説明

熱電発電装置

【課題】少ない数の低温冷却媒体ブロックおよび締結部材で多くの熱電モジュールを押圧し固定することを可能とし、少ない締結箇所で多くの熱電モジュールを簡便に高温媒体流路チューブと冷却媒体流路ブロックとの間に挟みこんで適正な押圧状態で設置することを可能とする。
【解決手段】偶数の高温媒体流路14を高温媒体流れ方向に対して放射状に配置し、高温媒体流路14の両面に熱電モジュールを配置し、隣接する高温媒体流路14との間に熱電モジュール3を挟み込むように低温媒体流路15を設置し、高温媒体流れ方向に対して交差する方向で対向する低温媒体流路15に締結部材を通して、熱電モジュールを高温媒体流路14と低温媒体流路15で挟み込んで固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換素子を用いて温度差により熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電発電装置に係り、特に熱源として流体を適用する熱電発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人類のエネルギ消費量は、産業や科学技術の発達に伴い、歴史的に例を見ないほど加速された。その結果、CO等の温室効果ガスによる地球温暖化の問題が浮上している。温室効果ガスの発生をできるだけ抑制するために、現在ガス焼却炉や火力プラント等各種産業を始めとして、自動車等の内燃機関から未利用のまま廃棄されている高温の熱エネルギを、可能な限り電気エネルギとして回収する発電装置の製品化が期待されている。
【0003】
熱エネルギを電気エネルギとして回収する発電装置として、熱電発電素子を用いた発電技術がよく知られている。この熱電発電素子は、金属あるいは半導体の両端に温度差を与え、高温部と低温部との間に電位差を生じさせるというゼーベック効果を利用したものであり、温度差が大きいほど発電量も大きくなるという特徴がある。通常、複数の熱電発電素子を組み込んだ熱電モジュールという形態で使用されることが多い。
【0004】
従来では、このような熱電モジュールを利用した熱電発電装置として、例えば、内燃機関の排気熱エネルギを電気エネルギに変換することを目的として、熱電モジュールをバンド等で締付けることにより押圧状態とし、熱電モジュールの高温の面と低温の面とに高温媒体流路と冷却媒体流路をそれぞれ接触させ、熱エネルギを電気エネルギに変換する構成としたものが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−6619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した熱電発電装置を始めとして、従来提案されている熱電発電装置においては、熱源である高温流体を装置の中心部に備えた伝熱管に流通させ、その周囲から複数の熱電モジュールをバンド等で纏めて締付けることにより伝熱管表面に押圧状態で固定する構成に関するものがほとんどであり、熱電モジュール等の設置位置やバンドの締付け具合によっては、高温熱源と熱電モジュールと冷却媒体流路との接触面の面圧が不均一となり、性能に影響を及ぼすことが多かった。
【0007】
また、熱電モジュールを伝熱管の周囲に配置させることにより、装置全体寸法に対する熱交換量、すなわち熱交換密度を大きくできないだけでなく、組立が容易でなく量産化に向かない等の問題点があった。
【0008】
そのため、例えば自動車等の内燃機関の排気管への適用については設置場所の制限を受け、要求される出力を満足する十分な数の熱電モジュールを適正な性能を満足する状態で設置することが難しく、また製作費の低減も困難であった。
【0009】
本発明はこのような記事情に鑑みてなされたものであり、熱電モジュールを適正な押圧状態で設置することで、熱エネルギから電気エネルギへの効率よい変換を実現し、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性および取付け、メンテナンス等の作業性にも優れた熱電発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明では、高温媒体と低温媒体との温度差による熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換素子を組み込んだ熱電モジュールと、前記高温媒体の熱エネルギを回収して前記熱電モジュールを加熱する高温媒体流路と、この高温媒体流路と交差する配置とされて前記低温媒体により除熱し前記熱電モジュールを冷却する低温媒体流路とを備え、前記熱電モジュールが前記高温媒体流路と前記冷却媒体流路との間に挟持される配置とされた熱電発電装置において、高温媒体流路を高温媒体流れ方向に対して放射状に配置し、前記高温媒体流路の両面に熱電モジュールを配置し、隣接する高温媒体流路との間に熱電モジュールを挟み込むように低温媒体流路を設置し、高温媒体流れ方向に対して交差する方向で対向する冷却媒体流路に締結部材を通して、前記熱電モジュールを高温媒体流路と低温媒体流路で挟み込んで固定したことを特徴とする熱電発電装置を提供する。
【0011】
上記構成において、望ましくは、偶数の扁平な高温媒体流路チューブを高温媒体流れ方向に対して放射状に配置し、その扁平な高温媒体流路チューブの両面に熱電モジュールを配置し、隣接する前記扁平な高温媒体流路チューブとの間に熱電モジュールを挟み込むように冷却媒体流路ブロックを設置し、高温媒体流れ方向に対して交差する方向で対向する2個一組の冷却媒体流路ブロックに締結部材を通して、均等かつ十分な面圧で熱電モジュールを扁平な高温媒体流路チューブと冷却媒体流路ブロックとで挟み込んで固定する構成とする。
【0012】
なお、本発明に係る熱電発電装置において、前記冷却媒体流路ブロックは、冷却媒体の流れ方向に直交する断面形状がL型もしくはV型であり、伝熱面から離れた伝熱への寄与の少ない部位を省き、かつL型もしくはV型の頂点に対向する部位に締結部材支持面を設けることが望ましい。
【0013】
なお、本発明に係る熱電発電装置において、前記冷却媒体流路ブロックの媒体入口側および媒体出口側において、配置された冷却媒体流路ブロックの内周側中心部の少なくとも一方において接続部品を設置し、前記接続部品を介して各冷却媒体流路ブロックを配管接続し、前記接続部品によって各冷却媒体流路ブロックに低温媒体を分流または合流させることが望ましい。
【0014】
また、本発明に係る熱電発電装置として、前記冷却媒体流路ブロックの媒体入口側および媒体出口側において、配置された冷却媒体流路ブロックの外周側の少なくとも一方において各冷却媒体流路ブロックを環状もしくはC型に配管接続し、前記環状もしくはC型の配管によって各冷却媒体流路ブロックに低温媒体を分流または合流させることが望ましい。
【0015】
さらに、本発明に係る熱電発電装置として、前記熱電モジュールは、モジュール内部空間がモジュール外部空間と遮断されるよう気密封止されており、前記内部空間の雰囲気は不活性ガスもしくは真空であることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
各冷却媒体流路ブロックは2つの押圧面を有し、少ない数の低温冷却媒体ブロックおよび締結部材で多くの熱電モジュールを押圧し固定することができる。
【0017】
また、冷却媒体流路ブロックは、高温媒体流れ方向に対して直交する方向(径方向)で対向する2個一組を対として構成され互いに締結部材で締結されるが、ある組の締結部材の締め付けにより、他の組の冷却媒体流路ブロックの押圧が低下することはない。
【0018】
これらの結果、少ない締結箇所で多くの熱電モジュールを簡便に高温媒体流路チューブと冷却媒体流路ブロックとの間に挟みこんで適正な押圧状態で設置することができる。
【0019】
冷却媒体流路ブロックの冷却媒体の流れ方向に直交する断面形状はL型もしくはV型であり、伝熱面から離れた伝熱への寄与の少ない部位を省き、かつL型もしくはV型の頂点に対向する部位に締結部材支持面を設けた結果、冷却媒体流路ブロックの重量を軽減することが可能になるとともに、締結部材を支持するための別体の構造物は不要となり、しかも配置された冷却媒体流路ブロックよりも外周側に締結部材が突出することがなくなり、熱電発電装置を小さくかつ軽くすることができる。
【0020】
前記接続部品もしくは、前記環状もしくはC型の配管によって各冷却媒体流路ブロックに低温媒体を分流または合流させることにより、冷却媒体流路ブロックへの外部冷却設備からの媒体導入配管および外部冷却設備への媒体排出配管の接続本数は入口側および出口側に各1本で十分となり、配管の接続作業性が向上するとともに、各冷却媒体流路ブロックの間の配管に要する空間を小さくすることができる。
【0021】
前記熱電モジュールは、気密封止されており、前記内部空間の雰囲気は不活性ガスもしくは真空であることから、高温大気中においても内蔵される前記熱電変換素子に対する酸化などによる劣化の影響が防止されるため、高温使用時においても、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態による熱電発電装置の分解図。
【図3】本発明の第1実施形態による熱電発電装置の高温媒体の流れに垂直な面で切断した断面図(図1のIII−III線断面図)。
【図4】本発明の第2実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図。
【図5】本発明の第2実施形態による熱電発電装置の高温媒体の流れに垂直な面で切断した断面図(図4のV−V線断面図)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る熱電発電装置の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
なお、以下の実施形態においては、例えば自動車搭載用の熱電発電装置を一例として説明するが、自動車以外の各種移動機器等に適宜搭載して実施することができる。
【0025】
[第1実施形態(図1〜図3)]
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱電発電装置の全体構成を示す斜視図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の熱電発電装置1は主に、図示省略の熱源からの高温媒体が流入する扁平な高温媒体流路チューブ2、扁平な高温媒体流路チューブ2に一方の面を当接して受熱する熱電モジュール3、および図示省略の外部冷却設備から供給される低温媒体を内部の低温媒体流路に流通させて熱電モジュール3の他方の面を冷却する冷却媒体流路ブロック4によって構成される。すなわち、本実施形態では熱電発電装置1の内周側中心部において、冷却媒体流路ブロック4を配管接続している。
【0027】
図2は熱電発電装置の分解図であり、図3は熱電発電装置の高温媒体の流れに垂直な面で切断した断面図(図1のIII−III線断面図)である。
【0028】
図1、図2および図3に示すように、本実施形態の熱電発電装置1は主に、図示省略の熱源からの高温媒体が流入する扁平な高温媒体流路チューブ2、扁平な高温媒体流路チューブ2に一方の面を当接して受熱する熱電モジュール3、および図示省略の外部冷却設備から供給される低温媒体を内部に流通させて熱電モジュール3の他方の面を冷却する冷却媒体流路ブロック4によって構成される。冷却媒体ブロック4には、低温媒体流路15が形成されている。
【0029】
偶数の扁平形状のチューブから成る扁平な高温媒体流路チューブ2が高温媒体流れ方向に対して放射状に配置されている。
【0030】
扁平な高温媒体流路チューブ2の両面に熱電モジュール3が配置され、隣接する扁平な高温媒体流路チューブ2との間に熱電モジュール3を挟み込むように冷却媒体流路ブロック4が設置されている。
【0031】
高温媒体流れ方向に対して交差する方向で対向する2体一組の冷却媒体流路ブロック4に締結部材5を通して、均等かつ十分な面圧で熱電モジュール3を扁平な高温媒体流路チューブ2と冷却媒体流路ブロック4で挟み込んで固定した構成となっている。
【0032】
そして、扁平な高温媒体流路チューブ2の熱応力を緩和するために、高温媒体流路の上流側もしくは下流側に、例えばベローズの熱膨張吸収機構6が設けてある。
【0033】
扁平な高温媒体流路チューブ2には、主に高温強度および熱伝導性が要求される。高温媒体が腐食性である場合には、さらに耐食性が要求される。そこで、本実施形態では扁平な高温媒体流路チューブ2の材質として、例えばステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金等を適用している。なお、扁平な高温媒体流路チューブ2の製法としては、例えば、ろう付け、溶接、円管の成形等が適用可能である。
【0034】
また、扁平な高温媒体流路チューブ2の内部には、伝熱促進および耐圧強度向上のためのフィンを設置することが有効である。
【0035】
さらに、熱電モジュール3としては、板状をなす構成であればよく、その外形については、図に示した矩形状に限られない。
【0036】
また、熱電モジュール3は、この熱電モジュール3に組み込まれている図示しない熱電変換素子を内包するモジュール内部の雰囲気が、不活性ガスもしくは真空であるよう気密封止されていてもよい。例えば、出願人によりすでに提案されているgigatopaz(登録商標)モジュール等が使用可能である。
【0037】
冷却媒体流路ブロック4には、主に熱伝導性、強度および軽量が要求される。冷却媒体流路ブロック4の材質としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅合金、樹脂等が使用可能である。冷却媒体流路ブロック4の製法としては、例えば、押出し、ろう付け、溶接等が適用可能である。締結部材5としては、例えば、ボルトおよびナット、ねじ等が使用可能である。
【0038】
なお、本実施形態においては、扁平な高温媒体流路チューブ2の個数を4個としているが、扁平な高温媒体流路チューブ2の個数については、4以上の偶数であればよい。この構成において、低温媒体は高温媒体に対し、並行流もしくは対向流として冷却媒体流路ブロック14内を流れる。
【0039】
また、冷却媒体流路ブロック4の冷却媒体の流れ方向と直交する断面形状は、例えばL型もしくはV型としてある。そして、伝熱面から離れた伝熱への寄与の少ない部位を省き、かつL型もしくはV型の頂点に対向する部位に、締結部材支持面7が設けてある。この場合、締結部材支持面7の形状については、必ずしも平面である必要は無く種々の形状として実施することができる。
【0040】
また、本実施形態では、扁平な高温媒体流路チューブ2、冷却媒体流路ブロック4および締結部材5の熱膨張による締結力の変化を吸収し抑制するため、締結部材5と締結部材支持面7との間に弾性体8を組み込む構成としてもよい。また、弾性体8としては、例えば、ばね座金、ゴム等の各種弾性材を適用することができる。
【0041】
なお、冷却媒体流路ブロック4の媒体入口側および媒体出口側において、配置された冷却媒体流路ブロック4の内周側中心部には、十字形の接続部品9が設置されている。この接続部品9を介して各冷却媒体流路ブロック4の配管接続がされている。そして、外部冷却設備からの媒体導入配管および外部冷却設備への媒体排出配管等の各1本を、媒体入口側および媒体出口側において、冷却媒体流路ブロック4に接続してある。また、入口側では、接続部品9によって各冷却媒体流路ブロック4に分流させ、出口側では各低温媒体を合流させる構成としてある。
【0042】
この場合、接続部品9の接続部は例えば、凸型もしくは凹型とし、冷却媒体流路ブロック4に設けられた、例えば凹型、または凸型等の接続部に嵌め合わせ、Oリング等でシールする構成としてある。
【0043】
このような構成の本実施形態によれば、各冷却媒体流路ブロック4が2つの押圧面を有し、少ない数の低温冷却媒体ブロックおよび締結部材により多くの熱電モジュールを押圧して固定することが可能となる。
【0044】
また、冷却媒体流路ブロック4は、高温媒体流れ方向に対して直交する方向(径方向)で対向する2体を一組を対として構成され、互いに締結部材で締結されるが、一の組の締結部材の締め付けにより、他の組の冷却媒体流路ブロック4の押圧が低下することはない。
【0045】
このような構成および作用により、本実施形態においては、少ない締結箇所で多くの熱電モジュール3を簡便に扁平高温媒体流路チューブ2と冷却媒体流路ブロック4との間に挟み込み、適正な押圧状態で設置することができる。
【0046】
そして、冷却媒体流路ブロック4の冷却媒体の流れ方向に直交する断面形状は、例えばL型もしくはV型としてある。この構成によれば、伝熱面から離れた伝熱への寄与の少ない部位を省き、かつL型もしくはV型の頂点に対向する部位に締結部材支持面7を設けた結果、冷却媒体流路ブロック4の重量を軽減することが可能になるとともに、締結部材5を支持するための別体の構造物が不要となる。しかも、配置された冷却媒体流路ブロック4よりも外周側に締結部材5が突出することがなくなり、熱電発電装置1を小さくかつ軽くすることが可能になる。
【0047】
また、本実施形態によれば、接続部品9、環状もしくはC型の配管によって各冷却媒体流路ブロック4に低温媒体を分流または合流させる結果、冷却媒体流路ブロック4への外部冷却設備からの媒体導入配管、および外部冷却設備への媒体排出配管の接続本数が入口側および出口側に各1本で十分となる。このため、配管の接続作業性を向上することができるとともに、各冷却媒体流路ブロック4の間の配管に要する空間を小さくすることが可能になる。
【0048】
また、本実施形態による熱電モジュール3では気密封止構成とされて、内部空間の雰囲気が不活性ガスもしくは真空であることから、高温大気中においても内蔵される熱電変換素子に対する酸化などによる劣化の影響が防止される。したがって、高温使用時においても、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性も確保することができる。
【0049】
[第2実施形態(図4,図5)]
図4は本発明の第2実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図であり、図5は図4のV−V線断面図(熱電発電装置の高温媒体の流れに垂直な面で切断した断面図)である。
【0050】
なお、本実施形態において、上述の第1実施形態と同一の構成部分については、図4および図5に、第1実施形態と同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、冷却媒体流路ブロック4の媒体入口側および媒体出口側に配置された冷却媒体流路ブロック4の外周側で各冷却媒体流路ブロック4を、接続ホース10により環状もしくはC型に配管接続した構成としてある。
【0052】
そして、外部冷却設備からの媒体導入配管および外部冷却設備への媒体排出配管を、入口側および出口側の環状もしくはC型の配管11に各1本接続してある。そして、環状もしくはC型の配管11によって、入口側では各冷却媒体流路ブロック4に分流させ、出口側では各低温媒体13を合流させる構成としてある。
【0053】
なお、接続ホース10の材質としては、低温媒体13の性質、温度等を考慮のうえ、例えばゴム、樹脂、金属等を適用することが可能である。
【0054】
[他の実施形態]
本発明においては、上述した第1実施形態の構成と、第2実施形態の構成を組合せ、また適宜の付加部品を追加する等により、要旨を変更することなく種々の構成とすることができる。
【0055】
例えば、低温媒体入口側に第1実施形態を適用し、低温媒体出口側に第2実施形態を適用することができ、さらに他の構成を加えることも可能である。
【0056】
また、外部冷却設備との配管接続部位に付いては,特に上述の各実施形態の構成に限定されるものではない。
【0057】
例えば、第1実施形態において、外部冷却設備からの配管を接続部品9に直接、接続してもよく、さらに例えば第2実施形態において、外部冷却設備からの配管を冷却媒体流路ブロック4に接続してもよく、種々の構成変形が可能である。
【0058】
また、偶数の高温媒体流路を高温媒体流れ方向に対して放射状に配置し、高温媒体流路の両面に熱電モジュールを配置し、隣接する高温媒体流路との間に熱電モジュールを挟み込むように低温媒体流路を設置し、高温媒体流れ方向に対して交差する方向で対向する2個一組の冷却媒体流路に締結部材を通し、熱電モジュールを高温媒体流路と低温媒体流路で挟み込んで固定する要素に対し、他の各種部材を加えた構成として実施することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 熱電発電装置
2 扁平な高温媒体流路チューブ
3 熱電モジュール
4 冷却媒体流路ブロック
5 締結部材
6 熱膨張吸収機構
7 締結部材支持面
8 弾性体
9 接続部品
10 接続ホース
11 配管
12 高温媒体
13 低温媒体
14 高温媒体流路
15 低温媒体流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温媒体と低温媒体との温度差による熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換素子を組み込んだ熱電モジュールと、前記高温媒体の熱エネルギを回収して前記熱電モジュールを加熱する高温媒体流路と、この高温媒体流路と交差する配置とされて前記低温媒体により除熱し前記熱電モジュールを冷却する低温媒体流路とを備え、前記熱電モジュールが前記高温媒体流路と前記冷却媒体流路との間に挟持される配置とされた熱電発電装置において、
偶数の高温媒体流路を高温媒体流れ方向に対して放射状に配置し、前記高温媒体流路の両面に熱電モジュールを配置し、隣接する高温媒体流路との間に熱電モジュールを挟み込むように低温媒体流路を設置し、高温媒体流れ方向に対して交差する方向で対向する冷却媒体流路に締結部材を通して、前記熱電モジュールを高温媒体流路と低温媒体流路で挟み込んで固定したことを特徴とする熱電発電装置。
【請求項2】
前記低温媒体流路は、冷却媒体の流れ方向に直交する断面形状がL型もしくはV型であり、L型もしくはV型の頂点に対向する部位に締結部材支持面を設けた請求項1記載の熱電発電装置。
【請求項3】
前記低温媒体流路の媒体入口側および媒体出口側における低温媒体流路の内周側中心部の少なくとも一方に接続部品を設置し、前記接続部品を介して各冷却媒体流路を配管接続し、前記接続部品によって前記各低温媒体流路に前記低温媒体を分流または合流させる構成とした請求項1または請求項2記載の熱電発電装置。
【請求項4】
前記低温媒体流路の媒体入口側および媒体出口側における低温媒体流路の外周側の少なくとも一方に各冷却媒体流路を環状もしくはC型に配管接続し、前記環状もしくはC型の配管によって前記各低温媒体流路に低温媒体を分流または合流させる構成とした請求項1または請求項2記載の熱電発電装置。
【請求項5】
前記熱電モジュールは、前記熱電変換素子が組み込まれたモジュール内部空間がモジュール外部空間と遮断されるよう気密封止されており、前記内部空間内は不活性ガス雰囲気もしくは真空である請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の熱電発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−109837(P2011−109837A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263390(P2009−263390)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000222484)株式会社ティラド (289)