説明

燃焼力学モニタリングシステムのための深さを設定工具及び目標深さにプローブを配置する方法

【課題】燃焼力学モニタリングシステム・プローブ及び類似のタイプのプローブの正確かつ反復可能な深さ設定工具を提供する。
【解決手段】タービン・プローブ深さをセットするためのキット100は、伸びた脚160及び整合バレル120を有する雄の測定治具110と、深さロッド340を有する雌の測定治具300とを含む。ライナー260を有するタービンケーシング230の中で目標深さにプローブ360を配置する方法は、第1の工具110を用いてポート結合金具280から前記ライナー260から所与の距離までの距離を計測し、前記距離を示すために前記第1の工具(110)を操作し、前記第1の工具を第2の工具300に嵌入し、内部的に距離を示すために前記第2の工具を操作し、前記第2の工具から前記第1の工具を取り除き、前記プローブを前記第2の工具及び前記ポート結合金具に嵌入し、距離を示すためにポート前記結合金具を操作することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、広義にはガスタービンに関するものであり、具体的にはガスタービンの内筒のまわりに正確に燃焼力学モニタリングシステム・プローブを配置するための深さ設定工具に関する。ガスタービン内の燃焼システムのための監視制御及び診断ツールの一部として、燃焼力学に関するデータを測定してこれを取得することが望ましい。燃焼力学と排出の間の適当なバランスの範囲内で作動しているように、この燃焼力学データは燃焼システム全体としての動作上の健康状態を決定するために用いることができ、更に燃焼システムを調整するためにも用いられる。
【背景技術】
【0002】
燃焼力学モニタリングシステムは、特定のタイプのガスタービンに、現在使用されている。燃焼力学モニタリングシステムのプローブの測定先端の正確な及び反復可能な取付けは、信頼できる測定値のために必要である。不適当に装置された力学プローブは、不正確な表示につながることにつながり、結果としてハードウェア損害に伴う、停止期間の増加となりうる。燃焼力学モニタリングシステムは、このように、プローブの測定先端の正確かつ反復可能な取付け深さを可能とする深さ設定工具を使用する。この種の深さ設定工具の実施例はグリーソンに共通に所有され、「プローブ深さ設定のためのキット及び方法」と名付けられた、米国特許第6,694,832号に示される。米国特許第6,694,832号は、本願明細書に引用され統合されたものとする。
【0003】
しかしながら、これらの周知の深さ設定工具は、他の周知のタービンで使われることができない。例えば、周知の深さ設定工具は、ニューヨーク州スケネクタディーにあるゼネラル・エレクトリック社によって、売られるEクラス・タービンでは使うことができない。具体的には、Eクラス・タービンは、他のタイプのタービンと比較したケース及び流れスリーブを貫通したものよりもより大きな穴をライナーに有する。このように、周知の深さ設定工具は、Eクラス・タービンで働かない。
【特許文献1】米国特許第6,694,832号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、Eクラス・タービンの、周知の深さ設定工具によって、現在設定されない類似の装置における形状寸法に適応できる深さ設定工具に対する欲求があった。深さ設定工具は、燃焼力学モニタリングシステム・プローブ及び類似のタイプのプローブの正確かつ反復可能な取付けを提供しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、このように、タービン・プローブ深さを設定するためのキットを開示する。このキットは、伸びた脚及び整合バレルを有する雄の測定治具と、深さロッドを有する雌の測定治具と、を含むことができる。この整合バレルは、ねじ部を含むことができる。ロッキングバレルは、ねじ部に配置されることができる。整合バレルは、ねじ部に配置される止めナットを含むことができる。脚は、足及びニップルを含むことができる。ニップルは、0.1インチ(約2.54ミリメートル)の深さを有することができる。脚は、整合バレルに隣接してオフセット位置を含むことができる。雄の測定治具は、整合バレルのまわりに配置される整合タブを含むことができる。雌の測定治具は、中空体を含むことができる。中空体は、雄の測定治具ポート及び深さロッド・ポートを含むことができる。深さロッド・ポートはねじ切りされる。そして、深さロッドはねじを含むことができる。雌の測定治具は、雄の測定治具ポートのまわりに配置されるポート部品を含むことができる。ポート結合金具は、ナット及び一対のフェルールを含むことができる。
【0006】
本出願は、更にライナーを有するタービンケーシングの中で目標深さにプローブを配置する方法を記載する。本方法は、第1の工具でライナーから、ポート結合金具から所与の距離までの距離を測定し、距離を示すために第1の工具を操作し、第1の工具を第2の工具に嵌入し、内部的に距離を示すために第2の工具を操作し、第2の工具から第1の工具を取り除き、プローブを第2の工具及びポート結合金具に嵌入し、距離を示すためにポート結合金具を操作するステップを含むことができる。
【0007】
第1の工具を操作するステップは、整合バレル上のロッキングバレルを回転させることを含むことができる。第2の工具を操作するステップは、深さロッドを調整することを含むことができる。ポート結合金具を操作するステップは、一対のフェルールを調整することを含むことができる。
【0008】
本出願は、タービン・プローブ深さをセットするためのキットを更に開示する。キットは、伸びた脚及びその上に配置されるロッキングバレルを有するねじ整合バレルを有する雄の測定治具、本体及び調節可能な深さロッドを有する雌の測定治具、及びナットと一対のフェルールを有するポート結合金具を含むことができる。脚は、足及びニップルを含むことができる。雄の測定治具は、整合バレルのまわりに配置される整合タブを有することができる。
【0009】
本出願のこれらのそしてまた他の特徴は、図面及び添付の請求の範囲を参照しながら、以下の詳細な説明を検討することによって、当業者に明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
同じ数字が全体にわたって同じパーツを参照するように記載されたいくつかの図を参照すると、図1は深さ設定工具の一部すなわちキット100を示す。具体的には、図1は、深さ設定工具すなわちキット100の雄の測定治具110を示す。
【0011】
図示するように、雄の測定治具110は、整合バレル120を含むことができる。整合バレル120は、形状において、実質的に環状でもよくて、第1のなめらかな部分130、第2のなめらかな部分140及びなめらかな部分130、140の間に位置するねじ部150を含むことができる。ここでは、他の形状が使われることもできる。
【0012】
調整バレル120を通して及び/又は下方に伸びるのは、脚160でもよい。脚160は、いかなる便利な形状及び長さをとることもできる。脚160は、整合バレル120の中央から、いくぶんオフセットしてつけられることができる。脚160は、足170に達する。足170の一番下が脚160に対して垂直でなければならないが、足170はいかなる便利なサイズ及び形状とすることもできる。脚160及び足170は、まだ脚160及び足170がタービン部品を通過できると共に、足170の最大長さが使うことができる機械加工された半径を有することができる。ニップル180は、足170に取り付けられることができる。ニップル180は、後で詳しく述べるようにライナーの近くに足170を配置するために、所定の高さを有することができる。他のいかなる位置も、本願明細書において、使うことができる。
【0013】
ロッキングバレル190は、整合バレル120のねじ部150に配置されることができる。ロッキングバレル190は、上下に整合バレル120のねじ部150を動かすために、マッチしているスレッドを有する管のような構造でもよい。ロックナット200は、ねじ部150上のロッキングバレル190より上に配置されることができる。ロックナット200は、従来のナットでもよく、ロッキングバレル190を位置に固定するために適することができる。
【0014】
整合タブ210は、整合バレル120の一端に取り付けられることができる。整合タブ210は、足170として同方向に向かう。整合タブ210は、雄の測定治具110が常に全体として正しい方向の向いていることを確実にする。
【0015】
雄の測定工具110は、ステンレス鋼、規格鋼又は類似のタイプの金属から作られることができる。雄の測定治具110の長さは、約0.740〜約0.745インチ(約1.88〜約1.89センチメートル)の幅を有し、かつ約9.5から約10インチ(約24.13〜約24.4センチメートル)にわたる長さを有することができる。脚160及び足170は、タービン部品の中に、そして、通過できるように、小さな径を有することができる。脚160は、約3.25〜約3.5インチ(約8.255〜約8.89センチメートル)の長さを有することができる。同様に、足170は、約0.20〜約0.25インチ(約0.51〜約0.635センチメートル)の長さを有することができる。ニップル180は、最高約0.75インチ(約19.05ミリメートル)の幅及び約0.1インチ(約2.54ミリメートル)の深さを有することができる。雄の測定治具110の形状及びサイズは、タービンの性質によって、全体として変化できる。
【0016】
図2は、タービン220内での雄の測定治具110の使用状態を示す。図示するように、タービン220は、燃焼ケース230を含む。燃焼ケース230は、流れスリーブ240、流れの道筋250及びライナー260を規定する。タービン220は、ポート270も含む。ポート270は、ポート結合金具をその中で有することができる。この例では、Swagelok結合金具280が、使うことができる。(Swagelok結合金具は、オハイオ州ソロンにあるSwagelokにより売られるマルチ部分結合金具である。詳細はwww.swagelok.comで見つかる。)ポート270はボス290を有することができる。Swagelok結合金具280は、ボス290に配置されることができる。
【0017】
使用時に、ナット及びフェルールにおいて、のSwagelok結合金具280のベースから取り除く。ロッキングバレル190及び雄のメジャー取付け具110のロックナット200は、整合タブ210の方へ、そして、足170から離れてねじ切りされる。脚160及び足170は、Swagelok結合金具280と流れスリーブ250に嵌入されることができる。足170がライナー260を接触させるまで、雄の測定治具110の残りの部分は流れスリーブ250を介してさし込まれる。それから、整合タブ210は、足170が同様に所望の方向に向いていることを確実にするように、所望の方向に向けられる。ロッキングバレル190は、ロッキングバレル190が接触するまで、Swagelok結合金具280の方へねじ回されて、及び係止ナット200は、場所内に螺入されている。それから、雄の測定治具110は、ポート270から取り除かれることができる。
【0018】
図3は、雄の測定治具110と関連して、深さ設定工具すなわちキット100の雌の測定治具300の使用法を示す。雌の測定治具300は、本体310を含む。本体310は、主に形状において、管状でもよい。本体310は、一端上の雄の測定治具ポート320及び他端の深さロッド・ポート330を有する。深さロッド・ポート330についての本体310の部分は、ねじ切りされることができる。深さロッド340は、深さロッド・ポート330の中に配置されることができる。この例では、深さロッド340が、つまみねじ345の形でありえる。つまみねじ345は、同様にねじ切りされることができる。つまみねじ345は、本体310の範囲内で配置されることができて、ロックナット350を介してきちんと係止されることができる。Swagelok結合金具280は、雄の測定治具ポート320に配置されることができる。Swagelok結合金具280は、上記のSwagelok結合金具280と同一か類似したサイズである。
【0019】
雌の測定治具300は、ステンレス鋼、標準鋼又は類似のタイプの金属から製造されることができる。雌の測定治具300の長さは、約6.25から約6.5インチ(約15.875〜約16.51センチメートル)にわたり、約1.8〜約2.25インチ(約4.57〜約5.715センチメートル)の幅を有することができる。本体310は、約2〜約2.25インチ(約5.08〜約5.715センチメートル)の直径及び約3.25〜約3.5インチ(約8.255〜約8.89センチメートル)の長さを有することができる。雌の測定治具300の形状及びサイズは、タービンの性質によって、全体として変化できる。
【0020】
使用中、つまみねじ345及びロックナット350は、できるだけ後退させる。ロッキングバレル190がSwagelok結合金具280と接触するまで、雄の測定治具110はそれから本体310の雄の測定治具ポート320に嵌入される。そして、雄の測定治具110の足部170と接触するまで、つまみねじ345はそれから回される。それから、ロックナット350は、適所につまみねじ345を係止する。それから、雄の測定治具110は、取り除かれることができる。
【0021】
図4は、プローブ360を有する雌の測定治具300の使用法を示す。プローブ360は、燃焼力学モニタ・プローブ又はいかなる所望のタイプの測定装置でもよい。プローブ360は、細長い測定先端370を含む。測定先端370は、ライナー260からゼロ(0)から約0.125インチ(約0(0)から約3.175ミリメートル)の間に位置するように設計されている。他のいかなる位置も、ここで使うことができる。
【0022】
Swagelokナット380及び一対のSwagelokフェルール390は、雌の測定治具300上のSwagelok結合金具280に戻される。測定先端370がつまみねじ345に接触するまで、測定先端370は雌の測定治具300の本体310の範囲内に配置さている。一旦装置されると、Swagelokナット380は手で締められることができる。それから、Swagelokナット380は、三(3)時位置で記録されることができる。ナット380は、それから、1と4分の1(1・1/4)回転レンチで締められ、九(9)時位置まで回されることができる。一旦ナット380及びフェルール390の位置が九(9)時位置に達したら、ナット380をゆるめることができる。プローブ360は、雌の測定治具300から取り除かれることができる。
【0023】
プローブ360は、それからポート270の中に配置されることができる。Swagelokナット380は、それから以前の引き上げられた位置に締められることができる。ナット380は、完全にフェルール390を設置するために、追加で4分の1の(1/4)ターンを回すことができる。プローブ360は、それから起動できる。
【0024】
また、本願明細書において、される測定は、Swagelok結合金具280を用いずになされることもできる。そのような場合、目標深さは、他の方法で記録されることができる。例えば、目標深さは、単にライナー260に対するバレル120の位置をマークすることによって、示すことができる。いかなるタイプの物理的マークも、使うことができる。
【0025】
前述した本出願の好ましい実施例に関することのみについて説明したが、当業者によって、多数の変更及び改造が請求項に規定された本発明及びその均等物の一般的な精神と範囲から逸脱することなくなされることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】深さ設定工具において使用されたときの、雄の測定治具の側面図。
【図2】燃焼ケースの範囲内で配置される図1の雄の測定治具の側面図。
【図3】深さ設定工具の雄の測定工具と協働している雌の測定治具の横断面図。
【図4】図3の雌の測定治具の中で配置されるプローブの横の横断面図。
【符号の説明】
【0027】
100 キット
110 測定治具
120 整合バレル
130 部分
140 部分
150 ねじ部
160 脚
170 足
180 ニップル
190 ロッキングバレル
200 ロックナット
210 整合タブ
220 タービン
230 燃焼ケース
240 スリーブ
250 スリーブ
260 ライナー
270 ポート
280 結合金具
290 ボス
300 測定治具
310 本体
320 測定治具ポート
330 ポート
340 ロッド
345 ねじ
350 ロックナット
360 プローブ
370 測定先端
380 ナット
390 フェルール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸びた脚(160)及び整合バレル(120)を含む雄の測定治具(110)と、
深さロッド(340)を含む雌の測定治具(300)と、
を含む、タービン・プローブ深さをセットするためのキット(100)。
【請求項2】
前記整合バレル(120)が、ねじ部(150)を含む請求項1に記載のキット(100)。
【請求項3】
前記整合バレル(120)が、前記ねじ部(150)に配置されるロッキングバレル(190)を含む請求項2に記載のキット(100)。
【請求項4】
前記整合バレル(120)が、前記ねじ部(150)に配置される止めナット(200)を含む請求項2に記載のキット(100)。
【請求項5】
前記脚(160)が、足(170)及びニップル(180)を含む請求項1に記載のキット(100)。
【請求項6】
前記雌の測定治具(300)が、中空本体(310)を含む請求項1に記載のキット(100)。
【請求項7】
前記中空本体(310)が、雄の測定治具ポート(320)及び深さロッド・ポート(330)を含む請求項6に記載のキット(100)。
【請求項8】
前記深さロッド・ポート(330)がねじ切りされ、前記深さロッド(340)がねじ(345)を含む請求項7に記載のキット(100)。
【請求項9】
前記雌の測定治具(300)が、前記雄の測定治具ポート(320)のまわりに配置されるポート結合金具(280)を含む請求項1に記載のキット(100)。
【請求項10】
ライナー(260)を有するタービンケーシング(230)の中で目標深さにプローブ(360)を配置する方法であって、
第1の工具(110)を用いてポート結合金具(280)から前記ライナー(260)から所与の距離までの距離を計測し、
前記距離を示すために前記第1の工具(110)を操作し、
前記第1の工具(110)を第2の工具(300)に嵌入し、
内部的に距離を示すために前記第2の工具(300)を操作し、
前記第2の工具(300)から前記第1の工具(110)を取り除き、
前記プローブ(360)を前記第2の工具(300)及び前記ポート結合金具(280)に嵌入し、
距離を示すためにポート前記結合金具(280)を操作する
ことを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−248464(P2007−248464A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62712(P2007−62712)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】