物品処理設備
【課題】物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理できる物品処理設備を提供すること。
【解決手段】物品仮置き用の一対の物品載置体28Tが、移動経路2側に突出する突出位置と移動経路2Tから離間する側に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、物品搬送体3が、物品移載箇所に停止した状態において、突出位置の物品載置体28Tに対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、運転制御手段が、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を一対の物品載置体28Tの一方に仮置きした後、物品搬出入部7に位置する搬出用の物品を一対の物品載置体28Tの他方に仮置きし、次に、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部7に受け渡すように、物品搬送体3及び一対の物品載置体28Tの作動を制御するように構成されている物品処理設備。
【解決手段】物品仮置き用の一対の物品載置体28Tが、移動経路2側に突出する突出位置と移動経路2Tから離間する側に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、物品搬送体3が、物品移載箇所に停止した状態において、突出位置の物品載置体28Tに対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、運転制御手段が、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を一対の物品載置体28Tの一方に仮置きした後、物品搬出入部7に位置する搬出用の物品を一対の物品載置体28Tの他方に仮置きし、次に、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部7に受け渡すように、物品搬送体3及び一対の物品載置体28Tの作動を制御するように構成されている物品処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品処理装置に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体に、物品保持する保持状態と物品の保持を解除する解除状態とに切換え自在な物品保持部が、昇降自在に設けられ、運転制御手段が、前記物品処理装置の物品搬出入部に対して物品の搬出入を行うときには、前記物品移載箇所に停止させるべく前記物品搬送体の走行作動を制御し、且つ、前記物品搬出入部への物品の受け渡し又は前記物品搬出入部からの物品の受け取りを行うべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されている物品処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品処理設備の従来例として、物品仮置き用の物品載置体が、物品移載箇所に停止した物品搬送体に対して物品を授受すべく移動経路の片脇に設けられ、物品搬送体に、昇降体を移動経路の横脇に横移動させる横移動操作機構が設けられ、物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、前記運転制御手段が、前記物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を物品載置体に仮置きした後、前記物品搬出入部に位置する搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送するべく、前記横移動操作機構の横移動操作作動、前記物品保持部の昇降作動、前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記従来の物品処理設備では、前記運転制御手段が、物品搬送体が物品載置体に仮置きした搬入用の物品を、物品を保持しない状態の物品搬送体により物品搬出入部に受け渡すために、当該搬入用の物品を仮置きした物品搬送体を当該物品搬出入部に対する物品移載箇所から走行させた後に、物品を保持しない状態の物品搬送体を改めて当該物品移載箇所に走行させ、仮置きされている搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すべく、当該物品移載箇所に停止している物品搬送体の作動を制御することになる。
【0004】
また、特許文献1には、仮置き用の物品載置体を物品搬出入部の付近に複数設けることで、搬入用の物品を仮置きした後、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を搬入用の物品が仮置きされている物品載置体とは別の物品載置体に仮置きし、その後、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すべく、物品搬送体の作動を制御することが記載されている。
【0005】
このように物品移載箇所付近に物品仮置き用の物品載置体を複数設けることで、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態においても、搬入用の物品を保持した物品搬送体により搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すことを可能とし、物品搬送体による物品処理態様の多様化を図っている。
【0006】
上記従来の物品処理設備において、仮置き用の物品載置体を物品搬出入部の付近に複数設ける場合には、特許文献1において参照されている特許第3067656号公報の図9の記載からすると、物品搬送体の移動経路方向で物品処理装置の物品搬出入部を挟んで前後に異なる位置に一対の物品載置体を配置することが考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開2006−54389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の物品処理設備は、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇の一個所又は移動経路方向で前後に異なる複数箇所に設けるものであるため、以下のような問題があった。
【0009】
すなわち、まず、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇の一個所に設けるものである場合、上述のように、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すためには、物品を保持していない物品搬送体を改めて物品移載箇所に走行させなければならない。この場合、搬入用の物品を仮置きした物品搬送体が処理を終えてから対応するか、搬入用の物品を仮置きした当該物品搬送体でない別の物品搬送体が対応することになる。何れにしても、仮置きされている搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すために当該物品処理装置に関する新たな物品搬送指令が発生することから、限られた物品搬送体のうち他の物品処理装置に関する物品搬送指令に割り付けることができる物品搬送体の数が減少するので、複数の物品処理装置について並列的に処理を行う能力が低下してしまい、全体としての搬送効率が悪化する。
【0010】
また、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇で移動経路方向の前後に異なる複数箇所に設けるものである場合、例えば移動経路方向で上流側に位置する物品載置体に搬入用の物品を仮置きするものとすると、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すためには、運転制御手段は、物品搬送体の作動を次のように制御する。
【0011】
すなわち、上流側の物品載置体に対する停止位置に停止した状態で当該物品載置体に搬入用の物品を仮置きした後、物品移載箇所に前進移動して物品搬出入部に位置する搬出用の物品を受け取り、その後、下流側の物品載置体に対する停止位置まで前進走行し、この停止位置に停止した状態で下流側の物品載置体に搬出用の物品を仮置きする。そして、搬入用の物品が仮置きされた上流側の物品載置体に対する停止位置まで後退走行又は再度周回走行し、この停止位置に停止した状態で上流側の物品載置体に仮置きされた搬入用の物品を取り出し、その後、物品移載箇所に前進走行して物品搬出入部に搬入用の物品を受け渡すように、運転制御手段が物品搬送体の作動を制御する。
【0012】
このように、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇において移動経路方向で前後に異なる複数箇所に設けるものである場合、搬入用の物品の仮置き、搬出用の物品の仮置き、搬入用の物品の取り出し、搬入用の物品の受け渡しの各処理を行う際に物品搬送体の走行作動を伴うため、最終的に搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すまでに長い時間を要するものであり、搬送効率を悪化させるものであった。
【0013】
また、従来の物品処理設備では、物品を物品載置体に仮置きする場合には、物品保持部を移動経路の横脇に配置された物品載置体上に位置させて昇降作動させるべく、横移動操作機構にて物品保持部を水平移動操作させるので、物品保持部の水平移動操作が完了した後の揺れの影響を回避するべく、仮置き作業用昇降位置における物品保持部の昇降作動を開始させるまでに所定の待機時間が必要となる場合があり、これによっても、物品搬出入部に対する物品の搬出入に要する時間が長くなるおそれがある。
【0014】
本発明は上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理できる物品処理設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる物品処理設備は、物品処理装置に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体に、物品保持する保持状態と物品の保持を解除する解除状態とに切換え自在な物品保持部が、昇降自在に設けられ、運転制御手段が、前記物品処理装置の物品搬出入部に対して物品の搬出入を行うときには、前記物品移載箇所に停止させるべく前記物品搬送体の走行作動を制御し、且つ、前記物品搬出入部への物品の受け渡し又は前記物品搬出入部からの物品の受け取りを行うべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されているものであって、
その第1特徴構成は、物品仮置き用の一対の物品載置体が、前記物品移載箇所に停止した前記物品搬送体に対して物品を授受すべく前記移動経路側に突出する突出位置と前記移動経路から離間する側に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、
前記運転制御手段が、前記物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を一対の前記物品載置体の一方に仮置きした後、前記物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の前記物品載置体の他方に仮置きし、次に、仮置きした前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すように、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、並びに、一対の前記物品載置体の出退作動を制御するように構成されている点にある。
【0016】
本発明の第1特徴構成によると、制御手段が、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すときには、物品搬送体を物品移載箇所に停止させた状態において、一対の物品載置体の一方を突出位置にすべく一対の物品載置体の出退作動を制御し、かつ、突出位置に位置させた一対の物品載置体の一方に、保持した搬入用の物品を仮置きすべく、物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0017】
そして、搬入用の物品が仮置きされた物品載置体を引退位置に戻すべく一対の物品載置体の出退作動を制御するとともに、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を受け取るべく物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0018】
その後、一対の物品載置体の他方を突出位置にすべく一対の物品載置体の出退作動を制御し、かつ、突出位置に位置させた一対の物品載置体の他方に保持している搬出用の物品を仮置きすべく、物品保持部の昇降作動及び物品保持部の前記保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0019】
そして、搬出用の物品が仮置きされた物品載置体を引退位置に戻した後、仮置きされている搬入用の物品を取り出すために搬入用の物品が仮置きされている物品載置体を突出位置にするべく一対の物品載置体の出退作動を制御し、かつ、突出位置に位置させた一対の物品載置体の一方に載置されている搬入用の物品を保持するべく物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0020】
搬入用の物品を取り出した後、これが仮置きされていた物品載置体を引退位置に戻すべく一対の物品載置体の出退作動を制御するとともに、物品搬出入部に対して搬入用の物品を受け渡すべく物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0021】
このように、一対の物品載置体の何れか一方を移動経路側に突出させて突出位置にすることで、物品搬送体が物品移載箇所に停止した状態において、突出位置の物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うことができる。つまり、搬入用の物品の仮置き動作は、物品搬送体が物品移載箇所に位置した状態で行われるので、制御手段は、物品搬送体を走行させることなくそのままの停止位置に停止させた状態で、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を受け取らせることができる。
【0022】
したがって、制御手段は、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡す場合に、物品搬送体が物品移載箇所に停止した状態において、保持した搬入用の物品を一対の物品載置体の一方に仮置きする仮置き動作を完了することができる。
【0023】
そして、物品搬送体が物品移載箇所に位置した状態であれば、制御手段は、一対の物品載置体のうち他方の物品載置体を突出位置に突出させることで、物品搬送体が保持している物品を一対の前記物品載置体の他方に仮置きできるので、制御手段は、搬入用の物品を一対の物品載置体の一方に仮置きした後、物品搬送体を走行させることなく、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の物品載置体の他方に仮置きすることができる。
【0024】
要するに、本発明の第1特徴構成によると、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡す場合に、搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すべく物品搬送体を物品移載箇所まで走行させれば、その後、物品搬送体を走行させることなく、保持した搬入用の物品を一対の物品載置体の一方に仮置きすること、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の物品載置体の他方に仮置きすること、及び、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すことの各作業を処理することができ、物品搬送体の走行作動を伴わない分、物品搬出入部に対する物品の搬出入を迅速に処理することができる。
【0025】
また、物品保持部は物品搬送体に昇降自在に設けられているので、物品搬送体が物品移載箇所に停止すると、物品保持部の昇降経路が定まる。そして、物品搬送体が物品移載箇所に停止した後は、物品搬送体が走行作動することなく物品載置体への物品の仮置きや、物品搬出入部に対する物品の受け渡しが行われるので、物品搬送体が停止したままの状態が維持される。したがって、物品載置体への物品の仮置きや、物品搬出入部に対する物品の受け渡しをする際に、物品保持部を安定して昇降作動させることができる。
【0026】
ここで、物品載置体に物品を仮置きする場合には、物品載置体の所定の位置に精度よく載置することが求められる。ところが、従来のように仮置き作業において物品保持部の横移動を伴うものであると、物品載置体に対する物品保持部の位置が揺らいで安定しない虞があり、物品載置体の所定の位置に精度よく物品を載置するためには、例えば、揺れが収まるまで待機する等、物品保持部の横移動に起因する揺れに対する対策を取らなければならず、物品の仮置きを迅速に行えない。物品載置体に仮置きされた物品を物品保持部にて保持させる場合についても同様に、物品載置体に対する物品保持部の位置の揺れに対する対策を取らなければならず、物品保持部にて物品を迅速に保持させることができない。
【0027】
これに対して、本発明の第1特徴構成によると、物品を物品載置体に仮置きする場合、物品保持部は昇降作動するだけで突出位置に位置する物品載置体に物品を載置することができるので、物品保持部を昇降作動させる場合の突出位置に位置する物品載置体に対する物品保持部の位置を安定させることができる。したがって、物品載置体に対する物品保持部の位置が安定するまで待機する等の対策を取らなくても、物品載置体の所定の位置に精度よく物品を載置することができ、物品を迅速にかつ的確に仮置きすることができる。また、物品載置体に仮置きされた物品を物品保持部にて保持する場合についても同様に、物品載置体に対する物品保持部の位置が安定するまで待機する等の対策を取らなくても、物品保持部にて物品を迅速かつ的確に保持することができる。
【0028】
このように、本発明の第1特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理できる物品処理設備を得るに至った。
【0029】
本発明の第2特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、前記運転制御手段が、前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡したのち、仮置きした前記搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送すべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、前記物品載置体の出退作動、並びに、前記物品搬送体の走行作動を制御するように構成されている点にある。
【0030】
本発明の第2特徴構成によると、搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡して物品を保持しない状態となった物品搬送体が、仮置きした搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送するので、仮置きされた搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送するに当たって、物品を保持していない別の物品搬送体を物品移載箇所まで走行作動させることなく、当該物品移載箇所に位置している物品搬送体にて物品を目標搬送箇所に搬送することができる。
【0031】
したがって、仮置きされた搬出用の物品を迅速に目標搬送箇所に搬送することができるとともに、物品搬送体が物品を保持しない状態で走行作動することを極力防止でき、運転効率の向上を図ることができる。
【0032】
このように、本発明の第2特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理でき、しかも、運転効率の向上を図ることができる物品処理設備を得るに至った。
【0033】
本発明の第3特徴構成は、本発明の第1又は第2特徴構成において、前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられ、前記運転制御手段が、前記物品載置体の出退作動のために前記出退操作手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0034】
本発明の第3特徴構成によると、制御手段は、物品搬送体に設けられた出退操作手段の作動を制御することにより、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作することができるので、物品載置体の夫々に出退操作用電力を供給するための給電手段や、制御指令を指令するため指令伝達手段を設けずに済む。したがって、物品処理設備の構成の簡素化を図ることができる。
【0035】
このように、本発明の第3特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理でき、しかも、物品処理設備の構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を得るに至った。
【0036】
本発明の第4特徴構成は、本発明の第1〜第3特徴構成のいずれか一つにおいて、一対の前記物品載置体が、前記移動経路の両脇に設けられている点にある。
【0037】
本発明の第4特徴構成によると、物品載置体が移動経路の両脇に設けられているので、一対の物品載置体の夫々の高さが揃った状態にすることができる。夫々の物品載置体の高さを揃えることで、一方の物品載置体に対して物品を仮置きしようとする場合と、他方の物品載置体に対して物品を仮置きしようとする場合とで、物品保持部の昇降位置を同じにすることができる。また、同様に、一方の物品載置体に仮置きされた物品を保持しようとする場合と、他方の物品載置体に仮置きされた物品を保持しようとする場合とで、物品保持部の昇降位置を同じにすることができる。
【0038】
したがって、物品載置体を移動経路の両脇に設けることで、各物品載置体に対する昇降位置を共通化して物品保持部の昇降制御内容の簡素化を図ることが可能となる。
【0039】
このように、本発明の第4特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理でき、しかも、物品保持部の昇降制御内容の簡素化を図ることが可能な物品処理設備を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明に係る物品処理設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
この物品処理設備は、図1及び図2に示すように、複数の物品処理装置1に対する物品移載箇所を経由する状態で移動経路としての案内レール2が設置され、この案内レール2に沿って移動自在な物品搬送体としての移動車3が設けられている。そして、半導体基板を収納した容器5を物品として、移動車3が複数の物品処理装置1の間で容器5を搬送するように構成されている。
【0041】
各物品処理装置1では、半導体基板の製造途中での半製品等に対して所定の処理が行われる。複数の物品処理装置1は、半導体基板の製造工程の順となるように、第1処理装置1a、第2処理装置1b、第3処理装置1cの順で案内レール2に沿って設置されており、各物品処理装置1に備えられたステーション7の夫々(第1ステーション7a、第2ステーション7b、第3ステーション7c)が案内レール2の直下に位置するようになっている。
【0042】
前記移動車3は、容器5を吊り下げ状態で保持する物品保持部4(以下では、単に保持部4という)を昇降自在に備えている。前記保持部4は、移動車3が停止した状態において、ワイヤ6を巻き取り又は巻き出すことにより、移動車3に近接位置させる上昇位置と移動車3よりも下方側に設置されたステーション7との間で物品移載を行う下降位置とに昇降自在に設けられている。ちなみに、図2では、保持部4が上昇位置から下降位置に下降する場合を右側に示し、保持部4を下降位置から上昇位置に上昇させる場合を左側に示している。
【0043】
前記ステーション7は、容器5を載置支持する載置台にて構成されている。そして、ステーション7は、物品処理装置1にて所定の処理を行う容器5を移動車3から受け取る又は物品処理装置1にて所定の処理を行った容器5を移動車3に受け渡すためのものであり、本発明の物品搬出入部に相当する。
【0044】
そして、移動車3は、保持部4を上昇位置に位置させた状態で案内レール2に沿って移動し、複数のステーション7に対する物品移載箇所のうち移載対象のステーション7に対する物品移載箇所に停止した状態で保持部4を上昇位置と下降位置との間で昇降させることにより、ステーション7との間で容器5の受け渡し又は受け取りを行うように構成されている。
【0045】
前記案内レール2は、図2〜図4に示すように、案内レール用ブラケット8により天井部に固定状態で設置されている。前記移動車3は、案内レール2の内方空間部に位置する上方車体9と案内レール2の下方に位置する下方車体12とを前後の連結扞10,11にて連結して構成されている。
【0046】
前記上方車体9は、案内レール2の内方空間部に設けられるマグネット13に近接対向させる状態で一次コイル14を備えている。そして、上方車体9は、マグネット13と一次コイル14とからなるリニアモータにより推進力を得るリニアモータ式であり、移動車3は、この推進力によって案内レール2に沿って移動するように構成されている。
【0047】
前記案内レール2の内方空間部には、上方車体9に備えた走行輪15に対する走行案内面16と、上方車体9に備えた振止輪17に対する振止案内面18とが形成されている。
また、案内レール2には給電線19が設けられ、上方車体9には受電コイル20が設けられ、交流電流の通電により給電線19に磁界を発生させ、この磁界により移動車3側での必要電力を受電コイル20に発生させて、無接触状態で給電を行うように構成されている。
【0048】
この実施形態では、上方車体9を駆動させる方式として、リニアモータにより推進力を得て駆動させるリニアモータ式を例示しているが、例えば、走行輪15を回転駆動する電動モータを設け、この電動モータにて走行輪15を回転駆動させることにより上方車体9を駆動させる方式を用いることもできる。
【0049】
前記下方車体12は、移動車3の前後方向に延びる前後枠体21、前後枠体21の前端箇所及び後端箇所から下方側に延びる前後一対の縦枠体22から構成されている。そして、下方車体12は、側面視において、下方側が開放されたコ字状に形成され、前後方向の中央部に保持部4を配置している。
【0050】
前記保持部4は、上方車体9に対して昇降自在な昇降体23に設けられ、この昇降体23は、前後枠体21に設けられた昇降操作機構24によって昇降操作自在に支持されている。
前記昇降操作機構24は、ドラム駆動用モータ25により回動自在な回転ドラム26に4本のワイヤ6を巻き掛けて構成されている。そして、昇降操作機構24は、回転ドラム26を正逆回転させて4本のワイヤ6を同時に巻き取り及び巻き出しすることによって、昇降体23を略水平姿勢に維持しながら昇降操作するように構成されている。
【0051】
前記保持部4には、容器5のフランジ5aを保持する一対の保持具4aが設けられている。そして、一対の保持具4aが保持動作用モータ27の正逆回転により互いに近づく方向に揺動してフランジ5aを保持する保持状態(図3中に実線で示す状態)と、一対の保持具4aが互いに離れる方向に揺動して保持を解除する解除状態(図3中に点線で示す状態)とに切り換え自在に構成されている。
【0052】
前記ステーション7に搬送する容器5を一時的に載置するために、案内レール2の側脇には、図1に示すように、案内レール2に対して左右両側に対を成した状態で物品載置体28が設けられている。そして、物品載置体28は、案内レール2に沿って並ぶ状態で複数対設けられている。
【0053】
これらの物品載置体28のうち、それに対する物品移載箇所とステーション7に対する物品移載箇所とが一致している一対の物品載置体28は、ステーション7に対して容器5を搬出入する場合に、当該ステーション7に搬入する容器5及び当該ステーション7から搬出する容器5を一時的に仮置きする仮置き用の物品載置体28(以下、仮置き用載置体28Tという。)であり、本発明の物品仮置き用の一対の物品載置体に相当する。
【0054】
この一対の仮置き用載置体28Tに対する物品移載箇所はステーション7に対する物品移載箇所と一致しているので、移動車3がステーション7に対する物品移載箇所に停止した状態で、一対の仮置き用載置体28Tの夫々に対して容器5を移載することができる。
【0055】
また、物品載置体28のうち、それに対する物品移載箇所とステーション7に対する物品移載箇所とが異なっている物品載置体28は、上流工程の物品処理装置1(例えば、第1処理装置1a)で処理が完了して、そのステーション7(例えば、第1ステーション7a)から搬出した容器5を、移動車3の移動方向で下流側に位置する次の工程の物品処理装置1(例えば、第2処理装置1b)のステーション7(例えば、第2ステーション7b)に対して搬入する場合に、その容器5を一時的に保管する保管用の物品載置体28(以下、保管用載置体28Bという。)である。
【0056】
図5〜図9に示すように、物品載置体28の夫々は、それに対する物品移載箇所に停止した移動車3の保持部4から容器5の受け取りを行うべく案内レール2側に突出する突出位置(図7及び図9参照)と、保持部4への容器5の受け渡しを行うべく案内レール2から離間する側に引退する引退位置(図6及び図8参照)とに出退自在に設けられている。
【0057】
以下、物品移載箇所に停止した移動車3の前後方向を「前後方向」と略称し、且つ、物品移載箇所に停止した移動車3に対する遠近方向を「遠近方向」と略称して説明する。
【0058】
前記物品移載箇所は、複数の物品載置体28の夫々に対応して定められている。そして、前後方向において物品載置体28の幅は移動車3における前後一対の縦枠体22の間隔よりも小さくなるように形成されている。したがって、物品移載箇所に移動車3が停止した状態において、移動車3における前後一対の縦枠体22の間に物品載置体28を挿脱できるようになっている。
【0059】
前記引退位置は、物品載置体28が引退位置に位置するときに、自己及び自己が載置支持する容器5が移動車3の移動や保持部4の昇降の邪魔にならないように、案内レール2の存在箇所から遠近方向に外れた案内レール2の側脇に定められている。
【0060】
前記突出位置は、物品載置体28が突出位置に位置するときに、物品移載箇所に停止した移動車3において上昇位置に近接する位置に位置する保持部4との間で容器5を授受できるように、物品移載箇所に停止した移動車3における保持部4と上下方向に重複する位置に定められている。
【0061】
前記物品載置体28は、図5に示すように、引退位置に対応して天井側に設置された固定枠体29と、その固定枠体29に対して遠近方向に移動自在に支持された移動枠体30とから構成されている。
【0062】
前記固定枠体29は、遠近方向に長尺状に形成された一対の側面枠部29aから構成されている。一対の側面枠部29aは、遠近方向に間隔を隔てて配設された枠体用第1連結体31aと枠体用第2連結体31bとにより連結されている。枠体用第1連結体31aは、遠近方向において物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側を連結しており、枠体用第2連結体31bは、遠近方向において物品移載箇所に停止した移動車3から離れる側を連結している。
【0063】
そして、固定枠体29は、一対の側面枠部29aの夫々から上方に向って延設された複数の吊り下げ用延設体32の上端部を取り付け金具により2本の吊り下げ用支持体33に固定して吊り下げ支持されている。前記吊り下げ用支持体33は、天井部からの吊りボルト34にて吊り下げ支持されており、案内レール2と平行になるように案内レール2の長手方向に沿って配設されている。
【0064】
前記固定枠体29を天井側に吊り下げ支持する構成は、上述の構成に限らず、適宜変更が可能である。例えば、固定枠体29の上端部にボルト取り付け用溝部を設け、このボルト取り付け用溝部に吊り下げ支持体の下端部をボルト固定し、吊り下げ支持体の上端部を天井部にボルト固定することにより、固定枠体29を天井側に吊り下げ支持することができる。
【0065】
このように、複数の物品載置体28における固定枠体29の夫々を各別に天井側に吊り下げ支持することにより、物品載置体28を1つずつ取り付け又は取り外しすることができ、物品載置体28の増設又は取り外しを容易に行うことができるようにしている。
【0066】
図6及び図7に示すように、前記移動枠体30は、遠近方向に伸びる形状に形成された左右一対の支持アーム体35と、その左右一対の支持アーム体35に対して遠近方向に間隔を隔てて位置させて且つその左右一対の支持アーム体35を接続する状態で設けられた複数の接続枠体36とを備えて構成されている。
そして、移動枠体30は、複数の接続枠体36にて容器5の底部を載置支持するように構成されており、複数の接続枠体36が、容器5の底部を分担して載置支持するように構成されている。
【0067】
前記接続枠体36は、その断面形状が中央部を上方側に突出させた凸状に形成されており、凸状の平らな部分にて容器5の底部を載置支持する。そして、接続枠体36は、支持アーム体35において内側に折り曲げた部分に載置させた状態において、両端部がボルトナットにて支持アーム体35に固定されている。
前記接続枠体36は、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側に位置する細長状の第1接続枠体36aと、物品移載箇所に停止した移動車3から離間する側に位置する細長状の第2接続枠体36bとから構成されている。そして、第1接続枠体36aには、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側に伸びて上方側に起立する起立壁部37が設けられている。この起立壁部37は、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側への容器5の移動を規制するように構成されている。
【0068】
前記左右一対の支持アーム体35は、接続枠体36だけでなく、複数の連結用枠体45によっても接続されている。前記連結用枠体45は、左右一対の支持アーム体35の下端部35aにおいて物品移載箇所に停止した移動車3から離間する側の端部を接続する第1連結用枠体45aと、左右一対の支持アーム体35の中間部35bを接続する第2連結用枠体45bと、左右一対の支持アーム体35の上端部35cを接続する第3連結用枠体45cとから構成されている。
【0069】
前記物品載置体28を引退位置(図6及び図8参照)と突出位置(図7及び図9参照)とに位置変更自在に支持するスライド案内機構46が設けられている。このスライド案内機構46は、固定枠体29に対して遠近方向に移動枠体30をスライド移動自在に支持するように構成されている。
【0070】
前記スライド案内機構46は、固定枠体29に形成されたレール部47と支持アーム体35に設けられた複数のガイドローラ48とから構成されている。前記レール部47は、一対の側面枠部29aの夫々に設けられている。前記ガイドローラ48は、支持アーム体35における上端部35cに設けられている。そして、スライド案内機構46は、レール部47にてガイドローラ48を案内支持することにより、固定枠体29に対して引退位置と突出位置とに移動枠体30をスライド案内移動自在に支持するように構成されている。
【0071】
また、固定枠体29には、遠近方向において物品移載箇所に停止した移動車3に接近する接近位置(図6及び図8参照)と物品移載箇所に停止した移動車3から離間する離間位置(図7及び図9参照)とに移動自在に支持された被操作体49が設けられている。そして、被操作体49は、接近位置では物品載置体28を引退位置に操作し、且つ、離間位置では物品載置体28を突出位置に操作するように、物品載置体28に連係されている。
【0072】
前記被操作体49は、その長手方向の中央部が一方の側面枠部29aの上部に設けられた板状の基台50に枢支連結されて、その連結箇所である第1揺動軸心P1周りに揺動自在に設けられている。そして、被操作体49は、接近位置に位置する状態において、第1揺動軸心P1から移動車3に接近する側に延びる第1被操作部分49aと第1揺動軸心P1から移動車3から離れる側に延びる第2被操作部分49bとを上下に段差をつけて一体的に形成されている。
【0073】
前記被操作体49は、第1揺動軸心P1周りでの揺動により接近位置と離間位置とに切換自在で且つ接近位置(図6及び図8参照)においては第1被操作部分49aが第1揺動軸心P1よりも物品移載箇所に停止した移動車3に接近する姿勢となるように設けられている。そして、被操作体49の第1被操作部分49aに、被操作体49が接近位置に位置する状態において、遠近方向に対して交差する方向に沿って第1揺動軸心P1側に延びる溝部51が設けられている。この溝部51には、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側の先端を遠近方向に沿って開口させた形状に形成されている。
【0074】
そして、被操作体49が接近位置に位置すると、図6及び図8に示すように、物品載置体28を引退位置に位置させ、且つ、被操作体49が離間位置に位置すると、図7及び図9に示すように、物品載置体28を突出位置に位置させるように、被操作体49の動きと物品載置体28の動きとを連係させる連係機構52が設けられている。
【0075】
前記連係機構52は、上下軸心周りに揺動自在な第1リンクアーム53、第2リンクアーム54及び第3リンクアーム55の3つのリンクアームから構成されている。第1リンクアーム53は、一端部が被操作体49の第2操作部分49bの一端部に枢支連結され且つ他端部が第2リンクアーム54の長手方向の途中部分に枢支連結されている。第2リンクアーム54は、一端部が基台50に枢支連結され且つ他端部が第3リンクアーム55の一端部に枢支連結されている。第3リンクアーム55は、他端部が第3連結用枠体45cに立設された連係用被操作体56に枢支連結されている。
【0076】
前記移動車3には、物品載置体28を引退位置と突出位置とに出退操作するための出退操作手段Sが設けられている。前記出退操作手段Sは、移動車3に固定されて遠近方向に長尺状のベース57と、そのベース57に対して遠近方向に移動自在に設けられた長尺状の操作体58と、その操作体58の先端部の下面側に設けられた係合ローラ59とを備えて構成されている。そして、出退操作手段Sは、図示を省略したアクチュエータの作動によりベース57に対して操作体58を出退させて、係合ローラ59を遠近方向に移動させる突出作動及び引退作動を行うように構成されている。
【0077】
ちなみに、移動車3には、移動車3の移動方向において右側に位置する物品載置体28を出退操作するための出退操作手段Sと、移動車3の移動方向において左側に位置する物品載置体28を出退操作するための出退操作手段Sとが設けられている。
【0078】
前記係合ローラ59は、前後方向において被操作体49の溝部51の幅と同じ又はその幅よりも小さい直径に形成されており、係合ローラ59が、遠近方向での移動により被操作体49の溝部51に係脱自在に構成されている。
【0079】
そして、出退操作手段Sが、突出作動により係合ローラ59を溝部51に係合させて被操作体49を接近位置から離間位置に押し操作し、且つ、引退作動により係合ローラ59を溝部51に係合させて被操作体49を離間位置から接近位置に引き操作し、その後係合ローラ59を溝部51から離脱させる押し引き式に構成されている。
【0080】
前記出退操作手段Sが突出作動により係合ローラ59にて被操作体49を接近位置から離間位置に操作すると、被操作体49が離間位置に位置することにより、連係機構52を介して物品載置体28が突出位置に操作され、物品載置体28が引退位置から突出位置に出退操作されることになる。
【0081】
また、出退操作手段Sが引退作動により係合ローラ59にて被操作体49を離間位置から接近位置に操作すると、被操作体49が接近位置に位置することにより、連係機構52を介して物品載置体28が引退位置に操作され、物品載置体28が突出位置から引退位置に出退操作されることになる。
【0082】
前記物品載置体28は、遠近方向に間隔を隔てて位置させた2つの接続枠体36にて容器5の底部を分担して載置支持するように構成されており、物品載置体28の軽量化を図っている。そして、2つの接続枠体36は、遠近方向において容器5の底部の端部側部分を載置支持するように配設されており、容器5をバランスよく載置支持している。
前記複数の接続枠体36には、容器5の底部の被係合部に係合する突起状の複数の物品位置決め部材39が支持されている。複数の物品位置決め部材39は、遠近方向及びそれに直交する前後方向に分散する適正相対位置関係に位置規制部材40にて保持された状態で設けられている。
ちなみに、複数の物品位置決め部材39が遠近方向において適正相対位置関係となるように、遠近方向における第1接続枠体36aの設置位置及び第2接続枠体36bの設置位置が調整されている。
【0083】
前記移動車3には、移動車3の動作を制御する台車用制御部(本発明の運転制御手段に相当)が設けられている。そして、台車用制御部は、物品処理設備全体の動作を管理する管理用コンピュータからの指令、及び、移動車3に設けられた各種センサの検出情報に基づいて、移動車3の走行作動並びに保持部4の上昇位置と下降位置との昇降作動及び保持状態と解除状態との切換え作動を制御するとともに、保持動作用モータ27及び出退操作手段Sの作動を制御するように構成されている。
【0084】
例えば、管理用コンピュータから、複数のステーション7のうちから搬送元のステーション7として第1処理装置1aのステーション7aが、搬送先のステーション7として第2処理装置1bの第2ステーション7bが特定された状態で搬送元の第1ステーション7aから搬送先の第2ステーション7bに容器5を搬送する搬出搬入指令が指令された場合には、台車用制御部が、搬送元の第1ステーション7aから容器5を受け取り、搬送先の第2ステーション7bに容器5を受け渡すべく、移動車3の動作を制御するように構成されている。搬出搬入指令が指令された場合の容器5の移動の様子を上記例に基づいて模式的に示すと図10(イ)に示すようになる。
【0085】
管理用コンピュータからは、搬送元のステーション7における容器5の受け取り及び搬送先のステーション7における受け渡しの双方を伴う上記搬出搬入指令以外に、ステーション7における容器5を受け取り、その受け取った容器5を次工程の処理装置1についての保管用の28Bに保管する搬出保管指令や、28Tに保管された容器5を取り出し、その取り出した容器5を当該28Tに対応する処理装置1のステーション7に受け渡す取出搬入指令C3が指令される。
【0086】
搬出保管指令及び取出搬入指令が指令された場合の容器5の移動の様子を上記例に基づいて模式的に示すと図10(ロ)及び(ハ)に示すようになる。
【0087】
物品処理設備では、各処理装置における処理時間が異なるうえ、複数の容器5についての処理を同時期に行うので、台車用制御部は、上記搬出搬入指令により搬送元の上流工程の処理装置1のステーション7(先の例では、第1ステーション7a)から搬送先の次工程の処理装置1のステーション7(先の例では、第2ステーション7b)へ直接容器5を搬送する場合は少なく、台車用制御部は、搬出保管指令により、上流工程の処理装置1のステーション7(先の例では、第1ステーション7a)から搬出した容器5を、一旦、次工程の処理装置1(先の例では、第2処理装置1b)についての仮置き用載置体28Tに保管しておき、取出搬入指令により、ステーション7についての仮置き用載置体28Tに保管されている容器5のうち先に保管された容器5から順に、当該ステーション7に搬入するようになっている。
【0088】
さらに、台車用制御部は、ステーション7に搬出用の容器5が存在する状態において保持した搬入用の容器5をステーション7に受け渡すときには、保持した搬入用の容器5を一対の仮置き用載置体28Tの一方に仮置きした後、ステーション7に位置する搬出用の容器5を一対の仮置き用載置体28Tの他方に仮置きし、次に、仮置きした搬入用の容器5をステーション7に受け渡すように、物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動、並びに、一対の仮置き用載置体28Tの出退作動を制御するように構成されている。
【0089】
また、台車用制御部は、搬入用の容器5をステーション7に受け渡したのち、仮置きした搬出用の容器5を目標搬送箇所としての下流工程の処理装置1についての保管用載置体28Bに搬送すべく、保持部4の昇降作動及び保持部4の保持状態と解除状態との切換え作動、仮置き用載置体28Tの出退作動、並びに、物品搬送体の走行作動を制御するように構成されている。
【0090】
このように、本物品処理設備では、ステーション7に搬出保管指令についての搬出対象の容器5が存在する状態において保持した取出搬入指令についての搬入対象の容器5を当該ステーション7に受け渡すときに、一対の仮置き用載置体28Tを利用して、移動車3がステーション7についての物品移載箇所に停止した状態のままで、取出搬入指令に基づいてステーション7へ受け渡すべき容器5と、搬出保管指令に基づいてステーション7から受け取るべき容器5との持ち換え動作を行うことで、1台の移動車3により迅速に搬出用及び搬入用の容器5の搬出入処理をすることができるようになっている。
【0091】
以下に、管理用コンピュータが、第2処理装置1bについての保管用載置体28Bから容器5を取出して、第2処理装置1bの第2ステーション7bに容器5を搬入する取出搬入指令と、第2処理装置1bの第2ステーション7bの容器5を搬出し、その容器5を第3処理装置1cについての保管用載置体28Bに保管する搬出保管指令とを同時に台車用制御部に指令した場合の台車用制御部による移動車3の制御動作について説明する。
【0092】
なお、取出搬入指令と搬出保管指令とが同時に指令されるとは、両指令が連続して指令される場合をいい、先に取出搬入指令が指令され、その指令に基づく制御動作が開始された後に、搬出保管指令が指令される場合や、この逆に、先に搬出保管指令が指令され、その指令に基づく制御動作が開始された後、取出搬入指令の割込みが許容される状態であるうちに取出搬入指令が指令される場合を含んでいる。いずれの場合においても、取出搬入指令と搬出保管指令とが同時に指令されると、台車用制御部は、取出搬入指令に基づく制御動作から搬出保管指令に基づく制御動作へと移行していく。
【0093】
以下、図13のフローチャート並びに図11及び図12の容器5の移動順序を説明した図を参照しながら詳しく説明する。なお、図11及び図12の1番矢印については、例外的に容器5の移動ではなく、移動車3の移動を示している。
【0094】
まず、状況設定として、第1ステーション7aから搬出した容器5を次工程の第2処理装置1bについての保管用載置体28Bに保管する過去の搬出保管指令に基づく処理が完了して、移動車3が図1に示す位置に容器5を保持しない状態で停止しているとし、第2処理装置1bについての保管用載置体28Bには、上述した過去の搬出保管指令により保管された容器5とは別の容器5(以下、搬入用容器5inという)が、当該過去の搬出保管指令によりもさらに過去の搬出保管指令にて保管されているとする。
【0095】
なお、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bは、一例として、案内レール2に関して第2処理装置位置1bと反対側に位置し、搬出用容器5outが保管されている保管用載置体28Bは、一例として、案内レール2に関して第3処理装置位置1cと同じ側に位置するものであるとする。
【0096】
この状態で、第2処理装置7bの第2ステーション7bにおいて搬出可能な状態の容器5(以下、搬出用容器5outという)が存在する状態となり、管理用コンピュータが、搬入用容器5inを取出搬入対象とする取出搬入指令及び搬出用容器5outを搬出保管対象とする搬出保管指令を指令したとする。
【0097】
台車用制御部は、まずステップ#1で、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bから搬入用容器5inを取り出すために、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を移動させる(図11(イ)の1番矢印参照)べく、移動車3の走行作動を制御する。
【0098】
台車用制御部は、ステップ#2で、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを当該保管用載置体28Bから取出すべく、移動車3の作動を制御する。
【0099】
具体的には、台車用制御部は、まず、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で前方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bを引退位置から突出位置に位置変更させる(図11(イ)の2番矢印参照)。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、突出位置に位置する保管用載置体28Bから保持部4に搬入用容器5inを受け取る。その後、台車用制御部は、搬入用容器5inを保持している保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、空になった保管用載置体28Bを突出位置から引退位置に位置変更させる。
【0100】
台車用制御部は、ステップ#3で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を移動させる(図11(イ)の3番矢印参照)べく、移動車3の走行作動を制御する。
【0101】
台車用制御部は、ステップ#4で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを第2ステーション7bについての一対の仮置き用載置体28Tの一方(案内レール2に関して第2処理装置1bと同じ側に位置するもの)に仮置きするべく、移動車3の作動を制御する。
【0102】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で後方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、一対の仮置き用載置体28Tのうち案内レール2に関して第2処理装置位置1Bと同じ側に位置するものを引退位置から突出位置に位置変更させる。その後、台車用制御部は、搬入用容器5inを保持している保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、保持部4から突出位置に位置する仮置き用載置体28Tに搬入用容器5inを卸す。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、搬入用容器5inが載っている仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる(図11(イ)の4番矢印参照)。
【0103】
台車用制御部は、ステップ#5で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを第2ステーション7bから受け取るべく、移動車3の作動を制御する。
【0104】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、保持部4を上昇位置から下降位置に下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御する。そして、台車用制御部は、保持部4が下降位置に位置すると、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、搬出用容器5outのフランジ5aを一対の保持具4aにて保持して容器5を受け取る。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持している保持部4を下降位置から上昇位置に上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御する(図11(ロ)の5番矢印参照)。
【0105】
台車用制御部は、ステップ#6で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを第2ステーション7bについての一対の仮置き用載置体28Tの他方(案内レール2に関して第2処理装置1bと反対側に位置するもの)に仮置きするべく、移動車3の作動を制御する。
【0106】
具体的には、ステップ#4と同様に、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で前方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、一対の仮置き用載置体28Tのうち案内レール2に関して第2処理装置位置1Bと反対側に位置するものを引退位置から突出位置に位置変更させる。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持している保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、保持部4から突出位置に位置する仮置き用載置体28Tに搬出用容器5outを卸す。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、搬出用容器5outが載っている仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる(図11(ロ)の6番矢印参照)。
【0107】
台車用制御部は、ステップ#7で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを仮置き用載置体28Tから取り出すべく、移動車3の作動を制御する。
【0108】
この制御動作は、前述のステップ#2における制御動作、つまり、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを保管用載置体28Bから取り出す制御作動と同様である。
【0109】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で後方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬入用容器5inが保管されている仮置き用載置体28Tを引退位置から突出位置に位置変更させる(図11(ハ)の7番矢印参照)。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させる(図11(ハ)の8番矢印参照)べく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、突出位置に位置する仮置き用載置体28Tから保持部4に搬入用容器5inを受け取る。その後、台車用制御部は、搬入用容器5inを保持した保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、空になった仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる。
【0110】
台車用制御部は、ステップ#8で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを第2ステーション7bへ受け渡すべく、移動車3の作動を制御する。
【0111】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを保持している保持部4を上昇位置から下降位置に下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御する。そして、台車用制御部は、保持部4が下降位置に位置すると、保持動作用モータ27を作動させて、一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、搬入用容器5inを第2ステーション7bに受け渡す。その後、台車用制御部は、保持部4を下降位置から上昇位置に上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御する。
【0112】
台車用制御部は、ステップ#9で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを仮置き用載置体28Tから取り出すべく、移動車3の作動を制御する。
【0113】
この制御動作は、前述のステップ#2における制御動作、つまり、搬出用容器5outが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを保管用載置体28Bから取り出す制御作動と同様である。また、この制御動作は、前述のステップ#7における制御動作、つまり、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを仮置き用載置体28Tから取り出す制御作動と同様である。
【0114】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で前方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬出用容器5outが保管されている仮置き用載置体28Tを引退位置から突出位置に位置変更させる(図12(二)の9番矢印参照)。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、突出位置に位置する仮置き用載置体28Tから保持部4に搬出用容器5outを受け取る。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持した保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、空になった仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる。
【0115】
台車用制御部は、ステップ#10で、第2処理装置1bから搬出した搬出用容器5outを次工程の第3処理装置1cについての保管用載置体28Bに保管するために、当該搬出用容器5outを保管すべき第3処理装置1cについての保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を移動させる(図12(二)の10番矢印参照)べく、移動車3の走行作動を制御する。
【0116】
台車用制御部は、ステップ#11で、搬出用容器5outを保管すべき保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを当該保管用載置体28Bに保管するべく、移動車3の作動を制御する。
【0117】
この制御動作は、前述のステップ#4やステップ#6における制御動作、つまり、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inや搬出用容器5outを仮置き用載置体28Tへ仮置きする制御作動と同様である。
【0118】
具体的には、台車用制御部は、まず、搬出用容器5outを保管すべき保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で後方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬出用容器5outを保管すべき保管用載置体28Bを引退位置から突出位置に位置変更させる。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持している保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、保持部4から突出位置に位置する保管用載置体28Bに搬出用容器5outを卸す。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、搬出用容器5outが載っている保管用載置体28Bを突出位置から引退位置に位置変更させる(図12(二)の11番矢印参照)。
【0119】
〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記する。
【0120】
(1)上記実施形態では、制御手段が、物品保持部の昇降作動が停止した後に、物品載置体の出退作動を開始するように構成されたものを例示したが、これに限らず、制御手段が、物品保持部の昇降作動が停止する前に、物品載置体の出退作動を開始するように構成されたものであってもよい。
【0121】
(2)上記実施形態では、物品載置体28が、突出位置において、上昇位置に近接する位置に位置する保持部4との間で容器5を授受するように設けられているが、例えば、突出位置において、上昇位置に位置する保持部4との間で容器5を授受するように物品載置体28を設けることもできる。
また、突出位置において、物品載置体28が保持部4との間で容器5を授受する位置については、上昇位置に近接する位置又は上昇位置に限らず、上昇位置よりも設定高さだけ下降した位置であってもよい。この場合には、物品載置体28を突出位置に位置させた状態で、保持部4を上昇位置から設定高さだけ下降させることにより、物品載置体28と保持部4との間での容器5の授受を行うことができることになる。
【0122】
(3)上記実施形態では、移動車3に、移動車3の移動方向において右側に位置する物品載置体28を変更操作するための出退操作手段Sと、移動車3の移動方向において左側に位置する物品載置体28を変更操作するための出退操作手段Sとの2つの出退操作手段Sを設けているが、例えば、出退操作手段Sが、移動車3の移動方向に対して右側及び左側の両側に係合ローラ59を出退自在に備えることにより、移動車3に1つの出退操作手段Sを設けて実施することもできる。
【0123】
(4)上記実施形態では、搬出用容器5outについての目標搬送箇所が、次工程の処理装置1について保管用載置体28Bであるものを例示したが、これに限らず、目標搬送箇所は適宜設定可能であり、例えば、次工程の処理装置1についてのステーション7であってもよいし、図外のその他の搬送箇所であってもよい。
【0124】
(5)上記実施形態では、一対の物品載置体が移動経路の両脇に設けられているものを例示したが、これに代えて、一対の物品載置体が移動経路の片脇に上下に並ぶ状態で設けられているものであってもよい。
【0125】
(6)上記実施形態では、物品として、半導体基板を収納した容器5を搬送する物品処理設備を例示したが、搬送する物品は適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】物品処理設備の平面図
【図2】移動車とステーションとの側面図
【図3】移動車の側面図
【図4】移動車の縦断正面図
【図5】物品載置体の斜視図
【図6】引退位置における物品載置体の斜視図
【図7】突出位置における物品載置体の斜視図
【図8】引退位置における物品載置体の平面図
【図9】突出位置における物品載置体の平面図
【図10】指令別の物品の移動経路の一例を示す模式図
【図11】取出搬入指令及び搬出保管指令が同時に指令された場合の物品の移動経路の一例を示す模式図
【図12】取出搬入指令及び搬出保管指令が同時に指令された場合の物品の移動経路の一例を示す模式図
【図13】取出搬入指令及び搬出保管指令が同時に指令された場合の台車用制御部の制御動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0127】
S 出退操作手段
1 物品処理装置
2 案内レール
3 物品搬送体
4 物品保持部
28T 物品仮置き用の一対の物品載置体
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品処理装置に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体に、物品保持する保持状態と物品の保持を解除する解除状態とに切換え自在な物品保持部が、昇降自在に設けられ、運転制御手段が、前記物品処理装置の物品搬出入部に対して物品の搬出入を行うときには、前記物品移載箇所に停止させるべく前記物品搬送体の走行作動を制御し、且つ、前記物品搬出入部への物品の受け渡し又は前記物品搬出入部からの物品の受け取りを行うべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されている物品処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品処理設備の従来例として、物品仮置き用の物品載置体が、物品移載箇所に停止した物品搬送体に対して物品を授受すべく移動経路の片脇に設けられ、物品搬送体に、昇降体を移動経路の横脇に横移動させる横移動操作機構が設けられ、物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、前記運転制御手段が、前記物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を物品載置体に仮置きした後、前記物品搬出入部に位置する搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送するべく、前記横移動操作機構の横移動操作作動、前記物品保持部の昇降作動、前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記従来の物品処理設備では、前記運転制御手段が、物品搬送体が物品載置体に仮置きした搬入用の物品を、物品を保持しない状態の物品搬送体により物品搬出入部に受け渡すために、当該搬入用の物品を仮置きした物品搬送体を当該物品搬出入部に対する物品移載箇所から走行させた後に、物品を保持しない状態の物品搬送体を改めて当該物品移載箇所に走行させ、仮置きされている搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すべく、当該物品移載箇所に停止している物品搬送体の作動を制御することになる。
【0004】
また、特許文献1には、仮置き用の物品載置体を物品搬出入部の付近に複数設けることで、搬入用の物品を仮置きした後、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を搬入用の物品が仮置きされている物品載置体とは別の物品載置体に仮置きし、その後、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すべく、物品搬送体の作動を制御することが記載されている。
【0005】
このように物品移載箇所付近に物品仮置き用の物品載置体を複数設けることで、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態においても、搬入用の物品を保持した物品搬送体により搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すことを可能とし、物品搬送体による物品処理態様の多様化を図っている。
【0006】
上記従来の物品処理設備において、仮置き用の物品載置体を物品搬出入部の付近に複数設ける場合には、特許文献1において参照されている特許第3067656号公報の図9の記載からすると、物品搬送体の移動経路方向で物品処理装置の物品搬出入部を挟んで前後に異なる位置に一対の物品載置体を配置することが考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開2006−54389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の物品処理設備は、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇の一個所又は移動経路方向で前後に異なる複数箇所に設けるものであるため、以下のような問題があった。
【0009】
すなわち、まず、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇の一個所に設けるものである場合、上述のように、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すためには、物品を保持していない物品搬送体を改めて物品移載箇所に走行させなければならない。この場合、搬入用の物品を仮置きした物品搬送体が処理を終えてから対応するか、搬入用の物品を仮置きした当該物品搬送体でない別の物品搬送体が対応することになる。何れにしても、仮置きされている搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すために当該物品処理装置に関する新たな物品搬送指令が発生することから、限られた物品搬送体のうち他の物品処理装置に関する物品搬送指令に割り付けることができる物品搬送体の数が減少するので、複数の物品処理装置について並列的に処理を行う能力が低下してしまい、全体としての搬送効率が悪化する。
【0010】
また、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇で移動経路方向の前後に異なる複数箇所に設けるものである場合、例えば移動経路方向で上流側に位置する物品載置体に搬入用の物品を仮置きするものとすると、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すためには、運転制御手段は、物品搬送体の作動を次のように制御する。
【0011】
すなわち、上流側の物品載置体に対する停止位置に停止した状態で当該物品載置体に搬入用の物品を仮置きした後、物品移載箇所に前進移動して物品搬出入部に位置する搬出用の物品を受け取り、その後、下流側の物品載置体に対する停止位置まで前進走行し、この停止位置に停止した状態で下流側の物品載置体に搬出用の物品を仮置きする。そして、搬入用の物品が仮置きされた上流側の物品載置体に対する停止位置まで後退走行又は再度周回走行し、この停止位置に停止した状態で上流側の物品載置体に仮置きされた搬入用の物品を取り出し、その後、物品移載箇所に前進走行して物品搬出入部に搬入用の物品を受け渡すように、運転制御手段が物品搬送体の作動を制御する。
【0012】
このように、仮置き用の物品載置体を移動経路の片脇において移動経路方向で前後に異なる複数箇所に設けるものである場合、搬入用の物品の仮置き、搬出用の物品の仮置き、搬入用の物品の取り出し、搬入用の物品の受け渡しの各処理を行う際に物品搬送体の走行作動を伴うため、最終的に搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すまでに長い時間を要するものであり、搬送効率を悪化させるものであった。
【0013】
また、従来の物品処理設備では、物品を物品載置体に仮置きする場合には、物品保持部を移動経路の横脇に配置された物品載置体上に位置させて昇降作動させるべく、横移動操作機構にて物品保持部を水平移動操作させるので、物品保持部の水平移動操作が完了した後の揺れの影響を回避するべく、仮置き作業用昇降位置における物品保持部の昇降作動を開始させるまでに所定の待機時間が必要となる場合があり、これによっても、物品搬出入部に対する物品の搬出入に要する時間が長くなるおそれがある。
【0014】
本発明は上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理できる物品処理設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる物品処理設備は、物品処理装置に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体に、物品保持する保持状態と物品の保持を解除する解除状態とに切換え自在な物品保持部が、昇降自在に設けられ、運転制御手段が、前記物品処理装置の物品搬出入部に対して物品の搬出入を行うときには、前記物品移載箇所に停止させるべく前記物品搬送体の走行作動を制御し、且つ、前記物品搬出入部への物品の受け渡し又は前記物品搬出入部からの物品の受け取りを行うべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されているものであって、
その第1特徴構成は、物品仮置き用の一対の物品載置体が、前記物品移載箇所に停止した前記物品搬送体に対して物品を授受すべく前記移動経路側に突出する突出位置と前記移動経路から離間する側に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、
前記運転制御手段が、前記物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を一対の前記物品載置体の一方に仮置きした後、前記物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の前記物品載置体の他方に仮置きし、次に、仮置きした前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すように、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、並びに、一対の前記物品載置体の出退作動を制御するように構成されている点にある。
【0016】
本発明の第1特徴構成によると、制御手段が、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すときには、物品搬送体を物品移載箇所に停止させた状態において、一対の物品載置体の一方を突出位置にすべく一対の物品載置体の出退作動を制御し、かつ、突出位置に位置させた一対の物品載置体の一方に、保持した搬入用の物品を仮置きすべく、物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0017】
そして、搬入用の物品が仮置きされた物品載置体を引退位置に戻すべく一対の物品載置体の出退作動を制御するとともに、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を受け取るべく物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0018】
その後、一対の物品載置体の他方を突出位置にすべく一対の物品載置体の出退作動を制御し、かつ、突出位置に位置させた一対の物品載置体の他方に保持している搬出用の物品を仮置きすべく、物品保持部の昇降作動及び物品保持部の前記保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0019】
そして、搬出用の物品が仮置きされた物品載置体を引退位置に戻した後、仮置きされている搬入用の物品を取り出すために搬入用の物品が仮置きされている物品載置体を突出位置にするべく一対の物品載置体の出退作動を制御し、かつ、突出位置に位置させた一対の物品載置体の一方に載置されている搬入用の物品を保持するべく物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0020】
搬入用の物品を取り出した後、これが仮置きされていた物品載置体を引退位置に戻すべく一対の物品載置体の出退作動を制御するとともに、物品搬出入部に対して搬入用の物品を受け渡すべく物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動を制御する。
【0021】
このように、一対の物品載置体の何れか一方を移動経路側に突出させて突出位置にすることで、物品搬送体が物品移載箇所に停止した状態において、突出位置の物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うことができる。つまり、搬入用の物品の仮置き動作は、物品搬送体が物品移載箇所に位置した状態で行われるので、制御手段は、物品搬送体を走行させることなくそのままの停止位置に停止させた状態で、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を受け取らせることができる。
【0022】
したがって、制御手段は、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡す場合に、物品搬送体が物品移載箇所に停止した状態において、保持した搬入用の物品を一対の物品載置体の一方に仮置きする仮置き動作を完了することができる。
【0023】
そして、物品搬送体が物品移載箇所に位置した状態であれば、制御手段は、一対の物品載置体のうち他方の物品載置体を突出位置に突出させることで、物品搬送体が保持している物品を一対の前記物品載置体の他方に仮置きできるので、制御手段は、搬入用の物品を一対の物品載置体の一方に仮置きした後、物品搬送体を走行させることなく、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の物品載置体の他方に仮置きすることができる。
【0024】
要するに、本発明の第1特徴構成によると、物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡す場合に、搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すべく物品搬送体を物品移載箇所まで走行させれば、その後、物品搬送体を走行させることなく、保持した搬入用の物品を一対の物品載置体の一方に仮置きすること、物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の物品載置体の他方に仮置きすること、及び、仮置きした搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡すことの各作業を処理することができ、物品搬送体の走行作動を伴わない分、物品搬出入部に対する物品の搬出入を迅速に処理することができる。
【0025】
また、物品保持部は物品搬送体に昇降自在に設けられているので、物品搬送体が物品移載箇所に停止すると、物品保持部の昇降経路が定まる。そして、物品搬送体が物品移載箇所に停止した後は、物品搬送体が走行作動することなく物品載置体への物品の仮置きや、物品搬出入部に対する物品の受け渡しが行われるので、物品搬送体が停止したままの状態が維持される。したがって、物品載置体への物品の仮置きや、物品搬出入部に対する物品の受け渡しをする際に、物品保持部を安定して昇降作動させることができる。
【0026】
ここで、物品載置体に物品を仮置きする場合には、物品載置体の所定の位置に精度よく載置することが求められる。ところが、従来のように仮置き作業において物品保持部の横移動を伴うものであると、物品載置体に対する物品保持部の位置が揺らいで安定しない虞があり、物品載置体の所定の位置に精度よく物品を載置するためには、例えば、揺れが収まるまで待機する等、物品保持部の横移動に起因する揺れに対する対策を取らなければならず、物品の仮置きを迅速に行えない。物品載置体に仮置きされた物品を物品保持部にて保持させる場合についても同様に、物品載置体に対する物品保持部の位置の揺れに対する対策を取らなければならず、物品保持部にて物品を迅速に保持させることができない。
【0027】
これに対して、本発明の第1特徴構成によると、物品を物品載置体に仮置きする場合、物品保持部は昇降作動するだけで突出位置に位置する物品載置体に物品を載置することができるので、物品保持部を昇降作動させる場合の突出位置に位置する物品載置体に対する物品保持部の位置を安定させることができる。したがって、物品載置体に対する物品保持部の位置が安定するまで待機する等の対策を取らなくても、物品載置体の所定の位置に精度よく物品を載置することができ、物品を迅速にかつ的確に仮置きすることができる。また、物品載置体に仮置きされた物品を物品保持部にて保持する場合についても同様に、物品載置体に対する物品保持部の位置が安定するまで待機する等の対策を取らなくても、物品保持部にて物品を迅速かつ的確に保持することができる。
【0028】
このように、本発明の第1特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理できる物品処理設備を得るに至った。
【0029】
本発明の第2特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、前記運転制御手段が、前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡したのち、仮置きした前記搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送すべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、前記物品載置体の出退作動、並びに、前記物品搬送体の走行作動を制御するように構成されている点にある。
【0030】
本発明の第2特徴構成によると、搬入用の物品を物品搬出入部に受け渡して物品を保持しない状態となった物品搬送体が、仮置きした搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送するので、仮置きされた搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送するに当たって、物品を保持していない別の物品搬送体を物品移載箇所まで走行作動させることなく、当該物品移載箇所に位置している物品搬送体にて物品を目標搬送箇所に搬送することができる。
【0031】
したがって、仮置きされた搬出用の物品を迅速に目標搬送箇所に搬送することができるとともに、物品搬送体が物品を保持しない状態で走行作動することを極力防止でき、運転効率の向上を図ることができる。
【0032】
このように、本発明の第2特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理でき、しかも、運転効率の向上を図ることができる物品処理設備を得るに至った。
【0033】
本発明の第3特徴構成は、本発明の第1又は第2特徴構成において、前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられ、前記運転制御手段が、前記物品載置体の出退作動のために前記出退操作手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0034】
本発明の第3特徴構成によると、制御手段は、物品搬送体に設けられた出退操作手段の作動を制御することにより、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作することができるので、物品載置体の夫々に出退操作用電力を供給するための給電手段や、制御指令を指令するため指令伝達手段を設けずに済む。したがって、物品処理設備の構成の簡素化を図ることができる。
【0035】
このように、本発明の第3特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理でき、しかも、物品処理設備の構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を得るに至った。
【0036】
本発明の第4特徴構成は、本発明の第1〜第3特徴構成のいずれか一つにおいて、一対の前記物品載置体が、前記移動経路の両脇に設けられている点にある。
【0037】
本発明の第4特徴構成によると、物品載置体が移動経路の両脇に設けられているので、一対の物品載置体の夫々の高さが揃った状態にすることができる。夫々の物品載置体の高さを揃えることで、一方の物品載置体に対して物品を仮置きしようとする場合と、他方の物品載置体に対して物品を仮置きしようとする場合とで、物品保持部の昇降位置を同じにすることができる。また、同様に、一方の物品載置体に仮置きされた物品を保持しようとする場合と、他方の物品載置体に仮置きされた物品を保持しようとする場合とで、物品保持部の昇降位置を同じにすることができる。
【0038】
したがって、物品載置体を移動経路の両脇に設けることで、各物品載置体に対する昇降位置を共通化して物品保持部の昇降制御内容の簡素化を図ることが可能となる。
【0039】
このように、本発明の第4特徴構成によると、物品搬出入部に対する物品の搬出入を、多様な処理態様にて処理できるものでありながら、迅速に処理でき、しかも、物品保持部の昇降制御内容の簡素化を図ることが可能な物品処理設備を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明に係る物品処理設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
この物品処理設備は、図1及び図2に示すように、複数の物品処理装置1に対する物品移載箇所を経由する状態で移動経路としての案内レール2が設置され、この案内レール2に沿って移動自在な物品搬送体としての移動車3が設けられている。そして、半導体基板を収納した容器5を物品として、移動車3が複数の物品処理装置1の間で容器5を搬送するように構成されている。
【0041】
各物品処理装置1では、半導体基板の製造途中での半製品等に対して所定の処理が行われる。複数の物品処理装置1は、半導体基板の製造工程の順となるように、第1処理装置1a、第2処理装置1b、第3処理装置1cの順で案内レール2に沿って設置されており、各物品処理装置1に備えられたステーション7の夫々(第1ステーション7a、第2ステーション7b、第3ステーション7c)が案内レール2の直下に位置するようになっている。
【0042】
前記移動車3は、容器5を吊り下げ状態で保持する物品保持部4(以下では、単に保持部4という)を昇降自在に備えている。前記保持部4は、移動車3が停止した状態において、ワイヤ6を巻き取り又は巻き出すことにより、移動車3に近接位置させる上昇位置と移動車3よりも下方側に設置されたステーション7との間で物品移載を行う下降位置とに昇降自在に設けられている。ちなみに、図2では、保持部4が上昇位置から下降位置に下降する場合を右側に示し、保持部4を下降位置から上昇位置に上昇させる場合を左側に示している。
【0043】
前記ステーション7は、容器5を載置支持する載置台にて構成されている。そして、ステーション7は、物品処理装置1にて所定の処理を行う容器5を移動車3から受け取る又は物品処理装置1にて所定の処理を行った容器5を移動車3に受け渡すためのものであり、本発明の物品搬出入部に相当する。
【0044】
そして、移動車3は、保持部4を上昇位置に位置させた状態で案内レール2に沿って移動し、複数のステーション7に対する物品移載箇所のうち移載対象のステーション7に対する物品移載箇所に停止した状態で保持部4を上昇位置と下降位置との間で昇降させることにより、ステーション7との間で容器5の受け渡し又は受け取りを行うように構成されている。
【0045】
前記案内レール2は、図2〜図4に示すように、案内レール用ブラケット8により天井部に固定状態で設置されている。前記移動車3は、案内レール2の内方空間部に位置する上方車体9と案内レール2の下方に位置する下方車体12とを前後の連結扞10,11にて連結して構成されている。
【0046】
前記上方車体9は、案内レール2の内方空間部に設けられるマグネット13に近接対向させる状態で一次コイル14を備えている。そして、上方車体9は、マグネット13と一次コイル14とからなるリニアモータにより推進力を得るリニアモータ式であり、移動車3は、この推進力によって案内レール2に沿って移動するように構成されている。
【0047】
前記案内レール2の内方空間部には、上方車体9に備えた走行輪15に対する走行案内面16と、上方車体9に備えた振止輪17に対する振止案内面18とが形成されている。
また、案内レール2には給電線19が設けられ、上方車体9には受電コイル20が設けられ、交流電流の通電により給電線19に磁界を発生させ、この磁界により移動車3側での必要電力を受電コイル20に発生させて、無接触状態で給電を行うように構成されている。
【0048】
この実施形態では、上方車体9を駆動させる方式として、リニアモータにより推進力を得て駆動させるリニアモータ式を例示しているが、例えば、走行輪15を回転駆動する電動モータを設け、この電動モータにて走行輪15を回転駆動させることにより上方車体9を駆動させる方式を用いることもできる。
【0049】
前記下方車体12は、移動車3の前後方向に延びる前後枠体21、前後枠体21の前端箇所及び後端箇所から下方側に延びる前後一対の縦枠体22から構成されている。そして、下方車体12は、側面視において、下方側が開放されたコ字状に形成され、前後方向の中央部に保持部4を配置している。
【0050】
前記保持部4は、上方車体9に対して昇降自在な昇降体23に設けられ、この昇降体23は、前後枠体21に設けられた昇降操作機構24によって昇降操作自在に支持されている。
前記昇降操作機構24は、ドラム駆動用モータ25により回動自在な回転ドラム26に4本のワイヤ6を巻き掛けて構成されている。そして、昇降操作機構24は、回転ドラム26を正逆回転させて4本のワイヤ6を同時に巻き取り及び巻き出しすることによって、昇降体23を略水平姿勢に維持しながら昇降操作するように構成されている。
【0051】
前記保持部4には、容器5のフランジ5aを保持する一対の保持具4aが設けられている。そして、一対の保持具4aが保持動作用モータ27の正逆回転により互いに近づく方向に揺動してフランジ5aを保持する保持状態(図3中に実線で示す状態)と、一対の保持具4aが互いに離れる方向に揺動して保持を解除する解除状態(図3中に点線で示す状態)とに切り換え自在に構成されている。
【0052】
前記ステーション7に搬送する容器5を一時的に載置するために、案内レール2の側脇には、図1に示すように、案内レール2に対して左右両側に対を成した状態で物品載置体28が設けられている。そして、物品載置体28は、案内レール2に沿って並ぶ状態で複数対設けられている。
【0053】
これらの物品載置体28のうち、それに対する物品移載箇所とステーション7に対する物品移載箇所とが一致している一対の物品載置体28は、ステーション7に対して容器5を搬出入する場合に、当該ステーション7に搬入する容器5及び当該ステーション7から搬出する容器5を一時的に仮置きする仮置き用の物品載置体28(以下、仮置き用載置体28Tという。)であり、本発明の物品仮置き用の一対の物品載置体に相当する。
【0054】
この一対の仮置き用載置体28Tに対する物品移載箇所はステーション7に対する物品移載箇所と一致しているので、移動車3がステーション7に対する物品移載箇所に停止した状態で、一対の仮置き用載置体28Tの夫々に対して容器5を移載することができる。
【0055】
また、物品載置体28のうち、それに対する物品移載箇所とステーション7に対する物品移載箇所とが異なっている物品載置体28は、上流工程の物品処理装置1(例えば、第1処理装置1a)で処理が完了して、そのステーション7(例えば、第1ステーション7a)から搬出した容器5を、移動車3の移動方向で下流側に位置する次の工程の物品処理装置1(例えば、第2処理装置1b)のステーション7(例えば、第2ステーション7b)に対して搬入する場合に、その容器5を一時的に保管する保管用の物品載置体28(以下、保管用載置体28Bという。)である。
【0056】
図5〜図9に示すように、物品載置体28の夫々は、それに対する物品移載箇所に停止した移動車3の保持部4から容器5の受け取りを行うべく案内レール2側に突出する突出位置(図7及び図9参照)と、保持部4への容器5の受け渡しを行うべく案内レール2から離間する側に引退する引退位置(図6及び図8参照)とに出退自在に設けられている。
【0057】
以下、物品移載箇所に停止した移動車3の前後方向を「前後方向」と略称し、且つ、物品移載箇所に停止した移動車3に対する遠近方向を「遠近方向」と略称して説明する。
【0058】
前記物品移載箇所は、複数の物品載置体28の夫々に対応して定められている。そして、前後方向において物品載置体28の幅は移動車3における前後一対の縦枠体22の間隔よりも小さくなるように形成されている。したがって、物品移載箇所に移動車3が停止した状態において、移動車3における前後一対の縦枠体22の間に物品載置体28を挿脱できるようになっている。
【0059】
前記引退位置は、物品載置体28が引退位置に位置するときに、自己及び自己が載置支持する容器5が移動車3の移動や保持部4の昇降の邪魔にならないように、案内レール2の存在箇所から遠近方向に外れた案内レール2の側脇に定められている。
【0060】
前記突出位置は、物品載置体28が突出位置に位置するときに、物品移載箇所に停止した移動車3において上昇位置に近接する位置に位置する保持部4との間で容器5を授受できるように、物品移載箇所に停止した移動車3における保持部4と上下方向に重複する位置に定められている。
【0061】
前記物品載置体28は、図5に示すように、引退位置に対応して天井側に設置された固定枠体29と、その固定枠体29に対して遠近方向に移動自在に支持された移動枠体30とから構成されている。
【0062】
前記固定枠体29は、遠近方向に長尺状に形成された一対の側面枠部29aから構成されている。一対の側面枠部29aは、遠近方向に間隔を隔てて配設された枠体用第1連結体31aと枠体用第2連結体31bとにより連結されている。枠体用第1連結体31aは、遠近方向において物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側を連結しており、枠体用第2連結体31bは、遠近方向において物品移載箇所に停止した移動車3から離れる側を連結している。
【0063】
そして、固定枠体29は、一対の側面枠部29aの夫々から上方に向って延設された複数の吊り下げ用延設体32の上端部を取り付け金具により2本の吊り下げ用支持体33に固定して吊り下げ支持されている。前記吊り下げ用支持体33は、天井部からの吊りボルト34にて吊り下げ支持されており、案内レール2と平行になるように案内レール2の長手方向に沿って配設されている。
【0064】
前記固定枠体29を天井側に吊り下げ支持する構成は、上述の構成に限らず、適宜変更が可能である。例えば、固定枠体29の上端部にボルト取り付け用溝部を設け、このボルト取り付け用溝部に吊り下げ支持体の下端部をボルト固定し、吊り下げ支持体の上端部を天井部にボルト固定することにより、固定枠体29を天井側に吊り下げ支持することができる。
【0065】
このように、複数の物品載置体28における固定枠体29の夫々を各別に天井側に吊り下げ支持することにより、物品載置体28を1つずつ取り付け又は取り外しすることができ、物品載置体28の増設又は取り外しを容易に行うことができるようにしている。
【0066】
図6及び図7に示すように、前記移動枠体30は、遠近方向に伸びる形状に形成された左右一対の支持アーム体35と、その左右一対の支持アーム体35に対して遠近方向に間隔を隔てて位置させて且つその左右一対の支持アーム体35を接続する状態で設けられた複数の接続枠体36とを備えて構成されている。
そして、移動枠体30は、複数の接続枠体36にて容器5の底部を載置支持するように構成されており、複数の接続枠体36が、容器5の底部を分担して載置支持するように構成されている。
【0067】
前記接続枠体36は、その断面形状が中央部を上方側に突出させた凸状に形成されており、凸状の平らな部分にて容器5の底部を載置支持する。そして、接続枠体36は、支持アーム体35において内側に折り曲げた部分に載置させた状態において、両端部がボルトナットにて支持アーム体35に固定されている。
前記接続枠体36は、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側に位置する細長状の第1接続枠体36aと、物品移載箇所に停止した移動車3から離間する側に位置する細長状の第2接続枠体36bとから構成されている。そして、第1接続枠体36aには、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側に伸びて上方側に起立する起立壁部37が設けられている。この起立壁部37は、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側への容器5の移動を規制するように構成されている。
【0068】
前記左右一対の支持アーム体35は、接続枠体36だけでなく、複数の連結用枠体45によっても接続されている。前記連結用枠体45は、左右一対の支持アーム体35の下端部35aにおいて物品移載箇所に停止した移動車3から離間する側の端部を接続する第1連結用枠体45aと、左右一対の支持アーム体35の中間部35bを接続する第2連結用枠体45bと、左右一対の支持アーム体35の上端部35cを接続する第3連結用枠体45cとから構成されている。
【0069】
前記物品載置体28を引退位置(図6及び図8参照)と突出位置(図7及び図9参照)とに位置変更自在に支持するスライド案内機構46が設けられている。このスライド案内機構46は、固定枠体29に対して遠近方向に移動枠体30をスライド移動自在に支持するように構成されている。
【0070】
前記スライド案内機構46は、固定枠体29に形成されたレール部47と支持アーム体35に設けられた複数のガイドローラ48とから構成されている。前記レール部47は、一対の側面枠部29aの夫々に設けられている。前記ガイドローラ48は、支持アーム体35における上端部35cに設けられている。そして、スライド案内機構46は、レール部47にてガイドローラ48を案内支持することにより、固定枠体29に対して引退位置と突出位置とに移動枠体30をスライド案内移動自在に支持するように構成されている。
【0071】
また、固定枠体29には、遠近方向において物品移載箇所に停止した移動車3に接近する接近位置(図6及び図8参照)と物品移載箇所に停止した移動車3から離間する離間位置(図7及び図9参照)とに移動自在に支持された被操作体49が設けられている。そして、被操作体49は、接近位置では物品載置体28を引退位置に操作し、且つ、離間位置では物品載置体28を突出位置に操作するように、物品載置体28に連係されている。
【0072】
前記被操作体49は、その長手方向の中央部が一方の側面枠部29aの上部に設けられた板状の基台50に枢支連結されて、その連結箇所である第1揺動軸心P1周りに揺動自在に設けられている。そして、被操作体49は、接近位置に位置する状態において、第1揺動軸心P1から移動車3に接近する側に延びる第1被操作部分49aと第1揺動軸心P1から移動車3から離れる側に延びる第2被操作部分49bとを上下に段差をつけて一体的に形成されている。
【0073】
前記被操作体49は、第1揺動軸心P1周りでの揺動により接近位置と離間位置とに切換自在で且つ接近位置(図6及び図8参照)においては第1被操作部分49aが第1揺動軸心P1よりも物品移載箇所に停止した移動車3に接近する姿勢となるように設けられている。そして、被操作体49の第1被操作部分49aに、被操作体49が接近位置に位置する状態において、遠近方向に対して交差する方向に沿って第1揺動軸心P1側に延びる溝部51が設けられている。この溝部51には、物品移載箇所に停止した移動車3に接近する側の先端を遠近方向に沿って開口させた形状に形成されている。
【0074】
そして、被操作体49が接近位置に位置すると、図6及び図8に示すように、物品載置体28を引退位置に位置させ、且つ、被操作体49が離間位置に位置すると、図7及び図9に示すように、物品載置体28を突出位置に位置させるように、被操作体49の動きと物品載置体28の動きとを連係させる連係機構52が設けられている。
【0075】
前記連係機構52は、上下軸心周りに揺動自在な第1リンクアーム53、第2リンクアーム54及び第3リンクアーム55の3つのリンクアームから構成されている。第1リンクアーム53は、一端部が被操作体49の第2操作部分49bの一端部に枢支連結され且つ他端部が第2リンクアーム54の長手方向の途中部分に枢支連結されている。第2リンクアーム54は、一端部が基台50に枢支連結され且つ他端部が第3リンクアーム55の一端部に枢支連結されている。第3リンクアーム55は、他端部が第3連結用枠体45cに立設された連係用被操作体56に枢支連結されている。
【0076】
前記移動車3には、物品載置体28を引退位置と突出位置とに出退操作するための出退操作手段Sが設けられている。前記出退操作手段Sは、移動車3に固定されて遠近方向に長尺状のベース57と、そのベース57に対して遠近方向に移動自在に設けられた長尺状の操作体58と、その操作体58の先端部の下面側に設けられた係合ローラ59とを備えて構成されている。そして、出退操作手段Sは、図示を省略したアクチュエータの作動によりベース57に対して操作体58を出退させて、係合ローラ59を遠近方向に移動させる突出作動及び引退作動を行うように構成されている。
【0077】
ちなみに、移動車3には、移動車3の移動方向において右側に位置する物品載置体28を出退操作するための出退操作手段Sと、移動車3の移動方向において左側に位置する物品載置体28を出退操作するための出退操作手段Sとが設けられている。
【0078】
前記係合ローラ59は、前後方向において被操作体49の溝部51の幅と同じ又はその幅よりも小さい直径に形成されており、係合ローラ59が、遠近方向での移動により被操作体49の溝部51に係脱自在に構成されている。
【0079】
そして、出退操作手段Sが、突出作動により係合ローラ59を溝部51に係合させて被操作体49を接近位置から離間位置に押し操作し、且つ、引退作動により係合ローラ59を溝部51に係合させて被操作体49を離間位置から接近位置に引き操作し、その後係合ローラ59を溝部51から離脱させる押し引き式に構成されている。
【0080】
前記出退操作手段Sが突出作動により係合ローラ59にて被操作体49を接近位置から離間位置に操作すると、被操作体49が離間位置に位置することにより、連係機構52を介して物品載置体28が突出位置に操作され、物品載置体28が引退位置から突出位置に出退操作されることになる。
【0081】
また、出退操作手段Sが引退作動により係合ローラ59にて被操作体49を離間位置から接近位置に操作すると、被操作体49が接近位置に位置することにより、連係機構52を介して物品載置体28が引退位置に操作され、物品載置体28が突出位置から引退位置に出退操作されることになる。
【0082】
前記物品載置体28は、遠近方向に間隔を隔てて位置させた2つの接続枠体36にて容器5の底部を分担して載置支持するように構成されており、物品載置体28の軽量化を図っている。そして、2つの接続枠体36は、遠近方向において容器5の底部の端部側部分を載置支持するように配設されており、容器5をバランスよく載置支持している。
前記複数の接続枠体36には、容器5の底部の被係合部に係合する突起状の複数の物品位置決め部材39が支持されている。複数の物品位置決め部材39は、遠近方向及びそれに直交する前後方向に分散する適正相対位置関係に位置規制部材40にて保持された状態で設けられている。
ちなみに、複数の物品位置決め部材39が遠近方向において適正相対位置関係となるように、遠近方向における第1接続枠体36aの設置位置及び第2接続枠体36bの設置位置が調整されている。
【0083】
前記移動車3には、移動車3の動作を制御する台車用制御部(本発明の運転制御手段に相当)が設けられている。そして、台車用制御部は、物品処理設備全体の動作を管理する管理用コンピュータからの指令、及び、移動車3に設けられた各種センサの検出情報に基づいて、移動車3の走行作動並びに保持部4の上昇位置と下降位置との昇降作動及び保持状態と解除状態との切換え作動を制御するとともに、保持動作用モータ27及び出退操作手段Sの作動を制御するように構成されている。
【0084】
例えば、管理用コンピュータから、複数のステーション7のうちから搬送元のステーション7として第1処理装置1aのステーション7aが、搬送先のステーション7として第2処理装置1bの第2ステーション7bが特定された状態で搬送元の第1ステーション7aから搬送先の第2ステーション7bに容器5を搬送する搬出搬入指令が指令された場合には、台車用制御部が、搬送元の第1ステーション7aから容器5を受け取り、搬送先の第2ステーション7bに容器5を受け渡すべく、移動車3の動作を制御するように構成されている。搬出搬入指令が指令された場合の容器5の移動の様子を上記例に基づいて模式的に示すと図10(イ)に示すようになる。
【0085】
管理用コンピュータからは、搬送元のステーション7における容器5の受け取り及び搬送先のステーション7における受け渡しの双方を伴う上記搬出搬入指令以外に、ステーション7における容器5を受け取り、その受け取った容器5を次工程の処理装置1についての保管用の28Bに保管する搬出保管指令や、28Tに保管された容器5を取り出し、その取り出した容器5を当該28Tに対応する処理装置1のステーション7に受け渡す取出搬入指令C3が指令される。
【0086】
搬出保管指令及び取出搬入指令が指令された場合の容器5の移動の様子を上記例に基づいて模式的に示すと図10(ロ)及び(ハ)に示すようになる。
【0087】
物品処理設備では、各処理装置における処理時間が異なるうえ、複数の容器5についての処理を同時期に行うので、台車用制御部は、上記搬出搬入指令により搬送元の上流工程の処理装置1のステーション7(先の例では、第1ステーション7a)から搬送先の次工程の処理装置1のステーション7(先の例では、第2ステーション7b)へ直接容器5を搬送する場合は少なく、台車用制御部は、搬出保管指令により、上流工程の処理装置1のステーション7(先の例では、第1ステーション7a)から搬出した容器5を、一旦、次工程の処理装置1(先の例では、第2処理装置1b)についての仮置き用載置体28Tに保管しておき、取出搬入指令により、ステーション7についての仮置き用載置体28Tに保管されている容器5のうち先に保管された容器5から順に、当該ステーション7に搬入するようになっている。
【0088】
さらに、台車用制御部は、ステーション7に搬出用の容器5が存在する状態において保持した搬入用の容器5をステーション7に受け渡すときには、保持した搬入用の容器5を一対の仮置き用載置体28Tの一方に仮置きした後、ステーション7に位置する搬出用の容器5を一対の仮置き用載置体28Tの他方に仮置きし、次に、仮置きした搬入用の容器5をステーション7に受け渡すように、物品保持部の昇降作動及び物品保持部の保持状態と解除状態との切換え作動、並びに、一対の仮置き用載置体28Tの出退作動を制御するように構成されている。
【0089】
また、台車用制御部は、搬入用の容器5をステーション7に受け渡したのち、仮置きした搬出用の容器5を目標搬送箇所としての下流工程の処理装置1についての保管用載置体28Bに搬送すべく、保持部4の昇降作動及び保持部4の保持状態と解除状態との切換え作動、仮置き用載置体28Tの出退作動、並びに、物品搬送体の走行作動を制御するように構成されている。
【0090】
このように、本物品処理設備では、ステーション7に搬出保管指令についての搬出対象の容器5が存在する状態において保持した取出搬入指令についての搬入対象の容器5を当該ステーション7に受け渡すときに、一対の仮置き用載置体28Tを利用して、移動車3がステーション7についての物品移載箇所に停止した状態のままで、取出搬入指令に基づいてステーション7へ受け渡すべき容器5と、搬出保管指令に基づいてステーション7から受け取るべき容器5との持ち換え動作を行うことで、1台の移動車3により迅速に搬出用及び搬入用の容器5の搬出入処理をすることができるようになっている。
【0091】
以下に、管理用コンピュータが、第2処理装置1bについての保管用載置体28Bから容器5を取出して、第2処理装置1bの第2ステーション7bに容器5を搬入する取出搬入指令と、第2処理装置1bの第2ステーション7bの容器5を搬出し、その容器5を第3処理装置1cについての保管用載置体28Bに保管する搬出保管指令とを同時に台車用制御部に指令した場合の台車用制御部による移動車3の制御動作について説明する。
【0092】
なお、取出搬入指令と搬出保管指令とが同時に指令されるとは、両指令が連続して指令される場合をいい、先に取出搬入指令が指令され、その指令に基づく制御動作が開始された後に、搬出保管指令が指令される場合や、この逆に、先に搬出保管指令が指令され、その指令に基づく制御動作が開始された後、取出搬入指令の割込みが許容される状態であるうちに取出搬入指令が指令される場合を含んでいる。いずれの場合においても、取出搬入指令と搬出保管指令とが同時に指令されると、台車用制御部は、取出搬入指令に基づく制御動作から搬出保管指令に基づく制御動作へと移行していく。
【0093】
以下、図13のフローチャート並びに図11及び図12の容器5の移動順序を説明した図を参照しながら詳しく説明する。なお、図11及び図12の1番矢印については、例外的に容器5の移動ではなく、移動車3の移動を示している。
【0094】
まず、状況設定として、第1ステーション7aから搬出した容器5を次工程の第2処理装置1bについての保管用載置体28Bに保管する過去の搬出保管指令に基づく処理が完了して、移動車3が図1に示す位置に容器5を保持しない状態で停止しているとし、第2処理装置1bについての保管用載置体28Bには、上述した過去の搬出保管指令により保管された容器5とは別の容器5(以下、搬入用容器5inという)が、当該過去の搬出保管指令によりもさらに過去の搬出保管指令にて保管されているとする。
【0095】
なお、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bは、一例として、案内レール2に関して第2処理装置位置1bと反対側に位置し、搬出用容器5outが保管されている保管用載置体28Bは、一例として、案内レール2に関して第3処理装置位置1cと同じ側に位置するものであるとする。
【0096】
この状態で、第2処理装置7bの第2ステーション7bにおいて搬出可能な状態の容器5(以下、搬出用容器5outという)が存在する状態となり、管理用コンピュータが、搬入用容器5inを取出搬入対象とする取出搬入指令及び搬出用容器5outを搬出保管対象とする搬出保管指令を指令したとする。
【0097】
台車用制御部は、まずステップ#1で、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bから搬入用容器5inを取り出すために、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を移動させる(図11(イ)の1番矢印参照)べく、移動車3の走行作動を制御する。
【0098】
台車用制御部は、ステップ#2で、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを当該保管用載置体28Bから取出すべく、移動車3の作動を制御する。
【0099】
具体的には、台車用制御部は、まず、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で前方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bを引退位置から突出位置に位置変更させる(図11(イ)の2番矢印参照)。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、突出位置に位置する保管用載置体28Bから保持部4に搬入用容器5inを受け取る。その後、台車用制御部は、搬入用容器5inを保持している保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、空になった保管用載置体28Bを突出位置から引退位置に位置変更させる。
【0100】
台車用制御部は、ステップ#3で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を移動させる(図11(イ)の3番矢印参照)べく、移動車3の走行作動を制御する。
【0101】
台車用制御部は、ステップ#4で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを第2ステーション7bについての一対の仮置き用載置体28Tの一方(案内レール2に関して第2処理装置1bと同じ側に位置するもの)に仮置きするべく、移動車3の作動を制御する。
【0102】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で後方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、一対の仮置き用載置体28Tのうち案内レール2に関して第2処理装置位置1Bと同じ側に位置するものを引退位置から突出位置に位置変更させる。その後、台車用制御部は、搬入用容器5inを保持している保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、保持部4から突出位置に位置する仮置き用載置体28Tに搬入用容器5inを卸す。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、搬入用容器5inが載っている仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる(図11(イ)の4番矢印参照)。
【0103】
台車用制御部は、ステップ#5で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを第2ステーション7bから受け取るべく、移動車3の作動を制御する。
【0104】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、保持部4を上昇位置から下降位置に下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御する。そして、台車用制御部は、保持部4が下降位置に位置すると、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、搬出用容器5outのフランジ5aを一対の保持具4aにて保持して容器5を受け取る。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持している保持部4を下降位置から上昇位置に上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御する(図11(ロ)の5番矢印参照)。
【0105】
台車用制御部は、ステップ#6で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを第2ステーション7bについての一対の仮置き用載置体28Tの他方(案内レール2に関して第2処理装置1bと反対側に位置するもの)に仮置きするべく、移動車3の作動を制御する。
【0106】
具体的には、ステップ#4と同様に、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で前方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、一対の仮置き用載置体28Tのうち案内レール2に関して第2処理装置位置1Bと反対側に位置するものを引退位置から突出位置に位置変更させる。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持している保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、保持部4から突出位置に位置する仮置き用載置体28Tに搬出用容器5outを卸す。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、搬出用容器5outが載っている仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる(図11(ロ)の6番矢印参照)。
【0107】
台車用制御部は、ステップ#7で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを仮置き用載置体28Tから取り出すべく、移動車3の作動を制御する。
【0108】
この制御動作は、前述のステップ#2における制御動作、つまり、搬入用容器5inが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを保管用載置体28Bから取り出す制御作動と同様である。
【0109】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で後方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬入用容器5inが保管されている仮置き用載置体28Tを引退位置から突出位置に位置変更させる(図11(ハ)の7番矢印参照)。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させる(図11(ハ)の8番矢印参照)べく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、突出位置に位置する仮置き用載置体28Tから保持部4に搬入用容器5inを受け取る。その後、台車用制御部は、搬入用容器5inを保持した保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、空になった仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる。
【0110】
台車用制御部は、ステップ#8で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを第2ステーション7bへ受け渡すべく、移動車3の作動を制御する。
【0111】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを保持している保持部4を上昇位置から下降位置に下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御する。そして、台車用制御部は、保持部4が下降位置に位置すると、保持動作用モータ27を作動させて、一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、搬入用容器5inを第2ステーション7bに受け渡す。その後、台車用制御部は、保持部4を下降位置から上昇位置に上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御する。
【0112】
台車用制御部は、ステップ#9で、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを仮置き用載置体28Tから取り出すべく、移動車3の作動を制御する。
【0113】
この制御動作は、前述のステップ#2における制御動作、つまり、搬出用容器5outが保管されている保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを保管用載置体28Bから取り出す制御作動と同様である。また、この制御動作は、前述のステップ#7における制御動作、つまり、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inを仮置き用載置体28Tから取り出す制御作動と同様である。
【0114】
具体的には、台車用制御部は、まず、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で前方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬出用容器5outが保管されている仮置き用載置体28Tを引退位置から突出位置に位置変更させる(図12(二)の9番矢印参照)。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを保持姿勢に切り換え、突出位置に位置する仮置き用載置体28Tから保持部4に搬出用容器5outを受け取る。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持した保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、空になった仮置き用載置体28Tを突出位置から引退位置に位置変更させる。
【0115】
台車用制御部は、ステップ#10で、第2処理装置1bから搬出した搬出用容器5outを次工程の第3処理装置1cについての保管用載置体28Bに保管するために、当該搬出用容器5outを保管すべき第3処理装置1cについての保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を移動させる(図12(二)の10番矢印参照)べく、移動車3の走行作動を制御する。
【0116】
台車用制御部は、ステップ#11で、搬出用容器5outを保管すべき保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬出用容器5outを当該保管用載置体28Bに保管するべく、移動車3の作動を制御する。
【0117】
この制御動作は、前述のステップ#4やステップ#6における制御動作、つまり、第2ステーション7bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、搬入用容器5inや搬出用容器5outを仮置き用載置体28Tへ仮置きする制御作動と同様である。
【0118】
具体的には、台車用制御部は、まず、搬出用容器5outを保管すべき保管用載置体28Bに対応する物品移載箇所に移動車3を停止させた状態で、移動車3の移動方向で後方側の出退操作手段Sを突出作動させることにより、搬出用容器5outを保管すべき保管用載置体28Bを引退位置から突出位置に位置変更させる。その後、台車用制御部は、搬出用容器5outを保持している保持部4を上昇位置からそれに近接する位置へ下降させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、保持動作用モータ27を作動させて一対の保持具4aを解除姿勢に切り換え、保持部4から突出位置に位置する保管用載置体28Bに搬出用容器5outを卸す。その後、台車用制御部は、保持部4を上昇位置まで上昇させるべく、保持部4の昇降作動を制御したのち、出退操作手段Sを引退作動させる。そして、出退操作手段Sが引退作動を行うことにより、搬出用容器5outが載っている保管用載置体28Bを突出位置から引退位置に位置変更させる(図12(二)の11番矢印参照)。
【0119】
〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記する。
【0120】
(1)上記実施形態では、制御手段が、物品保持部の昇降作動が停止した後に、物品載置体の出退作動を開始するように構成されたものを例示したが、これに限らず、制御手段が、物品保持部の昇降作動が停止する前に、物品載置体の出退作動を開始するように構成されたものであってもよい。
【0121】
(2)上記実施形態では、物品載置体28が、突出位置において、上昇位置に近接する位置に位置する保持部4との間で容器5を授受するように設けられているが、例えば、突出位置において、上昇位置に位置する保持部4との間で容器5を授受するように物品載置体28を設けることもできる。
また、突出位置において、物品載置体28が保持部4との間で容器5を授受する位置については、上昇位置に近接する位置又は上昇位置に限らず、上昇位置よりも設定高さだけ下降した位置であってもよい。この場合には、物品載置体28を突出位置に位置させた状態で、保持部4を上昇位置から設定高さだけ下降させることにより、物品載置体28と保持部4との間での容器5の授受を行うことができることになる。
【0122】
(3)上記実施形態では、移動車3に、移動車3の移動方向において右側に位置する物品載置体28を変更操作するための出退操作手段Sと、移動車3の移動方向において左側に位置する物品載置体28を変更操作するための出退操作手段Sとの2つの出退操作手段Sを設けているが、例えば、出退操作手段Sが、移動車3の移動方向に対して右側及び左側の両側に係合ローラ59を出退自在に備えることにより、移動車3に1つの出退操作手段Sを設けて実施することもできる。
【0123】
(4)上記実施形態では、搬出用容器5outについての目標搬送箇所が、次工程の処理装置1について保管用載置体28Bであるものを例示したが、これに限らず、目標搬送箇所は適宜設定可能であり、例えば、次工程の処理装置1についてのステーション7であってもよいし、図外のその他の搬送箇所であってもよい。
【0124】
(5)上記実施形態では、一対の物品載置体が移動経路の両脇に設けられているものを例示したが、これに代えて、一対の物品載置体が移動経路の片脇に上下に並ぶ状態で設けられているものであってもよい。
【0125】
(6)上記実施形態では、物品として、半導体基板を収納した容器5を搬送する物品処理設備を例示したが、搬送する物品は適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】物品処理設備の平面図
【図2】移動車とステーションとの側面図
【図3】移動車の側面図
【図4】移動車の縦断正面図
【図5】物品載置体の斜視図
【図6】引退位置における物品載置体の斜視図
【図7】突出位置における物品載置体の斜視図
【図8】引退位置における物品載置体の平面図
【図9】突出位置における物品載置体の平面図
【図10】指令別の物品の移動経路の一例を示す模式図
【図11】取出搬入指令及び搬出保管指令が同時に指令された場合の物品の移動経路の一例を示す模式図
【図12】取出搬入指令及び搬出保管指令が同時に指令された場合の物品の移動経路の一例を示す模式図
【図13】取出搬入指令及び搬出保管指令が同時に指令された場合の台車用制御部の制御動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0127】
S 出退操作手段
1 物品処理装置
2 案内レール
3 物品搬送体
4 物品保持部
28T 物品仮置き用の一対の物品載置体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品処理装置に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体に、物品保持する保持状態と物品の保持を解除する解除状態とに切換え自在な物品保持部が、昇降自在に設けられ、
運転制御手段が、前記物品処理装置の物品搬出入部に対して物品の搬出入を行うときには、前記物品移載箇所に停止させるべく前記物品搬送体の走行作動を制御し、且つ、前記物品搬出入部への物品の受け渡し又は前記物品搬出入部からの物品の受け取りを行うべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されている物品処理設備であって、
物品仮置き用の一対の物品載置体が、前記物品移載箇所に停止した前記物品搬送体に対して物品を授受すべく前記移動経路側に突出する突出位置と前記移動経路から離間する側に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、
前記運転制御手段が、前記物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を一対の前記物品載置体の一方に仮置きした後、前記物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の前記物品載置体の他方に仮置きし、次に、仮置きした前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すように、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、並びに、一対の前記物品載置体の出退作動を制御するように構成されている物品処理設備。
【請求項2】
前記運転制御手段が、前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡したのち、仮置きした前記搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送すべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、前記物品載置体の出退作動、並びに、前記物品搬送体の走行作動を制御するように構成されている請求項1記載の物品処理設備。
【請求項3】
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記物品載置体の出退作動のために前記出退操作手段の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載の物品処理設備。
【請求項4】
一対の前記物品載置体が、前記移動経路の両脇に設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の物品処理設備。
【請求項1】
物品処理装置に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体に、物品保持する保持状態と物品の保持を解除する解除状態とに切換え自在な物品保持部が、昇降自在に設けられ、
運転制御手段が、前記物品処理装置の物品搬出入部に対して物品の搬出入を行うときには、前記物品移載箇所に停止させるべく前記物品搬送体の走行作動を制御し、且つ、前記物品搬出入部への物品の受け渡し又は前記物品搬出入部からの物品の受け取りを行うべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動を制御するように構成されている物品処理設備であって、
物品仮置き用の一対の物品載置体が、前記物品移載箇所に停止した前記物品搬送体に対して物品を授受すべく前記移動経路側に突出する突出位置と前記移動経路から離間する側に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成され、
前記運転制御手段が、前記物品搬出入部に搬出用の物品が存在する状態において保持した搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すときには、保持した搬入用の物品を一対の前記物品載置体の一方に仮置きした後、前記物品搬出入部に位置する搬出用の物品を一対の前記物品載置体の他方に仮置きし、次に、仮置きした前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡すように、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、並びに、一対の前記物品載置体の出退作動を制御するように構成されている物品処理設備。
【請求項2】
前記運転制御手段が、前記搬入用の物品を前記物品搬出入部に受け渡したのち、仮置きした前記搬出用の物品を目標搬送箇所に搬送すべく、前記物品保持部の昇降作動及び前記物品保持部の前記保持状態と前記解除状態との切換え作動、前記物品載置体の出退作動、並びに、前記物品搬送体の走行作動を制御するように構成されている請求項1記載の物品処理設備。
【請求項3】
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記物品載置体の出退作動のために前記出退操作手段の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載の物品処理設備。
【請求項4】
一対の前記物品載置体が、前記移動経路の両脇に設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の物品処理設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−214072(P2008−214072A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57208(P2007−57208)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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