説明

燃料電池スタックのシャットダウン方法および設計

シャットダウンの間に、燃料セル直列スタック内の各セルのカソード側とアノード側との間で、適切な温度差を維持することによって、燃料セル直列スタックのセル内で、改善された水の分布が、得られ得る。これは、スタックの「ホット」エンドおよび側面を断熱することと、「ホット」エンドに隣接する熱質量を提供することによって、達成され得る。燃料電池スタックは、第一のエンドプレート、および熱遮断表面を有する第二のエンドプレートと;第一のエンドプレートとエンドセルとの間に挟まれ、該エンドセルと熱連絡する熱質量と;該第一のエンドプレートと該熱質量との間に挟まれた第一の断熱層と;該複数の燃料セルを取り囲む第二の断熱層とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下に、2005年3月11日に出願された米国仮特許出願第60/661,191号の優先権を主張するものであり、該出願は、本明細書にて、参考として、その全体が援用される。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、シャットダウンの間に、燃料セル直列スタックのセル内で、水の改善分布を得るための方法および設計に関し、より具体的には、固体高分子電解質燃料セルスタックのシャットダウンに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
燃料電池システムは、今日、固定電源プラントおよび携帯電源装置などの幅広い様々な用途で、電源として使用するために、開発がなされている。このようなシステムは、環境的なメリットを提供しながら、経済的に電力を供給する見込みを提供する。
【0004】
燃料電池は、燃料および酸化剤を変換して、電力および反応物を生成する。燃料電池は、一般的に、カソード電極とアノード電極との間に配置された電解質を用いる。触媒は、典型的には、両電極で所望の電気化学反応を引き起こす。
【0005】
好ましい燃料電池のタイプは、特に、携帯および自動車での用途に対して、固体高分子電解質(SPE)燃料電池である。SPE燃料電池は、固体高分子電解質膜を備え、比較的低い温度で動作する。
【0006】
SPE燃料電池は、膜電極接合体(「MEA」)を用い、MEAは、カソードとアノードとの間に配置された固体高分子電解質膜またはイオン交換膜を備える。各電極は、触媒層を含み、この触媒層は、固体高分子電解質膜の隣に位置する適切な触媒を備える。触媒は、典型的には、貴金属組成(例えば、白金黒、またはその合金)であり、適切なサポート上に提供され得る(例えば、カーボンブラック担体上に担持された微細白金粒子)。触媒層は、固体高分子電解質膜(例えば、Nafion(登録商標))に対して使用されているアイオノマと同様のアイオノマを含み得る。電極はまた、多孔性導電性基板を含み得、この基板は、機械的担持、電気伝導、および/または反応剤分布の目的で用いられ得、こうして、流体拡散層として機能する。反応剤を各電極または各電極基板の一つの面を横切って導くフローフィールドプレートは、MEAの各側に配置される。動作において、負荷された個々の燃料セルの出力電圧は、一般に1ボルト未満である。したがって、より大きな出力電圧を提供するために、通常、多数のセルが、一緒にスタックされ、直列に接続され、より高い電圧の燃料セル直列スタックを形成する。
【0007】
SPE燃料電池の通常の動作の間に、燃料は、アノード触媒で電気化学的に酸化され、その結果、典型的には、陽子と、電子と、おそらくは使用される燃料に依存する他の種(species)とを生成する。陽子は、その陽子が生成される反応サイトから、電解質を介して導かれ、カソード触媒で、酸化剤と、電気化学的に反応する。電子は、使用可能な電力を提供する外部回路を介して移動して、次いで、カソード触媒で、陽子と酸化剤とを再反応し、水の反応物を生成する。
【0008】
一部の燃料電池の用途において、電力に対する要求は、本質的に、連続的であり、したがって、スタックは、(例えば、メンテナンスのためのように)まれにしかシャットダウンされ得ない。しかしながら、多くの用途(例えば、自動車)において、燃料セルスタックは、しばしば、停止および再起動され得、その間に、かなりの蓄電期間をともなう。このような周期的な使用は、SPE燃料電池スタックにおいて、特定の問題を提起し得る。例えば、特許文献1および特許文献2には、起動の間と、シャットダウンの間とに、カソード腐食を招く条件が、どのように生じ得るかと、その腐食は、適切な流体で、アノードフローフィールドを素早くパージすることによって低減し得ることとが、開示されている。
【0009】
周期的な使用から生じ得る他の問題は、シャットダウン後に、スタック内に残留する水の含有率とその分布に関する。例えば、スタック内の液体水の蓄積は、シャットダウンの間に、あまりにも多くの水が残ること、および/またはその水の望ましくない分布から生じ得る。このような液体水の蓄積は、反応物および/または副産物の流れをブロックすることによって、セル性能に悪影響を与え得る。おそらく、より悪いことに、燃料セルスタックが、凍結温度未満で格納される場合、セル内の液体水の蓄積は、凍結し得、そして、おそらくは、セルに恒久的な損傷を与える結果となり得る。一方、残っている水があまりにも少ない場合、膜電解質の導電性が、かなり低下し、その結果、再起動時に、スタックからの電力能力は乏しいものとなり得る。
【0010】
同じ出願者によって、2004年9月10日に出願された特許文献3は、シャットダウン後のスタック内の液体水の望ましい分布を可能にして、それによって、改善された凍結開始性能を提供するシャットダウン方法およびスタック設計を開示している。シャットダウンの間に、適切な熱勾配が、用いられて、望ましい液体水の分布を達成する。関連して、特許文献4もまた、熱勾配を用いて、適切な水の移動をさせることで、凍結/解凍サイクルにも関わらず、燃料電池性能を維持する方法を開示している。特許文献4では、この方法は、燃料電池のカソードが、アノードより高温である勾配を確立する。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0076582号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0076583号明細書
【特許文献3】国際公開第2005/029617号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2004/107839号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、スタックをシャットダウン後、望ましい熱勾配を達成し、それによって、望ましい液体水の分布を達成する改善された方法および設計に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の概要)
燃料セル直列スタックにおいて、シャットダウンの間に、スタックが冷却される際に、適切な温度差がセルにわたって、確実に維持されることによって、望ましい水の分布が、シャットダウン後に、得られ得る。このようにすることで、導電性の目的のために、膜電解質の中には、依然十分な水を維持しながら、固体高分子電解質燃料セルスタック内に残留する水は、選択されたセットのより冷たいフローフィールドの中に集中され得、適切に処理され得る。
【0013】
本発明の一局面において、燃料セルスタックは、第一のエンドプレートと第二のエンドプレートとの間に挟まれた複数の燃料セルと、該第一のエンドプレートと該スタックの一つのエンドにある燃料セルとの間に挟まれた熱質量と、該第一のエンドプレートと該熱質量との間に挟まれた第一の断熱層と、該複数の燃料セルを取り囲む第二の断熱層とを備える。該熱質量のサイズは、該燃料セルスタックのシャットダウンの間に、水が膜電極接合体から、該複数の燃料セルのアノードフローフィールドおよびカソードフローフィールドのうちの一方に移動されるように選択される。スタックのホットエンドの断熱および熱質量があり、スタック内の隣接するエンドセルは、冷却期間の間に、その近隣に対して、適切に温かいまま留まるようになっている。一部の実施形態において、スタックの側面に提供された断熱材があり、スタックを垂直に通って、クールエンドを出る熱伝導率は、スタックを横に通って、断熱側を出る熱伝導率よりも、かなり大きい。
【0014】
本発明の別の局面において、燃料セルスタックをシャットダウンする方法は、該スタックからの発電を停止するステップと、該スタックの一つのエンドで、該燃料セルを熱質量と接触させるステップと、該スタックが冷却期間にわたって、冷却されることを可能にするステップと、該冷却期間の間、該複数の燃料セルのそれぞれにおいて、水が膜電極接合体から、アノードフローフィールドおよびカソードフローフィールドのうちの一方に移動されるように、各燃料セルにわたる温度差を維持するステップとを包含する。
【0015】
本発明のさらなる局面において、燃料セルスタックをシャットダウンする方法は、スタックからの発電を停止するステップと、該スタックが冷却期間にわたって、冷却されることを可能にするステップと、筺体のガス入口に、燃料セルスタックの温度よりも低い第一の温度で、ガスを供給し、該ガス出口から、該第一の温度よりも高い第二の温度で、該ガスを排出するステップと、該冷却期間の間に、各燃料セルのカソード側とアノード側との温度差を維持するステップとを包含し、各燃料セルにおける該温度差の方向は、同じである。すなわち、該冷却期間の間に、各セル内で、該カソードが、該アノードより高温であるか、あるいはその逆であるかのいずれかである。一部の実施形態において、熱質量を使用すること、および/または燃料セルスタックを断熱することは、冷却の間に、該スタック内に所望の温度プロファイルを得るために、必ずしも必要でないこともあり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面において、同じ参照番号は、同様のエレメントまたは行為を特定する。図面におけるエレメントのサイズおよび相対的な位置は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。例えば、様々なエレメントおよび角度の形状は、縮尺通りに描かれておらず、これらのエレメントの一部は、図面の読み取りを改善するために、恣意的に拡大され、位置されている。さらに、図示されるエレメントの特定の形状は、特定のエレメントの実際の形状を考慮する情報を伝えることを全く意図されず、単に、図面における認識を容易にするために、選択されたものである。
【0017】
(発明の詳細な説明)
以下の説明において、本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、ある特定の詳細が示される。しかしながら、当業者は、これらの詳細がなくとも、本発明が実施され得ることを理解する。他の場合において、本発明の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、燃料電池および燃料セルスタックと関連する周知の構造、例えば、プレート、マニホルド、および反応剤搬送システムは、詳細には図示または記載されていない。
【0018】
文中に特記されない限り、本明細書および請求項を通して、用語「備える(comprise)」と、その変化形、例えば、「備えて(comprises)」および「備えている(comprising)」とは、開かれて含む意味、すなわち「含むが、限定されない」と解釈されるべきである。
【0019】
本発明のシャットダウン方法は、SPE燃料セルスタックにおいて、所望の水分布を達成するために、特に、有用である。例示的なSPE燃料セルスタックが、模式的に、図1に示される。スタックは、従来のものであるが、ただし、追加の断熱材(スタックの全側面と、アノードエンド、すなわち「ホット」エンドとに)および追加の熱質量(これも、アノード側に、すなわち「ホット」側に)を加えた点で異なる。
【0020】
スタック1は、複数のスタック化されたセルを備え、これらのセルは、「ホット」エンドセル2および「コールド」エンドセル3をそれぞれ、スタック1の負エンドおよび正エンドに含む。両エンドセルの間に、複数の同様のセル4がある。各セルは、固体高分子電解質膜(図示せず)を備える。適切な触媒層が、各セルのアノードおよびカソードとして機能し、各膜の両面に付与される。各セルはまた、アノードガス拡散層およびカソードガス拡散層も備える。そして、各セルのガス拡散層に隣接して、それぞれアノードフローフィールドプレートおよびカソードフローフィールドプレートがある。各プレートは、アノードフローフィールドチャネルおよびカソードフローフィールドチャネルをそれぞれ備える。典型的な実施形態において、(エンドセル2以外における)各アノードフローフィールドプレートはまた、クーラントフローフィールドチャネルも含む。負および正のバスプレートおよびコンプレッションプレート(図示せず)は、典型的には、それぞれスタックのホットエンドおよびコールドエンドで、一対のエンドプレート8、9とともに提供される。流体は、様々なポートおよびマニホルド(図示せず)を介して、反応剤フローフィールドおよびクーラントフローフィールドに供給され、これらのフィールドから供給される。
【0021】
本発明に従うと、スタックは、エンドセル2に隣接する追加の熱質量5と、スタック1の全側面に断熱材6と、熱質量5に隣接するホットエンドに断熱材7とを備える。熱質量は、好ましくは、スタックのホットエンドと、良好に熱接触(すなわち、好ましくは、スタックのエンドと熱質量との間で、低い熱遮断)している。図1において、図示されるx軸およびy軸は、それぞれスタックの方向に、垂直および平行な方向を示す。
【0022】
スタック1がシャットダウンされるとき、発電は、停止され、スタックは、単に、冷却期間にわたって、冷却を許されるだけである。スタック1の設計は、主として、エンドプレート9を介して(すなわち、x方向に)、熱が失われ、スタックの他の側面の全てで、熱は保持されるようになっている。追加の熱質量5は、断熱材の存在に関わらず、「ホット」エンドで実際に生じる熱損失を補償する熱貯まりを提供する。この設計は、冷却期間の間に、スタックにわたって、低下する温度プロファイルを確立する。特定の実施形態において、温度は、冷却の間に、スタックにわたって、単調に低下し得る。
【0023】
要求される熱質量5および断熱材6、7は、スタックのサイズおよび設計の関数である。以下に述べる実施例において、ある特定の場合に対する値は、提供されるモデルを用いて、決定された。当業者は、同様のモデル化の原理を、他のスタック設計および動作条件に適用して、これらの場合に対しても適切な値を得ることが可能である
一般に、y方向のスタックの熱伝導率は、典型的には、x方向に比べて、非常に大きいことに留意すべきである。したがって、断熱された側面の外にではなく、主として、スタックのクールエンドを介して、熱が失われるように、断熱材が、側面に必要とされる。スタックのホットエンドの断熱材および熱質量は、スタックの隣接するエンドセル2が、冷却期間の間に、その近隣に対して、適切に温かいまま留まるようになっている。実際には、非実用的な大きな熱質量あるいは非現実的な断熱材の量を用いることなく、現在の自動車用燃料セルスタックの実施形態で、所望の結果が得られ得ることを、発明者らは見出した。反対側のエンドプレート9は、良好なラジエータであるように選択され、したがって、好ましくは、放射および/または対流を介して、熱遮断に対する良好な特性を有する熱伝導性材料である。特定の実施形態において、エンドプレート9は、必要に応じて、熱交換エレメント、例えば、フィンまたはプレート、あるいはクーラント流体用の通路をさらに備え得る。
【0024】
図1のスタックは、シャットダウンの間に、所望の水分布を受動的に提供し、したがって、凍結温度未満で、改善された起動追従蓄電(startup following storage)を提供する実用的な設計を表わす。図1の実施形態において、冷却の間、アノードがカソードよりも高温で保たれていることに留意すべきである。これは、当然、液体水をカソードプレートに移動することが好ましいとき(例えば、カソード側で収集された水が、蓄電中に、凍結する場合でも、あるいは代替的に、カソードフローフィールドが、冷却の間に、容易に排水またはパージされる場合でも、カソード側で収集された水は、カソードフローフィールドをブロックすることも、問題を生じることもなく、カソード側で収集された水が収容され得るとき)に、行われる。しかしながら、他の実施形態において、アノードプレートに水を移動することが、より好ましいこともあり得る(例えば、アノードでのパージが、シャットダウンの間に、使用される場合)。この選択は、ここでも、特定の燃料セルシステムの設計および動作条件に依存する。
【0025】
図2aおよび図2bは、スタックにおける熱勾配が強化される本発明の実施形態を模式的に示す。図2aの実施形態は、図1の実施形態と同様であるが、可変厚さの断熱材6aが、スタック1aの側面に用いられる点で異なる。断熱材6aは、スタックのコールドエンドに向かって、厚さが(例えば、図示されるように、線形で)減少する。図2bの実施形態は、図1の実施形態と同様であるが、スタックの側面が、一様でない様態で冷却される点で異なる。(この実施形態において、断熱材は、スタックの側面とエンドに沿う必要はないこともあり得る。)スタック1bは、囲まれ、クーラント流体(例えば、エア)は、コールドエンドの入口10に入り、筺体を介して導かれ、ホットエンドの出口11で出る。したがって、クーラントは、徐々にスタックを冷却し、筺体を介して移動するにつれて、冷却効果が減少するので、ホットエンドよりもコールドエンドを冷却する。
【実施例】
【0026】
以下の実施例は、本発明の特定の局面および実施形態を説明するために、提供されるが、決して限定するものとして、解釈されるべきではない。
【0027】
(実施例1:モデル検証)
本実施例において、シャットダウンの間に、燃料セルスタックが自然冷却される際、燃料セルスタックにおける水分布をモデル化するために、一次元熱・水移動モデルが、開発された。また、高アスペクト比のSPE燃料セルスタックが、実際の水分布を決定するために作成され、モデルが検証された。
【0028】
(モデル)
以下に、一次元非定常熱伝導モデルが、時間とスタック内の場所の関数として、セルにわたる温度および温度差分を決定するために使用された。次いで、部分的に断熱されたスタックの自然冷却の間、膜電極接合体MEAにわたる水移動が、温度と温度勾配との関数としての水移動速度に対して、以前に決定された実験による相関を用いて、モデル化された。(この相関は、特定の温度勾配がセルに確立されたとき、そのセル内で、一つのフローフィールドプレートからその対向するフローフィールドプレートに移動される水の量を測定することによって、決定された。興味深いことに、移動された水の量は、MEAが元々、ウェットであるか、あるいはドライであるかに関わらず、ほぼ同じであることが見出された。)
単純化のために、「コールド」エンド、すなわちカソードエンドのスタックハードウェアは、モデルにおいて、考慮されず、また、スタックの冷却は、モデルでの熱移動と実験での熱移動とが、良好に合致するようにフィットさせた熱移動係数を用いて、記述された。以下において、Tは温度で、tは時間で、xはスタックに沿って垂直な距離(すなわち、図1に示されるx方向)である。Lは、スタックの長さであり、したがって、x=0は、スタックの「ホット」エンド、すなわちアノードエンド(すなわち、エンドセル2のアノード側)を表わし、x=Lは、スタックの「コールド」エンド、すなわちカソードエンド(すなわち、エンドセル3のカソード側)を表わす。さらに、αはセルの熱拡散係数、hは熱移動係数、kはセルの熱伝導率である。したがって、熱移動モデルは、以下の等式に基づく。
【0029】
【数1】

以下のパラメータが、このモデルに使用され、本実施例の実験におけるスタックの代表値を表わした。
【0030】
【表1】

*αは、スタックの温度上昇に対するモデルに、実験的起動データをフィットさせて、導出された。
【0031】
セル内でのプレートからプレートへの水移動は、温度と温度勾配との関数としての水移動速度に対して、以前に決定された実験による相関を用いて、モデル化された。以下において、ΔTは、スタック内の1つのセルにわたる温度差分である(本実施例の実験におけるスタックにおいて、これは、x方向における約2.5mmにわたる温度差分に等しい)。
【0032】
【数2】

(実験におけるスタック)
スタックは、直列で、20個のセルを備え、自動車への用途に適したサイズのものであった。セル内のMEAは、NAFION(登録商標)N112のペルフルオロスルホン酸膜電解質を備え、この膜は、一方の面に、カーボン担持Pt/Ru触媒を付与され、他方の面に、カーボン担持Pt触媒を付与され、それぞれアノード電極およびカソード電極として機能する。MEAはまた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)含浸カーボンファイバ紙基板を備え、触媒コーティングされた膜電解質の各側で、ガス拡散層として機能する。自身の中に形成された線形フローチャネルを有するGrafoil(登録商標)グラファイト反応剤フローフィールドプレートを、MEAの両面上に位置させて、こうして、燃料セルアセンブリを完成させた。
【0033】
スタックを、図1に示されるスタックと同様の方法で断熱したが、追加の熱質量5を、エンドセル2の近くに含まなかった。従来のアルミニウムプレートを、スタックの両エンドで使用した(「ホット」エンドでのプレートは、本実施例において、スタックから電気的に絶縁された。)。使用された断熱材は、厚い(約2cm)発泡断熱材の層(約0.04W/(mK)の非常に低い熱伝導率)であり、「ホット」エンドでのアルミニウムプレートに隣接して、また燃料セルスタックの全側面に沿って用いた。温度勾配を測定するために、熱電対をスタックの長手方向に沿って、様々なポイントに置した。
【0034】
次いで、スタックを、典型的な条件下で、この場合、1時間にわたって、50A負荷で、20psiで供給される空気酸化剤と、60℃のクーラントと、ウェット条件(すなわち、アノード入口とカソード入口との双方で、70℃の露点で)とで、動作させた。次いで、スタックをオフにし、自然冷却させた。スタックが冷却される間、温度が測定された。12時間の冷却の後、スタックは、アセンブリを分解され、幾つかのセルのMEA内に含まれる水の量を測定した(これは、MEAから円形のピースを切り出して、ピースが完全に乾燥された後の重量と、「ウェット」なピースの重量とを比較することによって行なわれた。)。
【0035】
図3は、4つのセル(ホットエンド、すなわちアノードエンドから開始して、2番、7番、12番、および18番)のMEA含水量を、y方向(図1参照)でセルに沿った距離に対して示す。含水量は、スタックのコールドエンドに、より近いセルに対して、顕著に減少する。MEA全体にわたる平均含水量は、4つの異なるセルに対して、図3の中に、破線a、b、c、およびdで示される。同様の条件下で動作する同様のスタックの以前の解析において、全てのセルをシャットダウンした直後の平均含水量は、約6mg/cmであることが見出された。図3において、セル2は、依然、約6mg/cmの水を有する。しかしながら、他のセルは、これより少ない。本実施例のスタックにおいて、通常の動作の間、およびシャットダウンの直後に、MEA内の水は、主として、カソード電極の中に含まれる。したがって、本実施例で観察された水損失は、主として、自然冷却の間に、カソード電極からカソードフローフィールドに移動した水を表わす。(スタックのコールドエンドに、より近いカソードフローフィールドは、液体水の量が多いことを視覚的に示したので、これによって、図3に示される結果を裏付けた。)所与のセル内で、カソードフローフィールドから移動した水の全体量mは、したがって、そのセルの有効面積に、シャットダウン直後の含水量(6mg/cm)と図3に示される平均含水量との差を乗じることによって、決定される。
【0036】
図4および図5は、スタック温度と、移動含水量とに関して、上記のモデルを用いて得られた結果と、実験で(熱電対および図3の値によって)得られた結果とを比較する。図4は、シャットダウン直後と、次いで、また約1時間後に、スタックに沿った温度プロファイルを示す。モデルの結果および実験の結果は、それぞれ実線および破線で示される。温度は、1時間後に、約14℃低下したが、スタックにわたる勾配は、比較的小さい。図5は、自然冷却12時間後のスタックの長手方向(x方向)に沿って、MEAからカソードフローフィールドへ移動した水の量mを示す。大量の水が、スタックのコールドエンドの近くに移動するが、ホットエンドの近くに(特にエンドセルで)移動する水の量は、凍結起動性能全体(すなわち、スタック内の全てのセル)を著しく改善する目的には、適切ではない。
【0037】
しかしながら、図4および図5の双方において、モデルの結果と実験の結果との間で、良好な合致が得られた。したがって、上記のモデルは、予測性があり、スタック内の全部のセルに対して、シャットダウンの間に、十分な水が、移動するようなスタックとするために、適切な熱質量、断熱材の量などを選択するために使用され得る。
【0038】
(実施例2)
本実施例において、上記と同様のモデルを、シャットダウンの間に、スタックが冷却されるに際して、スタック内の全てのセルで、適切な水移動を行うのに適した熱質量を選択するために、使用した。熱質量を、スタックのホットエンドで、エンドセルに隣接して、位置させた。選択された熱質量を有する実験におけるスタックは、こうして、作成し、シャットダウン時における結果を、モデルによって予測された結果と比較した。実験におけるスタックは、実施例1で用いられたものと同様であるが、1)熱質量を含むこと、2)より厚い断熱材が使用されたこと、3)スタックのコールドエンドで使用されるアルミニウムプレートが、より良好な断熱特性を有したこと、および4)スタックの極性が逆であること(すなわち、ホットエンドが、カソードエンドであり、コールドエンドが、アノードエンドであったこと)が異なる。
【0039】
(モデル)
ここで使用されたモデルは、先の実施例で使用されたモデルと同様であるが、スタックのホット(カソード)エンドに含まれる有意な熱質量を考慮に入れる点で異なる。このモデルの熱移動の部分において、次いで、厚さL熱質量が、x軸に沿って、−Lと0との間に位置された。ここで、次いで、熱移動モデルは、
【0040】
【数3】

以下の等式に基づく。
【0041】
便宜上、アルミニウムブロックを、熱質量として使用するために選択した(しかしながら、他の材料も容易に使用され得る)。さらに、放射による熱抵抗をより良好にするために、スタックのコールド(アノード)エンドでのアルミニウムプレートは、黒で作成した。したがって、以下のパラメータ
【0042】
【表2】

が、このモデルで使用され、本実施例の実験におけるスタックを表わす。
【0043】
以上のモデルは、12時間の自然空冷の後、スタック内のセルの中で、MEAからカソードフローフィールドプレートに移動する水を計算するために使用した。スタックのx方向に沿った距離の関数としての結果が、異なる厚さのアルミニウムブロック/熱質量に対して、図6に示される。図6から明らかなように、アルミニウムブロックの厚さは、移動する水に、顕著な影響を及ぼす。上述のように、MEAの平均含水量は、約6mg/cm、すなわち1.7gである。しかしながら、セルの全含水量は、約2〜2.5gである。このMEAの外側の追加の水の大部分は、カソードフローフィールドプレート内にある。このモデルは、厚さ7.5cmのアルミニウムブロックが用いられた場合、2.5gを上回る水が、スタックの全てのセル内に移動されるべきであることを示している。したがって、この厚さのアルミニウムブロックを用いると、その結果、冷却の間に、スタック内の全てのセルについて、MEAからの全ての水が、アノードプレートに移動するはずである。
【0044】
(実験におけるスタック)
本実施例の実験におけるスタックにおいて、スタックの極性を、実施例1のスタックの極性と比較すると、逆にした(すなわち、ホットエンドが、カソードエンドであり、コールドエンドが、アノードエンドであった)。厚さ7.5cmのアルミニウムブロックをまた、ここで、追加の熱質量5として使用した。このブロックは、発泡断熱材とスタックのホットカソードエンドとの間に、位置された。さらに、より厚い(約5cm)発泡断熱剤を熱質量5に隣接して、また燃料セルスタックの全ての側面に沿って用いた。最後に、スタックの「コールドエンド」で、アルミニウムプレートを、以前のように、エンドセル3に近接して使用したが、このプレートは、より良好な放射熱遮断のために、黒に彩色した。
【0045】
次いで、スタックを、以前のように、典型的な条件下で、この場合、200A負荷で動作させた。次いで、スタックをオフにし、3時間にわたって、自然冷却させた。再び、スタックを冷却する間に、温度を測定し、3時間の冷却の後、スタックのアセンブリを分解し、幾つかのセルのMEA内に含まれる水の量を測定した。
【0046】
図7は、3つのセル(ホットエンド、すなわちカソードエンドから開始して、2番、10番、および18番)のMEA含水量を、y方向(図1参照)でセルに沿った距離に対して示す。含水量は、各セルを横切って、またセルからセルで、実質的に等しい。約3mg/cm(すなわち、約0.9g)の含水量は、MEA内の初期の量の約半分であり、このことは、MEA内の水の少なくとも約半分が、全てのセル内のアノードフローフィールドプレートに移動したことを示唆する。
【0047】
目視検査によって、スタック内の全てのセルの中で、水が移動したことが、定性的に確認された。このようなスタックが、最初にシャットダウンされるとき、アノードプレートは、典型的に、ドライであり、カソードプレートは、ウェットである。しかしながら、この場合における3時間の冷却後、結果は、逆となり、カソードプレートが、ドライであり、アノードプレートは、目に見えるほどの水の量を見せる。
【0048】
上述の熱・水移動モデルにおいて、同じ厚さ7.5cmのアルミニウムブロックを用いて、時間の関数としての温度分布が、計算され、得られた実験のデータと比較された。図8は、3時間の冷却期間の間における様々な時間での温度分布を比較する。モデルの結果と実験との結果との間で、良好な一致がある。図4および図8から明らかなように、アルミニウムブロックおよび追加の断熱材を含むことで、その結果、スタックを横切って、より大きな温度差となり、かつ非常により長く続く。
【0049】
また、このモデルを用いて、スタックにわたる水移動の分布が、仮説的な12時間冷却期間の間の様々な時間で、計算された。図9は、5つの異なる期間後のスタックのx軸に沿って移動した水の量を示す。(図9の12時間カーブは、図6の厚さ7.5cmのブロックのカーブと同じである。この極性の反転は、セル内における計算された移動速度に影響を与えない。)スタック内のセルの実際の含水量は、約2.5g(上述された実験によって決定された)でしかないので、図9は、各セルの水の大部分が、約3時間にわたって、移動するであろうことを示唆する。実験におけるスタックを目視観察することによって、大部分の水が、カソードフィールドプレートから除去されたことが、確認された。そして、図7のデータは、わずか約3mg/cm、すなわち0.9gの水が、各セルのMEA内に残っていることを示す。したがって、大部分の水は、3時間の冷却の間に、アノードフローフィールドプレートに移動したように見え、これは、モデルと一致する。
【0050】
以上の実施例は、追加熱質量および断熱材の使用が、シャットダウン時に、実際の自動車タイプの燃料セルスタックにおいて、いかに望ましい水分布を結果として、もたらし得るかを示す。使用されたモデルは、合理的に予測的であり、当業者は、このようなモデルを用いて、スタックの他のタイプに対しても、適切な設計を選択することを期待し得る。以上において、アルミニウムブロックが、熱質量として使用された。しかしながら、実際の自動車あるいは他のスタック設計において、必要な熱質量をスタックハードウェア(例えば、マニホルド)に組み込むこと、あるいはスタッククーラントの少なくとも一部分を熱質量として用いることが、有利であり得る。
【0051】
本明細書で言及され、および/または本出願のデータシートに列挙された以上の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物の全ては、その全体を参考として、本明細書に援用される。
【0052】
例示の目的のために、本発明の特定の実施形態が、本明細書に記載されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変がなされ得ることは、以上から、理解される。したがって、本発明は、添付の請求項によって以外、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う固体高分子電解質燃料セルスタックの模式図を示す。
【図2a】図2aは、本発明の別の実施形態に従う燃料セルスタックの模式図である。
【図2b】図2bは、本発明のさらなる実施形態に従う燃料セルスタックとシャットダウン方法の模式図である。
【図3】図3は、4つのセルのMEA含水量を、実施例1におけるスタックのy方向でセルに沿った距離に対して示す。
【図4】図4は、実施例1のスタックに沿った温度プロファイルに対して、モデルによる結果と実験結果とを比較する。
【図5】図5は、実施例1のスタックに長さに沿って移動したMEA含水量に対して、モデルによる結果と実験結果とを比較する。
【図6】図6は、異なる厚さのアルミニウムブロック/熱質量に対して、12時間の自然冷却後における、計算された水移動をスタック内のx方向に沿った距離の関数として、示す。
【図7】図7は、実施例2のスタックから採られた3つのセルから決定されたMEA含水量を、3時間の冷却後、y方向に沿った距離の関数として示す。
【図8】図8は、実施例2のスタックに対して、3時間の冷却の間における様々な時間での計算による温度分布と実験による温度分布とを示す。
【図9】図9は、5つの異なる期間後における、実施例2のスタックのx軸に沿って移動した計算された水の量を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のエンドプレート、および熱遮断表面を有する第二のエンドプレートと、
該第一のエンドプレートと該第二のエンドプレートとの間に挟まれ、該第一のエンドプレートと関連するエンドセルを含む複数の燃料セルであって、各燃料セルは、アノードフローフィールドとカソードフローフィールドとの間に挟まれたカソード側とアノード側をそれぞれ有する膜電極接合体を有する、複数の燃料セルと、
該第一のエンドプレートと該エンドセルとの間に挟まれ、該エンドセルと熱連絡する熱質量と、
該第一のエンドプレートと該熱質量との間に挟まれた第一の断熱層と、
該複数の燃料セルを取り囲む第二の断熱層と
を備え、
該熱質量のサイズは、該燃料セルスタックのシャットダウンの間に、該複数の燃料セルのそれぞれにおいて、水が該膜電極接合体から、該アノードフローフィールドおよび該カソードフローフィールドのうちの一方に移動されるように選択される、
燃料セルスタック。
【請求項2】
前記熱質量のサイズは、前記複数の燃料セルのうちの少なくとも5つ分に相当する、請求項1に記載の燃料セルスタック。
【請求項3】
前記熱質量は、金属の層を備えている、請求項1に記載の燃料セルスタック。
【請求項4】
前記金属は、アルミニウムを備えている、請求項3に記載の燃料セルスタック。
【請求項5】
前記複数の燃料セルにプロセス流体を供給するマニホルド、あるいは該複数の燃料セルから該プロセス流体を排出するマニホルドをさらに備え、前記熱質量は、該マニホルドの少なくとも一部分に組み込まれる、請求項1に記載の燃料セルスタック。
【請求項6】
前記複数の燃料セルは、前記第一のエンドプレートから前記第二のエンドプレートへとスタッキング方向に配列され、前記第二の断熱層の熱伝導率は、該スタッキング方向に向かって増加する、請求項1に記載の燃料セルスタック。
【請求項7】
前記複数の燃料セルは、前記第一のエンドプレートから前記第二のエンドプレートへとスタッキング方向に配列され、前記第二の断熱層の厚さは、該スタッキング方向に向かって減少する、請求項6に記載の燃料セルスタック。
【請求項8】
前記熱遮断表面は、熱交換エレメントを備えている、請求項1に記載の燃料セルスタック。
【請求項9】
筐体をさらに備え、該筐体は、該筐体にクーラントガスを供給するための、前記第二のエンドプレートに近接したガス入口と、該筐体から該クーラントガスを排出するための、前記第一のエンドプレートに近接したガス出口とを有する、請求項1に記載の燃料セルスタック。
【請求項10】
複数の燃料セルを備えている燃料セルスタックをシャットダウンする方法であって、各燃料セルは、カソード側およびアノード側を有し、該方法は、
該スタックからの発電を停止するステップと、
該スタックの一つのエンドで、該燃料セルを熱質量と接触させるステップと、
該スタックが冷却期間にわたって、冷却されることを可能にするステップと、
該冷却期間の間、該複数の燃料セルのそれぞれにおいて、水が、膜電極接合体からアノードフローフィールドおよびカソードフローフィールドのうちの一方に移動されるように、各燃料セルにわたる温度差を維持するステップと
を包含する、方法。
【請求項11】
前記冷却期間の間に、各燃料セル内で、前記アノード側は、前記カソード側より高温である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スタックは、ホットエンドおよびコールドエンドをさらに備え、該スタックの該ホットエンドは、断熱される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記スタックは、前記複数の燃料セルを取り囲む断熱層をさらに備えている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
各燃料セルは、カソード反応剤フローフィールドおよびアノード反応剤フローフィールドを備え、前記冷却期間の間に、各燃料セルのより冷たい方の反応剤フローフィールドが、パージされる、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記熱質量は、前記スタックの一つのエンドで、前記燃料セルと熱連絡する、ある量のクーラントを備えている、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記燃料セルスタックの動作の間に、前記膜電極接合体の中にある前記水の少なくとも約半分は、前記冷却期間の間に、前記アノードフローフィールドおよび前記カソードフローフィールドのうちの一方に移動される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記冷却期間後に、前記膜電極接合体の中に残っている水の量は、約3mg/cm以下である、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
筺体の中に配置された複数の燃料セルを備えている燃料セルスタックをシャットダウンする方法であって、該筺体は、該燃料セルスタックの一方のエンドに近接したガス入口と、該燃料セルスタックの他方のエンドに近接したガス出口とを有し、各燃料セルは、アノードフローフィールドとカソードフローフィールドとの間に挟まれた膜電極接合体を有し、該膜電極接合体は、それぞれがカソード側およびアノード側をそれぞれ有し、該方法は、
該スタックからの発電を停止するステップと、
該スタックが冷却期間にわたって、冷却されることを可能にするステップと、
該筺体の該ガス入口に、燃料セルスタックの温度よりも低い第一の温度で、ガスを供給し、該ガス出口から、該第一の温度よりも高い第二の温度で、該ガスを排出するステップと、
該冷却期間の間に、各燃料セルの該カソード側と該アノード側との温度差を維持するステップと
を包含し、
各燃料セルにおける該温度差の方向は、同じである、方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−533668(P2008−533668A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501063(P2008−501063)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/009128
【国際公開番号】WO2006/099417
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(303026556)バラード パワー システムズ インコーポレイティド (28)
【Fターム(参考)】