物品の変形表示方法、成形品の設計支援方法、これらの装置、プログラム、および記憶媒体
【課題】 物品の変形の評価のために必要な時間を短縮する。
【解決手段】 変形結果が表示された画面上から出力面と出力面上の点とを指定し、指定した点の変形前後の座標値をグラフ表示し、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち基準点1を指定し、基準点1が対応する点と重なるようにグラフ全体を平行移動し、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち基準点2を指定し、基準点1と基準点2とにより規定される方向ベクトルが一致するようにグラフ全体を回転移動する。
【解決手段】 変形結果が表示された画面上から出力面と出力面上の点とを指定し、指定した点の変形前後の座標値をグラフ表示し、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち基準点1を指定し、基準点1が対応する点と重なるようにグラフ全体を平行移動し、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち基準点2を指定し、基準点1と基準点2とにより規定される方向ベクトルが一致するようにグラフ全体を回転移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の形状の変形が要求されるような場合に、変形前後の形状を分かり易く表示する方法および装置、この方法および装置を利用する成形品の設計支援方法および装置、プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製品・金型設計を行なう際には、製品・金型形状を対象とした変形解析によって得られた変形結果から、変形前後の形状の比較を行うようにしている。
【0003】
なお、各点における変形前の座標値を(X0,Y0,Z0)、変位量を(Dx,Dy,Dz)とすれば、
変形後の座標値(X、Y、Z)は以下の式(1)で表される。
X=X0+Dx ; Y=Y0+Dy ; Z=Z0+Dz ・・・式(1)
しかしながら、変形前後の形状が離れているため、変形を詳細に評価することは容易ではない。これは、形状が複雑になるほど評価箇所の数が増加するため顕著に現れる。
【0004】
そこで、一般的には評価箇所に基準面を指定し、表示上その基準面を基に変形しているように見せるように形状全体を座標変換することが行われる。
【0005】
具体的には、基準面上の1点での変位量(Dx,Dy,Dz)がゼロとなるように、変形後形状を座標変換する。
【0006】
座標変換後、変形前後の形状を比較し、変形を評価するが、全体形状を見ているだけでは、十分な評価ができないことが良くある。
【0007】
そこで、評価方法の1つとして、評価面での変形前後の座標値をグラフ上にプロットして評価する方法がとられている。
【0008】
ここで、従来の評価方法をまとめると下記の手順となる(図1参照)。
【0009】
(1)作業者がソフトウェアを使用し変形解析を実施する。
【0010】
(2)作業者がコンピュータに変形解析の結果を入力し、コンピュータ上のデータベー スに登録し、画面上に表示する。
【0011】
(3)基準面を定義するために作業者が、変形結果が表示された画面上にて3点を指定する。
【0012】
(4)コンピュータが自動的に(3)で指定された面が基準面になるように変形後形状 全体を座標変換する(図2参照)。
【0013】
(5)作業者が変形結果を表示している画面上から評価点を指定する(図3参照)。
【0014】
(6)コンピュータが自動的に(5)で指定した点の変形前後の座標値をグラフ表示す る(図4参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記の従来の方法では、評価面を変更するたびに、全体形状の座標変換を行う必要が ある。そして、本処理は全体形状の全節点に対して座標変換を行うため、節点数が多い ほど処理に時間がかかり、ひいては、評価のために必要な時間が長くなってしまう。
【0016】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、物品の変形の評価のために必要 な時間を短縮できる物品の変形表示方法、成形品の設計支援方法、これらの装置、プロ グラム、および記憶媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の物品の変形表示方法は、変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0018】
請求項2の物品の変形表示方法は、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0019】
請求項3の物品の変形表示装置は、変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むものである。
【0020】
請求項4の物品の変形表示装置は、前記表示手段として、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかをさらに移動させて表示するものを採用している。
【0021】
請求項5の成形品の設計支援方法は、成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援するに当たって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0022】
請求項6の成形品の設計支援方法は、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0023】
請求項7の成形品の設計支援装置は、成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援する装置であって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むものである。
【0024】
請求項8の成形品の設計支援装置は、前記表示手段として、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するものを採用している。
【0025】
請求項9のプログラムは、請求項1または請求項2の物品の変形表示方法の各工程をコンピュータに実行させるものである。
【0026】
請求項10の記憶媒体は、請求項9のプログラムを記憶したものである。
【0027】
請求項1の物品の変形表示方法であれば、変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するのであるから、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、物品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができる。また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができる。
【0028】
請求項5の成形品の設計支援方法であれば、成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援するに当たって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するのであるから、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、成形品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、成形品の設計を迅速にすることができる。また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の物品の変形表示方法は、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、物品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【0030】
本発明の物品の変形表示装置も、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、物品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【0031】
本発明の成形品の設計支援方法は、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、成形品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、成形品の設計を迅速にすることができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【0032】
本発明の成形品の設計支援装置も、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、成形品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、成形品の設計を迅速にすることができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の物品の変形表示方法、成形品の設計支援方法、これらの装置、プログラム、および記憶媒体の実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
図5は本発明の物品の変形表示方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【0035】
ステップSP1において、ソフトウェアを使用し変形解析を実施する。
【0036】
ステップSP2において、コンピュータに変形解析の結果を入力し、コンピュータ上のデータベースに登録し、画面上に表示する。
【0037】
ステップSP3において、変形結果が表示された画面上から出力面と出力面上の点とを指定する。
【0038】
ステップSP4において、自動的にステップSP3で指定した点の変形前後の座標値をグラフ表示する。
【0039】
ステップSP5において、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち一点(基準点1)を指定する。
【0040】
ステップSP6において、自動的に基準点1が対応する点と重なるようにグラフ全体を平行移動する。
【0041】
ステップSP7において、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち他の一点(基準点2)を指定する。
【0042】
ステップSP8において、自動的に基準点1と基準点2とにより規定される方向ベクトルが一致するようにグラフ全体を回転移動する。
【0043】
図6は本発明の物品の変形表示装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0044】
この装置は、ソフトウェアを使用して変形解析を実施する変形解析部1と、コンピュータに変形解析の結果を入力し、コンピュータ上のデータベースに登録し、画面上に表示する変形解析結果入力登録表示部2と、変形結果が表示された画面上で出力面と出力面上の点とを指定する第1指定部3と、指定手段3により指定した点の変形前後の座標値を得てグラフ表示するグラフ表示部4と、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち一点(基準点1)を指定する第2指定部5と、基準点1が対応する点と重なるようにグラフ全体を平行移動する平行移動部6と、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち他の一点(基準点2)を指定する第3指定部7と、基準点1と基準点2の方向ベクトルが一致するようにグラフ全体を回転移動する回転移動部8とを有している。
【0045】
したがって、変形解析を実施することにより、変形前の3次元形状と変形後の3次元形状とが図7に実線、破線で示すように与えられた場合に、これらをコンピュータのデータベースに登録し、画面上に表示することができる。
【0046】
そして、この表示画面において、図7中に太線で示すように、出力面と出力面上の点を指定すれば、指定した点を図8に示すように、対応する座標軸により定まる2次元平面上に表示する。次いで、基準点1が指定されれば、この基準点1が対応する点と重なるように、一方の形状を平行移動する(図9参照)。さらに、基準点2が指定されれば、基準点1と基準点2とにより規定される方向ベクトルが対応する方向ベクトルと一致するように、一方の形状を回転移動する(図10参照)。
【0047】
したがって、図7に示す表示では、変形前後の形状の変化の程度を把握しにくいけれども、図9に示すように基準点1を対応する点と重ねて表示することによって、変形前後の形状の変化の程度を把握し易くすることができる。さらに、図10に示すように方向ベクトルを対応する方向ベクトルと重ねて表示することによって、変形前後の形状の変化の程度を一層把握し易くすることができる。
【実施例】
【0048】
図11に示す形状を例にとって、従来方法(図1参照)と本実施形態方法(図5参照)とを用いて変形前後の形状の変化の程度の把握のための処理の実例を説明する。なお、図11に示す形状の節点数は70083であり、要素数は49718である。また、図12に示すように、4つの評価面A〜Dを設定している。
【0049】
従来方法(図1参照)によって、評価面Aに対して、三角形で示す基準点を用いて基準面を指定し(図13参照、ステップ1)、評価面A上の節点を選択し(図14参照、ステップ2)、評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成し(図15参照、ステップ3)、評価面Bに対して基準面を指定し(図16参照、ステップ4)、評価面B上の節点を選択し(図17参照、ステップ5)、評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成し(図18参照、ステップ6)、評価面Cに対して基準面を指定し(図19参照、ステップ7)、評価面C上の節点を選択し(図20参照、ステップ8)、評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成し(図21参照、ステップ9)、評価面Dに対して基準面を指定し(図22参照、ステップ10)、評価面D上の節点を選択し(図23参照、ステップ11)、評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成した(図24参照、ステップ12)。
【0050】
また、本実施形態方法(図5参照)によって、評価面A〜D上の節点を選択し(図25参照、ステップ1)、評価面A〜Dに対して変形の前後のグラフを作成し(図26参照、ステップ2)、評価面Aに対して基準面を指定し(図27参照、ステップ3)、評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成し(図28参照、ステップ4)、評価面Bに対して基準面を指定し(図29参照、ステップ5)、評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成し(図30参照、ステップ6)、評価面Cに対して基準面を指定し(図31参照、ステップ7)、評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成し(図32参照、ステップ8)、評価面Dに対して基準面を指定し(図33参照、ステップ9)、評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成した(図34参照、ステップ10)。
【0051】
そして、従来方法による処理時間は、表1に示すように、ステップ1で58秒、ステップ2で26秒、ステップ4で60秒、ステップ5で52秒、ステップ7で52秒、ステップ8で30秒、ステップ10で52秒、ステップ11で44秒であり、全体で274秒であった。
【0052】
【表1】
【0053】
これに対し、本実施形態方法による処理時間は、表2に示すように、ステップ1で122秒だけであり、全体で122秒であった。
【0054】
【表2】
【0055】
表1と表2とから分かるように、本実施形態方法を採用することによって、処理時間を大幅に短縮できた。
上記実施形態は、物品の変形表示を行う場合について説明しているが、成形品の形状をどのように設定するかを決定するために採用することが可能であり、この場合には、成形品の設計支援を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来方法を説明するフローチャートである。
【図2】座標変換前の全体形状を示す図である。
【図3】座標変換後の全体形状を示す図である。
【図4】評価面の変形のグラフ表示を示す図である。
【図5】本実施形態方法を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態装置を示すブロック図である。
【図7】座標変換前の全体形状を示す図である。
【図8】座標変換前の評価面のグラフ表示を示す図である。
【図9】基準点1を重ねるよう平行移動した状態のグラフ表示を示す図である。
【図10】方向ベクトル重ねるよう回転移動した状態のグラフ表示を示す図である。
【図11】物品の形状の一例を示す斜視図である。
【図12】図11の物品の評価面A〜Dを示す図である。
【図13】従来方法により評価面Aに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図14】従来方法により評価面A上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図15】従来方法により評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図16】従来方法により評価面Bに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図17】従来方法により評価面B上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図18】従来方法により評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図19】従来方法により評価面Cに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図20】従来方法により評価面C上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図21】従来方法により評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図22】従来方法により評価面Dに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図23】従来方法により評価面D上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図24】従来方法により評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図25】本実施形態方法により評価面A〜D上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図26】本実施形態方法により評価面A〜Dに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図27】本実施形態方法により評価面Aに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図28】本実施形態方法により評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図29】本実施形態方法により評価面Bに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図30】本実施形態方法により評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図31】本実施形態方法により評価面Cに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図32】本実施形態方法により評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図33】本実施形態方法により評価面Dに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図34】本実施形態方法により評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0057】
1 変形解析部
2 変形解析結果入力登録表示部
3 第1指定部
4 グラフ表示部
5 第2指定部
6 平行移動部
7 第3指定部
8 回転移動部
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の形状の変形が要求されるような場合に、変形前後の形状を分かり易く表示する方法および装置、この方法および装置を利用する成形品の設計支援方法および装置、プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製品・金型設計を行なう際には、製品・金型形状を対象とした変形解析によって得られた変形結果から、変形前後の形状の比較を行うようにしている。
【0003】
なお、各点における変形前の座標値を(X0,Y0,Z0)、変位量を(Dx,Dy,Dz)とすれば、
変形後の座標値(X、Y、Z)は以下の式(1)で表される。
X=X0+Dx ; Y=Y0+Dy ; Z=Z0+Dz ・・・式(1)
しかしながら、変形前後の形状が離れているため、変形を詳細に評価することは容易ではない。これは、形状が複雑になるほど評価箇所の数が増加するため顕著に現れる。
【0004】
そこで、一般的には評価箇所に基準面を指定し、表示上その基準面を基に変形しているように見せるように形状全体を座標変換することが行われる。
【0005】
具体的には、基準面上の1点での変位量(Dx,Dy,Dz)がゼロとなるように、変形後形状を座標変換する。
【0006】
座標変換後、変形前後の形状を比較し、変形を評価するが、全体形状を見ているだけでは、十分な評価ができないことが良くある。
【0007】
そこで、評価方法の1つとして、評価面での変形前後の座標値をグラフ上にプロットして評価する方法がとられている。
【0008】
ここで、従来の評価方法をまとめると下記の手順となる(図1参照)。
【0009】
(1)作業者がソフトウェアを使用し変形解析を実施する。
【0010】
(2)作業者がコンピュータに変形解析の結果を入力し、コンピュータ上のデータベー スに登録し、画面上に表示する。
【0011】
(3)基準面を定義するために作業者が、変形結果が表示された画面上にて3点を指定する。
【0012】
(4)コンピュータが自動的に(3)で指定された面が基準面になるように変形後形状 全体を座標変換する(図2参照)。
【0013】
(5)作業者が変形結果を表示している画面上から評価点を指定する(図3参照)。
【0014】
(6)コンピュータが自動的に(5)で指定した点の変形前後の座標値をグラフ表示す る(図4参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記の従来の方法では、評価面を変更するたびに、全体形状の座標変換を行う必要が ある。そして、本処理は全体形状の全節点に対して座標変換を行うため、節点数が多い ほど処理に時間がかかり、ひいては、評価のために必要な時間が長くなってしまう。
【0016】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、物品の変形の評価のために必要 な時間を短縮できる物品の変形表示方法、成形品の設計支援方法、これらの装置、プロ グラム、および記憶媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の物品の変形表示方法は、変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0018】
請求項2の物品の変形表示方法は、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0019】
請求項3の物品の変形表示装置は、変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むものである。
【0020】
請求項4の物品の変形表示装置は、前記表示手段として、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかをさらに移動させて表示するものを採用している。
【0021】
請求項5の成形品の設計支援方法は、成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援するに当たって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0022】
請求項6の成形品の設計支援方法は、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する方法である。
【0023】
請求項7の成形品の設計支援装置は、成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援する装置であって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むものである。
【0024】
請求項8の成形品の設計支援装置は、前記表示手段として、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するものを採用している。
【0025】
請求項9のプログラムは、請求項1または請求項2の物品の変形表示方法の各工程をコンピュータに実行させるものである。
【0026】
請求項10の記憶媒体は、請求項9のプログラムを記憶したものである。
【0027】
請求項1の物品の変形表示方法であれば、変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するのであるから、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、物品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができる。また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができる。
【0028】
請求項5の成形品の設計支援方法であれば、成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援するに当たって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するのであるから、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、成形品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、成形品の設計を迅速にすることができる。また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の物品の変形表示方法は、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、物品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【0030】
本発明の物品の変形表示装置も、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、物品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【0031】
本発明の成形品の設計支援方法は、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、成形品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、成形品の設計を迅速にすることができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【0032】
本発明の成形品の設計支援装置も、座標変換を行う必要がある節点の数を大幅に低減し、全体としての所要時間を大幅に短縮することができ、ひいては、成形品の変更前後の評価にかかる時間を大幅に短縮することができ、成形品の設計を迅速にすることができ、また、評価面上にて直接座標変換を行なえるため、基準面変更を容易にすることができるという特有の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の物品の変形表示方法、成形品の設計支援方法、これらの装置、プログラム、および記憶媒体の実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
図5は本発明の物品の変形表示方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【0035】
ステップSP1において、ソフトウェアを使用し変形解析を実施する。
【0036】
ステップSP2において、コンピュータに変形解析の結果を入力し、コンピュータ上のデータベースに登録し、画面上に表示する。
【0037】
ステップSP3において、変形結果が表示された画面上から出力面と出力面上の点とを指定する。
【0038】
ステップSP4において、自動的にステップSP3で指定した点の変形前後の座標値をグラフ表示する。
【0039】
ステップSP5において、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち一点(基準点1)を指定する。
【0040】
ステップSP6において、自動的に基準点1が対応する点と重なるようにグラフ全体を平行移動する。
【0041】
ステップSP7において、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち他の一点(基準点2)を指定する。
【0042】
ステップSP8において、自動的に基準点1と基準点2とにより規定される方向ベクトルが一致するようにグラフ全体を回転移動する。
【0043】
図6は本発明の物品の変形表示装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0044】
この装置は、ソフトウェアを使用して変形解析を実施する変形解析部1と、コンピュータに変形解析の結果を入力し、コンピュータ上のデータベースに登録し、画面上に表示する変形解析結果入力登録表示部2と、変形結果が表示された画面上で出力面と出力面上の点とを指定する第1指定部3と、指定手段3により指定した点の変形前後の座標値を得てグラフ表示するグラフ表示部4と、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち一点(基準点1)を指定する第2指定部5と、基準点1が対応する点と重なるようにグラフ全体を平行移動する平行移動部6と、画面上にグラフ表示された変形前もしくは変形後の形状のうち他の一点(基準点2)を指定する第3指定部7と、基準点1と基準点2の方向ベクトルが一致するようにグラフ全体を回転移動する回転移動部8とを有している。
【0045】
したがって、変形解析を実施することにより、変形前の3次元形状と変形後の3次元形状とが図7に実線、破線で示すように与えられた場合に、これらをコンピュータのデータベースに登録し、画面上に表示することができる。
【0046】
そして、この表示画面において、図7中に太線で示すように、出力面と出力面上の点を指定すれば、指定した点を図8に示すように、対応する座標軸により定まる2次元平面上に表示する。次いで、基準点1が指定されれば、この基準点1が対応する点と重なるように、一方の形状を平行移動する(図9参照)。さらに、基準点2が指定されれば、基準点1と基準点2とにより規定される方向ベクトルが対応する方向ベクトルと一致するように、一方の形状を回転移動する(図10参照)。
【0047】
したがって、図7に示す表示では、変形前後の形状の変化の程度を把握しにくいけれども、図9に示すように基準点1を対応する点と重ねて表示することによって、変形前後の形状の変化の程度を把握し易くすることができる。さらに、図10に示すように方向ベクトルを対応する方向ベクトルと重ねて表示することによって、変形前後の形状の変化の程度を一層把握し易くすることができる。
【実施例】
【0048】
図11に示す形状を例にとって、従来方法(図1参照)と本実施形態方法(図5参照)とを用いて変形前後の形状の変化の程度の把握のための処理の実例を説明する。なお、図11に示す形状の節点数は70083であり、要素数は49718である。また、図12に示すように、4つの評価面A〜Dを設定している。
【0049】
従来方法(図1参照)によって、評価面Aに対して、三角形で示す基準点を用いて基準面を指定し(図13参照、ステップ1)、評価面A上の節点を選択し(図14参照、ステップ2)、評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成し(図15参照、ステップ3)、評価面Bに対して基準面を指定し(図16参照、ステップ4)、評価面B上の節点を選択し(図17参照、ステップ5)、評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成し(図18参照、ステップ6)、評価面Cに対して基準面を指定し(図19参照、ステップ7)、評価面C上の節点を選択し(図20参照、ステップ8)、評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成し(図21参照、ステップ9)、評価面Dに対して基準面を指定し(図22参照、ステップ10)、評価面D上の節点を選択し(図23参照、ステップ11)、評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成した(図24参照、ステップ12)。
【0050】
また、本実施形態方法(図5参照)によって、評価面A〜D上の節点を選択し(図25参照、ステップ1)、評価面A〜Dに対して変形の前後のグラフを作成し(図26参照、ステップ2)、評価面Aに対して基準面を指定し(図27参照、ステップ3)、評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成し(図28参照、ステップ4)、評価面Bに対して基準面を指定し(図29参照、ステップ5)、評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成し(図30参照、ステップ6)、評価面Cに対して基準面を指定し(図31参照、ステップ7)、評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成し(図32参照、ステップ8)、評価面Dに対して基準面を指定し(図33参照、ステップ9)、評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成した(図34参照、ステップ10)。
【0051】
そして、従来方法による処理時間は、表1に示すように、ステップ1で58秒、ステップ2で26秒、ステップ4で60秒、ステップ5で52秒、ステップ7で52秒、ステップ8で30秒、ステップ10で52秒、ステップ11で44秒であり、全体で274秒であった。
【0052】
【表1】
【0053】
これに対し、本実施形態方法による処理時間は、表2に示すように、ステップ1で122秒だけであり、全体で122秒であった。
【0054】
【表2】
【0055】
表1と表2とから分かるように、本実施形態方法を採用することによって、処理時間を大幅に短縮できた。
上記実施形態は、物品の変形表示を行う場合について説明しているが、成形品の形状をどのように設定するかを決定するために採用することが可能であり、この場合には、成形品の設計支援を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来方法を説明するフローチャートである。
【図2】座標変換前の全体形状を示す図である。
【図3】座標変換後の全体形状を示す図である。
【図4】評価面の変形のグラフ表示を示す図である。
【図5】本実施形態方法を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態装置を示すブロック図である。
【図7】座標変換前の全体形状を示す図である。
【図8】座標変換前の評価面のグラフ表示を示す図である。
【図9】基準点1を重ねるよう平行移動した状態のグラフ表示を示す図である。
【図10】方向ベクトル重ねるよう回転移動した状態のグラフ表示を示す図である。
【図11】物品の形状の一例を示す斜視図である。
【図12】図11の物品の評価面A〜Dを示す図である。
【図13】従来方法により評価面Aに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図14】従来方法により評価面A上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図15】従来方法により評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図16】従来方法により評価面Bに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図17】従来方法により評価面B上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図18】従来方法により評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図19】従来方法により評価面Cに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図20】従来方法により評価面C上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図21】従来方法により評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図22】従来方法により評価面Dに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図23】従来方法により評価面D上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図24】従来方法により評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図25】本実施形態方法により評価面A〜D上の節点を選択する処理を説明する図である。
【図26】本実施形態方法により評価面A〜Dに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図27】本実施形態方法により評価面Aに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図28】本実施形態方法により評価面Aに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図29】本実施形態方法により評価面Bに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図30】本実施形態方法により評価面Bに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図31】本実施形態方法により評価面Cに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図32】本実施形態方法により評価面Cに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【図33】本実施形態方法により評価面Dに対して基準面を指定する処理を説明する図である。
【図34】本実施形態方法により評価面Dに対して変形の前後のグラフを作成する処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0057】
1 変形解析部
2 変形解析結果入力登録表示部
3 第1指定部
4 グラフ表示部
5 第2指定部
6 平行移動部
7 第3指定部
8 回転移動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする物品の変形表示方法。
【請求項2】
前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする請求項1に記載の物品の変形表示方法。
【請求項3】
変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むことを特徴とする物品の変形表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかをさらに移動させて表示するものであることを特徴とする請求項3に記載の物品の変形表示装置。
【請求項5】
成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援するに当たって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする成形品の設計支援方法。
【請求項6】
前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする請求項5に記載の成形品の設計支援方法。
【請求項7】
成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援する装置であって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むことを特徴とする成形品の設計支援装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するものであることを特徴とする請求項7に記載の成形品の設計支援装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2の物品の変形表示方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする物品の変形表示方法。
【請求項2】
前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする請求項1に記載の物品の変形表示方法。
【請求項3】
変形前後の物品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の物品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の物品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むことを特徴とする物品の変形表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記2次元形状における前記変形前後の物品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の物品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の物品の前記2次元形状のいずれかをさらに移動させて表示するものであることを特徴とする請求項3に記載の物品の変形表示装置。
【請求項5】
成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援するに当たって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得し、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付け、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする成形品の設計支援方法。
【請求項6】
前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示することを特徴とする請求項5に記載の成形品の設計支援方法。
【請求項7】
成形品の形状を変更することによって成形品の設計を支援する装置であって、変形前後の成形品の3次元形状に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記変形前後の成形品の3次元形状における評価断面の入力を受け付ける評価断面入力受付手段と、前記変形前後の成形品の形状の前記評価断面における2次元形状を表示し、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第1の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第1の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示する表示手段とを含むことを特徴とする成形品の設計支援装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記2次元形状における前記変形前後の成形品の一方に設定された第2の基準点および前記変形前後の成形品の他方の前記第2の基準点に対応する点が重複するよう前記変形前後の成形品の前記2次元形状のいずれかを移動させて表示するものであることを特徴とする請求項7に記載の成形品の設計支援装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2の物品の変形表示方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2006−12016(P2006−12016A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191203(P2004−191203)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】
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