説明

燃焼器内における火炎状態を判定するためのシステム及び方法

【課題】燃焼器内における火炎状態を判定するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】燃焼器(16)内における火炎状態を判定するためのシステム(10)は、燃焼器(16)内の圧力を反映した圧力信号(38)を発生する圧力センサ(34)を含む。制御装置(36)が、圧力信号(38)を受信しかつ燃焼器(16)内における火炎状態を反映した火炎信号(40)を発生する。燃焼器(16)内における火炎状態を判定する方法は、燃焼器(16)内の圧力を測定するステップと、燃焼器(16)内の測定圧力を所定の限界値と比較するステップと、燃焼器(16)内の測定圧力の所定の限界値との比較に基づいて、該燃焼器(16)内における火炎状態を反映した火炎信号(40)を発生するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的には燃焼器内における火炎状態を判定するためのシステム及び方法に関係する。具体的には、本発明の特定の実施形態は、燃焼器内の圧力を監視して、該燃焼器内における火炎の存在及び/又は不在を判定する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、料気を空燃と共に点火燃焼させて高い温度及び圧力を有する燃焼ガスを生成する燃焼器が知られている。例えば、ガスタービンシステムは一般的に、圧縮機からの加圧作動流体を燃料と混合しかつその混合気を燃焼させて高い温度及び圧力の燃焼ガスを発生させる複数の燃焼器を含む。燃焼器の最初の着火時には、一般的に燃焼器内に燃料を導入する直ぐ前に又は燃料を導入した僅か後に、燃焼器内に安定火炎を発生させかつ維持して燃焼器内で燃焼を開始しかつ維持することが望ましい。定常状態運転及び過渡運転時には、燃料−空気混合気を絶えず調整し続けて、熱力学的効率を最適にしかつ窒素酸化物、一酸化炭素及びその他の燃焼副生成ガスの望ましくないエミッションを減少させている。燃料−空気混合気に対する調整は、燃焼器内に火炎の吹消え又は減退を生じさせる可能性がある火炎の不安定性を発生させ、従って燃焼プロセスの連続性を中断させる可能性がある。いずれの場合でも、燃焼器内における火炎状態を検出しかつ監視して燃焼器の安全かつ連続作動を保証することが望ましい。
【0003】
当技術分野では、燃焼器内における火炎状態を検出しかつ/又は監視する様々なシステムが知られている。例えば、燃焼火炎によって発生する光線、紫外線又はその他のエミッションを検出する光センサを使用して、燃焼器内における火炎状態を判定することもできる。しかしながら、光センサは一般的に、燃焼器並びに/或いは下流構成部品の効率及び作動を阻害する傾向を有する何らかの形態の冷却を必要とする。燃焼器内に又は該燃焼器の下流に配置された温度検出器もまた、燃焼器内における火炎状態を検出しかつ監視するために使用することができる。しかしながら、温度検出器の応答時間は一般的に、燃焼器内における火炎状態の突然の変化に対してタイミングよく応答を行なうには余りにも緩慢すぎる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7743599号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
その結果、燃焼器内における火炎状態を判定するための改良型のシステム及び方法が有用であると言える。
【0006】
本発明の態様及び利点は、次の説明においてその一部を記載しており、或いはそれら説明から自明なものとして理解することができ、或いは本発明の実施により学ぶことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、燃焼器内における火炎状態を判定するためのシステムである。本システムは、燃焼器内の圧力を反映した圧力信号を発生する圧力センサを含む。制御装置が、圧力センサから圧力信号を受信しかつ燃焼器内における火炎状態を反映した火炎信号を発生する。
【0008】
本発明の別の実施形態は、燃焼器内における火炎状態を判定するためのシステムである。本システムは、異なる時間における燃焼器内の圧力を反映した一連の時間インデックス圧力信号を発生する圧力センサを含む。制御装置が、圧力センサから時間インデックス圧力信号を受信しかつ燃焼器内における火炎状態を反映した火炎信号を発生する。
【0009】
本発明の実施形態はまた、燃焼器内における火炎状態を判定する方法を提供することができる。本方法は、燃焼器内の圧力を測定するステップと、燃焼器内の測定圧力を所定の限界値と比較するステップと、燃焼器内の測定圧力の所定の限界値との比較に基づいて、該燃焼器内における火炎状態を反映した火炎信号を発生するステップとを含む。
【0010】
本明細書を精査することにより、当業者には、そのような実施形態の特徴及び態様並びにその他がより良好に理解されるであろう。
【0011】
添付図面の図を参照することを含む本明細書の以下の残り部分において、当業者に対する本発明の最良の形態を含む本発明の完全かつ有効な開示をより具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの簡略ブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係るアルゴリズムのブロック図。
【図3】14個の異なる燃焼器の各々内の圧力の例示的なグラフ。
【図4】本発明の別の実施形態に係るアルゴリズムのブロック図。
【図5】燃焼器における例示的な時間−圧力グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、その1以上の実施例を添付図面に示している本発明の現在の実施形態を詳細に参照することにする。詳細な説明では、図面における特徴要素を参照して、数字及び文字表示を使用する。図面及び説明における同様又は類似の表示は、本発明の同様の又は類似の部分を説明するのにも使用している。
【0014】
各実施例は、本発明の限定ではなく、本発明の説明の目的で示している。実際に、その技術的範囲又は技術思想から逸脱せずに、本発明において修正及び変更を行なうことができることは当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示した又は説明した特徴要素は、別の実施形態で使用してさらに別の実施形態を生み出すことができる。従って、本発明は、そのような修正及び変更を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。
【0015】
本発明の様々な実施形態は、燃焼器内における火炎状態を判定するためのシステム及び方法を提供する。本明細書で使用する場合に、「火炎状態」というのは、燃焼器内におけて火炎が存在していること(火炎の存在)、存在していないこと(火炎の不在)及び/又は安定していること(火炎の安定性)を意味するものとして定義される。具体的には、本発明の実施形態は、燃焼器内における圧力、圧力変化及び/又は圧力変化量を検知しかつ測定して、燃焼器内における火炎状態を判定することができる。その結果として、本発明の実施形態は、燃焼器内における火炎状態を監視して該燃焼器の全体的な信頼性及び性能を向上させる冗長であり、信頼性がありかつ/又は交換用のシステム及び方法を提供することができる。本発明の例示的な実施形態は、ガスタービンシステム内に組入れた燃焼器に関連して説明しているが、本発明の教示は、燃料の燃焼に関連するあらゆるシステム又は方法に適用可能とすることができること、また本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に特に記載していない限りあらゆる特定の燃焼器用途に限定されるものではないことは、当業者には容易に分かるであろう。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る、ガスタービンシステム12に関連したシステム10の簡略ブロック図を示している。当技術分野では公知のように、ガスタービンシステム12は一般的に、前部における軸流圧縮機14、中央部の周りの1以上の燃焼器16、及び後部におけるタービン18を含む。周囲空気20は、圧縮機14に流入し、該圧縮機14内の回転ブレード及び固定ベーンは、空気に対して運動エネルギーを徐々に与えて、高エネルギー状態の加圧作動流体22を生成する。図1に示すように、圧縮機14は、入口案内ベーン24を含むことができ、この入口案内ベーン24は、圧縮機14に流入する周囲空気の量を制御するか又は調整するように調整可能であり、従って圧縮機14から流出する加圧作動流体22の質量流量及び/又は圧力を制御することができる。加圧作動流体22は、圧縮機14から流出しかつ燃焼器16内に流れ、この燃焼器16において加圧作動流体22は、燃料システム26によって供給された燃料と混合する。この混合気は、点火燃焼されて、高い温度及び圧力を有する燃焼ガス28を発生させる。燃焼ガス28は、タービン18内で膨張して仕事を産生する。例えば、タービン18内での燃焼ガス28の膨張は、発電機32に連結されたシャフト30を回転させて電力を発生させることができる。
【0017】
図1に示すこの実施形態では、システム10は一般的に、ガスタービンシステム12に作動連結されて、1以上の燃焼器16内における火炎状態を判定する圧力センサ34及び制御装置36を含む。燃焼器16内の圧力を検出しかつ測定し、また該燃焼器16内の圧力を反映した1以上の圧力信号を発生する圧力センサ34は、当技術分野では公知のあらゆる好適な計器を含むことができる。制御装置36は、各圧力センサ34から1以上の圧力信号38を受信しかつ各燃焼器16内における火炎状態を反映した火炎信号40を発生する。
【0018】
制御装置36は、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、或いは工業用コントローラ、マイクロコントローラ又は内蔵システムのような当技術分野では公知のあらゆるコンピュータシステム内に含まれる独立型コンポーネント又はサブコンポーネントとすることができる。本明細書で説明する様々な制御装置及びコンピュータシステムは、あらゆる特定のハードウェアアーキテクチャ又はコンフィギュレーションに限定されるものではない。本明細書に記載したシステム及び方法の実施形態は、あらゆる好適な方法で用いられて所望の機能を発揮する1以上の汎用又は専用制御装置によって実施することができる。制御装置36は、本主題に補完的であるか又は関係がないかのいずれかの付加的機能を行なうようにすることができる。例えば、1以上の制御装置は、コンピュータ可読形式で表現されたソフトウェア命令にアクセスすることによって記述機能を行なうようにすることができる。ソフトウェアを用いると、あらゆる好適なプログラム、スクリプト、或いは他の形式の言語又は該言語の組合せを使用して、本明細書に含まれる教示を実施することができる。しかしながら、ソフトウェアは、それのみを独占的に使用する必要はないし、或いは全く使用しなくする必要もない。例えば、更なる詳細な説明を必要とせずに当業者には解るように、本明細書に記載しかつ開示した幾つかのシステム及び方法はまた、それに限定されないが、特定用途向け回路を含む配線論理又はその他の回路によって実施することができる。言うまでもなく、コンピュータ実行ソフトウェア及び配線論理又はその他の回路の組合せもまた、好適なものとすることができる。
【0019】
圧力センサ34及び制御装置36は、断続的に、連続的に、及び/又はオペレータが指図した時に作動させることができる。例えば、図2は、プログラムし、配線し、又はそれとは別に制御装置36によって実行して、燃焼器16内における火炎状態を判定することができるアルゴリズムのブロック図を示している。ブロック50は、火炎検出システム10の起動を示している。起動は、手動で又は自動的に行なうことができる。例えば、燃焼器16の最初の着火時には、オペレータは、火炎検出システム10を手動で起動して、燃焼器16内で燃焼が起った時を判定するのを助けることができる。それに代えて、燃焼器内における火炎の吹消え又は減退状態に続いて、保護又は補正システムは、火炎検出システム10を自動的に起動させて、燃焼器16内における火炎の再点火を監視することができる。
【0020】
ブロック52において、システム10は、燃焼器16に作動連結された点火装置54を作動させて、該燃焼器16のためのスパーク、パイロット点火、レーザビーム、又はその他の点火源を構成することができる。さらに、ブロック52において、圧力センサ34は、燃焼器16内の圧力を測定しかつ制御装置36への1以上の圧力信号38を発生し始める。
【0021】
ブロック56において、制御装置36は、1以上の圧力信号38を所定の限界値と比較して、燃焼器16内における火炎状態を判定する。所定の限界値は、燃焼器16内における火炎の存在又は不在の指標となり、かつ計算、運転上の経験、モデリング、又は当技術分野では公知のその他の方法によって設定することができる。例えば、各燃焼器16内における瞬間圧力は、比較的短い時間間隔にわたって大幅に変化する可能性があるが、あらゆる燃焼器16内における瞬間圧力は、個々の燃焼器16内における火炎の存在又は不在を示すために高い信頼性で使用することができる。このことを例示するために、図3は、ガスタービンシステム12内の14個の異なる燃焼器16の各々内における瞬間圧力の例示的なグラフを示している。図3に示すように、燃焼器番号11内における瞬間圧力は、あらゆる他の燃焼器内における瞬間圧力よりも大幅に低くなっており、従って燃焼器番号11内における火炎の減退又は欠如を示している。所定の限界値は、瞬間圧力に必ずしも限定されないものであることは当業者には容易に分かるであろう。例えば、別の実施形態における所定の限界値は、燃焼器16内における火炎の存在又は不在を示す圧力の変化、圧力の変化率、及び/又は燃焼器16内における圧力の別の計算値又は派生値とすることができる。
【0022】
制御装置36は、1以上の圧力信号38及び所定の限界値間での比較に基づいて、燃焼器16内における火炎状態を反映した火炎信号40を発生する。例えば、1以上の圧力信号38及び所定の限界値間での比較が、燃焼器16内における火炎の存在を示す場合には、ブロック58によって示すように、制御装置38は、点火装置54に火炎信号40を送信して該点火装置54を遮断しかつ/又は火炎検出システム10を停止させることができる。それに代えて、1以上の圧力信号38及び所定の限界値間での比較が、燃焼器16内における火炎の不在を示す場合には、火炎信号40は点火装置54を励起状態のままにして置くことができる。
【0023】
図2におけるブロック60で示すように、アルゴリズムはさらに、所定の制限時間を含むことができる。例えば、1以上の圧力信号38間での比較が、燃焼器16内における火炎の不在を示しかつ所定の制限時間を越えていない場合には、火炎信号40は、点火装置54を励起状態のままにして置くことができる。しかしながら、所定の制限時間を越えておりかつ所定の時間内に燃焼器16を点火燃焼させることができないことを示す場合には、制御装置36は、ブロック58で示すように点火装置54及び/又は火炎検出システム10を遮断する信号を発生することができ並びに/或いは燃焼器16に対する燃料の流れを増加させるか又は減少させることができる。
【0024】
図4は、制御装置36によってプログラムし、配線し又は別の方法で実行して、燃焼器16内における火炎状態を判定しかつ/又は火炎状態における予測変化に応答することができるアルゴリズムの別の実施例のブロック図を示している。ブロック70は、火炎検出システム10の起動を示している。図2に関して前述しかつ図示した実施形態と同様に、起動は、手動で又は自動的に行なうようにすることができる。例えば、オペレータは、過渡運転時に火炎検出システム10を手動で起動させて、火炎状態をより緊密に監視して燃焼器16内における火炎の不用意な吹消え又は減退を回避することができる。それに代えて、保護システム又は補正システムは、過渡運転時に火炎検出システム10を自動的に起動させて、火炎状態をより緊密に監視することができる。
【0025】
ブロック72において、圧力センサ34はここでも同様に、燃焼器16内の圧力を測定しかつ制御装置36への1以上の圧力信号38を発生する。この特定の実施形態では、圧力信号38は、異なる時間における燃焼器16内の圧力を反映した圧力信号の連続ストリームを構成するような時間インデックス付きとすることができる。特定の実施形態に応じて、システム10はまた、燃焼器16に作動連結された点火装置54を励起して、燃焼器16に対するスパーク、パイロット点火、レーザビーム、又はその他の点火源を構成することができる。
【0026】
ブロック74において、制御装置36は、1以上の圧力信号38を時間間隔にわたる圧力プロフィールのような所定のプロフィールと比較して、燃焼器16内における火炎状態を判定する。所定のプロフィールは、過渡運転時の燃焼器内における火炎の吹消え又は減退状態に至る或いはそのような火炎の吹消え又は減退状態に対する前兆として高い信頼性で役立つ、火炎状態の存在又は不在の指標を構成する。所定のプロフィールは、計算、作動上の経験、モデリング、又は当技術分野では公知のその他の方法によって開発することができる。例えば、個々の燃焼器は、時間間隔にわたる特有の、反復性のかつ観察可能な圧力の変化を示す可能性があり、この圧力の変化を使用して、燃焼器内における火炎の吹消え又は減退状態を予測するか又は予想することができる。このことを例示するために、図5は、燃焼器の吹消え状態78及びその後の再点火80時における燃焼器の例示的な圧力プロフィール76を示している。図5に示すように、圧力プロフィール76は、燃焼器の吹消え状態78及びその後の再点火80時における燃焼器16内の特有の圧力、圧力の変化、並びに/或いは圧力の変化率を示している。従って、制御装置36は、時間インデックス圧力信号38をこの所定のプロフィールと比較して、燃焼器16内における火炎状態を反映した火炎信号40を発生させることができる。所定のプロフィールは燃焼器16内の圧力の単一の計算値又は派生値に必ずしも限定されるものではなく、また所定のプロフィールは燃焼器16内の圧力の複数の計算値又は派生値の組合せを含むことができることは、当業者には容易に分かるであろう。例えば、別の実施形態における所定のプロフィールは、燃焼器16内の時間インデックス圧力、時間インデックス圧力変化、時間インデックス圧力変化率、並びに/或いはその他の圧力計算値又は派生値の個々のプロフィールの組合せとすることができ、このプロフィールの組合せは、燃焼器16内における火炎状態の吹消え又は減退に対する前兆として高い信頼性で使用することができる。
【0027】
図4に戻ると、ブロック82は、システム10がさらにガスタービンシステム12における様々なパラメータを調整するように火炎信号40を使用して、燃焼器16内における火炎の吹消え又は減退状態を回避することができることを示している。例えば、図1及び図2に示す実施形態に関して前述したように、点火装置54は、火炎信号40を受信して該点火装置54を励起しかつ直接点火源を構成して燃焼器16内で火炎を再点火するようにすることができる。それに代えて、又は加えて、制御装置36は、入口案内ベーン24の位置を変化させるために圧縮機14に対して、燃焼器16に供給される燃料量を変化させるために燃料システム26に対して、及び/又はタービン18上に作用する負荷を変化させるために発電機32に対して、火炎信号40を送信することができる。システム10は、火炎信号40に応答して個々に又は組合せてこれらの動作の各々を行って、そうでない場合には燃焼器16内における火炎の吹消え又は減退状態を生じる可能性がある過渡運転時に燃焼器16内の火炎を安定させることができる。
【0028】
本発明の実施形態は、既存の技術に勝る幾つかの利点をもたらすことが予測される。例えば、図1〜図5に関して説明した本システム10及び方法は、使用している既存の光及び熱センサを補足するように並びに/或いは既存の光及び熱センサに置き換わるように使用して、燃焼器内における火炎状態を判定することができる。さらに、本発明の実施形態は、火炎状態に不安定性をもたらす可能性がある状態又は前兆を検出するように使用することができ、また特定の実施形態では、本システム10は、そのような状態又は前兆を取除くか或いは補正して、燃焼プロセスにおける連続性を保証するための適切な動作を行なうことができる。
【0029】
本明細書は最良の形態を含む実施例を使用して、本発明を開示し、また当業者が、あらゆる装置又はシステムを製作しかつ使用しまたあらゆる組込み方法を実行することを含む本発明の実施を行なうことを可能にもする。本発明の特許性がある技術的範囲は、特許請求の範囲により定めており、また当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。そのようなその他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と相違しない構造的要素を含むか又はそれらが特許請求の範囲の文言と本質的でない相違を有する均等な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲の技術的範囲内に属することを意図している。
【符号の説明】
【0030】
10 システム
12 ガスタービンシステム
14 圧縮機
16 燃焼器
18 タービン
20 周囲空気
22 加圧作動流体
24 入口案内ベーン
26 燃料システム
28 燃焼ガス
30 シャフト
32 発電機
34 圧力センサ
36 制御装置
38 圧力信号
40 火炎信号
50 起動
52 点火装置を励起させる
54 点火装置
56 比較
58 作動停止
60 制限時間
70 起動
72 圧力センサを励起させる
74 比較
76 圧力プロフィール
78 リーン吹消え状態
80 再点火
82 補正

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器(16)内における火炎状態を判定するためのシステム(10)であって、
a.前記燃焼器(16)内の圧力を反映した圧力信号(38)を発生する圧力センサ(34)と、
b.前記圧力センサ(34)から前記圧力信号(38)を受信しかつ前記燃焼器(16)内における前記火炎状態を反映した火炎信号(40)を発生する制御装置(36)と
を備えるシステム(10)。
【請求項2】
前記制御装置(36)が前記圧力信号(38)を所定の限界値と比較する、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記所定の限界値が所定の圧力を含む、請求項2記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記圧力センサ(34)が前記制御装置(36)に対して複数の圧力信号(38)を発生し、前記複数の圧力信号(38)の各々が異なる時間における前記燃焼器(16)内の前記圧力を反映する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記制御装置(36)が、前記圧力センサ(34)から前記複数の圧力信号(38)を受信しかつ前記燃焼器(16)内における前記火炎状態を反映した前記火炎信号(40)を発生する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記制御装置(36)が前記複数の圧力信号(38)を所定のプロフィールと比較する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記所定のプロフィールが所定の圧力プロフィールを含む、請求項6記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記火炎信号(40)を受信する点火装置(54)をさらに含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のシステム(10)。
【請求項9】
燃焼器(16)内における火炎状態を判定する方法であって、
a.前記燃焼器(16)内の圧力を測定するステップと、
b.前記燃焼器(16)内の前記測定圧力を所定の限界値と比較するステップと、
c.前記燃焼器(16)内の前記測定圧力の前記所定の限界値との比較に基づいて、該燃焼器(16)内における前記火炎状態を反映した火炎信号(40)を発生するステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記火炎信号(40)を点火装置(54)に送信するステップをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記火炎信号(40)を圧縮機(14)に送信するステップをさらに含む、請求項9乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記火炎信号(40)を燃料システム(26)に送信するステップをさらに含む、請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記火炎信号(40)を発電機(32)に送信するステップをさらに含む、請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
異なる時間における前記燃焼器(16)内の複数の圧力を測定するステップをさらに含む、請求項9乃至請求項13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記燃焼器(16)内の前記複数の測定圧力に基づいて、該燃焼器(16)内における前記火炎状態を反映した前記火炎信号(40)を発生するステップをさらに含む、請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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