説明

爆薬組成物

【課題】爆発威力が大きく、製造時や取扱時の耐水性、安全性に優れ、水が存在する条件下においても、爆薬組成物が溶解、分離、浮遊することなく、優れた起爆性を具備し、耐水性に優れた爆薬組成物を提供すること。
【解決手段】硝酸アンモニウムと、燃料油と、有機溶媒に溶解又は分散されてなる樹脂とが88〜97:2〜7:1〜5の重量比で混合されてなる爆薬組成物。さらに界面活性剤が添加され、耐水性が向上された爆薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採石、採鉱、採炭、ずい道掘進等の産業用爆破作業に広く利用される爆薬組成物に関し、より詳しくは、製造時および取扱時の安全性が高く、高爆発威力を有し、悪天時においても穿孔内に直接装填して使用可能な、耐水性に優れた爆薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
爆破作業等に用いられる産業用爆薬としては、ダイナマイト、含水爆薬、硝安爆薬、硝安油剤爆薬(以下、「ANFO爆薬」と略記する。)等が多く用いられている。これらの爆薬のうち、ANFO爆薬は比較的簡単に製造できる爆薬であり、他の産業用爆薬より安価で、安全性の高い爆薬としてよく知られている。
【0003】
ANFO爆薬組成物は、酸化剤として多孔質粒状(以下、「ポーラスプリル」という。)の硝安を含み、この硝安が爆薬組成物全体の90重量%以上を占めており、さらに軽油などの液体燃料油成分が混合されている。
【0004】
このANFO爆薬組成物は、流動性を有していることから穿孔内に直接流し込むことによって装填可能であり、また、ローダー等の装填機を用い、機械的、自動的に装填、填薬することができるという他の爆薬にはない優れた取扱性を有しており、極めて広範な発破現場に使用されている。
【0005】
ところで、上記ポーラスプリル状硝安は水100gに対して0℃で約120g、また100℃において約950g溶解し、水に対して非常に溶解しやすい特徴がある。
【0006】
爆破用の穿孔内に地下水や雨水が浸入して水が存在するときには、爆薬組成物中の硝安が容易に穿孔内で溶解し、燃料油と分離するために爆発性を失うことがある。このような条件下では、耐水性のあるダイナマイト、あるいは含水爆薬等を使用するか、予めポリチューブ製薬筒のような防水性のある包装材料に爆薬組成物が装填されたANFO爆薬が使用される場合がある。
【0007】
しかし、一般的にダイナマイトや含水爆薬はANFO爆薬と比べ高価であり、その使用は発破コストの増大に繋がる。さらに防水性のある包装材料を使用すると、爆薬組成物をバルクで簡単に装填できるという利点を失うばかりでなく、包装された爆薬と穿孔壁との間に隙間が生じ、穿孔内にANFO爆薬組成物を直接装填する場合に比べて、十分な発破効果を得ることができない場合がある。
【0008】
さらにはポリチューブで包装されたANFO爆薬は、穿孔内への装填時に穿孔壁との接触によって破断し、包装内部に水が浸入し、ANFO爆薬組成物が吸水・吸湿してしまい爆発性能を損なう可能性がある。また、穿孔内に水が大量に存在する場合、比重が小さく、爆薬自体が浮遊してしまうため、別途穿孔内から水を排出させることが必要となる場合がある。
【0009】
従来技術として特許文献1に、発破孔への装填時等において帯電し難く、優れた爆発性能を維持するとともに夏期等の高温・高湿時においても過度の固化を生じない爆薬組成物が開示されており、その具体的な構成として微小中空粒子を含有する硝酸アンモニウム、燃料油ならびにアニオン系、カチオン系又は非イオン系の水溶性界面活性剤を単独又は混合して含有してなる爆薬組成物が開示されている。
【0010】
該文献によれば、優れた非帯電性及び爆発性能を示し、高温・高湿時においても過度の固化を生じない爆薬組成物を得られるが、耐水性が不十分であり、さらなる耐水性の向上が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−137983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、爆発威力が大きく、製造時や取扱時の耐水性、安全性に優れ、水が存在する条件下においても、爆薬組成物が溶解、分離、浮遊することなく、優れた起爆性を具備し、耐水性に優れた爆薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は鋭意検討した結果、硝酸アンモニウム、燃料油および樹脂が特定割合で配合された爆薬組成物、さらには該爆薬組成物に、界面活性剤を添加して製造した爆薬組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち本発明は、硝安と、燃料油および樹脂が配合された爆薬組成物であって、硝酸アンモニウム:燃料油:樹脂の配合割合が、88〜97:2〜7:1〜5の重量比で含まれていることを特徴とする爆薬組成物である。
【0015】
さらに本発明は、前記爆薬組成物100重量部に対し、界面活性剤が0.1〜5重量部含まれていること特徴とする爆薬組成物である。
【0016】
さらに、前記界面活性剤は、硫酸エステル塩型界面活性剤又はスルホン基型界面活性剤であることを特徴とする爆薬組成物である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来のANFO爆薬組成物と同様な安全性が担保されたまま、さらに、高威力、高爆発性を有している爆薬組成物を提供できる。
そして、水の存在する発破孔中に填薬した際も、水面に滞留することなく、また、爆薬組成物が溶解、分離や浮遊することなく、速やかに孔内に装填することができ、爆轟中断等の発破不具合が生じ難い優れた耐水性を有する爆薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明の爆薬組成物について説明する。
本発明の爆薬組成物は、硝酸アンモニウムを酸化剤として用いるものであり、燃料油及び可燃剤兼耐水性向上剤として溶媒溶解性及び/又は溶媒分散性の樹脂を少なくとも含むことを特徴とする爆薬組成物である。
以下、本爆薬組成物を構成する各成分について詳しく説明する。
【0019】
(硝酸アンモニウム)
本発明に用いることができる硝安は、粒状の硝酸アンモニウムを用いることができ、平均粒径が0.5〜3.0mmの範囲のポーラスプリル状のものを好ましく使用することができる。
【0020】
本発明に用いることができる硝安の比重は、0.60〜1.00g/cmのものを用いることができる。ここで、比重とは、かさ比重のことを示し、JIS K 6721に示す方法で測定することができる。
【0021】
(燃料油)
本発明に用いられる燃料油は、混合時に液体である燃料を用いることが好ましく、軽油、灯油等の鉱物油、植物油、動物油等が挙げられる。より好適に使用できる液体燃料は引火点が50℃以上である軽油である。
【0022】
(分散媒)
本発明に用いられる樹脂は、分散媒に溶解ないし分散可能な樹脂を使用することができる。
ここで分散媒とは、水又は有機溶媒を示す。
上記有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、酢酸ビニルモノマー等を使用することができ、これらの中でも、低温で樹脂を乾燥固化可能な、常温にて揮発性の高い有機溶媒を好ましく使用することができる。そのような揮発性の高い有機溶媒としては、メタノール、アセトンを挙げることができる。
【0023】
(樹脂)
本発明に用いられる樹脂は、酢酸ビニル系樹脂、セルロイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびゴム系樹脂を使用することができ、これらの中でも、成形性、成膜性の面から、ポリ酢酸ビニル樹脂、セルロイド系樹脂を好ましく使用することができる。
上記樹脂を上記有機溶媒に溶解ないし分散させた分散媒を準備し、上記硝安と混合し、乾燥させることで、粒状硝安粒子の表面を樹脂にて被覆することが可能となり、硝安の比重が増大し、水中に浮遊しがたくなり、難溶解性にすることができる。
樹脂と分散媒の混合溶液は粘度が高いと硝安と均一に混合できないため、樹脂固形分が50%未満である分散媒を用いることが好ましい。
さらに、上記樹脂は可燃剤として作用し、優れた爆発性に寄与する
【0024】
本発明の爆薬組成物の組成としては、上記硝安:燃料油:樹脂の混合比率を、88〜97:2〜7:1〜5の重量比率とすることが好ましい。
ここで、上記重量比率において、樹脂の混合比率は樹脂乾燥後の樹脂固形分の重量比率を示す。
上記樹脂が1重量部に満たないとき、硝安の耐水性向上効果が得られない場合があり、5重量部を超えるとき反応性が低下する可能性がある。
上記混合割合の爆薬組成物とすることで、起爆性、爆速が損なわれることなく、耐水性が向上した爆薬組成物とすることができる。
【0025】
(界面活性剤)
本発明の爆薬組成物については、さらに、界面活性剤を添加することができる。
該爆薬組成物中に界面活性剤成分を混合させることで、特に縦孔の発破現場に用いる爆薬組成物に有効に使用することができる。
すなわち、縦孔の発破孔にANFO爆薬組成物を装填する際、孔内に水が貯留している場合があるが、水が溜まった孔内に従来のANFO爆薬組成物を流し込むと爆薬組成物が表面張力によって水面に浮遊してしまい、孔内にうまく装填できない場合がある。
本発明の爆薬組成物中に界面活性成分を存在させることにより、たとえ水が貯留している発破孔内に爆薬組成物を流し込んだ場合にも、水が存在する孔内にも速やかに爆薬組成物を沈ませることができ、爆薬組成物の起爆性を損なうことなく孔内に爆薬組成物を装填、填薬することができることとなる。
【0026】
界面活性剤は、陰イオン型界面活性剤である硫酸エステル塩型もしくはスルホン酸基型の界面活性剤を好ましく使用することができ、爆薬組成物100重量部に対し、0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部添加することが好ましい。
界面活性剤の添加量が0.1重量部に満たないとき、全体に分散できず、一部水に浮遊してしまう場合があり、5重量部を超えるとき、反応性が低下する可能性がある。
【0027】
上記硫酸エステル塩型界面活性剤としては、花王株式会社製のエマール、ラテムル、レベノール等が挙げられる。
上記スルホン酸基型界面活性剤としては、花王株式会社製のネオペレックス、ペレックス、デモール、ポイズ等が挙げられる。
【0028】
(爆薬組成物の製造方法)
次に、本発明の爆薬組成物の製造方法について説明する。
酸化剤である上記粒状硝安を準備し、燃料油を混合する。
次いで、燃料油の混合された硝安に、分散媒に溶解ないし分散された樹脂含有溶液を加え、混合する。
この混合工程は、ニーダーあるいは回転ミキサーのような混合機で、硝酸アンモニウムと液体燃料とを必須の成分として、均一に混合することによって製造することができる。また、撹拌、混合の機能を備えているならば、他の混合機も使用可能である。
得られた爆薬組成物を乾燥させることで、硝酸アンモニウムの表面に樹脂層が被覆された爆薬組成物を得ることができる。
さらに、界面活性剤を添加する場合、上記爆薬組成物に界面活性剤成分を加え、混合することで、本発明の爆薬組成物を得ることができる。
【0029】
また、本発明の爆薬組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じ、感度低下剤、帯電防止剤、香料を添加することができる。
感度低下剤とは、雷管起爆感度や落槌・摩擦感度を低減する作用を有するものを示し、具体的には花王株式会社製の脂肪酸アマイドSや三菱化学株式会社製の硫酸亜鉛アンモニウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
帯電防止剤とは、製造中や発破現場での装薬時に発生する静電気を抑制できる作用を湯有するものを示し、具体的にはアデカ株式会社製のアデカカチオエースDM−50等が挙げられる。
香料とは、製造時や取扱時の燃料油成分由来の悪臭を抑制する作用を有するものを示し、具体的には高砂アロマス株式会社製のオレンジエッセンス等が挙げられる。
【0030】
以下、本発明について実施例を挙げ、より詳細に説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるものでない。
【0031】
実施例1
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム97重量部と2号軽油2重量部を混合させた後、1重量部のセルロイド樹脂(セルロイド樹脂:アセトン=2:8の混合溶液を5重量部)を混合させ、混合させながらアセトンを揮発させた。その後、花王株式会社製のスルホン基型界面活性剤デモールNLを、外割で(すなわち上記爆薬組成物100重量部に対し)0.1重量部添加し混合することで爆薬組成物を準備した。
【0032】
実施例2
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム93重量部と2号軽油5重量部を混合させた後、2重量部のセルロイド樹脂(セルロイド樹脂:アセトン=2:8の混合溶液を10重量部)を混合させ、混合させながらアセトンを揮発させた。その後、花王株式会社製のスルホン基型界面活性剤デモールNLを外割で1重量部添加し混合することで爆薬組成物を得た。
【0033】
実施例3
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム88重量部と2号軽油7重量部を混合させた後、5重量部のセルロイド樹脂(セルロイド樹脂:アセトン=2:8の混合溶液を25重量部)を混合させ、混合させながらアセトンを揮発させた。その後、花王株式会社製のスルホン基型界面活性剤デモールNLを外割で5重量部添加し混合することで爆薬組成物を得た。
【0034】
実施例4
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム97重量部と2号軽油2重量部を混合させた後、1重量部のセルロイド樹脂(セルロイド樹脂:アセトン=2:8の混合溶液を5重量部)を混合させ、混合させながらアセトンを揮発させることで爆薬組成物を得た。
【0035】
実施例5
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム93重量部と2号軽油5重量部を混合させた後、2重量部のセルロイド樹脂(セルロイド樹脂:アセトン=2:8の混合溶液を10重量部)を混合させ、混合させながらアセトンを揮発させることで爆薬組成物を得た。
【0036】
実施例6
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム88重量部と2号軽油7重量部を混合させた後、5重量部のセルロイド樹脂(セルロイド樹脂:アセトン=2:8の混合溶液を25重量部)を混合させ、混合させながらアセトンを揮発させることで爆薬組組成物を得た。
【0037】
比較例1
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム94重量部と2号軽油6重量部を混合し、比較用の爆薬組成物を得た。
【0038】
比較例2
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム80重量部と0.2重量%水溶液20℃における粘度が40mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム15重量部を混合させ、その後2号軽油5重量部を、混合させ比較用の爆薬組成物を得た。
【0039】
比較例3
かさ比重0.75g/cm、平均粒径1.3mmのポーラスプリル状硝酸アンモニウム88重量部を90℃に加温した容器に入れ、100℃で溶融したパラフィンワックス12重量部を混合させ爆薬組成物を得た。
【0040】
実施例1〜6及び比較例1〜3の爆薬組成物の各組成を下表1に示す。
【0041】
【表1】

*上表の重量%は溶媒揮発後の数値である。
【0042】
上記実施例1〜6及び比較例1〜3の爆薬組成物について以下(1)〜(3)に記載する安全性確認試験を行った。その結果を下表2に示す。
【0043】
安全性確認試験
(1)落槌感度試験
各爆薬組成物を、JIS K−4810規格に基づいて、鉄槌を高さ50cmから落下させ、その打撃によって爆発の有無を調べた。
【0044】
(2)摩擦感度試験
各爆薬組成物を、JIS K−4810規格に基づいて、36kgfの荷重をかけ、その摩擦によって起爆の有無を調べた。
【0045】
(3)起爆感度試験
各爆薬組成物を、JIS K−4801規格に基づいて、VU60の塩ビ雨どい管(内径60mm、長さ130mm)に装填し、6号電気雷管1本を起爆させた時に起爆の有無を調べた。
【0046】
【表2】

【0047】
次に、上記実施例1〜6及び比較例1〜3の爆薬組成物について、以下(4)〜(6)に示す性能試験を行った。その結果を下表3に示す。
【0048】
性能試験
(4)爆速測定
実施例1〜6、比較例1〜3で得られた爆薬組成物を、JIS K−4801規格に基づいて、32A炭素鋼鋼管(内径φ35mm、長さ300mm)に装填し、50gのエマルション爆薬をブースターとして6号電気雷管で起爆し、イオンギャップ法によって爆速を測定した。
【0049】
(5)耐水・浸水試験
実施例1〜6、比較例1〜3で得られた爆薬組成物を、水を100ml装填した200mlのメスシリンダーに流し込み、浸水6時間後の溶解及び浮遊状況を観察し、耐水性について評価を行った。また実施例1〜3にて得られた爆薬組成物については、流し込み時に爆薬組成物が水面に滞留するか否かを確認した。
【0050】
(6)浸水後起爆試験
実施例1〜6、比較例1〜3で得られた爆薬組成物を、内径φ35mm、長さ250mmのポリ袋に装填し、水を流し込んだ。サンプル作製4時間後にJIS K−4801規格に基づいて、32A炭素鋼鋼管(内径φ35mm、長さ300mm)にポリ袋毎装填し、50gのエマルション爆薬をブースターとして6号電気雷管で起爆し、鋼管の破砕状況及び判定板で爆・不爆を判定した。
【0051】
【表3】

【0052】
表2の結果から、実施例1〜6に示した爆薬組成物は、比較例2及び3に示した爆薬組成物に比べ落槌、摩擦、起爆感度が低く、安全性が担保されている事が確認された。
また表3の結果から、実施例1〜6の爆薬組成物は、爆速が大きく、爆発威力が大きいことが示唆された。さらに、特に実施例1〜3の爆薬組成物は浸水後起爆試験においても良好な起爆特性を有し、極めて耐水性に優れる爆薬組成物であることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の爆薬組成物は、耐水性に優れ、採石、採鉱、採炭、ずい道掘進等の産業用爆破作業に広く利用される爆薬に好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硝酸アンモニウムと、燃料油と、樹脂と、
が、混合されてなる爆薬組成物であって、
硝酸アンモニウムと、燃料油と、樹脂固形分との重量配合割合が、
88〜97:2〜7:1〜5であることを特徴とする爆薬組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の爆薬組成物100重量部に対して、硫酸エステル塩型界面活性剤またはスルホン基型界面活性剤が0.1〜5重量部添加されてなることを特徴とする爆薬組成物。