説明

燃焼加熱装置

【課題】燃焼加熱装置の不完全燃焼時に、COの発生を即座に検出できる燃焼加熱装置を提供すること。
【解決手段】空気を流入させて燃焼ガスを発生させるバーナが設けられ、バーナから空気及び燃焼ガスが混在した状態の排気ガスが排気筒に流れ込み、排気ガスが排気筒の排気口7から外部に排気されるようになっており、排気筒には排気ガス中のCOを検出するCOセンサ15が設けられる燃焼加熱装置1において、排気筒は、バーナから排気ガスが流れ込む主排気筒5と、COセンサ15が内部に設けられた副排気筒6と、から構成されており、主排気筒5には、排気ガスの一部が副排気筒6に流出する連通孔11が複数箇所に形成され、各連通孔11から流出される排気ガスが副排気筒6内で混合されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を流入させて燃焼ガスを発生させる燃焼部が設けられ、燃焼部から空気及び燃焼ガスが混在した状態の排気ガスが排気筒に流れ込み、排気ガスが排気筒の排気口から外部に排気されるようになっており、排気筒には、排気ガス中のCOを検出するCOセンサが設けられる燃焼加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーナ(燃焼部)により燃焼排ガス(燃焼ガス)が生成され、燃焼排ガスは、バーナを内蔵する燃焼筐の上方に設けられた排気筐に流入し、排気筐から延びる排気通路(排気筒)を通過して排気口から排出されるようになっており、バーナが不完全燃焼をした場合などに、燃焼排ガス中のCO濃度が所定の基準値以上になったことを排気通路に配置されたCOセンサによって検出し、バーナの燃焼量を減少させたり燃焼を停止させたりする燃焼装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−24954号公報(第4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の燃焼装置(燃焼加熱装置)にあっては、排気筐内には、外部から取り入れた空気とバーナ(燃焼部)から生じる燃焼排ガス(燃焼ガス)が混在しており、COセンサが配置された排気通路(排気筒)には、空気と燃焼排ガスとが充分に混合されない状態で流れ込むようになっており、COセンサには、排気通路内の空気のみが当たってしまう場合があり、このような排気通路内の空気と燃焼排ガスとの流れでは、バーナの不完全燃焼時に、COの発生が即座にCOセンサによって検出できなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、燃焼加熱装置の不完全燃焼時に、COの発生を即座に検出できる燃焼加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の燃焼加熱装置は、
空気を流入させて燃焼ガスを発生させる燃焼部が設けられ、該燃焼部から空気及び燃焼ガスが混在した状態の排気ガスが排気筒に流れ込み、該排気ガスが前記排気筒の排気口から外部に排気されるようになっており、該排気筒には、前記排気ガス中のCOを検出するCOセンサが設けられる燃焼加熱装置において、
前記排気筒は、前記燃焼部から前記排気ガスが流れ込む主排気筒と、前記COセンサが内部に設けられた副排気筒と、から構成されており、前記主排気筒には、前記排気ガスの一部が前記副排気筒に流出する連通部が複数箇所に形成され、該各連通部から流出される排気ガスが前記副排気筒内で混合されるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、主排気筒内の排気ガスは、空気と燃焼ガスが混在しており、空気と燃焼ガスが不均一な状態で混在されていても、その一部が主排気筒の複数箇所に形成された各連通部から混合されて副排気筒内に流れ込むようになり、副排気筒内のCOセンサには、空気と燃焼ガスとが平均的に混合された状態の排気ガスが当たるようになり、燃焼部が不完全燃焼を起こしたときに、COの発生を即座に検出できる。
【0007】
本発明の燃焼加熱装置は、
前記副排気筒の内部には、前記連通部から前記副排気筒内に流れ込む排気ガスの気流を変化させる気流変化手段が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、気流変化手段によって、複数の連通部から副排気筒内に流れ込む各排気ガスの流向や流速が変化するようになり、排気ガス中の空気と燃焼ガスとを効率よく混合させることができるとともに、副排気筒内を流れる排気ガスの流速が低下し、排気ガスがCOセンサに高速で当たってしまうことを防止でき、COセンサによるCOの発生の未検出や誤検出を防止できる。
【0008】
本発明の燃焼加熱装置は、
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、該排出部近傍に前記COセンサが設けられており、前記副排気筒は、該副排気筒における排出部近傍の排気ガスの通過面積が、該副排気筒における連通部近傍の排気ガスの通過面積よりも小さくなるように形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、副排気筒内における排気ガスの流れの上流側である連通部よりも、排気ガスの温度が下がっている排気ガスの流れの下流側である排出部にCOセンサが設けられることで、COセンサに高温の排気ガスが当たらないようになり、COセンサの破損を防止できるばかりか、副排気筒は、連通部近傍における排気ガスの通過面積よりも排出部近傍における排気ガスの通過面積が小さくなっているため、排気ガスが下流側に向かって集合するように流れ、排気ガスが副排気筒の排出部近傍に設けられたCOセンサに確実に当たるようになる。
【0009】
本発明の燃焼加熱装置は、
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、該排出部は、前記主排気筒に向かって開口されることを特徴としている。
この特徴によれば、排出部を介して副排気筒から主排気筒に向かって排気ガスが排出されるようになり、副排気筒の排出部は、外部に向かって開口されずに排気ガスが流れている主排気筒に向かって開口されるため、副排気筒内に外部の空気が入り込まないようにできる。
【0010】
本発明の燃焼加熱装置は、
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、前記排出部の排気ガスの通過面積が、前記副排気筒における排出部近傍の排気ガスの通過面積よりも小さくなっていることを特徴としている。
この特徴によれば、排出部近傍の排気ガスの流速が排出部を通過する際に速まるようになり、副排気筒内の排気ガスを効率よく排出することができるばかりか、副排気筒内に外部の空気が入り込まないようにできる。
【0011】
本発明の燃焼加熱装置は、
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、該排出部近傍には、前記排気ガスが一時的に滞留する滞留部が設けられ、該滞留部に前記COセンサが設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、副排気筒内の排気ガスが滞留部で一時的に滞留してから排出部から排出されるようになり、滞留部に設けられるCOセンサによって排気ガスのCOの検出をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1におけるフライヤーを示す縦断側面図である。
【図2】フライヤーを示す背面図である。
【図3】滞留部と排出部を示す図2におけるA−A断面図である。
【図4】実施例2におけるフライヤーを示す背面図である。
【図5】主排気筒と副排気筒を示す側面図である。
【図6】実施例3におけるフライヤーを示す背面図である。
【図7】主排気筒と副排気筒を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る燃焼加熱装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1に係る燃焼加熱装置としてのフライヤーにつき、図1から図3を参照して説明する。以下、図1の紙面左側をフライヤーの正面側(前方側)とし、図3の紙面右側をフライヤーの正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用されたフライヤーである。フライヤー1の内部には、油を貯留する油槽2が設けられている。この油槽2は下部に向かって窄まる形状をなしており、油槽2は下部には、排油レバー(図示略)により開放できる排油弁(図示略)が設けられており、この排油弁(図示略)から使用後の油を油槽2の下方に設けられた油缶(図示略)に排油できるようになっている。
【0016】
図1に示すように、油槽2の下部には、本発明における燃焼部としてのバーナ3が設けられている。外部から空気が導入されてバーナ3に供給されるようになっている。油槽2の内部には、油を加熱するための加熱パイプ4が前後方向に延設されており、バーナ3から発生される燃焼ガスが加熱パイプ4内を通過することで、油槽2内の油が加熱されるようになっている。尚、本実施例では、左右2本の加熱パイプ4が並設されているが、油槽2の大きさに応じて適宜増設することができる(図2参照)。
【0017】
外部から取り入れた空気の一部が燃焼に使われ、燃焼に使われなかった空気は燃焼ガスと混在した状態の排気ガスGとなり、この排気ガスGは、油槽2の後方に設けられた主排気筒5と副排気筒6とから排気されるようになっている。
【0018】
図1及び図2に示すように、主排気筒5は、四側面及び下面がステンレス板で囲まれ、前後方向に薄型となるように形成されている。主排気筒5の上部は開口し、左右に幅広の排気口7となっており、排気ガスGの多くは主排気筒5を流れ、排気口7を介してフライヤー1の外部に排出されるようになっている。尚、主排気筒5の左右幅は上端側と下端側とで略同一寸法になっている。
【0019】
主排気筒5の前方及び上方を覆うようにカバー部材8が設けられており、このカバー部材8の上部には、主排気筒5から排出される排気ガスGが通過する開口部9が形成されている。開口部9の後方には、上端部が前方側を向くように傾けられた傾斜板10が設けられており、開口部9を通過する排気ガスGが前方側に向かうようになっている。そのためフライヤー1の後方側にある壁面等に排気ガスGが当たらないようになっている。
【0020】
主排気筒5の下部は、前述した2本の加熱パイプ4と挿通されている。主排気筒5の上部は油槽2から離間し、主排気筒5と油槽2との間にはカバー部材8が設けられているため、油槽2の熱が主排気筒5を通過する排気ガスGに伝わらないようになっている。
【0021】
主排気筒5の後方には、ステンレス板が主排気筒5に螺合されて形成された副排気筒6が設けられている。図2に示すように、主排気筒5の背面側における下部には、本発明における連通部としての3つの連通孔11が左右方向に離間して並設されており、主排気筒5内の排気ガスGの一部が各連通孔11を介して主排気筒5から副排気筒6に流れ込み、これらの排気ガスGが再度副排気筒6内で合流するようになっている。
【0022】
図2に示すように、副排気筒6は、背面視で略L字状をなしている。副排気筒6を流れる排気ガスGは、連通孔11近傍の上流部12から副排気筒6内の排気ガスGが排出される排出部13近傍の下流部14に向かって流れるようになっている。
【0023】
尚、副排気筒6内における排出部13近傍には、後述する排気ガスG中のCO(一酸化炭素)濃度を測定するためのCOセンサ15が設置されている。この副排気筒6内にCOセンサを設けることで、排気ガスG中のCOを検出することができるようになっている。COセンサ15によってCOが検出された場合には、バーナ3のガス供給を停止する等の制御が行われるようになっている。
【0024】
図1及び図2に示すように、副排気筒6の前後幅は、主排気筒5の前後幅よりも小さく、主排気筒5よりも薄型に形成され、かつ副排気筒6の左右幅は、下流部14の左右幅が上流部12の左右幅よりも小さくなるように形成されているため、副排気筒6内の体積は、主排気筒5の体積よりも小さく形成されている。
【0025】
主排気筒5内の排気ガスGは、空気と燃焼ガスが混在しており、空気と燃焼ガスが不均一な状態で混在されている場合であっても、その一部が主排気筒5の複数箇所に形成された各連通孔11から副排気筒6内に流れ込むようになっており、副排気筒6内の排気ガスGは、主排気筒5内と比較して空気と燃焼ガスが平均的に混合されるようになる。そして、副排気筒6内のCOセンサ15には、空気と燃焼ガスとが平均的に混合された状態の排気ガスGが当たるようになり、バーナ3が不完全燃焼を起こしたときに、COの発生を即座に検出できるようになっている。
【0026】
図2に示すように、副排気筒6の下端部は主排気筒5の左右幅と略同幅を有しており、上流部12における上面部16(気流変化手段)は下流部14に向かって左右幅が小さくなるように形成されている。下流部14は、図2の紙面左側で上下方向に延びており、下流部14の左右幅は、その上部と下部とで略同一寸法となって延びている。
【0027】
副排気筒6の上流部12には、副排気筒6内の排気ガスG内の空気と燃焼ガスとを混合するための混合板17(気流変化手段)が取り付けられている。この混合板17は取付片18とL字状をなし、取付片18によって背板19の内側に取り付けられており、混合板17が副排気筒6の背板19に対して垂直になっている。
【0028】
また、混合板17は、副排気筒6内の一側部から中央に向かって高くなるように傾斜され、その下方位置の連通孔11から副排気筒6に流れ込む排気ガスGが当たるように配置されている。混合板17の前後幅は、副排気筒6の前後幅と略同幅となっているため、排気ガスGは混合板17に当たると左右方向に流向が変化するようになっている。
【0029】
更に、連通孔11から副排気筒6に流れ込む排気ガスGは、混合板17に当たることで排気ガスGの気流が変化して中央付近に案内されるとともに、上流部12における上面部16が下流部14に向かって左右幅が小さくなるように形成されているため、気流が変化して中央付近に案内される。即ち、各連通孔11から副排気筒6に流れ込む排気ガスGが上流部12の中央付近で混合されるようになっている。
【0030】
図1及び図3に示すように、副排気筒6における下流部14の上端には、前方側に向かって広く形成された滞留部20が形成されており、排気ガスGは滞留部20に一時的に滞留するようになっている。また、滞留部20の上部には、COセンサ15が設置され、滞留部20の右側部には排出部13が形成されている。
【0031】
下流部14の上端に滞留部20が形成されることで、副排気筒6内の排気ガスGは、滞留部20で一旦滞留してから排出部13から排出されるようになり、滞留部20に設けられるCOセンサ15によって排気ガスGのCOの検出をより確実に行うことができる。
【0032】
尚、上流部12の上面部16、混合板17、前方側に広がる滞留部20は、本発明における気流変化手段となっており、排気ガスGの気流が変化することによって、各連通孔11から副排気筒6内に流れ込む各排気ガスGや、下流部14を上昇したのちに滞留部20に流れ込む排気ガスGの流向や流速が変化するようになり、排気ガスG中の空気と燃焼ガスとを効率よく混合させることができるとともに、排気ガスGの流速が低下し、排気ガスGがCOセンサ15に高速で当たってしまうことを防止できる。
【0033】
副排気筒6内における排気ガスGの流れの上流部12にある連通孔11よりも、排気ガスGの温度が下がっている排気ガスGの流れの下流部14にある滞留部20にCOセンサ15が設けられることで、COセンサ15に高温の排気ガスGが当たらないようにすることができる。
【0034】
また、図2に示すように、副排気筒6をB−B断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)は、副排気筒6をC−C断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)よりも小さくなっている。即ち副排気筒6内における排出部13近傍の排気ガスGの通過面積は、副排気筒6内における連通孔11近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなっている。そのため、排気ガスGが下流部14に向かって集合するように流れ、副排気筒6の排出部13近傍に設けられたCOセンサ15に確実に当たるようになっている。
【0035】
図2に示すように、滞留部20の下面は排出部13に向かって高くなるように傾斜しており、滞留部20に流れ込んだ排気ガスGは、排出部13に向かって案内される。図3に示すように、副排気筒6の排出部13は外部に向かって開口されずに排気ガスGが流れている主排気筒5に向かって開口されているため、排出部13を介して副排気筒6から主排気筒5に向かって排気ガスGが排出されるようになり、副排気筒6内に外部の空気が入り込まないようになっている。
【0036】
また、排出部13の開口面積(排気ガスGの通過面積)は、副排気筒6をD−D断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)よりも小さくなっている。即ち副排気筒6における排出部13近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなっている。そのため、排出部13近傍の排気ガスGの流速が排出部13を通過する際に速まるようになり、副排気筒6内の排気ガスGを効率よく排出することができるばかりか、副排気筒6内に外部の空気が入り込まないようにできる。
【0037】
そして、副排気筒6内の排気ガスGは、排出部13を介して主排気筒5に排出され、主排気筒5内の排気ガスGと合流する。これらの排気ガスGは、主排気筒5の排気口7から排出され、更にカバー部材8の開口部9を通過してフライヤー1の外部に排出される。
【0038】
以上、本実施例におけるフライヤー1では、本発明における排気筒は、バーナ3から排気ガスGが流れ込む主排気筒5と、COセンサ15が内部に設けられた副排気筒6と、から構成されており、主排気筒5には、排気ガスGの一部が副排気筒6に流出する連通孔11が複数箇所に形成され、各連通孔11から流出される排気ガスGが副排気筒6内で混合されるようになっていることで、主排気筒5内の排気ガスGは、空気と燃焼ガスが混在しており、空気と燃焼ガスが不均一な状態で混在されていても、その一部が主排気筒5の複数箇所に形成された各連通孔11から混合されて副排気筒6内に流れ込むようになり、副排気筒6内のCOセンサ15には、空気と燃焼ガスとが平均的に混合された状態の排気ガスGが当たるようになり、バーナ3が不完全燃焼を起こしたときに、COの発生を即座に検出できる。
【0039】
また、副排気筒6の内部には、連通孔11から副排気筒6内に流れ込む排気ガスGの気流を変化させる上流部12の上面部16、混合板17、滞留部20が設けられることで、複数の連通孔11から副排気筒6内に流れ込む各排気ガスGの流向や流速が変化するようになり、排気ガスG中の空気と燃焼ガスとを効率よく混合させることができるとともに、副排気筒6内を流れる排気ガスGの流速が低下し、排気ガスGがCOセンサ15に高速で当たってしまうことを防止でき、COセンサによるCOの発生の未検出や誤検出を防止できる。
【0040】
また、副排気筒6には、その内部の排気ガスGが排出される排出部13が設けられ、排出部13近傍にCOセンサ15が設けられており、副排気筒6は、副排気筒6における排出部13近傍の排気ガスGの通過面積が、副排気筒6における連通孔11近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなるように形成されることで、副排気筒6内における排気ガスGの流れの上流側である連通孔11よりも、排気ガスGの温度が下がっている排気ガスGの流れの下流側である排出部13にCOセンサ15が設けられることで、COセンサ15に高温の排気ガスGが当たらないようになり、COセンサ15の破損を防止できるばかりか、副排気筒6は、連通孔11近傍における排気ガスGの通過面積よりも排出部13近傍における排気ガスGの通過面積が小さくなっているため、排気ガスGが下流側に向かって集合するように流れ、排気ガスGが副排気筒6の排出部13近傍に設けられたCOセンサ15に確実に当たるようになる。
【0041】
また、副排気筒6には、その内部の排気ガスGが排出される排出部13が設けられ、排出部13は、主排気筒5に向かって開口されることで、排出部13を介して副排気筒6から主排気筒5に向かって排気ガスGが排出されるようになり、副排気筒6の排出部13は、外部に向かって開口されずに排気ガスGが流れている主排気筒5に向かって開口されるため、副排気筒6内に外部の空気が入り込まないようにできる。
【0042】
また、副排気筒6には、その内部の排気ガスGが排出される排出部13が設けられ、排出部13の排気ガスGの通過面積が、副排気筒6における排出部13近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなっていることで、排出部13近傍の排気ガスGの流速が排出部13を通過する際に速まるようになり、副排気筒6内の排気ガスGを効率よく排出することができるばかりか、副排気筒6内に外部の空気が入り込まないようにできる。
【0043】
また、副排気筒6には、その内部の排気ガスGが排出される排出部13が設けられ、排出部13近傍には、排気ガスGが一時的に滞留する滞留部20が設けられ、滞留部20にCOセンサ15が設けられることで、副排気筒6内の排気ガスGが滞留部20で一時的に滞留してから排出部13から排出されるようになり、滞留部20に設けられるCOセンサ15によって排気ガスGのCOの検出をより確実に行うことができる。
【実施例2】
【0044】
次に、実施例2に係る燃焼加熱装置としてのフライヤー1’につき、図4と図5を参照して説明する。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。以下、図5の紙面右側をフライヤー1’の正面側(前方側)として説明する。
【0045】
図4に示すように、副排気筒6’は背面視で矩形状をなし、副排気筒6’の背板19’の内側には、左右2つの仕切板21(気流変化手段)が取付片22によってハ字状に取り付けられており、左右の仕切板21の間には、左右方向に延びる2つの混合板17が取付片18によって上下に取り付けられている。
【0046】
上側の混合板17は、その左端部が左側の仕切板21と当接し、下側の混合板17’は、その右端部が右側の仕切板21と当接しており、いずれの混合板17もその端部は副排気筒6’の中心部まで延びている。
【0047】
図4及び図5に示すように、主排気筒5’の背面側の上部には、副排気筒6’内の排気ガスGが排出される排出部13’が形成されている。この排出部13’近傍における副排気筒6’内には、COセンサ15が取り付けられている。
【0048】
図4に示すように、主排気筒5’から連通孔11を介して副排気筒6’に流れ込む排気ガスGは、仕切板21と混合板17に当たることで気流が変化して中央に案内される。そのため各連通孔11から流れ込んだ排気ガスGは混合されるようになっている。
【0049】
そして、上側の混合板17と右側の仕切板21の間を通過した排気ガスGは左右の仕切板21によって中央部に案内されてCOセンサ15に当たり、排気ガスG内のCO濃度が測定されるようになっている。
【0050】
尚、副排気筒6’内に仕切板21がハ字状に設けられることによって、連通孔11近傍の上流側の左右幅よりも排出部13’近傍の下流側の左右幅が小さく形成されている。図4に示すように、副排気筒6’をB’−B’断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)は、副排気筒6’をC’−C’断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)よりも小さくなっている。即ち副排気筒6’内における排出部13’近傍の排気ガスGの通過面積は、副排気筒6’内における連通孔11近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなる。そのため、副排気筒6’の排出部13’近傍に設けられたCOセンサ15に確実に当たるようになっている。
【0051】
また、仕切板21及び混合板17は、本発明における気流変化手段となっており、副排気筒6’内の排気ガスGの気流を変化させて流向や流速が変化することで、排気ガスG中の空気と燃焼ガスとを効率よく混合させることができるともに、排気ガスGの流速が低下し、排気ガスGがCOセンサ15に高速で当たってしまうことを防止できるようになっている。
【0052】
副排気筒6’の上部まで到達した排気ガスGは、排出部13’を介して主排気筒5’内に流れ込み、主排気筒5’の排気口7から排出されるようになっている。副排気筒6’の上面は主排気筒5’に向かって高く形成されているため、副排気筒6’内の排気ガスGが排出部13’に案内されるようになっている。
【0053】
排出部13’は主排気筒5’に向かって開口されており、排出部13’の開口面積(排気ガスGの通過面積)は、副排気筒6’をD−D断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)よりも小さくなっている。即ち副排気筒6’における排出部13’近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなっている。そのため、排出部13’近傍の排気ガスGの流速が排出部13’を通過する際に速まるようになり、副排気筒6’内の排気ガスGを効率よく排出することができるばかりか、副排気筒6’内に外部の空気が入り込まないようにできる。
【0054】
このように、副排気筒6’に流入した排気ガスGは、副排気筒6’の内部を蛇行するように流れるため、排気ガスGが高速で副排気筒6’に流れ込んだ場合であっても、COセンサ15に到達するまでに流速を低下させることができ、排気ガスGがCOセンサ15に高速で当たってしまうことを防止できるようになっている。
【実施例3】
【0055】
次に、実施例3に係る燃焼加熱装置としてのフライヤー1’’につき、図6と図7を参照して説明する。尚、前記実施例2に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。以下、図7における紙面右側をフライヤー1’’の正面側(前方側)として説明する。
【0056】
図6に示すように、副排気筒6’’は、背面視で上下を逆にした略T字状をなしており、連通孔11近傍における左右方向に延びる上流部12’から、排出部13’近傍における上下方向に延びる下流部14’へ、と排気ガスGが流れるようになっている。
【0057】
下流部14’は、副排気筒6’’の中央部で上下方向に延びており、その左右幅は略同一寸法となっており、上流部12’の左右幅は下流部14’に向かって小さくなるように形成され、上流部12’の上面は略ハ字状をなしている。
【0058】
副排気筒6’’は、上流部12’の左右幅よりも下流部14’の左右幅が小さくなるように形成されている。図6に示すように、副排気筒6’’をB’’−B’’断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)は、副排気筒6’’をC’’−C’’断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)よりも小さくなっている。即ち副排気筒6’’内における排出部13’近傍の排気ガスGの通過面積は、副排気筒6’’内における連通孔11近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなっている。
【0059】
そのため、連通孔11から副排気筒6’’に流れ込む排気ガスGは、連通孔11近傍の上流部12’から排出部13’近傍の下流部14’に向かって集合するように流れるようになり、副排気筒6’’の排出部13’近傍に設けられたCOセンサ15に確実に当たるようになっている。
【0060】
また、排出部13’は主排気筒5’に向かって開口されており、排出部13’の開口面積(排気ガスGの通過面積)は、副排気筒6’をD’’−D’’断面で切断した場合の断面積(排気ガスGの通過面積)よりも小さくなっている。即ち副排気筒6’における排出部13’近傍の排気ガスGの通過面積よりも小さくなっている。
【0061】
図6及び図7に示すように、副排気筒6’’は、上流部12’の下端及び下流部14’の上端の両側部が主排気筒5’’に螺合しており、副排気筒6’’における前側中央部は主排気筒5’’と離間し、副排気筒6’’と主排気筒5’’の間には、隙間部23が設けられている。
【0062】
図6に示すように、上流部12’における背板19’の内側には、その中央部に左右方向に延びる混合板17(気流変化手段)が取付片18によって取り付けられており、混合板17は、中央の連通孔11から副排気筒6’’内に流れ込む排気ガスGが当たるように配置されている。尚、混合板17の両端と副排気筒6’’の左右側部の間は開放され、排気ガスGが流れることができるようになっている。
【0063】
主排気筒5’’の背面に設けられた排出部13’近傍における副排気筒6’’の下流部14’内にはCOセンサ15が取り付けられており、COセンサ15は、その上部が後方側を向くように傾けられて設置されている。
【0064】
図6及び図7に示すように、主排気筒5’’から連通孔11を介して副排気筒6’に流れ込む排気ガスGは、図6に示すように、上方に向かって流れ、中央の連通孔11から副排気筒6’’に流れ込む排気ガスGは、混合板17に当たることで気流が変化し、開放されている左右方向に分かれて案内される。更に、混合板17の上方でそれぞれが合流することで、排気ガスG中の空気と燃焼ガスとが混合されるようになっている。
【0065】
混合板17が設けられることにより、副排気筒6’内の排気ガスGの気流を変化させて流向や流速が変化することで、排気ガスG中の空気と燃焼ガスとを効率よく混合させることができるともに、排気ガスGの流速が低下し、排気ガスGがCOセンサ15に高速で当たってしまうことを防止できるようになっている。
【0066】
そして、排気ガスGは下流部14’を流れてCOセンサ15に当たり、排気ガスG内のCO濃度が測定される。排出部13’を介して主排気筒5’’内に流れ込み、主排気筒5’’の排気口7から排出される。副排気筒6’’の上面は主排気筒5’’に向かって高く形成されているため、副排気筒6’’内の排気ガスGが排出部13’に案内されるようになっている。
【0067】
尚、主排気筒5’’と副排気筒6’’の間には、隙間部23が形成されているため、主排気筒5’’から副排気筒6’’に伝わる熱を低減させるとともに、室内の空気が隙間部23を通過することにより、排気ガスGが下流部14’を流れるにつれてその温度が低下するようになり、排出部13’近傍に設けられたCOセンサ15に高温の排気ガスGが当たらないようになっている。
【0068】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0069】
例えば、前記実施例1〜3では、本発明における連通部として主排気筒5,5’に連通孔11を形成し、連通孔11を介して主排気筒5,5’から副排気筒6,6’,6’’に排気ガスGが流れ込むようにしているが、主排気筒5,5’と副排気筒6,6’,6’’を離間させ、パイプ部材を用いて連通させるようにしてもよい。
【0070】
また、前記実施例3では、隙間部23を設けて排気ガスGの温度を下げるようにしているが、隙間部23を形成するかわりに副排気筒6’’内に冷却用の室内空気が流れるパイプ部材を挿通させることで、副排気筒6’’内を流れる排気ガスGを冷却するようにしてもよいし、副排気筒6’’にラジエータ等の放熱板を設けるようにしてもよい。
【0071】
また、前記実施例1〜3では、本発明における燃焼加熱装置をフライヤー1,1’,1’’として説明しているが、燃焼加熱装置はフライヤーに限ることなく、給湯器やガスコンロやガスストーブやガスファンヒーター等であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1,1’,1’’ フライヤー(燃焼加熱装置)
3 バーナ(燃焼部)
4 加熱パイプ
5,5’ 主排気筒(排気筒)
6,6’,6’’ 副排気筒(排気筒)
7 排気口
11 連通孔(連通部)
12,12’ 上流部
13,13’ 排出部
14,14’ 下流部
15 COセンサ
16 上面部(気流変化手段)
17 混合板(気流変化手段)
20 滞留部(気流変化手段)
21 仕切板(気流変化手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を流入させて燃焼ガスを発生させる燃焼部が設けられ、該燃焼部から空気及び燃焼ガスが混在した状態の排気ガスが排気筒に流れ込み、該排気ガスが前記排気筒の排気口から外部に排気されるようになっており、該排気筒には、前記排気ガス中のCOを検出するCOセンサが設けられる燃焼加熱装置において、
前記排気筒は、前記燃焼部から前記排気ガスが流れ込む主排気筒と、前記COセンサが内部に設けられた副排気筒と、から構成されており、前記主排気筒には、前記排気ガスの一部が前記副排気筒に流出する連通部が複数箇所に形成され、該各連通部から流出される排気ガスが前記副排気筒内で混合されるようになっていることを特徴とする燃焼加熱装置。
【請求項2】
前記副排気筒の内部には、前記連通部から前記副排気筒内に流れ込む排気ガスの気流を変化させる気流変化手段が設けられることを特徴とする請求項1に記載の燃焼加熱装置。
【請求項3】
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、該排出部近傍に前記COセンサが設けられており、前記副排気筒は、該副排気筒における排出部近傍の排気ガスの通過面積が、該副排気筒における連通部近傍の排気ガスの通過面積よりも小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼加熱装置。
【請求項4】
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、該排出部は、前記主排気筒に向かって開口されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の燃焼加熱装置。
【請求項5】
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、前記排出部の排気ガスの通過面積が、前記副排気筒における排出部近傍の排気ガスの通過面積よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の燃焼加熱装置。
【請求項6】
前記副排気筒には、その内部の排気ガスが排出される排出部が設けられ、該排出部近傍には、前記排気ガスが一時的に滞留する滞留部が設けられ、該滞留部に前記COセンサが設けられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の燃焼加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−163619(P2011−163619A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25461(P2010−25461)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(502044359)株式会社ネオシス (9)
【Fターム(参考)】