説明

燃料電池装置

【課題】ガスマニホールドとケーシングとの良好な接合状態を維持する。
【解決手段】燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池装置であって、電気的に接続された複数の燃料電池セルを有し、燃料電池セルにおいて燃料ガスと酸化剤ガスとが反応することで発電する燃料電池セル集合体12と、燃料電池セル集合体12の下側に配置され、燃料電池セルに燃料ガスを分配して供給する燃料ガスタンク68と、を備える。燃料ガスタンク68は、燃料ガスタンク側板68bの長手方向側面である長側面68baの一部がケーシング56に対して固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスにより発電を行う燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ガス(水素含有ガス)と空気(酸素含有ガス、酸化剤ガス)とを用いて電力を得ることができる複数の単セルをケーシング内に収容し、それら複数の単セルに燃料ガスと空気とを供給して発電する燃料電池装置が種々提案されている。このような燃料電池装置では、燃料ガスタンク等のガスマニホールドをケーシングに固定する際に、ガスケーシングにボルト固定用の穴を開けてボルト固定する。このボルト固定用の穴は、ケーシング内の気密性を保持するために、シール部材でシールされる。下記特許文献1では、同文献図10に示すガスタンク(ガスマニホールド)をケーシングに固定する際に、ケーシングに穴を開け、ガスタンク(ガスマニホールド)の端部から突出しているU字状固定部とケーシングとをボルト固定することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−54478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池装置は、発電時の発熱により内部の温度が1000度近くにまで上昇する。したがって、燃料電池装置では、起動時と停止時との温度差が大きくなる。そのため、燃料電池装置のケーシング内に配置される各部材も大きな温度差に晒されることになり、それぞれを構成する材料に応じた伸縮が生じる。ケーシング内に配置される各部材は、それぞれが果たす役割に適した位置に配置され、必要に応じて相互に接合される。一方、ケーシング内に配置される各部材を構成する材料は、それぞれが果たす役割に適したものが選択される。
【0005】
従って、燃料電池装置のケーシング内部においては、各部材の形状や材料によってそれぞれに異なる態様の伸びが発生することになり、場合によっては各部材相互の接合状態に影響を与えることになる。特にガスマニホールドは燃料ガスを各燃料電池セルに分配するものであるため、ガスマニホールドとケーシングとの接合状態を良好に保つことは燃料電池装置全体の品質を確保するために重要な要因となり得る。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料ガスと酸化剤ガスにより発電を行う燃料電池装置であって、ガスマニホールドとケーシングとの良好な接合状態を維持することが可能な燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池装置は、燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池装置であって、それぞれが所定間隔をあけて配置されると共に互いに電気的に接続されてなる複数の燃料電池セルを有し、当該燃料電池セルにおいて燃料ガスと酸化剤ガスとが反応することで発電する燃料電池セル集合体と、前記燃料電池セル集合体を支持する略長方形状の上面と、前記上面の長辺に沿って形成される長側面と、前記上面の短辺に沿って形成される短側面とを有し、前記燃料電池セルに燃料ガスを分配して供給するガスマニホールドと、前記燃料電池セル集合体と前記ガスマニホールドとを収納し、内部が密封空間となるように構成されるケーシングと、を備える。前記ガスマニホールドは、前記長側面の一部が前記ケーシングに接合されることで、前記ケーシングに対して固定されている。
【0008】
本発明では、ガスマニホールドの上面を略長方形状に形成しているので、上面に立設される複数の燃料電池セルが配置される領域も略長方形状となり、燃料電池セル集合体の外形は略直方体形状となる。従って、ガスマニホールドの長側面が設置家屋外壁に沿うように燃料電池装置を配置すると、設置家屋外壁からの突出量を抑えることができ、好ましい配置態様となる。
【0009】
ところで、このように燃料電池装置が設置家屋外壁から極力突出しないように構成すると、発電時の温度で500℃から700℃程度となるケーシング内部では長手方向の伸びが短手方向の伸びよりも大きくなる。上述したようにガスマニホールドは、その上面が略長方形状となるように構成していることから、長側面に沿った伸びが短側面に沿った伸びを上回ることになり、何らの対策もしなければ、ガスマニホールドとケーシングとの接合部分が破損するおそれがある。
【0010】
そこで本発明では、ガスマニホールドの長側面の一部をケーシングに接合することで、ガスマニホールドをケーシングに対して固定している。従って、長側面が伸びる場合の接合部分への影響は、長側面に沿った方向の力となる一方で、短側面が伸びる場合の接合部分への影響は、短側面に沿った方向の力、換言すれば長側面に交わる方向の力となる。長側面の伸びが短側面の伸びよりも大きいものの、接合側面に沿った方向の力よりも接合側面に交わる方向の力が接合部分を引き剥がす方向により作用することから、長側面の伸びが接合部分に与える影響を抑制することができる。従って、長側面の一部をケーシングに接合するという簡単な工夫で、より伸びの小さな短側面が接合部分に与える影響を増大させることなく、より伸びの大きな長側面が接合部分に与える影響を緩和し、ガスマニホールドが熱によって伸びた場合でも、ケーシングとの接合部分に与える悪影響を確実に抑制することができる。
【0011】
また本発明に係る燃料電池装置では、前記ガスマニホールドは、一対の前記長側面のそれぞれの一部が前記ケーシングに接合されるものであって、その接合位置は互いに対向するように配置されていることも好ましい。
【0012】
上述したように長側面の一部をケーシングに接合すると、短側面が伸びる影響はその接合部分に作用する。接合部分が剥離しない限り接合部分は移動しないので、短側面が伸びる影響は接合部分と対向する長側面の一部に作用する。従って、対向する長側面の異なる位置を接合すれば、ケーシングが短側面方向に歪んでしまい、ガスマニホールドの上面が歪むことも考えられる。上面は複数の燃料電池セルを立設する面であるから、上面が歪むと立設されている複数の燃料電池セルの間隔が変化してしまい、燃料電池セル相互の電気的接合状態へ悪影響を与えるおそれがある。そこで本発明では、一対の長側面におけるそれぞれの接合位置を互いに対向するように配置することで、ガスマニホールドの歪みを抑制し、燃料電池セルが所定間隔をおいて立設された状態を保つことができる。
【0013】
また本発明に係る燃料電池装置では、前記接合位置において前記ガスマニホールドと前記ケーシングとを接合する固定部材を備え、前記固定部材は、前記長側面の前記上面寄りの部分において前記ガスマニホールドに接合されてなることも好ましい。
【0014】
この好ましい態様では、ガスマニホールドとケーシングとを接合する固定部材を設けることで、固定部材をガスマニホールド及びケーシングそれぞれに適した状態で接合することができ、ガスマニホールドをケーシングにより確実に接合することができる。更に、固定部材は、長側面の上面寄りの部分においてガスマニホールドに接合されるので、上面の歪みをより確実に防止しつつ固定することができる。
【0015】
また本発明に係る燃料電池装置では、前記固定部材は、一つの前記長側面に対して複数設けられており、複数の前記固定部材は、前記長側面が伸びる長手方向の中心に対して対称な位置にそれぞれ設けられていることも好ましい。
【0016】
ガスマニホールドの長側面の一部をケーシングに接合した場合、その接合部分から外側の長側面は長側面に沿う方向に伸びることになる。また、燃料電池セル集合体の端部には、燃料電池セル集合体が発電した電気を取り出すための集電部材が取り付けられる。そこでこの好ましい態様では、複数の固定部材を長側面の長手方向の中心に対して対称な位置に設けることで、固定部材から外側における長側面の伸び量を両端均等なものとしている。従って、燃料電池セル集合体端部に設けられる集電部材に作用する力を均等に分散させ、集電部材の固定強度を不必要に高めることなく、その固定構造を簡易なものとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、燃料ガスと酸化剤ガスにより発電を行う燃料電池装置であって、ガスマニホールドとケーシングとの良好な接合状態を維持することが可能な燃料電池装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態における燃料電池モジュールの外観を示す斜視図である。
【図2】図1の中央近傍における断面図であって、図1のA方向から見た断面を示す断面図である。
【図3】図1の中央近傍における断面図であって、図1のB方向から見た断面を示す断面図である。
【図4】図1のケーシングから一部の外板を取り除いた状態を示す斜視図である。
【図5】図2に相当する模式図であって、発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す模式図である。
【図6】図3に相当する模式図であって、発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す模式図である。
【図7】本実施形態に用いられる燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。
【図8】本実施形態における燃料電池セルスタックの構成を示す斜視図である。
【図9】図4の燃料電池モジュールの固定部材付近における断面図であって、図4のA方向から見た部分断面図である。
【図10】図9に示す固定部材の一部を燃料ガスタンクとは反対側の上方から見た場合の、部分斜視図である。
【図11】図9に示す固定部材の一部を燃料ガスタンク側の上方から見た場合の、部分斜視図である。
【図12】(A)は、燃料電池モジュールが停止している時の固定部材付近を示す模式図であり、(B)は、燃料電池モジュールが稼働している時の固定部材付近を示す模式図である。
【図13】(A)は、燃料電池モジュールが停止している時の固定部材を示す模式図であり、(B)は、燃料電池モジュールが稼働している時の固定部材を示す模式図である。
【図14】燃料ガスタンクに対するボルト固定部の取り付け位置を示す概略斜視図である。
【図15】燃料ガスタンクに対するボルト固定部の取り付け位置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
本発明の実施形態である燃料電池モジュール(燃料電池装置)について、図1を参照しながら説明する。図1に示す燃料電池モジュール2は、固体電解質形燃料電池装置の一部を構成するものである。固体電解質形燃料電池装置は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット(図示せず)とを備える。
【0021】
図1においては、燃料電池モジュール2の高さ方向をy軸方向としている。このy軸に直交する平面に沿ってx軸及びz軸を定義し、燃料電池モジュール2の短手方向に沿った方向をx軸方向とし、燃料電池モジュール2の長手方向に沿った方向をz軸方向としている。図2以降において図中に記載しているx軸、y軸、及びz軸は、図1におけるx軸、y軸、及びz軸を基準としている。また、z軸の負方向に沿った方向をA方向とし、x軸の正方向に沿った方向をB方向としている。
【0022】
燃料電池モジュール2は、燃料電池セル(詳細は後述する)を収容するケーシング56と、ケーシング56の上部に設けられている熱交換器22とを備える。ケーシング56の内部は密封空間となっている。ケーシング56には、被改質ガス供給管60と、水供給管62とが繋げられている。一方、熱交換器22には、発電用空気導入管74と、燃焼ガス排出管82とが繋げられている。
【0023】
被改質ガス供給管60は、ケーシング56の内部に都市ガスといった改質用の被改質ガスを供給する管路である。水供給管62は、被改質ガスを水蒸気改質する際に用いられる水を供給する管路である。発電用空気導入管74は、改質後の燃料ガスと発電反応を起こさせるための発電用空気(酸化剤ガス)を供給する管路である。燃焼ガス排出管82は、発電反応後の燃料ガスを燃焼した結果生じる燃焼ガスを排出する管路である。
【0024】
続いて、図2〜図4を参照しながら、燃料電池モジュール2の内部について説明する。図2は、燃料電池モジュール2をその中央近傍において図1のA方向から見た断面図である。図3は、燃料電池モジュール2をその中央近傍において図2のB方向から見た断面図である。図4は、図1に示す燃料電池モジュール2から燃料電池セル集合体を覆うケーシング56の一部を取り外した状態を示す斜視図である。
【0025】
図2〜図4に示すように、燃料電池モジュール2の燃料電池セル集合体12は、ケーシング56により、全体が覆われている。図4に示すように、燃料電池セル集合体12は、全体としてB方向よりA方向の方が長いほぼ直方体形状であり、改質器20側の上面、燃料ガスタンク68(ガスマニホールド)側の下面、図4のA方向に沿って延びる長辺側面と、図4のB方向に沿って延びる短辺側面と、を備えている。
【0026】
本実施形態の場合、水供給管62から供給される水を蒸発させるための蒸発混合器(図に明示しない)は、改質器20の内部に設けられている。蒸発混合器は、燃焼ガスにより加熱され、水を水蒸気にすると共に、この水蒸気と、被改質ガスである燃料ガス(都市ガス)と空気とを混合するためのものである。
【0027】
被改質ガス供給管60及び水供給管62は、ケーシング56の内部に導かれた後、共に改質器20に繋がれている。より具体的には、図3に示すように、改質器20の上流端である図中右側の端部に繋がれている。
【0028】
改質器20は、燃料電池セル集合体12の上方に形成された燃焼室18の更に上方に配置されている。したがって、改質器20は、発電反応後の残余の燃料ガス及び空気による燃焼熱によって熱せられ、蒸発混合器としての役割と、改質反応を起こす改質器としての役割とを果たすように構成されている。
【0029】
改質器20の下流端(図3の左端)には、燃料供給管66の上端が接続されている。この燃料供給管66の下端側66aは、燃料ガスタンク68内に入り込むように配置されている。
【0030】
図2〜図4に示すように、燃料ガスタンク68は、燃料電池セル集合体12の真下に設けられている。燃料ガスタンク68は、4個の固定部材30(詳細は後述する)を用いて、ケーシング底板56aの上面に固定されている。なお、固定部材30は4個である必要はない。固定部材30の個数や配置場所は、燃料ガスタンク68の大きさや重量等を勘案して任意に設定することができる。
【0031】
また、燃料ガスタンク68内に挿入された燃料供給管66の下端側66aの外周には、長手方向(A方向)に沿って複数の小穴(図示せず)が形成されている。改質器20で改質された燃料ガスは、これら複数の小穴(図示せず)によって燃料ガスタンク68内に長手方向に均一に供給されるようになっている。燃料ガスタンク68に供給された燃料ガスは、燃料電池セル集合体12を構成する各燃料電池セルユニット16の内側にある燃料ガス流路(詳細は後述する)内に供給され、燃料電池セルユニット16内を上昇して、燃焼室18に至るようになっている。
【0032】
続いて、発電用空気を燃料電池モジュール2の内部へ供給するための構造を、図2〜図4及び図5,図6を参照しながら説明する。図5は、図2に対応する模式図であって、発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す図である。図は6、図3に対応する模式図であって、同様に発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す図である。これらの図に示すように、改質器20の上方に、熱交換器22が設けられている。熱交換器22には、複数の燃焼ガス配管70と、この燃焼ガス配管70の周囲に形成された発電用空気流路72とが設けられている。
【0033】
熱交換器22の上面における一端側(図3における右端)には、発電用空気導入管74が取り付けられている。この発電用空気導入管74により、発電用空気流量調整ユニット(図示しない)から、発電用空気が、熱交換器22内に導入されるようになっている。
【0034】
熱交換器22の上側の他端側(図3における左端)には、図2に示すように、発電用空気流路72の出口ポート76aが一対形成されている。この出口ポート76aは、一対の連絡流路76につながっている。さらに、燃料電池モジュール2のケーシング56の幅方向(B方向:短辺側面方向)の両側の外側には、発電用空気供給路77が形成されている。
【0035】
したがって、発電用空気供給路77には、発電用空気流路72の出口ポート76a及び連絡流路76から、発電用空気が供給されるようになっている。この発電用空気供給路77は、燃料電池セル集合体12の長手方向に沿って形成されている。さらに、その下方側であり且つ燃料電池セル集合体12の下方側に対応する位置に、発電室10内の燃料電池セル集合体12の各燃料電池セルユニット16に向けて発電用空気を吹き出すための複数の吹出口78a,78bが形成されている。これらの吹出口78a,78bから吹き出された発電用空気は、各燃料電池セルユニット16の外側に沿って、下方から上方へ流れるようになっている。
【0036】
続いて、燃料ガスと発電用空気とが燃焼して生成される燃焼ガスを排出するための構造を説明する。燃料電池セルユニット16の上方で発生した燃焼ガスは、燃焼室18内を上昇し、整流板21に至る。整流板21には、図6に示すように、開口21aが設けられており、開口21a内に燃焼ガスが導かれる。この開口21aを通った燃焼ガスは、熱交換器22の他端側に至る。熱交換器22内には、燃焼室18で燃料ガスと発電用空気が燃焼して生成された燃焼ガスを排出するための複数の燃焼ガス配管70が設けられている。これらの燃焼ガス配管70の下流端側には、燃焼ガス排出管82が接続され、燃焼ガスが外部に排出されるようになっている。
【0037】
続いて、図7を参照しながら燃料電池セルユニット16について説明する。図7は、本実施形態の燃料電池セルユニット16を示す部分断面図である。
【0038】
図7に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えている。
【0039】
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
【0040】
燃料電池セルユニット16の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極層90の上部90aは、電解質層94と外側電極層92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備えている。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極層90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極層90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極層90と電気的に接続されている。内側電極端子86の中心部には、内側電極層90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路98が形成されている。
【0041】
内側電極層90は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレードとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
【0042】
電解質層94は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
【0043】
外側電極層92は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
【0044】
続いて、図8を参照しながら燃料電池セルスタック14について説明する。図8は、本発実施形態の燃料電池セルスタック14を示す斜視図である。
【0045】
図8に示すように、燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16を備え、これらの燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれ、セラミック製の燃料ガスタンク上板68a及び上支持板100により支持されている。これらの燃料ガスタンク上板68a及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴がそれぞれ形成されている。
【0046】
さらに、燃料電池セルユニット16には、集電体102及び外部端子104が取り付けられている。この集電体102は、燃料極である内側電極層90に取り付けられた内側電極端子86と、隣接する燃料電池セルユニット16の空気極である外側電極層92の外周面とを電気的に接続するものである。
【0047】
さらに、燃料電池セルスタック14の端に位置する2個の燃料電池セルユニット16の上側端及び下側端の内側電極端子86には、それぞれ外部端子104が接続されている。これらの外部端子104は、隣接する燃料電池セルスタック14の端にある燃料電池セルユニット16の外部端子104に接続され、160本の燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されるようになっている。
【0048】
続いて、固定部材30について、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、燃料電池モジュール2の固定部材30付近において図4のA方向から見た部分断面図である。図10は、図9に示す固定部材30の一部を燃料ガスタンク68とは反対側の上方から見た場合の部分斜視図である。図11は、図9に示す固定部材30の一部を燃料ガスタンク68側の上方から見た場合の部分斜視図である。
【0049】
上述したように固定部材30は、燃料ガスタンク68をケーシング底板56aの上面に固定する部材である。本実施形態における固定部材30を用いることで、ケーシング底板56aや燃料ガスタンク68にボルトを固定するための穴を設けることなく、ケーシング底板56aに燃料ガスタンク68を固定することが可能となる。以下に、このような固定部材30の構成について詳細に説明する。
【0050】
固定部材30は、ケーシング底板56aに溶接固定する溶接部31と、燃料ガスタンク68に溶接固定するボルト固定部33と、溶接部31とボルト固定部33とを連結する連結部32と、を有する。連結部32は、ひずみ許容部32a、L字部32bおよびストッパー部32cを含む。
【0051】
溶接部31は、ケーシング底板56aに対して固定部材30を溶接固定する部分となる。溶接部31は、連結部32のひずみ許容部32aと一体形成されている。
【0052】
ここで、ケーシング底板56aは、燃料電池装置の軽量化を図るために薄板で形成される傾向にある。したがって、溶接部31をケーシング底板56aに溶接固定する際の溶接として、スポット溶接を採用することが好ましい。これは、薄板のケーシング底板56aに対して溶接部31全体を高温で溶接すると、薄板のケーシング底板が変形してしまい、燃料ガスタンク68を水平固定できなくなるおそれがあるのに対し、スポット溶接により溶接することで、高温で溶接する面積を小さく抑えることができ、ケーシング底板56aの変形を極力抑えることが可能となるためである。
【0053】
溶接部31の厚みは、スポット溶接による溶接部の十分な強度を確保するために、極力薄くすることが好ましい。少なくとも、ケーシング底板56aの上面を基準にしたときに、溶接部31の高さが、連結部のひずみ許容部32aの高さよりも低くなることが好ましい。
【0054】
ボルト固定部33は、燃料ガスタンク側板68bに対して固定部材30を溶接固定する部分となる。ボルト固定部33は、連結部のL字部32bとボルト34で固定される。
【0055】
連結部32は、略逆凹状のひずみ許容部32aと、略L字状のL字部32bと、ひずみ許容部32aのひずみを制限するストッパー部32cとを含んで構成される。ひずみ許容部32aとL字部32bとは、ボルト35を用いて固定する。
【0056】
ひずみ許容部32aを略逆凹状の板部材で形成することによって、ひずみ許容部32aが、図9のz軸方向にひずんで変形し易くなる。ひずみ許容部32aは、図9のz軸方向を、ひずみ許容方向とする。ここで、燃料電池は、稼働時の温度が1000度付近にまで上昇するため、停止時と稼働時との温度差が大きくなり、燃料ガスタンク68が熱膨張の影響で変形してしまう。燃料ガスタンク68が変形すると、そのひずみ力が燃料ガスタンク68に溶接固定されている固定部材30に作用することになる。このひずみ力がケーシング底板56aに溶接固定されている溶接部31に伝わると、溶接部31が破損してしまうことも考えられる。
【0057】
本実施形態のひずみ許容部32aのように、燃料ガスタンク68の変形に合わせて図9のz軸方向に変形可能とすることで、燃料ガスタンク68からのひずみ力をひずみ許容部32aで吸収させることができる。これにより、燃料ガスタンク68のz軸方向への変形によるひずみ力が溶接部31に伝わることを抑制することができる。つまり、溶接部31による溶接固定をひずみ力から保護することができる。
【0058】
図12を参照して、ひずみ許容部32aが燃料ガスタンク68の変形に合わせて変形する様子について説明する。図12(A)は、燃料電池モジュール2が停止している時の固定部材30付近を模式的に示す図であり、図12(B)は、燃料電池モジュール2が稼働している時の固定部材30付近を模式的に示す図である。
【0059】
図12(A)に示す停止状態から燃料電池モジュール2が稼働すると、図12(B)に示すように、燃料ガスタンク68の右端部分に位置する固定部材30付近が、燃料電池モジュール2の熱により、z軸の正方向(右方向)に膨張して変形する。この燃料ガスタンク68の変形に伴い、燃料ガスタンク68に溶接固定されているボルト固定部33及びこのボルト固定部33にボルト34で固定されているL字部32bにひずみ力が生ずる。このひずみ力によって、L字部32bにボルト35で固定されているひずみ許容部32aが、z軸の正方向にひずんで変形する。これにより、燃料ガスタンク68のz軸方向への変形によるひずみ力がひずみ許容部32aで吸収されるため、ひずみ力が溶接部31に伝わることを抑制できる。
【0060】
ストッパー部32cは、図11に示すように、ストッパー部32cの上端部をひずみ許容部32aの天板部分端部と連結固定し、ストッパー部32cの両側端部をひずみ許容部32aと非連結状態にするとともに、図9に示すように、ストッパー部32cの下端部とケーシング底板56aとの間に隙間D1を設けて構成する。このように構成することで、ひずみ許容部32aのひずみによる変形を、ストッパー部32cの下端部がケーシング底板56aと接することで制限することができる。また、ひずみ許容部32aがひずみにより変形することにより低下する上下方向(図9のy軸方向)の支持力を、ケーシング底板56aに接したストッパー部32cで補強することができる。
【0061】
図13を参照して、ストッパー部32cがひずみ許容部32aの変形を制限するしくみについて説明する。図13(A)は、燃料電池モジュール2が停止している時の固定部材30を模式的に示す図であり、図13(B)は、燃料電池モジュール2が稼働している時の固定部材30を模式的に示す図である。
【0062】
図13(A)に示す停止状態から燃料電池モジュール2が稼働すると、図13(B)に示すように、熱膨張した燃料ガスタンク68の変形に伴い、ひずみ許容部32aが、z軸の正方向にひずんで変形する。このひずみ許容部32aの変形は、ストッパー部32cの下端部がケーシング底板56aに接することで停止する。これにより、ひずみ許容部32aが破損しない範囲で変形を制限することができ、変形により低下した上下方向(y軸方向)の支持力を補強することが可能となる。
【0063】
図9に示すように、L字部32bは、ひずみ許容部32aのひずみ許容方向(z軸方向)と略直交する方向(x軸方向)にひずみ許容方向を形成するように、ひずみ許容部32aの上面に配置される。L字部32bのうちひずみ許容部32a側の底板部分が、ひずみ許容部32aとボルト35で固定される。これにより、L字部32bのうちボルト固定部33側の側板部分が、図9のx軸方向にひずんで変形し易くなる。
【0064】
ストッパー部32cと燃料ガスタンク側板68bとの間には、隙間D2が設けられている。この隙間D2は、燃料ガスタンク68が、燃料電池モジュール2の熱により、x軸の負方向に熱膨張することを勘案して設定する。このような隙間D2を設けることで、燃料ガスタンク68がx軸方向に熱膨張した場合であっても、ストッパー部32cが燃料ガスタンク側板68bから直接圧力を受けないようにすることが可能となる。つまり、燃料ガスタンク68がx軸方向に熱膨張することによって受ける圧力を低減させることができる。以下に、燃料ガスタンク68のx軸方向の熱膨張を許容するしくみについて具体的に説明する。
【0065】
燃料ガスタンク側板68bが、燃料電池モジュール2の熱により、図9のx軸の負方向に膨張して変形した場合、この変形に伴って、燃料ガスタンク側板68bに溶接固定されているボルト固定部33にひずみ力が生ずる。このひずみ力によって、ボルト固定部33にボルト34で固定されているL字部32bの側板部分が、L字部32bの底板部分に近づく方向に折り曲げられて変形する。これにより、燃料ガスタンク68のx軸方向の変形によるひずみ力をL字部32bで吸収することができるため、ひずみ力が溶接部31に伝わることを抑制することができる。
【0066】
上述したように実施形態における燃料モジュール2によれば、燃料ガスタンク側板68bに溶接固定されたボルト固定部33に対して、ケーシング底板56aに溶接固定された溶接部31に連結する連結部のL字部32bを、ボルト34で固定することができる。これにより、ケーシング56aに穴を開けることなく、燃料ガスタンク68をケーシング56に固定することができる。すなわち、実施形態における燃料電池モジュールの構成を用いることにより、ケーシング56内の気密性を確保しつつ、燃料ガスタンク68をケーシング56に強固に固定することが可能となる。
【0067】
続いて、燃料ガスタンク68に対するボルト固定部33(固定部材30)の固定態様を、図14及び図15を参照しながら説明する。図14は、燃料ガスタンク68に対するボルト固定部33の固定態様を示す概略斜視図である。図15は、燃料ガスタンク68に対するボルト固定部33の固定態様を示す側面図である。
【0068】
図14に示すように、燃料ガスタンク68は、燃料ガスタンク上板68aと燃料ガスタンク側板68bとを有している。燃料ガスタンク上板68aは、略長方形状の上面を形成するように略長方形状に形成されている。燃料ガスタンク側板68bは、燃料ガスタンク上板68aの長辺に沿って形成される長側面68baと、燃料ガスタンク上板68aの短辺に沿って形成される短側面68bbとを有している。
【0069】
ボルト固定部33は、燃料ガスタンク側板68bの長側面68baに取り付けられている。本実施形態の場合、一方の長側面68baに一対のボルト固定部33が取り付けられ、他方の長側面68baにも一対のボルト固定部33が取り付けられている。
【0070】
図15に示されるように、ボルト固定部33,33は、長側面68baの中心線CLに対して、対称な位置に配置されている。具体的には、長側面68baの中心線CLから、一方のボルト固定部33までの距離Lと他方のボルト固定部33までの距離Lとが略等しくなるように配置されている。中心線CLとボルト固定部33との距離は、中心線CLとボルト固定部33の幅方向(z軸方向)中心との距離で測ることが好ましいけれども、必ずしも厳密なものではなく中心線CLに対して一対の(若しくは複数の)固定部材30が均等に分散配置されていれば足りるものである。換言すれば、燃料ガスタンク68とケーシング56との接合部分が、中心線CLから均等に設けられていれば本発明の趣旨に沿うものである。
【0071】
上述したように本実施形態の燃料ガスタンク68は、その長側面68baの一部がケーシング底板56a(ケーシング56)に接合されることで、ケーシング56に対して固定されている。
【0072】
本実施形態では、燃料ガスタンク68の上面を略長方形状に形成しているので、上面に立設される複数の燃料電池セルユニット16が配置される領域も略長方形状となり、燃料電池セル集合体12の外形は略直方体形状となる。従って、燃料ガスタンク68の長側面68baが設置家屋外壁に沿うように燃料電池モジュール2を配置すると、設置家屋外壁からの突出量を抑えることができ、好ましい配置態様となる。
【0073】
ところで、このように燃料電池モジュール2が設置家屋外壁から極力突出しないように構成すると、発電時の温度で500℃から700℃程度となるケーシング56内部では長手方向の伸びが短手方向の伸びよりも大きくなる。上述したように燃料ガスタンク68は、その上面が略長方形状となるように構成していることから、長側面68baに沿った伸びが短側面68bbに沿った伸びを上回ることになり、何らの対策もしなければ、燃料ガスタンク68とケーシング56との接合部分が破損するおそれがある。
【0074】
そこで本実施形態では、燃料ガスタンク68の長側面68baの一部をケーシング56に接合することで、燃料ガスタンク68をケーシング56に対して固定している。従って、長側面68baが伸びる場合の接合部分への影響は、長側面68baに沿った方向(z軸方向)の力となる一方で、短側面68bbが伸びる場合の接合部分への影響は、短側面68bbに沿った方向の力、換言すれば長側面68baに交わる方向(x軸方向)の力となる。長側面68baの伸びが短側面68bbの伸びよりも大きいものの、接合側面に沿った方向(z軸方向)の力よりも接合側面に交わる方向(x軸方向)の力が接合部分を引き剥がす方向により作用することから、長側面68baの伸びが接合部分に与える影響を抑制することができる。従って、長側面68baの一部をケーシング56に接合するという簡単な工夫で、より伸びの小さな短側面68bbが接合部分に与える影響を増大させることなく、より伸びの大きな長側面68baが接合部分に与える影響を緩和し、燃料ガスタンク68が熱によって伸びた場合でも、ケーシング56との接合部分に与える悪影響を確実に抑制することができる。
【0075】
また、燃料ガスタンク68は、一対の長側面68baのそれぞれの一部がケーシング56に接合されるものであって、その接合位置は互いに対向するように配置されている。
【0076】
上述したように長側面68baの一部をケーシング56に接合すると、短側面68bbが伸びる影響はその接合部分に作用する。接合部分が剥離しない限り接合部分は移動しないので、短側面68bbが伸びる影響は接合部分と対向する長側面68baの一部に作用する。従って、対向する長側面68baの異なる位置を接合すれば、ケーシング56が短側面方向(x軸方向)に歪んでしまい、燃料ガスタンク68の上面が歪むことも考えられる。上面は複数の燃料電池セルユニット16を立設する面であるから、上面の歪みは立設されている複数の燃料電池セルユニット16の間隔変化に繋がり、燃料電池セルユニット16相互の電気的接合状態へ悪影響を与えるおそれがある。そこで、一対の長側面68baにおけるそれぞれの接合位置を互いに対向するように配置することで、燃料ガスタンク68の歪みを抑制し、燃料電池セルユニット16が所定間隔をおいて立設された状態を保つことができる。
【0077】
また本実施形態では、接合位置において燃料ガスタンク68とケーシング56とを接合する固定部材30を備え、固定部材30は、長側面68baの上面寄りの部分において燃料ガスタンク68に接合されている(図9参照)。
【0078】
このように、燃料ガスタンク68とケーシング56とを接合する固定部材30を設けることで、固定部材30を燃料ガスタンク68及びケーシング56それぞれに適した状態で接合することができ、燃料ガスタンク68をケーシング56により確実に接合することができる。更に、固定部材30は、長側面68baの上面寄りの部分において燃料ガスタンク68に接合されるので、上面の歪みをより確実に防止しつつ固定することができる。このように本実施形態では固定部材30を設けることで、燃料ガスタンク68とケーシング56とを接合しているけれども、燃料ガスタンク68とケーシング56とを溶接等で直接接合することも好ましい態様である。
【0079】
また、固定部材30は、一つの長側面68baに対して複数設けられており、複数の固定部材30は、長側面68baが伸びる長手方向の中心に対して対称な位置にそれぞれ設けられている。
【0080】
燃料ガスタンク68の長側面68baの一部をケーシング56に接合した場合、その接合部分から外側の長側面68baの一部は長側面68baに沿う方向(z軸方向)に伸びることになる。また、燃料電池セル集合体12の端部には、燃料電池セル集合体12が発電した電気を取り出すための集電部材106,108が取り付けられる(図15参照)。そこで、複数の固定部材30を長側面68baの長手方向(z軸方向)の中心(中心線CL)に対して対称な位置に設けることで、固定部材30から外側における長側面68baの伸び量を両端均等なものとしている。従って、燃料電池セル集合体12端部に設けられる集電部材106,108に作用する力を均等に分散させ、集電部材106,108の固定強度を不必要に高めることなく、その固定構造を簡易なものとすることができる。
【符号の説明】
【0081】
2:燃料電池モジュール(燃料電池装置)
10:発電室
12:燃料電池セル集合体
14:燃料電池セルスタック
16:燃料電池セルユニット
18:燃焼室
20:改質器
21:整流板
21a:開口
22:熱交換器
30:固定部材
31:溶接部
32a:ひずみ許容部(連結部)
32b:L字部(連結部)
32c:ストッパー部(連結部)
33:ボルト固定部
34、35、36:ボルト
56:ケーシング
56a:ケーシング底板
60:被改質ガス供給管
62:水供給管
66:燃料供給管
66a:下端側
68:燃料ガスタンク(ガスマニホールド)
68a:燃料ガスタンク上板
68b:燃料ガスタンク側板
68ba:長側面
68bb:短側面
70:燃焼ガス配管
72:発電用空気流路
74:発電用空気導入管
76:連絡流路
76a:出口ポート
77:発電用空気供給路
78a,78b:吹出口
82:燃焼ガス排出管
84:燃料電池セル
86:内側電極端子
88:燃料ガス流路
90:内側電極層
90a:上部
90b:外周面
90c:上端面
92:外側電極層
94:電解質層
96:シール材
98:燃料ガス流路
100:上支持板
102:集電体
104:外部端子
106,108:集電部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池装置であって、
それぞれが所定間隔をあけて配置されると共に互いに電気的に接続されてなる複数の燃料電池セルを有し、当該燃料電池セルにおいて燃料ガスと酸化剤ガスとが反応することで発電する燃料電池セル集合体と、
前記燃料電池セル集合体を支持する略長方形状の上面と、前記上面の長辺に沿って形成される長側面と、前記上面の短辺に沿って形成される短側面とを有し、前記燃料電池セルに燃料ガスを分配して供給するガスマニホールドと、
前記燃料電池セル集合体と前記ガスマニホールドとを収納し、内部が密封空間となるように構成されるケーシングと、を備え、
前記ガスマニホールドは、前記長側面の一部が前記ケーシングに接合されることで、前記ケーシングに対して固定されていることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項2】
前記ガスマニホールドは、一対の前記長側面のそれぞれの一部が前記ケーシングに接合されるものであって、その接合位置は互いに対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記接合位置において前記ガスマニホールドと前記ケーシングとを接合する固定部材を備え、
前記固定部材は、前記長側面の前記上面寄りの部分において前記ガスマニホールドに接合されてなることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池装置。
【請求項4】
前記固定部材は、一つの前記長側面に対して複数設けられており、
複数の前記固定部材は、前記長側面が伸びる長手方向の中心に対して対称な位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−77525(P2013−77525A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218247(P2011−218247)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】