燃料電池構造体
【課題】量産性に優れ、信頼性の向上を図ることができる燃料電池構造体を提供する。
【解決手段】燃料電池構造体は、屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブ1と、複数の燃料電池セル8と、複数の導電部(第1の導電部3、第2の導電部7)とを備える。燃料電池セル8が、燃料極層、電解質層5、及び酸化剤極層6の三層を少なくとも含む多層構造であって、多孔質支持体チューブ1の外周面に形成される。隣り合う燃料電池セル8同士が、一方の燃料電池セル8の燃料極層と他方の燃料電池セル8の酸化剤極層6とが前記屈曲部において前記導電部を介して接続されることにより、電気的に直列接続されている。
【解決手段】燃料電池構造体は、屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブ1と、複数の燃料電池セル8と、複数の導電部(第1の導電部3、第2の導電部7)とを備える。燃料電池セル8が、燃料極層、電解質層5、及び酸化剤極層6の三層を少なくとも含む多層構造であって、多孔質支持体チューブ1の外周面に形成される。隣り合う燃料電池セル8同士が、一方の燃料電池セル8の燃料極層と他方の燃料電池セル8の酸化剤極層6とが前記屈曲部において前記導電部を介して接続されることにより、電気的に直列接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる横縞型燃料電池構造体は直管状のものが古くから知られ、蒸着、容射、スクリーン印刷等の方法で作製されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−73246号公報(第1図、第2図)
【特許文献2】特開昭63−133464号公報(第2図、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、直管状の横縞型燃料電池構造体では、管の全長に対し、燃料電池セル同士を直列に接続するためのインターコネクタ部が占める割合が高くなると、発電に寄与する部分が少なくなってしまうため、インターコネクタ部をできるだけ短くする必要がある。
【0005】
また、直管状の横縞型燃料電池構造体では、燃料極、電解質、空気極、及びインターコネクタ部の各層を形成する毎に異なるマスキングが必要である上、各層を正確に位置合わせして作製する必要があるため、作製に手間がかかる上、位置ずれ等のトラブルが多く、信頼性も低いという問題があった。
【0006】
尚、特許文献2で開示されている固体電解質型燃料電池は、直管状の横縞型燃料電池構造体同士をU字形状の金属管でつなぐ構成であり、直管状の横縞型燃料電池構造体自体の構造は上述した通りである。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑み、量産性に優れ、信頼性の向上を図ることができる燃料電池構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池構造体は、屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブと、複数の燃料電池セルと、複数の導電部とを備え、前記燃料電池セルが、燃料極層、電解質層、及び酸化剤極層の三層を少なくとも含む多層構造であって、前記多孔質支持体チューブの外周面に形成され、隣り合う前記燃料電池セル同士が、一方の前記燃料電池セルの前記燃料極層と他方の前記燃料電池セルの前記酸化剤極層とが前記屈曲部において前記導電部を介して接続されることにより、電気的に直列接続されている構成(第1の構成)とする。
【0009】
上記構成によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、燃料電池セルの各層を、マスキング等が不要なディッピング等の方法を用いて各層の塗布高さを制御するだけの簡易な制御で形成することができ、一度に多数の燃料電池セルを作製できるので、低コスト化が期待できる。すなわち、量産性に優れている。
【0010】
また、上記構成によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、インターコネクタ部の全長が多少長くなっても、直管状の横縞型燃料電池構造体のようにインターコネクタ部の全長がインターコネクタ部の数だけ燃料電池構造体の全長に影響することは無く、1つのインターコネクタ部の全長の半分が燃料電池構造体の高さ方向に影響するだけであるため、信頼性を優先した設計が可能になる。すなわち、信頼性の向上を図ることできる。
【0011】
また、上記第1の構成の燃料電池構造体において、ガスバリア特性を有する緻密膜を備え、前記多孔質支持体チューブの外周面全面の各領域が、前記電解質層及び前記緻密膜の少なくとも一方によって覆われている構成(第2の構成)にすることが望ましい。
【0012】
また、上記第2の構成の燃料電池構造体において、前記電解質層の端部と前記緻密膜の端部とがオーバーラップしている構成(第3の構成)にすることが望ましい。
【0013】
また、上記第1〜第3のいずれかの構成の燃料電池構造体において、前記多孔質支持体チューブの軸が螺旋形状である構成(第4の構成)にしてもよい。
【0014】
また、上記第1〜第4のいずれかの構成の燃料電池構造体において、前記多孔質支持体チューブが複数の内孔を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、量産性に優れ、信頼性の向上を図ることができる燃料電池構造体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。
【図2A】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第1工程を示す斜視図である。
【図2B】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第2工程を示す斜視図である。
【図2C】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第3工程を示す斜視図である。
【図2D】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第4工程を示す斜視図である。
【図2E】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第5工程を示す斜視図である。
【図2F】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第6工程を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の上部屈曲部の縦断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を収容する容器の斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。各図において、同一又は類似の部分には原則として同一の符号を付す。尚、本発明は、後述する実施形態に限られない。また、後述する各実施形態や各実施形態における変形例の内容は、矛盾がない限り、任意に組み合わせて実施することが可能である。
【0018】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体では、屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部を除いた外周面に、燃料電池セル8が形成されている。図1に示す例では、U字形状の5つの燃料電池セル8が多孔質支持体チューブ1上に形成されている。
【0019】
尚、図1では、図を見やすくするために、多孔質支持体チューブ1の内孔を示す点線の図示を省略している。また、後述する図1以外の斜視図においても多孔質支持体チューブ1の内孔を示す点線の図示を省略する。
【0020】
また、以下の説明では、多孔質支持体チューブ1の直管部分の軸方向を燃料電池構造体の高さ方向とする。
【0021】
多孔質支持体チューブ1の上部屈曲部にはインターコネクタ部として機能する第1の導電部3及び第2の導電部7が配置される。隣り合う燃料電池セル8同士が、一方の燃料電池セル8の燃料極層4(図3参照)と他方の燃料電池セル8の酸化剤極層6とが多孔質支持体チューブ1の上部屈曲部において第1の導電部3及び第2の導電部7を介して接続されることにより、電気的に直列接続されている。すなわち、図1に示す例では、5つの燃料電池セル8が直列接続されている燃料電池構造体となっている。
【0022】
多孔質支持体チューブ1の一方の端部には、多孔質支持体チューブ1の一方の端部に最も近い位置に形成される燃料電池セル8の酸化剤極層6に接続される第2の導電部7が形成され、多孔質支持体チューブ1の他方の端部には、多孔質支持体チューブ1の他方の端部に最も近い位置に形成される燃料電池セル8の燃料極層4(図3参照)に接続される第1の導電部3が形成される。水素ガス等の燃料ガスを多孔質支持体チューブ1の内孔に導入し、空気等の酸化剤ガスを燃料電池構造体の周囲に供給することにより、各燃料電池セル8において発電が行われ、多孔質支持体チューブ1の両端部に形成された第1の導電部3及び第2の導電部7から電力を外部に取り出すことができる。
【0023】
次に、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の製造方法について図2A〜図2Fを参照して説明する。図2Aは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第1工程を示す斜視図である。図2Bは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第2工程を示す斜視図である。図2Cは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第3工程を示す斜視図である。図2Dは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第4工程を示す斜視図である。図2Eは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第5工程を示す斜視図である。図2Fは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第6工程を示す斜視図である。
【0024】
第1工程において、スラリーを押し出し成型等でチューブ形状にし、さらに図2Aに示すような屈曲部を有する形状に成型して乾燥させる。上記スラリーとして、溶媒にジルコニア系等の絶縁性セラミック粒子が分散されたものを用いるため、ジルコニア系等の絶縁性セラミックチューブが得られる。また、上記スラリーには造孔材を含有させており、上記絶縁性セラミックチューブは焼結することで多孔質になる。したがって、上記絶縁性セラミックチューブを多孔質支持体チューブ1として用いることができる。
【0025】
次に、第2工程において、図2Bに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にガスバリア特性を有する緻密膜2の材料を塗布する。緻密膜2の材料としては、例えば、溶媒にジルコニア系等の絶縁性セラミック粒子が分散され、造孔材を含有していないスラリーを用いることができる。
【0026】
次に、第3工程において、図2Cに示す通り、緻密膜2が形成される領域の一部に第1の導電部3を形成する。第1の導電部3は、シルク印刷等によって一度に形成することができる。尚、第1の導電部3それぞれにおいて両端の高さを変えている。第1の導電部3としては、例えば、ランタンクロマイト系酸化物(LaCrO3)や、NiAl、NiCr等のサーメットのガスバリア特性を有する緻密導電膜を用いることができる。
【0027】
次に、第4工程において、図2Dに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部以外の外周面に燃料極層4の材料を塗布する。また、燃料極層4の材料は、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にも一部オーバーラップして塗布される。各燃料極層4の高さ(上端)は揃えられており、各第1の導電部3の一端は燃料極層4に接続されるが、各第1の導電部3の他端は燃料極層4に接続されない。
【0028】
次に、第5工程において、図2Eに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部以外の外周面に電解質層5の材料を塗布する。また、電解質層5の材料は、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にも一部オーバーラップして塗布される。各電解質層5の高さ(上端)は各燃料極層4の高さ(上端)よりも高い位置で揃えられている。一般的には酸化剤極層6と他の層との焼結温度が異なるため、通常、第5工程が終了した段階で一旦焼結することになる。
【0029】
多孔質支持体チューブ1の外周面全面の各領域が、電解質層5及び緻密膜2の少なくとも一方によって覆われていることになるので、多孔質支持体チューブ1の内孔を流れる燃料ガスが本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の周囲に漏れ出すことを防ぐことができる。また、本実施形態のように、電解質層5の端部と緻密膜2の端部とをオーバーラップさせることにより、燃料ガスが漏れることをより確実に防ぐことができる。
【0030】
次に、第6工程において、図2Fに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部以外の外周面に酸化剤極層6の材料を塗布する。また、酸化剤極層6の材料は、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にも一部オーバーラップして塗布される。各酸化剤極層6の高さ(上端)は、酸化剤極層6と第1の導電部3との接続を避けるため、各電解質層5の高さ(上端)よりも低い位置で揃えられている。
【0031】
最後に、隣り合う燃料電池セル8同士が、一方の燃料電池セル8の燃料極層4(図2D参照)と他方の燃料電池セル8の酸化剤極層6とが多孔質支持体チューブ1の上部屈曲部において第1の導電部3及び第2の導電部7を介して接続されることにより、電気的に直列接続されているように、緻密膜2が形成される領域の一部に第2の導電部7(図1参照)を形成する。第2の導電部7は、シルク印刷等によって一度に形成することができる。第2の導電部7の形成後、再度焼結して図1に示す本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を得る。本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の上部屈曲部の縦断面は図3に示すようになる。
【0032】
各燃料電池セル8は、内側から燃料極層(アノード層)4、電解質層5、酸化剤極層(カソード層)6の順で積層された三層構造である。電解質層5は、ガスを通さず酸素イオン、水酸化物イオン、水素イオン等のイオンのみを通す必要があることから緻密な構造であり、例えば公知のランタンガレード系電解質(LSGM)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、セリア系電解質(GDC)等を用いることができる。一方、燃料極層4及び酸化剤極層6は反応ガスを通す必要があることから多孔質であり、燃料極層4には、例えばNiO−LSGM、NiO−YSZ、NiO−GDC等が用いられ、酸化剤極層6には、例えばランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)等が用いられる。
【0033】
本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、燃料電池セルの各層を、マスキング等が不要なディッピング等の方法を用いて各層の塗布高さを制御するだけの簡易な制御で形成することができ、一度に多数の燃料電池セルを作製できるので、低コスト化が期待できる。すなわち、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体は量産性に優れている。
【0034】
また、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、インターコネクタ部の全長が多少長くなっても、直管状の横縞型燃料電池構造体のようにインターコネクタ部の全長がインターコネクタ部の数だけ燃料電池構造体の全長に影響することは無く、1つのインターコネクタ部の全長の半分が燃料電池構造体の高さ方向に影響するだけであるため、信頼性を優先した設計が可能になる。すなわち、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体は信頼性の向上を図ることできる。例えば、緻密膜2と電解質層5とのオーバーラップ領域、第1の導電部3と電解質層5とのオーバーラップ領域を十分取ることによって、シール性を向上させること、あるいは、線膨張率の違いから剥離することがある第1の導電部3を電解質層5でしっかり押さえることができる。また、緻密膜2の領域を十分取ることによって、多孔質支持体チューブ1から第1の導電部3及び第2の導電部7へのガスの流入を遮断して第1の導電部3及び第2の導電部7の酸化や還元による劣化を抑えることができる。
【0035】
本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体9は高温下で使用されるため、例えば図4に示すように、断熱容器を構成する蓋体10及び容器本体11を用意し、燃料電池構造体9の両端部を蓋体10に貫通させて燃料電池構造体9の両端部を蓋体10に固定し、蓋体10を容器本体11に取り付けることで燃料電池構造体9が断熱容器に収容されるようにすればよい。また、図4に示すように、容器本体11の正面及び背面に開口部12を設け、空気を断熱容器の内部に供給できるようにすればよい。必要に応じて、ヒーターや温度センサを断熱容器の内部に設けてもよい。
【0036】
尚、燃料電池セルは、本実施形態とは異なり、内側から酸化剤極層(カソード層)6、電解質層5、燃料極層(アノード層)4の順で積層された構造であってもよい。この場合、空気等の酸化剤ガスを多孔質支持体チューブ1の内孔に導入し、水素ガス等の燃料ガスを燃料電池構造体の周囲に供給するとよい。
【0037】
また、燃料極層4と電解質層5との間に、燃料極材料と電解質材料との混合物を含有する中間層を設けてもよく、電解質層5と酸化剤極層6との間に、電解質材料と酸化剤極材料との混合物を含有する中間層を設けてもよい。
【0038】
<第2実施形態>
図5は本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1の軸が同一平面上にあるのに対して、本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1の軸が螺旋形状であって同一平面上にない点で、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と異なっている。
【0039】
本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と同様の効果を奏し、さらに、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と比較して、より一層スペース効率を向上させることができる。
【0040】
<第3実施形態>
図6は本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1が単一の内孔を有しているのに対して、本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1が複数の内孔を有している点で、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と異なっている。
【0041】
本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と同様の効果を奏し、さらに、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を複数並列接続したものと等価であるため、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体単体よりも電流を増やすことができる。また、本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体は、一体構造物であるため、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を複数並列接続したものよりも製造や取り扱いが簡単である。
【符号の説明】
【0042】
1 多孔質支持体チューブ
2 緻密膜
3 第1の導電部
4 燃料極層
5 電解質層
6 酸化剤極層
7 第2の導電部
8 燃料電池セル
9 本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体
10 蓋体
11 容器本体
12 開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる横縞型燃料電池構造体は直管状のものが古くから知られ、蒸着、容射、スクリーン印刷等の方法で作製されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−73246号公報(第1図、第2図)
【特許文献2】特開昭63−133464号公報(第2図、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、直管状の横縞型燃料電池構造体では、管の全長に対し、燃料電池セル同士を直列に接続するためのインターコネクタ部が占める割合が高くなると、発電に寄与する部分が少なくなってしまうため、インターコネクタ部をできるだけ短くする必要がある。
【0005】
また、直管状の横縞型燃料電池構造体では、燃料極、電解質、空気極、及びインターコネクタ部の各層を形成する毎に異なるマスキングが必要である上、各層を正確に位置合わせして作製する必要があるため、作製に手間がかかる上、位置ずれ等のトラブルが多く、信頼性も低いという問題があった。
【0006】
尚、特許文献2で開示されている固体電解質型燃料電池は、直管状の横縞型燃料電池構造体同士をU字形状の金属管でつなぐ構成であり、直管状の横縞型燃料電池構造体自体の構造は上述した通りである。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑み、量産性に優れ、信頼性の向上を図ることができる燃料電池構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池構造体は、屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブと、複数の燃料電池セルと、複数の導電部とを備え、前記燃料電池セルが、燃料極層、電解質層、及び酸化剤極層の三層を少なくとも含む多層構造であって、前記多孔質支持体チューブの外周面に形成され、隣り合う前記燃料電池セル同士が、一方の前記燃料電池セルの前記燃料極層と他方の前記燃料電池セルの前記酸化剤極層とが前記屈曲部において前記導電部を介して接続されることにより、電気的に直列接続されている構成(第1の構成)とする。
【0009】
上記構成によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、燃料電池セルの各層を、マスキング等が不要なディッピング等の方法を用いて各層の塗布高さを制御するだけの簡易な制御で形成することができ、一度に多数の燃料電池セルを作製できるので、低コスト化が期待できる。すなわち、量産性に優れている。
【0010】
また、上記構成によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、インターコネクタ部の全長が多少長くなっても、直管状の横縞型燃料電池構造体のようにインターコネクタ部の全長がインターコネクタ部の数だけ燃料電池構造体の全長に影響することは無く、1つのインターコネクタ部の全長の半分が燃料電池構造体の高さ方向に影響するだけであるため、信頼性を優先した設計が可能になる。すなわち、信頼性の向上を図ることできる。
【0011】
また、上記第1の構成の燃料電池構造体において、ガスバリア特性を有する緻密膜を備え、前記多孔質支持体チューブの外周面全面の各領域が、前記電解質層及び前記緻密膜の少なくとも一方によって覆われている構成(第2の構成)にすることが望ましい。
【0012】
また、上記第2の構成の燃料電池構造体において、前記電解質層の端部と前記緻密膜の端部とがオーバーラップしている構成(第3の構成)にすることが望ましい。
【0013】
また、上記第1〜第3のいずれかの構成の燃料電池構造体において、前記多孔質支持体チューブの軸が螺旋形状である構成(第4の構成)にしてもよい。
【0014】
また、上記第1〜第4のいずれかの構成の燃料電池構造体において、前記多孔質支持体チューブが複数の内孔を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、量産性に優れ、信頼性の向上を図ることができる燃料電池構造体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。
【図2A】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第1工程を示す斜視図である。
【図2B】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第2工程を示す斜視図である。
【図2C】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第3工程を示す斜視図である。
【図2D】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第4工程を示す斜視図である。
【図2E】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第5工程を示す斜視図である。
【図2F】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第6工程を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の上部屈曲部の縦断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を収容する容器の斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。各図において、同一又は類似の部分には原則として同一の符号を付す。尚、本発明は、後述する実施形態に限られない。また、後述する各実施形態や各実施形態における変形例の内容は、矛盾がない限り、任意に組み合わせて実施することが可能である。
【0018】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体では、屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部を除いた外周面に、燃料電池セル8が形成されている。図1に示す例では、U字形状の5つの燃料電池セル8が多孔質支持体チューブ1上に形成されている。
【0019】
尚、図1では、図を見やすくするために、多孔質支持体チューブ1の内孔を示す点線の図示を省略している。また、後述する図1以外の斜視図においても多孔質支持体チューブ1の内孔を示す点線の図示を省略する。
【0020】
また、以下の説明では、多孔質支持体チューブ1の直管部分の軸方向を燃料電池構造体の高さ方向とする。
【0021】
多孔質支持体チューブ1の上部屈曲部にはインターコネクタ部として機能する第1の導電部3及び第2の導電部7が配置される。隣り合う燃料電池セル8同士が、一方の燃料電池セル8の燃料極層4(図3参照)と他方の燃料電池セル8の酸化剤極層6とが多孔質支持体チューブ1の上部屈曲部において第1の導電部3及び第2の導電部7を介して接続されることにより、電気的に直列接続されている。すなわち、図1に示す例では、5つの燃料電池セル8が直列接続されている燃料電池構造体となっている。
【0022】
多孔質支持体チューブ1の一方の端部には、多孔質支持体チューブ1の一方の端部に最も近い位置に形成される燃料電池セル8の酸化剤極層6に接続される第2の導電部7が形成され、多孔質支持体チューブ1の他方の端部には、多孔質支持体チューブ1の他方の端部に最も近い位置に形成される燃料電池セル8の燃料極層4(図3参照)に接続される第1の導電部3が形成される。水素ガス等の燃料ガスを多孔質支持体チューブ1の内孔に導入し、空気等の酸化剤ガスを燃料電池構造体の周囲に供給することにより、各燃料電池セル8において発電が行われ、多孔質支持体チューブ1の両端部に形成された第1の導電部3及び第2の導電部7から電力を外部に取り出すことができる。
【0023】
次に、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の製造方法について図2A〜図2Fを参照して説明する。図2Aは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第1工程を示す斜視図である。図2Bは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第2工程を示す斜視図である。図2Cは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第3工程を示す斜視図である。図2Dは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第4工程を示す斜視図である。図2Eは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第5工程を示す斜視図である。図2Fは、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を製造する第6工程を示す斜視図である。
【0024】
第1工程において、スラリーを押し出し成型等でチューブ形状にし、さらに図2Aに示すような屈曲部を有する形状に成型して乾燥させる。上記スラリーとして、溶媒にジルコニア系等の絶縁性セラミック粒子が分散されたものを用いるため、ジルコニア系等の絶縁性セラミックチューブが得られる。また、上記スラリーには造孔材を含有させており、上記絶縁性セラミックチューブは焼結することで多孔質になる。したがって、上記絶縁性セラミックチューブを多孔質支持体チューブ1として用いることができる。
【0025】
次に、第2工程において、図2Bに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にガスバリア特性を有する緻密膜2の材料を塗布する。緻密膜2の材料としては、例えば、溶媒にジルコニア系等の絶縁性セラミック粒子が分散され、造孔材を含有していないスラリーを用いることができる。
【0026】
次に、第3工程において、図2Cに示す通り、緻密膜2が形成される領域の一部に第1の導電部3を形成する。第1の導電部3は、シルク印刷等によって一度に形成することができる。尚、第1の導電部3それぞれにおいて両端の高さを変えている。第1の導電部3としては、例えば、ランタンクロマイト系酸化物(LaCrO3)や、NiAl、NiCr等のサーメットのガスバリア特性を有する緻密導電膜を用いることができる。
【0027】
次に、第4工程において、図2Dに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部以外の外周面に燃料極層4の材料を塗布する。また、燃料極層4の材料は、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にも一部オーバーラップして塗布される。各燃料極層4の高さ(上端)は揃えられており、各第1の導電部3の一端は燃料極層4に接続されるが、各第1の導電部3の他端は燃料極層4に接続されない。
【0028】
次に、第5工程において、図2Eに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部以外の外周面に電解質層5の材料を塗布する。また、電解質層5の材料は、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にも一部オーバーラップして塗布される。各電解質層5の高さ(上端)は各燃料極層4の高さ(上端)よりも高い位置で揃えられている。一般的には酸化剤極層6と他の層との焼結温度が異なるため、通常、第5工程が終了した段階で一旦焼結することになる。
【0029】
多孔質支持体チューブ1の外周面全面の各領域が、電解質層5及び緻密膜2の少なくとも一方によって覆われていることになるので、多孔質支持体チューブ1の内孔を流れる燃料ガスが本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の周囲に漏れ出すことを防ぐことができる。また、本実施形態のように、電解質層5の端部と緻密膜2の端部とをオーバーラップさせることにより、燃料ガスが漏れることをより確実に防ぐことができる。
【0030】
次に、第6工程において、図2Fに示す通り、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部以外の外周面に酸化剤極層6の材料を塗布する。また、酸化剤極層6の材料は、多孔質支持体チューブ1の両端部及び上部屈曲部の外周面にも一部オーバーラップして塗布される。各酸化剤極層6の高さ(上端)は、酸化剤極層6と第1の導電部3との接続を避けるため、各電解質層5の高さ(上端)よりも低い位置で揃えられている。
【0031】
最後に、隣り合う燃料電池セル8同士が、一方の燃料電池セル8の燃料極層4(図2D参照)と他方の燃料電池セル8の酸化剤極層6とが多孔質支持体チューブ1の上部屈曲部において第1の導電部3及び第2の導電部7を介して接続されることにより、電気的に直列接続されているように、緻密膜2が形成される領域の一部に第2の導電部7(図1参照)を形成する。第2の導電部7は、シルク印刷等によって一度に形成することができる。第2の導電部7の形成後、再度焼結して図1に示す本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を得る。本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体の上部屈曲部の縦断面は図3に示すようになる。
【0032】
各燃料電池セル8は、内側から燃料極層(アノード層)4、電解質層5、酸化剤極層(カソード層)6の順で積層された三層構造である。電解質層5は、ガスを通さず酸素イオン、水酸化物イオン、水素イオン等のイオンのみを通す必要があることから緻密な構造であり、例えば公知のランタンガレード系電解質(LSGM)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、セリア系電解質(GDC)等を用いることができる。一方、燃料極層4及び酸化剤極層6は反応ガスを通す必要があることから多孔質であり、燃料極層4には、例えばNiO−LSGM、NiO−YSZ、NiO−GDC等が用いられ、酸化剤極層6には、例えばランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)等が用いられる。
【0033】
本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、燃料電池セルの各層を、マスキング等が不要なディッピング等の方法を用いて各層の塗布高さを制御するだけの簡易な制御で形成することができ、一度に多数の燃料電池セルを作製できるので、低コスト化が期待できる。すなわち、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体は量産性に優れている。
【0034】
また、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体によると、燃料電池セル同士を直列接続するためのインターコネクタ部を屈曲部に配置したため、インターコネクタ部の全長が多少長くなっても、直管状の横縞型燃料電池構造体のようにインターコネクタ部の全長がインターコネクタ部の数だけ燃料電池構造体の全長に影響することは無く、1つのインターコネクタ部の全長の半分が燃料電池構造体の高さ方向に影響するだけであるため、信頼性を優先した設計が可能になる。すなわち、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体は信頼性の向上を図ることできる。例えば、緻密膜2と電解質層5とのオーバーラップ領域、第1の導電部3と電解質層5とのオーバーラップ領域を十分取ることによって、シール性を向上させること、あるいは、線膨張率の違いから剥離することがある第1の導電部3を電解質層5でしっかり押さえることができる。また、緻密膜2の領域を十分取ることによって、多孔質支持体チューブ1から第1の導電部3及び第2の導電部7へのガスの流入を遮断して第1の導電部3及び第2の導電部7の酸化や還元による劣化を抑えることができる。
【0035】
本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体9は高温下で使用されるため、例えば図4に示すように、断熱容器を構成する蓋体10及び容器本体11を用意し、燃料電池構造体9の両端部を蓋体10に貫通させて燃料電池構造体9の両端部を蓋体10に固定し、蓋体10を容器本体11に取り付けることで燃料電池構造体9が断熱容器に収容されるようにすればよい。また、図4に示すように、容器本体11の正面及び背面に開口部12を設け、空気を断熱容器の内部に供給できるようにすればよい。必要に応じて、ヒーターや温度センサを断熱容器の内部に設けてもよい。
【0036】
尚、燃料電池セルは、本実施形態とは異なり、内側から酸化剤極層(カソード層)6、電解質層5、燃料極層(アノード層)4の順で積層された構造であってもよい。この場合、空気等の酸化剤ガスを多孔質支持体チューブ1の内孔に導入し、水素ガス等の燃料ガスを燃料電池構造体の周囲に供給するとよい。
【0037】
また、燃料極層4と電解質層5との間に、燃料極材料と電解質材料との混合物を含有する中間層を設けてもよく、電解質層5と酸化剤極層6との間に、電解質材料と酸化剤極材料との混合物を含有する中間層を設けてもよい。
【0038】
<第2実施形態>
図5は本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1の軸が同一平面上にあるのに対して、本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1の軸が螺旋形状であって同一平面上にない点で、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と異なっている。
【0039】
本発明の第2実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と同様の効果を奏し、さらに、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と比較して、より一層スペース効率を向上させることができる。
【0040】
<第3実施形態>
図6は本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体の斜視図である。本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1が単一の内孔を有しているのに対して、本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体では多孔質支持体チューブ1が複数の内孔を有している点で、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と異なっている。
【0041】
本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体と同様の効果を奏し、さらに、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を複数並列接続したものと等価であるため、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体単体よりも電流を増やすことができる。また、本発明の第3実施形態に係る燃料電池構造体は、一体構造物であるため、本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体を複数並列接続したものよりも製造や取り扱いが簡単である。
【符号の説明】
【0042】
1 多孔質支持体チューブ
2 緻密膜
3 第1の導電部
4 燃料極層
5 電解質層
6 酸化剤極層
7 第2の導電部
8 燃料電池セル
9 本発明の第1実施形態に係る燃料電池構造体
10 蓋体
11 容器本体
12 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブと、
複数の燃料電池セルと、
複数の導電部とを備え、
前記燃料電池セルが、燃料極層、電解質層、及び酸化剤極層の三層を少なくとも含む多層構造であって、前記多孔質支持体チューブの外周面に形成され、
隣り合う前記燃料電池セル同士が、一方の前記燃料電池セルの前記燃料極層と他方の前記燃料電池セルの前記酸化剤極層とが前記屈曲部において前記導電部を介して接続されることにより、電気的に直列接続されていることを特徴とする燃料電池構造体。
【請求項2】
ガスバリア特性を有する緻密膜を備え、
前記多孔質支持体チューブの外周面全面の各領域が、前記電解質層及び前記緻密膜の少なくとも一方によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池構造体。
【請求項3】
前記電解質層の端部と前記緻密膜の端部とがオーバーラップしていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池構造体。
【請求項4】
前記多孔質支持体チューブの軸が螺旋形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池構造体。
【請求項5】
前記多孔質支持体チューブが複数の内孔を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池構造体。
【請求項1】
屈曲部を有する一体の多孔質支持体チューブと、
複数の燃料電池セルと、
複数の導電部とを備え、
前記燃料電池セルが、燃料極層、電解質層、及び酸化剤極層の三層を少なくとも含む多層構造であって、前記多孔質支持体チューブの外周面に形成され、
隣り合う前記燃料電池セル同士が、一方の前記燃料電池セルの前記燃料極層と他方の前記燃料電池セルの前記酸化剤極層とが前記屈曲部において前記導電部を介して接続されることにより、電気的に直列接続されていることを特徴とする燃料電池構造体。
【請求項2】
ガスバリア特性を有する緻密膜を備え、
前記多孔質支持体チューブの外周面全面の各領域が、前記電解質層及び前記緻密膜の少なくとも一方によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池構造体。
【請求項3】
前記電解質層の端部と前記緻密膜の端部とがオーバーラップしていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池構造体。
【請求項4】
前記多孔質支持体チューブの軸が螺旋形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池構造体。
【請求項5】
前記多孔質支持体チューブが複数の内孔を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池構造体。
【図2A】
【図4】
【図1】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図5】
【図6】
【図4】
【図1】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−89463(P2013−89463A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229123(P2011−229123)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】
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