結のさらに別の可能な方式を示す等角投影図である。
【0096】
図53および図54は、導体ピン50を介したTEM管4の連結に関する2つの実施例を示す断面図である。
【0097】
図52および図53に示された実施例では、導体ブシュ53が、貫通孔または止まり穴を有し、前記管8の前記開口部22に対して同軸上に前記内管7と前記外管8との間に設けられている。前記導体ブシュ53は、流体密にかつ電気絶縁されて前記管8に接続されている。前記導体ブシュ53は、TEMの前記電気系統部分16に連結されている。前記導体ピン50は、内部に位置する導電性コア52と非導電性の外装部51とを有する。前記導電性コア52は、前記導体ブシュ53と共に、隣接する2つのTEM管4のTEMに接触する。その際、前記導体ピン50の両端は、前記両TEM管4の前記開口部22に差し込まれる。前記非導電性の外装部51は、前記外部領域14において前記導体ピン50を電気絶縁する。付加的に、封止接着剤、例えばシリコーンを前記導体ピン50と前記管8との間に施すことも可能である。
【0098】
図55は、ろう付けされたケーブル37を介してTEM管を結合するための代替的な可能な方式を示す断面図である。
【0099】
図55に示された実施例では、導電体16が中間スペース側6において前記管8の前記開口部22を被覆する。前記導電体16は、流体密にかつ電気絶縁されて前記管8に接続されている。前記導電体16は、前記TEM管内においてTEMの前記TE電気系統部分16に連結されている。前記電気ケーブル37の前記導電性コア16は、外側14において前記導電体16に導電可能に例えばろう付けによって接続されている。前記電気ケーブル37の非導電性の外装部15は、前記外部領域14において前記電気ケーブル37を電気絶縁する。前記開口部領域22の絶縁コンパウンド54、例えばシリコーンベースの封止接着剤が、前記導電体16と前記ケーブル37との接触領域を外方向14に電気絶縁する。
【0100】
図56〜図59は、前記TE活性材料の電気的結合を改善することを目的とした、管形状加工部の可能な変形方式を示す等角投影図あるいは断面図である。
【0101】
図56は、変形によって形成された管形状加工部55を示す等角投影図である。
【0102】
前記管7、8内に変形、例えばエンボスによって形成された形状加工部55は、前記TEM管における前記TEMの結合、特にTE活性材料およびそれらの接続導電体の結合を困難にする。この場合、前記管7、8の中間スペース側表面および特に前記管の変形形状加工部55に、充填材を施すことも可能である。
【0103】
管変形形状加工部55に充填するための充填材56の対応する実施例が、図57に示されている。前記充填材56としては、例えば、ろう材、ペースト材、金属充填材、プラスチック充填材、セラミック充填材またはセラミック被覆材、および、コーティング材または接着剤が可能である。前記充填材56は、前記TEMのためにほぼ平坦な結合表面を形成するように構成されている。
【0104】
図58は、充填56された管変形形状加工部55の実施例を示す断面図である。
【0105】
代替的および/または補完的に、前記管7、8の中間スペース側の表面を平坦な金属薄板59で被覆することも可能であり、これは図59の実施例に基づく断面図に示されている。ここでは、前記金属薄板59は、前記TEMのための結合表面を形成する。前記被覆金属薄板59は、前記充填材および/または前記管7、8に固定的に接合しておくことができる。
【0106】
以上、先述した諸図との関連において、前記熱電モジュールの構成および構造、熱電発電機への前記熱電モジュールの組込み、ならびに、前記熱電モジュールと前記発電機との電気的結合について説明した。
【0107】
前述の諸実施例は、単に例示するために選択されているに過ぎず、互いに組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 TEG:熱電発電機
2 TEM:熱電モジュール
3 二壁管(二重管)
4 TEM管:TEM(2)と二壁管(3)との組み合わせ
5 TE(熱電)活性材料
6 二壁管(3)の外管(8)と内管(7)との間の中間スペース
7 二壁管(3)の内管
8 二壁管(3)の外管
9 流体1
10 流体2
11 中間スペース(6)の上部および/または下部の平坦な間隙
12 中間スペース(6)の側面領域
13 流体1(9)用の内部領域
14 流体2(10)用の外部領域
15 非導体:非導電性材料
16 導体:導電性材料
17 バリア層
18 内管(7)または外管(8)の上部部材
19 内管(7)または外管(8)の下部部材
20 形状加工部:フィン部、バーリング加工部、えら状部、ウィングレットまたはエンボス
21 管(3、7、8)の金属薄板における継目
22 電気的結合のための、管(3、7、8)またはTEM管蓋部(23)の開口部
23 TEM管蓋部
24 TEM管蓋部(23)の内輪郭
25 TEM管蓋部(23)の外輪郭
26 流体1(9)用のディフューザ
27 流体2(10)用のディフューザ
28 ディフューザ(26)の開口部
29 ディフューザ(27)の開口部
30 底部(共通)
31 内管底部
32 外管底部
33 底部(30、31、32)の開口部
34 内管底部(31)と外管底部(32)との間の中間スペース
35 中間スペース(11)の上部間隙および下部間隙の導電性接続部(導体接続部)
36 ブシュを備えた導体接続部
37 電線路(例:電気絶縁された銅ケーブル)
38 二部材構成のTEM管(4)/TEM管(4)導体接続部
39 一体型のTEM管(4)/TEM管(4)導体接続部
40 差込み導体
41 差込みブシュ
42 二部材構成の差込みブシュ
43 TEM管プラグ
44 導体接続スリーブ
45 TEM管プラグ(43)の非導体
46 TEM管プラグ(43)の導体
47 導体接続スリーブ(44)の非導体
48 導体接続スリーブ(44)の導体
49 導体軸ピン
50 導体ピン
51 導体ピン(50)の非導体
52 導体ピン(50)の導体
53 導体ブシュ
54 絶縁コンパウンド
55 変形によって形成された形状加工部(20)
56 充填材(例えばろう材、ペースト材、金属充填材、プラスチック充填材、セラミック充填材またはセラミック被覆材またはセラミックコーティング材、接着剤)
57 ブシュ
58 導体接続部(38)の特徴部
59 被覆金属薄板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電ユニットであって、
複数の互いに連結された熱電要素(5)を有し、二重壁冷却管(3)の扁平内管(7)の主面と扁平外管(8)の主面との間に配置されている第1の熱電モジュール(2)と、
複数の互いに連結された熱電要素(5)を有し、前記二重壁冷却管(3)の前記扁平内管(7)のさらに別の主面と前記扁平外管(8)のさらに別の主面との間、および/または、さらに別の二重壁冷却管の扁平内管の主面と扁平外管の主面との間に配置されている第2の熱電モジュール(2)と、
前記第1のモジュールを前記第2のモジュールに導電可能に接続できるように構成されている電気コネクタ(35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;49;50;58)とを備えた熱電ユニット。
【請求項2】
少なくとも1つの側面において前記扁平内管の端部が前記扁平外管の対応する端部を越えて張り出すように、前記二重壁冷却管(3)の前記扁平内管(7)が前記二重壁冷却管の前記扁平外管(8)よりも大きな長さを有し、かつ、前記さらに別の二重壁冷却管(3)の前記扁平内管が前記さらに別の二重壁冷却管の前記扁平外管(8)よりも大きな長さを有し、その際、前記電気コネクタが、前記二重壁冷却管(3)の前記内管の前記張り出した端部から、前記さらに別の二重壁冷却管の内管の前記張り出した端部にまで延在する、請求項1に記載の熱電ユニット。
【請求項3】
前記電気コネクタ(35)が一体型のクリップ(35)として構成されており、このクリップが、前記二重壁冷却管(3)の側面において前記扁平内管(7)を側方からクランプし、その際、前記コネクタの第1の端部が前記二重壁冷却管の前記第1の熱電モジュール(2)に接触し、かつ、前記コネクタの第2の端部または中間接点が前記二重壁冷却管の前記もう一方の熱電モジュール(2)に接触する、請求項1または2に記載の熱電ユニット。
【請求項4】
前記電気コネクタ(39)が一体型のマルチクリップ(39)として構成されており、このマルチクリップが、前記二重壁冷却管(3)の前記扁平内管(7)と前記少なくとも1つのさらに別の二重壁冷却管の前記扁平内管とを側面において側方からクランプし、その際、前記マルチクリップが、前記二重壁冷却管に配設された2つの熱電モジュールをさらに別の二重壁冷却管の少なくとも1つの熱電モジュールに接続できるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電ユニット。
【請求項5】
前記電気コネクタ(38)が複合部材のクリップ(38)として構成されており、このクリップの第1の部材(38a)が前記二重壁冷却管(3)の前記扁平内管(7)の側面をクランプまたは被覆し、かつ、少なくとも1つの第2の部材(38b)がさらに別の二重壁冷却管の前記扁平内管を側面においてクランプまたは被覆し、その際、前記第1の部材と前記第2の部材とが形状結合により接続可能であり、これにより、前記二重壁冷却管に配設された少なくとも1つの熱電モジュールを前記さらに別の二重壁冷却管に配設された少なくとも1つの熱電要素に導電可能に接続することができる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電ユニット。
【請求項6】
前記電気コネクタ(49)が、前記内管の幅の狭い側面の周囲に締着されており、かつ、前記内管の前記両主面を繋ぐ前記内管の副面の領域にブシュ(41、42a、57)を有し、このブシュが差込み導体(37)に導電可能に接続されるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電ユニット。
【請求項7】
前記二重壁冷却管(3)の前記扁平外管(8)が、第1の開口部(22)を有し、かつ、前記さらに別の二重壁冷却管の前記扁平外管の主表面に第2の開口部を有し、この第2の開口部が、前記第1の開口部に対向する位置に配置されており、かつ、その際、電気コネクタが差込みピン(44、45、50)として構成されており、この差込みピンが、前記第1の開口部(22)および前記第2の開口部の中を延通されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱電ユニット。
【請求項8】
前記差込みピン(44、45、50)が非導電性の外装部(45)を有する、請求項7に記載の熱電ユニット。
【請求項9】
前記電気コネクタ(35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;50)が第1の部材(49)を有し、この第1の部材が前記熱電モジュール(2)に導電可能に接続された軸ピン(49)として構成されていて、この軸ピンが、前記二重壁冷却管(3)の前記扁平外管(8)の主面開口部(22)から突出しており、かつ、その際、前記電気コネクタ(49)がさらに第2の部材(49)を有し、この第2の部材も同様に導電性の軸ピンとして構成されていて、前記第2の部材(49)が、さらに別の二重壁冷却管に配設された第2の熱電モジュール(2)に導電可能に接続されており、かつ、前記第2の部材が前記さらに別の二重壁冷却管(3)の前記扁平外管(8)の主面開口部(22)から突出しており、その際、前記電気コネクタの前記第1および第2の部材が互いに導電可能に接触している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱電ユニット。
【請求項10】
前記電気コネクタ(37)がケーブル(37)として構成されており、このケーブルの端部が、前記二重壁冷却管(3)の前記扁平外管(8)の主面開口部(22)によって、前記熱電モジュール(2)に材料結合的にかつ導電可能に接続されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱電ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公表番号】特表2013−514644(P2013−514644A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543725(P2012−543725)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069784
【国際公開番号】WO2011/083006
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)