説明

物品のグルーピング方法及びこれに用いられるグルーピング装置

【課題】 連続搬送される物品(P)を搬送方向に所定の数毎にグルーピングする方法において、物品(P)の包装単位、物品(P)のサイズなどの変更に容易に対応できるようにする事により、物品(P)のグルーピングの作業効率を高くすること。
【解決手段】 搬送コンベア(1)の搬送方向に移動自在であり、前記物品(P)に当接する状態と当接しない状態に切替え自在な前記分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)を備えた第1分離手段(30)と第2分離手段(40)とを並列に配置し、前記第1分離手段(30)の分離ピン(3a)(3b)を当接状態として移動速度を規制した状態で前記物品(P)を搬送し、前記第2分離手段(40)に最も近接する位置で前記分離ピン(3a)(3b)を非当接状態に切替えると略同時に、前記第2分離手段(40)の分離ピン(4a)(4b)を当接状態に切替えて移動速度を規制した状態で前記物品(P)を搬送し、前記分離ピン(4a)(4b)を非当接状態に切替えることで前記物品(P)を前記搬送方向にグルーピングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトルや缶などの物品のグルーピング方法及びこれに用いられるグルーピング装置に関する。特に、直列状に連続搬送される物品を搬送方向に所定の数ごとにグルーピングする方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直列状に連続搬送される物品のグルーピングは、図8に示されるように、物品(P)を搬送面(11)に載置した状態で搬送する単位コンベア(10)を複数並設した構成の搬送コンベア(1)と、その下方域において前記搬送コンベア(1)よりも遅い速度で搬送方向に走行するチェーン(6)と、前記チェーン(6)に所定の間隔(L)ごとに取付けられ、前記コンベア(10)相互間に形成された隙間から前記搬送面(11)の上側に突出して前記物品(P)に当接して前記物品(P)の移動速度を規制することにより、前記物品(P)を前記搬送方向に所定の数ごとのグループに分離する2本一組の分離ピン(2)とを備えたグルーピング装置により行なわれている。
前記搬送コンベア(2)に比べて前記チェーン(6)の走行速度が遅いから、前記チェーン(6)と共に移動する前記分離ピン(2)が当接することにより、前記物品(P)は前記搬送コンベア(1)の搬送面(11)を前記搬送方向の逆向きに滑りながら前記分離ピン(2)と同速度で搬送されることとなる。そのため、前記分離ピン(2)の当接時間に比例して、図9に示されるように、前記分離ピン(2)の下流側に位置する物品(P1)と上流側に位置する物品(P2)との距離(M)が徐々に広がり、連続搬送されていた物品(P1)は4個ずつのグループに分離されることとなる。
また、後続の物品(P2)とその上流側に位置する物品(P3)についても、同様に、搬送方向に隣接する前記支持棒(20)の前記分離ピン(2)により4個ずつのグループに分離される。
このような構成であるから、物品(P)を箱やケースに詰める包装装置の上流に前記グルーピング装置を配置することにより、前記物品(P)の搬送中に所定の包装単位にグルーピングすることができる。
【特許文献1】特開平11−180544号公報
【特許文献2】特開2001−72235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記グルーピング装置においては、前記物品(P)の移動速度を規制する前記分離ピン(2)が、前記チェーン(6)に架設された長尺の支持棒(20)に取付けられた構成であるから、前記物品(P)の包装単位に合わせて前記支持棒(20)の架設間隔(L)や、前記2本一組の分離ピン(2)相互の間隔を設定する必要がある。
そのため、物品(P)の包装単位やサイズを変更する場合には、前記チェーン(6)の交換や、前記支持棒(20)の取付け位置や前記分離ピン(2)の取付け位置を移動又は交換することにより調整する必要があり、調整作業の間はグルーピング装置を停止させなければならない。また、このような構成のグルーピング装置においては、通常、4〜6本の前記支持棒(20),40〜80本の前記分離ピン(2)がそれぞれ用いられており、これらを一つずつ移動又は交換することは煩雑でありかなりの時間が必要である。従って、物品(P)の包装単位及びサイズ変更に伴うグルーピング装置の停止時間が長く、作業効率が悪いという問題がある。
【0004】
前記支持棒(20)の架設間隔(L)の調整作業を簡略化するために、異なるモータにより駆動される第1チェーンと第2チェーンとに前記支持棒(20)を交互に取付けて、前記第1チェーンと第2チェーンの走行速度の制御により、前記搬送方向の前記分離ピンの間隔(L)を調整することができるグルーピング装置が前記特許文献1及び2に開示されている。
しかしながら、前記分離ピン(2)相互の間隔の調整については、前述の例と同様に、40〜80本の前記分離ピン(2)を一つずつ移動又は交換する調整作業が必要であるから、前記物品(P)のサイズ変更に伴うグルーピング装置の停止時間は依然として長く、作業効率もあまり向上されない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、搬送コンベヤにより連続搬送されてくる物品を搬送方向に所定の数ごとにグルーピングする方法及びこれに用いられるグルーピング装置において、物品の包装単位、物品のサイズなどの変更に容易に対応できるようにすることにより、物品のグルーピングの作業効率を高くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に係る発明の物品のグルーピング方法は、『前記搬送コンベアの搬送方向に移動自在であり、前記物品に当接して移動速度を規制する当接状態と前記物品に当接せずに通過させる非当接状態とに切替え自在な前記分離ピンを備えた第1分離手段と第2分離手段とを前記搬送コンベアの上流側と下流側とに並列に配置し、
前記第1分離手段の分離ピンを当接状態とすると共に前記第1分離手段を搬送方向に前記搬送コンベアよりも遅い速度で移動させて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送し、
前記第1分離手段が前記第2分離手段と最も近接する位置において、前記第1分離手段の分離ピンを非当接状態に切替えて前記物品の移動速度の規制を解除し、
前記第1分離手段による前記物品の移動速度規制の解除と略同時に、前記第2分離手段の分離ピンを非当接状態から当接状態に切替えると共に前記第2分離手段を搬送方向に前記搬送コンベアよりも遅い速度で移動させて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送し、
所定の位置において、前記第2分離手段の分離ピンを非当接状態に切替えて前記物品の移動速度の規制を解除することにより、直列状に連続搬送される物品を搬送方向にグルーピングする』ことを特徴とするものである。
これによれば、従来例と同様に、前記搬送コンベアにより連続搬送される物品に、搬送コンベアよりも遅い速度で移動する第1分離手段又は第2分離手段に取付けられた分離ピンを順番に当接させて前記物品の移動速度を制限することにより、直列状に連続搬送される物品を前記搬送方向に所定の数ごとにグルーピングすることができる。
前記第1分離手段及び第2分離手段は前記搬送方向に各別に往復移動する構成であるから、移動方向や移動距離、移動速度の初期設定を変更して、前記第1分離手段と第2分離手段の動作を調整することにより、1グループに含まれる前記物品の数を変更することができる。
また、記第1分離手段及び第2分離手段を非当接状態のままで前記搬送方向と逆向きに移動させて、短時間で初期位置に復帰させることができるから、従来例のように多数の支持棒(20)を架設させる必要がなく、構造が簡単である。
ここで、前記分離ピンの当接状態と非当接状態との切替えは、2本一組の分離ピンが前記搬送方向に直交する方向に開閉する構成や、前記分離ピンが垂直方向に上下動する構成のものなどが考えられる。
【0006】
(2)請求項2に係る発明の物品のグルーピング方法は、『前記第1分離手段は、前記第2分離手段に最も近接する位置において前記物品の移動速度規制を解除した後、前記分離ピンを非当接状態に維持したまま前記搬送方向と逆向きに移動し、
初期位置において、前記第2分離手段による前記物品の移動速度規制の解除と略同時に、前記分離ピンを非当接状態から当接状態に切替えて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送し、
前記第2分離手段は、前記物品の移動速度規制を解除した後、前記分離ピンを非当接状態に維持したまま前記搬送方向と逆向きに移動し、
前記第1分離手段と最も近接する位置において、前記第1分離手段による前記物品の移動速度規制の解除と略同時に、前記分離ピンを非当接状態から当接状態に切替えて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送する』ことを特徴とする。
これによれば、前記第1分離手段及び第2分離手段が前記物品に交互に当接してこれを支持するから、前記第1分離手段及び第2分離手段による移動速度の規制とその解除により生じる慣性力により前記物品が転倒することを防止することができる。
ここで、前記第1分離手段及び第2分離手段の移動速度は、前記搬送方向に移動する場合と前記搬送方向とは逆向きに移動する場合とが同じ速度に設定されるものであっても、それぞれ異なる速度に設定されるものであってもよい。
【0007】
(3)請求項3に係る発明の物品のグルーピング方法は、『前記第1分離手段及び第2分離手段は、前記物品の移動速度を規制した状態での移動距離及び前記搬送方向への移動速度が同じとなるように設定されており、前記搬送方向への移動と同じ速度で前記搬送方向と逆向きに移動する』ことを特徴とする。
これによれば、移動方向に関係なく前記第1分離手段及び第2分離手段の移動速度が常に一定であるから、前記第1分離手段及び第2分離手段の移動速度を調整する必要がなく、移動方向と前記分離ピンの状態のみを制御すればよいから、前記第1分離手段及び第2分離手段の制御機構が簡単である。
【0008】
(4)請求項4に係る発明の物品のグルーピング方法は、『前記分離ピンは、前記物品に対して2本一組で設けられると共に前記搬送方向に直交する方向に開閉するように制御されており、
前記当接状態においては、前記物品を当接支持し得るように前記分離ピン相互の間隔を前記物品の外径よりも小さく閉じ、
非当接状態とするときには、前記物品を挿通し得るように前記分離ピン相互の間隔が前記物品の外径より大きく開く』ことを特徴とする。
これによれば、前記2本一組の分離ピンは制御部からの指令に基づいて開閉されるから、制御部において当接状態及び非当接状態における前記分離ピン相互の間隔の設定値を変更することにより、物理的な調整作業を行うことなく、外径が異なる物品についても同様にグルーピングすることができる。
【0009】
(5)請求項5に係る発明の物品のグルーピング装置は、『前記搬送方向に伸びる帯状の搬送面に載置した状態で前記物品を直列状に連続搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアを前記搬送方向に直交する態様で横断する支持部と、前記支持部の横断方向に開閉自在に取付けられる2本一組の分離ピンと、前記支持部を前記搬送方向に往復移動させる移動手段とを有する第1分離装置と、
前記第1分離装置の下流側に配置され、前記搬送コンベアを前記搬送方向に直交する態様で横断する支持部と、前記支持部の横断方向に開閉自在に取付けられる2本一組の分離ピンと、前記支持部を前記搬送方向に往復移動させる移動手段とを有する第2分離装置と、
前記移動手段の移動及び前記分離ピンの開閉動作を制御する制御部とを有しており、
前記第1分離装置及び第2分離装置における前記2本一組の分離ピンは、前記制御部により前記搬送コンベア上の前記物品に当接して前記物品の移動速度を規制する閉状態と、前記物品に当接せずに前記分離ピン相互間を通過させる開状態とに切替えられる』ことを特徴とする。
これによれば、搬送コンベアにより連続搬送されてくる物品に第1分離装置の分離ピンを閉状態で前方から当接させて、前記搬送コンベアよりも遅い速度で搬送方向へと移動させる。そして、前記第2分離装置に最も近接した位置において、前記第1分離装置の分離ピンを閉状態から開状態に切替えると共に、前記第2分離装置の分離ピンを開状態から閉状態に切替えて前記物品に前方から当接させて、前記第1分離装置と同様に、前記搬送コンベアよりも遅い速度で前記搬送方向へと移動させる。
【0010】
これにより、前記分離ピンの上流側に位置する物品の移動速度が規制され、前記分離ピンの下流側に位置し前記搬送コンベアと同じ速度で移動する物品との距離が徐々に広がるから、前物品を前記搬送方向に所定の数ごとにグルーピングすることができる。
また、前記第1分離装置及び第2分離装置は、前記分離ピンを開状態に切替えると共に前記分離ピン相互間に物品を挿通させながら逆方向に移動するから、短時間で初期位置に戻って後続の物品を連続的にグルーピングすることができる。
前記第1分離装置及び第2分離装置及び前記分離ピンの動作が前記制御部により制御されているから、前記制御部において前記第1分離装置及び第2分離装置の移動方向や移動距離、移動速度、前記分離ピンの当接状態及び非当接状態における前記分離ピン相互の間隔などの初期設定を変更することにより、物理的な調整作業を行うことなく、1グループに含まれる物品の数を変更したり、外径が異なる物品をグルーピングすることができる。
【0011】
(6)請求項6に係る発明の物品のグルーピング装置は、『前記第1分離装置及び第2分離装置は、前記分離ピンが前記搬送面の上側に突出される態様で前記搬送面の下方域に設けられており、
前記第1分離装置及び第2分離装置における前記支持部は、前記2本一組の分離ピンを構成する一方の分離ピンが取付けられた第1支持板と、他方の分離ピンが取付けられると共に前記第1支持板の下側に重ね合わせ状態に配置される第2支持板とから構成されており、
前記1支持板には、前記第2支持板に取付けられた他方の分離ピンを前記横断方向に移動自在に挿通するピン挿通部が形成されており、横断方向について互いに相反する方向にスライド移動される』ことを特徴とする。
これによれば、前記第1支持板と第2支持板とを横断方向にスライド移動することにより、前記分離ピンを開閉することができる。また、前記第1支持板と第2支持板とが相反する方向へ移動するから、前記分離ピンを開閉する際の前記第1支持板及び第2支持板の移動距離が小さく、前記開状態と閉状態との切替えを短時間で行うことができる。
【0012】
(7)請求項7に係る発明の物品のグルーピング装置は、『前記搬送コンベアは、搬送方向に伸びる帯状の搬送面に載置した状態で前記物品を一列に連続搬送する単位コンベアを複数並設させた構成からなり、
前記第1分離装置及び第2分離装置における前記支持部は、前記複数の単位コンベアを前記搬送方向に直交する態様で横断し得る長さを有すると共に、前記横断方向に沿って前記単位コンベアに対応する数の前記2本一組の分離ピンが取付けられている』ことを特徴とする。
これによれば、前記第1支持板と第2支持板を前記横断方向にスライド移動することで、前記単位コンベアに対応するすべての組の分離ピンを一度に開閉することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、搬送コンベアの搬送方向に移動自在であり当接状態と非当接状態とに切替え自在な前記分離ピンを備えた第1分離手段と第2分離手段とを並列に配置して、前記第1分離手段と前記第2分離手段とにより移動速度を規制した状態で前記物品を搬送して前記物品をグルーピングすることにより、前記第1分離手段及び第2分離手段の移動方向や移動距離、移動速度の設定変更により1グループに含まれる前記物品の数を変更できるから、従来例のように前記支持棒(20)の取付け位置の変更、取替えなどの物理的な調整作業を行うことなく、制御部の設定値を変更するなどの簡単な操作により物品の包装単位、物品のサイズの変更に対応することができる。
また、前記第1分離手段と第2分離手段を非当接状態で逆方向に移動させることができるから、物品のグルーピングに必要な構造が簡単であり、前記物品のグルーピングに必要な分離ピンの総数も従来例に比べて減少するから、物品のサイズ変更の際に前記分離ピンの位置の移動にかかる時間も大幅に短縮される。
これにより、前記物品の包装単位、物品のサイズの変更に対する物理的な調整作業が大幅に軽減され従来の方法よりもグルーピング作業の停止時間が短縮されるから、物品のグルーピングの作業効率が高い。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、第1分離手段又は第2分離手段を物品の移動速度規制を解除した後、非当接状態で逆向きに移動させ、初期位置において第2分離手段又は第1分離手段による移動速度規制の解除と略同時に当接状態として前記物品の移動速度を規制することにより、慣性力による前記物品の転倒を防止できるから、前記物品を安定して搬送することができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、第1分離手段と第2分離手段との移動距離及び移動速度を同じにすると共に、前記搬送方向への移動と前記搬送方向と逆向きへの移動の速度を同じにすることにより、前記第1分離手段及び第2分離手段の制御機構が簡単となるから、可動前又は設定変更の際の入力項目が少なく操作が容易である。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、物品に対して2本一組で設けられ前記搬送方向に直交する方向に開閉することにより当接状態と非当接状態とに切替えられる分離ピンとしたことにより、制御部の設定値の変更により外径が異なる物品についてもグルーピングできるから、従来例のように前記支持棒(20)の取付け位置の変更、取替え、前記分離ピンの移動などの物理的な調整作業を行うことなく、物品の包装単位、物品のサイズの変更に対応することができる。これにより、グルーピング作業の停止時間が制御部の入力変更にかかるわずかな時間で済むから、物品のグルーピングの作業効率がよりいっそう高い。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、搬送コンベアを横断する長尺の支持部と、前記支持部の横断方向に開閉自在な2本一組の分離ピンと、前記支持部を前記搬送方向に往復移動させる移動手段とを有する第1分離装置と、前記第1分離装置の下流側に配置される第2分離装置と、前記移動手段及び前記分離ピンの動作を制御する制御部とを備えた物品のグルーピング装置において、前記制御部により前記分離ピンを閉状態と開状態とに切替え自在としたことにより、従来例と同様に前記物品を前記搬送方向に所定数ごとにグルーピングできる。また、第1分離装置及び第2分離装置が短時間で初期位置に復帰して後続の物品をグルーピングできるから、従来例のように前記チェーン(6)に複数の支持棒(20)を架設する必要がないから、グルーピング装置の構造が簡単である。
前記制御部において設定値を変更することにより、物理的な調整作業を行うことなく、1グループに含まれる物品の数を変更したり、外径が異なる物品をグルーピングできるから、物品の包装単位、物品のサイズの変更に対応することができる。これにより、サイズ変更などに伴なう物品のグルーピング装置の停止時間を前記制御部の入力変更にかかるわずかな時間に抑えることができるから、グルーピング装置の作業効率が高い。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、一方の分離ピンを取付けた長尺の第1支持板と、他方の分離ピンを取付けた第2支持板とからなる支持部を有し、前記第1支持板と第2支持板とが横断方向に相反する方向にスライド移動自在としたことにより、前記第1支持板と第2支持板とを前記横断方向にスライド移動することで前記分離ピンを開閉できるから、前記分離ピン一本ずつにケーブルやセンサーなどを接続して動作を制御するものに比べて制御機構がシンプルであり前記グルーピング装置の構造も簡単である。また、前記分離ピンの開状態と閉状態との切替えを短時間で行うことができるから、前記物品に前記分離ピンが引っ掛かかりにくく前記物品を安定的に搬送することができる。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、複数の単位コンベアからなる搬送コンベアを横断し得る支持部の横断方向に沿って前記単位コンベアに対応する数の分離ピンを取付けたことより、前記単位コンベアに対応するすべての組の分離ピンを一度に開閉できるから、前記分離ピンの開閉動作を2本一組ごとに制御するものに比べて制御機構がシンプルであり、グルーピング装置の構造がよりいっそう簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
<物品のグルーピング装置について>
本発明実施の形態にかかる物品のグルーピング方法を利用したグルーピング装置を図1に示している。
この例のものは、ペットボトルや缶などの物品(P)を帯状の搬送面(11)に載置した状態で連続搬送する単位コンベア(10)を6つ並設した構成の搬送コンベア(1)と、前記搬送コンベア(1)の上流側と下流側とに前記物品(P)の搬送方向に移動自在に並設される第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)と、前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)の動作を制御する制御部(図示しない)とから構成されており、前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)には、前記搬送面(11)に載置された状態で搬送される前記物品(P)に当接して移動速度を規制する閉状態(当接状態)と、前記物品(P)に当接することなく通過させる開状態(非当接状態)とに切替え可能な分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)が取付けられている。
前記単位コンベア(10)には、図4に示されるように、前記搬送面(11)に載置された物品(P)の転倒を防止するために前記物品(P)の胴部を側方から支持する一対のガイドベルト(5)が配置されている。
【0021】
前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)は、図1から図3に示されるように、前記搬送コンベア(1)の搬送方向に直交する態様で横断する第1支持板(31)(41)と第2支持板(32)(42)とからなる支持部(38)(48)と、前記支持部(38)(48)の横断方向に沿って前記物品(P)に2本一組で当接し得るように取付けられた分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)と、前記支持部(38)(48)に連設され前記搬送コンベア(1)と平行な一対のレール(R)に沿って往復運動することにより前記支持部(38)(48)を前記搬送方向に移動する移動手段である台車部(33)(43)とから構成されている。この例のものでは、前記横断方向に対して線対称に各部材が配置されている点以外については、前記第1分離装置(30)と第2分離装置(40)とは同一の構造を有している。
【0022】
前記支持部(38)(48)は、図2から図5に示される第1分離装置(30)のように、前記2本一組の分離ピン(3a)(3b)の一方の分離ピン(3a)を保持する保持部(310)が前記搬送方向の端縁に突出形成された第1支持板(31)と、他方の分離ピン(3b)を保持する保持部(320)が前記搬送方向の端縁に突出形成されると共に、前記第1支持板(31)の分離ピン(3a)と前記分離ピン(3b)とが前記横断方向に開閉されるように前記第1支持板(31)の下にスライド自在に重ね合わされた第2支持板(32)とから構成されている。前記第2支持板(32)は、図2及び図3,図5に示されるように、前記第1支持板(31)よりも前記搬送方向の幅が小さく、中央部は前記第1支持板(31)と後述するスライドガイド(360)とを結合し得るようにコ字状の切欠部(323)が形成されている。
【0023】
前記台車部(33)は、図4に示されるように、前記一対のレール(R)に嵌り合うスライド溝(332)が形成されたスライド部材(331)が連設された台板(330)と、前記台板(330)と共に前記横断方向に長い矩形状の枠体を形成する逆U字状の支持フレーム(35)とからなり、前記支持フレーム(35)の上面には、一対のスライドガイド(360)を介して補助板(36)が前記搬送方向にスライド自在に取付けられている。また、ここでは図示しないが、前記制御部からの指令に基づいて前記台車部(3)を前記搬送方向に沿って移動させるサーボモータが接続されている。
【0024】
前記第1支持板(31)と第2支持板(32)には、前記横断方向の異なる端部からそれぞれ延設されスライドガイド(340)を介して前記台板(330)に前記横断方向にスライド自在に取付けられる可動フレーム(34a)(34b)が連設されており、前記第1支持板(31)は中央部に連結されたスライドガイド(360)により支持されると共に、前記補助板(36)に前記横断方向にスライド自在に取付けられている。また、前記第2支持板(32)は前記切欠部(323)の両側に連結された一対のスライドガイド(361)により支持されると共に、前記補助板(36)に前記横断方向にスライド自在に取付けられている。
前記可動フレーム(34)は、図4に示されるように、前記台板(330)の中央部に配設されたサーボモータ(37)の回転により前記横断方向に伸縮されるアーム(370)に接続されており、前記第1支持板(31)及び第2支持板(32)に連設された可動フレーム(34a)(34b)は、前記サーボモータ(37)の回転により互いに相反する方向に移動されるように取付けられている。
【0025】
上記のような構成であるから、前記2本一組の分離ピン(3a)(3b)相互の間隔は、前記サーボモータ(37)の回転による第1支持板(31)と第2支持板(32)のスライド移動により拡縮されることとなる。この例のものでは、前記第1支持板(31)と第2支持板(32)を内方向にスライド移動させると前記分離ピン(3a)(3b)相互の間隔が広がり、外方向にスライド移動させると前記分離ピン(3a)(3b)相互の間隔が狭くなるようになっている。ここで、前記サーボモータ(37)は前記制御部からの指令に基づいて回転されている。
前記スライドガイド(340)(350)(360)(361)は、図4及び図5に示されるように、スライド自在に連結する一方の部材にスライド方向に沿って固定されるレール部(342)(351)(363)(365)と、他方の部材に固定され前記レール部(342)(352)(363)(365)にスライド自在に嵌り合うスライド溝が形成されたスライド部(341)(351)(362)(364)とからなっている。
ここでは図示して説明しないが、前記第2分離装置(40)は、前述の第1分離装置(30)と同様の構成を有しており、前記制御部から各動作部は前記第2分離装置(40)に与えられる指令に基づいて動作されている。
【0026】
<物品のグルーピング方法について>
次に、実際に上記物品のグルーピング装置を用いて連続搬送される物品(P)をグルーピングする方法を説明する。ここでは、一例として物品としてペットボトル(P)を6列×4行の包装単位にグルーピングする方法について説明する。
先ず、前記制御部において、前記ペットボトル(P)の外径、包装単位、搬送コンベヤ(1)の搬送速度などに基づいて、前記第1分離装置(30)及び第2分離装置の前記搬送方向への移動方向や移動距離(N1)(N2)、移動速度、前記第1支持板(31)(41)及び第2支持板(32)(42)の前記横断方向へのスライド距離などの設定値を入力する。この例においては、前記第1分離装置(30)と第2分離装置(40)は、前記搬送コンベア(1)の搬送方向への移動距離(N1)(N2)及び移動速度、前記第1支持板(31)(41)及び第2支持板(32)(42)の横断方向へのスライド動作のいずれについても同じ設定となっている。
【0027】
図1及び図2には、前記第2分離装置(40)については、移動速度を規制した状態での前記ペットボトル(P1)の搬送が完了し、前記分離ピン(4a)(4b)を閉状態から開状態へと切替える直前の状態を示しており、前記第1分離装置については、初期位置において前記分離ピン(3a)(3b)を開状態から閉状態に切替え、移動速度を規制した状態で前記ペットボトル(P2)の搬送を開始する直前の状態を示している。この状態を初期状態(図6(a))として、グルーピング方法について順を追って説明する。
【0028】
図6(a)の初期状態から、前記第1分離装置(30)を前記搬送コンベヤ(1)よりも遅い速度で前記搬送方向へと移動させると共に、前記第2分離装置(40)の前記第1支持板(42)と第2支持板(42)を内方向にスライド移動させて前記分離ピン(4a)(4b)を閉状態から開状態に切替え、前記ペットボトル(P1)の移動速度の規制を解除する。これにより、前記第1分離装置(30)の下流側に位置し前記搬送コンベヤ(1)の移動速度で搬送されるペットボトル(P1)と、前記第1分離装置(30)の上流側に位置し前記第1分離装置(30)の移動速度で搬送されるペットボトル(P2)との距離が徐々に広がることとなる。このとき、前記第2分離装置(40)は、前記分離ピン(4a)(4b)の開状態への切替えと同時に、移動速度規制を解除した前記ペットボトル(P1)を前記分離ピン(4a)(4b)相互間に挿通させながら、前記搬送方向への移動と同じ速度で逆方向に移動する(図6(b)−(d))。
【0029】
前記第1分離装置(30)が設定された移動距離(N1)の最下流端まで移動したとき、前記第2分離装置(40)は設定された移動距離(N2)の最上流端まで戻り、前記第1分離装置(30)と前記第2分離装置(40)とは最も近接した状態となる(図3,図6(e))。
この最近接状態(図6(e))において、前記第1分離装置(30)の前記第1支持板(31)と第2支持板(32)とを内方向にスライド移動させて前記分離ピン(3a)(3b)を閉状態から開状態へと切替えると共に、前記第2分離装置(40)の第1支持板(41)と第2支持板(42)とを外方向にスライド移動させて前記分離ピン(4a)(4b)を開状態から閉状態へと切替える(図3)。これにより、前記ペットボトル(P2)は一時的に前記分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)のいずれにも当接支持されないフリー状態となった後、前記第2分離装置(40)の分離ピン(4a)(4b)に当接し(図6(f))、再び移動速度を規制した状態で前記ペットボトル(P1)との距離を広げながら前記搬送方向へ搬送される。このとき、前記第1分離装置(30)は、前記分離ピン(3a)(3b)の開状態への切替えと同時に、前記ペットボトル(P2)を前記分離ピン(3a)(3b)相互間に挿通させながら、前記搬送方向への移動と同じ速度で逆方向に移動する(図6(g)−(i))。
【0030】
前記第2分離装置(40)が設定された移動距離(N2)の最下流端まで移動したとき、前記第1分離装置(30)は設定された移動距離(N1)の最上流端に戻り、前記第1分離装置(30)と前記第2分離装置(40)とは最も離れた状態となる(図6(j))。
この状態で、前記第1分離装置(30)の前記第1支持板(31)と第2支持板(32)とを外方向にスライド移動させて前記分離ピン(3a)(3b)を開状態から閉状態へと切替え、前記ペットボトル(P3)に当接させると、図6(a)と同じ初期状態となる(図6(j))。
前述の一連の動作により、直列状に連続搬送されてきたペットボトル(P)から4行分を分離して、6列×4行の包装単位にグルーピングすることができる。
また、前述の動作を繰返すことにより(図6(k))、後続のペットボトル(P2)(P3)についても同様にして連続的にグルーピングすることができる。
【0031】
この例のグルーピング装置では、前記ペットボトル(P)に当接する閉状態と、前記ペットボトル(P)に当接しない開状態とに切替え自在な前記分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)を前記搬送方向に移動自在な第1分離装置(30)と第2分離装置(40)に取付けたことにより、前記分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)相互間に前記ペットボトル(P)を挿通させながら、前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)を逆方向に移動できるから、図8及び図9の従来例のように、複数の支持棒(20)をチェーン(6)に架設する必要がないから、前記グルーピング装置の構造が簡単である。
また、前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)の移動方向や移動距離、移動速度、前記第1支持板(31)(41)及び第2支持板(32)(24)のスライド距離などは前記制御部により制御されており、前記搬送コンベヤ(1)の移動速度や、グルーピングするペットボトル(P)の外径や包装単位などに基づいて設定値を変更することにより、前記第1分離装置(30)と第2分離装置(40)相互間の距離や、前記分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)相互の間隔を変更することができる。
【0032】
そのため、従来例のように前記支持棒(20)の取付け位置の変更、取替えなどの物理的な調整作業を行うことなく、ペットボトル(P)のサイズや包装単位の変更に対応することができる。これにより、前記ペットボトル(P)の包装単位や外径の変更によるグルーピング装置の停止時間を前記制御部の入力変更にかかるわずかな時間に抑えることができるから、グルーピング装置の作業効率が優れている。
この例のものでは、前記2本一組の分離ピンの一方(3a)(3b)を第1支持板(31)(41)に、他方(4a)(4b)を前記第1支持板(31)(41)にスライド自在に重ね合わされた前記第2支持板(41)(42)に取付けた構成としたことにより、前記単位コンベヤ(10)に対応して設けられた前記2本一組の分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)を、前記第1支持板(31)(41)と第2支持板(32)(42)のスライド移動により六組一度に開閉することができる。これにより、前記分離ピン一本ずつ各別に制御するものに比べて制御機構がシンプルであり、前記グルーピング装置の構造が簡単である。
【0033】
この例のものでは、前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)とが交互に前記ペットボトル(P)に当接する構成となっているから、前記ペットボトル(P1)が前記第1分離装置(30)から前記第2分離装置(40)に受け渡されるときや、前記第2分離装置(40)による移動速度規制が解除されるときの慣性力による転倒を防止できるから、前記ペットボトル(P)を安定的に搬送することができる。
この例のものでは、前記第1分離装置(30)と第2分離装置(40)の前記搬送方向への移動距離(N1)(N2)と移動速度とが同じに設定されているから、前記ペットボトル(P)の移動速度が一定であり安定的に搬送することができる。また、この例の前記第1分離装置(30)と第2分離装置(40)は、前記搬送方向への移動と前記搬送方向と逆向きへの移動についても同じ速度に設定されているから、移動方向を転換する際に速度調整を行う必要がないから、制御機構がシンプルであり、稼動前又は設定変更時の入力項目が少なく、グルーピング装置の操作が容易である。
【0034】
<その他>
本発明の物品のグルーピング方法及び物品のグルーピング装置は上述の実施の形態に限られるものではない。
前述の例においては、前記分離ピン(3a)(3b)(4a)(4b)は前記搬送コンベヤ(1)を横断する方向に開閉自在な構成を有しているが、前記ペットボトル(P)に対して当接して移動速度を規制する当接状態と、前記ペットボトル(P)に当接せずに通過させる非当接状態とに切替えることができる構成であればよく、例えば図7に示されるように、前記分離ピン(3)(4)を前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)の前記支持部(38)(48)の上下動により当接状態と非当接状態とに切替えることができるようにしてもよい。
前述の例においては、前記第1分離装置(30)と第2分離装置(40)の移動距離(N1)(N2)及び移動速度を同じに設定しているが、それぞれ異なる距離や速度に設定するものであってもよい。また、前記ペットボトル(P)の搬送方向への移動と、その逆向きへの移動の速度も同じに設定しているが、前記第1分離装置(30)及び第2分離装置(40)の前記搬送方向の逆向きに移動する速度を速く設定して素早く初期位置に復帰させて当接状態に切替えるまで待機させる構成としてもよい。
また、連続搬送される前記ペットボトル(P)の列の乱れに応じて前記第1分離装置(30)を非当接状態から当接状態に切替えるタイミングを微調整する補正手段を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明実施の形態に係る物品のグルーピング装置を示す平面図である。
【図2】図1における第1分離装置及び第2分離装置の状態を示す説明図である。
【図3】第1分離装置と第2分離装置とが最も近接した状態を示す説明図である。
【図4】第1分離装置を示す断面図(図1のA−A断面図)である。
【図5】(a)図4のB−B断面図である。(b)図4のC−C断面図である。
【図6】前記第1分離装置及び第2分離装置の分離ピンの開閉動作とこれによる物品のグルーピング方法を示す模式図である。
【図7】その他の実施の形態に係る物品のグルーピング装置を示す概略図である。
【図8】従来の物品のグルーピング装置の概略図である。
【図9】従来の物品グルーピング装置の説明図である。
【符号の説明】
【0036】
(1) 搬送コンベア
(10) 単位コンベア
(11) 搬送面
(2)(3)(3a)(3b)(4)(4a)(4b) 分離ピン
(30) 第1分離装置(第1分離手段)
(40) 第2分離装置(第2分離手段)
(31)(41) 第1支持板
(32)(42) 第2支持板
(38)(48) 支持部
(33)(43) 台車部(移動手段)
(P)(P1)(P2)(P3) 物品
(R) レール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を直列状に連続搬送する搬送コンベアよりも遅い速度で搬送方向に移動する分離ピンにより前記物品の移動速度を規制して前記物品を搬送方向に所定の数ごとにグルーピングする物品のグルーピング方法において、
前記搬送コンベアの搬送方向に移動自在であり、前記物品に当接して移動速度を規制する当接状態と前記物品に当接せずに通過させる非当接状態とに切替え自在な前記分離ピンを備えた第1分離手段と第2分離手段とを前記搬送コンベアの上流側と下流側とに並列に配置し、
前記第1分離手段の分離ピンを当接状態とすると共に前記第1分離手段を搬送方向に前記搬送コンベアよりも遅い速度で移動させて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送し、
前記第1分離手段が前記第2分離手段と最も近接する位置において、前記第1分離手段の分離ピンを非当接状態に切替えて前記物品の移動速度の規制を解除し、
前記第1分離手段による前記物品の移動速度規制の解除と略同時に、前記第2分離手段の分離ピンを非当接状態から当接状態に切替えると共に前記第2分離手段を搬送方向に前記搬送コンベアよりも遅い速度で移動させて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送し、
所定の位置において、前記第2分離手段の分離ピンを非当接状態に切替えて前記物品の移動速度の規制を解除することにより、直列状に連続搬送される物品を搬送方向にグルーピングすることを特徴とする物品のグルーピング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の物品のグルーピング方法において、
前記第1分離手段は、前記第2分離手段に最も近接する位置において前記物品の移動速度規制を解除した後、前記分離ピンを非当接状態に維持したまま前記搬送方向と逆向きに移動し、
初期位置において、前記第2分離手段による前記物品の移動速度規制の解除と略同時に、前記分離ピンを非当接状態から当接状態に切替えて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送し、
前記第2分離手段は、前記物品の移動速度規制を解除した後、前記分離ピンを非当接状態に維持したまま前記搬送方向と逆向きに移動し、
前記第1分離手段と最も近接する位置において、前記第1分離手段による前記物品の移動速度規制の解除と略同時に、前記分離ピンを非当接状態から当接状態に切替えて移動速度を規制した状態で前記物品を搬送することを特徴とする物品のグルーピング方法。
【請求項3】
請求項2に記載の物品のグルーピング方法において、
前記第1分離手段及び第2分離手段は、前記物品の移動速度を規制した状態での移動距離及び前記搬送方向への移動速度が同じとなるように設定されており、前記搬送方向への移動と同じ速度で前記搬送方向と逆向きに移動することを特徴とする物品のグルーピング方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の物品のグルーピング方法において、
前記分離ピンは、前記物品に対して2本一組で設けられると共に前記搬送方向に直交する方向に開閉するように制御されており、
前記当接状態においては、前記物品を当接支持し得るように前記分離ピン相互の間隔を前記物品の外径よりも小さく閉じ、
非当接状態とするときには、前記物品を挿通し得るように前記分離ピン相互の間隔が前記物品の外径より大きく開くことを特徴とする物品のグルーピング方法。
【請求項5】
物品を直列状に連続搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアよりも遅い速度で搬送方向に移動しながら前記搬送コンベア上の前記物品に当接することにより前記物品の移動速度を規制して前記搬送方向に所定の数ごとのグループに分離する分離ピンとを有する物品のグルーピング装置において、
前記搬送方向に伸びる帯状の搬送面に載置した状態で前記物品を直列状に連続搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアを前記搬送方向に直交する態様で横断する支持部と、前記支持部の横断方向に開閉自在に取付けられる2本一組の分離ピンと、前記支持部を前記搬送方向に往復移動させる移動手段とを有する第1分離装置と、
前記第1分離装置の下流側に配置され、前記搬送コンベアを前記搬送方向に直交する態様で横断する支持部と、前記支持部の横断方向に開閉自在に取付けられる2本一組の分離ピンと、前記支持部を前記搬送方向に往復移動させる移動手段とを有する第2分離装置と、
前記移動手段の移動及び前記分離ピンの開閉動作を制御する制御部とを有しており、
前記第1分離装置及び第2分離装置における前記2本一組の分離ピンは、前記制御部により前記搬送コンベア上の前記物品に当接して前記物品の移動速度を規制する閉状態と、前記物品に当接せずに前記分離ピン相互間を通過させる開状態とに切替えられることを特徴とする物品のグルーピング装置。
【請求項6】
請求項5に記載の物品のグルーピング装置において、
前記第1分離装置及び第2分離装置は、前記分離ピンが前記搬送面の上側に突出される態様で前記搬送面の下方域に設けられており、
前記第1分離装置及び第2分離装置における前記支持部は、前記2本一組の分離ピンを構成する一方の分離ピンが取付けられた第1支持板と、他方の分離ピンが取付けられると共に前記第1支持板の下側に重ね合わせ状態に配置される第2支持板とから構成されており、
前記1支持板には、前記第2支持板に取付けられた他方の分離ピンを前記横断方向に移動自在に挿通するピン挿通部が形成されており、横断方向について互いに相反する方向にスライド移動されることを特徴とする物品のグルーピング装置。
【請求項7】
請求項6に記載の物品のグルーピング装置において、
前記搬送コンベアは、搬送方向に伸びる帯状の搬送面に載置した状態で前記物品を一列に連続搬送する単位コンベアを複数並設させた構成からなり、
前記第1分離装置及び第2分離装置における前記支持部は、前記複数の単位コンベアを前記搬送方向に直交する態様で横断し得る長さを有すると共に、前記横断方向に沿って前記単位コンベアに対応する数の前記2本一組の分離ピンが取付けられていることを特徴とする物品のグルーピング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−199436(P2006−199436A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12911(P2005−12911)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(391029819)株式会社オーエム製作所 (34)
【Fターム(参考)】