説明

物体固定部材、ロボット、および物体固定方法

【課題】簡便な移動と安定した設置を両立させることが可能な物体固定部材、物体固定方法を提供する。
【解決手段】物体固定部材は、フロアーFに固定される固定部材10と、物体に連結される固定部材20と、から成り、固定部材10は、一方の端部がフロアーFに固定される柱状ブロックと、前記柱状ブロックの他方の端部に備える頭部ブロックとから成り、固定部材20は、一方の端部が物体に連結された牽引ブロックと、前記牽引ブロックの他方の端部に備える牽引板とから成り、牽引板は、柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、頭部ブロックの被牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを備え、スリットに柱状ブロックが遊挿され、保持面に頭部ブロックが保持された状態で、固定部材20が物体から牽引されることにより、固定部材10と固定部材20とが連結し物体がフロアーFに固定され保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の固定部材、該固定部材を備えるロボット、および物体の設置場所への固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業用装置や産業用ロボットは、安全上の問題や作業精度の問題から床面にアンカーボルトなどで固定されて使われてきた。しかし、最近は、台車に乗せることで台車ごと移動可能な可動式のロボットが開発され、産業用途のロボットでも、移動と設置(固定)を頻繁に行う必要性が出てきた。
移動と設置を繰り返す物体には、移動用のキャスターと、設置(固定)用のレベルフットを併設している場合が多い。更に、レベルフットによる固定だけでは、物体の転倒が危惧される場合、例えば、アウトリガーを活用して倒れにくくする方法や、アンカーボルトなどにより、物体の脚部を設置床に固定する方法(特許文献1)、物体を設置場所でスライドさせることによって、物体の脚部を設置面に固定された押さえ板の下にもぐりこませて固定する方法(特許文献2)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−195651号公報
【特許文献2】特開平10−55481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の方法は、摩擦と重力(重さ)に頼っているので、簡便な移動と安定した設置を両立させることが困難な場合があるという課題があった。具体的には、アウトリガーを活用する方法では、設置場所が狭い場合や水平でない場合、設置場所が揺れたり振動したりする場合、また宇宙のような無重力空間などの場合には設置が困難であるなどの問題があった。また、特許文献1に記載の方法では、物体の移動や設置を行う場合に、その都度、アンカーボルトの脱着作業を行う必要があり、簡便でないという問題があった。また、特許文献2に記載の方法では、物体や設置場所の振動などにより、物体が徐々にスライドして押さえ部による固定が外れやすいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る物体固定部材は、物体を設置面に固定する物体固定部材であって、物体固定部材は、設置面に固定される第1部材と、物体に連結される第2部材と、を有し、第1部材は、柱状ブロックと頭部ブロックとを有し、柱状ブロックは、一方の端部が設置面に固定され、他方の端部には頭部ブロックが設けられ、頭部ブロックは、柱状ブロックより幅が広く、柱状ブロックの側面に交差する被牽引面を備え、第2部材は、牽引ブロックと、牽引板とを有し、牽引ブロックは、一方の端部が物体に連結され、他方の端部には牽引板が設けられ、牽引板は、柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、頭部ブロックの被牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを有し、スリットに柱状ブロックが遊挿され、保持面に頭部ブロックが保持された状態で、第2部材が物体から牽引されることにより、第1部材と第2部材とが連結し物体が設置面に固定されることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、設置面に固定された第1部材と、物体に連結された第2部材とが牽引された状態で連結されるため、物体は安定して設置面に固定される。また、第2部材の牽引をやめて、スリットから第1部材を外すことで簡便に第1部材と第2部材との連結を外すことができる。従って、簡便な移動と安定した設置を両立させることが可能な物体固定部材を提供することができる。
【0008】
[適用例2]本適用例に係る物体固定部材は、物体を設置面に固定する物体固定部材であって、物体固定部材は、物体に連結される第3部材と、設置面に固定される第4部材と、を有し、第3部材は、柱状ブロックと、頭部ブロックとを有し、柱状ブロックは、一方の端部が物体に連結され、他方の端部には頭部ブロックが設けられ、頭部ブロックは、柱状ブロックより幅が広く、柱状ブロックの側面に交差する牽引面を備え、第4部材は、固定ブロックと固定板とを有し、固定ブロックは、一方の端部が設置面に固定され、他方の端部には固定板が設けられ、固定板は、柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、頭部ブロックの牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを備え、スリットに柱状ブロックが遊挿され、保持面に頭部ブロックが保持された状態で、第3部材が物体から牽引されることにより、第3部材と第4部材とが連結し物体が設置面に固定されることを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、物体に連結された第3部材と、設置面に固定された第4部材とが牽引された状態で連結されるため、物体は安定して設置面に固定される。また、第3部材の牽引をやめて、スリットから第3部材を外すことで簡便に第3部材と第4部材との連結を外すことができる。また、第4部材は、設置面に埋設するように固定することが可能であり、その場合に、設置面は、突出した部分の無い面となるため、物体の移動や、物体を移動した後の設置面の活用がスムーズになる。従って、簡便な移動と安定した設置を両立させることが可能な物体固定部材を提供することができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る物体固定部材において、保持面には、設置面の延在方向と交差する方向に傾く傾斜面が含まれ、傾斜面の傾斜方向は、傾斜面が当接する頭部ブロックに対して、スリットの延在方向においてスリットが開放した一方の方向とは逆方向の応力が発生する方向であることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、頭部ブロックに当接して保持する保持面には、設置面の延在方向と交差する方向に傾く面が含まれ、その傾斜方向は、頭部ブロックに対して柱状ブロックがスリットから脱落しない方向に応力が与えられる方向である。従って、物体が設置面の延在方向と同じ方向に振動したり、物体に対して設置面の延在方向と同じ方向に力が加えられたりした場合であっても、頭部ブロックに当接して保持する保持面によって保持されるため、容易に連結した部材が外れることがない。従って、安定した設置を維持することができる。
【0012】
[適用例4]本適用例に係る物体固定方法は、物体を設置面に固定する物体固定方法であって、物体固定方法は、設置面に固定される第1部材と、物体に連結される第2部材と、を用い、第1部材は、柱状ブロックと頭部ブロックとを有し、柱状ブロックは、一方の端部が設置面に固定され、他方の端部には頭部ブロックが設けられ、頭部ブロックは、柱状ブロックより幅が広く、柱状ブロックの側面に交差する被牽引面を備え、第2部材は、牽引ブロックと、牽引板とを有し、牽引ブロックは、一方の端部が物体に連結され、他方の端部には牽引板が設けられ、牽引板は、柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、頭部ブロックの被牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを有し、スリットに柱状ブロックを遊挿し、保持面に頭部ブロックを保持して、第2部材を物体から牽引することにより、第1部材と第2部材とを連結し物体を設置面に固定することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、設置面に固定された第1部材と、物体に連結された第2部材とが牽引された状態で連結されるため、物体は安定して設置面に固定される。また、第2部材の牽引をやめて、スリットから第1部材を外すことで簡便に第1部材と第2部材との連結を外すことができる。従って、簡便な移動と安定した設置を両立させることが可能な物体固定方法を実現することができる。
【0014】
[適用例5]本適用例に係る物体固定方法は、物体を設置面に固定する物体固定方法であって、物体固定方法は、物体に連結される第3部材と、設置面に固定される第4部材と、を用い、第3部材は、柱状ブロックと、頭部ブロックとを有し、柱状ブロックは、一方の端部が物体に連結され、他方の端部には頭部ブロックが設けられ、頭部ブロックは、柱状ブロックより幅が広く、柱状ブロックの側面に交差する牽引面を備え、第4部材は、固定ブロックと固定板とを有し、固定ブロックは、一方の端部が設置面に固定され、他方の端部には固定板が設けられ、固定板は、柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、頭部ブロックの牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを備え、スリットに柱状ブロックを遊挿し、保持面に頭部ブロックを保持して、第3部材を物体から牽引することにより、第3部材と第4部材とを連結し物体を設置面に固定することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、物体に連結された第3部材と、設置面に固定された第4部材とが牽引された状態で連結されるため、物体は安定して設置面に固定される。また、第3部材の牽引をやめて、スリットから第3部材を外すことで簡便に第3部材と第4部材との連結を外すことができる。
また、第4部材は、設置面に埋設するように固定することが可能であり、その場合に、設置面は、突出した部分の無い面となるため、物体の移動や、物体を移動した後の設置面の活用がスムーズになる。従って、簡便な移動と安定した設置を両立させることが可能な物体固定方法を実現することができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係る物体固定方法において、保持面には、設置面の延在方向と交差する方向に傾く傾斜面が含まれ、傾斜面の傾斜方向は、傾斜面が当接する頭部ブロックに対して、スリットの延在方向においてスリットが開放した一方の方向とは逆方向の応力が発生する方向であることを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、頭部ブロックに当接して保持する保持面には、設置面の延在方向と交差する方向に傾く面が含まれ、その傾斜方向は、頭部ブロックに対して柱状ブロックがスリットから脱落しない方向に応力が与えられる方向である。従って、物体が設置面の延在方向と同じ方向に振動したり、物体に対して設置面の延在方向と同じ方向に力が加えられたりした場合であっても、頭部ブロックに当接して保持する保持面によって保持されるため、容易に連結した部材が外れることがない。従って、安定した設置を維持することができる。
【0018】
[適用例7]本適用例に係るロボットは、上記のいずれか一項に記載の物体固定部材を備えることを特徴とする。
【0019】
本適用例によれば、簡便な移動と安定した設置を両立させたロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係るロボットを示す概略図。
【図2】(a);ロボットの基台の固定方法を説明する側面図、(b);同基台を裏面から見た平面図。
【図3】(a);実施形態1に係る固定部材を説明する斜視図、(b);固定部材の連結状態を示す側断面図。
【図4】実施形態2に係る固定部材を説明する側断面図。
【図5】変形例1を示す側断面図。
【図6】(a);変形例2を示す側断面図、(b);変形例3を示す側断面図、(c)変形例3の固定部材を示す斜視図。
【図7】変形例4を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
【0022】
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る物体固定部材および物体固定方法について説明する。
図1は、実施形態1に係る物体固定部材を備えたロボット100を示す概略図である。
ロボット100は、双腕ロボットであり、旋回、下腕振り、上腕振り、手首旋回、手首回転などのアームを備え、手首回転アームの先端には、ハンドが取り付けられる。また、ロボット100の本体は、基台1によって支えられ、基台1は、レベルフット2などによって、設置面であるフロアーFに設置される。ロボット100は、アームの高速な動作や、ハンドが掴む物の加重などにより、揺れや振動、重心の移動が発生するため、フロアーFに安定して設置される必要がある。
【0023】
なお、ここでは、一例として双腕ロボットとしてのロボット100の本体が基台1に支えられる形態を説明しているが、これに限定するものではない。単腕、あるいは多腕ロボットであっても良く、ロボットの種類にはよらない。またロボットではなく、様々な物体や装置であっても良い。基台1は、様々な物体や装置を固定支持する基台として活用することができる。
【0024】
また、設置面として、略水平なフロアーFを例に説明している。従って、説明の各図において、平面図を除き、図の上方が上方向、図の下方が下方向として説明している。フロアーFが宇宙空間に設置された平面とした場合においても、フロアーFから離れる方向を上方向、近づく方向を下方向として説明される。
【0025】
図2(a)は、基台1の側面図、(b)は、基台1をフロアーFの側から見た平面図である。実施形態1に係る物体固定部材は、第1部材としての固定部材10と、第2部材としての固定部材20から構成される。
基台1は、ロボット100の本体を支える直方体ブロック形状を呈する台座であり、レベルフット2、キャスター3、固定部材20などを備えている。
レベルフット2は、基台1の裏面(フロアーFに対向する面)の四隅に設置されており、アジャスター機能により、基台1を上下させること、つまり基台1をフロアーFから遠ざけたり近づけたりすることができる。
キャスター3は、ロボット100の移動用車輪であり、基台1の裏面の四隅、レベルフット2の配置のやや内側に設置されている。レベルフット2によって、キャスター3をフロアーFに接地させたり浮かせたりすることができる。
【0026】
固定部材20は、四隅のレベルフット2を結ぶ4辺の内の、対向する2辺の略中央に位置し、基台1の裏面に固定されている。
ロボット100を設置するフロアーFには、固定部材20の位置に合わせて、固定部材10が固定される。
なお、固定部材10、20の設置位置や設置個数は上記に限定するものではない。例えば、四隅のレベルフット2を結ぶ4辺の略中央部4箇所に設置しても良い。また、基台1の裏面周辺部や、中央部に、より多く設置しても良い。
【0027】
レベルフット2を上げた状態、つまり基台1をフロアーFに近づけ、接地したキャスター3により基台1を移動させて位置を調整しながら固定部材10と固定部材20とを連結する。次に、レベルフット2を下げて基台1をフロアーFに支え、レベルフット2を更に下げて、基台1をフロアーFから遠ざけることで、基台1に連結された固定部材10が固定部材20を牽引するように連結される。
【0028】
以下に、固定部材10と固定部材20との連結の詳細について説明する。
図3(a)は、固定部材10および固定部材20を説明する斜視図、(b)は固定部材10と固定部材20との連結状態を示す側断面図である。
【0029】
固定部材10は、柱状ブロック11と頭部ブロック12とから成る。
柱状ブロック11は、一方の端部(図3(a)、(b)において下方向の端部)がフロアーFに固定される円柱状のブロック体である。
頭部ブロック12は、柱状ブロック11の他方の端部(図3(a)、(b)において上方向の端部)に備えられる略直方体のブロック体である。頭部ブロック12の底面は、その縦横長が柱状ブロック11の直径を上回り、柱状ブロック11の側面に交差する被牽引面12aを構成している。
また、フロアーFから頭部ブロック12の上面までの高さは、接地したキャスター3(図2(a))により維持される基台1の底面までの高さより低く位置する。
【0030】
固定部材20は、牽引ブロック21と牽引板22とから成る。
牽引ブロック21は、牽引板22を基台1の方向(図3において上方向)に牽引するために、基台1と牽引板22とを連結するブロック体である。牽引ブロック21の一方の端部(図3(a)、(b)において上方向の端部)が基台1に固定され、他方の端部(図3(a)、(b)において下方向の端部)に牽引板22が固定されている。
【0031】
牽引板22は、スリット22s、凸部22r、保持面22a、22bなどを備える略U字形状の板である。スリット22sは、牽引板22の略中央部に設けられ、柱状ブロック11が遊挿される一方が開放したスリットであり、牽引板22をU字形状に形作っている。凸部22rは、スリット22sが開放している端部において牽引板22の上面に突出した凸部である。保持面22aは、固定部材10と固定部材20とを連結した際に、頭部ブロック12の被牽引面12aに当接して頭部ブロック12を保持する面である。また、凸部22rは、フロアーFの延在方向と略直交して保持面22aに交わる保持面22bを構成する。
【0032】
牽引ブロック21は、3つの面ブロックによってコの字状に構成され、スリット22sが開放される方向の辺を除く牽引板22の3辺を、基台1に連結し、牽引板22をフロアーFと略平行して堅固に固定している。コの字状の開放部分21sの幅および高さは、キャスター3が基台1を支えた状態でスライドすることによって、頭部ブロック12が開放部分21sを通過できる寸法とする。
【0033】
次に、固定部材10と固定部材20との連結の手順および連結の状態を説明する。
まず、レベルフット2を上げ、基台1をフロアーFに近づけて、キャスター3により基台1が移動できるようにする。
次に、基台1を移動させて固定部材20の開放面側(図の21s側)に固定部材10が来るように位置を調整する。
次に、図(a)の矢印Aの方向に基台1と共に固定部材20をスライドさせ、頭部ブロック12を、凸部22rの上部の開放部分21sを通過させ、柱状ブロック11をスリット22sに入れる。
次に、レベルフット2を下げて基台1をフロアーFに支え、レベルフット2を更に下げて、基台1を図(a)の矢印Bの方向に上げ、固定部材20が固定部材10を牽引するように被牽引面12aに保持面22aを当接させる。
以上の手順により、基台1に固定された固定部材20がフロアーFに固定された固定部材10を牽引するように連結される。
【0034】
固定部材10と固定部材20との連結によって、基台1をフロアーFに設置する際には、図2(b)における2箇所の固定部材10、20の連結を、基台1の四隅のレベルフット2を調整することによって行う。基台1を設置することで、基台1に支えられたロボット100の本体がフロアーFに設置される。
【0035】
なお、上記では、固定部材20は基台1に固定され、レベルフット2を下げて基台1を上昇させることにより固定部材20が固定部材10を牽引するように連結する、として説明したが、この方法に限定するものではない。基台1に連結された固定部材20を上昇させることにより固定部材20が固定部材10を牽引するように連結する方法であれば良い。
例えば、基台1の四隅のレベルフット2を個々に下げることによって基台1を上昇させるのではなく、基台1とフロアーFとの間にジャッキやリフターなどを配置し、それらによって基台1を上昇させる方法であっても良い。
また、例えば、基台1を上昇させるのではなく、基台1に設置した固定部材上下機構に固定部材20を連結し、固定部材上下機構によって固定部材20を上昇させ、固定部材20が固定部材10を牽引するように連結する方法であっても良い。
【0036】
以上述べたように、本実施形態による物体固定部材、および物体固定方法によれば、フロアーFに固定された固定部材10と、基台1に固定、あるいは連結された固定部材20とが牽引された状態で連結されるため、基台1は安定してフロアーFに固定される。
つまり、基台1や、基台1に固定支持される物体や装置が軽いものであっても、設置面に安定して、安全確実に固定することができる。
また、設置面が水平でなくても、設置面に固定することができる。
また、無重力空間でも、設置面に安定して、安全確実に固定することができる。
【0037】
また、頭部ブロック12に当接して保持する保持面には、フロアーFの延在方向と交差する方向に傾く保持面22bが含まれ、その傾斜方向は、頭部ブロック12に対して柱状ブロック11がスリット22sから脱落しない方向に応力R(図3(b))が与えられる方向である。従って、基台1がフロアーFの延在方向と同じ方向に振動したり、基台1に対してフロアーFの延在方向と同じ方向に力が加えられたりした場合であっても、頭部ブロック12に当接して保持する保持面22bによって保持されるため、容易に連結した部材が外れることがない。従って、安定した設置を維持することができる。
つまり、牽引板22の上面に突出した凸部22rを設けることで、固定部材10と固定部材20との連結が容易に外れない構造となる。基台1や、基台1に固定支持される物体や装置に可動部分があったり、装置が稼動することで振動や重心の移動があったりしても、設置面に安定して、安全確実に固定することができる。
【0038】
また、固定部材20の牽引をやめて、スリット22sから固定部材10を外すことで簡便に固定部材10と固定部材20との連結を外すことができる。従って、簡便な移動と安定した設置を両立させることが可能な物体固定部材を提供することができる。
【0039】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る物体固定部材および物体固定方法について説明する。なお、説明にあたり、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図4は、実施形態2に係る固定部材を説明する側断面図である。
実施形態2は、実施形態1における固定部材10と固定部材20の位置を逆にし、固定部材30および固定部材40としていることを特徴としている。つまり、実施形態2に係る物体固定部材は、第3部材としての固定部材30と、第4部材としての固定部材40から構成される。
【0040】
固定部材30は、柱状ブロック31と頭部ブロック32とから成る。
柱状ブロック31は、一方の端部(図4において上方向の端部)が基台1に固定される円柱状のブロック体である。
頭部ブロック32は、柱状ブロック31の他方の端部(図4において下方向の端部)に備えられる略直方体のブロック体である。頭部ブロック32と柱状ブロック31とが交わる頭部ブロック32の上面は、その縦の長さおよび横の長さがそれぞれ柱状ブロック31の直径を上回り、柱状ブロック31の側面に交差する牽引面32aを構成している。
また、基台1底面から頭部ブロック32の下面までの長さは、接地したキャスター3(図2(a))により維持されるフロアーFから基台1の底面までの長さより短くする。
【0041】
固定部材40は、固定ブロック41と固定板42とから成る。
固定ブロック41は、固定板42をフロアーFに固定するためのブロック体である。固定ブロック41の一方の端部(図4において下方向の端部)がフロアーFに固定され、他方の端部(図4において上方向の端部)に固定板42が固定されている。
【0042】
固定板42は、スリット42s、凸部42r、保持面42a、42bなどを備える略U字形状の板である。スリット42sは、固定板42の略中央部に設けられ、柱状ブロック31が遊挿される一方が開放したスリットであり、固定板42をU字形状に形作っている。凸部42rは、スリット42sが開放している端部において固定板42の下面に突出した凸部である。保持面42aは、固定部材30と固定部材40とを連結した際に、頭部ブロック32の牽引面32aに当接して頭部ブロック32を保持する面である。また、凸部42rは、フロアーFの延在方向と略直交して保持面42aに交わる保持面42bを構成する。
【0043】
固定ブロック41は、3つの面ブロックによってコの字状に構成され、スリット42sが開放される方向の辺を除く固定板42の3辺を、フロアーFに連結し、固定板42をフロアーFと略平行して堅固に固定している。コの字状の開放部分41sの幅および高さは、キャスター3が基台1を支えた状態で、頭部ブロック32が通過できる寸法とする。
【0044】
次に、固定部材30と固定部材40との連結の手順および連結の状態を説明する。
まず、レベルフット2を上げ、基台1をフロアーFに近づけて、キャスター3により基台1が移動できるようにする。
次に、基台1を移動させて固定部材40の開放面側(図の41s側)に固定部材30が来るように位置を調整する。
次に、基台1と共に固定部材40をスライドさせ、頭部ブロック32を、凸部42rの下部の開放部分41sを通過させ、柱状ブロック31をスリット42sに入れる。
次に、レベルフット2を下げて基台1をフロアーFに支え、レベルフット2を更に下げて、基台1を上げ、固定部材30が固定部材40を牽引するように牽引面32aに保持面42aを当接させる。
以上の手順により、基台1に固定された固定部材30がフロアーFに固定された固定部材40を牽引するように連結される。
【0045】
固定部材30と固定部材40との連結によって、基台1をフロアーFに設置する際には、図2(b)における2箇所の固定部材30、40の連結を、基台1の四隅のレベルフット2を調整することによって行う。
【0046】
なお、上記では、固定部材30は基台1に固定され、レベルフット2を下げて基台1を上昇させることにより固定部材30が固定部材40を牽引するように連結する、として説明したが、この方法に限定するものではない。基台1に連結された固定部材30を上昇させることにより固定部材30が固定部材40を牽引するように連結する方法であれば良い。
例えば、基台1の四隅のレベルフット2を個々に下げることによって基台1を上昇させるのではなく、基台1とフロアーFとの間にジャッキやリフターなどを配置し、それらによって基台1を上昇させる方法であっても良い。
また、例えば、基台1を上昇させるのではなく、基台1に設置した固定部材上下機構に固定部材30を連結し、固定部材上下機構によって固定部材30を上昇させ、固定部材30が固定部材40を牽引するように連結する方法であっても良い。
【0047】
以上述べたように、本実施形態による物体固定部材、および物体固定方法によれば、実施形態1と同様の効果を得ることができる。また、基台1に備える固定部材30は、柱状ブロック31と頭部ブロック32とで簡便に構成されるため、固定部材40を備えたフロアーFに様々な物体や装置を設置するにあたり、簡便な構造変更でその対応を図ることが出来る。
【0048】
(変形例1)
変形例1に係る物体固定部材、および物体固定方法について以下に説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図5は、変形例1に係る物体固定部材を示す側断面図である。
実施形態2では、図4のように、実施形態1における固定部材10と固定部材20の位置が逆に配置された固定部材30と固定部材40とで構成されるとして説明したが、この構成に限定するものではなく、図5に示すように、固定部材40に代わり、固定板42を固定する固定部材40vがフロアーFに埋設される構成としても良い。
【0049】
この構成では、新たにフロアーFに固定部材30が遊挿される穴41h、および穴41hを構成するために、固定ブロック41を変形させて構成する固定ブロック41vが必要となる。また、固定部材40vをフロアーFに埋設するため、固定部材30がフロアーFの表面下まで降下させることができる上下機構(図示省略)が必要となる。これらの点を除き、実施形態2と同じである。
【0050】
本変形例に係る物体固定部材、および物体固定方法によれば、実施形態2での効果に加えて、フロアーFが、突出した部分の無い面となるため、物体の移動や、物体を移動した後の設置面の活用がスムーズになる。従って、簡便な移動と安定した設置を両立させることが可能な物体固定部材を提供することができる。
【0051】
(変形例2)
変形例2に係る物体固定部材について以下に説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図6(a)は、変形例2に係る物体固定部材を示す側断面図である。
実施形態1では、図3(a)に示すように、牽引板22の上面に突出した凸部22rを設けて固定部材10と固定部材20との連結が容易に外れないようにしたが、連結が外れ難くする構成は、これに限定するものではなく、図6(a)に示す固定部材10v、20vのような構成であっても良い。
【0052】
固定部材10vは、柱状ブロック11vと頭部ブロック12vとから成り、固定部材20vは、牽引ブロック21と牽引板22vとから成る。
実施形態1において、牽引板22は、凸部22rを備えることによって、保持面22a、22bを構成し、頭部ブロック12を保持する構成であった。特に連結が外れないように保持面22bを構成していた。これに対し、牽引板22vは、上面に傾きを持たせて固定部材10vが固定部材20vから外れ難くしている。具体的には、牽引板22vの上面を、牽引ブロック21の開放部分21s近いほど高さが高くなるように傾斜させて保持面22vaとし、頭部ブロック12vが外れ難くしている。頭部ブロック12vの底面(被牽引面12va)も、保持面22vaに当接するように傾斜を持たせている。
【0053】
この構成によると、実施形態1での効果に加えて、より簡便に固定部材20vを構成できる。具体的には、凸部22rを形成する必要がなく、牽引板22vの上面に傾きを持たせるだけで良い。また、実施形態1では、保持面22bと頭部ブロック12との間に隙間が発生しないように考慮する必要があったが、本変形例によれば、固定部材20vが固定部材10vを牽引している場合には、常に傾斜した保持面22vaが頭部ブロック12vの被牽引面12vaに応力を与えているため、そのような考慮の必要がない。
【0054】
(変形例3)
変形例3に係る物体固定部材について以下に説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図6(b)、(c)は、変形例2に係る物体固定部材を示す側断面図である。本変形例に係る物体固定部材は、固定部材10wと固定部材20wとによって構成される。
実施形態1では、図3(a)に示すように、固定部材10の頭部ブロック12は、略直方体のブロック体で構成されたが、図6(c)に示す固定部材10wように、頭部ブロックが略円柱状のブロック体で構成されても良い。
【0055】
固定部材10wは、柱状ブロック11wと頭部ブロック12wとから成る。
頭部ブロック12wは、図6(c)に示すように、柱状ブロック11wの上部に柱状ブロック11wと略同軸で位置する略円柱状のブロック体である。頭部ブロック12wは、柱状ブロック11wより太く、頭部ブロック12wの側面と、柱状ブロック11wの側面をつなぐ面は、下方に向かって徐々に細くなる被牽引面12waを構成している。
【0056】
固定部材20wは、牽引ブロック21と牽引板22wとから成る。
牽引板22wの上面は、固定部材10wと固定部材20wとが連結された場合に、被牽引面12waに当接する形状に形成され保持面22waを構成している。
【0057】
この構成によると、実施形態1での効果に加えて、より簡便に固定部材10wおよび固定部材20wを構成できる。具体的には、固定部材10wは、同軸の略円柱形状であるため、その製造段階での加工が容易である。また、牽引板22wには、凸部22rを形成する必要がない。また、実施形態1では、保持面22bと頭部ブロック12との間に隙間が発生しないように考慮する必要があったが、本変形例によれば、固定部材20wが固定部材10wを牽引している場合には、常に傾斜した保持面22waが頭部ブロック12wの被牽引面12waに応力を与えているため、そのような考慮の必要がない。
【0058】
(変形例4)
変形例4に係る物体固定部材について以下に説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図7は、変形例4に係る物体固定部材を示す側断面図である。本変形例に係る物体固定部材は、固定部材10wと二つの固定部材20zとによって構成される。
上述した実施形態および変形例では、一方の固定部材を、他方の固定部材に対して横方向にスライドさせて連結し、上方向に牽引して固定する方法を取ったが、この方法に限定するものではない。図7に示すように、面対象に設置する二つの固定部材20zによって固定部材10wの頭部ブロック12wを挟み、上方向に牽引することによって固定する方法であっても良い。なお、固定部材20zによって固定部材10wを挟む動作は、固定部材20zを駆動する機構(図示省略)により、横方向にスライドさせる方法や、挟むように回転させる方法のいずれであっても良い。
【0059】
この構成によると、固定部材20zにより固定部材10wを挟み込む動作において、固定部材20zの位置が補正され、結果として固定部材20zが連結された基台や物体の位置が補正されるため、正確な位置決めを行いながら、基台や物体の安定した設置が可能となる。
【符号の説明】
【0060】
1…基台、2…レベルフット、3…キャスター、10,20,30,40…固定部材、11,31…柱状ブロック、12,32…頭部ブロック、12a…被牽引面、21…牽引ブロック、21s,41s…開放部分、22…牽引板、22a,22b,42a,42b…保持面、22r,42r…凸部、22s,42s…スリット、32a…牽引面、41…固定ブロック、41h…穴、42…固定板、100…ロボット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を設置面に固定する物体固定部材であって、
前記物体固定部材は、前記設置面に固定される第1部材と、前記物体に連結される第2部材と、を有し、
前記第1部材は、柱状ブロックと頭部ブロックとを有し、
前記柱状ブロックは、一方の端部が前記設置面に固定され、他方の端部には前記頭部ブロックが設けられ、
前記頭部ブロックは、前記柱状ブロックより幅が広く、前記柱状ブロックの側面に交差する被牽引面を備え、
前記第2部材は、牽引ブロックと、牽引板とを有し、
前記牽引ブロックは、一方の端部が前記物体に連結され、他方の端部には前記牽引板が設けられ、
前記牽引板は、前記柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、前記頭部ブロックの被牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを有し、
前記スリットに前記柱状ブロックが遊挿され、前記保持面に前記頭部ブロックが保持された状態で、前記第2部材が前記物体から牽引されることにより、前記第1部材と前記第2部材とが連結し前記物体が前記設置面に固定されることを特徴とする物体固定部材。
【請求項2】
物体を設置面に固定する物体固定部材であって、
前記物体固定部材は、前記物体に連結される第3部材と、前記設置面に固定される第4部材と、を有し、
前記第3部材は、柱状ブロックと、頭部ブロックとを有し、
前記柱状ブロックは、一方の端部が前記物体に連結され、他方の端部には前記頭部ブロックが設けられ、
前記頭部ブロックは、前記柱状ブロックより幅が広く、前記柱状ブロックの側面に交差する牽引面を備え、
前記第4部材は、固定ブロックと固定板とを有し、
前記固定ブロックは、一方の端部が前記設置面に固定され、他方の端部には前記固定板が設けられ、
前記固定板は、前記柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、前記頭部ブロックの牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを備え、
前記スリットに前記柱状ブロックが遊挿され、前記保持面に前記頭部ブロックが保持された状態で、前記第3部材が前記物体から牽引されることにより、前記第3部材と前記第4部材とが連結し前記物体が前記設置面に固定されることを特徴とする物体固定部材。
【請求項3】
前記保持面には、前記設置面の延在方向と交差する方向に傾く傾斜面が含まれ、
前記傾斜面の傾斜方向は、前記傾斜面が当接する前記頭部ブロックに対して、前記スリットの延在方向においてスリットが開放した前記一方の方向とは逆方向の応力が発生する方向であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の物体固定部材。
【請求項4】
物体を設置面に固定する物体固定方法であって、
前記物体固定方法は、前記設置面に固定される第1部材と、前記物体に連結される第2部材と、を用い、
前記第1部材は、柱状ブロックと頭部ブロックとを有し、
前記柱状ブロックは、一方の端部が前記設置面に固定され、他方の端部には前記頭部ブロックが設けられ、
前記頭部ブロックは、前記柱状ブロックより幅が広く、前記柱状ブロックの側面に交差する被牽引面を備え、
前記第2部材は、牽引ブロックと、牽引板とを有し、
前記牽引ブロックは、一方の端部が前記物体に連結され、他方の端部には前記牽引板が設けられ、
前記牽引板は、前記柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、前記頭部ブロックの被牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを有し、
前記スリットに前記柱状ブロックを遊挿し、前記保持面に前記頭部ブロックを保持して、前記第2部材を前記物体から牽引することにより、前記第1部材と前記第2部材とを連結し前記物体を前記設置面に固定することを特徴とする物体固定方法。
【請求項5】
物体を設置面に固定する物体固定方法であって、
前記物体固定方法は、前記物体に連結される第3部材と、前記設置面に固定される第4部材と、を用い、
前記第3部材は、柱状ブロックと、頭部ブロックとを有し、
前記柱状ブロックは、一方の端部が前記物体に連結され、他方の端部には前記頭部ブロックが設けられ、
前記頭部ブロックは、前記柱状ブロックより幅が広く、前記柱状ブロックの側面に交差する牽引面を備え、
前記第4部材は、固定ブロックと固定板とを有し、
前記固定ブロックは、一方の端部が前記設置面に固定され、他方の端部には前記固定板が設けられ、
前記固定板は、前記柱状ブロックが遊挿される一方が開放したスリットと、前記頭部ブロックの牽引面を含む側面に当接して保持する保持面とを備え、
前記スリットに前記柱状ブロックを遊挿し、前記保持面に前記頭部ブロックを保持して、前記第3部材を前記物体から牽引することにより、前記第3部材と前記第4部材とを連結し前記物体を前記設置面に固定することを特徴とする物体固定方法。
【請求項6】
前記保持面には、前記設置面の延在方向と交差する方向に傾く傾斜面が含まれ、
前記傾斜面の傾斜方向は、前記傾斜面が当接する前記頭部ブロックに対して、前記スリットの延在方向においてスリットが開放した前記一方の方向とは逆方向の応力が発生する方向であることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の物体固定方法。
【請求項7】
前記物体は、ロボットの本体であり、前記ロボットは、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の物体固定部材を備えることを特徴とするロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−61053(P2013−61053A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201468(P2011−201468)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】