説明

燃料ホルダ、燃料ホルダの使用方法、及び燃料集合体の輸送方法

【課題】 燃料ホルダの落下等により燃料ホルダに収容された燃料集合体が燃料ホルダの上蓋から荷重を受けたときに、燃料集合体におけるハンドルの緩衝性能を十分に発揮させることにより、燃料棒が破損するのを防止することのできる燃料ホルダを提供すること。
【解決手段】 燃料棒の先端部を保持するグリッドと、グリッドの燃料棒が保持されている面とは反対側の面に設けられるとともに、略四角形盤状のグリッドの対角線上に立脚する一対の脚部及び前記一対の脚部を連結する先端部を有する略コの字形状のハンドルとを有する燃料集合体を収容することができる収容殻の一端開口部を上蓋で閉鎖する燃料ホルダであって、ハンドルが上蓋の内面から荷重を受けたときに、前記内面に接触した前記先端部の位置を保持するように、前記内面は前記先端部が接触する接触部と前記ハンドルが前記内面上を滑るのを防止する滑動防止部とを有することを特徴とする燃料ホルダ、この燃料ホルダの使用方法及び燃料集合体の輸送方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料ホルダ、燃料ホルダの使用方法、及び燃料集合体の輸送方法に関し、より詳しくは、燃料ホルダが落下する等の不測の事態においても燃料棒の破損を防止することのできる燃料ホルダ、燃料ホルダの使用方法、及び燃料集合体の輸送方法、特に沸騰水型原子炉に使用される燃料集合体を収容することのできる燃料ホルダ、燃料ホルダの使用方法、及び燃料集合体の輸送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉及び加圧水型原子炉等の軽水炉に用いられる燃料集合体は、燃料ホルダに収容され、さらにこの燃料ホルダは輸送容器に装填されて需要地へ搬送される。燃料集合体は、多数の燃料棒がその両端部において上部タイプレートと下部タイプレートとにより束ねられ、上部タイプレートと下部タイプレートとの間に支持格子が設けられ、各燃料棒の間隔保持がなされている。燃料ホルダは、長尺状の内部空間を有する収容殻とこの収容殻の両端開口部を閉鎖する上蓋と下蓋とを備え、これらの内部に燃料集合体が収容される。
【0003】
燃料集合体とこれを収容する燃料ホルダには、燃料集合体をトレーラ等により需要地へ搬送する際に、トレーラ等から燃料集合体へと伝達される振動を抑える役割を有する緩衝機能、及びトレーラ等から輸送容器が落下するといった特別な条件下において、燃料棒が破損するのを防止する緩衝機能等が、通常設けられている。
【0004】
緩衝機能としては、例えば、特許文献1に「・・燃料体頂部と燃料保護容器天井部あるいは燃料保護容器頂部蓋との間にギャップを設け、このギャップの大きさを50mm以下としたことを特徴とする沸騰水型原子炉用混合酸化物燃料体の燃料保護容器。」(請求項1参照。)「 前記ギャップ部に、ギャップの大きさ以下の値の厚みを有する樹脂材、ゴム材あるいはハニカム材等の軟質材を設置したことを特徴とする請求項1記載の沸騰水型原子炉用混合酸化物燃料体の燃料保護容器。」(請求項2参照。)が記載されている。
【0005】
特許文献1に係る発明によると、「発熱を伴うMOX燃料体の輸送に関して、輸送中に1.0G程度の大きな長手方向加速度が発生しても燃料体の健全性を損うことなく保護できるとともに、室温状態で負荷した燃料体締め付け力が高温時にも維持され、締め付け力管理が極めて容易になる。」(段落番号0061参照。)と記載されている。
【0006】
特許文献2には、「燃料輸送容器のバスケット孔に収納されて輸送可能な角筒状の燃料保護容器を設け、上記燃料保護容器は容器本体の側方を覆う側方蓋を、上部タイプレート位置に対応する上部側蓋、中間部側蓋および下部タイプレート位置に対応する下部側蓋の少なくとも3分割構造に構成し、分割された各側蓋の締付力を個別に調節し、燃料保護容器内に収納される燃料体の締付力を燃料体の振動特性に応じて調節可能に構成したことを特徴とする原子炉燃料の燃料保護装置。」(特許文献2の請求項9参照。)、「燃料輸送容器のバスケット孔に収納されて輸送可能な角筒状の燃料保護容器を設け、上記燃料保護容器は、内部に収納される燃料体の上部タイプレートおよび下部タイプレートに相当する位置にタイプレート締付機構をそれぞれ備え、タイプレート締付機構は収納された燃料体に向って進退自在な締付具を備えたことを特徴とする原子炉燃料の燃料保護装置。」(特許文献2の請求項10参照。)が記載されている。
【0007】
特許文献3には、「前記締め付け機構により、少なくとも上部タイプレート部と下部タイプレート部の2箇所以上を締め付けて前記燃料体を前記内容器等と固縛する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の沸騰水型原子炉燃料体の輸送方法。」(特許文献3の請求項3参照。)が記載されている。
【0008】
燃料ホルダは、例えば、燃料ホルダを収容する輸送容器に燃料ホルダを装填する際に燃料ホルダが落下する事態、及び輸送容器を需要地まで搬送する際にトレーラ等から輸送容器が落下する事態等が生じても、燃料集合体を保護するように構成される必要がある。燃料ホルダ又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、落下時の衝撃によって燃料集合体が上蓋及び下蓋から大きな荷重を受けることがある。燃料集合体に設けられている上部タイプレートと下部タイプレートとは、複数の燃料棒を間隔保持しつつ束ねる機能だけでなく、燃料ホルダが落下するような特別な条件下において燃料棒を保護する緩衝機能も有する。上部タイプレート及び下部タイプレートは、燃料集合体が上蓋及び下蓋からある一定以上の荷重を受けた場合には、上部タイプレート及び下部タイプレートが塑性変形することにより、燃料棒に作用するエネルギーを低減し、燃料棒を保護するように構成されている。
【0009】
上部タイプレートは、一対の脚部と先端部とを有するコの字形状のハンドルを有している。このハンドルは、燃料集合体を燃料ホルダに収容する際に、燃料集合体を吊り上げて移動することができるように構成されるだけでなく、輸送容器が上部タイプレートを下にして落下した場合には、このハンドルの先端部が燃料ホルダの上蓋から荷重を受け、ハンドルにおける一対の脚部が塑性変形することにより、燃料棒へ作用するエネルギーを低減し、燃料棒を保護するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3080897号
【特許文献2】特許第3080895号
【特許文献3】特許第3142493号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、燃料ホルダを地上より数m上方から落下させて、ハンドルの緩衝性能の評価試験をした場合に、想定していた荷重よりも小さい荷重でハンドルの脚部が塑性変形してしまうことがある。想定していた荷重よりも小さい荷重でハンドルの脚部が塑性変形してしまうと、塑性変形により吸収されるエネルギーが小さくなるので緩衝性能が低下してしまう。ハンドルの緩衝性能が低下すると、想定以上の大きなエネルギーが燃料棒に作用することになり、燃料棒が破損するおそれがある。
【0012】
この発明の課題は、燃料ホルダの落下等により燃料ホルダに収容された燃料集合体が燃料ホルダの上蓋から荷重を受けたときに、燃料集合体におけるハンドルの緩衝性能を発揮させることにより、燃料棒が破損するのを防止することのできる燃料ホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための手段は、
(1)燃料棒の先端部を保持するグリッドと、前記グリッドの前記燃料棒が保持されている面とは反対側の面に設けられるとともに、略四角形盤状の前記グリッドの対角線上に立脚する一対の脚部及び前記一対の脚部を連結する先端部を有する略コの字形状のハンドルとを有する燃料集合体を収容することができる収容殻の一端開口部を上蓋で閉鎖する燃料ホルダであって、
前記ハンドルが前記上蓋の内面から荷重を受けたときに、前記内面に接触した前記先端部の位置を保持するように、前記内面は前記先端部が接触する接触部と前記ハンドルが前記内面上を滑るのを防止する滑動防止部とを有することを特徴とする燃料ホルダである。
【0014】
前記(1)の好適な態様としては、
(2) 前記接触部と前記滑動防止部とにより凹部が形成されることを特徴とする前記(1)に記載の燃料ホルダであり、
(3) 前記凹部は、前記先端部を前記燃料集合体の軸線方向から前記内面に投影することにより得られる投影像を含むように設けられていることを特徴とする前記(2)に記載の燃料ホルダであり、
(4) 前記凹部は、前記投影像の長手方向に延在することを特徴とする前記(3)に記載の燃料ホルダである。
(5) 前記滑動防止部が凸部であることを特徴とする前記(1)に記載の燃料ホルダであり、
(6) 前記凸部は、前記先端部を前記燃料集合体の軸線方向から前記内面に投影することにより得られる投影像の長手方向に延在することを特徴とする前記(5)に記載の燃料ホルダであり、
(7) 前記滑動防止部は前記内面から前記軸線方向に立ち上がるガイド板であり、前記先端部と前記内面との間にギャップが設けられ、前記ガイド板の軸線方向長さが前記ギャップの軸線方向長さより大きいことを特徴とする前記(1)に記載の燃料ホルダであり、
(8) 前記燃料集合体を収容するとき、前記先端部が前記内面に当接することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の燃料ホルダである。
【0015】
前記他の課題を解決するための手段は、
(9) 前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の燃料ホルダに前記燃料集合体を収容することを特徴とする燃料ホルダの使用方法である。
【0016】
前記さらに別の課題を解決するための手段は、
(10) 前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の燃料ホルダに前記燃料集合体を収容して、輸送することを特徴とする燃料集合体の輸送方法である。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る燃料ホルダによると、燃料ホルダの落下等により燃料ホルダに収容された燃料集合体が燃料ホルダの上蓋から荷重を受けたときに、上蓋の内面に接触したハンドルの先端部の位置を保持するように、上蓋の内面が、前記先端部が接触する接触部とハンドルが前記内面上を滑るのを防止する滑動防止部とを有するので、燃料集合体におけるハンドルの緩衝性能を発揮させることにより、燃料棒が破損するのを防止することができる。
【0018】
この発明に係る燃料ホルダの使用方法によると、燃料ホルダを収容する輸送容器に燃料ホルダを装填する際等に燃料ホルダが落下するような不測の事態が生じても、前記燃料ホルダを使用しているので、燃料集合体におけるハンドルの緩衝性能を十分に発揮させることにより、燃料棒が破損するのを防止することができる。
【0019】
この発明に係る燃料集合体の輸送方法は、燃料ホルダを収容する輸送容器に燃料ホルダを装填する際等に燃料ホルダが落下するような不測の事態及び燃料ホルダが収容された輸送容器を需要地まで搬送する際にトレーラ等から輸送容器が落下するような不測の事態が生じても、前記燃料ホルダを用いて燃料集合体を輸送するので、燃料集合体におけるハンドルの緩衝性能を十分に発揮させることにより、燃料棒が破損するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、この発明に係る燃料ホルダの一実施態様を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の一部断面概略図である。
【図2】図2は、図1に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分AA´を通る切断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の断面概略図である。
【図3】図3は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上で滑った場合における、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図3(a)は、図1に示す燃料ホルダ及び燃料集合体において、燃料集合体が燃料ホルダに衝突したときの燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面説明図である。図3(b)は、図3(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分BB´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【図4】図4は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上の特定の位置に保持された場合における、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図4(a)は、図1に示す燃料ホルダ及び燃料集合体において、燃料集合体が燃料ホルダに衝突したときの、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面説明図である。図4(b)は、図4(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分CC´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【図5】図5は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上で滑った場合における、ハンドルの圧縮変位と荷重との関係を示すモデル図である。
【図6】図6は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上の特定の位置に保持される場合における、ハンドルの圧縮変位と荷重との関係を示すモデル図である。
【図7】図7は、この発明の燃料ホルダにおける上蓋の一例を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【図8】図8は、図7に示す上蓋の内面を燃料ホルダの軸線方向から見た概略図である。
【図9】図9(a)は、図7に示す燃料集合体のハンドルが変形した状態を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図9(b)は、図9(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分EE´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【図10】図10は、この発明の燃料ホルダにおける上蓋の一例を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【図11】図11は、図10に示す上蓋の内面を燃料ホルダの軸線方向から見た概略図である。
【図12】図12(a)は、図10に示す燃料集合体のハンドルが変形した状態を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図12(b)は、図12(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分FF´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【図13】図13は、この発明の燃料ホルダにおける上蓋の一例を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【図14】図14は、図13に示す上蓋の内面を燃料ホルダの軸線方向から見た概略図である。
【図15】図15(a)は、図13に示す燃料集合体のハンドルが変形した状態を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図15(b)は、図15(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分GG´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下においては、図面を参照しつつこの発明に係る燃料ホルダを説明する。
図1は、この発明に係る燃料ホルダの一実施態様を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の一部断面概略図である。図2は、図1に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分AA´を通る切断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の断面概略図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、燃料ホルダ1は、収容殻2と、収容殻2の両端開口部を閉鎖する上蓋3と下蓋4とを備え、収容殻2と上蓋3と下蓋4とに囲まれる内部空間に燃料集合体10を収容することができるように構成されている。また、燃料ホルダ1は、燃料集合体10を支持する固定板5、受板6、付勢手段7、及び台座8を備えている。なお、この燃料ホルダ1はこの発明に係る燃料ホルダの一実施態様である。
【0023】
この燃料ホルダ1が収容する燃料集合体10は、複数の燃料棒11及び水管(図示せず。)が上部タイプレート12、支持格子13、及び下部タイプレート14で束ねられて構成されている。
【0024】
収容殻2は、略四角筒状であり、その両端開口部に設けられた上蓋3と下蓋4とにより囲まれる内部空間に燃料集合体10が収容できる大きさを有している。収容殻2は、燃料集合体10を収容するときから、燃料集合体10を搬送するときまでの温度条件、要求される機械的強度等を満足する材料であれば特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、ホウ素含有ステンレス鋼、及び耐熱ニッケル基合金等を採用することができる。
【0025】
上蓋3と下蓋4とはそれぞれが収容殻2に固定されているのが好ましい。なお、固定手段としては特に限定されず、接着、溶着、係合、嵌合又は螺合等の公知の手段又はこの発明の技術分野における通常の知識を有する者により容易に想到可能な手段を採用することができる。上蓋3と下蓋4とは、収容殻2と同様の材料により形成されることができる。
【0026】
燃料集合体10の収容殻2への収容は、通常、収容殻2と燃料集合体10とを直立させて行われることが多い。下蓋4の内部に取り付けられて成る台座8は、燃料集合体10を直立させたときに、燃料集合体10の下部タイプレート14を支持可能なように位置決めされ、かつ燃料集合体10の重量に耐え得る強度等を有している。
【0027】
図1に示すように、燃料集合体10の上部タイプレート12、及び下部タイプレート14は、通常、固定板5等により固定的に支持されている。上部タイプレート12及び下部タイプレート14を固定板5及び受板6で固定するだけでは、輸送時の振動等が燃料集合体10に伝播したときに、上部タイプレート12から下部タイプレート14までの間に位置する燃料棒11及び水管(図示せず。)が装入されている部位が撓む等の不都合が生じることがある。燃料棒11及び水管が装入されている部位が撓んだ場合は燃料集合体10に機械的損傷が生じることがあるので、上部タイプレート12と下部タイプレート14との間の適宜の位置に受板6及び付勢手段7が設けられ、受板6及び付勢手段7により支持格子13が支持される。
【0028】
燃料棒11は、金属製の長尺な被覆管の中に複数の円柱状の燃料ペレットが封じ込められて構成され、燃料ペレットは、例えばプルトニウム酸化物(PuO)とウラン酸化物(UO)とを混合したMOX燃料により形成される。
【0029】
上部タイプレート12は、燃料棒11の先端部を保持する略四角形盤状のグリッド15と、このグリッド15の燃料棒11が保持されている面とは反対側の面に設けられると共に、略四角形盤状のグリッド15の対角線上に略コの字形状に立脚するハンドル16とを有する。ハンドル16は、前記グリッド15の対角線上に立脚する一対の脚部17とこの一対の脚部17を連結する先端部18とを有する。ハンドル16は、燃料集合体10を吊り上げて移動するのに使用され、また後述するように、燃料ホルダ1が落下する等の特別な条件下において燃料棒11を保護する緩衝機能を有する。したがって、上部タイプレート12は、燃料集合体10の荷重を十分に保持でき、かつ緩衝機能を果たすことのできる強度に設計されている。下部タイプレート14は、通常運転時に燃料集合体10の重量を支え、また下部タイプレート14単独でまたは下部タイプレート14と台座8とを組み合わせた状態で上部タイプレート12と同様に緩衝機能を有するので、燃料集合体10の荷重を十分に保持でき、かつ緩衝機能を果たすことのできる強度に設計されている。
【0030】
燃料ホルダ1は、不測の事態として、例えば、供給地で燃料ホルダ1を収容する輸送容器に燃料ホルダ1を装填する際に燃料ホルダ1が落下する事態、及び輸送容器を需要地まで搬送する際にトレーラ等から輸送容器が落下する事態等が生じても、燃料集合体10を保護するように構成される必要がある。燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、燃料集合体10が上蓋3及び下蓋4から大きな荷重を受けることがある。上部タイプレート12と下部タイプレート14とは、複数の燃料棒11を間隔保持しつつ束ねる機能だけでなく、燃料ホルダが落下する等の特別な条件下において燃料棒を保護する緩衝機能を有する。燃料集合体10が上蓋3及び下蓋4からある一定以上の荷重を受けた場合に、上部タイプレート12及び下部タイプレート14が塑性変形することにより、燃料棒11に作用するエネルギーを低減し、燃料棒11の破損を防止することができるように、上部タイプレート12と下部タイプレート14とは、その形状、大きさ、材質、強度等が構成されている。例えば、燃料ホルダ1が上部タイプレート12を下にして落下した場合には、ハンドル16が燃料ホルダ1の上蓋3から大きな荷重を受けることになる。この荷重がある一定以上の大きさになると、ハンドル16が変形することにより、燃料棒11に作用するエネルギーを低減し、燃料棒11の破損を防止する。燃料棒11の破損を防止することにより、燃料棒11からの燃料ペレットの漏えいを防ぐことができる。
【0031】
燃料ホルダ1が上部タイプレートを下にして落下した場合におけるハンドル16の緩衝機能について、図を参照しつつ詳述する。図3は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上で滑った場合における、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図3(a)は、図1に示す燃料ホルダ及び燃料集合体において、燃料集合体が燃料ホルダの上蓋の内面に衝突したときの燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面説明図である。図3(b)は、図3(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分BB´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図4は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上の特定の位置に保持された場合における、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図4(a)は、図1に示す燃料ホルダ及び燃料集合体において、燃料集合体が燃料ホルダの上蓋の内面に衝突したときの燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面説明図である。図4(b)は、図4(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分CC´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【0032】
図1に示すように、燃料集合体10は、固定板5及び受板6により軸線O方向に直交する方向に保持され、車両からの振動、車両の加速及びブレーキ等により生じる燃料集合体10の軸線O方向への移動を抑制している。しかし、例えば、燃料ホルダ1又は輸送容器が上部タイプレート12を下にして落下するような特別な条件下においては、固定板5及び受板6によって燃料集合体10を燃料ホルダ1に保持する力で、燃料集合体10の軸線O方向への移動を抑制することはできず、所定の加速度で燃料集合体10が上蓋3に向かって移動し、先端部18が内面21に接触する。先端部18と内面21とが接触した後、さらにハンドル16が内面21から荷重を受け、ある一定以上の荷重になると、図3(a)及び(b)に示すように、先端部18が内面21上を、例えば先端部18の長手方向に直交する方向に滑った状態で、一対の脚部17が先端部18が滑った方向とは逆方向に凸状に曲がることがある。
【0033】
一方、図4(a)及び(b)に示すように、燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、上述したように燃料ホルダが軸線O方向に移動することにより、先端部18が内面21に接触し、その後さらにハンドル16が内面21からある一定以上の荷重を受けた場合に、先端部18が内面21上で横滑りを起こさずに、内面21に接触した先端部18の位置を保持した状態で、一対の脚部17が例えばグリッド15の対角線方向すなわち先端部18の長手方向Xであって、先端部18とは反対方向に凸状に曲がることがある。
【0034】
図4(a)及び(b)に示すように、先端部18の内面21に接触したときの位置を保持した状態で一対の脚部17が変形するときの緩衝性能は、図3(a)及び(b)に示すように、先端部18が内面21上を滑った状態で一対の脚部17が変形するときの緩衝性能に比べて、高い。
【0035】
ハンドル16の変形状況による緩衝性能の違いについてモデル図を参照しつつ説明する。図5は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上で滑った場合における、ハンドルの圧縮変位と荷重との関係を示すモデル図である。図6は、燃料ホルダの落下時にハンドルの先端部が上蓋の内面上の特定の位置に保持される場合における、ハンドルの圧縮変位と荷重との関係を示すモデル図である。
【0036】
図5及び図6において、ハンドル16が上蓋3の内面21から荷重を受けたときにおける、一対の脚部17の軸線O方向の変位をX軸に、一対の脚部17に対して軸線O方向にかけられる荷重をY軸に示す。図5に示すように、燃料ホルダ1の落下時にハンドル16が上蓋3に接触してその先端部18が内面21上を滑った状態でハンドル16が変形する場合は、図6に示すように、先端部18が内面21上を滑らずに、特定の位置に保持された状態でハンドル16が変形する場合に比べて、ハンドル16が受けた小さな荷重でハンドル16が変形する。例えば、図5及び図6に示す点Aまで一対の脚部17が変形するのに要する荷重は、先端部18が内面21上を滑った状態でハンドル16が変形する場合(図5)の方が、先端部18が内面21上を滑らずに、特定の位置に保持された状態でハンドル16が変形する場合(図6)に比べて、小さい。図5及び図6において、X軸と曲線とX=Aとで囲まれる面積は、ハンドル16が軸線O方向に距離Aだけ変位するのに要するエネルギーを示す。ハンドル16を変形するのに要するエネルギーを以下において、変形エネルギーと称することがある。ハンドル16が軸線O方向に距離Aだけ変位するのに要する変形エネルギーは、先端部18が内面21上を滑った状態でハンドル16が変形する場合(図5)の方が、先端部18が内面21上を滑らずに、特定の位置に保持された状態でハンドル16が変形する場合(図6)に比べて、小さい。
【0037】
燃料ホルダ1の落下により生じた運動エネルギーは、ハンドル16が変形することによってその一部が変形エネルギーに変換し、残りの運動エネルギーがグリッド15及び燃料棒11に作用する。図5に示すように、ハンドル16の変形エネルギーが小さいと、燃料棒11に大きな運動エネルギーが作用して、燃料棒11が破損するおそれがある。換言すると、先端部18が内面21上を滑らずに、特定の位置に保持された状態でハンドル16が変形する場合(図6)には、ハンドル16が内面21から受ける荷重に対する一対の脚部17の反力が大きく、一対の脚部17を変形させるのに要する荷重が大きくなることから大きな変形エネルギーを吸収する。一対の脚部17を変形させるのに要する変形エネルギーが大きい場合には、燃料棒11に作用する運動エネルギーが小さくなり、その結果、燃料棒11の破損を防止することができる。
【0038】
ハンドル16の形状、大きさ、材質及び強度等は、燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、ハンドル16が所定の変形をすることで緩衝性能を発揮することによって燃料棒11を保護することができるように構成されている。したがって、ハンドル16の緩衝性能が発揮されるには、ハンドル16が所定の変形をして想定した変形エネルギーを吸収することが必要である。ハンドルが変形する際に想定した変形エネルギーを吸収するには、上述したように、先端部18が内面21上を滑らずに、特定の位置に保持された状態でハンドル16が変形する必要がある。この発明の燃料ホルダは、燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下においてハンドル16が変形する際に、想定したハンドル16の変形エネルギーを吸収するように、すなわち、先端部18が内面21上を滑らずに、特定の位置に保持された状態でハンドル16が変形するように、上蓋3の内面21が、先端部18が接触する接触部とハンドル16が内面21上を滑るのを防止する少なくとも一つの滑動防止部とを有する。このようにして、燃料棒11に想定以上の運動エネルギーが作用するのを防止することができ、その結果、燃料棒11の破損を防止することができる。
【0039】
次に、この発明の燃料ホルダにおける上蓋として、ハンドルが上蓋から荷重を受けたときに、ハンドルの先端部が接触する接触部とハンドルが上蓋の内面上を滑るのを防止する滑動防止部とを有する上蓋の一例を、図7及び図8を参照しつつ詳述する。図7は、この発明の燃料ホルダにおける上蓋の一例を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図8は、図7に示す上蓋の内面を燃料ホルダの軸線方向から見た概略図である。
【0040】
図7及び図8に示すように、この実施態様の燃料ホルダ1は略四角盤状の上蓋3を備え、この上蓋3における燃料集合体10が収容される側の面である内面21には、略四角盤状の上蓋3の対角線L上に延在する凹部22が設けられている。凹部22は、ハンドル16が上蓋3に衝突したときに、ハンドル16の先端部18が接触する接触部である底面23と、ハンドル16が上蓋3の内面21上を滑るのを防止する滑動防止部である側面24,25,26,27とを有する。底面23は内面21を燃料ホルダ1の軸線O方向から見たときに長方形に形作られ、長方形の底面23の長辺が対角線Lと平行になるように配置されている。側面24,25はこの底面23における長手方向の端縁のそれぞれから垂直に立ち上がり、側面26,27は底面23における短手方向の端縁のそれぞれから垂直に立ち上がり、底面23と側面24,25,26,27とで略直方体状の凹部22を形成している。底面23は、上蓋3の内面21とは反対側の面である外面28に略平行に形成されている。側面24,25,26,27における底面23とは反対側の端縁のそれぞれから側面24,25,26,27に対して垂直に延在する上面29は、凹部22の底面23から突出した状態で、外面28に略平行に延在している。
【0041】
底面23は、ハンドル16の先端部18を軸線O方向から内面21に投影することにより得られる投影像32を含むように、その位置、形状及び大きさが設計されている。この実施態様においては、図8に示すように、底面23の短辺の長さは、投影像32の短辺の長さよりも数ミリ程度大きく形成され、底面23の長辺の長さは、投影像32の長辺の長さよりも数十ミリ程度大きく形成されている。底面23は、燃料ホルダ1の落下時に燃料集合体10が軸線O方向に移動することによって先端部18が内面21に接触する可能性のある部位に形成されるのが好ましい。側面24,25,26,27は、ハンドル16が上蓋3に衝突したときに、ハンドル16が上蓋3の内面21上を滑るのを防止することのできるように形成されていればよく、それらの位置、形状及び大きさは適宜設定される。
【0042】
燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、ハンドル16の先端部18が上蓋3の底面23に接触し、ハンドル16が底面23から荷重を受け、荷重がある一定の値以上になると一対の脚部17が変形する。滑動防止部である側面24,25,26,27は、内面21に接触した先端部18が内面21上を滑るのを防止して、内面21に接触した先端部18の位置を保持するように形成されている。側面24,25は先端部18がその長手方向に直交する方向に滑るのを防止し、側面26,27は先端部18がその長手方向に滑るのを防止する。先端部18の軸線O方向の先端面が平面でなく、傾斜面を形成していること等により、先端部18がその長手方向に直交する2つの方向のうち一方に滑る可能性が高い場合には、滑る可能性の高い側に側面24又は側面25を設ければよい。この実施態様における上蓋3は、先端部18がその長手方向に直交するいずれの方向にも滑るのを防止するように、滑動防止部として2つの側面24,25が設けられている。一方、先端部18がその長手方向に滑る可能性は、先端部18がその長手方向に直交する方向に滑る可能性よりも低い。したがって、内面21に側面26,27を設けずに、凹部22を内面21の略中央部の対角線方向に端から端までに至る溝の形状にしてもよい。また、凹部22は上蓋3の内面21に設けられるとは限らず、上部タイプレート12と上蓋3との間に板状等の緩衝体が設けられている場合には、緩衝体の上部タイプレート12に対向する内面に凹部22が設けられる。
【0043】
この発明の燃料ホルダは、燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、ハンドル16が上蓋3の内面21に衝突し、ハンドル16が上蓋2の内面21から荷重を受けたときに、先端部18が内面21上を滑らずに内面21に接触した先端部18の位置を保持するように、内面21が接触部と少なくとも一つの滑動防止部とを有する限り、図7及び図8に示される実施態様に限定されない。例えば、図7に示すように、上蓋3の側面24,25,26,27は底面23から垂直に立ち上がっているが、側面24,25,26,27は、底面23から外側に広がるように傾く傾斜面を形成していてもよいし、底面23から内側に傾く傾斜面を形成していてもよい。また、側面24,25,26,27は、平面状に形成されることに限定されず、図7に示す凹部22の断面において凹部の内側に突出するカーブを描く曲面状であっても、凹部の外側に突出するようにカーブを描く曲面状であってもよい。また、底面23は外面28に略平行に形成されることに限定されず、図7に示す凹部22の断面において凹部の内側に突出するカーブを描く曲面状であっても、凹部の外側に突出するカーブを描く曲面状であってもよい。先端部18の先端面は底面23に面で接触する形状に限らず、線及び点で接触する形状であってもよい。
【0044】
次に、この発明の燃料ホルダの作用について説明する。図9(a)は、図7に示す燃料集合体のハンドルが変形した状態を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図9(b)は、図9(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分EE´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【0045】
図9に示すように、燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、ハンドル16の先端部18が上蓋3の底面23に接触すると、ハンドル16が上蓋2の内面21から荷重を受け、同時に先端部18がその長手方向に直交する方向に滑る力が作用する。先端部18は側面24又は側面25の一方に接触し、側面24又は側面25から反力を受けて、先端部18が滑る力と側面24又は25からの反力とが等しくなることにより、先端部18はその内面21上の接触した位置に保持される。先端部18が内面21に接触した位置に保持された状態で、さらにハンドル16は荷重を受け、ある一定値以上の荷重になると、一対の脚部17が先端部18の長手方向Xであって、先端部18が存在する方向とは反対側に向かって凸状に曲がり、変形し始める。燃料ホルダ1の落下により生じた運動エネルギーは、この一対の脚部17が変形することによってその一部が変形エネルギーに変換されることで吸収される。吸収されなかった運動エネルギーはグリッド15及び燃料棒11に作用するものの、先端部18が内面21に接触した位置を保持した状態で、一対の脚部17が変形することによって、想定した変形エネルギーが吸収されることで、グリッド15及び燃料棒11に想定以上の運動エネルギーが作用するのを防止することができ、その結果、燃料棒11の破損を防止することができる。
【0046】
なお、この実施態様においては、ハンドル16が上蓋2の内面21から荷重を受けたときに、一対の脚部17が先端部18の長手方向Xであって、先端部18が存在する方向とは反対側に向かって凸状に曲っているが、内面21に接触した先端部18の位置を保持した状態で一対の脚部17が変形する限り、一対の脚部17の変形の仕方は特に限定されず、一対の脚部17が先端部18の長手方向Xに波状に曲がってもよいし、長手方向Xに直交する方向に曲がってもよい。ただし、一対の脚部17が均等に荷重を受けて、ほぼ同様の変形をするのが好ましい。
【0047】
次に、燃料ホルダ1の使用方法、並びに燃料集合体10の輸送方法の一例を説明する。
【0048】
燃料ホルダ1をその長手方向が上下方向になるように縦置き状態にして、収容殻2の側方を開放し、燃料集合体10を収容殻2に配置する。このとき、ハンドル16を図示しない吊具により把持して燃料集合体10を吊り上げて収容殻2に配置して、受板6又は固定板5と上部タイプレート12、受板6又は付勢手段7と支持格子13、受板6又は固定板5と下部タイプレート14とがそれぞれ当接するように配置する。
【0049】
図2に示すように、収容殻2は4つの側壁41,42,43,44により形成されており、燃料集合体10を収容殻2に配置した後には、4個の側壁41,42,43,44は互いに直交する状態で固定される。燃料集合体10を配置する前の収容殻2は、各側壁41,42,43,44が相互に固定されていても良く、固定されていなくとも良い。つまり、燃料集合体10を配置する前の収容殻2は、例えば各側壁41,42,43,44がそれぞれ分離されている態様、隣接することになる側壁41,42と側壁43,44との2個ずつの側壁が固定されている態様、側壁41,42,43が固定されており、側壁44のみが分離されている態様、及び4個の側壁41,42,43,44が互いに直交するように固定されている態様のいずれであってもよい。
【0050】
次いで、収容殻2の両端開口部を閉鎖するように上蓋3と下蓋4とを収容殻2の両端部にそれぞれ装着し、図1に示されるように、下部タイプレート14の底面に下蓋4に設けられた台座8が当接される。図7及び図8に示されるように、上蓋3は、底面23がハンドル16の投影像32の全てを含むように、収容殻2の端部に装着される。なお、この実施態様においては、底面23と先端部18とは、両者の間にギャップを設けているが、底面23と先端部18とが当接するように設計されていてもよい。この際、上蓋3の内面21に弾性体を介して硬質の板材が装着されている場合には、底面23を含む凹部22は、この硬質の板材の燃料集合体10側の面に設けられる。底面23と先端部18とが当接していると、燃料ホルダ1又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、先端部18が内面21に軸線O方向に対して斜めに接触する可能性が低くなるので、接触先端部18が内面21上で横滑りを起こし難くなる。また、先端部18が上面29より燃料集合体10側に有る時は、燃料ホルダ1の落下時に先端部18が軸線O方向に対して斜めに移動して凹部22からずれて上面29に接触し、側面24又は側面25からの拘束が受けられず、先端部18の長手方向からずれた方向に滑り、滑った方向とは逆方向に曲がる可能性が有る。後述する図10及び11に示す上蓋の実施態様において、先端部518が凸部551又は凸部552の先端面より燃料集合体側に有る時も同様である。従って、図7及び8、図10及び11に示すように、内面21に設けられる底面23及び内面521に設けられる接触部555は、燃料ホルダ1の落下時に先端部18が凹部22及び接触部555からずれて上面29,529に接触する可能性を考慮して投影面32,532よりも大きい寸法にするのがよい。しかし、底面23と先端部18とが当接するように設計されていれば、このような落下時のずれを考慮する必要がなく、底面23及び接触部555は先端部18,518の寸法と同程度又はそれよりわずかに大きければよい。また、凹部22の深さが小さくても先端部18は確実に側面24又は側面25により拘束され、凸部551,552の高さが小さくても先端部518は確実に凸部551又は凸部552に拘束され、先端部18,518の長手方向からずれた方向に滑り、滑った方向とは逆方向に曲がるのを防止できる。
【0051】
燃料集合体10が収容された燃料ホルダ1は、さらに輸送容器に装填されて、トレーラ、船舶等の輸送手段により、原子力発電所及び他の核燃料施設等の需要地に搬送される。このとき、燃料集合体10が収容された燃料ホルダ1における被吊具45(図1参照。)を図示しない吊具により吊り上げて、図示しない輸送容器に装填する。一つの輸送容器に装填される燃料ホルダ1の数は、輸送容器の種類により異なり、例えば4個、9個及び12個等が挙げられ、この発明の燃料ホルダ1は従来公知の輸送容器により搬送される。
【0052】
この燃料ホルダ1の使用方法によると、燃料ホルダ1を収容する輸送容器に燃料ホルダ1を搬送する際に燃料ホルダ1が落下するような不測の事態が生じても、ハンドル16が上蓋3の内面21から荷重を受けたときに、内面21に接触した先端部18の位置を保持した状態で一対の脚部17が変形するので、想定した変形エネルギーが吸収されることで、グリッド15及び燃料棒11に想定以上の運動エネルギーが作用するのを防止することができ、その結果、燃料棒11の破損を防止することができる。
【0053】
この燃料集合体10の輸送方法によると、燃料ホルダ1を収容する輸送容器に燃料ホルダ1を装填する際に燃料ホルダ1が落下するような不測の事態、この燃料ホルダ1が収容された輸送容器をトレーラ等に搬送する際に燃料ホルダ1が落下するような不測の事態、及び輸送容器を需要地まで搬送する際にトレーラ等から輸送容器が落下するような不測の事態等が生じても、燃料集合体10のハンドル16が燃料ホルダ1の上蓋3の内面21から荷重を受けたときに、内面21に接触した先端部18の位置を保持した状態で一対の脚部17が変形するので、想定した変形エネルギーが吸収されることで、グリッド15及び燃料棒11に想定以上の運動エネルギーが作用するのを防止することができ、その結果、燃料棒11の破損を防止することができる。
【0054】
次に、前述した燃料ホルダ1における上蓋3の第2の実施態様について、図を参照しつつ説明する。
図10は、この発明の燃料ホルダにおける上蓋の一例を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図11は、図10に示す上蓋の内面を燃料ホルダの軸線方向から見た概略図である。
【0055】
図10及び図11に示す第2の実施態様の上蓋503が、図7及び図8に示す第1の実施態様の上蓋3と共通する点は、燃料ホルダが落下する等の特別な条件下において、ハンドル516が上蓋503の内面521から荷重を受けたときに、内面521に接触した先端部516の位置を保持するように、内面521が、ハンドル516の先端部518が接触する接触部とハンドル516が内面521上を滑るのを防止する滑動防止部とを有する点である。
【0056】
図10及び図11に示すように、この実施態様の燃料ホルダ501は略四角盤状の上蓋503を備え、この上蓋503における燃料集合体510が収容される側の面である内面521には、燃料ホルダ501が落下する等の特別な条件下において、ハンドル516が上蓋503の内面521から荷重を受けたときに、ハンドル516の先端部518が接触する接触部555と、ハンドル516が内面521上を滑るのを防止する滑動防止部である4つの凸部551,552,553,554とを有する。4つの凸部551,552,553,554は、内面521上に平面状の内面521に対して垂直方向に直立する直方体形状を有し、それぞれ同一の大きさ及び形状を有している。2つの凸部551,552と2つの凸部553,554とが略四角盤状の上蓋503における対角線Lに対して線対称に配置され、一方2つの凸部551,554と2つの凸部552,553とはもう一方の対角線Lに対してそれぞれ線対称に配置されている。接触部555は、上蓋3における内面521とは反対側の面である外面528に略平行に形成されている。
【0057】
図10及び図11に示すように、内面521において凸部551,552,553,554及び接触部555を除いた面である上面529と接触部555とは、同一平面上にある。したがって、この実施態様において接触部555と上面529との境界は明確ではないが、接触部555は先端部518を軸線O方向から内面521に投影することにより得られる投影像532の全てを含む領域、すなわち凸部551及び552と凸部553及び554とによりそれぞれ挟まれる長尺状の領域であり、投影像532よりわずかに大きい面積を有している。
【0058】
この発明の燃料ホルダは、図10及び図11に示される実施態様に限定されない。例えば、図10及び図11に示される上蓋503の凸部551,552,553,554は内面521に対して垂直方向に直立する直方体形状を有するが、直方体形状に限らず、円柱形状、三角柱形状、多角柱形状、頭部が拡径する形状、底部が拡径する形状等であってもよく、またそれぞれが異なる形状であってもよい。
【0059】
また、先端部518がその長手方向に直交する2つの方向のうち一方に滑る可能性が高い場合には、滑る可能性の高い側に凸部551,554又は凸部552,553を設ければよい。この実施態様においては、先端部518の長手方向に直交するそれぞれの方向に2つの凸部551,554及び凸部552,553が設けられているが、凸部の数は特に限定されず、3つ以上であってもよい。この実施態様においては、凸部551,552及び凸部553,554がそれぞれ対角線Lに対して線対称に配置されているが、先端部518が内面521上を滑るのを防止することができる限り、4つの凸部551,552,553,554の配置は特に限定されず、凸部551と凸部554との中心と凸部552とが対角線Lに対して線対称に配置されてもよい。また。先端部18がその長手方向に滑る可能性は、先端部18がその長手方向に直交する方向に滑る可能性よりも低いので、この実施態様においては投影像532の短辺の外側に凸部が設けられていないが、投影像532の短辺の外側に凸部が設けられていてもよい。
【0060】
また、この実施態様においては、接触部555は上面529と同一平面上にあるが、接触部555における外面528からの厚みが上面529における外面528からの厚みよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。また接触部555は、平面状に形成されることに限定されず、図10に示す接触部555の断面において燃料集合体510が配置されている方向に突出する曲線を描く曲面状であってもよいし、これとは反対方向に突出する曲線を描く凹状の曲面状であってもよい。また、上面529は外面528に略平行に形成されることに限定されず、図10に示す接触部555の断面において燃料集合体510が配置されている方向に突出する曲線を描く曲面状であってもよいし、これとは反対方向に突出する曲線を描く凹状の曲面状であってもよい。
【0061】
図12(a)は、図10に示す燃料集合体のハンドルが変形した状態を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図12(b)は、図12(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分FF´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【0062】
図12に示すように、燃料ホルダ501又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、ハンドル516の先端部518が上蓋503の接触部555に接触すると、ハンドル516が上蓋503の内面521から荷重を受け、同時に先端部518がその長手方向に直交する方向に滑る力が作用する。先端部518は凸部551,552又は凸部553,554の一方に接触し、凸部551,552又は凸部553,554から反力を受けて、先端部518が滑る力と凸部551,552又は凸部553,554からの反力とが等しくなることにより先端部518はその内面521上の接触した位置に保持される。先端部518が内面521に接触した位置に保持された状態で、さらにハンドル516は荷重を受け、ある一定の値以上の荷重になると、一対の脚部517が先端部518の長手方向Xであって、先端部518が存在する方向とは反対側に向かって凸状に曲がり、変形し始める。燃料ホルダ501の落下により生じた運動エネルギーは、この一対の脚部517が変形することによってその一部が変形エネルギーに変換されることで吸収される。吸収されなかった運動エネルギーはグリッド515及び燃料棒511に作用するものの、先端部518が内面521に接触した位置を保持した状態で、一対の脚部517が変形することによって、想定した変形エネルギーが吸収されることで、グリッド15及び燃料棒11に想定以上の運動エネルギーが作用するのを防止することができ、その結果、燃料棒11の破損を防止することができる。
【0063】
なお、この実施態様においては、ハンドル516が上蓋502の内面521から荷重を受けたときに、一対の脚部517が先端部518の長手方向Xであって、先端部518が存在する方向とは反対側に向かって凸状に曲っているが、内面521に接触した先端部518の位置を保持した状態で一対の脚部517が変形する限り、一対の脚部517の変形の仕方は特に限定されず、一対の脚部517が先端部518の長手方向Xに波状に曲がってもよいし、長手方向Xに直交する方向に曲がってもよい。ただし、一対の脚部517が均等に荷重を受けて、ほぼ同様の変形をするのが好ましい。
【0064】
次に、前述した燃料ホルダ1における上蓋3の第3の実施態様について、図を参照しつつ説明する。
図13は、この発明の燃料ホルダにおける上蓋の一例を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図14は、図13に示す上蓋の内面を燃料ホルダの軸線方向から見た概略図である。
【0065】
図13及び図14に示す第3の実施態様の上蓋603が、図7及び図8に示す第1の実施態様の上蓋3及び図10及び図11に示す第2の実施態様の上蓋503と共通する点は、燃料ホルダが落下する等の特別な条件下において、ハンドル616が上蓋603の内面621から荷重を受けたときに、内面621に接触した先端部616の位置を保持するように、内面621が、ハンドル616の先端部618が接触する接触部とハンドル616が内面621上を滑るのを防止する滑動防止部とを有する点である。
【0066】
図13及び図14に示すように、この実施態様の燃料ホルダ601は略四角盤状の上蓋603を備え、この上蓋603における燃料集合体610が収容される側の面である内面621は、燃料ホルダ601が落下する等の特別な条件下において、ハンドル616が上蓋603の内面621から荷重を受けたときに、ハンドル616の先端部618が接触する接触部655と、ハンドル616が内面621上を滑るのを防止する滑動防止部である2つのガイド板651,652とを有する。2つのガイド板651,652は、内面621から軸線O方向に立ち上がる、すなわち平面状の内面621から垂直に直立する角板状であり、略四角形盤状の上蓋603の対角線Lに沿って延在している。ガイド板651,652の軸線O方向の長さは先端部618と内面621との間に設けられたギャップすなわち先端部618と内面621との間の軸線O方向長さより大きくなるように構成されている。したがって、ガイド板651,652は、燃料ホルダ601が落下したときに、燃料集合体610が軸線O方向に移動して、接触部655に接触するように案内する機能を有する。ガイド板651,652における対角線L方向の長さは先端部618の長手方向の長さと略同一となるように構成されている。ガイド板651,652は、ガイド板651,652における対角線Lに直交する方向の厚みが最も小さくなるように形成され、軸線O方向及び対角線L方向に広がる角板状に形成されている。2つのガイド板651,652は略四角盤状の上蓋603における対角線Lに対して線対称に配置されている。接触部655は、内面621とは反対側の面である外面628に略平行に形成されている。
【0067】
図13及び図14に示すように、内面621において2つのガイド板651,652及び接触部655を除いた面である上面629と接触部655とは、同一平面上にある。したがって、この実施態様において接触部666と上面629との境界は明確ではないが、接触部655は先端部618を軸線O方向から内面621に投影することにより得られる投影像632の全てを含む領域、すなわち2つのガイド板651,652により挟まれる長尺状の領域であり、投影像632よりわずかに大きい面積を有している。
【0068】
この発明の燃料ホルダは、図13及び図14に示される実施態様に限定されない。例えば、図13に示される上蓋603のガイド板651,652は内面521に対して垂直方向に直立する角板状を有するが、角板状に限らず、円盤状、半円板状、多角形板状、棒状、チューブ状等の形状であってもよい。また、ガイド板651,652の対角線L方向の長さは、先端部618の長手方向の長さより大きくても小さくてもよい。
【0069】
また、先端部618がその長手方向に直交する2つの方向のうち一方に滑る可能性が高い場合には、滑る可能性の高い側にガイド板651,652を設ければよい。この実施態様においては、先端部618の長手方向に直交するそれぞれの方向にガイド板651,552が設けられているが、ガイド板の数は特に限定されず、3つ以上であってもよい。
【0070】
また、この実施態様においては、接触部655は上面629と同一平面上にあるが、接触部655における外面628からの厚みが上面629における外面628からの厚みよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。また接触部655は、平面状に形成されることに限定されず、図13に示す接触部655の断面において燃料集合体610が配置されている方向に突出する曲線を描く曲面状であってもよいし、これとは反対方向に突出する曲線を描く凹状の曲面状であってもよい。また、上面629は外面628に略平行に形成されることに限定されず、図13に示す接触部655の断面において燃料集合体610が配置されている方向に突出する曲線を描く曲面状であってもよいし、これとは反対方向に突出する曲線を描く凹状の曲面状であってもよい。
【0071】
図15(a)は、図13に示す燃料集合体のハンドルが変形した状態を示す、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。図15(b)は、図15(a)に示す燃料ホルダ及び燃料集合体を線分GG´を通る断面で切断して得られる、燃料ホルダ及び燃料集合体の要部断面概略図である。
【0072】
図15に示すように、燃料ホルダ601又は輸送容器が落下するといった特別な条件下において、燃料集合体610は上蓋603に向かって移動し、ハンドル616の先端部618が上蓋603の接触部655に接触する。このとき、ガイド板651,652の軸線O方向長さが接触部655と先端部618の先端面との距離よりも大きいことから、ガイド板651,652はハンドル616を軸線O方向に移動して接触部655に接触するように案内する機能を果たす。すなわち、ハンドル616が軸線O方向に対して斜めに移動してガイド板651又は652の一方に接触したとしても、ガイド板651又は652から反力を受けることにより、ハンドル616はガイド板651及び652により囲まれる空間を移動するように案内される。ハンドル616が接触部655に接触すると、ハンドル616が上蓋603の内面621から荷重を受け、同時に先端部618がその長手方向に直交する方向に滑る力が作用する。先端部618はガイド板651又は652の一方に接触し、ガイド板651又は652から反力を受けて、先端部618の滑る力とガイド板651又は652からの反力とが等しくなることにより先端部618はその内面621上の接触した位置に保持される。先端部618が内面621に接触した位置に保持された状態で、さらにハンドル616は荷重を受け、ある一定の値以上の荷重なると、一対の脚部617が先端部618の長手方向Xであって、先端部618が存在する方向とは反対側に向かって凸状に曲がり、変形し始める。燃料ホルダ601の落下により生じた運動エネルギーは、この一対の脚部617が変形することによってその一部が変形エネルギーに変換されることで吸収される。吸収されなかった運動エネルギーはグリッド615及び燃料棒611に作用するものの、先端部618が内面621に接触した位置を保持した状態で、一対の脚部617が変形することによって、想定した変形エネルギーが吸収されることで、グリッド15及び燃料棒11に想定以上の運動エネルギーが作用するのを防止することができ、その結果、燃料棒11の破損を防止することができる。
【0073】
なお、この実施態様においては、ハンドル616が上蓋602の内面621から荷重を受けたときに、一対の脚部617が先端部618の長手方向Xであって、先端部618が存在する方向とは反対側に向かって凸状に曲っているが、内面621に接触した先端部618の位置を保持した状態で一対の脚部617が変形する限り、一対の脚部617の変形の仕方は特に限定されず、一対の脚部617が先端部618の長手方向Xに波状に曲がってもよいし、長手方向Xに直交する方向に曲がってもよい。ただし、一対の脚部617が均等に荷重を受けて、ほぼ同様の変形をするのが好ましい。
【符号の説明】
【0074】
1,501 燃料ホルダ
2,502 収容殻
3,503 上蓋
4 下蓋
5 固定板
6 受板
7 付勢手段
8 台座
10,510 燃料集合体
11,511 燃料棒
12 上部タイプレート
13 支持格子
14 下部タイプレート
15,515 グリッド
16,516 ハンドル
17,517 脚部
18,518 先端部
21,521 内面
22 凹部
23 底面
24,25,26,27 側面
28,528,628 外面
29,529,629 上面
30,551,552,553,554 凸部
32,532,632 投影像
41,42,43,44 側壁
45 被吊具
555,655 接触部
651,652 ガイド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料棒の先端部を保持するグリッドと、前記グリッドの前記燃料棒が保持されている面とは反対側の面に設けられるとともに、略四角形盤状の前記グリッドの対角線上に立脚する一対の脚部及び前記一対の脚部を連結する先端部を有する略コの字形状のハンドルとを有する燃料集合体を収容することができる収容殻の一端開口部を上蓋で閉鎖する燃料ホルダであって、
前記ハンドルが前記上蓋の内面から荷重を受けたときに、前記内面に接触した前記先端部の位置を保持するように、前記内面は前記先端部が接触する接触部と前記ハンドルが前記内面上を滑るのを防止する滑動防止部とを有することを特徴とする燃料ホルダ。
【請求項2】
前記接触部と前記滑動防止部とにより凹部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料ホルダ。
【請求項3】
前記凹部は、前記先端部を前記燃料集合体の軸線方向から前記内面に投影することにより得られる投影像を含むように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃料ホルダ。
【請求項4】
前記凹部は、前記投影像の長手方向に延在することを特徴とする請求項3に記載の燃料ホルダ。
【請求項5】
前記滑動防止部が凸部であることを特徴とする請求項1に記載の燃料ホルダ。
【請求項6】
前記凸部は、前記先端部を前記燃料集合体の軸線方向から前記内面に投影することにより得られる投影像の長手方向に延在することを特徴とする請求項5に記載の燃料ホルダ。
【請求項7】
前記滑動防止部は前記内面から前記軸線方向に立ち上がるガイド板であり、前記先端部と前記内面との間にギャップが設けられ、前記ガイド板の軸線方向長さが前記ギャップの軸線方向長さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の燃料ホルダ。
【請求項8】
前記燃料集合体を収容するとき、前記先端部が前記内面に当接することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料ホルダ。
【請求項9】
前記請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料ホルダに前記燃料集合体を収容することを特徴とする燃料ホルダの使用方法。
【請求項10】
前記請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料ホルダに前記燃料集合体を収容して、輸送することを特徴とする燃料集合体の輸送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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