説明

燃料電池コージェネレーションシステム及びその制御方法並びに制御プログラム

【課題】燃料電池排熱を最適な条件で利用し、高い総合効率で燃料電池を制御することが可能な燃料電池コージェネレーションシステム及びその制御方法並びに制御プログラムを提供する。
【解決手段】燃料電池1の排熱を用いて生成した温水を貯める貯湯槽2と、燃料電池1から貯湯槽2に供給する熱量を計測する排熱量計測装置3と、ユーザが利用した熱需要を計測する供給熱量計測装置4とを備え、制御装置5により、排熱量計測装置3で計測される排熱量と、供給熱量計測装置4で計測されるユーザの熱需要値とをもとに将来のユーザ熱利用量の予測を行い、これに基づいて燃料電池排熱を有効に活用する最適な運転パターンを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池コージェネレーションシステムに係り、特に、燃料電池排熱を最適な条件で利用し、高い総合効率で燃料電池を制御することが可能な技術に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用に燃料電池コージェネレーションシステムを適用する場合、家庭の熱利用量に比べて燃料電池の排熱量が小さいため排熱を一旦貯めて利用する構成が一般的である。すなわち、燃料電池の排熱を用いて温水を生成し、生成した温水を貯湯槽に貯めてから利用する。
【0003】
家庭の熱利用は炊事や入浴時の給湯など利用時間は一日の累積でも10数分から数十分と短時間ではあるものの、単位時間当たりの熱量は燃料電池の排熱量に比べて数倍から10数倍大きく、燃料電池の排熱で生成した温水では不足する。そのため、通常は燃料電池システムに貯湯槽を併設し、家庭の熱利用が無い状態でも燃料電池の排熱で温水を生成し、生成した温水を貯湯槽に貯める方式としており、ユーザが熱を利用するときには貯湯槽から貯めていた温水を供給することが一般的である。この方法は燃料電池の排熱を有効に活用することが可能である。
【0004】
一方、上記のように燃料電池の排熱を貯めて利用する際には、ユーザの熱利用、すなわち熱利用時間およびその時間での熱利用量を正確に予測することが必要となる。すなわち、ユーザの熱利用を予測せず、可能な限り熱を貯める運転を行うとユーザの利用する以上の熱を貯湯槽に貯める可能性がある。
【0005】
その場合、ユーザの利用量以上の余剰熱量は貯湯槽に貯まった放熱として、あるいは貯湯槽にためる前にラジエータなどによって系外に排出されるため、燃料電池の特徴である熱と電気を利用した高い総合効率を得ることが困難である。また、その逆にユーザの熱利用を予測せず低い負荷で運転を行った場合には、貯湯槽に貯めた燃料電池の排熱だけではユーザの熱利用量に不足する可能性がある。その場合、不足分の熱を供給するためボイラーなど補助熱源機を利用することとなり燃料費用が発生し、燃料電池導入による経済的メリットが低くなってしまう。
【0006】
このように、燃料電池コージェネレーションシステムにおいて排熱を有効利用し高い総合効率を達成するためには、ユーザの熱利用の時間と熱利用量をあらかじめ予測して燃料電池システムを運転し、ユーザの利用時間及び利用量に対して過不足のない適切な熱量を貯湯槽に蓄えることが重要である。
【0007】
そこで、従来、ユーザの熱需要予測をもとに燃料電池の運転を制御する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。これを図6を用いて具体的に説明する。図6は、0:00から23:00の各1時間ごとのユーザの熱需要予測と、予測に従いユーザ熱利用量に過不足ないように貯湯槽に排熱を貯めるような運転を行った場合の燃料電池排熱の時刻別特性を示している。同図において、上記従来の制御方法では、熱需要予測の多い19:00〜22:00の熱需要量に対応するため、熱需要のほとんどない15:00〜18:00においても定格負荷で運転を行い、燃料電池排熱を貯湯槽に蓄熱するように制御していることがわかる。
【特許文献1】特開2002−364927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記従来の燃料電池コージェネレーションシステムでは、ユーザの熱需要パターンを予測し、予測にあわせて燃料電池の一日の発電時間を決定している。しかしながら、例えば、平日と休日の生活パターンが異なる場合のように、ユーザが常に同一の熱需要パターンで熱利用を行うとは限らない。そのため、ユーザが予測とは異なる需要パターンで熱を利用した場合には、燃料電池の熱量が不足あるいは余剰となってしまう可能性があった。
【0009】
この点、図7を用いて具体的に説明すると、燃料電池排熱は予測熱需要に基づいて、予測熱需要に過不足の生じないよう最適な運転を行っているが、実際の時刻19:00の熱需要が予測より多くなったため、22:00の熱需要時には「実際の熱需要累積>燃料電池排熱量累積」となり湯切れが発生する、というような可能性があった。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、その目的は、燃料電池排熱を最適な条件で利用し、高い総合効率で燃料電池を制御することが可能な燃料電池コージェネレーションシステム及びその制御方法並びに制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、燃料電池と、この燃料電池の排熱によって発生した温水を貯める貯湯槽と、を備えた燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、前記貯湯槽に供給する熱量を測定する手段と、前記貯湯槽から給湯する熱量を測定する手段と、前記貯湯槽に供給する熱量と貯湯槽から給湯する熱量とから現在の貯湯熱量を算出するとともにこれに基づいて将来の貯湯熱量を予測する手段と、過去のユーザの熱利用パターンから将来の熱需要量を予測する手段と、前記熱需要量と異なる熱利用をユーザが行った場合にこれを検出し、前記現在及び将来の貯湯熱量と前記将来の熱需要量とを比較して、将来の熱量の過不足を判定する手段と、将来の熱量に対する過不足が判定された場合に、ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内する手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
以上のような本発明によれば、ユーザが熱利用パターンを変えて熱利用予測から外れた熱需要を行っても、将来の熱量の過不足を判定する手段によってこれを検出し、将来の熱量に対する過不足がある場合には、ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内することができるので、燃料電池の熱量が不足あるいは余剰となってしまうことがない。したがって、燃料電池排熱を最適に利用し、高い総合効率で燃料電池を制御することが可能となるとともに、ユーザに対して適切な熱利用時刻を指示あるいは推奨を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の燃料電池コージェネレーションシステムを実施するための最良の実施形態(以下「本実施形態」と呼ぶ)について図を参照して説明する。なお、背景技術や課題で既に説明した内容と共通の前提事項は繰り返さない。
【0014】
[1.第1の実施形態]
[構成]
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池コージェネレーションシステムの構成について、図1〜3を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の燃料電池コージェネレーションシステムは、燃料電池1の排熱を用いて生成した温水を貯湯槽2に貯める構成を有する。また、排熱量計測装置3は、燃料電池1から貯湯槽2に供給する熱量を計測する手段であり、供給熱量計測装置4は、ユーザが利用した熱需要を計測する手段である。
【0016】
より具体的には、排熱量計測装置3は、貯湯槽2へ向かう温水の供給温度を測定する供給温度計31と、貯湯槽2から燃料電池1へ戻る温水の温度を測定する戻り温度計32と、燃料電池1からの排熱温水の流量を計測する排熱温水流量計33とから構成されている。そして、排熱量計測装置3における燃料電池1から貯湯槽2への供給排熱量は、この供給温度計31、戻り温度計32、排熱温水流量計33の計測値とから、以下の数1に基づいて算出される。なお、下記の数式において、「QFC 」は貯湯槽2への供給排熱量、「T1 」は貯湯槽2への供給温度、「T2 」は貯湯槽2からの戻り温度、「GFC 」は排熱温水流量をそれぞれ表す。
[数1]QFC =(T2 −T1 )×GFC
【0017】
また、供給熱量計測装置4は、貯湯槽2から供給される温水の温度を測定する温水温度計41と、市水の温度を測定する市水温度計42と、貯湯槽2から供給される温水の流量を測定する流量計43とからなる。そして、供給熱量計測装置4においてユーザへの供給熱量は、温水温度計41、市水温度計42及び流量計43それぞれの計測値とから、以下の数2に基づいて算出される。なお、下記の数式において、「Q」は熱量、「Tex 」は温水温度計41で計測した温度、「Tin 」は市水温度計42で計測した温度、「G」は流量計43で計測した流量をそれぞれ表す。
[数2]Q=(Tex −Tin )×G
【0018】
制御装置5は、排熱量計測装置3において計測される排熱量計測値と、供給熱量計測装置4において計測されるユーザの熱需要計測値とを記憶し、それをもとに将来のユーザの熱利用量の予測を行う手段であり、この予測に基づいて燃料電池排熱を有効に活用する最適な運転パターンを算出するものである。
【0019】
より具体的には、制御装置5は、上記供給排熱量QFCに基づいて積算した現在の貯湯熱量を計測するとともにこれに基づいて将来の貯湯熱量を予測し、さらにこれらを総和する演算部51と、ユーザの過去の熱利用パターンから将来の熱需要量を算出する熱需要量予測部52とを備える。また、ユーザが予測した熱需要量とは異なる熱利用を行ったことを検出し、現在の貯湯熱量と将来の予測貯湯熱量の総和と、将来の熱需要量との比較から将来熱需要不足が発生すると想定される場合にこれを判定する熱需要過不足判定部53を備え、過不足があると判定された場合に燃料電池1からの排熱量を増加又は減少を制御する排熱量制御部54を備える。
【0020】
また、将来の熱需要不足が予想されるような場合に、熱量不足解消のために熱利用パターンを計算する熱利用パターン算出部55と、熱利用パターンの変更を指示装置6を介してユーザに案内する案内部56を備える。
【0021】
この指示装置6は、ユーザに対して、熱利用時間の変更情報を知らせる手段であるが、その構成は、下記のように様々な態様によって構成可能である。例えば、指示装置6を音声発生装置によって構成し、音声で指示することが可能である。また、指示装置6をリモコンで構成し、ユーザへの熱利用時間の変更をリモコンに表示することにより、容易にユーザが熱利用時間変更を指示する情報を受け取るように構成することも可能である。
【0022】
また、指示装置6を携帯電話に対するメッセージ発報装置によって構成し、ユーザの携帯電話に対してメッセージを送信することにより指示する構成とすることも可能である。また、指示装置6を電子メール発報装置によって構成し、熱利用時間の変更を電子メールで指示するように構成することも可能である。この場合には、ユーザが燃料電池コージェネレーションシステム設置場所から遠隔地にいても熱利用時間変更を指示する情報を受けることが可能になる。
【0023】
[作用効果]
上記の構成からなる本実施形態の作用について、図2のフローチャートを用いて説明する。図2に示すように、制御装置5では、演算部51が、排熱量計測装置3によって検出される供給排熱量から積算した現在の貯湯量と将来の貯湯予測量との総和を演算する(S201)。次に、熱需要量予測部52が、ユーザの過去の熱需要パターンから、将来の熱需要量を予測する(S202)。
【0024】
そして、ユーザが熱需要予測量パターンとは異なる熱利用を行った場合には、熱需要過不足判定部53においてこれを検出し、現在の貯湯熱量と将来の予測貯湯熱量の総和と、将来の熱需要量との比較から、将来熱需要不足が発生するか否かを判定する(S203)。ここで、不足すると判定された場合には(YES)、排熱量制御部54が排熱量を増加させる(S204)。
【0025】
次に、熱需要過不足判定部53において、再度、燃料電池からの排熱量を増加させた場合の将来の熱需要量の過不足を判定し(S205)、増加させても将来の熱需要不足が予想される場合(YES)には、熱利用パターン算出部55において将来の熱量不足解消のために熱利用パターンを計算するとともに(S206)、案内部56においてユーザに対して指示装置6を介して熱利用時間を遅くするように案内する(S207)。
【0026】
一方、S203において、将来の熱需要予測において熱が不足しないと判定された場合には(NO)、排熱量制御部54が排熱量を低減させるとともに(S208)、案内部56が、ユーザに対して熱利用時間を早めることが可能であることを案内する(S209)。
【0027】
この処理について具体例を用いて示す。従来例の図6に示したように、19:00の熱需要が熱需要予測より大きいと、これが原因となって21:00の熱利用時には熱不足すなわち湯切れが発生する可能性が高い。そのため、図5に示すように、案内部56から21:00の熱利用を22:00に遅らせるような案内を行うことにより、ユーザの熱需要量そのものは低下させず熱不足を起こさない運転が可能になる。
【0028】
以上のように、ユーザが熱利用パターンを変えて熱利用予測から外れた熱需要を行っても、ユーザに対して熱利用の時間の変更を指示する。それに応じてユーザが熱需要パターンを変更することにより燃料電池排熱を最適に利用し、高い総合効率で燃料電池を制御することが可能となるとともに、ユーザに対して適切な熱利用時刻を指示あるいは推奨することができる。
【0029】
また、将来の熱量が不足すると判定された場合に、燃料電池の排熱量を増加させる処理を行うことによっても、燃料電池の熱量が不足することを防止することができる。。
【0030】
[2.第2の実施形態]
[構成]
本発明の第2の実施形態に係る燃料電池コージェネレーションシステムの構成について、図4を参照して説明する。第1の実施形態では、ユーザの熱需要パターンが変化し将来の熱需要不足あるいは熱余りが予想される状態で排熱量を増加又は低減させたが、本実施形態では、これを補助熱源機7を用い、さらに、熱不足又は熱余りの場合に、この補助熱源機7で供給する熱量分を費用算出し、熱利用に関する経済性をユーザに提供するものである。
【0031】
具体的には、図4に示すように、本実施形態の燃料電池コージェネレーションシステムには、補助熱源機7は、貯湯槽2の下流の給湯供給側に設けられており、必要に応じて温水を供給するように構成されている。また、制御装置5には、第1の実施形態における排熱量制御部54に代わって将来の熱量不足に必要な補助熱源機7における燃料を算出する補助熱源機制御部57が設けられている。また、第1の実施形態における熱利用パターン算出部55に代わって補助熱源機7の燃料費を使用状態に応じて算出する補助熱源機費用算出部58が設けられている。なお、その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0032】
[作用効果]
以上のような構成からなる本実施形態の作用について図5を参照して説明する。同図に示すように、制御装置5では、演算部51が、排熱量計測装置3によって検出される供給排熱量から積算した現在の貯湯量と将来の貯湯予測量との総和を演算する(S501)。次に、熱需要量予測部52が、ユーザの過去の熱需要パターンから、将来の熱需要量を予測する(S502)。そして、ユーザが熱需要予測量パターンとは異なる熱利用を行った場合には、熱需要過不足判定部53においてこれを検出し、現在の貯湯熱量と将来の予測貯湯熱量の総和と、将来の熱需要量との比較から、将来熱需要不足が発生するか否かを判定する(S503)。
【0033】
ここで、将来の熱需要が不足すると判定された場合には(YES)、補助熱源機制御部57は、将来の熱量不足に必要な補助熱源機における燃料を算出する(S504)。次に、補助熱源機費用算出部58が、算出された燃料に対する燃料費用を計算するとともに(S505)、熱利用時刻を変更した場合には、この費用が必要とならないことを熱不足解消メリットとして案内部56から指示装置6を介してユーザに連絡する(S506)。
【0034】
一方、S503において、将来の熱需要が不足しないと判定された場合には(NO)、余剰熱量に相当する補助熱源機7の燃料を算出する(S507)。次に、補助熱源機費用算出部58が、余剰熱量を発生するための燃料に相当する燃料費用を計算するとともに(S508)、この余剰分の費用を経済的なメリットとして案内部56から指示装置6を介してユーザに連絡する(S509)。
【0035】
以上のような本実施形態では、熱不足の場合に補助熱源機7を使用したときの燃料費用を算出し、これを熱利用時刻を変更した場合には当該費用が必要とならない旨の経済的メリットをユーザに連絡し、また、熱余りの場合にこの熱について補助熱源機7を使用したときの燃料費用を算出し、当該費用が掛からない旨を経済的メリットとしてユーザに連絡することによって、ユーザは経済的メリットを具体的な数値として認識することが可能である。したがって、ユーザに計画的で経済性の高い燃料電池コージェネレーションシステムの利用を促すことが可能となる。
【0036】
[3.他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施形態も含むものである。例えば、第1の実施形態では、ユーザの熱需要パターンが変化し将来の熱需要不足あるいは熱余りが予想される場合には、排熱量制御部54によって排熱量を増加又は低減させたが、本発明ではこのような処理を省略しても本発明の作用効果を奏することが可能である。
【0037】
すなわち、熱需要が不足する場合には、特に排熱量を増加させずに、その状態における将来の熱量不足解消のために熱利用パターンを計算し、これをユーザに案内することが可能であり、また、熱需要が余る場合には、排熱量を低減させることなくユーザに対して熱利用時間を遅くするように案内することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態の全体構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態の作用を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施形態の具体的処理を示すグラフ。
【図4】本発明の第2の実施形態の全体構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施形態の作用を示すフローチャート。
【図6】従来の燃料電池コージェネレーションシステムにおける制御を示すグラフ。
【図7】従来の燃料電池コージェネレーションシステムにおける課題を示すグラフ。
【記号の説明】
【0039】
1…燃料電池
2…貯湯槽
3…排熱量計測装置
4…供給熱量計測装置
5…制御装置
6…指示装置
7…補助熱源機
31…供給温度計
32…戻り温度計
33…排熱温水流量計
41…温水温度計
42…市水温度計
43…流量計
51…演算部
52…熱需要量予測部
53…熱需要過不足判定部
54…排熱量制御部
55…熱利用パターン算出部
56…案内部
57…補助熱源機制御部
58…補助熱源機費用算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、この燃料電池の排熱によって発生した温水を貯める貯湯槽と、を備えた燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、
前記貯湯槽に供給する熱量を測定する手段と、
前記貯湯槽から給湯する熱量を測定する手段と、
前記貯湯槽に供給する熱量と貯湯槽から給湯する熱量とから現在の貯湯熱量を算出するとともにこれに基づいて将来の貯湯熱量を予測する手段と、
過去のユーザの熱利用パターンから将来の熱需要量を予測する手段と、
前記熱需要量と異なる熱利用をユーザが行った場合にこれを検出し、前記現在及び将来の貯湯熱量と前記将来の熱需要量とを比較して、将来の熱量の過不足を判定する手段と、
将来の熱量に対する過不足が判定された場合に、ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内する手段とを備えたことを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項2】
将来の熱量の過不足を判定する手段において前記将来の熱量が不足すると判定された場合に、前記燃料電池の排熱量を増加させる手段を備えることを特徴とする請求項1記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項3】
前記貯湯槽からの給湯に熱量を補充する熱源補充手段と、
前記将来の熱量の過不足を、前記熱源補充手段において使用される燃料として換算し、この費用を算出する手段と、を備え、
前記ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内する手段は、前記燃料費用を熱利用パターンの変更する場合の経済的指標として用いることを特徴とする請求項1記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項4】
前記貯湯槽に供給する熱量を測定する手段は、燃料電池から貯湯槽に供給する温水の温度を計測する温度計と、貯湯槽から燃料電池への戻り温度を珪素する温度計と、貯湯槽に供給する温水流量とを備え、
前記貯湯槽から給湯する熱量を測定する手段は、貯湯槽から給湯する温水の温度を計測する温度計と、市水の温度計と、給湯する温水の流量計とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項5】
前記ユーザに熱利用パターンの変更を案内する手段は、ユーザに音声で案内することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項6】
前記ユーザに熱利用パターンの変更を案内する手段は、リモートコントロールユニットへの表示により案内することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項7】
ユーザに熱利用パターンの変更を案内する手段は、ユーザの携帯端末装置へのメッセージを送信することにより案内することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項8】
ユーザに熱利用パターンの変更を案内する手段は、ユーザに対して電子メールを送信することにより案内することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池コージェネレーションシステム。
【請求項9】
燃料電池と、この燃料電池の排熱によって発生した温水を貯める貯湯槽と、を備えた燃料電池コージェネレーションシステムにおける燃料電池コージェネレーションシステムの制御方法であって、
制御部により、
前記貯湯槽に供給する熱量を測定する処理と、
前記貯湯槽から給湯する熱量を測定する処理と、
前記貯湯槽に供給する熱量と貯湯槽から給湯する熱量とから現在の貯湯熱量を算出するとともにこれに基づいて将来の貯湯熱量を予測する処理と、
過去のユーザの熱利用パターンから将来の熱需要量を予測する処理と、
前記熱需要量と異なる熱利用をユーザが行った場合にこれを検出し、前記現在及び将来の貯湯熱量と前記将来の熱需要量とを比較して、将来の熱量の過不足を判定する処理と、
将来の熱量に対する過不足が判定された場合に、ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内する処理とを実行することを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項10】
将来の熱量の過不足を判定する処理において前記将来の熱量が不足すると判定された場合に、前記制御部は、前記燃料電池の排熱量を増加させる処理を実行することを特徴とする請求項9記載の燃料電池コージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項11】
前記制御部は、
前記貯湯槽からの給湯に熱量を補充する熱源補充手段を用いて行う熱量補充処理と、
前記将来の熱量の過不足を、前記熱源補充手段において使用される燃料として換算し、この費用を算出する処理と、を実行し、
前記ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内する処理は、前記燃料費用を熱利用パターンの変更する場合の経済的指標として用いることを特徴とする請求項9記載の燃料電池コージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項12】
燃料電池と、この燃料電池の排熱によって発生した温水を貯める貯湯槽と、を備えた燃料電池コージェネレーションシステムにおいて、コンピュータを用いて実行される燃料電池コージェネレーションシステムの制御プログラムであって、
このプログラムは、前記コンピュータに、
前記貯湯槽に供給する熱量を測定させ、
前記貯湯槽から給湯する熱量を測定させ、
前記貯湯槽に供給する熱量と貯湯槽から給湯する熱量とから現在の貯湯熱量を算出させるとともにこれに基づいて将来の貯湯熱量を予測させ、
過去のユーザの熱利用パターンから将来の熱需要量を予測させ、
前記熱需要量と異なる熱利用をユーザが行った場合にこれを検出させ、前記現在及び将来の貯湯熱量と前記将来の熱需要量とを比較して、将来の熱量の過不足を判定させ、
将来の熱量に対する過不足が判定された場合に、ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内させることを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステムの制御プログラム。
【請求項13】
将来の熱量の過不足を判定させる処理において前記将来の熱量が不足すると判定された場合に、前記コンピュータに、前記燃料電池の排熱量を増加させる処理を実行させることを特徴とする請求項12記載の燃料電池コージェネレーションシステムの制御プログラム。
【請求項14】
前記貯湯槽からの給湯に熱量を補充する熱源補充手段を用いて熱量を補充させ、
前記将来の熱量の過不足を、前記熱源補充手段において使用される燃料として換算させ、この費用を算出させ、
前記ユーザに対して熱利用パターンの変更を案内する処理に、前記燃料費用を熱利用パターンの変更する場合の経済的指標として案内させることを特徴とする請求項9記載の燃料電池コージェネレーションシステムの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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