説明

燃料油改質装置

【課題】 既存設備に対応でき、低コストにて効率よく燃料油の燃費効率が向上できる燃料油の改質装置がなかった。
【解決手段】 既設の燃料油タンクより、装置内に併設した燃料油タンクに燃料油を送り、循環ポンプを用いて、酸素欠乏傾斜構造をなす電磁波応答型光触媒の特徴をもつ二酸化チタンの小球が充填された鋳鉄製容器に送り、二酸化チタンの小球が衝突し、その際発生する電磁波に反応した二酸化チタンの触媒作用が燃料油に活性化(励起化、イオン化、電離化)を起こさせ、燃焼効率が高くなる燃料油に改質する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃費効率向上及び燃費削減に寄与する燃料油の改質の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼機に鉱物燃料油が使用されているのが従来の燃焼システムである。
【0003】
従来の改質装置は触媒機能を有した素材をタンク内に浸漬する装置がある。
(例えば特許文献1参照)
【0004】
燃料の改質や活性化を行う機能を持つ素材を配管内に充填させる方法がある。
(例えば特許文献2参照)
【特許文献1】特開2008−23506号 公報
【特許文献2】特開2007−247544 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の内特許文献1に記載された方法は、素材の量が増大になり、コスト高の課題がある。
【0006】
上記の内特許文献2に記載された方法は、燃料油との接触時間が短く不安定なる課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するために、金属製容器に酸素欠乏構造をなし電磁波応答型光触媒の特徴をもつ二酸化チタンの小球を充填し、前記二酸化チタンに燃料油を接触させることとしたものである。
酸素欠乏構造をなし電磁波応答型光触媒の特徴をもつ二酸化チタンとは、株式会社不二機販が開発した商品PIPチタンである。
燃料油と接触させるPIPチタンは、燃料油との接触面積の多寡が燃費に大きく関与、影響を与えると考え、PIPチタンの表面積の大小に関係し、また資源的にも有利と考え、その形状を2mm〜5mmの直径をもつ形状のPIPチタンとする。
【0008】
前記金属製容器に前記金属製容器の容積の5〜15%程度の自由空間を設けて前記二酸化チタンの小球を前記金属製容器に充填してもよい。前記金属製容器に設けている自由空間が5%以下の場合前記二酸化チタンの動きが不十分であり、15%以上になると前記燃料油との接触時間が不十分になるため前記金属製容器の自由空間は前記金属製容器の容積の5〜15%程度に設定するのがよい。前記金属製容器に送油された燃料油によって、前記金属製容器に設けられた5〜15%程度の自由空間によりPIPチタンが衝突し、その際発生する電磁波に反応したPIPチタンが触媒作用を起こし、燃料油に活性化(励起化、イオン化、電離化)を起こさせ燃焼効率が高まる燃料油に改質される。
【0009】
本発明に用いるPIPチタンを充填する容器は、鋳鉄製鉄管やステンレス製管等の金属製であればよい。
【0010】
本発明は、装置内に設けた燃料油タンクに燃料油を溜め、循環ポンプを用いて二酸化チタンが充填された容器に送油することにより燃料油が効率よく二酸化チタンに接触することができる。このことにより、燃焼機の燃料消費量を基準に、二酸化チタンの量及び循環ポンプの容量を変えることにより多数の燃焼機に対応できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な装置構成により燃料油と二酸化チタンが効率よく接触することができる。
【0012】
本発明によれば、二酸化チタンの触媒作用が燃料油に活性化(励起化、イオン化、電離化)を起こさせ、燃費向上が高まる燃料油に改質させる。
【0013】
本発明によれば、二酸化チタンと燃料油が効率よく接触できることにより、従来よりも低コストにて装置ができる。
【0014】
本発明によれば、改質された燃料油は、燃焼効率が高くなり、よって燃焼機の噴射油圧を減圧することが可能になり、燃料消費量が削減できる。
このことは、経済的な効果ばかりでなく、環境負荷を低減することに効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下実施例により本発明を更に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態を示す概念図である。燃焼機5の燃料消費量が700L/hにおいて5%〜15%程度の自由空間を設けた金属製容器4にPIPチタン20kg充填し、循環ポンプ3の容量を40L/minに設定する。既設燃料油タンク1より併設燃料油タンク2へバイパス配管7により送油する。この時併設燃料油タンク2の設置時高さは併設タンク1の底部より低くする。これにより既設燃料油タンク1より併設燃料油タンク2へ動力を使わず送油される。併設燃料油タンク2に送油された燃料油は循環送油管8を経由し、循環ポンプ3によってPIPチタンが充填された金属製容器4に送油される。ここでPIPチタンと燃料油が接触することにより燃料油が改質される。改質された燃料油は循環送油管7により併設燃料油タンク2に戻される。併設燃料油タンク2に戻された燃料油は、バイパス送油管7により、既設燃料油送油管6により燃焼機5へ送られる。
【実施例2】
【0017】
本発明の装置により処理されたA重油について製茶加工工場の燃焼機に使用し燃料消費量の削減効果の確認を行った。装置設置前の生葉1kgのA重油消費量が0.233K/kgであったが、装置設置後の生葉1kgのA重油消費量が0.202L/kgに減少していたことが示された。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の装置は、既存の装置・設備に適用でき、簡略な装置構成により燃料改質が可能であり、燃焼効率の向上ができる。
【0019】
本発明によれば、定置型の内燃機関の燃料油の燃費改善が可能であるので、工場の燃焼機や事業所の給湯設備にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の燃焼油改質装置の概念図
【符号の説明】
【0021】
1 既設燃料油タンク
2 併設燃料油タンク
3 循環ポンプ
4 金属製容器
5 燃焼機
6 既設燃料油送油管
7 バイパス送油管
8 循環送油管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製容器に酸素欠乏構造をなし電磁波応答型光触媒の特徴をもつ二酸化チタンの小球を充填し、燃料油を前記二酸化チタンに接触させることを特徴とする燃焼効率を向上させるための燃料油改質装置。
【請求項2】
前記金属製容器の容積の5〜15%程度の自由空間を設けるようにし、燃料油を送油し、前記二酸化チタンの小球を充填することを特徴とする請求項1記載の燃料油改質装置。
【請求項3】
前記金属製容器に燃料油タンクを併設し、循環ポンプを用いて燃料油を前記金属製容器と前記燃料油タンク間を循環させることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料油改質装置。

【図1】
image rotate