説明

燃焼加熱器

【課題】燃焼室の配置の自由度を高くする。
【解決手段】燃焼加熱器110は、加熱板126と、加熱板に対向配置された配置板120と、加熱板および配置板の外周に沿って配された外周壁122と、加熱板、配置板および外周壁によって囲繞される空間内において、加熱板および配置板と対向配置され、配置板との間の空隙によって導入部134を形成すると共に、加熱板との間の空隙によって導出部142を形成する仕切板124と、導入部と導出部を連通する連通部136と、連通部の近傍の導出部側において燃料ガスを燃焼する燃焼室138と、燃焼室に設けられ、燃焼室における燃料ガスの燃焼を維持する保炎部140と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料を燃焼させて被焼成物を加熱する燃焼加熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料ガスを燃焼させた燃焼熱で輻射体を加熱し、輻射体の輻射面からの輻射熱で、工業材料や食品等を加熱するガスヒータが広く普及している。
【0003】
また、排気ガスの熱で燃焼前の燃料ガスを予熱して熱効率を高める技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、本体の外周に配された外周壁に接する燃焼室と、本体中央から燃焼室に燃料ガスを導く導入部と、燃焼後の排気ガスを本体中央に集中させて本体外に導く導出部とを備え、導入部と導出部とを仕切板を境界として隣接させる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4494346号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、上述した特許文献1の構成等の燃焼加熱器においては、燃焼室において導入部から流入した燃料ガスを外周壁に衝突させ滞留させることで保炎していた。この場合、燃焼室を外周壁に近接させなければない。
【0006】
また、例えば、燃焼室を外周壁から離隔させることができれば、外周壁を介した燃焼室から燃焼加熱器外への放熱を抑制し、さらなる熱効率の向上が期待できる。
【0007】
このように、燃焼室の配置の自由度が増せば、さらなる効率化の可能性が広がるため、燃焼加熱器の燃焼室の配置において、設計上の自由度の向上が求められている。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、燃焼室の配置の自由度を高くすることが可能な、燃焼加熱器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の燃焼加熱器は、加熱板と、加熱板に対向配置された配置板と、加熱板および配置板の外周に沿って配された外周壁と、加熱板、配置板および外周壁によって囲繞される空間内において、加熱板および配置板と対向配置され、配置板との間の空隙によって導入部を形成すると共に、加熱板との間の空隙によって導出部を形成する仕切板と、導入部と導出部を連通する連通部と、連通部の近傍の導出部側において燃料ガスを燃焼する燃焼室と、燃焼室に設けられ、燃焼室における燃料ガスの燃焼を維持する保炎部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
連通部は、仕切板に設けられた1または複数の貫通孔であってもよい。
【0011】
保炎部は、加熱板の、連通部に対向する位置に設けられた凹みを含んでもよい。
【0012】
保炎部は、触媒を含んでもよい。
【0013】
保炎部は、多孔質体を含んでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、燃焼室の配置の自由度を高くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態における燃焼加熱システムの外観例を示した外観斜視図である。
【図2】第1の実施形態における燃焼加熱システムの構造を説明するための組立図である。
【図3】図1のIII‐III線断面図である。
【図4】連通部および保炎部を説明するための説明図である。
【図5】図3の部分拡大図である。
【図6】第2の実施形態における燃焼加熱器を説明するための説明図である。
【図7】第3の実施形態における燃焼加熱器を説明するための説明図である。
【図8】第4の実施形態における燃焼加熱器を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
(第1の実施形態:燃焼加熱システム100)
図1は、第1の実施形態における燃焼加熱システム100の外観例を示した外観斜視図である。本実施形態における燃焼加熱システム100は、都市ガス等と燃焼用酸化剤ガスとしての空気とが本体容器に供給される前に混合される予混合タイプとするが、かかる場合に限定されず、所謂、拡散燃焼を行う拡散タイプであってもよい。
【0018】
図1に示すように、燃焼加熱システム100は、複数(ここでは2つ)の燃焼加熱器110を連設してなり、都市ガス等と空気との混合ガス(以下、「燃料ガス」という)の供給を受けて、それぞれの燃焼加熱器110で燃料ガスが燃焼することで、加熱される。そして、燃焼加熱システム100では、その燃焼によって生じた排気ガスが回収される。
【0019】
図2は、第1の実施形態における燃焼加熱システム100の構造を説明するための組立図である。図2に示すように、燃焼加熱システム100は、配置板120と、外周壁122と、仕切板124と、加熱板126とを含んで構成される。
【0020】
配置板120は、耐熱性および耐酸化性が高い素材、例えば、ステンレス鋼(SUS:Stainless Used Steel)や、熱伝導率が低い素材等で形成される平板部材である。
【0021】
外周壁122は、配置板120と外周面が面一となる外形を有する薄板部材で構成され、図示のように配置板120に積層される。この外周壁122には、内周がトラック形状(略平行な2つの線分と、その2つの線分をつなぐ2つの円弧(半円)からなる形状)をなし、厚さ方向(外周壁122と配置板120との積層方向)に貫通する2つの孔122aが設けられている。
【0022】
仕切板124は、配置板120と同様に、耐熱性および耐酸化性が高い素材、例えば、ステンレス鋼や、熱伝導率が高い素材、例えば、黄銅等で形成される。そして、仕切板124は、外周壁122の孔122aの内周面に嵌合する外形形状を有する薄板状の部材で構成され、外周壁122の内側に配置板120と略平行に配置される。
【0023】
加熱板126は、配置板120と同様、耐熱性および耐酸化性が高い素材、例えば、ステンレス鋼や、熱伝導率が高い素材、例えば、黄銅等で形成される薄板部材からなる。
【0024】
そして、加熱板126は、配置板120および外周壁122と外周面が面一となる外形を有しており、外周壁122および仕切板124に積層される。このとき、加熱板126および配置板120は、互いに略平行(本実施形態における超過エンタルピ燃焼を起こさせるための実質的な平行)に対向配置されている。また、外周壁122は、加熱板126および配置板120の外周に沿って配され、仕切板124は、加熱板126、配置板120および外周壁122によって囲繞される空間内において、加熱板126および配置板120と対向配置されることとなる。
【0025】
かかる配置板120、仕切板124、および加熱板126は、間に空隙が形成されれば、傾いて対向配置されてもよい。また、配置板120、仕切板124、および加熱板126は、その厚みに制限はなく、平板に限らず凹凸に形成されてもよい。
【0026】
このように、燃焼加熱システム100の本体容器は、外周壁122の上下を加熱板126および配置板120で閉塞してなるもので、外周面(外周壁122の外表面)の面積より上下壁面(加熱板126および配置板120の外表面)の面積の方が大きい。つまり、上下壁面は、本体容器の外表面の大部分を占める。
【0027】
また、燃焼加熱システム100には、2つの燃焼加熱器110が連設して構成されており、両燃焼加熱器110間の接続部位には、連設された燃焼加熱器110内の密閉空間を連通する火移り部128が形成されている。ただし、密閉空間といっても、気体中で用いる場合、必ずしも完全密閉する必要はない。本実施形態の燃焼加熱システム100では、例えば、イグナイタ(図示せず)等の点火装置による1回の点火によって、火移り部128を通じて連設する燃焼加熱器110に火炎が広がって点火される。上記したように、燃焼加熱システム100には2つの燃焼加熱器110が設けられるが、両燃焼加熱器110は同一の構成であるため、以下では、一方の燃焼加熱器110について説明する。
【0028】
図3は、図1のIII‐III線断面図である。図3に示すように、配置板120には、燃焼加熱器110の中心部において厚さ方向に貫通する流入孔132が設けられている。この流入孔132には、燃料ガスが流通する第1配管部130が接続されており、流入孔132を介して燃料ガスが燃焼加熱器110の本体容器内に導かれる。
【0029】
本体容器内では、導入部134と導出部142とが仕切板124に仕切られて隣接して形成される。仕切板124、導入部134、および導出部142の位置関係については後に図示する。
【0030】
導入部134は、配置板120と仕切板124との間の空隙によって形成され、流入孔132から流入した燃料ガスを燃焼室138に放射状に導く。
【0031】
連通部136は、本実施形態において、仕切板124に設けられた1または複数の貫通孔である。そして、連通部136は、導入部134と導出部142を連通する。
【0032】
燃焼室138は、配置板120、加熱板126、および外周壁122で囲繞される空間内に配置される。また、燃焼室138は、連通部136の近傍の導出部142側に配置される。燃焼室138の任意の位置には、着火装置(図示せず)が設けられる。そして、燃焼室138では、導入部134から導入される燃料ガスが燃焼し、当該燃焼によって生成された排気ガスを導出部142に向けて導出する。
【0033】
保炎部140は、燃焼室138に設けられ、燃焼室138における燃料ガスの燃焼を維持する。本実施形態において、保炎部140は、加熱板126のうち、連通部136に対向する位置に設けられた凹みである。
【0034】
図4は、連通部136および保炎部140を説明するための説明図である。図4では、加熱板126と仕切板124をそれぞれ加熱板126と仕切板124との対向面を正面に捉えた正面図を示す。加熱板126に設けられた凹み(ハッチングで示す)である保炎部140は、図4(a)に示すように、例えば、仕切板124の外形と相似するトラック形状に形成される。また、連通部136も保炎部140に対向するようにトラック形状(図4(a)中、連通部136の中心をつなぐ仮想の線を破線で示す)に配される。
【0035】
さらに、連通部136が配される位置はトラック形状に限らず、図4(b)に示すように、仕切板124に列をなすように配列されてもよい。この場合、保炎部140は、例えば、各連通部136に対向する位置に設けられた複数の円形の凹みであってもよい。また、連通部136および保炎部140は、同心円状等、任意の位置に配されてよい。
【0036】
また、図3に示すように、導出部142は、加熱板126と仕切板124との間の空隙によって形成され、燃焼室138における燃焼によって生じた排気ガスを、燃焼加熱器110の中心部に集約する。
【0037】
上述したように、本体容器内では、導入部134と導出部142とが隣接して形成されているので、仕切板124を通じて排気ガスの熱を燃料ガスに伝達し、燃料ガスを予熱することができる。
【0038】
輻射面144は、加熱板126の外側の面であり、導出部142を流通する排気ガスまたは燃焼室138における燃焼によって加熱され、被焼成物に輻射熱を伝熱する。
【0039】
仕切板124には、燃焼加熱器110の中心部において厚さ方向に貫通する排気孔146が設けられている。この排気孔146には、内周部分に第2配管部148が嵌合されている。そして、輻射面144を加熱した後の排気ガスが排気孔146を介して燃焼加熱器110の外に導出される。
【0040】
第2配管部148は、第1配管部130内部に配される。すなわち、第1配管部130と第2配管部148とで二重管を形成する。また、第2配管部148は、排気ガスの熱を、第1配管部130を流れる燃料ガスに伝達する役割も担う。
【0041】
ここで、配置板120の流入孔132が形成された部位(縁部)が第1配管部130の端部に固定され、仕切板124の排気孔146は第1配管部130より突出している第2配管部148の端部に固定され、第1配管部130の端部と第2配管部148の端部の差分だけ、配置板120と仕切板124とが離隔している。
【0042】
なお、本実施形態においては、流入孔132は配置板120に設けられ、排気孔146は仕切板124に設けられるが、流入孔132が仕切板124に設けられ、排気孔146が加熱板126に設けられてもよい。この場合、第1配管部130および第2配管部148を加熱板126側から導入部134および導出部142に挿通させ、第2配管部148の内部に第1配管部130が配されてもよい。また、第1配管部130または第2配管部148は、それぞれ別個に設けてもよく、この場合、流入孔132は、配置板120または仕切板124のいずれかに配置され、排気孔146は、加熱板126および仕切板124のいずれかに配置されればよい。
【0043】
続いて、燃料ガスおよび排気ガスの流れを具体的に説明する。図5は、図3の部分拡大図である。図5では、断面図の左側の一部の拡大図を示す。図5中、白抜き矢印は燃料ガスの流れを、灰色で塗りつぶした矢印は排気ガスの流れを、黒色で塗りつぶした矢印は熱の移動を示す。第1配管部130に燃料ガスを導入すると、燃料ガスは流入孔132から導入部134に流入し、水平方向に放射状に広がりながら連通部136に向けて流れる。そして、燃料ガスは、連通部136を通って、燃焼室138の保炎部140に衝突し、流速が低下する(滞留する)。
【0044】
燃料ガスは、燃焼室138において点火された火炎によって燃焼した後、高温の排気ガスとなり、排気ガスは導出部142を流れて加熱板126の輻射面144に伝熱した後、排気孔146を通じて第2配管部148から外部へ導出される。
【0045】
仕切板124は、比較的、熱伝導し易い素材で形成されており、導出部142を通過する排気ガスの熱は、仕切板124を介して導入部134を通過する燃料ガスに伝わる。ここでは、導出部142を流れる排気ガスと導入部134を流れる燃料ガスとが、仕切板124を挟んで対向流(カウンタフロー)となっているため、排気ガスの熱で燃料ガスを効率的に予熱することが可能となり、高い熱効率を得ることができる。このように燃料ガスを予熱してから燃焼する、所謂、超過エンタルピ燃焼によって、燃料ガスの燃焼を安定化し、不完全燃焼によって生じるCO(一酸化炭素)の濃度を極低濃度に抑えることができる。
【0046】
また、本実施形態の燃焼加熱器110は、加熱板126に凹みからなる保炎部140を備えており、この凹みに燃料ガスを衝突させると、平面に衝突する場合に比べて燃料ガスが拡散し難いことから、当該燃料ガスに滞留を生じさせることができ、火炎を保炎することが可能となる。したがって、燃焼室138を外周壁122から離隔して設けても、火炎を保炎することができ、燃焼室138の配置の自由度、すなわち、燃焼加熱器110の設計の自由度が高い。そして、本実施形態のように、連通部136および燃焼室138の位置を外周壁122から離間させて配置すれば、外周壁122からの放熱が抑制され、熱効率を高めることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態の燃焼加熱器110によれば、加熱板126に凹みを設けるといった簡易な構成で保炎を行えるため、保炎のために特段の製造コストを要することもない。しかも、燃焼加熱器110は、凹みによって熱膨張を吸収できると共に、輻射面積が大きくなるため、排気ガスの接触面積が大きくなり、排気ガスから加熱板126への伝熱効率が向上し、輻射効率を高めることができる。
【0048】
また、燃焼加熱器110は、連通部136を貫通孔とすることで、仕切板124に穿孔するといった簡易な処理で連通部136を作成でき、製造コストを低減できる。さらに、連通部136を複数設ける構成により、輻射面144を加熱する火炎が複数形成される。そのため、燃焼加熱器110は、輻射面144の加熱を均一化することが可能となる。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態における保炎部240について説明する。第2の実施形態では、上記第1の実施形態と保炎部240が異なるので、ここでは上記第1の実施形態と同じ構成については説明を省略し、構成が異なる保炎部240についてのみ説明する。
【0050】
図6は、第2の実施形態における燃焼加熱器210を説明するための説明図である。図6に示すように、本実施形態の保炎部240は、例えば、白金、バナジウム等の触媒を含んで構成される。このように、燃焼室138に触媒を配する構成によって、燃焼加熱器210は、燃焼が安定化し、燃焼可能な燃料ガスの濃度や温度の範囲を拡大することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の作用効果を実現可能である。すなわち、燃焼加熱器210は、保炎部240を備え、燃焼室138の配置の自由度が高い。そのため、例えば、連通部136および燃焼室138の位置を外周壁122から離間させて配置でき、外周壁122からの放熱を抑制し、熱効率を高めることが可能となる。
【0052】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態における保炎部340について説明する。第3の実施形態では、上記第1の実施形態と保炎部340が異なるので、ここでは上記第1の実施形態と同じ構成については説明を省略し、構成が異なる保炎部340についてのみ説明する。
【0053】
図7は、第3の実施形態における燃焼加熱器310を説明するための説明図である。図7に示すように、本実施形態の保炎部340は、多孔質体を含んで構成される。多孔質体は、例えば、メタルニット、焼結金属、セラミック、金網、パンチングメタル、波板を組み合わせたもの等からなる。燃焼室138に多孔質体を配する構成によって、燃焼加熱器110は、保炎性が高まり燃焼が安定化する。
【0054】
また、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の作用効果を実現可能である。
【0055】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態における連通部436について説明する。第4の実施形態では、上記第1の実施形態と連通部436が異なるので、ここでは上記第1の実施形態と同じ構成については説明を省略し、構成が異なる連通部436についてのみ説明する。
【0056】
図8は、第4の実施形態における燃焼加熱器410を説明するための説明図である。図8に示すように、本実施形態においては、仕切板124と外周壁122との間に隙間を設け、連通部436とする。この場合、本実施形態のように保炎部240として触媒を設けたり、または、多孔質体を設けたりすることで、燃焼室138の配置を外周壁122から遠ざけ、排気孔146側に近寄らせることができる。この場合、保炎部340によって逆火が抑制されるため、逆火防止の絞り等の構成は不要となる。
【0057】
また、例えば、仕切板124の燃焼室138より外周壁122側に、導出部142の流路を絞る突起部を設けてもよい。かかる構成により、燃料ガスが突起部を回り込むように流れることで突起部の燃焼室138側に滞留が生じ、保炎性がさらに向上する。
【0058】
また、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の作用効果を実現可能である。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
例えば、上記各実施形態においては、保炎部を、凹み、多孔質体、触媒のいずれかで構成する場合について説明したが、保炎部は、凹み、多孔質体、触媒のうち、複数を含んでもよい。また、保炎部の構成は、凹み、多孔質体、触媒に限らない。いずれにしても、保炎部は、燃焼室内で燃料ガスの流れを淀ませて、保炎を可能にする構成であればよい。
【0061】
また、上述した実施形態では、燃焼加熱器110が2つ連設された燃焼加熱システム100を例に挙げたが、燃焼加熱システム100とせずに、燃焼加熱器110を単体で用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、燃料を燃焼させて被焼成物を加熱する燃焼加熱器に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
110 …燃焼加熱器
120 …配置板
122 …外周壁
124 …仕切板
126 …加熱板
134 …導入部
136、436 …連通部
138 …燃焼室
140、240、340 …保炎部
142 …導出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱板と、
前記加熱板に対向配置された配置板と、
前記加熱板および前記配置板の外周に沿って配された外周壁と、
前記加熱板、前記配置板および前記外周壁によって囲繞される空間内において、前記加熱板および前記配置板と対向配置され、該配置板との間の空隙によって導入部を形成すると共に、前記加熱板との間の空隙によって導出部を形成する仕切板と、
前記導入部と前記導出部を連通する連通部と、
前記連通部の近傍の前記導出部側において前記燃料ガスを燃焼する燃焼室と、
前記燃焼室に設けられ、該燃焼室における前記燃料ガスの燃焼を維持する保炎部と、
を備えることを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項2】
前記連通部は、前記仕切板に設けられた1または複数の貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼加熱器。
【請求項3】
前記保炎部は、前記加熱板の、前記連通部に対向する位置に設けられた凹みを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼加熱器。
【請求項4】
前記保炎部は、触媒を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃焼加熱器。
【請求項5】
前記保炎部は、多孔質体を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃焼加熱器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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