説明

燃料電池システム

【課題】 燃料電池システムの起動時にスタック内のセル全体を効率よく置換できるようにする。
【解決手段】 単電池を複数積層してなる、直列に接続された2つのスタックを備える燃料電池システムにおいて、各スタックは、単電池の各ガス流路の入口及び出口にそれぞれ接続する供給用マニホールドと排出用マニホールドとを有する。排出用マニホールドの等電位面側出口には第1排出配管が接続され、この配管を開閉する排出部開閉手段が設けられている。また、スタックを貫通する滞留ガス排出用貫通孔が設けられ、対向面側において排出用マニホールドと滞留ガス排出用貫通孔とは、連結管で接続され、連結管を開閉する連結管開閉手段が設けられている。また、等電位面側において滞留ガス排出用貫通孔に接続する第2排出配管が設けられている。各スタックに接続する第1排出配管、第2配管は、それぞれスタック外において互いに合流する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料電池システムに関する。更に具体的には、単電池を積層してなる、直列に接続した2つのスタック備える燃料電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2001−76751号公報には、2つの燃料電池のスタックを平行に配置して、直列に接続した燃料電池が開示されている。この燃料電池においては、単電池であるセルの積層方向両端面のうち一方の面に、各スタックの燃料ガスの供給口と排出口、および酸素ガスの供給口と排出口が配置されている。また、スタック間で、燃料ガスの供給口同士、排出口同士、酸素ガスの供給口同士、排出口同士は、それぞれガス管で接続されている。
【0003】
上記従来技術の燃料電池によれば、このような構成とすることで、ガス管をスタックの一面に集中させて配置させることができる。したがって、ガス管の接続構造を簡素化すると共に、燃料電池の高さ方向を有効に短尺化することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−76751号公報
【特許文献2】特開2002−367664号公報
【特許文献3】特開平5−41240号公報
【特許文献4】特開2002−313390号公報
【特許文献5】特開2004−193107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記燃料電池の発電が停止して放置状態になると、アノード側に供給された燃料ガスがバルブ等からの漏れによってシステム外に徐々に放出される場合がある。また、放置状態中にも、燃料ガスと酸素との反応が徐々に進み、アノード側の燃料ガスが失われる場合がある。したがって放置後に燃料電池を起動するとき、アノード側の燃料ガスは失われて、アノード側に酸素や窒素が充満している場合がある。また、放置状態で不要な反応が起きることを防止するため、発電の停止中に燃料ガス流路内を窒素等の不活性ガスで置換する場合もある。このため、燃料電池の起動時には、まず、アノード側に充満した酸素や窒素を、燃料ガスにより置換する必要がある。
【0006】
しかし、上記燃料電池において、燃料ガスの供給口と排出口とは同じ一面に設けられている。このため、置換用に供給した燃料ガスは、燃料ガスの供給口および排出口に近いセルにより多く供給される。したがって、供給口に対して奥側に位置するセルにまで、燃料ガスが十分に行き渡らない場合がある。特に、水素の密度は、窒素に比べて小さい。このため、燃料ガスとして水素を用いる場合、供給口に対して奥側のセル中に滞留する窒素ガス等の密度の重いガス追い出して、水素に置換するためには多大な時間を要する。
【0007】
これに対して迅速に滞留ガスを燃料ガスに置換するため、供給口とは反対側の面に滞留ガス用の排出口を別途設けて、奥側のセルにまで燃料ガスが迅速に行き渡るようにすることも考えられる。しかし、上記従来技術の構造では、スタックを直列に接続している。このため、供給口とは反対側の面の電位は、スタック間で大きく異なることになる。このような電位差の大きい面に滞留ガス排出の配管を設けることは、滞留ガス排出用の配管間に電位差を生じさせることとなる。燃料ガスとしては水素等の可燃ガスを用いることが考えられるため、滞留ガス排出用配管に電位差が生じるのは好ましいものではない。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池の配管構造の複雑化を抑えつつ、起動時にスタック内のセル全体を効率よく置換できるように改良した燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、単電池を複数積層してなる、直列に接続された2つのスタックを備える燃料電池システムであって、
前記各スタックは、
前記単電池の積層方向の両端面のうち、前記スタック間で互いに等電位となる等電位面から、前記等電位面とは反対側の端面である対向面まで、前記スタックを貫通し、かつ、前記単電池の各ガス流路に接続する供給用マニホールドと、
前記等電位面から前記対向面まで前記スタックを貫通し、かつ、前記各ガス流路に接続する排出用マニホールドと、
前記排出用マニホールドの前記等電位面側の出口に接続し、前記排出用マニホールドから排出されるガスを、前記スタック外に排出する第1排出配管と、
前記第1排出配管を開閉する排出部開閉手段と、
前記等電位面から前記対向面まで前記スタックを貫通する滞留ガス排出用貫通孔と、
前記対向面側において、前記排出用マニホールドと前記滞留ガス排出用貫通孔とを連結する連結管と、
前記連結管を開閉する連結管開閉手段と、
前記滞留ガス排出用貫通孔の前記等電位面側の出口に接続し、前記滞留ガス排出用貫通孔から排出されるガスを、前記スタック外に排出する第2排出配管と、
を備え、
前記各スタックの前記第1排出配管は、前記スタック外において互いに合流し、
前記各スタックの前記第2排出配管は、前記スタック外において互いに合流することを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記供給用マニホールドの前記等電位面側の入口から、ガスを供給する供給手段と、
前記燃料電池システムの起動時に、前記排出部開閉手段を閉じて、前記連結管開閉手段を開いた、第1開閉状態とし、前記燃料電池システムの発電時に、前記排出部開閉手段を開いて、前記連結管開閉手段を閉じた、第2開閉状態とするように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記ガス流路の滞留ガスを、前記供給手段からの供給ガスに置換したことを検知する置換完了検知手段を備え、
前記制御手段は、前記ガス置換完了が検知された場合に、前記第2開閉状態とすることを特徴とする。
【0012】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記置換完了検知手段は、
前記ガス流路を前記供給ガスに置換するための供給ガスの供給時間を検出する供給時間検出手段と、
前記供給時間が、前記ガス流路内を置換するのに十分な置換所要時間以上であるか否かを比較する比較手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記供給時間が、前記置換所要時間以上である場合に、前記第2開閉状態とすることを特徴とする。
【0013】
また、第5の発明は、第3の発明において、前記置換完了検知手段は、
前記連結管に設けられたガス濃度センサと、
前記ガス濃度センサの出力と、前記ガス流路内が前記供給ガスに置換された場合に出力される判断値とを比較する比較手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記比較の結果から、前記ガス流路内が前記供給ガスに置換されたと判断された場合に、前記第2開閉状態とすることを特徴とする。
【0014】
また、第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明において、前記第2排出配管は、前記排出部開閉手段よりも前記ガスの流れに対して下流側において、前記第1排出配管と接続することを特徴とする。
【0015】
また、第7の発明は、第6の発明において、前記第2排出配管の、前記第1排出配管と前記第2排出配管との接続部よりも前記ガスの流れに対して上流側に、前記第2排出配管を開閉する滞留ガス用開閉手段を備えることを特徴とする。
【0016】
また、第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明において、前記連結管は、前記スタック外部に設けられ、
前記対向面において、前記滞留ガス排出用貫通孔と前記排出用マニホールドとに接続することを特徴とする。
【0017】
また、第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明において、前記供給用マニホールド及び排出用マニホールドは、前記燃料電池のアノード側のマニホールドであることを特徴とする。
【0018】
また、第10の発明は、第9の発明において、前記供給用マニホールドの前記等電位面側の入口から、酸化剤ガス又は空気を供給する酸化剤供給手段を備え、
前記燃料電池システムの停止中に、前記ガス流路を、前記酸化剤ガス又は前記空気で置換することを特徴とする。
【0019】
また、第11の発明は、第1から第9のいずれかの発明において、前記燃料電池システムは、前記供給用マニホールドの前記等電位面側の入口から不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を備え、
前記燃料電池システムの停止中に、前記ガス流路を、前記不活性ガスで置換することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明によれば、排出用マニホールドは、等電位面においては第1排出配管に接続し、対向面側においては、滞留ガス排出用貫通孔に接続する。また、滞留ガス排出用貫通孔は、対向面から等電位面まで貫通して等電位面において、第2排出配管に接続する。したがって、排出用マニホールドに、等電位面側の出口と対向面側の出口とを設けることができ、状況に応じて出口を選択してガスを排出することができる。また、対向面側の出口を選択したとき、排出用マニホールドから排出されたガスの最終的な出口は、滞留ガス排出用貫通孔が接続される第2排出配管であり、この配管は、等電位面に配置されている。したがって、排出用マニホールドの対向面側からのガスの排出を可能にしつつ、滞留ガス排出用の第2排出配管についても、配管に電位差が生じるのを防ぐことができる。
【0021】
また、第2の発明によれば、燃料電池システムの起動時には、排出部開閉手段を閉じて、排出用マニホールドの対向面側の出口から、滞留ガスを排出することができる。したがって、起動時に、供給ガスにより各ガス流路を効率よく置換することができる。一方、発電時には、連結管開閉手段を閉じて、排出用マニホールドの等電位面側の出口からガスを排出することができ、燃料電池システムの発電力を高く確保することができる。
【0022】
また、第3〜第5の発明によれば、ガス流路の置換が完了したことを検知した場合に、対向面側の連結管開閉手段を閉じて、排出用マニホールドの等電位面からの出口からガスを排出されるようにする。したがって、ガス置換を確実に完了することができ、供給ガスの余分な消費を抑えることができる。
【0023】
また、第6の発明によれば、第2排出配管は、排出部開閉手段よりもガスの流れに対して下流側において、第1排出配管と接続する。したがって、配管構造を簡略にすることができる。
【0024】
また、第7の発明によれば、第2排出配管を開閉する滞留ガス用開閉手段を備える。したがって、必要な場合にのみ滞留ガス用開閉手段を開くことができ、不必要なガスの放出を抑えることができる。
【0025】
また、第8の発明によれば、各連結管は、スタック外の対向面において、滞留ガス排出用貫通孔と排出用マニホールドとに接続する。これにより、連結管をスタック外に配置した場合にも、連結管に電位差が生じることを防ぐことができる。
【0026】
また、第9の発明によれば、燃料電池システムの起動時に、燃料ガス流路を効率よく置換することができる。
【0027】
また、第10の発明によれば、燃料電池システムの停止中に、燃料ガス流路を効率よく酸化剤ガスまたは空気により置換することができる。これにより、燃料電池システムの停止中に燃料電池システム内で不要な反応が起きるのを抑えることができる。また、このように酸化剤ガスまたは空気により置換した場合にも、起動時には効率よくガス流路を置換することができる。
【0028】
また、第11の発明によれば、燃料電池システムの停止中に、ガス流路を、不活性ガスで置換する。これにより、停止中に燃料電池システム内で不要な反応が起きるのを抑えることができる。また、このように不活性ガスで置換した場合にも、起動時には効率よくガス流路を置換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
【0030】
実施の形態1.
[実施の形態1の燃料電池システムの構成について]
図1はこの発明の実施の形態1の燃料電池システムを説明するため概念図である。
図1に示すように、実施の形態1の燃料電池システムは、2つのスタック2a、2bを備える。スタック2a、2bは、直列に接続されて、平行に配置されている。尚、図1は、各スタック2a、2bの断面を表すが、点線は、燃料ガスの供給及び排出の通路をイメージ化して表している。
【0031】
各スタック2a、2b内には、複数のセル4が積層されている。各セル4内には、カソード、アノード、および両電極に挟まれた固体高分子膜が配置されている。また、アノード側には燃料ガス流路が設けられ、燃料ガスとして例えば水素が供給される。また、カソード側には酸素ガス流路が設けられ、大気が供給される。
【0032】
各スタック2a、2bにおいて、セル4の積層方向の一端面には第1エンドプレート6が設けられ、反対側の端面には、第2エンドプレート8が設けられている。スタック2aとスタック2bとは、第2エンドプレート8側において、電気的に直列接続されている。したがって、各スタック2a、2bの第2エンドプレート8側は、等電位面となっている。一方、第1エンドプレート6側の電位は、スタック2a、2b間で異なっている。また、各スタック2a、2bの第1エンドプレート6には、それぞれ、端子10a、10bが設けられている。端子10aは、この燃料電池システムにおいてプラス側の端子であり、端子10bは、マイナス側の端子である。
【0033】
スタック2a、2bの第2エンドプレート8の外側には、燃料ガス供給用の供給配管12が配置されている。供給配管12は、燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段(図示せず)に接続される。供給配管12は、2つの供給配管14に分岐する。各供給配管14はその途中に、第1バルブ16を備える。また、各供給配管14は、各スタック2a、2bの第2エンドプレート8において、供給用マニホールド18に接続されている。供給用マニホールド18は、セル4の積層方向にセル4を貫通して形成され、各セル4内の燃料ガス流路の一端に接続されている。
【0034】
排出用マニホールド20は、セル4の積層方向に、セル4を貫通して形成され、各セルの燃料ガス流路の他端に接続されている。また、各排出用マニホールド20は、第2エンドプレート8において、排出配管22に接続されている。各排出配管22はその途中に、第2バルブ24を有する。また、スタック2a、2bにそれぞれ接続する2本の排出配管22は、共に、一本の排出配管26に接続して合流している。
【0035】
各スタック2a、2b内には、排出用マニホールド20に平行して、滞留ガス排出用貫通孔28が配置されている。滞留ガス排出用貫通孔28は、第1エンドプレート6と第2エンドプレート8との間において、セル4の積層方向にセル4を貫通して形成されている。
【0036】
滞留ガス排出用貫通孔28と、前述の供給用マニホールド18と排出用マニホールド20との関係を、図2を用いて説明する。図2は、燃料電池システムのセル4の正面図である。
図2において、セル4の左上には、アノード入口30が設けられている。また、アノード入口30の対角方向に、アノード出口32が配置されている。アノード入口30とアノード出口32とは、セル4内の燃料ガス流路により接続されている。セル4が複数積層されて、アノード入口30が連結されることにより、供給用マニホールド18が構成される。また、アノード出口32が連結されることにより、排出用マニホールド20が構成される。
【0037】
アノード出口32の下部には、滞留ガス排出口34が設けられている。セル4が複数積層されて滞留ガス排出口34が連結されることにより、滞留ガス排出用貫通孔28が構成される。
【0038】
セル4右上には、カソード入口36が設けられている。また、カソード入口36の対角方向に、カソード出口38が配置されている。カソード入口36とカソード出口38とは、セル4内の酸素ガス流路により接続されている。セル4が複数積層されることにより、カソード入口36、カソード出口38がそれぞれ連結され、酸素ガス用の供給用マニホールドと排出用マニホールドとが同様に構成される。セル4には、冷却媒体入口40および冷却媒体出口42が設けられている。セル4が複数積層させることにより、冷却媒体入口40と冷却媒体出口42とは、それぞれ連結されて、冷却媒体の供給用マニホールドと排出用マニホールドとが同様に構成される。これらの酸素ガス用の供給用及び排出用マニホールド、冷却媒体用の供給用及び排出用マニホールドは、簡略化のため、図1においては省略されている。
【0039】
再び、図1を参照して、滞留ガス排出用貫通孔28の一端は、第1エンドプレート6側において、排出用マニホールド20に連結管44により接続されている。連結管44は、スタック2a、2b外に配置されている。連結管44はその途中に、第3バルブ46を有する。第3バルブ46は、連結管44を開閉することができる。
【0040】
一方、滞留ガス排出用貫通孔28の他端は、第2エンドプレート8側において、排出配管48に接続されている。排出配管48はその途中に、第4バルブ50を有する。排出配管48は、排出配管22の第2バルブ24よりも、ガスの流れに対して下流側において排出配管22に接続して合流し、最終的に、排出配管26に合流する。
【0041】
上述したように、スタック2a、2bは直列に接続されているため、第2エンドプレート8側において、スタック2aとスタック2bとの電位差はゼロとなっている。また、各スタック2a、2bに接続する供給配管14、排出配管22、48は、電位差ゼロの第2エンドプレート8側に配置されている。したがって、これらの供給配管あるいは排出配管が、それぞれ、供給配管12、排出配管26に最終的に合流しても、ショート等の問題が起きないように構成されている。
【0042】
一方、第1エンドプレート6には、スタック2a、2b間で大きな電位差がある。この第1エンドプレート6側に、連結管44が設けられている。しかし、連結管44は、それぞれ同一の第1エンドプレート6上に配置されたものであり、ショート等の問題が起きないように構成されている。
【0043】
燃料電池システムは制御装置52を有する。制御装置52は、供給配管12への燃料ガスの供給および第1〜第4バルブ16、24、46、50の開閉を制御する。また、制御装置52は、燃料ガスの供給時間を検出することができる。
【0044】
[実施の形態1の燃料電池システムの発電時の動作について]
図3は、実施の形態1の燃料電池システムにおける通常発電中の燃料ガスの流れについて説明するための模式図である。
図3に示すように、燃料電池システムの通常発電中は、第1バルブ16および第2バルブ24のみが開放され、第3バルブ46および第4バルブ50は閉じられる。燃料電池システムの制御装置52は、この発電時の第1〜第4バルブの状態、即ち、第1バルブ16、第2バルブ24を開放、第3バルブ46、第4バルブ50を閉鎖する状態を、発電時の開閉条件として記憶し、発電中は、発電時の開閉条件に各バルブを制御する。
【0045】
燃料電池システムの発電時には、上記発電時の開閉条件下で、供給配管12から、供給配管14を介して供給用マニホールド18に燃料ガスとして水素が供給される。供給用マニホールド18に供給された水素は、各セル4のアノード側の燃料ガス流路に供給される。一方、同様にして、酸素供給用マニホールドから大気が供給され、各セル4のカソード側の酸素ガス流路に供給される。
【0046】
アノードに水素が供給されると、アノードの触媒によって電子が分離して、供給された水素は水素イオンとなる。水素イオンは、固体高分子膜を通り、カソード側に移動する。カソード側に移動した水素イオンは、カソード側に供給された酸素と反応して水蒸気となる。ここで水素イオンから分離した電子は、別経路でカソードに向かう。これによって、カソードから、アノードに電流が流れ、電力が発生する。このように各セル4中で発生した電力は、端子10a及び10bから回収される。
【0047】
アノード側の排ガスは、燃料ガス流路から、排出用マニホールド20に排出される。ここで、第3バルブ46は閉じられた状態であり、即ち、排出用マニホールド20の第1プレート6側は閉じられた状態となっている。したがって、排出用マニホールド20から排出されたガスは、第1エンドプレート6側の排出配管22を介して排出配管26により排出される。
【0048】
[実施の形態1の燃料電池システムの起動時の動作について]
燃料電池システムの発電停止後放置状態が長くなった場合、アノード側に供給された燃料ガスが徐々に放出されることが考えられる。また、放置状態においても、燃料ガスと酸素との反応が徐々に進み、アノード側の燃料ガスが失われる場合がある。したがって放置後に燃料電池を起動する場合、アノード側の燃料ガスは失われて、アノード側に酸素や窒素等の滞留ガスが充満している場合がある。したがって、放置後燃料電池システムを起動する時には、セル4の燃料ガス流路を燃料ガスで置換する必要がある。
【0049】
図4は、実施の形態1の燃料電池システムの燃料ガス流路置換中のガスの流れについて説明するための模式図である。
図4に示すように、燃料ガス流路の置換の際には、第2バルブ24を閉鎖して、第1バルブ16、第3バルブ46、第4バルブ50を開放した状態にする。制御装置52は、このような置換時の第1〜第4バルブの状態、即ち、第1バルブ16、第3バルブ46、第4バルブ50を開放し、第2バルブ24を閉鎖した状態を、置換時の開閉条件として記憶する。また、制御装置52は、各セル4の燃料ガス流路が燃料ガスに置換される時間を、置換所要時間として記憶する。
【0050】
燃料ガス流路の置換の際には、上記置換時の開閉条件下で、供給配管12から燃料ガスを供給する。供給された燃料ガスは、供給配管14を介して供給用マニホールド18から、各セル4の燃料ガス流路内に流入する。流入したガスは、燃料ガス流路内の窒素や酸素等の滞留ガスを排出用マニホールド20に排出する。
【0051】
ここで、排出用マニホールド20の排出配管22は、第2バルブ24によって閉じられている。したがって、排出用マニホールド20に排出された滞留ガスは、連結管44に押し出されて連結管44から、滞留ガス排出用貫通孔28に流入する。滞留ガス排出用貫通孔28に流入した滞留ガスは、排出配管48、26に流入して排出される。
【0052】
このように、燃料ガス流路の置換時には、燃料ガスは、供給用マニホールド18の第2エンドプレート8側の入口から、各セル4の流路に供給される。そして、セル4の燃料ガス流路を通過した後は、排出用マニホールド20の第1エンドプレート6側の出口、即ち、供給用マニホールド18の入口とは反対側に向かって一旦排出される。したがって、供給用マニホールド18の入口に対して、奥のほうにあるセル4にまで効率よく燃料ガスを行き渡らせることができる。
【0053】
[燃料電池システムの制御について]
図5は、実施の形態1の燃料電池システムにおいて制御装置52が実行する制御のルーチンについて説明するための模式図である。上記の各動作は、このルーチンを実行することによって実行される。
図5に示すように、ステップS102において、まず、燃料電池が起動されたか否かを検出する。起動されていない場合には、一旦このルーチンを終了する。
【0054】
ステップS102において、燃料電池システムの起動が検出された場合、第1〜第4バルブを、置換時の開閉条件となるように設定する(ステップS104)。即ち、制御装置52は、予め記憶された置換時の開閉条件に第1〜第4バルブを制御する。これにより、第2バルブ24は閉鎖され、第1、第3、第4バルブ16、46、50は開放された状態となる。
【0055】
次に、燃料ガスの供給を行う(ステップS106)。供給された燃料ガスにより、燃料ガス流路に溜まった滞留ガスは押し出されて、燃料ガスの流れと共に、排出用マニホールド20に流れ出る。流出した滞留ガスは、連結管44、滞留ガス排出用貫通孔28、排出配管48を通り、排出配管26から排出される。
【0056】
次に、燃料ガスの供給開始後、置換所要時間が検出したか否かを判断する(ステップS108)。制御装置52は、燃料ガスの供給開始からの経過時間が、予め記憶した置換所要時間以上であるか否かを判断する。これにより、各セル4の燃料ガス流路の置換が完了したか否かが判断される。ステップS108において、置換所要時間が経過していないものと判断された場合には、燃料ガスの置換を継続する(ステップS106)。
【0057】
一方、ステップS108において、置換所要時間が経過したと判断された場合、第1〜第4バルブを、発電時の開閉条件に設定する(ステップS110)。即ち、制御装置52は、予め記憶された発電時の開閉条件に第1〜第4バルブを制御する。これにより、第1バルブ16は、開放したまま、第2バルブ24は開放され、第3、第4バルブ46、50は閉鎖される。
【0058】
次に、燃料電池システムの発電が開始される(ステップS112)。このとき、燃料ガスは、供給用マニホールド18から、各セル4の燃料ガス流路に供給され、排出用マニホールド20から、排出配管22を介して排出される。また、燃料ガスの供給により、アノード側とカソード側で、水素イオンと酸素との反応が起きると共に、電子が分離して電力が発生する。この電力は電力取り出し端子10a、10bから回収される。
【0059】
以上のように、実施の形態1の燃料電池システムにおいては、起動前の置換の際には、第2エンドプレート8側から燃料ガスを供給し、第1エンドプレート6側に排出するように燃料ガスの通路を設定することができる。したがって、燃料ガス流路に溜まった不要な滞留ガスを、効率よく排出することができる。一方、発電時には、燃料ガスが第2エンドプレート8側から供給および排出されるように、燃料ガスの通路を変更することができる。したがって、発電時においては、効率よく燃料ガスを供給して燃料電池システムの発電効率を高く維持することができる。
【0060】
なお、実施の形態1においては、排出配管22と排出配管48とが、第2バルブ24の下流で接続して、排出配管26に合流する構造について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、各スタック2a、2bの排出配管48を、排出配管22とは独立して、他の排出配管を設けて集合させたものであってもよい。
【0061】
また、実施の形態1においては、排出用マニホールド20と滞留ガス排出用貫通孔28とが、スタック2a、2bの外部に設けられた連結管44により接続されている場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、排出用マニホールド20と滞留ガス排出用貫通孔28が、スタック2a、2bの内部において、例えば、第1エンドプレート6内で接続しているものであってもよい。但し、この場合にも、排出用マニホールド20と滞留ガス排出用貫通孔28との間を開閉する第3のバルブ46に相当する手段は必要である。
【0062】
実施の形態2.
[実施の形態2の燃料電池システムについて]
図6は、この発明の実施の形態2の水素濃度センサを表す模式図である。
実施の形態2における燃料電池システムは、図6に示す水素濃度センサが設けられている点を除き、図1に示す燃料電池システムと同様のものである。
【0063】
図6に示す水素濃度センサは、連結管44に設置されている。水素濃度センサは、絶縁体62で絶縁された容器60内を備える。容器60は、連結管44の一部に設けられた穴部に、絶縁体62により絶縁されて、配置されている。また容器60の、連結管44との接続面は、電解質膜64により閉じられている。容器60と電解質膜64とにより形成される空間内には、純水素66が充填されている。容器60内には、第1触媒68が配置されている。第1触媒68は一面において純水素66に接し、この面とは反対側の面において、電解質膜64に接している。また電解質膜64の連結管44側には、第2触媒70が設けられている。第2触媒70は、連結管44内に露出し、連結管44内を流れるガスに晒されている。また、第1触媒68と第2触媒70とには、電圧計72が接続され、第1触媒68と第2触媒70との間の電圧を測定することができる。また、電圧計72には制御装置52が接続されている。
【0064】
この水素濃度センサは、容器60内の純水素66と、連結管44を流れるガス中の水素との濃度差に応じて、第1、第2触媒68、70間に発生する起電力を、電圧計72により測定する。制御装置52は、測定された電圧に応じて、連結管44内のガスの水素濃度を出力することができる。
【0065】
連結管44に排出される滞留ガス中の水素濃度は、セル4の燃料ガス流路の水素による置換が進むに連れて、高くなる。制御装置52は、燃料ガス流路の置換が完了した場合に出力される水素濃度を、置換完了水素濃度として記憶する。
【0066】
[実施の形態2の制御について]
図7は、実施の形態2の燃料電池システムにおいて制御装置52が実行する制御のルーチンを説明するためのフロー図である。
図7に示すルーチンは、図5に示すルーチンのステップS108に代えて、ステップS202を行う点を除き、図5に示すルーチンと同様である。
【0067】
具体的に、ステップS106において燃料ガスの供給開始した後、ステップS202において、連結管44を流れるガスの水素濃度が、置換完了水素濃度より大きいか否かを判断する。即ち、水素ガスによる燃料ガス流路の置換が完了したか否が、水素濃度を基準として判断される。
【0068】
水素濃度が置換完了水素濃度より大きいと判断された場合には、実施の形態1において説明したように、ステップS110の実行に移る。一方、水素濃度が置換完了水素濃度よりも小さいと判断された場合には、引き続き燃料ガスの供給を行う(ステップS106)。
【0069】
以上のように、実施の形態2においては、実施の形態1に加えて、連結管44の水素濃度を測定することにより、燃料ガスの置換完了を判断することができる。したがって、一定時間の置換を行う実施の形態1のような場合に比べて、確実に置換を行うことができると共に、燃料ガスの無駄な消費を抑えることができる。
【0070】
[実施の形態2の他の例]
図8は、実施の形態2における燃料電池システムの他の例を表す。
図8は、水素濃度センサに代えて、連結管44にNセンサ74を用いた点を除き、実施の形態2に説明したものと同様である。
【0071】
燃料電池システムの起動時、燃料ガス流路にはNが滞留している。したがって、燃料ガス流路の置換が未完了の状態においては、排出されるガスには、Nが混入され、置換が終了すると、排出ガスにはNがほとんど混入されなくなる。したがって、Nセンサ74を用いても、置換の終了を検出することができる。この場合、制御装置52は、置換終了となるN濃度を、置換完了N濃度として記憶し、ステップS202において、N濃度が置換完了N濃度にまで低下しているか否かを判断する。このように、連結管44中に、Nセンサ74を設けて、N濃度を測定することによっても、置換の完了を検出することができる。
【0072】
また、図8においては、水素濃度センサに代えて、Nセンサ74を用いる場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、上記したような濃淡電池法の水素濃度センサに代えて、触媒型の水素濃度センサを用いてもよい。また、同様に、この発明は、例えば、Nセンサに代えて、COセンサを用いることもできる。ガス流路の置換中、滞留ガスにはCOが混入するが、置換が終了すると、COは、ほとんど混入されなくなる。したがって、COセンサを用いても、置換の終了を検出することができる。
【0073】
また、例えば、この発明は、セルモニターを用いて、セル電圧が立ち上がったか否かでガスの置換完了を判断するものであってもよい。但し、セルモニター近くでガスの置換されると、検出される電位があがってしまう場合がある。その結果、セル全体の置換が終わっていないにも関わらず、誤判定がなされる場合がある。したがって、置換判定の確実さ、容易さを考慮すると、上記のように、ガス濃度センサを用いる方法は有効である。
【0074】
また、この発明は、実施の形態1、2の燃料電池システムの制御に加えて、供給配管12に接続する不活性ガス供給手段を設けて、燃料電池システムの停止中に、供給配管12から窒素等の不活性ガスを供給し、燃料ガス流路を不活性ガスにより置換する制御を行うものであってもよい。これにより、停止中に燃料ガス流路内で、不要な反応が起きるのを抑えることができる。また、このとき、各バルブを上記置換時の開閉条件に制御して、不活性ガスを供給してもよい。これにより、第1エンドプレート6側付近のセル4の燃料ガス流路まで、効率よく置換することができる。また、このように、停止中に燃料ガス流路内に不活性ガスを充填しても、この発明の燃料電池システムによれば、起動時には、燃料ガスにより効率よく置換することができる。
【0075】
また、不活性ガスに代えて、供給配管12に、空気または酸化剤ガスを供給する酸化剤供給手段を設けて、同様の方法で、燃料電池システムの停止中に、空気または酸化剤ガスを供給して、燃料ガス流路を置換するものであってもよい。このように、空気または酸化剤ガスを用いても、停止中における燃料ガス流路内での不要な反応を抑えることができる。
【0076】
以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
【0077】
なお、例えば、実施の形態1、2において、第1エンドプレート6、第2エンドプレート8は、それぞれ、この発明の「対向面」、「等電位面」に該当し、排出配管22、排出配管48は、それぞれ、「第1排出配管」、「第2排出配管」に該当し、第2バルブ24、第3バルブ46、第4バルブ50は、それぞれ、「排出部開閉手段」、「連結管開閉手段」、「滞留ガス用開閉手段」に該当する。また、例えば、実施の形態1において、制御装置52により、供給時間を検出することにより、この発明の「供給時間検出手段」が実現される。また例えば、実施の形態2の窒素濃度センサ、Nセンサ74、COセンサは、この発明の「ガス濃度センサ」に該当する。
【0078】
また、例えば、実施の形態1、2において、ステップS104、S110を実行することにより、この発明の「制御手段」が実現され、ステップS108あるいはステップS202を実行することにより、この発明の「置換完了検知手段」及び「比較手段」が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明の実施の形態1における燃料電池システムについて説明するための模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1における燃料電池システムのセルについて説明するための正面図である。
【図3】この発明の実施の形態1における燃料電池システムの発電時の状態について説明するための模式図である。
【図4】この発明の実施の形態1における燃料電池システムの置換時の状態について説明するための模式図である。
【図5】この発明の実施の形態1における燃料電池システムが実行する制御のルーチンについて説明するためのフロー図である。
【図6】この発明の実施の形態2における燃料電池システムについて説明するための模式図である。
【図7】この発明の実施の形態2における燃料電池システムが実行する制御のルーチンについて説明するためのフロー図である。
【図8】この発明の実施の形態2における燃料電池システムの他の例について説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0080】
2a、2b スタック
4 セル
6 第1エンドプレート
8 第2エンドプレート
10a、10b 端子
12、14 供給配管
16 第1バルブ
18 供給用マニホールド
20 排出用マニホールド
22 排出配管
24 第2バルブ
26 排出配管
28 滞留ガス排出用貫通孔
30 アノード入口
32 アノード出口
34 滞留ガス排出孔
36 カソード入口
38 カソード出口
40 冷却媒体入口
42 冷却媒体出口
44 連結管
46 第3バルブ
48 排出配管
50 第4バルブ
52 制御装置
60 容器
62 絶縁体
64 電解質膜
66 純水素
68 第1触媒
70 第2触媒
72 電圧計
74 Nセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単電池を複数積層してなる、直列に接続された2つのスタックを備える燃料電池システムにおいて、
前記各スタックは、
前記単電池の積層方向の両端面のうち、前記スタック間で互いに等電位となる等電位面から、前記等電位面とは反対側の端面である対向面まで、前記スタックを貫通し、かつ、前記単電池の各ガス流路に接続する供給用マニホールドと、
前記等電位面から前記対向面まで前記スタックを貫通し、かつ、前記各ガス流路に接続する排出用マニホールドと、
前記排出用マニホールドの前記等電位面側の出口に接続し、前記排出用マニホールドから排出されるガスを、前記スタック外に排出する第1排出配管と、
前記第1排出配管を開閉する排出部開閉手段と、
前記等電位面から前記対向面まで前記スタックを貫通する滞留ガス排出用貫通孔と、
前記対向面側において、前記排出用マニホールドと前記滞留ガス排出用貫通孔とを連結する連結管と、
前記連結管を開閉する連結管開閉手段と、
前記等電位面側において、前記滞留ガス排出用貫通孔と接続し、前記滞留ガス排出用貫通孔から排出されるガスを、前記スタック外に排出する第2排出配管と、
を備え、
前記各スタックの前記第1排出配管は、前記スタック外において互いに合流し、
前記各スタックの前記第2排出配管は、前記スタック外において互いに合流することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記供給用マニホールドの前記等電位面側の入口から、ガスを供給する供給手段と、
前記燃料電池システムの起動時に、前記排出部開閉手段を閉じて、前記連結管開閉手段を開いた、第1開閉状態とし、前記燃料電池システムの発電時に、前記排出部開閉手段を開いて、前記連結管開閉手段を閉じた、第2開閉状態とするように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記ガス流路の滞留ガスを、前記供給手段からの供給ガスに置換したことを検知する置換完了検知手段を備え、
前記制御手段は、前記ガス置換完了が検知された場合に、前記第2開閉状態とすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記置換完了検知手段は、前記ガス流路を前記供給ガスに置換するための供給ガスの供給時間を検出する供給時間検出手段と、
前記供給時間が、前記ガス流路内を置換するのに十分な置換所要時間以上であるか否かを比較する比較手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記供給時間が、前記置換所要時間以上である場合に、前記第2開閉状態とすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記置換完了検知手段は、前記連結管に設けられたガス濃度センサと、
前記ガス濃度センサの出力と、前記ガス流路内が前記供給ガスに置換された場合に出力される判断値とを比較する比較手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記比較の結果から、前記ガス流路内が前記供給ガスに置換されたと判断された場合に、前記第2開閉状態とすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記第2排出配管は、前記排出部開閉手段よりも前記ガスの流れに対して下流側において、前記第1排出配管と接続することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記第2排出配管の、前記第1排出配管と前記第2排出配管との接続部よりも前記ガスの流れに対して上流側に、前記第2排出配管を開閉する滞留ガス用開閉手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記連結管は、前記スタック外部に設けられ、
前記対向面において、前記滞留ガス排出用貫通孔と前記排出用マニホールドとに接続することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記供給用マニホールド及び排出用マニホールドは、前記燃料電池のアノード側のマニホールドであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記供給用マニホールドの前記等電位面側の入口から、酸化剤ガス又は前記空気を供給する酸化剤供給手段を備え、
前記燃料電池システムの停止中に、前記ガス流路を、前記酸化剤ガスまたは前記空気で置換することを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記燃料電池システムは、前記供給用マニホールドの前記等電位面側の入口から不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を備え、
前記燃料電池システムの停止中に、前記ガス流路を、前記不活性ガスで置換することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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