説明

燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム及びその燃料電池の停止方法

【課題】燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム及びその燃料電池の停止方法を提供する。
【解決手段】SOFC13から排出される排出空気18Bを燃焼器16に供給する自動弁22を介装した排出空気流路L3と、排出空気流路L3から分岐され、外部に排出空気18Bを放出する自動弁63及び第1のオリフィス81を介装した分岐排出空気流路L4と、燃料極側から排出される排燃料ガス31Aをガスタービン燃焼器16に供給する自動弁32を介装した排燃料ガス流路L6と、排燃料ガス流路L6から分岐され自動弁53及び第2のオリフィス82を介装した分岐排燃料ガス流路L7と、燃料ガス流路L5と自動弁35とSOFCとの間に導入されるパージガス70を供給するパージガス供給手段71と、分岐排出空気流路L4のノルマルオープンの自動弁63と前記第1のオリフィス81との間に前記分岐排燃料ガス流路L7が合流する合流部85とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形燃料電池及びガスタービンが結合された燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム及びその燃料電池の停止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下SOFC)は、用途の広い高効率な燃料電池として知られている。
このSOFCは、イオン導電率を高めるために作動温度が高くされているので、ガスタービンの圧縮機から吐出され、かつガスタービンの排ガス熱を利用して高温とされた吐出空気を空気極側に供給する空気(酸化剤)として使用できる。また、SOFCで利用できなかった高温の燃料をガスタービンの燃焼器の燃料として使用できる等、ガスタービンとの相性がよい。
【0003】
このため、たとえば、特許文献1に示されるように、高効率を達成できる発電システムとしてSOFCとガスタービンとを組み合わせたコンバインド発電システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−36872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、SOFCとガスタービンとのコンバインド発電システムにおけるインターロック発生後の操作として、(1)燃料側のガスパージ、(2)冷却操作、が挙げられる。
しかしながら、燃料電池の加圧系統では、前記操作時に燃料及び空気側の流量及び均圧化制御を実施する必要があるにもかかわらず、重篤なトリップ等における計装空気、制御装置異常時はガス通気が不能となる、という問題がある。この問題を回避するためには、インターロック発生時用にバックアップ設備を別途設ける等の対応を取る必要があり、コスト増加や設備が大きくなるという問題がある。
【0006】
また、加圧系統で冷却用の空気を通気する場合には、空気源に大容量コンプレッサを用いることが必要となり、設備が大きくなる、という問題がある。
【0007】
よって、通常の停止操作及びインターロック発生時における緊急停止操作を兼ね備えた制御が可能な燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムの出現が切望されている。
【0008】
本発明は、前記問題に鑑み、通常の停止操作及びインターロック発生時における緊急停止操作を兼ね備えた制御が可能な燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、空気極及び燃料極を有する固体酸化物形燃料電池(SOFC)と、ガスタービンとを備えた燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムであって、ガスタービンの圧縮機からの吐出空気をSOFC側に供給するノルマルクローズの自動弁を介装した吐出空気流路と、SOFCから排出される排出空気をガスタービン燃焼器に供給する排出空気流路と、前記排出空気流路から分岐され、外部に排出空気を放出するノルマルオープンの自動弁及び第1のオリフィスを介装した分岐排出空気流路と、燃料ガスをSOFC側に供給するノルマルクローズの自動弁を介装した燃料ガス流路と、SOFCの燃料極側から排出される排燃料ガスをガスタービン燃焼器に供給するノルマルクローズの自動弁を介装した排燃料ガス流路と、前記排燃料ガス流路から分岐され、ノルマルオープンの自動弁及び第2のオリフィスを介装した分岐排燃料ガス流路と、燃料ガス流路のノルマルクローズの自動弁と、SOFCとの間に導入されるパージガスを供給するパージガス供給手段と、前記分岐排出空気流路のノルマルオープンの自動弁と前記第1のオリフィスとの間に前記分岐排燃料ガス流路が合流する合流部とを具備することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムにある。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記パージガス供給手段は、パージガスボンベと、該パージガスボンベからパージガスを前記燃料ガス流路に供給するノルマルオープンの自動弁を介装したパージガス供給ラインと、前記ノルマルオープンの自動弁の前流側に介装された第3のオリフィスと、前記第3のオリフィスの前後に設けられた減圧弁及び背圧弁とを具備することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムにある。
【0011】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記分岐排燃料ガス流路と前記分岐排出空気流路との合流部に、触媒装置を設けてなることを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムにある。
【0012】
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記第2のオリフィスに逆火防止装置を設けてなることを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムにある。
【0013】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記吐出空気流路のノルマルクローズの自動弁の後流側に、冷却空気を導入する冷却空気供給手段を設けてなることを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムにある。
【0014】
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの発明において、前記排燃料ガス流路から排燃料ガスを燃料ガス流路側に再循環させる再循環ブロア及びノルマルクローズの自動弁を介装した再循環流路を設け、前記パージガス供給手段からのパージガスを燃料ガス流路の代わりに、前記再循環流路に供給することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムにある。
【0015】
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つに記載の燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムを用い、燃料電池停止の際に、ノルマルオープンの自動弁を開くと共に、ノルマルクローズの自動弁を閉とし、前記パージガス供給手段から燃料ガス流路にパージガスを供給し、前記分岐排出空気流路の前記第1のオリフィスを介して排出される排出空気に、パージガスを前記第2のオリフィスを介して合流させ、同一箇所から合流したガスを降圧させつつ外部に排出することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムの燃料電池の停止方法にある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通常の停止操作及びインターロック発生時における緊急停止操作を兼ね備えた制御が可能となり、システム故障等の重篤な場合においても燃料電池の損傷を防止するパージ、冷却操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施例1に係る燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムの概略図である。
【図2】図2は、実施例2に係る燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0019】
本発明による実施例1に係る燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムの概略図である。
図1に示すように、燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム(SOFC13及びガスタービン11が結合されたシステム)10Aは、ガスタービン11の圧縮機14からの吐出空気18AをSOFC13側に供給するノルマルクローズの自動弁21を介装した吐出空気流路(空気供給ライン)L2と、SOFC13から排出される排出空気18Bをガスタービンの燃焼器16に供給するノルマルクローズの自動弁22を介装した排出空気流路(排出空気供給ライン)L3と、排出空気流路(排出空気供給ライン)L3から分岐され、外部に排出空気18Bを放出するノルマルオープンの自動弁63及び第1のオリフィス81を介装した分岐排出空気流路L4と、燃料ガス31をSOFC13側に供給するノルマルクローズの自動弁35を介装した燃料ガス流路L5と、SOFC13の燃料極側から排出される排燃料ガス31Aをガスタービン燃焼器16に供給するノルマルクローズの自動弁32を介装した排燃料ガス流路L6と、排燃料ガス流路L6から分岐されノルマルオープンの自動弁53及び第2のオリフィス82を介装した分岐排燃料ガス流路L7と、燃料ガス流路L5とノルマルクローズの自動弁35とSOFC13との間に導入されるパージガス70を供給するパージガス供給手段71と、分岐排出空気流路L4のノルマルオープンの自動弁63と前記第1のオリフィス81との間に前記分岐排燃料ガス流路L7が合流する合流部85とを具備するものである。なお、図1中、符号、13AはSOFC容器を図示する。
【0020】
燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム(以下「発電システム」ともいう)10Aには、ガスタービン11と、ガスタービン11により駆動される発電機Gと、SOFC13と、が備えられている。
【0021】
この発電システム10Aは、SOFC13による発電と、ガスタービン11による発電とを組み合わせて、高い発電効率を得るように構成したものである。
【0022】
ガスタービン11には、空気18を圧縮する圧縮機14と、燃焼ガス15を生成するガスタービン燃焼器16と、ガスタービン燃焼器16から供給された燃焼ガス15を膨張させて回転するタービン17と、が備えられている。空気18を空気導入ラインL1により導入して圧縮する圧縮機14は、タービン17と同軸に連結されている。発電機12は、タービン17と同軸に連結されている。
【0023】
圧縮機14で圧縮され、吐出された吐出空気18Aは、吐出空気流路(空気供給ライン)L2を通ってSOFC13の空気極の導入部に供給される。
この吐出空気18AはSOFC13で酸化剤として用いられた後、SOFC13の空気極側から排出空気18Bとして排出される。この排出空気18Bは、排出空気流路(排出空気供給ライン)L3を通ってガスタービン燃焼器16に供給される。
【0024】
吐出空気流路L2には、圧縮機14側から順に、タービン17からの排燃焼ガス15Aと吐出空気18Aとを熱交換させるエアヒータ(AH)19と、SOFC13とガスタービン11とを切り離すノルマルクローズの自動弁21が介装されている。なお、本実施例では省略しているが、排出空気流路L3の排出空気18Bと吐出空気18Aとを熱交換させる空気熱交換器と、吐出空気18Aを燃焼する燃焼器とを設けるようにしてもよい。
排出空気流路L3には、SOFC13とガスタービン11とを切り離すノルマルクローズの自動弁22が備えられている。
【0025】
また、SOFC13の燃料極には、燃料ガス流路L5から燃料ガス31、例えば都市ガス(天然ガス)等が供給される。この燃料ガス31はSOFC13で還元剤として一部が用いられた後、SOFC13の燃料極側から排燃料ガス31Aとして排出される。この排燃料ガス31Aは、排燃料ガス流路L6を通ってガスタービン燃焼器16に供給される。
なお、本実施例では省略しているが、燃料ガス流路L5には、排燃料ガス流路L6の排燃料ガス31Aから熱回収する燃料ガス熱交換器を備えるようにしてもよい。
【0026】
また、排燃料ガス流路L6には、排燃料ガス31Aの圧力を調整するノルマルクローズの自動弁32が備えられている。また、排燃料ガス流路L6から排燃料ガス31Aを燃料ガス流路L5側に再循環させる再循環ブロア33が介装された再循環流路L8が備えられており、排燃料ガス31Aの再利用を図っている。
【0027】
ガスタービン燃焼器16では、排出空気流路L3からの排出空気18Bを用いて排燃料ガス流路L6から供給される排燃料ガス31A及び別途供給される燃料ガス34、たとえば、都市ガス(天然ガス)を燃焼させ、生成した高温高圧の燃焼ガス15をタービン17へ供給する。
【0028】
燃焼ガス15の供給を受けたタービン17では、燃焼ガス15が膨張する際のエネルギーで回転して軸出力を発生する。この軸出力は、主として図示しない発電機12の駆動に使用されて電気エネルギーに変換されるが、一部は圧縮機14の駆動源として使用される。燃焼ガス15は、タービン17で仕事をした後にはエアヒータ19で吐出空気18Aと熱交換すべく、排燃焼ガス15Aとして排出される。
【0029】
なお、上述のように、SOFC13から排出された排燃料ガス31Aの一部を再びSOFC13の燃料極側に戻し、残りの排燃料ガスの一部をガスタービン燃焼器16に送るように構成されていてもよいし、SOFC13から排出された排燃料ガス31Aの全てをガスタービン燃焼器16側に送る構成とされていてもよい。
【0030】
ここで、本実施例では、パージガス供給手段71としては、パージガスボンベ71aと、パージガスボンベ71aからパージガス70を燃料ガス流路L5とに供給するノルマルオープンの自動弁75を介装したパージガス供給ラインL11と、パージガス供給ラインL11のノルマルオープンの自動弁75の前流側に介装された第3のオリフィス83と、第3のオリフィス83の前後に設けられた減圧弁73及び背圧弁74とを具備する。
【0031】
そして、重篤なトリップが発生した場合には、ノルマルオープンの自動弁53,63を開くと共に、ノルマルクローズの自動弁35、32、22を閉とする。
そして、パージガス供給手段71から燃料ガス流路L5にパージガス70を供給し、分岐排出空気流路L9の第1のオリフィス81を介して排出される排出空気18Bに、パージガス70を第2のオリフィス82を介して合流させつつ、同一箇所から合流したガスを降圧させつつ外部に排出するようにしている。
【0032】
ここで、パージガス70の供給は、パージガスボンベ71aからとし、ノルマルオープンの自動弁75が開となることで、パージガス70を供給するようにしている。
パージガス70の供給流量は、第3のオリフィス83の前後に設けた減圧弁73及び背圧弁74を調整して圧力を規定することで、一定流量通気できる系統としている。
【0033】
ここで、ノルマルオープンの自動弁とは、計装空気若しくは電源が断となる際に、開となるバルブをいう。
また、ノルマルクローズの自動弁とは、計装空気若しくは電源が断となる際に、閉となるバルブをいう。
【0034】
本実施例では、空気の外部からの供給は行わず、SOFC容器13A内の空気(加圧分)をブローするようにしている。
また、排出空気18Bの降圧速度は、分岐排出空気流路L4に介装した第1のオリフィス81により調整するようにしている。
【0035】
また、燃料ガス31側においては、排燃料ガス流路L6からノルマルオープンの自動弁53を介装して、従来実施していた内圧制御を取りやめている。
そして、排燃料ガス流路L6の下流側を、分岐排出空気流路L4と、の第1のオリフィス81の上流側と合流部85で接続し、空気出口と燃料出口を同圧とするようにしている。
なお、排燃料ガス流路L6のノルマルオープンの自動弁53の下流側に第2のオリフィス82を設置し、通気するパージガスの圧損分だけ燃料側の圧力が、空気側の圧力と同圧以上の状態とするようにしている。
パージガス量と作用させたい差圧から第2のオリフィス82の径を選定し、作用させる差圧は、SOFC13の破損に至らない範囲とするのが好ましい。
【0036】
パージガスの準備する量としては、系内をパージするのに必要な量とし、冷却に必要な時間を掛けて通気することとしている。
降圧中に燃料側のパージが終了し、ガス流れが悪くなった場合でも、SOFC13の燃料側の圧力は、空気出口部(空気側の第1のオリフィス81上部)と同圧となるため、SOFC13の破損には至らないものとなる。
【0037】
また、燃料ガス流路L5の燃料側系統内にパージガス70を通気し、SOFC容器13A内の空気(加圧分)をブローすることで空気の熱量分を排気させ、最低限の冷却を行うようにしている。
【0038】
この結果、本実施例によれば、例えばシステム故障等の重篤な状態でも、パージガスによるパージ及び冷却を実施することが可能となる。
【0039】
これに対して、通常の停止の場合には以下のように行う。
通常停止の最終段階は、燃料系パージとなるため、燃料側においては、重篤なトリップ時の動作と基本的には同じ操作となる。
ただし、制御装置が使用できる状態であるので、パージガス70のガス量や燃料側の内圧をより細かく調整可能となる。
また、通常運転用に不活性供給ガスライン(図示せず)を別途設置している場合には、その不活性ガス供給ラインからガスを供給するようにしてもよい。
【0040】
また、合流部85において、排燃料ガス31Aと空気とによる燃焼を防止するため、排燃料流量と排空気流量の比率を考慮して(爆発範囲外とする)パージガス流量を設定するようにするのが好ましい。
【0041】
これに対し、合流部85に触媒等を設置し、排燃料ガス31Aを触媒燃焼処理するようにしてもよい。
【0042】
この際、燃料側への逆火を防止するため、第2のオリフィス82フレームアレスタ等の逆火防止装置を設置するのが好ましい。
なお、このフレームアレスタの設置により、適度な差圧が発生する場合には、第2のオリフィスを不要とすることもできる。
【0043】
また、パージガス70の投入位置を再循環流路L8とし、再循環ブロワ33のラインパージ、軸封・冷却の機能を兼ねるようにしてもよい。この際、再循環ブロワ33の前段側にはノルマルクローズの自動弁を設置するようにして、ラインを閉とすればよい。
【0044】
さらに、停止後の再起動に備えて、SOFC13を高温状態で保持したい場合には、燃料側にパージに必要な分のガスを通気させた後、封じ込め状態とするようにすればよい。具体的には、ノルマルオープンの自動弁75、53を閉としてパージガスを封印させる。
【0045】
空気側の操作も同様であり、停止後の再起動に備えて、SOFC13を高温状態で保持したい場合には、空気側を封じ込め状態とするようにすればよい。具体的には、ノルマルオープンの自動弁63を閉としてパージガスを封印させる。
【0046】
以上、本実施例によれば、通常の停止操作及びインターロック発生時における緊急停止操作を兼ね備えた制御が可能となり、システム故障等の重篤な場合においてもパージ、冷却が可能となる。
【0047】
さらに、重篤なトリップ等におけるインターロック発生時用にバックアップ設備を別途設けることが必要なくなり、コンパクトな燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムを提供することができる。
【実施例2】
【0048】
本発明による実施例2に係る燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム10Bについて、図面を参照して説明する。
実施例1の燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム10Aでは、吐出空気18Aのみで冷却しているが、本実施例では、別途空気を供給するようにしている。
【0049】
本実施例に係る燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム10Bでは、実施例1において、さらに吐出空気流路(空気供給ライン)L2に冷却空気91をブロア92により外部から供給する自動弁93を介装した空気供給ラインL12を設けている。
【0050】
そして、常圧まで降温後にブロワ92等の送風機から冷却空気91を投入し、内部の冷却促進を図るようにしている。
【符号の説明】
【0051】
10A、10B 燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム
11 ガスタービン
12 発電機
13 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
14 圧縮機
15 燃焼ガス
16 ガスタービン燃焼器
17 タービン
18 空気
18A 吐出空気
18B 排出空気
21、22 自動弁
31 燃料ガス
31A 排燃料ガス
81 第1のオリフィス
82 第2のオリフィス
83 第3のオリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気極及び燃料極を有する固体酸化物形燃料電池(SOFC)と、ガスタービンとを備えた燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムであって、
ガスタービンの圧縮機からの吐出空気をSOFC側に供給するノルマルクローズの自動弁を介装した吐出空気流路と、
SOFCから排出される排出空気をガスタービン燃焼器に供給する排出空気流路と、
前記排出空気流路から分岐され、外部に排出空気を放出するノルマルオープンの自動弁及び第1のオリフィスを介装した分岐排出空気流路と、
燃料ガスをSOFC側に供給するノルマルクローズの自動弁を介装した燃料ガス流路と、
SOFCの燃料極側から排出される排燃料ガスをガスタービン燃焼器に供給するノルマルクローズの自動弁を介装した排燃料ガス流路と、
前記排燃料ガス流路から分岐され、ノルマルオープンの自動弁及び第2のオリフィスを介装した分岐排燃料ガス流路と、
燃料ガス流路のノルマルクローズの自動弁と、SOFCとの間に導入されるパージガスを供給するパージガス供給手段と、
前記分岐排出空気流路のノルマルオープンの自動弁と前記第1のオリフィスとの間に前記分岐排燃料ガス流路が合流する合流部とを具備することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記パージガス供給手段は、
パージガスボンベと、該パージガスボンベからパージガスを前記燃料ガス流路に供給するノルマルオープンの自動弁を介装したパージガス供給ラインと、
前記ノルマルオープンの自動弁の前流側に介装された第3のオリフィスと、
前記第3のオリフィスの前後に設けられた減圧弁及び背圧弁とを具備することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記分岐排燃料ガス流路と前記分岐排出空気流路との合流部に、触媒装置を設けてなることを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記第2のオリフィスに逆火防止装置を設けてなることを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記吐出空気流路のノルマルクローズの自動弁の後流側に、冷却空気を導入する冷却空気供給手段を設けてなることを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
前記排燃料ガス流路から排燃料ガスを燃料ガス流路側に再循環させる再循環ブロア及びノルマルクローズの自動弁を介装した再循環流路を設け、
前記パージガス供給手段からのパージガスを燃料ガス流路の代わりに、前記再循環流路に供給することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムを用い、
燃料電池停止の際に、
ノルマルオープンの自動弁を開くと共に、
ノルマルクローズの自動弁を閉とし、
前記パージガス供給手段から燃料ガス流路にパージガスを供給し、
前記分岐排出空気流路の前記第1のオリフィスを介して排出される排出空気に、パージガスを前記第2のオリフィスを介して合流させ、同一箇所から合流したガスを降圧させつつ外部に排出することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムの燃料電池の停止方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−227064(P2012−227064A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95477(P2011−95477)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度〜平成22年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「固体酸化物形燃料電池システム要素技術開発実用性向上のための技術開発 超効率運転のための高圧運転技術」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】