説明

燃料電池用ガス拡散部材の製造方法

【課題】ガス拡散部材を効率的および効果的に疎水化し、燃料電池における反応生成水の排水性を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】燃料電池において反応ガスを電極面において拡散させるためのガス拡散部材15の製造方法であって、(a)ガス拡散部材15の基材として、導電性を有する多孔質部材15aを準備する工程と、(b)多孔質部材15aに、撥水性物質と、カーボン粒子と、界面活性剤とを混合した撥水カーボン溶液50を塗布して乾燥させる工程と、(c)多孔質部材15aにおいて他の領域より疎水性を低くしたい領域UHA以外の領域を加熱することにより、界面活性剤を熱分解する工程とを備える、製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は通常、電解質膜の両面に電極を配置した発電体である膜電極接合体を備える。膜電極接合体の発電部には、反応ガスを拡散させて電極面に行き渡らせるためのガス拡散部材が配置される。これまで、燃料電池では、燃料電池反応によって生じた反応生成水が効率的に発電部の外部へと排出されるように、ガス拡散部材に疎水化処理を施す場合があった(下記特許文献1等)。しかし、これまで、ガス拡散部材を、より効率的および効果的に疎水化することについて、十分な工夫がなされていないのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2006/025908号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ガス拡散部材を効率的および効果的に疎水化し、燃料電池における反応生成水の排水性を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]
燃料電池において反応ガスを電極面において拡散させるためのガス拡散部材の製造方法であって、
(a)前記ガス拡散部材の基材として、導電性を有する多孔質部材を準備する工程と、
(b)前記多孔質部材に、撥水性物質と、カーボン粒子と、界面活性剤とを混合した撥水カーボン溶液を塗布して乾燥させる工程と、
(c)前記多孔質部材において他の領域より疎水性を低くしたい領域以外の領域を加熱することにより、前記界面活性剤を熱分解する工程と、
を備える、製造方法。
この製造方法によれば、ガス拡散部材において、反応生成水を誘導したい領域に界面活性剤を残留させることにより、当該領域の疎水性を他の領域より低くすることができる。即ち、ガス拡散部材の疎水性が部位ごとに異なるように、効率的および効果的に疎水化することができ、ガス拡散部材における水分の移動を制御して、燃料電池における反応生成水の排水性を容易に向上させることができる。
【0007】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池に用いられるガス拡散部材の製造方法および製造装置、それらの製造方法または製造装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】燃料電池の構成を示す概略図。
【図2】シール一体型膜電極接合体の構成を示す概略図。
【図3】セパレータの構成を示す概略図。
【図4】ガス拡散部材の製造工程を示すフローチャート。
【図5】ガス拡散部材の製造工程における撥水カーボン溶液の塗布工程を説明するための模式図。
【図6】部分加熱工程における非加熱領域の一例を説明するための説明図。
【図7】運転中の燃料電池のアノード側における水分移動を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.実施例:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。この燃料電池100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子型燃料電池である。燃料電池100は、発電体である複数の単セル110が積層されたスタック構造を有する。単セル110は、シール一体型膜電極接合体10と、アノードセパレータ20と、カソードセパレータ30とを備える。
【0010】
図2(A),(B)は、シール一体型膜電極接合体10の構成を示す概略図である。図2(A)は、シール一体型膜電極接合体10のアノード側の面を示しており、図2(B)は、図2(A)に示すB−B切断におけるシール一体型膜電極接合体10の概略断面を示している。なお、シール一体型膜電極接合体10のカソード側の面の構成は、アノード側の面の構成と同様であるため、図示および説明は省略する。
【0011】
シール一体型膜電極接合体10は、反応ガスが供給され、発電反応が行われる発電部11と、発電部11の外周に設けられた外周シール部12とを有する(図2(A))。発電部11には、膜電極接合体5が含まれる(図2(B))。膜電極接合体5は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す電解質膜1と、電解質膜1の両面にそれぞれ配置されたアノード2およびカソード3とを備える。アノード2およびカソード3は、燃料電池反応を促進するための触媒(例えば白金(Pt))が担持された導電性を有する多孔質部材(例えば、カーボンペーパー)によって構成される。なお、膜電極接合体5の外周端は、外周シール部12によって被覆されている。
【0012】
アノード2およびカソード3の外表面にはそれぞれ、ガス拡散部材15が配置される。ガス拡散部材15は、導電性を有する多孔質部材(例えば、カーボンペーパー)によって構成される。ガス拡散部材15は、反応ガスを拡散して電極面に行き渡らせるためのガス拡散層として機能するとともに、膜電極接合体5において発電された電気の導電パスとして機能する。ところで、ガス拡散部材15には、燃料電池反応によって生成された反応生成水を発電部11の外部へと効率的に誘導するための排水流路として機能させるための疎水処理が施されているが、その詳細については後述する。
【0013】
外周シール部12は、シール一体型膜電極接合体10が、アノードセパレータ20およびカソードセパレータ30によって狭持されたときに、各セパレータ20,30に押圧され、流体の漏洩を抑制するためのシールラインを形成する。外周シール部12には、反応ガスのためのマニホールド41〜44が貫通孔として形成されている。具体的には、水素供給用マニホールド41および酸素排出用マニホールド44が、発電部11を挟んで、水素排出用マニホールド42および酸素供給用マニホールド43と対向するように形成されている(図2(A))。なお、各マニホールド41〜44の配置構成は、他の配置構成であっても良い。
【0014】
図3(A),(B)はそれぞれ、アノードセパレータ20およびカソードセパレータ30の構成を示す概略図である。図3(A)には、アノードセパレータ20のシール一体型膜電極接合体10と接する側の面が図示されており、図3(B)には、カソードセパレータ30のシール一体型膜電極接合体10と接する側の面が図示されている。なお、図3(A),(B)にはそれぞれ、シール一体型膜電極接合体10の発電部11と重なる領域を一点鎖線で図示してある。
【0015】
各セパレータ20,30はそれぞれ、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成される。各セパレータ20,30には、シール一体型膜電極接合体10と同様に、反応ガスのためのマニホールド41〜44が貫通孔として形成されている。また、各セパレータ20,30には、反応ガスのための流路溝が発電部11全体に渡って形成されている。
【0016】
アノードセパレータ20(図3(A))には、流路壁を介して互いに分離された水素供給用の流路溝(「一次流路」とも呼ぶ)と、水素排出用の流路溝(「二次流路」とも呼ぶ)とが設けられている。具体的には、一次流路としては、供給側連通流路溝210と、水素分配流路溝211と、供給側並列流路溝213とが設けられ、二次流路としては、排出側連通流路溝220と、水素集合流路溝221と、排出側並列流路溝223とが設けられている。
【0017】
供給側連通流路溝210は、水素供給用マニホールド41と発電部11とを連通するための流路溝である。水素分配流路溝211は、発電部11の一辺に沿って、紙面上下方向に直線的に延びる流路溝であり、供給側連通流路溝210と接続している。供給側並列流路溝213は、紙面左右方向に延びる直線状の流路溝であり、複数本が並列に設けられている。供給側並列流路溝213のそれぞれの一端は、水素分配流路溝211と接続しており、他端は閉塞している。
【0018】
排出側連通流路溝220は、発電部11と水素排出用マニホールド42とを連通するための流路溝である。水素集合流路溝221は、発電部11の一辺に沿って、紙面上下方向に直線的に延びる流路溝であり、排出側連通流路溝220と接続する。排出側並列流路溝223は、紙面左右方向に延びる直線状の流路溝であり、複数本が並列に設けられている。排出側並列流路溝223のそれぞれの一端は、水素集合流路溝221と接続しており、他端は閉塞している。
【0019】
ここで、供給側並列流路溝213と排出側並列流路溝223とは、並列方向に互いに交互に配列されている。以後、供給側並列流路溝213と排出側並列流路溝223との間に存在する複数の並列な流路壁を「並列流路壁22」と呼ぶ。また、排出側並列流路溝223のそれぞれの閉塞端部と、水素分配流路溝211との間の流路壁を「始端流路壁21」と呼び、供給側並列流路溝213のそれぞれの閉塞端部と水素集合流路溝221との間の流路壁を「終端流路壁23」と呼ぶ。これらの流路壁21〜23は、燃料電池100を構成したときに、シール一体型膜電極接合体10のアノード側のガス拡散部材15と接触する。
【0020】
燃料電池100では、外部から水素供給用マニホールド41へと供給された水素は、供給側連通流路溝210を介して、各単セル110のアノード側の発電部11へと流入する。発電部11において、水素は、供給側連通流路溝210から水素分配流路溝211へと流れ、水素分配流路溝211において、各供給側並列流路溝213へと流れる。ここで、各供給側並列流路溝213は、それぞれの終端が閉塞しているため、一次流路を構成する各流路溝211,213の水素は、シール一体型膜電極接合体10のガス拡散部材15を介して二次流路を構成する各流路溝221,223へと流れることとなる。即ち、始端流路壁21や、並列流路壁22、終端流路壁23は、一次流路の水素をガス拡散部材15の内部へと誘導するための誘導壁面として機能する。これによって、燃料電池100では、各単セル110に供給された全ての水素を、ガス拡散部材15の内部に供給することが可能となる。
【0021】
ガス拡散部材15へと流入した水素の一部は、さらに、アノード2へと拡散し、燃料電池反応に供される。また、ガス拡散部材15へと流入した水素の一部は、カソード側で生成され、水分濃度勾配に従ってアノード側へと移動してきた反応生成水によって加湿され、二次流路を構成する各流路溝221,223へと流れる。二次流路を構成する各流路溝221,223へと流入した水素は、排出側連通流路溝220を介して水素排出用マニホールド42へと排出される。
【0022】
カソードセパレータ30(図3(B))には、酸素のための流路溝として、供給側連通流路溝31と、酸素分配流路溝32と、並列流路溝33と、酸素集合流路溝34と、排出側連通流路溝35とが設けられている。供給側連通流路溝31および排出側連通流路溝35はそれぞれ、酸素供給用マニホールド43および酸素排出用マニホールド44のそれぞれとカソード側の発電部11とを連通するための流路溝である。酸素分配流路溝32および酸素集合流路溝34はそれぞれ、発電部11の対向する二辺に沿って、紙面上下方向に延びる直線状の流路溝であり、供給側連通流路溝31および排出側連通流路溝35のそれぞれと接続されている。並列流路溝33は、酸素分配流路溝32と酸素集合流路溝34とを接続する、紙面左右方向に延びる直線状の流路溝であり、複数本が並列に設けられている。燃料電池100の各単セル110では、酸素は、これらの流路溝31〜35に誘導され、発電部11において燃料電池反応に用いられつつ、酸素供給用マニホールド43から酸素排出用マニホールド44へと流れる。
【0023】
なお、燃料電池100のアノードセパレータ20およびカソードセパレータ30の流路溝の構成は、他の構成であるものとしても良い。例えば、カソードセパレータ30の流路溝の構成を、アノードセパレータ20と同様な、一次流路と二次流路とを有する流路溝の構成としても良い。また、アノードセパレータ20の流路溝の構成を、一次流路および二次流路を有する流路溝の構成に換えて、カソードセパレータ30と同様な流路溝の構成としても良い。
【0024】
図4は、燃料電池100において用いられるガス拡散部材15の製造工程を示すフローチャートである。ステップS10では、ガス拡散部材15の基材として導電性および通気性を有する多孔質部材15aを準備する。ここで、ガス拡散部材15には、内部を通過する反応ガスによって、反応生成水が発電部11の外部へと誘導されやすくするための疎水化処理が施される。ステップS20〜S40では、準備された多孔質部材15aに対してその疎水化処理を施す。
【0025】
図5は、ステップS20における多孔質部材15aに対する撥水カーボン溶液の塗布工程を説明するための模式図である。この工程では、まず、シリコン系の粒子やフッ素系の粒子などの撥水性物質と、カーボン粒子とを水に分散させた溶液である撥水カーボン溶液50を準備する。ここで、撥水カーボン溶液50には、さらに、撥水性物質とカーボン粒子とを均一に混合させるために界面活性剤を混合する。なお、界面活性剤は、撥水カーボン溶液50中においては、図に示すような疎水基を内側とし、親水基を外側とする分子集合体51を構成する。この工程では、撥水カーボン溶液50を、例えば、スプレー60を用いて多孔質部材15aに塗布し、撥水カーボン溶液50中のカーボン粒子および撥水性物質を多孔質部材15aの細孔中に含浸させる。
【0026】
ステップS30(図4)では、撥水カーボン溶液50が塗布された多孔質部材15aを乾燥させる。これにより、多孔質部材15aの細孔内には、カーボン粒子と撥水性物質とが付着する。このように、多孔質部材15aの細孔内にカーボン粒子を付着させることによって、多孔質部材15aの電気抵抗が低減させることができる。また、多孔質部材15aの細孔内に撥水性物質を付着させることによって、多孔質部材15aの撥水性(疎水性)を向上させることができる。
【0027】
ところで、撥水カーボン溶液50に含まれる界面活性剤は、ステップS30の乾燥工程完了後の多孔質部材15aの細孔内に、カーボン粒子や撥水性物質とともに付着している。界面活性剤は親水基を有しているため、多孔質部材15aに界面活性剤を残留させると、撥水性物質による多孔質部材15aの撥水性向上効果が減殺されてしまう可能性がある。界面活性剤は、加熱処理により熱分解することが可能である。
【0028】
ここで、ガス拡散部材15は、疎水性が他の部位より低い部位を設けることにより、その部位へと反応生成水が誘導されるように構成できる。そこで、本実施例では、ステップS40において、多孔質部材15aに対して、加熱領域と非加熱領域とを設ける部分的な加熱処理を実行し、多孔質部材15aにおいて、界面活性剤を熱分解して減少させた疎水性の高い部位と、界面活性剤を残留させた疎水性の低い部位とを設ける。この加熱処理工程によって、内部の疎水性の差異による反応生成水の誘導路が予め形成されたガス拡散部材15が完成する。なお、この部分的な加熱方法としては、例えば、レーザーによる点加熱や線加熱を採用することが可能である。
【0029】
図6(A),(B)は、ステップS40において設けられる非加熱領域の一例を示す説明図である。図6(A)には、アノード側に配置されるガス拡散部材15が図示されており、非加熱領域UHAを二点鎖線で囲むとともにハッチングを付して示してある。また、図6(A)には、便宜上、ガス拡散部材15が配置されるシール一体型膜電極接合体10を破線で図示するとともに、ガス拡散部材15に隣接する一次流路および二次流路を破線で図示してある。図6(B)は、図6(A)に示すB−B切断における単セル110の一部の概略断面図示である。なお、図6(B)では、カソードセパレータ30の図示が省略されている。
【0030】
アノード側に配置されるガス拡散部材15では、アノードセパレータ20の供給側並列流路溝213の閉塞端部から水素集合流路溝221までの終端流路壁23を含む部位と接触する領域を非加熱領域UHAとすることが好ましい。これによって、供給側並列流路溝213の閉塞端部の水分を、ガス拡散部材15の非加熱領域UHAを介して、水素集合流路溝221へと誘導することが可能となる。
【0031】
図7(A)〜(C)は、運転中の燃料電池100のアノード側における水分移動を説明するための模式図である。図7(A)〜(C)には、アノードセパレータ20が図3(A)と同様に図示されるとともに、アノードセパレータ20の流路溝における液水WLの移動の態様が段階的に図示されている。前記したとおり、運転中の燃料電池100では、カソード3側で生成された反応生成水が、水分濃度勾配に従って、電解質膜1を介してアノード2側へと移動する。アノード2側へと移動した水分は、さらに、ガス拡散部材15を介して、アノードセパレータ20の各ガス流路溝211,213,221,223へと移動する。
【0032】
ここで、一次流路は水素排出用マニホールド42と直接的には接続されていない閉塞した流路であるため、液水WLが、供給側並列流路溝213に滞留してしまう可能性がある(図7(A))。供給側並列流路溝213に滞留した液水WLは、水素の流れに従って、さらに端部側へと誘導される(図7(B))。しかし、ガス拡散部材15に、図6で説明した非加熱領域UHAが形成されている場合には、供給側並列流路溝213の端部に誘導された液水WLは、非加熱領域UHAを介して終端流路壁23を越え、水素集合流路溝221へと移動することができ、水素排出用マニホールド42から排出される。
【0033】
このように、本実施例のガス拡散部材15の製造工程によれば、ガス拡散部材15の疎水性を向上させるための疎水化処理工程において、局所的に疎水性の低い部位を設けておくことが可能となる。この製造工程によって効率的および効果的に疎水化処理が施されたガス拡散部材15を用いれば、燃料電池100における反応生成水の排水性を向上させることができる。なお、ガス拡散部材15における非加熱領域UHAは、図6で説明した部位以外に設けることも可能である。また、カソード3側に配置されるガス拡散部材15とアノード2側に配置されるガス拡散部材15とでは、接触するセパレータの流路溝の構成に合わせて非加熱領域UHAの形成部位が異なるものとしても良い。さらに、ステップS40(図4)における部分的な加熱処理における加熱温度や加熱時間を調整することによって、ガス拡散部材15における界面活性剤の残留分布の勾配を設けるものとしても良い。この場合には、ガス拡散部材15の内部に疎水性の勾配が形成され、反応生成水の流れをより適切に制御することが可能となる。
【符号の説明】
【0034】
1…電解質膜
2…アノード
3…カソード
5…膜電極接合体
10…シール一体型膜電極接合体
11…発電部
12…外周シール部
15…ガス拡散部材
15a…多孔質部材
20…アノードセパレータ
21…始端流路壁
22…並列流路壁
23…終端流路壁
30…カソードセパレータ
31…供給側連通流路溝
32…酸素分配流路溝
33…並列流路溝
34…酸素集合流路溝
35…排出側連通流路溝
41…水素供給用マニホールド
42…水素排出用マニホールド
43…酸素供給用マニホールド
44…酸素排出用マニホールド
50…撥水カーボン溶液
51…分子集合体
60…スプレー
100…燃料電池
110…単セル
210…供給側連通流路溝
211…水素分配流路溝
213…供給側並列流路溝
220…排出側連通流路溝
221…水素集合流路溝
223…排出側並列流路溝
UHA…非加熱領域
WL…液水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池において反応ガスを電極面において拡散させるためのガス拡散部材の製造方法であって、
(a)前記ガス拡散部材の基材として、導電性を有する多孔質部材を準備する工程と、
(b)前記多孔質部材に、撥水性物質と、カーボン粒子と、界面活性剤とを混合した撥水カーボン溶液を塗布して乾燥させる工程と、
(c)前記多孔質部材において他の領域より疎水性を低くしたい領域以外の領域を加熱することにより、前記界面活性剤を熱分解する工程と、
を備える、製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−150921(P2011−150921A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11899(P2010−11899)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】