説明

燃料電池

【課題】燃料電池の製造時の粘性シール材の塗布量の管理幅を比較的広くすることが可能な技術を提供する。
【解決手段】燃料電池100は、膜電極ガス拡散層接合体10と、アノード側セパレータ30aと、カソード側セパレータ30cと、シール材40と、を備える。アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cには、位置決め用冶具が挿入される正基準穴32a,32c等が形成されている。シール材40は、粘性を有する接着剤を硬化してなる。アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cは、シール材40が設けられる領域Aにおいて、正基準穴32a,32cの周囲に設定された領域A1におけるアノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間隔d1が、領域A1以外の領域A2におけるアノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間隔d2よりも大きくなる形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関し、詳しくは、燃料電池のシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池は、例えば、膜電極接合体を含む発電体をアノード側セパレータとカソード側セパレータとで挟持することによって構成される。
【0003】
このような燃料電池では、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間であって、発電体の周囲に、燃料電池内を流れる流体をシールするシール材が備えられる。そして、このシール材としては、例えば、熱硬化性樹脂を含む接着剤等の、粘性を有する粘性シール材を硬化してなるシール材が用いられる場合がある。
【0004】
ところで、上述した構成を有する燃料電池を製造する際には、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの相対的な位置決めが行われる。そして、これらの位置決め方法としては、各セパレータに複数の基準穴を設けておき、この複数の基準穴にそれぞれ位置決め用冶具を挿入する方法が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−242487号公報
【特許文献2】特開2002−367631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した位置決め方法を採用して上述した構成を有する燃料電池を製造する場合、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間に粘性シール材を塗布して圧着するときに、粘性シール材が、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間で広がる。そして、粘性シール材の塗布量が過剰である場合には、広がった粘性シール材が、位置決め用冶具にまで達して、位置決め用冶具に付着する場合がある。この場合、粘性シール材が位置決め用冶具に付着した状態で硬化すると、燃料電池が位置決め用冶具に接着されてしまうという不具合が生じる。そこで、このような不具合が生じないようにするためには、燃料電池を製造する際の粘性シール材の塗布量についての管理幅を比較的狭く設定する必要があった。そして、このことは、燃料電池の製造管理の煩雑化を招く。このため、粘性シール材の塗布量についての管理幅を比較的広く設定しても、上記不具合が生じないようにすることができる技術が求められていた。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、位置決め用冶具が挿入される基準穴が形成されたセパレータ間に粘性シール材を塗布して圧着・硬化することによってシール構造が形成される燃料電池において、燃料電池の製造時の粘性シール材の塗布量の管理幅を比較的広くすることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
燃料電池であって、
アノードおよびカソードを有する発電体と、
前記発電体のアノード側に配置されたアノード側セパレータと、
前記発電体のカソード側に配置されたカソード側セパレータと、
前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間であって、前記発電体の周囲に設けられ、前記燃料電池内を流れる流体をシールするシール材と、
を備え、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータには、前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの相対的な位置決めを行うときに、位置決め用冶具がそれぞれ挿入される複数の基準穴がそれぞれ形成されており、
前記シール材は、粘性を有する粘性シール材を硬化してなり、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータは、前記シール材が設けられる領域において、前記基準穴の周囲に設定された第1の領域であって、前記粘性シール材が塗布されない第1の領域における前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間隔が、前記粘性シール材が塗布されるべき第2の領域における前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間隔よりも大きくなる形状を有する、
燃料電池。
【0010】
適用例1の燃料電池では、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間に粘性シール材を塗布して圧着するときに、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間で、粘性シール材が広がっても、過剰な粘性シール材を、上記第1の領域におけるアノード側セパレータとカソード側セパレータとの間の空隙に留めることができる可能性が高い。また、適用例1の燃料電池では、上記第1の領域におけるアノード側セパレータとカソード側セパレータとの間隔が、上記第2の領域におけるアノード側セパレータとカソード側セパレータとの間隔と等しい場合よりも、粘性シール材が上記第1の領域に広がる距離が小さくなる。したがって、広がった粘性シール材が位置決め用冶具にまで達して、位置決め用冶具に付着することを抑制することができる。この結果、燃料電池の製造時の粘性シール材の塗布量の管理幅を比較的広くすることができる。
【0011】
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータは、それぞれ、金属製の薄板を加工することによって製造されている、
燃料電池。
【0012】
アノード側セパレータ、および、カソード側セパレータを、金属製の薄板を加工することによって製造する場合、バリや反りが生じて寸法精度の確保が比較的難しい。そして、この場合、粘性シール部材の塗布量の管理がさらに難しくなる。
【0013】
適用例2の燃料電池では、アノード側セパレータ、および、カソード側セパレータが、上述した形状を有しているので、バリや反りによって、アノード側セパレータ、および、カソード側セパレータの寸法にある程度のバラつきが生じても、このバラつきを吸収することができ、特に効果的である。
【0014】
[適用例3]
適用例2記載の燃料電池であって、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータのうちの少なくとも一方は、前記シール材が設けられる側の面において、前記第1の領域が前記第2の領域よりも窪むとともに、前記シール材が設けられる側とは反対側の面において、前記第1の領域が前記第2の領域よりも突出する形状を有する、
燃料電池。
【0015】
適用例3の燃料電池では、上述した形状を有するアノード側セパレータ、および、カソード側セパレータを、比較的簡易なプレス加工や打ち抜き加工によって製造することができる。
【0016】
本発明は、上述の燃料電池としての構成の他、上述の燃料電池に用いられるセパレータの発明や、上述の燃料電池を複数積層させた燃料電池スタックの発明として構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例としての燃料電池100の概略構成を示す説明図である。
【図2】アノード側セパレータ30aおよびカソード側セパレータ30cを示す説明図である。
【図3】燃料電池100の製造工程を示す説明図である。
【図4】接着剤を熱圧着してシール材40を形成する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.燃料電池:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池100の概略構成を示す説明図である。図1に、燃料電池100の要部断面図を示した。図示するように、燃料電池100は、膜電極ガス拡散層接合体10と、膜電極ガス拡散層接合体10のアノード側に配置されたアノード側セパレータ30aと、膜電極ガス拡散層接合体10のカソード側に配置されたカソード側セパレータ30cと、アノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間であって、膜電極ガス拡散層接合体10の周囲に設けられ、燃料電池100内を流れる流体をシールするシール材40と、を備える。なお、シール材40は、後述するように、アノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間に熱硬化性樹脂を含む接着剤を塗布して圧着・硬化(熱圧着)することによって形成されている。この接着剤は、課題を解決するための手段における粘性シール材に相当する。
【0019】
また、膜電極ガス拡散層接合体10と、カソード側セパレータ30cとの間には、酸化剤ガスの流路が形成されている(図示省略)。この酸化剤ガスの流路は、例えば、膜電極ガス拡散層接合体10と、カソード側セパレータ30cとの間に、エキスパンドメタルや、発泡金属焼結体等の金属多孔体を介装したり、カソード側セパレータ30cの膜電極ガス拡散層接合体10と当接する側の表面に、酸化剤ガスが流れる溝を設けたりすることによって構成される。
【0020】
膜電極ガス拡散層接合体10は、プロトン伝導性を有する電解質膜12の両面に、それぞれ、アノード側触媒層14a、および、カソード側触媒層14cを接合し、これらの表面に、さらに、アノード側ガス拡散層16a、および、カソード側ガス拡散層16cを接合することによって構成されている。本実施例では、電解質膜12として、ナフィオン(登録商標)を用いるものとした。電解質膜12として、プロトン伝導性を有する他の固体高分子膜を用いるものとしてもよい。また、カソード側触媒層14c、および、アノード側触媒層14aは、それぞれ、アイオノマ(例えば、ナフィオン(登録商標))と、触媒(例えば、白金)を担持した担体(例えば、カーボンブラック)とを含んでいる。また、本実施例では、カソード側ガス拡散層16c、および、アノード側ガス拡散層16aとして、カーボンクロスを用いるものとした。カソード側ガス拡散層16c、および、アノード側ガス拡散層16aとして、カーボンペーパ等、ガス拡散性、および、導電性を有する他の材料を用いるものとしてもよい。膜電極ガス拡散層接合体10は、課題を解決するための手段における発電体に相当する。
【0021】
また、本実施例では、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cは、それぞれ、金属製の薄板を加工することによって製造されているものとした。アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cとして、カーボンなど、導電性を有する種々の材料を適用するようにしてもよい。以下、図1、および、図2を参照して、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cについて説明する。
【0022】
B.セパレータ:
図2は、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cを示す説明図である。図2(a)に、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cの平面図を示した。また、図2(b)に、図2(a)におけるアノード側セパレータ30aのA−A断面を示した。なお、図2(b)に示した断面図は、図1に描かれているアノード側セパレータ30aの断面図と対応している。また、図2(c)に、図2(a)におけるカソード側セパレータ30cのA−A断面図を示した。なお、図2(c)に示した断面図は、図1に描かれているカソード側セパレータ30cの断面図と対応している。
【0023】
図2(a)に示したように、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cの周縁部には、それぞれ、燃料ガス、酸化剤ガス、冷却媒体が流れるマニホールドをそれぞれ構成する複数の貫通孔(符号省略)が形成されている。また、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cには、燃料電池100を複数積層して燃料電池スタックを構成するときの位置合わせや、締結部材を配置するために用いられる切り欠き部(符号省略)が形成されている。
【0024】
また、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cの一角には、それぞれ、正基準穴32a,32cが形成されている。また、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cにおける正基準穴32a,32cの対角位置には、それぞれ、副基準穴34a,34cが形成されている。正基準穴32a,33c、および、副基準穴34a,34cは、それぞれ、後述する位置決め用ピンが挿入され、アノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの相対的な位置決めに用いられる。
【0025】
また、本実施例では、カソード側セパレータ30cは、平らであるものとした。一方、アノード側セパレータ30aは、凹凸形状を有するものとした。具体的には、アノード側セパレータ30aは、膜電極ガス拡散層接合体10におけるアノード側触媒層14aと当接する部位に、複数の波板部30awを備えている(図1参照)。波板部30awは、膜電極ガス拡散層接合体10の表面に沿った方向に流れる燃料ガスの流路や冷却媒体の流路を構成する。
【0026】
また、図1に示したように、アノード側セパレータ30aは、シール材40が設けられる側の面において、正基準穴32aの周囲に設定された領域A1が領域A2よりも窪むとともに、シール材40が設けられる側とは反対側の面において、領域A1が領域A2よりも突出する形状を有する窪部30apを備えている。したがって、シール材40が設けられる領域Aにおいて、正基準穴32a,32cの周囲に設定された領域A1におけるアノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間隔d1は、領域A1以外の領域A2におけるアノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間隔d2よりも大きい。なお、正基準穴32a,32cの周囲に設定された領域A1は、接着剤が塗布されない領域であり、領域A2は、接着剤が塗布されるべき領域である。領域A2に塗布された接着剤は、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cに圧着されるときに、領域A1の一部に広がる。
【0027】
C.製造工程:
図3は、燃料電池100の製造工程を示す説明図である。また、図4は、接着剤を熱圧着してシール材40を形成する様子を示す説明図である。
【0028】
まず、ジグプレート200(図4参照)にカソード側セパレータ30cをセットする(ステップS100)。このとき、ジグプレート200に設けられた位置決め用ピン210等に、カソード側セパレータ30cに形成された正基準穴32c、および、副基準穴34cを挿入する(図4参照)。
【0029】
次に、カソード側セパレータ30cの表面の所定領域(図1に示した領域A2)に接着剤を塗布する(ステップS110)。このときの接着剤の塗布量は、後から圧着したときに広がった接着剤が位置決め用ピン210に達しないように管理される。
【0030】
次に、接着剤が塗布されたカソード側セパレータ30cの表面に、膜電極ガス拡散層接合体10を積層する(ステップS120)。次に、これらの上に、アノード側セパレータ30aをセット(積層)する(ステップS130)。このとき、位置決め用ピン210等に、アノード側セパレータ30aに形成された正基準穴32a、および、副基準穴34aを挿入する(図4参照)。
【0031】
そして、図4に示したように、カソード側セパレータ30cと、膜電極ガス拡散層接合体10と、アノード側セパレータ30aと、が積層されたジグプレート200を、熱圧着装置の下側加熱板300L上にセットし(ステップS140)、これらの上に、熱圧着装置の上側加熱板300Uを積層し、接着剤を熱圧着する(ステップS150)。以上の工程を経て、燃料電池100は完成する。
【0032】
以上説明した本実施例の燃料電池100では、アノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間に接着剤を塗布して圧着するときに、アノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間で、接着剤が広がっても、過剰な接着剤を、図1に示した領域A1におけるアノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間の空隙に留めることができる可能性が高い。また、本実施例の燃料電池100では、領域A1におけるアノード側セパレータとカソード側セパレータとの間隔が、領域A2におけるアノード側セパレータとカソード側セパレータとの間隔と等しい場合よりも、接着剤が領域A1に広がる距離が小さくなる。したがって、広がった接着剤が位置決め用ピン210にまで達して、位置決め用ピン210に付着することを抑制することができる。この結果、燃料電池100の製造時の接着剤の塗布量の管理幅を比較的広くすることができる。
【0033】
また、本実施例の燃料電池100では、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cが、先に説明した形状を有しているので、金属製の薄板を加工するときに生じるバリや反りによって、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cの寸法にある程度のバラつきが生じても、このバラつきを吸収することができる。
【0034】
D.変形例:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
【0035】
D1.変形例1:
上記実施例では、上記実施例では、カソード側セパレータ30cが平らであり、アノード側セパレータ30aが凹凸形状を有するものとしたが、本発明は、これに限られない。アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cが、シール材40が設けられる領域Aにおいて、領域A1におけるアノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間隔1が、領域A2におけるアノード側セパレータ30aとカソード側セパレータ30cとの間隔d2よりも大きくなる形状を有していればよい。
【0036】
D2.変形例2:
上記実施例では、アノード側セパレータ30a、および、カソード側セパレータ30cは、金属製の薄板を加工することによって製造されているものとしたが、本発明は、これに限られない。本発明は、位置決め用冶具が挿入される基準穴が形成されたセパレータ間に接着剤(粘性シール材)を塗布して圧着・硬化することによってシール構造が形成される燃料電池に適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
100…燃料電池
10…膜電極ガス拡散層接合体
12…電解質膜
14a…アノード側触媒層
14c…カソード側触媒層
16a…アノード側ガス拡散層
16c…カソード側ガス拡散層
30a…アノード側セパレータ
32a…正基準穴
34a…副基準穴
30ap…窪部
30aw…波板部
30c…カソード側セパレータ
32c…正基準穴
34c…副基準穴
40…シール材
200…ジグプレート
210…位置決め用ピン
300L…下側加熱板
300U…上側加熱板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池であって、
アノードおよびカソードを有する発電体と、
前記発電体のアノード側に配置されたアノード側セパレータと、
前記発電体のカソード側に配置されたカソード側セパレータと、
前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間であって、前記発電体の周囲に設けられ、前記燃料電池内を流れる流体をシールするシール材と、
を備え、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータには、前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの相対的な位置決めを行うときに、位置決め用冶具がそれぞれ挿入される複数の基準穴がそれぞれ形成されており、
前記シール材は、粘性を有する粘性シール材を硬化してなり、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータは、前記シール材が設けられる領域において、前記基準穴の周囲に設定された第1の領域であって、前記粘性シール材が塗布されない第1の領域における前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間隔が、前記粘性シール材が塗布されるべき第2の領域における前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間隔よりも大きくなる形状を有する、
燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池であって、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータは、それぞれ、金属製の薄板を加工することによって製造されている、
燃料電池。
【請求項3】
請求項2記載の燃料電池であって、
前記アノード側セパレータ、および、前記カソード側セパレータのうちの少なくとも一方は、前記シール材が設けられる側の面において、前記第1の領域が前記第2の領域よりも窪むとともに、前記シール材が設けられる側とは反対側の面において、前記第1の領域が前記第2の領域よりも突出する形状を有する、
燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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