説明

燃料電池及び燃料電池装置

【課題】ガス拡散層内部に酸化剤や還元剤の燃料ガスや液体燃料などの流体を行き渡らせることで発電面の出力のばらつきを抑え、効率的に発電することができると共に、ガス拡散層に滞留した不純ガスを確実に排出して、十分な発電量を得ることができる燃料電池及び燃料電池装置を提供する。
【解決手段】膜電極接合体10と、燃料を拡散させてアノード触媒層12に供給するガス拡散層40と、アノード触媒層12に向けて突出したノズル52が設けられた流体供給部50と、ノズル52の先端部からガス拡散層40の面方向に延設された拡散板53と、ガス拡散層40に供給された燃料により押し退けられた不純ガスを収容する収容部55a、55bとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池及び水素発生装置を備えた燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池として、電解質膜の両面側にアノード触媒層及びカソード触媒層が設けられた固体高分子電解質膜を有し、固体高分子電解質膜の両面側に導電性繊維状部材から形成されたガス拡散層が設けられたものが知られている。ガス拡散層は、酸化剤や還元剤などの燃料の流通を阻害させずに拡散させるためのものであり、例えば、カーボン製の繊維などで構成されている。
【0003】
ガス拡散層に酸化剤や還元剤などの燃料を供給する態様によっては、燃料がガス拡散層内部に均等に拡散せず、発電面において出力のばらつきが生じ、効率的な発電を行うことが困難であるという問題が生じる。例えば、燃料をアノード触媒層の表面に沿って供給すると、アノード触媒層の全面を効率よく使用することができなくなり、発電量が低下してしまう。
【0004】
そこで、アノード触媒層の表面に燃料を吹き付けるように供給するアノード流体流路を設けた燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る燃料電池においては、アノード触媒層の表面に吹き付けられた燃料が、アノード触媒層で反射し、アノード触媒層から離れる方向に拡散してしまい、発電量の向上が見込めない虞がある。
【0006】
また、特許文献1に係る燃料電池は、ガス拡散層に滞留している不純ガス(発電停止時に電解質膜を介して混入した大気中の空気、特に不活性ガスである窒素。)を、ガス拡散層に供給された燃料で押し退けて排出するように構成されているが、その燃料がアノード触媒層から離れる方向に拡散すると、そのような不純ガスの排出が行われず、十分な発電量を得ることができない虞がある。
【0007】
なお、燃料をアノード触媒層から離れる方向に拡散してしまう問題は、ガス拡散層が設けられていない燃料電池においても同様に存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2010/050377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、ガス拡散層内部に酸化剤や還元剤の燃料ガスや液体燃料などの流体を行き渡らせることで発電面の出力のばらつきを抑え、効率的に発電することができる燃料電池及び燃料電池装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、ガス拡散層に滞留した不純ガスを確実に排出して、十分な発電量を得ることができる燃料電池及び燃料電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、電解質と、該電解質の両面にそれぞれ接する触媒層と、前記触媒層に向けて流体を供給する供給流路とを備え、前記供給流路には、前記触媒層に向けて供給された流体を前記触媒層の面方向に拡散させる拡散手段が設けられていることを特徴とする燃料電池にある。
【0012】
かかる第1の態様では、触媒層に供給された流体を、拡散手段により、触媒層に接触させながら当該触媒層の面方向に拡散させることができる。すなわち、触媒層に供給された流体が、触媒層で反射してしまい、触媒層から離れる方向に拡散してしまうことが防止され、流体を触媒層全体に亘って均一に供給することができる。これにより、触媒層の表面の全面を利用して発電させることができ、発電量が向上した燃料電池が提供される。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する燃料電池において、前記触媒層に向けて突出したノズルが設けられた流体供給部を備え、前記供給流路は、前記ノズルの先端部から前記流体を噴射するように構成され、前記拡散手段は、前記ノズルの先端部から前記触媒層の面方向に延設された拡散板であることを特徴とする燃料電池にある。
【0014】
かかる第2の態様では、拡散手段として拡散板を用いることで、ノズルの先端部から供給された流体を触媒層の面方向により確実に拡散させることができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載する燃料電池において、前記拡散板は、前記触媒層側に向けて先鋭化したテーパ形状を有することを特徴とする燃料電池にある。
【0016】
かかる第3の態様では、流体が面方向に拡散する際の流路抵抗は、供給流路から離れるほど小さくなる。したがって、供給流路から供給された流体を触媒層の面方向の外側に拡散させやすくなり、触媒層の全面に流体をより確実に行き渡らせることができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、第2又は第3の態様に記載する燃料電池において、前記触媒層と前記供給流路との間に前記流体を拡散するガス拡散層が設けられ、前記ノズルの先端部及び前記拡散板は、前記ガス拡散層に接触していることを特徴とする燃料電池にある。
【0018】
かかる第4の態様では、ガス拡散層により、流体を触媒層の面方向に拡散させることができ、かつ拡散板により流体が触媒層から離れる方向に拡散することを防止できる。また、当該流体によりガス拡散層に滞留している気体を排出することができる。
【0019】
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載する燃料電池において、前記ガス拡散層は、前記ノズルの先端部に対向する領域から、当該ガス拡散層の面方向の外側に向けて空孔率が高くなっていることを特徴とする燃料電池にある。
【0020】
かかる第5の態様では、ガス拡散層において流体が面方向に拡散する際の流路抵抗は、供給流路から離れるほど小さくなる。したがって、供給流路から供給された流体をガス拡散層の面方向の外側に拡散させやすくなり、触媒層の全面に燃料をより確実に行き渡らせることができる。
【0021】
本発明の第6の態様は、第1の態様に記載する燃料電池において、前記触媒層に向けて突出したノズルが設けられた流体供給部を備え、前記供給流路は、前記ノズルの先端部から前記流体を噴射するように構成され、前記拡散手段は、前記触媒層と前記供給流路との間に前記流体を拡散するガス拡散層を設け、前記ガス拡散層の前記供給流路側の空孔率を前記触媒層側の空孔率よりも低くすることにより構成されていることを特徴とする燃料電池にある。
【0022】
かかる第6の態様では、ガス拡散層の供給流路側の空孔率が低い上層は、空孔率が低く、すなわち流路抵抗が高いので、上層側には拡散しにくい。したがって、流体は、触媒層から離れる方向に拡散しようとしても、当該上層により阻止され、ガス拡散層の面方向に拡散される。
【0023】
本発明の第7の態様は、第4〜第6の何れか一つの態様に記載する燃料電池において、前記ガス拡散層に供給された流体により押し退けられた気体が収容される収容部が設けられていることを特徴とする燃料電池にある。
【0024】
かかる第7の態様では、ガス拡散層に供給された流体により押し退けられた気体を収容部で収容することができる。これによりガス拡散層を流体リッチとすることができ、発電量を向上することができる。
【0025】
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載する燃料電池において、前記収容部は、前記ガス拡散層に面した開口部を有し、当該開口部の開口面積は、前記供給流路の開口面積よりも大きいことを特徴とする燃料電池にある。
【0026】
かかる第8の態様では、供給流路から噴射される流体の流速を速くすることができ、かつ、開口部を介して収容部に気体をより確実に収容することができる。
【0027】
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載する燃料電池において、前記収容部のガス拡散層に面した開口部には、前記気体が収容部に収容される方向に開放する逆止弁が設けられていることを特徴とする燃料電池にある。
【0028】
かかる第9の態様では、収容部に収容された気体がガス拡散層側に逆流することを防止できる。
【0029】
本発明の第10の態様は、第7〜第9の何れか一つの態様に記載する燃料電池において、前記収容部には、前記収容部に収容された気体を回収して収容する貯留手段が設けられていることを特徴とする燃料電池にある。
【0030】
かかる第10の態様では、より多くの気体を収容部に収容できる。
【0031】
本発明の第11の態様は、第10の態様に記載する燃料電池において、前記貯留手段は、中空部材であり、前記収容部は当該中空部材に連通していることを特徴とする燃料電池にある。
【0032】
かかる第11の態様では、外部の貯留部に、より多くの気体を収容できる。
【0033】
本発明の第12の態様は、第10の態様に記載する燃料電池において、前記流体供給部との間に、前記供給流路に供給される気体が貯留されるバッファ部を画成するバッファ形成部材と、前記バッファ部に配設され、前記流体供給部と前記バッファ形成部材とに挟持された支持部材とを備え、前記貯留手段は、中空部材であり、前記収容部は、前記バッファ形成部材、前記支持部材及び前記流体供給部に設けられた貫通孔を介して前記中空部材に連通していることを特徴とする燃料電池にある。
【0034】
かかる第12の態様では、外部の貯留部に、より多くの気体を収容できると共に、燃料電池の強度を向上することができる。
【0035】
本発明の第13の態様は、第1〜第12の何れか一つの態様に記載する燃料電池と、前記流体である燃料を前記燃料電池に供給する燃料供給手段とを具備することを特徴とする燃料電池装置にある。
【0036】
かかる第13の態様では、効率的に発電することができる燃料電池装置が提供される。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、ガス拡散層内部に酸化剤や還元剤の燃料ガスや液体燃料などの流体を行き渡らせることで発電面の出力のばらつきを抑え、効率的に発電することができる燃料電池及び燃料電池装置が提供される。
【0038】
また、本発明によれば、ガス拡散層に滞留した不純ガスを確実に排出して、十分な発電量を得ることができる燃料電池及び燃料電池装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料電池装置の概略構成図である。
【図2】実施形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。
【図3】実施形態1に係る燃料電池の断面図である。
【図4】アノード触媒層に供給される燃料の流れを示す図である。
【図5】拡散板の変形例を示す断面図である。
【図6】供給流路の変形例を示す図である。
【図7】実施形態2に係る燃料電池の分解斜視図である。
【図8】実施形態2に係る燃料電池の断面図である。
【図9】拡散板の変形例を示す図である。
【図10】拡散板の変形例を示す図である。
【図11】ガス拡散層の変形例を示す図である。
【図12】実施形態3に係る燃料電池の分解斜視図である。
【図13】実施形態3に係る燃料電池の断面図である。
【図14】実施形態4に係る燃料電池の分解斜視図である。
【図15】実施形態4に係る燃料電池の断面図である。
【図16】実施形態5に係る燃料電池の分解斜視図である。
【図17】実施形態5に係る燃料電池の断面図である。
【図18】実施形態6に係る燃料電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池装置の概略構成を示す図である。同図に示すように、燃料電池装置1は、燃料電池2と、燃料供給手段3と、制御回路4とを備えている。
【0041】
燃料供給手段3は、燃料電池2のアノード側に燃料(流体)を供給するものである。燃料としては水素が最適であり、具体的には、水素吸蔵合金や、水素を封入したボンベなどが挙げられる。また、燃料供給手段3は、水素を発生させるものであってもよく、例えば、水素発生物質と水素発生促進物質とを混合して水素を発生させる構成が挙げられる。水素発生物質としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素発生促進物質としては、例えば、リンゴ酸水溶液を用いることができる。また、燃料としてメタノールなどの溶液を供給してもよい。
【0042】
制御回路4は、燃料電池2の発電状況及び発電した電力の出力状況を制御するものであり、燃料電池装置1は、制御回路4を介して使用機器(図示せず)に接続される。
【0043】
ここで、燃料電池2について図2及び図3を参照して詳細に説明する。図2は、実施形態1に係る燃料電池の分解斜視図であり、図3は、実施形態1に係る燃料電池の断面図である。
【0044】
図2及び図3に示すように、燃料電池2は、電解質として固体高分子電解質膜11と、固体高分子電解質膜11の両面側に設けられたアノード触媒層12及びカソード触媒層13とで構成された膜電極接合体10(以下、MEAと言う)を具備する。
【0045】
MEA10の各面には、アノード部材20とカソード部材30とが設けられている。すなわち、MEA10は、アノード部材20とカソード部材30との間に挟持されている。
【0046】
カソード部材30は、MEA10のカソード触媒層13側に設けられた板状部材からなる。カソード部材30には、カソード触媒層13にカソード側の流体として酸化剤(酸素を含む空気)を供給するカソード流体流路31が設けられている。このカソード流体流路31は、本実施形態では、カソード部材30のカソード触媒層13側に開口する凹形状を有し、カソード流体流路31の底面には、カソード流体流路31内に空気を供給するためのカソード流体導入口32が設けられている。カソード流体導入口32の形状は、図2の形状に限定されず、膜電極接合体10をアノード部材20の方向に押さえ、外部の酸化剤(酸素を含む空気)を取り込む機能が備わっていれば良い。
【0047】
アノード部材20は、バッファ形成部材の一例であり、アノード触媒層12側に開口する凹部が形成された板状部材から構成されている。アノード部材20は、MEA10のアノード触媒層12側に設けられ、当該凹部と後述する流体供給部50とでバッファ部21を画成する。また、アノード部材20には、バッファ部21の底面に厚さ方向に貫通して設けられたアノード流体導入口22が設けられている。
【0048】
バッファ部21は、アノード触媒層12の表面積と同等の開口面積を有する。そして、バッファ部21内には、アノード流体導入口22を介して燃料が供給される。
【0049】
また、アノード部材20とMEA10との間には、バッファ部21内の燃料をアノード触媒層12に供給する流体供給部50とが設けられている。
【0050】
流体供給部50は、MEA10のアノード触媒層12側に設けられた板状の基板部56と、基板部56からアノード触媒層12に向けて突出したノズル52とを備えている。基板部56は、アノード部材20の凹部を封止してバッファ部21を画成している。また、ノズル52には、ノズル52の先端部から燃料を噴射するように構成された供給流路51が設けられている。
【0051】
具体的には、ノズル52は、基板部56の面方向に延設された長尺の突起であり、供給流路51は、ノズル52の先端部に開口するように基板部56及びノズル52を貫通する貫通孔である。供給流路51の開口形状は、溝状になっている。本実施形態では、流体供給部50は、基板部56に設けられた2本のノズル52と、各ノズル52に一つずつ設けられた供給流路51とから構成されている。
【0052】
さらに、ノズル52には、拡散手段として、ノズル52の先端部からアノード触媒層12の面方向に延設された拡散板53が設けられている。本実施形態では、拡散板53は、平板状部材から構成され、ノズル52の先端部(供給流路51の開口部)及び拡散板53の間は、アノード触媒層12から若干の隙間を空けて配設されている。
【0053】
図4を用いて、アノード触媒層12に供給される燃料について説明する。図示するように、供給流路51に導入された燃料は、アノード触媒層12に向けて噴射され、アノード触媒層12と拡散板53との隙間を通って面方向に拡散する。このとき、燃料がアノード触媒層12に反射したとしても拡散板53により押し戻され、アノード触媒層12の表面に接触しながら面方向に拡散していく。すなわち、拡散板53は、燃料をアノード触媒層12に接触させながら面方向に案内する機能を果たす。
【0054】
なお、アノード部材20には、アノード触媒層12と流体供給部50の基板部56とで画成された空間に連通する溝部23が設けられており、アノード触媒層12で反応しきれなかった燃料は、溝部23を介して外部に排出されるようになっている。
【0055】
以上に説明したように、本実施形態に係る燃料電池2は、バッファ部21から供給流路51を経てアノード触媒層12に噴射された燃料を、拡散板53により、アノード触媒層12に接触させながらアノード触媒層12の面方向に拡散させることができる。これにより、供給流路51から供給された燃料が、アノード触媒層12で反射してしまい、アノード触媒層12から離れる方向に拡散してしまうことが防止され、燃料をアノード触媒層12全体に亘って均一に供給することができる。これにより、アノード触媒層12の表面の全面を利用して発電させることができ、発電量が向上した燃料電池2が提供される。
【0056】
なお、供給流路51の圧力損失は、アノード流体導入口22から各供給流路51までの圧力損失よりも大きくなるように設けられている。具体的には、本実施形態では、バッファ部21を複数の供給流路51に共通して連通する大きさ(アノード触媒層12の表面と同等の開口面積)で設け、供給流路51の開口面積(断面積)をバッファ部21の開口面積よりも大幅に小さくすることで、供給流路51の圧力損失をバッファ部21のアノード流体導入口22から各供給流路51までの圧力損失よりも大きくしている。このように供給流路51の圧力損失を大きくすることで、バッファ部21内に供給された燃料を、アノード触媒層12の表面に向かって所望の圧力で噴射するように供給することができる。また、供給流路51の大きさ(開口面積)や、数及び位置などは特に限定されない。
【0057】
また、拡散板53の形状は、上述したように平板状部材に限定されない。図5に、拡散板53の変形例を示す。同図に示すように、拡散板53は、アノード触媒層12に向けて先鋭化したテーパ形状を有している。このような形状の拡散板53をノズル52に設けることで、拡散板53とアノード触媒層12との隙間の高さは、供給流路51側が低く、供給流路51から離れるほど高くなる。このため、燃料が面方向に拡散する際の流路抵抗は、供給流路51から離れるほど小さくなる。したがって、供給流路51から供給された燃料をアノード触媒層12の面方向の外側に拡散させやすくなり、アノード触媒層12の全面に燃料をより確実に行き渡らせることができる。
【0058】
また、供給流路51の開口は溝状であったが、これに限定されない。図6は、供給流路の変形例を示す図である。同図に示すように、供給流路51は、円形の開口を有する貫通孔であり、一つのノズル52に複数の供給流路51が設けられている。この場合においても、供給流路51から供給された燃料を、拡散板53により、アノード触媒層12に接触させながら面方向に拡散させることができる。
【0059】
〈実施形態2〉
実施形態1では、ノズル52は、アノード触媒層12から隙間ができるように配設されていたが、これに限らず、ノズル52とアノード触媒層12との間にガス拡散層が設けられていてもよい。
【0060】
図7及び図8を用いて、実施形態2に係る燃料電池について説明する。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0061】
図示するように、MEA10と流体供給部50との間には、ガス拡散層40が設けられている。
【0062】
ガス拡散層(GDL)40は、流体供給部50を介して供給された燃料を拡散し、アノード触媒層12に供給するものである。具体的には、ガス拡散層40は、燃料を透過可能な透過性を有する多孔質部材からなる。ガス拡散層40としては、例えば、金属メッシュや、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルトなどの電気伝導性を有する多孔質構造を有するものを用いることができる。
【0063】
ガス拡散層40の表面には、ノズル52の先端部及び平板状の拡散板53が接触しており、供給流路51からガス拡散層40に燃料が噴射されるようになっている。
【0064】
供給流路51に導入された燃料は、ガス拡散層40に向けて噴射され、ガス拡散層40の空孔を通って面方向に拡散する。このとき、燃料がアノード触媒層12に反射することでアノード触媒層12から離れる方向(アノード触媒層12表面に垂直な方向)に導かれようとしても、拡散板53により押し戻され、ガス拡散層40の面方向に拡散していく。すなわち、拡散板53は、燃料をアノード触媒層12に接触させるようにガス拡散層40の面方向に案内する機能を果たす。
【0065】
さらに、拡散板53により、燃料がガス拡散層40の面方向に確実に案内されるので、当該燃料でアノード触媒層12の表面に存在する不純ガス(気体)を押し退けることができる。
【0066】
ちなみに、ガス拡散層40内に不純ガスが混入していると、不純ガス(窒素)の分圧の上昇に伴い、アノード触媒層12における燃料の分圧が低下し、発電するのに十分な燃料を供給することができず発電量が低下してしまう。
【0067】
しかしながら、本実施形態の燃料電池2では、拡散板53により面方向に案内されて十分な圧力で供給された燃料により、ガス拡散層40の不純ガスを押し退けるので、燃料をアノード触媒層12の表面の全面に亘って均一に供給することができる。これにより、燃料電池2は、発電効率が向上し、特に初期電圧を高くすることができる。
【0068】
ここで、実施形態1に説明したテーパ状の拡散板53を、ガス拡散層40を設けた燃料電池2に適用してもよい。図9に、拡散板の変形例を示す。同図に示すように、拡散板53は、MEA10側に先鋭化したテーパ形状を有している。ノズル52の先端部及び拡散板53のテーパ面は、ガス拡散層40に接触している。
【0069】
また、ガス拡散層40は、ノズル52の先端部に対向する領域から、ガス拡散層40の面方向の外側に向けて連続的に空孔率が高くなっている。ここで、空孔率とは、ガス拡散層40の見かけの体積に対する空孔の割合をいう。空孔率の測定は、水銀圧入法などにより求めることができる。
【0070】
このように空孔率の差があるため、燃料が面方向に拡散する際の流路抵抗は、供給流路51から離れるほど小さくなる。したがって、供給流路51から供給された燃料をガス拡散層40の面方向の外側に拡散させやすくなり、アノード触媒層12の全面に燃料をより確実に行き渡らせることができる。
【0071】
さらに、ノズル52の先端部に対向する領域は、他の領域よりも相対的に空孔率が低く、すなわち流路抵抗が高いため、ガス拡散層40に拡散した燃料で押し退けられた不純ガスがノズル52側に戻ってくることを防止することができる。これにより、ガス拡散層40から不純ガスを確実に排出して、発電効率を向上することができる。ちなみに、ガス拡散層40のノズル52の先端部に対向する領域は、流路抵抗が高い領域となるが、当該部分には、供給流路51から十分な圧力で燃料が供給されるので、燃料が当該領域を通過しない虞はない。
【0072】
なお、上述したようなガス拡散層40の空孔率の差は、平板状のガス拡散層40を、テーパ形状を有する拡散板53で押圧することで設けることができる。拡散板53のテーパ部分がガス拡散層40にめり込むことで、空孔が押し潰され、空孔率が低下した領域が形成される。もちろん、拡散板53がガス拡散層40を押圧する場合に限定されず、任意の部材で押圧することで空孔率の差を設けてもよいし、さらに、空孔率の差は、連続的である必要はなく、離散的でもよい。他に、空孔率の異なる多孔体を用意し、一つの多孔体の一部を切り抜き、その切り抜いた部位に空孔率の異なる多孔体をはめ込むようにして、空孔率の差があるガス拡散層40を作製してもよい。
【0073】
また、図10に示すように、拡散板53自体がテーパ形状を有する必要はなく、平板状の拡散板53に、テーパ部材54を設けることで、全体としてテーパ形状を有する拡散板53としてもよい。
【0074】
さらに、図11に示すように、平板状の拡散板53と、空孔率の差が設けられたガス拡散層40とを備える燃料電池2としてもよい。すなわち、ガス拡散層40の表面に、ノズル52の先端部及び拡散板53を接触させ、ガス拡散層40は、当該先端部に対向する領域から、面方向の外側に向けて空孔率が高くなるように形成する。この場合においても、図9に示した実施例と同様に、供給流路51から供給された燃料をガス拡散層40の面方向の外側に拡散させやすくなり、アノード触媒層12の全面に燃料をより確実に行き渡らせると共に、ガス拡散層40に拡散した燃料で押し退けられた不純ガスがノズル52側に戻ってくることを防止することができる。
【0075】
〈実施形態3〉
実施形態1及び実施形態2では、アノード部材20に溝部23が設けられ、アノード触媒層12で反応しきれなかった燃料が溝部23を介して外部に排出されるようになっている、いわゆるフロー型の燃料電池について説明した。本実施形態では、デッドエンド型の燃料電池について説明する。
【0076】
図12は、実施形態3に係る燃料電池の分解斜視図であり、図13は、実施形態3に係る燃料電池の断面図である。なお、実施形態2と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0077】
本実施形態に係る燃料電池2は、ガス拡散層40に供給された燃料により押し退けられた不純ガスが収容される収容部55a,55bが設けられている。
【0078】
具体的には、燃料電池2には、隣り合うノズル52同士、基板部56、拡散板53及びアノード部材20とから画成された収容部55aと、両端の各ノズル52、基板部56、拡散板53、アノード部材20とから画成された収容部55bとが設けられている。
【0079】
また、拡散板53には、収容部55aに連通する溝状の開口部57aが設けられている。収容部55aは開口部57を介してガス拡散層40に面しており、収容部55bは、拡散板53とアノード部材20との隙間の開口部57bを介してガス拡散層40に面している。このように構成された収容部55a,55bは、開口部57a、57bを介してガス拡散層40にのみ開口した空間となっている。
【0080】
このような収容部55a,55bを有する燃料電池2では、燃料が供給流路51からガス拡散層40に噴射されると、ガス拡散層40に滞留していた不純ガスが押し退けられる。そして押し退けられた不純ガスは、開口部57a、57bに達し、収容部55a,55bで収容される。したがって、燃料の供給によりガス拡散層40から不純ガスを排除しやすくなる。さらに、押し退けた不純ガスを容積の大きい収容部55a,55bに貯留することができるので、長期に亘って不純ガスを収容部55a,55bに押し退けた状態で運転することが可能となり、長時間の発電を維持することができる。
【0081】
また、開口部57a、57bの開口面積は、供給流路51の開口面積よりも大きい。すなわち、供給流路51から噴射される燃料の流速が速く、かつ、不純ガスが開口部57a、57bに収容されやすい。したがって、より確実に不純ガスを収容部55a,55bに収容することが可能となる。
【0082】
なお、収容部55a,55bの開口部57a、57bの開口形状は、特に限定はないが、本実施形態のように溝状とすることで、吹き溜まりができにくく、より確実に不純ガスを収容部55a,55bに収容することができる。さらに、開口部57a、57bには、不純ガスが収容部55a,55b内部に収容される方向に開放する逆止弁(図示せず)が設けられていても良い。この場合、収容部55a,55bに収容された不純ガスがガス拡散層40に逆流することを防止できる。
【0083】
また、実施形態2の図9〜図11に示したガス拡散層40及び拡散板53の構成を、本実施形態に係る燃料電池に適用してもよい。この場合においては、不純ガスは、ガス拡散層40においてノズル52側に戻りにくいので、より確実に、不純ガスを収容部55a,55bに収容することができる。
【0084】
〈実施形態4〉
実施形態3では、デッドエンド型の燃料電池について説明したが、不純ガスが収容された収容部55a,55bから不純ガスを回収して収容する貯留手段を設けてもよい。
【0085】
図14は、実施形態4に係る燃料電池の分解斜視図であり、図15は、実施形態4に係る燃料電池の断面図である。なお、実施形態3と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0086】
図示するように、アノード部材20には、収容部55a,55bに連通する排出口24が設けられている。本実施形態では、収容部55a,55bのそれぞれに一つの排出口24が計4つ設けられている。
【0087】
各排出口24には、燃料電池2の外部に設けられた貯留手段である中空部材(図示せず)に連通しており、収容部55a,55bからの不純ガスが当該中空部材に貯留されるようになっている。燃料電池2の構造上、各収容部55a,55bの形状、大きさ、配置は制約を受け、容積を自由に大きくすることが難しいが、このような制約を受けない中空部材を用いることで、より多くの不純ガスを収容部55a,55b及び中空部材で貯留することができる。すなわち、ガス拡散層40からより多くの不純ガスを排除することができる。
【0088】
〈実施形態5〉
さらに、収容部55a,55bの不純物を外部に排出する他の態様を説明する。図16は、実施形態5に係る燃料電池の分解斜視図であり、図17は、実施形態5に係る燃料電池の断面図である。なお、実施形態4と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0089】
図示するように、バッファ部21には、支持部材70が配設され、流体供給部50とアノード部材20とに挟持されている。これにより、流体供給部50やアノード部材20の撓みが支持部材70で防止される。
【0090】
アノード部材20には、厚さ方向に貫通する排出口25が形成され、支持部材70には、排出口25に連通するように貫通孔71が設けられている。さらに、流体供給部50の基板部56には、支持部材70の貫通孔71に連通すると共に、収容部55a,55bに連通する貫通孔59が設けられている。すなわち、排出口25、貫通孔71、貫通孔59を介して、収容部55a,55bは外部に連通している。
【0091】
実施形態4と同様に、各排出口25は、燃料電池2の外部に設けられた中空部材(図示せず)に連通しており、収容部55a,55bからの不純ガスが当該中空部材に貯留されるようになっている。
【0092】
本実施形態においても、実施形態4と同様に、大きさや形状の制約を受けない外部の中空部材を用いることで、より多くの不純ガスを収容部55a,55b及び中空部材で貯留することができる。すなわち、ガス拡散層40からより多くの不純ガスを排除することができる。
【0093】
さらに、流体供給部50やアノード部材20の撓みを支持部材70で防止して燃料電池2の強度を向上する一方、その支持部材70の貫通孔71を中空部材に不純ガスを排出する流路としても利用することで、部品点数の増大を抑えてコストを削減することができる。
【0094】
なお、貯留手段として、中空部材を例示したが、これに限定されず、中空部材内部に気体を吸着する吸着剤を設けるようにしてもよい。例えば、気体として窒素を吸着させる場合は、活性炭やゼオライトを吸着剤として用いることができる。
【0095】
〈実施形態6〉
実施形態1〜実施形態5では、拡散手段として拡散板53を用いた例を説明したが、これに限定されず、供給流路51から噴射された燃料が、アノード触媒層12から離れる方向に拡散しにくい構成であればよい。
【0096】
図18は、実施形態6に係る燃料電池の断面図である。上述の実施形態と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0097】
図示するように、流体供給部50は、平板状の基板部56と、基板部56からガス拡散層40側に突出したノズル52を備えている。ノズル52の先端部は、ガス拡散層40に接触しており、供給流路51は、ノズル52の先端部に開口する貫通孔として形成されている。
【0098】
拡散手段は、ガス拡散層40の供給流路51側の空孔率を、アノード触媒層12側の空孔率よりも低くすることにより構成されている。本実施形態では、ガス拡散層40は、空孔率が異なる上層41と下層42の2層からなり、供給流路51側の上層41の空孔率が、アノード触媒層12側の下層42の空孔率よりも低くなっている。
【0099】
このように、拡散手段としてのガス拡散層40を設けることで、供給流路51から噴射された燃料は、上層41を通過して下層42に達し、ガス拡散層40の面方向の外側に拡散する。そして、燃料がアノード触媒層12に反射して、アノード触媒層12から離れる方向に拡散しようとしても、上層41は、空孔率が低く、すなわち流路抵抗が高いので、その方向には拡散しにくい。すなわち、上層41が、実施形態1〜実施形態5の拡散板53と同等の機能を果たす。したがって、本実施形態に係る燃料電池においても、燃料は、上層41によりガス拡散層40の面方向に案内されて均等に拡散すると共に、不純ガスをガス拡散層40から押し退けることができる。
【0100】
〈他の実施形態〉
上述した各実施形態では、流体供給部50は、基板部56及びノズル52が一体的に形成されていたが、これに限らず、個別に形成されたものを組み合わせて形成したものであってもよい。
【0101】
また、供給流路51には、バッファ部21を介して燃料を供給したが、これに限られず、供給流路51に燃料を供給できる構成であればよい。さらに、ガス拡散層40及び流体供給部50は、アノード側にのみ設けられていたが、カソード側に設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、燃料電池及び燃料電池装置の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 燃料電池装置
2 燃料電池
3 燃料供給手段
4 制御回路
10 膜電極接合体
11 固体高分子電解質膜
12 アノード触媒層
13 カソード触媒層
20 アノード部材
21 バッファ部
22 アノード流体導入口
30 カソード部材
31 カソード流体流路
32 カソード流体導入口
40 ガス拡散層
50 流体供給部
51 供給流路
52 ノズル
53 拡散板
55a、55b 収容部
56 基板部
57a、57b 開口部
70 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質と、該電解質の両面にそれぞれ接する触媒層と、
前記触媒層に向けて流体を供給する供給流路とを備え、
前記供給流路には、前記触媒層に向けて供給された流体を前記触媒層の面方向に拡散させる拡散手段が設けられている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1に記載する燃料電池において、
前記触媒層に向けて突出したノズルが設けられた流体供給部を備え、
前記供給流路は、前記ノズルの先端部から前記流体を噴射するように構成され、
前記拡散手段は、前記ノズルの先端部から前記触媒層の面方向に延設された拡散板である
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項2に記載する燃料電池において、
前記拡散板は、前記触媒層側に向けて先鋭化したテーパ形状を有する
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載する燃料電池において、
前記触媒層と前記供給流路との間に前記流体を拡散するガス拡散層が設けられ、
前記ノズルの先端部及び前記拡散板は、前記ガス拡散層に接触している
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項5】
請求項4に記載する燃料電池において、
前記ガス拡散層は、前記ノズルの先端部に対向する領域から、当該ガス拡散層の面方向の外側に向けて空孔率が高くなっている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項6】
請求項1に記載する燃料電池において、
前記触媒層に向けて突出したノズルが設けられた流体供給部を備え、
前記供給流路は、前記ノズルの先端部から前記流体を噴射するように構成され、
前記拡散手段は、前記触媒層と前記供給流路との間に前記流体を拡散するガス拡散層を設け、前記ガス拡散層の前記供給流路側の空孔率を前記触媒層側の空孔率よりも低くすることにより構成されている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項7】
請求項4〜請求項6の何れか一項に記載する燃料電池において、
前記ガス拡散層に供給された流体により押し退けられた気体が収容される収容部が設けられている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項8】
請求項7に記載する燃料電池において、
前記収容部は、前記ガス拡散層に面した開口部を有し、当該開口部の開口面積は、前記供給流路の開口面積よりも大きい
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項9】
請求項8に記載する燃料電池において、
前記収容部のガス拡散層に面した開口部には、前記気体が収容部に収容される方向に開放する逆止弁が設けられている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項10】
請求項7〜請求項9の何れか一項に記載する燃料電池において、
前記収容部には、前記収容部に収容された気体を回収して収容する貯留手段が設けられている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項11】
請求項10に記載する燃料電池において、
前記貯留手段は、中空部材であり、前記収容部は当該中空部材に連通している
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項12】
請求項10に記載する燃料電池において、
前記流体供給部との間に、前記供給流路に供給される気体が貯留されるバッファ部を画成するバッファ形成部材と、
前記バッファ部に配設され、前記流体供給部と前記バッファ形成部材とに挟持された支持部材とを備え、
前記貯留手段は、中空部材であり、
前記収容部は、前記バッファ形成部材、前記支持部材及び前記流体供給部に設けられた貫通孔を介して前記中空部材に連通している
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項13】
請求項1〜請求項12の何れか一項に記載する燃料電池と、
前記流体である燃料を前記燃料電池に供給する燃料供給手段とを具備することを特徴とする燃料電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−64385(P2012−64385A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206578(P2010−206578)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】