説明

燃料電池及び燃料電池の製造方法

【課題】膜電極接合体や電解質膜の膨潤、収縮を抑制し易い燃料電池の構造を提供する。
【解決手段】燃料電池は、膜電極接合体120と、膜電極接合体の外縁部に配置されるアノード側変形部材163及びカソード側変形部材162と、膜電極接合体とアノード側変形部材163及びカソード側変形部材162と、を挟持するガス拡散層142、143と、を備えている。アノード側変形部材の吸水性を、カソード側変形部材の吸水性よりも大きくすることにより、膜電極接合体や電解質膜の膨潤、収縮を抑制し易い構造となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の電解質膜と触媒層との外縁部に、電解質膜の厚さ方向に印加される押圧力により弾性変形する補強部材を設けた燃料電池が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−068318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、膜電極接合体とガス拡散層との間の端部に生じる隙間を基点とする膨潤、収縮による電解質膜の変形を抑制し難い、という問題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、膜電極接合体や電解質膜の膨潤、収縮を抑制し易い燃料電池の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
燃料電池であって、膜電極接合体と、前記膜電極接合体の外縁部に配置されるアノード側変形部材及びカソード側変形部材と、前記膜電極接合体と前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材と、を挟持するガス拡散層と、を備え、前記アノード側変形部材の吸水性は、前記カソード側変形部材の吸水性よりも大きい、燃料電池。
この適用例によれば、変形部材が生成水を吸収すると共に、膜電極接合体が乾燥したときには、変形部材が保水層として水を供給するため、膜電極接合体の膨潤や乾燥による収縮を抑制し易い。また、カソードで生成した生成水をアノードに移動させてアノード側変形部材に吸収させることができるので、カソードでの応力発生を抑制し易い。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載の燃料電池において、前記カソード側変形部材及び前記アノード側変形部材は、スルホン酸基を含む電解質により形成されており、前記アノード側変形部材のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量は、前記カソード側変形部材のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量よりも小さい、燃料電池。
この適用例によれば、スルホン酸基1モル当たりの乾燥重量を小さくすることにより、極性が強い生成水を吸水し易くできる。
【0009】
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の燃料電池において、さらに、前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材の外縁の外側に隣接して配置されるガス不透過層を備え、前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材に対して圧力を掛けたときの変形量は、前記ガス不透過層に圧力を掛けたときの変形量よりも大きい、燃料電池。
この適用例によれば、アノード側変形部材及びカソード側変形部材を大きく変形させることができる。
【0010】
[適用例4]
適用例1から適用例3までのうちのいずれか一項に記載の燃料電池において、前記燃料電池は、前記膜電極接合体と前記ガス拡散層との接合時において、前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材のガラス転移温度以上に昇温されている、燃料電池。
この適用例によれば、アノード側変形部材及びカソード側変形部材のガラス転移温度以上に昇温することにより、アノード側変形部材及びカソード側変形部材を変形させることが出来る。
【0011】
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池の他、燃料電池の製造方法等、様々な形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施例にかかる燃料電池の構成を示す説明図である。
【図2】従来の燃料電池の発電ユニットの膜電極接合体近傍を示す説明図である。
【図3】変形部材を備えガス拡散層を熱圧着する前の膜電極接合体を示す説明図である。
【図4】ガス拡散層を熱圧着した後の膜電極接合体を示す説明図である。
【図5】変形部材を有する膜電極接合体の製造工程を示す説明図である。
【図6】第2の実施例の膜電極接合体の製造工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施例]
図1は、第1の実施例にかかる燃料電池の構成を示す説明図である。燃料電池10は、直列電池100と、集電板200、201と、絶縁板210、211と、押圧プレート220と、エンドプレート230、231と、テンションロッド240と、ナット250と、押圧バネ260と、を備える。
【0014】
直列電池100は、複数の発電ユニット110を備えている。各発電ユニット110は、それぞれが1個の単電池である。発電ユニット110は、積層されて直列に接続されており、直列電池100として高電圧を発生させる。集電板200、201は、直列電池100の両側にそれぞれ配置されており、直列電池100が発生した電圧、電流を外部に取り出すために用いられる。絶縁板210、211は、それぞれ集電板200、201のさらに外側に配置されており、集電板200、201と、他の部材、例えばエンドプレート230、231やテンションロッド240と、の間に電流が流れないように、絶縁する。エンドプレート230と押圧プレート220は、それぞれ絶縁板210、211のさらに外側に配置されている。押圧プレート220のさらに外側には、押圧バネ260が配置され、押圧バネ260のさらに外側にエンドプレート231が配置されている。エンドプレート231は、テンションロッド240とナット250により、エンドプレート230から所定の間隔となるように配置される。この場合、押圧バネ260により、押圧プレート220は、絶縁板211方向に押圧され、発電ユニット110に所定の締結力を与える。
【0015】
図2は、従来の燃料電池の発電ユニットの膜電極接合体近傍を示す説明図である。発電ユニット110は、膜電極接合体120と、カソード側ガス不透過層132と、アノード側ガス不透過層133と、カソード側ガス拡散層142と、アノード側ガス拡散層143と、を備える。膜電極接合体120は、電解質膜121と、カソード側触媒層122と、アノード側触媒層123と、を備える。
【0016】
電解質膜121は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマなどのフッ素系樹脂から成るプロトン伝導性のイオン交換膜である。カソード側触媒層122とアノード側触媒層123は、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金触媒、あるいは白金と他の金属から成る白金合金触媒を含んでいる。カソード側触媒層122は電解質膜121の一方の面に形成され、アノード側触媒層123は、電解質膜121の他方の面に形成されている。
【0017】
カソード側ガス不透過層132は、カソード側触媒層122の外縁部に形成されている。カソード側ガス不透過層132は、膜電極接合体120の外縁部におけるカソード側ガス拡散層142から膜電極接合体120への酸化ガスの透過を抑制する。一般的に、電解質膜120に乾湿サイクルが加わった場合、膜電極接合体120の端部は、膜電極接合体120の中央部に比べると電解質膜121の膨潤及び乾燥による収縮により応力が加わりやすく変形し易い。そのため、かかる外縁部に反応ガスを供給させないようにしているものである。アノード側ガス不透過層133についても、同様に、アノード側触媒層123の外縁部に形成されている。
【0018】
カソード側ガス拡散層142は、カソード側触媒層122に接するように配置されている。カソード側ガス拡散層142、酸化ガスを通過させるとともに、酸化ガスを拡散してカソード側触媒層122に供給するための部材である。カソード側ガス拡散層142は、カソード側触媒層122側から、マイクロポーラスレイヤー(MPL)と、カーボン基材層と、金属多孔体層と、を有する。マイクロポーラスレイヤーは、微細カーボン粉末とフッ素樹脂とを混練して形成されている。マイクロポーラスレイヤーは、例えばカーボンクロスで形成されたカーボン基材層に塗布されている。金属多孔体層は、チタンなどの金属で構成された多孔体で形成されている。なお、金属多孔体層として、エキスパンドメタルを用いてもよい。なお、図2においては、マイクロポーラスレイヤー(MPL)と、カーボン基材層と、金属多孔体層と、を区別して図示していない。アノードについても、同様な構成のアノード側ガス拡散層143を備えている。
【0019】
なお、発電ユニット110は、カソード側ガス拡散層142からアノード側ガス拡散層143までを挟持するセパレータプレートを有しているが、図2においては図示していない。
【0020】
図2において、カソード側ガス不透過層132の厚さは約10μmである。なお、カソード側ガス不透過層132の厚さとしては、10μm以外の値を採用してもよい。カソード側ガス不透過層132の内側(膜電極接合体120の中央方向)には、隙間152が形成されている。なお、隙間152は、カソード側ガス不透過層132が変形しにくいために生じるものである。隙間152の中央方向への長さは約500μmである。この隙間152においては、膜電極接合体120に、カソード側ガス拡散層142からの面圧がかからない。そのため、発電ユニット110に、乾湿サイクルが加わると、膜電極接合体120が伸縮し、膜電極接合体120に応力がかかる。この伸縮が繰り返されると、膜電極接合体120が裂け、あるいは、反応ガスの膜電極接合体120の透過につながる。なお、アノード側においても同様の隙間153が形成される。
【0021】
図3は、変形部材を備え、ガス拡散層を熱圧着する前の膜電極接合体を示す説明図である。カソード側変形部材162は、スルホン酸基を含む電解質で形成されている。ここで、カソード側変形部材162を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWCAは、電解質膜121を形成する電解質のEWMEAよりも小さい。ここで、カソード側変形部材162の断面積は、6000μm(厚さ20μm×幅300μmの長方形)であり、隙間152の断面積5000μm(厚さ10μm×幅500μmの略三角形)よりも大きい。カソード側変形部材162や隙間152には奥行きがあるので、変形部材162の体積は、隙間152の容積よりも大きい。アノード側についても同様の構成のアノード側変形部材163を備える。なお、アノード側変形部材163を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWANは、カソード側変形部材を形成する電解質のEWCAよりも小さく形成されている。
【0022】
図4は、ガス拡散層を熱圧着した後の膜電極接合体を示す説明図である。この状態では、隙間152が形成される部分に、変形部材162が入り込んで埋めており、膜電極接合体120と、ガス拡散層142と、の間に空隙が生じていない。なお、隙間153が形成される部分においても、変形部材163が入り込んで埋めており、膜電極接合体120と、ガス拡散層143と、の間にも空隙が生じていない。
【0023】
図5は、変形部材を有する膜電極接合体の製造工程を示す説明図である。ステップS500では、隙間152、153の大きさ(断面積)を算出する。実施例で用いる膜電極接合体120と、ガス不透過層132、133、と、ガス拡散層142、143の構成から隙間152、153の大きさ(隙間152の幅)を例えば有限要素法(FEM:Finite Element Method)により算出してもよい。また、膜電極接合体120と、ガス不透過層132と、ガス拡散層142を用いてガス拡散層142が接合された膜電極接合体120を作成し、膜電極接合体120に掛かる面圧を測定して、隙間152の幅を算出してもよい。隙間153についても同様である。
【0024】
ステップS510では、膜電極接合体120の外縁部にガス不透過層132、133を配置する。次いでステップS520では、ガス不透過層132、133の内側の膜電極接合体120上に変形部材162、163を配置する。上述したように、変形部材162、163の断面積は、ステップS500において算出した隙間152、153の断面積よりも大きいことが好ましい。また、電解質膜121のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWMEA、カソード側変形部材162のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWCA、アノード側変形部材163のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWANの間には、EWAN<EWCA<EWMEAの関係があることが好ましい。また、発電ユニット110の使用温度(−30℃〜120℃)の範囲内において、変形部材162、163に圧力を掛けたときの変形量は、ガス不透過層132、133に圧力を掛けたときの変形量よりも大きいことが好ましい。これにより、以後の工程において、ガス不透過層132、133を変形させずに、変形部材162、163を大きく変形させることができる。なお、本実施例では、圧力を掛けた時の変形量を比較しているが、ヤング率を用いてもよい。
【0025】
ステップS530では、ガス不透過層132、133及び変形部材162、163を挟持するようにガス拡散層142、143を配置する。ステップS540では、カソード側変形部材162、アノード側変形部材163のガラス転移温度以上の熱を加えながらカソード側ガス拡散層142とアノード側ガス拡散層143の間に圧力を加える。カソード側変形部材162、アノード側変形部材163は軟化し、それぞれ隙間152、153ができるはずの空間に入り込み、該空間を埋める。なお、カソード側触媒層122、アノード側触媒層123に外縁部にヒビが生じていた場合には、このヒビの隙間にも、軟化したカソード側変形部材162、アノード側変形部材163が侵入する。
【0026】
本実施例によれば、膜電極接合体120と、ガス拡散層142、143との間に隙間が生じないので、ガス拡散層142、143からの締結面圧が膜電極接合体120に伝わる。その結果、膜電極接合体120に乾湿サイクルが加わっても、膜電極接合体120が変形しにくくなる。
【0027】
カソード側触媒層122、アノード側触媒層123に外縁部にヒビが生じていた場合には、このヒビの隙間にも、軟化したカソード側変形部材162、アノード側変形部材163が侵入し、ヒビを埋める。その結果、カソード側触媒層122、アノード側触媒層123が割れにくくなる。
【0028】
また、変形部材162、163には、反応ガスが侵入しにくくなるため、変形部材162、163の下部の膜電極接合体120において電気化学反応が起こりにくくなる。その結果、変形部材162、163の下部において、生成水が生じ難くなり、膜電極接合体120が膨潤し難くなる。
【0029】
以上の理由により、膜電極接合体120の外縁部近傍で膜電極接合体120に応力が加わりにくく、膜電極接合体120の膨潤も起こりにくくなる。その結果、ガス不透過層132、133と膜電極接合体120との間の剥がれを抑制でき、反応ガスのリークも抑制できる。
【0030】
また、本実施例では、変形部材162、163を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量は、電解質膜121を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量よりも小さい。ここで、電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量が小さいと、電解質の単位重量当たりのスルホン酸基のモル等量が大きくなる。スルホン酸基は、極性が強いので、極性が強い水を吸収し易い。すなわち、発電により生成した生成水は、変形部材162、163に吸収され易い。その結果、変形部材162、163が吸水するため、電解質膜121の膨潤率を下げることができる。なお、変形部材162、163や電解質膜121の吸水性は、例えば、乾燥させた変形部材162、163や電解質膜121を一定期間水に浸し、水に浸す前後の重量比を測定することにより、求めることができる。
【0031】
また、変形部材162、163が保水しているため、電解質膜121が乾燥しそうになると、変形部材162、163から電解質膜121に水を供給して、電解質膜121の乾燥を抑制し、電解質膜121が収縮することを抑制し、電解質膜121に掛かる引張応力を小さくすることができる。
【0032】
また、本実施例では、アノード側変形部材163を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWANは、カソード側変形部材162を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWCAよりも小さいため、アノード側変形部材163は、カソード側変形部材162よりも吸水しやすい。すなわち、カソードで生成した生成水をアノード側に移動させて、アノード側変形部材163に吸水させることができるので、カソード側において発生する応力の大きさを小さくすることができる。
【0033】
[第2の実施例]
図6は第2の実施例の膜電極接合体の製造工程を示す説明図である。第1の実施例では、膜電極接合体120の外縁部にガス不透過層132、133を備えていたが、第2の実施例では、ガス不透過層132、133を備えていない点が異なる。
【0034】
工程(a)では、膜電極接合体120上の外縁部に変形部材162、163を配置する。電解質膜121のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWMEA、カソード側変形部材162のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWCA、アノード側変形部材163のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量EWANの間には、EWAN<EWCA<EWMEAの関係があることが好ましい。工程(b)では、変形部材162、163を挟持するようにガス拡散層142、143を配置する。工程(c)では、カソード側変形部材162、アノード側変形部材163のガラス転移温度以上の熱を加えながらカソード側ガス拡散層142とアノード側ガス拡散層143の間に圧力を加える。
【0035】
第2の実施例によれば、ガス不透過層132、133を備えていない構成であっても、変形部材162、163を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量は、電解質膜121を形成する電解質のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量よりも小さいので、発電により生成した生成水は、変形部材162、163に吸収され易い。すなわち、変形部材162、163が吸水するため、電解質膜121の膨潤率を下げることができる。
【0036】
また、変形部材162、163が保水しているため、電解質膜121が乾燥しそうになると、変形部材162、163から電解質膜121に水を供給して、電解質膜121の乾燥を抑制し、電解質膜121が収縮することを抑制し、電解質膜121に掛かる引張応力を小さくすることができる。
【0037】
また、第2の実施例でも、第1の実施例と同様に、カソードで生成した生成水をアノード側に移動させて、アノード側変形部材163に吸水させることができるので、カソード側において発生する応力の大きさを小さくすることができる。
【0038】
上記各実施例では、変形部材162、163の材料として、スルホン酸系の電解質を用いているが、保水性を有し、電解質膜121が乾燥したときに電解質膜121へ水を供給できる構成であれば、他の構成を採用することも可能である。例えば、リン酸系の電解質を採用してもよい。
【0039】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【符号の説明】
【0040】
10…燃料電池
100…直列電池
110…発電ユニット
120…膜電極接合体
121…電解質膜
122…カソード側触媒層
123…アノード側触媒層
132…カソード側ガス不透過層
133…アノード側ガス不透過層
142…カソード側ガス拡散層
143…アノード側ガス拡散層
152、153…隙間
162…カソード側変形部材
163…アノード側変形部材
200、201…集電板
210、211…絶縁板
220…押圧プレート
230、231…エンドプレート
240…テンションロッド
250…ナット
260…押圧バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池であって、
膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の外縁部に配置されるアノード側変形部材及びカソード側変形部材と、
前記膜電極接合体と前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材と、を挟持するガス拡散層と、
を備え、
前記アノード側変形部材の吸水性は、前記カソード側変形部材の吸水性よりも大きい、燃料電池。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池において、
前記カソード側変形部材及び前記アノード側変形部材は、スルホン酸基を含む電解質により形成されており、
前記アノード側変形部材のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量は、前記カソード側変形部材のスルホン酸基1モル当たりの乾燥重量よりも小さい、燃料電池。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料電池において、さらに、
前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材の外縁の外側に隣接して配置されるガス不透過層を備え、
前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材に対して圧力を掛けたときの変形量は、前記ガス不透過層に圧力を掛けたときの変形量よりも大きい、燃料電池。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのうちのいずれか一項に記載の燃料電池において、
前記燃料電池は、前記膜電極接合体と前記ガス拡散層との接合時において、前記アノード側変形部材及び前記カソード側変形部材のガラス転移温度以上に昇温されている、燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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