説明

燃料チューブとコネクタとの接合構造

【課題】燃料チューブとコネクタとの接合構造において、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのを抑制する。
【解決手段】コネクタ3は、内外に積層された2つの層30,31からなっていて、内層30が外層31よりも耐荷重性が優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料を通す樹脂製の燃料チューブとコネクタとを接合した燃料チューブとコネクタとの接合構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
樹脂製の燃料チューブ及びコネクタを接合した燃料チューブとコネクタとの接合構造が従来技術として知られている。これらの燃料チューブ及びコネクタは、例えば、自動車において燃料タンクの燃料をエンジンに供給するのに用いられる。特許文献1のものでは、コネクタは筒状に形成されており、燃料チューブとコネクタとは、燃料チューブをコネクタに内嵌した状態で接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4144460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コネクタをポリアミド系樹脂(例えばPA12)の単層で構成することが考えられる。
【0005】
しかしながら、このようにコネクタを構成すると、コネクタの、燃料チューブとの接合部に大きな荷重がかかった場合(例えば、小さい衝突物が衝突した場合)、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生する虞がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、樹脂製の燃料チューブとコネクタとを接合した燃料チューブとコネクタとの接合構造において、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、樹脂製の燃料チューブとコネクタとを接合した燃料チューブとコネクタとの接合構造であって、上記コネクタは、内外に積層された複数の層を有していて、最外層以外の層の少なくとも1つが該最外層よりも耐荷重性が優れていることを特徴とするものである。
【0008】
これによれば、コネクタの、最外層以外の層の少なくとも1つは、該最外層よりも耐荷重性が優れているので、コネクタの、燃料チューブとの接合部に大きな荷重がかかっても、コネクタの、その耐荷重性に優れた層は破損しにくい。このため、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのを抑制することができる。
【0009】
尚、「耐荷重性に優れている」とは、破壊に至る荷重が大きいことを意味する。例えば、柔軟性が高いことにより、耐荷重性に優れていてもよく、或いは、強度が高いことにより、耐荷重性に優れていてもよい。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記コネクタの、上記燃料チューブ側の端面には、該燃料チューブの軸方向から見て環状の凹部が形成されており、上記燃料チューブと上記コネクタとは、該燃料チューブを上記凹部に収容した状態で接合されていることを特徴とするものである。
【0011】
これによれば、コネクタの、燃料チューブ側の端面には、該燃料チューブの軸方向から見て環状の凹部が形成されており、燃料チューブとコネクタとは、該燃料チューブを凹部に収容した状態で接合されているので、燃料チューブとコネクタとの接合性は向上し、コネクタの、燃料チューブとの接合部に大きな荷重がかかっても、燃料チューブとコネクタとの接合部は破損しにくい。このため、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのをより一層抑制することができる。
【0012】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記燃料チューブと上記コネクタとは、溶接されていることを特徴とするものである。
【0013】
これによれば、燃料チューブとコネクタとは溶接されているので、燃料チューブとコネクタとは強固に接合され、コネクタの、燃料チューブとの接合部に大きな荷重がかかっても、燃料チューブとコネクタとの接合部は破損しにくい。このため、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのをより一層抑制することができる。
【0014】
第4の発明は、上記第2又は3の発明において、上記コネクタの最外層は、上記燃料チューブとの接合性に優れた材料からなることを特徴とするものである。
【0015】
これによれば、コネクタの最外層は、燃料チューブとの接合性に優れた材料からなるので、燃料チューブとコネクタとの接合性は向上し、コネクタの、燃料チューブとの接合部に大きな荷重がかかっても、燃料チューブとコネクタとの接合部は破損しにくい。このため、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのをより一層抑制することができる。
【0016】
第5の発明は、上記第2〜第4のいずれか1つの発明において、上記燃料チューブ及び上記コネクタは、内外に積層された2つの層からなり、上記燃料チューブの内層は、官能基変性された接着性フッ素系樹脂からなり、外層は、ポリアミド系樹脂からなり、上記コネクタの内層は、ポリフェニレンスルフィド樹脂からなり、外層は、ポリアミド系樹脂からなることを特徴とするものである。
【0017】
これによれば、本発明の最良の実施形態を実現することができる。
【0018】
第6の発明は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、上記コネクタは、インサート成形されていることを特徴とするものである。
【0019】
これによれば、コネクタをインサート成形しているので、精巧なコネクタを成形するのが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コネクタの、最外層以外の層の少なくとも1つは、該最外層よりも耐荷重性が優れているので、コネクタの、燃料チューブとの接合部に大きな荷重がかかっても、コネクタの、その耐荷重性に優れた層は破損しにくく、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料チューブとコネクタとの接合構造を示す断面図である。
【図2】燃料チューブとコネクタとの接合構造の変形例を示す断面図である。
【図3】燃料チューブとコネクタとの接合構造の別の変形例を示す拡大断面図である。
【図4】燃料チューブとコネクタとの接合構造のまた別の変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、燃料を通す樹脂製の燃料チューブと樹脂製のコネクタ(コネクタ本体)とを接合(接続)した燃料チューブとコネクタとの接合構造(接続構造)を示している。これらの燃料チューブ2及びコネクタ3は、例えば、自動車において燃料タンクの燃料をエンジンに供給するのに用いられる。
【0024】
燃料チューブ2は、円筒状に形成されていて、内外に積層された2つの層20,21からなる。内層20は、官能基変性された接着性フッ素系樹脂からなる。この官能基変性として、例えば、カルボニル基変性や無水マレイン酸変性、エポキシ変性などがある。フッ素系樹脂として、例えば、CPTやETFEが用いられる。このCPTとして、例えば、ネオフロンCPT(ダイキン工業社製)が用いられる。ETFEとして、例えば、RP5000AS(ダイキン工業社製)が用いられる。内層20の層厚は、例えば、2.5μmである。以上のように、内層20は、官能基変性CPTや官能基変性ETFEなどからなるため、耐燃料透過性に優れている。外層21は、ポリアミド系樹脂からなる。このポリアミド系樹脂として、例えば、PA12が用いられる。このPA12として、例えば、VESTAMID LX9011(ダイセル・エボニック社製)が用いられる。外層21の層厚は、例えば、7.5μmである。
【0025】
上記コネクタ3は、燃料パイプ(不図示)を簡単に脱着することができる、所謂クイックコネクタである。コネクタ3は、軸方向の燃料チューブ2側の端部(図1では右端部)からその反対側の端部(図1では左端部)に行くに従って内径及び外径が段階的に拡径する円筒状に形成されている。具体的には、コネクタ3は、コネクタ3における軸方向の燃料チューブ2側の端部に形成され、燃料チューブ2が接合される接合部3aと、この接合部3aにおける軸方向の燃料チューブ2とは反対側に形成され、接合部3aよりも内径及び外径が大きい第1挿入部3bと、この第1挿入部3bにおける軸方向の燃料チューブ2とは反対側に形成され、第1挿入部3bよりも内径及び外径が大きい第2挿入部3cと、この第2挿入部3cにおける軸方向の燃料チューブ2とは反対側に形成され、第2挿入部3cよりも内径及び外径が大きい第3挿入部3dとを有している。これらの第1〜第3挿入部内3b〜3dには、燃料パイプがリテーナ(不図示)を介して挿入取付される。
【0026】
コネクタ3は、内外に積層された2つの層30,31からなる。内層30は、PA12よりも耐荷重性が優れた非強化PPS(非強化ポリフェニレンスルフィド樹脂。PPSエラストマー)からなる。この非強化PPSとして、例えば、Z−200J1(DIC社製)が用いられる。非強化PPSは、柔軟性が高い、具体的には、靭性が高く、伸びのある樹脂である。外層31は、燃料チューブ2の外層21と同様、ポリアミド系樹脂からなる。このポリアミド系樹脂として、例えば、PA12が用いられる。このPA12として、例えば、PA12GF30(ガラス繊維30強化ナイロン12)が用いられる。以上のように、内層30は、外層31の構成材料であるPA12よりも耐荷重性が優れた材料である非強化PPSからなるため、外層31よりも耐荷重性が優れている。また、外層31は、燃料チューブ2の外層21と同様、PA12からなるため、燃料チューブ2の外層21との接合性(接着性)に優れている。尚、上記第3挿入部3dは、PA12の単層で構成されている。
【0027】
上記接合部3aにおける軸方向の燃料チューブ2側の端面(図1では右端面)には、その径方向中央部に燃料チューブ2(コネクタ3)の軸方向から見て円環状の凹部32が形成されている。凹部32の内周面32aは、コネクタ3の内層30で構成されている一方、外周面32b及び底面32cは、コネクタ3の外層31で構成されている。
【0028】
上記コネクタ3の内層30及び外層31は、インサート成形(二重成形)されている。つまり、金型内に内層30を構成するインサート品を装填した後、外層31を構成する樹脂を注入してインサート品を溶融樹脂で包んで固化させ、一体化したコネクタ3を作っている。
【0029】
上記燃料チューブ2とコネクタ3とは、該燃料チューブ2における軸方向のコネクタ3側の端部(図1では左端部)をコネクタ3の凹部32に嵌合収容した状態でスピン溶接されている。つまり、燃料チューブ2及びコネクタ3に互いに力を加え、一方を回転させて、接触面が摩擦熱で溶融したら回転を止めて、固まるまで保持して、燃料チューブ2とコネクタ3とを直接接合している。燃料チューブ2の内層20は、凹部32の内周面32a及び底面32cの内周側に接合されている一方、外層21は、凹部32の外周面32b及び底面32cの外周側に接合されている。つまり、燃料チューブ2の内層20は、コネクタ3の内層30及び外層31に接合されている一方、外層21は、コネクタ3の外層31に接合されている。以上のように、燃料チューブ2とコネクタ3とは、スピン溶接されることにより、一体化されている。
【0030】
本実施形態に係る燃料チューブ2とコネクタ3との接合構造1において、コネクタ3の接合部3aに25Jの動的荷重を付与しても、コネクタ3は破損しなかった。このように、コネクタ3が荷重を付与しても破損しなかったのは、コネクタ3の内層30が靭性及び伸びに優れた非強化PPSからなるため、コネクタ3が破壊に至る前に変形したためと考えられる。
【0031】
一方、コネクタがPA12の単層で構成され、それ以外は本実施形態に係るものと同様の構成の、燃料チューブとコネクタとの接合構造において、コネクタの接合部に25Jの動的荷重を付与すると、コネクタは破損した。
【0032】
−効果−
以上より、本実施形態によれば、コネクタ3の内層30は、外層31よりも耐荷重性が優れているので、コネクタ3の、燃料チューブ2との接合部3aに大きな荷重がかかっても、コネクタ3の、その耐荷重性に優れた内層30は破損しにくい。このため、コネクタ3の接合部3aに荷重がかかったときに、燃料チューブ2とコネクタ3との接合部が破損して燃料漏れが発生するのを抑制することができる。
【0033】
また、コネクタ3の、燃料チューブ2側の端面には、該燃料チューブ2の軸方向から見て円環状の凹部32が形成されており、燃料チューブ2とコネクタ3とは、該燃料チューブ2を凹部32に収容した状態で接合されているので、燃料チューブ2とコネクタ3との接合性は向上し、コネクタ3の接合部3aに大きな荷重がかかっても、燃料チューブ2とコネクタ3との接合部は破損しにくい。このため、コネクタ3の接合部3aに荷重がかかったときに、燃料チューブ2とコネクタ3との接合部が破損して燃料漏れが発生するのをより一層抑制することができる。
【0034】
さらに、燃料チューブ2とコネクタ3とはスピン溶接されているので、燃料チューブ2とコネクタ3とは強固に接合され、コネクタ3の接合部3aに大きな荷重がかかっても、燃料チューブ2とコネクタ3との接合部は破損しにくい。このため、コネクタ3の接合部3aに荷重がかかったときに、燃料チューブ2とコネクタ3との接合部が破損して燃料漏れが発生するのをより一層抑制することができる。
【0035】
さらにまた、コネクタ3の外層31は、燃料チューブ2の外層21との接合性に優れた材料からなるので、燃料チューブ2とコネクタ3との接合性は向上し、コネクタ3の接合部3aに大きな荷重がかかっても、燃料チューブ2とコネクタ3との接合部は破損しにくい。このため、コネクタ3の接合部3aに荷重がかかったときに、燃料チューブ2とコネクタ3との接合部が破損して燃料漏れが発生するのをより一層抑制することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、コネクタ3は、内外に積層された2つの層30,31からなるが、最外層以外の層の少なくとも1つが該最外層よりも耐荷重性が優れている限り、3つ以上の層からなってもよい。例えば、図2に示すものは、3つの層33〜35からなる。内から外へ順に積層された最内層33、中間層34及び最外層35は、それぞれ、PA12、非強化PPS及びPA12からなる。つまり、非強化PPSの層34の内外の両面がPA12の層33,35で覆われている。
【0037】
また、上記実施形態では、コネクタ3の内層30は非強化PPSからなるが、内層30が外層31よりも耐荷重性が優れている限り、これに限定されない。例えば、非強化PPA(PPAエラストマー)などの柔軟性が高い樹脂からなってもよい。或いは、強化PPAや強化PPS、PEEK、PP、PA6、PA66、PA9T、POM、PBT、CPT、ETFEなどの強度が高い樹脂からなってもよい。或いは、SUSなどの金属からなってもよい。但し、内層30は、燃料チューブ2の内層20との接合性(接着性)に優れた材料からなるのが望ましい。
【0038】
さらに、上記実施形態では、コネクタ3の外層31はPA12からなるが、内層30が外層31よりも耐荷重性が優れている限り、これに限定されない。例えば、PA12以外のポリアミド系樹脂からなってもよい。或いは、PA66やPA9Tなどからなってもよい。但し、外層31は、燃料チューブ2の外層21との接合性(接着性)に優れた材料からなるのが望ましい。
【0039】
さらにまた、上記実施形態では、燃料チューブ2とコネクタ3とはスピン溶接で接合されているが、これに限らず、例えば、超音波溶接や非接触熱溶着(高周波部分溶着、熱風照射等)、高熱圧着(ブロック加熱等)、振動溶着などで接合されてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、燃料チューブ2の内層20は、官能基変性された接着性フッ素系樹脂からなるが、これに限らず、例えば、PA9TやPPS、PBN、PA12、PA11、PA9Nなどからなってもよい。但し、内層20は、コネクタ3の内層30との接合性(接着性)に優れた材料からなるのが望ましい。
【0041】
さらに、上記実施形態では、燃料チューブ2は、内外に積層された2つの層20,21からなるが、単層又は3つ以上の層からなってもよい。単層の場合は、例えば、PA12やPA11などからなってもよい。3つの層の場合は、例えば、内から外へ順に積層された最内層、中間層及び最外層は、それぞれ、PA12、ETFE及びPA12からなってもよい。4つの層の場合は、例えば、内から外へ順に積層された最内層、第1中間層、第2中間層及び最外層は、それぞれ、c−m−ETFE、ETFE、m−ETFE及びPA12、又は、ETFE、PA12、PA9T及びPA11からなってもよい。
【0042】
図3に示すように、燃料チューブ2が3つの層22〜24からなる場合であって、中間層23が最内層22よりもコネクタ3の内層30との接合性(接着性)に優れているときは、燃料チューブ2とコネクタ3とのスピン溶接時に、燃料チューブ2及びコネクタ3に加える力を上げて、燃料チューブ2の最内層22を剥がすことにより、燃料チューブ2の中間層23とコネクタ3の内層30とを接合させてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、コネクタ3は、インサート成形で製造しているが、これに限らず、例えば、熱プレス成形や射出成形などで製造してもよい。
【0044】
さらに、上記実施形態では、コネクタ3は、軸方向の燃料チューブ2側の端部からその反対側の端部に行くに従って内径及び外径が段階的に拡径する円筒状に形成されているが、これに限らず、例えば、L字形の円筒状に形成されてもよい。
【0045】
さらにまた、上記実施形態では、凹部32は、コネクタ3の接合部3aにおける軸方向の燃料チューブ2側の端面の、径方向中央部に形成されているが、これに限らず、例えば、図4に示すように、その端面の径方向外側にコネクタ3の外周面に開口するように形成されてもよい。
【0046】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0047】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明に係る燃料チューブとコネクタとの接合構造は、コネクタの、燃料チューブとの接合部に荷重がかかったときに、燃料チューブとコネクタとの接合部が破損して燃料漏れが発生するのを抑制することが必要な用途等に適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 燃料チューブとコネクタとの接合構造
2 燃料チューブ
20 内層
21 外層
3 コネクタ
30 内層
31 外層
32 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の燃料チューブとコネクタとを接合した燃料チューブとコネクタとの接合構造であって、
上記コネクタは、内外に積層された複数の層を有していて、最外層以外の層の少なくとも1つが該最外層よりも耐荷重性が優れていることを特徴とする燃料チューブとコネクタとの接合構造。
【請求項2】
請求項1記載の燃料チューブとコネクタとの接合構造において、
上記コネクタの、上記燃料チューブ側の端面には、該燃料チューブの軸方向から見て環状の凹部が形成されており、
上記燃料チューブと上記コネクタとは、該燃料チューブを上記凹部に収容した状態で接合されていることを特徴とする燃料チューブとコネクタとの接合構造。
【請求項3】
請求項2記載の燃料チューブとコネクタとの接合構造において、
上記燃料チューブと上記コネクタとは、溶接されていることを特徴とする燃料チューブとコネクタとの接合構造。
【請求項4】
請求項2又は3記載の燃料チューブとコネクタとの接合構造において、
上記コネクタの最外層は、上記燃料チューブとの接合性に優れた材料からなることを特徴とする燃料チューブとコネクタとの接合構造。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1つに記載の燃料チューブとコネクタとの接合構造において、
上記燃料チューブ及び上記コネクタは、内外に積層された2つの層からなり、
上記燃料チューブの内層は、官能基変性された接着性フッ素系樹脂からなり、外層は、ポリアミド系樹脂からなり、
上記コネクタの内層は、ポリフェニレンスルフィド樹脂からなり、外層は、ポリアミド系樹脂からなることを特徴とする燃料チューブとコネクタとの接合構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料チューブとコネクタとの接合構造において、
上記コネクタは、インサート成形されていることを特徴とする燃料チューブとコネクタとの接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−231806(P2011−231806A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100315(P2010−100315)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000201869)倉敷化工株式会社 (282)
【Fターム(参考)】