説明

物品収納用容器

【課題】手間とコストとをかけずに物品の押さえ構造を作ることができる物品収納容器を提供する。
【解決手段】頂部フラップ19に形成された第1押さえ構造26は、物品28の側面58に面で当接する第1当接部24と、第1当接部24を横方向から支える第1支持部25とを有する。第1当接部24は、フラップ19の自由端縁から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第1切離線とフラップ19を横方向へ延びる第2切離線とによってフラップ19から切り離されるとともに、フラップ19の自由端縁から頂壁16に向かって縦方向へ延びていて第2切離線の延出端につながる第1折曲線によって横方向内方へ折曲されて作られている。第1支持部25は、第1折曲線の下端から第1切離線の反対側に向かって横方向へ上がり勾配に傾斜してフラップ19の自由端縁に達する第2折曲線によって縦方向内方へ折曲されて作られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に所定の物品を収納する物品収納用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
頂壁と、頂壁に対向する底壁と、頂底壁の間に存在する各側壁とを備え、可撓性材料からなるシート部材をその一辺に沿って頂底壁のいずれか一方の内面に接合し、その接合部からシート部材を折り曲げることによって頂壁または底壁の内面から離れる方向へ弾性的習性を与えて押さえ板(押さえ構造)を形成し、その押さえ板が容器内に収納した物品を頂底壁のいずれかに向かって押圧する六面体の物品収納容器がある(特許文献1参照)。この容器は、物品をそこに収納したときに、押さえ板が広い面積で物品に接触するから、押さえ板の弾性的な押圧力と接触面における摩擦力とによって物品を支持することができ、容器内における物品の偏りを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願平9−5511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公報に開示の物品収納容器は、押さえ板によって容器内に物品を固定することができ、容器内に収納された物品の不用意な遊動を防ぐことができる。しかし、この容器は、押さえ板として容器とは別の可撓性シート部材が使用されており、そのシート部材の一辺を頂底壁のいずれか一方の内面に接合しつつ、その接合部からシート部材を折り曲げて押さえ板を作らなければならないから、押さえ機構付きの物品収納容器の製造に手間とコストとを要する。
【0005】
本発明の課題は、別部材からなる押さえ構造を別途取り付ける必要はなく、手間とコストとをかけずに物品の押さえ構造を作ることができる物品収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、可撓性を有する6つの壁が実質的に直交する六面体であり、それら壁が、互いに対向して縦方向へ延びる第1および第2側壁と、互いに対向して縦方向へ延びる第3および第4側壁と、第1側壁に連接されて頂部開口を開閉可能な頂壁と、第2側壁に連接されて底部開口を開閉可能な底壁とから形成され、頂壁に連接された頂部フラップと、底壁に連接された底部フラップとを有する物品収納容器である。
【0007】
前記前提における本発明の特徴として、頂部フラップには、容器に所定の物品を収納したときに、その物品の横方向の動きを押さえる第1押さえ構造が形成され、第1押さえ構造が、容器に収納された物品の一面に当接する第1当接部と、第1当接部を横方向から支える第1支持部とを有し、第1当接部が、頂部フラップの自由端縁から頂壁に向かって縦方向へ延びる第1切離線と第1切離線の下端につながって頂部フラップを横方向へ延びる第2切離線とによって頂部フラップから切り離されるとともに、第1切離線から横方向へ離間して頂部フラップの自由端縁から頂壁に向かって縦方向へ延びていて第2切離線の延出端につながる第1折曲線によって横方向内方へ折曲されて作られ、第1支持部が、第2切離線の延出端につながって第1折曲線の下端から第1切離線の反対側に向かって横方向へ上がり勾配に傾斜して頂部フラップの自由端縁に達する第2折曲線によって縦方向内方へ折曲されて作られていることにある。
【0008】
本発明の一例として、第1切離線と第1折曲線との間には、第1切離線から横方向へ離間した頂部フラップの自由端縁から第1切離線に達する第1切欠部が形成されている。
【0009】
本発明の他の一例として、物品収納容器では、第1折曲線と第2折曲線との交差角度が90度である。
【0010】
本発明の他の一例としては、容器に収納される物品が、容器の底壁の側に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と、容器の頂壁の側であって第1物品の上に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品とから形成され、物品収納容器では、第1押さえ構造の第1当接部が第2物品の側面に当接して第2物品の横方向の動きを押さえ、第2物品が容器の第3および第4側壁のいずれか一方と第1当接部との間に支持される。
【0011】
本発明の他の一例として、第1押さえ構造から横方向へ離間した頂部フラップには、容器に収納された物品の横方向の動きを押さえる第2押さえ構造が形成され、第2押さえ構造が、容器に収納された物品の一面に当接する第2当接部と、第2当接部を横方向から支える第2支持部とを有し、第2当接部が、頂部フラップの自由端縁から頂壁に向かって縦方向へ延びる第3切離線と第3切離線の下端につながって頂部フラップを横方向へ延びる第4切離線とによって頂部フラップから切り離されるとともに、第3切離線から横方向へ離間して頂部フラップの自由端縁から頂壁に向かって縦方向へ延びていて第4切離線の延出端につながる第3折曲線によって横方向内方へ折曲されて作られ、第2支持部が、第4切離線の延出端につながって第3折曲線の下端から第3切離線の反対側に向かって横方向へ上がり勾配に傾斜して頂部フラップの自由端縁に達する第4折曲線によって縦方向内方へ折曲されて作られている。
【0012】
本発明の他の一例として、第3切離線と第3折曲線との間には、第3切離線から横方向へ離間した頂部フラップの自由端縁から第3切離線に達する第2切欠部が形成されている。
【0013】
本発明の他の一例として、物品収納容器では、第3折曲線と第4折曲線との交差角度が90度である。
【0014】
本発明の他の一例としては、容器に収納される物品が、容器の底壁の側に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と、容器の頂壁の側であって第1物品の上に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品とから形成され、物品収納容器では、第1押さえ構造の第1当接部が第2物品の一方の側面に当接しつつ、第2押さえ構造の第2当接部が第2物品の他方の側面に当接して第2物品の横方向の動きを押さえ、第2物品が第1および第2当接部の間に支持される。
【0015】
本発明の他の一例としては、容器に収納される物品が、容器の底壁の側に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と、容器の頂壁の側であって第1物品の上に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2および第3物品とから形成され、物品収納容器では、第1押さえ構造の第1当接部が第2物品の側面に当接して第2物品の横方向の動きを押さえ、第2物品が容器の第3側壁と第1当接部との間に支持され、第2押さえ構造の第2当接部が第3物品の側面に当接して第3物品の横方向の動きを押さえ、第3物品が容器の第4側壁と第2当接部との間に支持される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る物品収納容器によれば、そこに収納した物品の横方向の動きを押さえる第1押さえ構造が頂部フラップに形成され、第1押さえ構造の第1当接部が物品の一面に当接しつつ第1支持部が第1当接部を横方向から支えるから、横寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい物品を容器に収納したときに、第1当接部や第1支持部によってその物品の横方向の動きが阻止され、物品を容器内に固定することができ、容器内における物品の不用意な遊動を防ぐことができる。物品収納容器は、その頂部フラップに第1押さえ機構が形成されるから、別部材からなる押さえ機構を容器に別途取り付ける必要はなく、別部材の押さえ機構を容器に取り付ける場合にかかる手間とコストとを削減することができ、押さえ機構を有する容器を低価格で製造することができる。
【0017】
第1切離線と第1折曲線との間に頂部フラップの自由端縁から第1切離線に達する第1切欠部が形成された物品収納容器は、頂部フラップの一部を第1および第2切離線から切り離すとともに第1折曲線で折曲することで第1当接部を作るときに、第1切欠部を利用して第1当接部となる部位を第1および第2切離線から容易に切り離すことができるとともに、第1切欠部を利用して第1折曲線で容易に折曲することができ、頂部フラップに第1切欠部が形成されていない場合と比較し、頂部フラップにおいて第1当接部を作るときの操作性が向上する。
【0018】
第1折曲線と第2折曲線との交差角度が90度である物品収納容器は、第1および第2切離線から切り離すとともに第1折曲線で折曲して第1当接部を作り、さらに、第2折曲線で折曲して第1支持部を作った後、頂部フラップを収納部に挿入したときに、第1当接部が各側壁と並行となって上下方向上方へ起立するから、第1当接部を物品の側面に面で当接させることができ、第1当接部が物品に点で当接する場合と比較し、物品の横方向の動きを第1当接部によって確実に阻止することができる。
【0019】
横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と第1物品の上に配置されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品とが収納され、第2物品を第3および第4側壁のいずれか一方と第1当接部との間に支持する物品収納容器は、第1押さえ構造の第1当接部が第2物品の側面に当接しつつ、第1支持部が第1当接部を横方向から支えることで、第2物品が容器の第3および第4側壁のいずれか一方と第1当接部との間に支持されるから、横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品を容器に収納したときに、第1当接部や第1支持部によって第2物品の横方向の動きが阻止され、第2物品を容器内に固定することができ、容器内のおける第2物品の不用意な遊動を防ぐことができる。物品収納容器は、横方向の寸法が異なる2種類の物品を容器に固定した状態で収納かつ陳列することができ、寸法が異なる2種類の物品のセット品としてそれら物品を1つの容器で一度に販売することができる。
【0020】
第1押さえ構造から横方向へ離間した頂部フラップに物品の横方向の動きを押さえる第2押さえ構造が形成され、第1押さえ構造に加えて第2押さえ構造の第2当接部が物品の一面に当接しつつ第2支持部が第2当接部を横方向から支えるから、横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい物品を容器に収納したときに、第1当接部および第1支持部や第2当接部および第2支持部によってその物品の横方向の動きが阻止され、物品を容器内に固定することができ、容器内のける物品の不用意な遊動を防ぐことができる。物品収納容器は、その頂部フラップに第1および第2押さえ機構が形成されるから、別部材からなる押さえ機構を容器に別途取り付ける必要はなく、別部材の押さえ機構を容器に取り付ける場合にかかる手間とコストとを削減することができ、第1および第2押さえ機構を有する容器を低価格で製造することができる。
【0021】
第3切離線と第3折曲線との間に頂部フラップの自由端縁から第3切離線に達する第2切欠部が形成された物品収納容器は、頂部フラップの一部を第3および第4切離線から切り離すとともに第3折曲線で折曲することで第2当接部を作るときに、第2切欠部を利用して第2当接部となる部位を第3および第4切離線から容易に切り離すことができるとともに、第2切欠部を利用して第3折曲線で容易に折曲することができ、頂部フラップに第2切欠部が形成されていない場合と比較し、頂部フラップにおいて第2当接部を作るときの操作性が向上する。
【0022】
第3折曲線と第4折曲線との交差角度が90度である物品収納容器は、第3および第4切離線から切り離すとともに第3折曲線で折曲して第2当接部を作り、さらに、第4折曲線で折曲して第2支持部を作った後、頂部フラップを収納部に挿入したときに、第2当接部が各側壁と並行となって上下方向上方へ起立するから、第2当接部を物品の側面に面で当接させることができ、第2当接部が物品に点で当接する場合と比較し、物品の横方向の動きを第2当接部によって確実に阻止することができる。
【0023】
横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と第1物品の上に配置されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品とが収納され、第2物品を第1および第2当接部の間に支持する物品収納容器は、第1押さえ構造の第1当接部と第2押さえ構造の第2当接部とが第2物品の側面に当接しつつ、第1支持部が第1当接部を横方向から支え、第2支持部が第2当接部を横方向から支えることで、第2物品が第1および第2当接部の間に支持されるから、横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品を容器に収納したときに、第1および第2当接部や第1および第2支持部によって第2物品の横方向の動きが阻止され、第2物品を容器内に固定することができ、容器内のおける第2物品の不用意な遊動を防ぐことができる。物品収納容器は、第2物品が第1および第2当接部の間に支持されるから、第2物品を第1物品の上方であってその略中央に配置することができ、それら物品が容器に収納されたときの見端を向上させることができる。物品収納容器は、横方向の寸法が異なる2種類の物品を容器に固定した状態で収納かつ陳列することができ、寸法が異なる2種類の物品のセット品としてそれら物品を1つの容器で一度に販売することができる。
【0024】
横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と第1物品の上に配置されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2および第3物品とが収納され、第2物品を第3側壁と第1当接部との間に支持し、第3物品を第4側壁と第2当接部との間に支持する物品収納容器は、第1押さえ構造の第1当接部が第2物品の側面に当接しつつ第1支持部が第1当接部を横方向から支え、第2押さえ構造の第2当接部が第3物品の側面に当接しつつ第2支持部が第2当接部を横方向から支えることで、第2物品が第3側壁と第1当接部との間に支持され、第3物品が第4側壁と第2当接部との間に支持されるから、横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2および第3物品を容器に収納したときに、第1および第2当接部や第1および第2支持部によって第2および第3物品の横方向の動きが阻止され、第2および第3物品を容器内に固定することができ、容器内のおける第2および第3物品の不用意な遊動を防ぐことができる。物品収納容器は、第2物品が第3側壁と第1当接部との間に支持され、第3物品が第4側壁と第2当接部との間に支持されるから、第2および第3物品を第1物品の上方であってその両側に配置することができ、それら物品が容器に収納されたときの見端を向上させることができる。物品収納容器は、横方向の寸法が異なる3種類の物品を容器に固定した状態で収納かつ陳列することができ、寸法が異なる3種類の物品のセット品としてそれら物品を1つの容器で一度に販売することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】一例として示す物品収納容器の展開平面図。
【図2】図1の物品収納容器における物品収納手順を示す説明図。
【図3】図2の状態から第1当接部と第1支持部とを作る手順を示す説明図。
【図4】内部に物品を収納した状態で示す物品収納容器の部分破断斜視図。
【図5】他の一例として示す物品収納容器の展開平面図。
【図6】図5の容器における物品収納手順を示す説明図。
【図7】図6の状態から第1および第2当接部と第1および第2支持部とを作る手順を示す説明図。
【図8】内部に物品を収納した状態で示す物品収納容器の部分破断斜視図。
【図9】他の一例として示す物品収納容器の展開平面図。
【図10】図9の容器における物品収納手順を示す説明図。
【図11】図10の状態から第1および第2当接部と第1および第2支持部とを作る手順を示す説明図。
【図12】内部に物品を収納した状態で示す物品収納容器の部分破断斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前記図1〜図4を参照し、本発明にかかる物品収納容器の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、図1〜図4では、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示し、前後方向を矢印C(図1を除く)で示す。物品収納容器10Aは、図2〜4に示すように、可撓性を有する6つの壁11,12,13,14,16,18が実質的に直交する六面体であり、その外観形状が上下方向へ長い略直方体に成形されている。
【0027】
物品収納容器10Aは、互いに対向かつ並行して上下方向へ延びる前側壁11(第1側壁)および後側壁12(第2側壁)と、前後側壁11,12の間に位置し、互いに対向かつ並行して上下方向へ延びる左側壁13(第3側壁)および右側壁14(第4側壁)と、頂部開口15を開閉可能な頂壁16と、底部開口17を開閉可能な底壁18と、頂部フラップ19および底部フラップ20と、各補助フラップ21,22とを有する。容器10Aでは、それら側壁11〜14と頂底壁16,18とのうちの隣接する壁11,12,13,14,16,18どうしが互いに直交するように折曲されている。容器10Aでは、それら側壁11〜14と頂底壁16,18とが略方形に成形されている。
【0028】
容器10Aには、それら壁11,12,13,14,16,18に囲繞された物品収納部23が画成されている。頂部フラップ19には、第1当接部24と第1支持部25とを有する第1押さえ構造26が形成されている。容器10Aは、頂部開口15から収納部23に後記する第1および第2物品27,28を収納した後、頂部開口15を閉じ、それを陳列棚に並べたり、フックに吊下げて陳列する。なお、容器10Aの外観形状を上下方向へ長い直方体に限定するものではなく、その外観形状が前後方向へ長い直方体あるいは立方体であってもよい。また、容器10Aの大きさに特に限定はなく、収納する物品に合わせてその大きさを適宜決定することができる。
【0029】
図1の展開平面図では、図の右方から左方へ向かって、前側壁11、右側壁13、後側壁12、左側壁14の順で並んでいる。前側壁11には、側縁29を介して糊代となる接合壁30が連接されている。前側壁11と右側壁13とは、側縁31を介して連接され、前側壁11と頂壁16とは、端縁32を介して連接されている。右側壁13と後側壁12とは、側縁33を介して連接され、後側壁12と左側壁14とは、側縁34を介して連接されている。後側壁12と底壁18とは、端縁35を介して連接されている。
【0030】
前側壁11の下端には、上下方向下方へ凸となる延長部36が形成されている。後側壁12の上端には、上下方向上方へ凸となる延長部37が形成されている。後側壁12は、上下方向の長さ寸法が前側壁11のそれよりも長い。後側壁12の延長部37には、フックを挿入する挿入孔38が形成されている。端縁35には、上下方向下方へ凸となる切り込み39が形成されている。頂壁16と頂部フラップ119とは、端縁40を介して連接され、底壁18と底部フラップ20とは、端縁41を介して連接されている。右側壁13の上下端縁42には、一対の補助フラップ21が連接され、左側壁14に上下端縁43には、一対の補助フラップ22が連接されている。
【0031】
頂部フラップ19には、その自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第1切離線45と、第1切離線45の下端46につながって頂部フラップ19を横方向へ延びる第2切離線47と、第1切離線45から横方向へ離間して頂部フラップ18の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第1折曲線48と、第2切離線47の延出端49につながって第1折曲線48の下端50から第1切離線45の反対側に向かって横方向へ延びる第2折曲線51とが形成されている。
【0032】
第1切離線45は、図1に示すように、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜している。第1切離線45は、頂部フラップ19の上下方向中央まで延びている。第2切離線47は、頂部フラップ19の横方向中央に形成されている。第1折曲線48は、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜し、第1切離線45と並行して頂部フラップ119の上下方向中央まで延び、第2切離線47の延出端49につながっている。第2折曲線51は、第1折曲線48の下端50から横方向へ上がり勾配に傾斜して頂部フラップ19の自由端縁44に達している。容器10Aでは、第1折曲線48と第2折曲線51との交差角度αが90度に調節されている。
【0033】
第1切離線45と第1折曲線48との間には、第1切離線45から横方向へ離間した頂部フラップ19の自由端縁44から第1切離線45に達する第1切欠部52が形成されている。容器10Aでは、第1切離線45と第2切離線47と第1折曲線48とに囲繞された部位53が第1当接部24となり、第1折曲線48と第2折曲線51とに囲繞された部位54が第1支持部25となる。なお、図1の展開図では、第1当接部24となる部位53が第1切離線45と第2切離線47とを介して頂部フラップ19に切離可能につながっており、かつ、第1折曲線48で折曲されていない。また、第1支持部25となる部位54が第2折曲線51で折曲されていない。
【0034】
図1の展開平面図から容器10Aを組み立てる手順は、以下のとおりである。接合壁30が前側壁11に対して直交するように、接合壁30を側縁29において折曲し、前側壁11が右側壁13に対して直交するように、前側壁11を側縁31において折曲する。次に、右側壁13が後側壁12に対して直交するように、右側壁13を側縁33において折曲し、後側壁12が左側壁14に対して直交するように、後側壁12を側縁34において折曲する。それら側壁11,12,13,14,16,18と接合壁30とを折曲した後は、接合壁30が外側になるように左側壁14と接合壁30とを重ね合わせ、それら壁14,30どうしを固着する。
【0035】
左側壁14と接合壁30とを固着した後、各フラップ21が右側壁13に対して直交するように、それらフラップ21を端縁42において折曲し、各フラップ22が左側壁14に対して直交するように、それらフラップ22を端縁43において折曲する。次に、底壁18が後側壁12に対して直交するように、底壁18を端縁35において折曲し、底部フラップ20が底壁18に対して直交するように、フラップ20を端縁41において折曲する。フラップ21,22は、底壁18の内側に位置する。底部フラップ20を折曲した後は、そのフラップ20を前側壁11の内側に挿入し、底壁18とフラップ20とで底部開口17を閉じる。
【0036】
図2の容器10Aに第1および第2物品27,28を収納し、頂部開口15を閉じる手順は、以下のとおりである。容器10Aの頂部開口15から物品収納部23に第1物品27を収納した後、収納部23に第2物品28を収納する。第1物品27は、横方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれと略同一であり、上下方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれの略半分である。第1物品27は、それが収納部23に収納されたときに、その両側面55,56が第3および第4側壁13,14に当接し、横方向の動きがそれら側壁13,14によって阻止される。第2物品28は、横方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれよりも小さく(横方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれの略半分)、上下方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれの略半分である。収納部23には、第2物品28を第1物品27の上であって、第2物品28の側面57を第3側壁13に当接させた状態で収納する。
【0037】
それら物品27,28を収納した後、第1切欠部52に指をかけ、第1切離線45と第2切離線47と第1折曲線48とに囲繞された部位53を第1切離線45と第2切離線47とによって頂部フラップ19から切り離した後、その部位53を第1折曲線48で横方向内方へ折曲し、第1当接部24を作る。次に、第1折曲線48と第2折曲線51とに囲繞された部位54を第2折曲線51で上下方向下方へ折曲し、第1支持部25を作り、頂部フラップ19に第1押さえ構造26を形成する。第1当接部24は、第1支持部25に対して略直角に折り曲げられる。第1支持部25は、フラップ19に対して略直角に折り曲げられる。
【0038】
第1当接部24と第1支持部25とを作った後は、頂壁16が前側壁11に対して直交するように、頂壁16を端縁32において折曲し、頂部フラップ19が頂壁16に対して直交するように、フラップ19を端縁40において折曲する。フラップ21,22は、頂壁16の内側に位置する。頂部フラップ19を折曲した後は、そのフラップ19を後側壁12の内側であって収納部23に挿入し、頂壁16とフラップ19とで頂部開口15を閉じる。
【0039】
頂部フラップ19を後側壁12の内側に挿入し、頂部開口15を閉じると、図4に示すように、第1押さえ構造26の第1当接部24が各側壁11〜14と並行となって第2物品28の側面58に面で当接しつつ、第1支持部25が頂壁16と並行となって第1当接部24を横方向から支える(第1当接部24を横方向へ押圧する)。収納部23では、第1当接部24や第1支持部25によって第2物品28の横方向の動きが阻止され、第2物品28が容器10Aの右側壁13と第1当接部24との間に支持される。
【0040】
後側壁12の延長部37に形成された挿入孔38にフックを挿入することで、容器10Aをフックに吊下げることができる。また、容器10Aを陳列棚に起立させて並べることができる。第1および第2物品27,28を容器10Aから取り出すには、頂部フラップ19を収納部23から引き抜き、頂部開口15を開ける。頂部フラップ19を収納部23から引き抜くと、第1当接部24が第2物品28の側面58から離れ、第2物品28の固定が解除される。第2物品28を収納部23から取り出した後、第1物品27を収納部23から取り出す。
【0041】
物品収納容器10Aは、第1当接部24が第2物品28の側面58に面で当接しつつ、第1支持部25が第1当接部24を横方向から支えることで、第2物品28が容器10Aの右側壁13と第1当接部24との間に支持されるから、横方向の寸法が前後側壁11,12のそれよりも小さい第2物品28を容器10Aに収納したときに、第1当接部24や第1支持部25によって第2物品28の横方向の動きが確実に阻止され、第2物品28を容器10A内に固定することができ、容器10A内のおけるそれら物品27,28の不用意な遊動を防ぐことができる。物品収納容器10Aは、横方向の寸法が異なる2種類の物品27,28を容器10Aに固定した状態で収納かつ陳列することができ、寸法が異なる2種類の物品27,28のセット品としてそれら物品27,28を1つの容器10Aで一度に販売することができる。
【0042】
物品収納容器10Aは、第1切離線45と第1折曲線48との間に頂部フラップ19の自由端縁44から第1切離線45に達する第1切欠部52が形成されているから、頂部フラップ19の部位53を第1および第2切離線45,47から切り離すとともに第1折曲線48で折曲することで第1当接部24を作るときに、第1切欠部52を利用して第1当接部24となる部位53を第1および第2切離線45,47から容易に切り離すことができるとともに、第1切欠部52を利用して第1折曲線48で容易に折曲することができ、頂部フラップ19に第1切欠部52が形成されていない場合と比較し、頂部フラップ19において第1当接部24を作るときの操作性が向上する。
【0043】
物品収納容器10Aは、第1折曲線48と第2折曲線51との交差角度αが90度に調節されているから、第1および第2切離線45,47から切り離すとともに第1折曲線48で折曲して第1当接部24を作り、さらに、第2折曲線51で折曲して第1支持部25を作った後、頂部フラップ19を収納部23に挿入したときに、第1当接部24が各側壁11〜14と並行となって上下方向上方へ起立する。ゆえに、第1当接部24を第2物品28の側面58に面で当接させることができ、第1当接部24が第2物品28に点で当接する場合と比較し、第2物品28の横方向の動きを第1当接部24によって確実に阻止することができる。
【0044】
前記図5〜図8を参照し、物品収納容器の他の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、図5〜図8では、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示し、前後方向を矢印C(図5を除く)で示す。物品収納容器10Bは、図6〜8に示すように、可撓性を有する6つの壁11,12,13,14,16,18が実質的に直交する六面体であり、その外観形状が上下方向へ長い略直方体に成形されている。この容器10Bが図1〜図4に示す容器10Aと異なるのは、頂部フラップ19に第1当接部24と第1支持部25とを有する第1押さえ構造25が形成されていることの他に、第2当接部59と第2支持部60とを有する第2押さえ構造61が形成されている点にある。なお、この容器10Bのその他の構成は図1〜図4の容器10Aのそれらと同一であるから、図1〜図4と同一の符号を付すことで、この容器10Bのその他の構成の説明は省略する。
【0045】
この容器10Bでは、図5に示すように、頂部フラップ19を横方向に二分する仮想中心線L1の横方向右方に第1当接部24や第1支持部25となる部位53,54が形成され、仮想中心線L1の横方向左方に第2当接部59や第2支持部60となる部位62,63が形成されている。容器10Bでは、それら部位53,54,62,63が仮想中心線L1を挟んで左右対称に作られている。
【0046】
頂部フラップ19の仮想中心線L1の横方向右方には、フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第1切離線45と、第1切離線45の下端46につながって頂部フラップ19を横方向へ延びる第2切離線47と、第1切離線45から横方向へ離間して頂部フラップ18の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第1折曲線48と、第2切離線47の延出端49につながって第1折曲線48の下端50から第1切離線45の反対側に向かって横方向へ延びる第2折曲線51とが形成されている。
【0047】
第1切離線45は、図5に示すように、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜している。第1切離線45は、頂部フラップ19の上下方向中央まで延びている。第2切離線47は、頂部フラップ19の横方向中央に形成されている。第1折曲線48は、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜し、第1切離線45と並行して頂部フラップ19の上下方向中央まで延び、第2切離線47の延出端49につながっている。第2折曲線51は、第1折曲線48の下端50から横方向へ上がり勾配に傾斜して頂部フラップ19の自由端縁44に達している。容器10Aでは、第1折曲線48と第2折曲線51との交差角度α1が90度に調節されている。第1切離線45と第1折曲線48との間には、第1切離線45から横方向へ離間した頂部フラップ19の自由端縁44から第1切離線45に達する第1切欠部52が形成されている。
【0048】
頂部フラップ19の仮想中心線L1の横方向左方には、フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第3切離線64と、第3切離線64の下端65につながって頂部フラップ19を横方向へ延びる第4切離線66と、第3切離線64から横方向へ離間して頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第3折曲線67と、第4切離線66の延出端68につながって第3折曲線67の下端69から第3切離線64の反対側に向かって横方向へ延びる第4折曲線70とが形成されている。
【0049】
第3切離線64は、図5に示すように、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め左方に下り勾配に傾斜している。第3切離線64は、頂部フラップ19の上下方向中央まで延びている。第4切離線66は、頂部フラップ19の横方向中央に形成されている。第3折曲線67は、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め左方に下り勾配に傾斜し、第3切離線64と並行して頂部フラップ19の上下方向中央まで延び、第4切離線66の延出端68につながっている。第4折曲線70は、第3折曲線67の下端69から横方向へ上がり勾配に傾斜して頂部フラップ19の自由端縁44に達している。容器10Bでは、第3折曲線67と第4折曲線70との交差角度α2が90度に調節されている。第3切離線64と第3折曲線67との間には、第3切離線64から横方向へ離間した頂部フラップ19の自由端縁44から第3切離線64に達する第2切欠部71が形成されている。
【0050】
容器10Bでは、第1切離線45と第2切離線47と第1折曲線48とに囲繞された部位53が第1当接部24となり、第1折曲線48と第2折曲線51とに囲繞された部位54が第1支持部25となる。第3切離線64と第4切離線66と第3折曲線67とに囲繞された部位62が第2当接部59となり、第3折曲線67と第4折曲線70とに囲繞された部位63が第2支持部60となる。なお、図5の展開図では、第1当接部24となる部位53が第1切離線45と第2切離線47とを介して頂部フラップ19に切離可能につながっており、第1折曲線48で折曲されていない。また、第1支持部25となる部位54が第2折曲線51で折曲されていない。さらに、第2当接部59となる部位62が第3切離線64と第4切離線66とを介して頂部フラップ19に切離可能につながっており、第3折曲線67で折曲されていない。また、第2支持部60となる部位63が第4折曲線70で折曲されていない。
【0051】
図5の展開平面図から容器10Bを組み立てる手順は、図1の展開平面図から容器10Aを組み立てる手順と同一である。図6の容器10Bに第1および第2物品27,28を収納し、頂部開口15を閉じる手順は、以下のとおりである。容器10Bの頂部開口15から物品収納部23に第1物品27を収納した後、収納部23に第2物品28を収納する。第1物品27は、横方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれと略同一であり、上下方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれの略半分である。第1物品27は、それが収納部23に収納されたときに、その両側面55,56が左右側壁13,14に当接し、横方向の動きがそれら側壁13,14によって阻止される。第2物品28は、横方向の寸法が前後側壁11,12のそれよりも小さく、上下方向の寸法が前後側壁11,12のそれの略半分である。収納部23には、第2物品28を第1物品27の上であって前後壁11,12の略中央に位置させた状態で収納する。
【0052】
それら物品27,28を収納した後、第1切欠部52に指をかけ、第1切離線45と第2切離線47と第1折曲線48とに囲繞された部位53を第1切離線45と第2切離線47とによって頂部フラップ19から切り離した後、その部位53を第1折曲線48で横方向内方へ折曲し、第1当接部24を作る。次に、第1折曲線48と第2折曲線51とに囲繞された部位54を第2折曲線51で上下方向下方へ折曲し、第1支持部25を作り、頂部フラップ19に第1押さえ構造26を形成する。
【0053】
さらに、第2切欠部71に指をかけ、第3切離線64と第4切離線66と第3折曲線67とに囲繞された部位62を第3切離線64と第4切離線66とによって頂部フラップ19から切り離した後、その部位62を第3折曲線67で横方向内方へ折曲し、第2当接部59を作る。次に、第3折曲線67と第4折曲線70とに囲繞された部位63を第4折曲線70で上下方向下方へ折曲し、第2支持部60を作り、頂部フラップ19に第2押さえ構造61を形成する。
【0054】
第1当接部24は、第1支持部25に対して略直角に折り曲げられる。第1支持部25は、フラップ19に対して略直角に折り曲げられる。第2当接部59は、第2支持部60に対して略直角に折り曲げられる。第2支持部60は、フラップ19に対して略直角に折り曲げられる。第1当接部24や第1支持部25、第2当接部59、第2支持部60を作った後は、頂壁16が前側壁11に対して直交するように、頂壁16を端縁32において折曲し、頂部フラップ19が頂壁16に対して直交するように、フラップ19を端縁40において折曲する。フラップ21,22は、頂壁16の内側に位置する。頂部フラップ19を折曲した後は、そのフラップ19を後側壁12の内側であって収納部23に挿入し、頂壁16とフラップ19とで頂部開口15を閉じる。
【0055】
頂部フラップ19を後側壁12の内側に挿入し、頂部開口15を閉じると、図8に示すように、第1押さえ構造26の第1当接部24が各側壁11〜14と並行となって第2物品28の側面58に面で当接しつつ、第1支持部25が頂壁16と並行となって第1当接部24を横方向から支える(第1当接部24を横方向へ押圧する)。さらに、第2押さえ構造61の第2当接部59が各側壁11〜14と並行となって第2物品28の側面57に面で当接しつつ、第2支持部60が頂壁16と並行となって第2当接部59を横方向から支える(第2当接部59を横方向へ押圧する)。収納部23では、第1当接部24や第1支持部25、第2当接部59、第2支持部60によって第2物品28の横方向の動きが阻止され、第2物品28が第1当接部24と第2当接部59との間であって容器10Bの略中央に支持される。
【0056】
後側壁12の延長部37に形成された挿入孔38にフックを挿入することで、容器10Bをフックに吊下げることができる。また、容器10Bを陳列棚に起立させて並べることができる。第1および第2物品27,28を容器10Bから取り出すには、頂部フラップ19を収納部23から引き抜き、頂部開口15を開ける。頂部フラップ19を収納部23から引き抜くと、第1当接部24が第2物品28の側面58から離れるとともに、第2当接部59が第2物品28の側面57から離れ、第2物品28の固定が解除される。第2物品28を収納部23から取り出した後、第1物品27を収納部23から取り出す。
【0057】
物品収納容器10Bは、第1および第2当接部24,59が第2物品28の側面57,58に面で当接しつつ、第1および第2支持部25,60がそれら当接部24,59を横方向から支えることで、第2物品28が第1当接部24と第2当接部59との間に支持されるから、横方向の寸法が第1および前後側壁11,12のそれよりも小さい第2物品28を容器10Bに収納したときに、第1および第2当接部24,59や第1および第2支持部25,60によって第2物品28の横方向の動きが確実に阻止され、第2物品28を容器10B内に固定することができ、容器10B内のおけるそれら物品27,28の不用意な遊動を防ぐことができる。
【0058】
物品収納容器10Bは、第2物品28が第1および第2当接部24,59の間に支持されるから、第2物品28を第1物品27の上方であって前後側壁11,12の略中央に配置することができ、それら物品27,28が容器10Bに収納されたときの見端を向上させることができる。物品収納容器10Bは、横方向の寸法が異なる2種類の物品27,28を容器10Bに固定した状態で収納かつ陳列することができ、寸法が異なる2種類の物品27,28のセット品としてそれら物品27,28を1つの容器10Bで一度に販売することができる。
【0059】
物品収納容器10Bは、第1切離線45と第1折曲線48との間に頂部フラップ19の自由端縁44から第1切離線45に達する第1切欠部52が形成されているから、頂部フラップ19の部位53を第1および第2切離線45,47から切り離すとともに第1折曲線48で折曲することで第1当接部24を作るときに、第1切欠部52を利用して第1当接部24となる部位53を第1および第2切離線45,47から容易に切り離すことができるとともに、第1切欠部52を利用して第1折曲線48で容易に折曲することができる。また、第3切離線64と第3折曲線67との間に頂部フラップ19の自由端縁44から第3切離線64に達する第2切欠部71が形成されているから、頂部フラップ19の部位62を第3および第4切離線64,66から切り離すとともに第3折曲線67で折曲することで第2当接部59を作るときに、第2切欠部71を利用して第2当接部59となる部位62を第3および第4切離線64,66から容易に切り離すことができるとともに、第2切欠部71を利用して第3折曲線67で容易に折曲することができる。物品収納容器10Bは、頂部フラップ19に第1および第2切欠部52,71が形成されていない場合と比較し、頂部フラップ19において第1当接部24や第2当接部59を作るときの操作性が向上する。
【0060】
物品収納容器10Bは、第1折曲線48と第2折曲線51との交差角度α1が90度に調節されているから、第1および第2切離線45,47から切り離すとともに第1折曲線48で折曲して第1当接部24を作り、さらに、第2折曲線51で折曲して第1支持部25を作った後、頂部フラップ19を収納部23に挿入したときに、第1当接部24が各側壁11〜14と並行となって上下方向上方へ起立する。ゆえに、第1当接部24を第2物品28の側面58に面で当接させることができ、第1当接部24が第2物品28に点で当接する場合と比較し、第2物品28の横方向の動きを第1当接部24によって確実に阻止することができる。
【0061】
物品収納容器10Aは、第3折曲線67と第4折曲線70との交差角度α2が90度に調節されているから、第3および第4切離線64,66から切り離すとともに第3折曲線67で折曲して第2当接部59を作り、さらに、第4折曲線70で折曲して第2支持部60を作った後、頂部フラップ19を収納部23に挿入したときに、第2当接部59が各側壁11〜14と並行となって上下方向上方へ起立する。ゆえに、第2当接部59を第2物品28の側面57に面で当接させることができ、第2当接部59が第2物品28に点で当接する場合と比較し、第2物品28の横方向の動きを第2当接部59によって確実に阻止することができる。
【0062】
前記図9〜図12を参照し、物品収納容器の他の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、図9〜図12では、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示し、前後方向を矢印C(図9を除く)で示す。物品収納容器10Cは、図10〜12に示すように、可撓性を有する6つの壁11,12,13,14,16,18が実質的に直交する六面体であり、その外観形状が上下方向へ長い略直方体に成形されている。この容器10Cが図1〜図4に示す容器10Aと異なるのは、頂部フラップ19に第1当接部24と第1支持部25とを有する第1押さえ構造26が形成されていることの他に第2当接部59と第2支持部60とを有する第2押さえ構造61が形成されている点、物品収納部23に第1〜第3物品27,28,72が収納される点にある。なお、この容器10Cのその他の構成は図1〜図4の容器10Aのそれらと同一であるから、図1〜図4と同一の符号を付すことで、この容器10Cのその他の構成の説明は省略する。
【0063】
この容器10Cでは、図9に示すように、頂部フラップ19を横方向に二分する仮想中心線L1の横方向左方に第1当接部24や第1支持部25となる部位53,54が形成され、仮想中心線L1の横方向右方に第2当接部59や第2支持部60となる部位62,63が形成されている。容器10Cでは、それら部位53,54,62,63が仮想中心線L1を挟んで左右対称に作られている。頂部フラップ19の仮想中心線L1の横方向左方には、フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第1切離線45と、第1切離線45の下端46につながって頂部フラップ19を横方向へ延びる第2切離線47と、第1切離線45から横方向へ離間して頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第1折曲線48と、第2切離線47の延出端49につながって第1折曲線48の下端50から第1切離線の45反対側(仮想中心線L1)に向かって横方向へ延びる第2折曲線51とが形成されている。
【0064】
第1切離線45は、図9に示すように、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜している。第1切離線45は、頂部フラップ19の上下方向中央まで延びている。第2切離線47は、頂部フラップ19の横方向中央に形成されている。第1折曲線48は、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜し、第1切離線45と並行して頂部フラップ19の上下方向中央まで延び、第2切離線47の延出端49につながっている。第2折曲線51は、第1折曲線48の下端50から横方向へ上がり勾配に傾斜して頂部フラップ19の自由端縁44に達している。容器10Cでは、第1折曲線48と第2折曲線51との交差角度α1が90度に調節されている。第1切離線45と第1折曲線48との間には、第1切離線45から横方向へ離間した頂部フラップ19の自由端縁44から第1切離線45に達する第1切欠部52が形成されている。
【0065】
頂部フラップ19の仮想中心線L1の横方向右方には、フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第3切離線64と、第3切離線64の下端65につながって頂部フラップ19を横方向へ延びる第4切離線66と、第3切離線64から横方向へ離間して頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって縦方向へ延びる第3折曲線67と、第4切離線66の延出端68につながって第3折曲線67の下端69から第3切離線66の反対側(仮想中心線L1)に向かって横方向へ延びる第4折曲線70とが形成されている。
【0066】
第3切離線64は、図9に示すように、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜している。第3切離線64は、頂部フラップ19の上下方向中央まで延びている。第4切離線66は、頂部フラップ19の横方向中央に形成されている。第3折曲線67は、頂部フラップ19の自由端縁44から頂壁16に向かって斜め右方に下り勾配に傾斜し、第3切離線64と並行して頂部フラップ19の上下方向中央まで延び、第4切離線66の延出端68につながっている。第4折曲線70は、第3折曲線67の下端69から横方向へ上がり勾配に傾斜して頂部フラップ19の自由端縁44に達している。容器10Cでは、第3折曲線67と第4折曲線70との交差角度α2が90度に調節されている。第3切離線64と第3折曲線67との間には、第3切離線64から横方向へ離間した頂部フラップ19の自由端縁44から第3切離線64に達する第2切欠部71が形成されている。
【0067】
容器10Cでは、第1切離線45と第2切離線47と第1折曲線48とに囲繞された部位53が第1当接部24となり、第1折曲線48と第2折曲線51とに囲繞された部位54が第1支持部25となる。第3切離線64と第4切離線66と第3折曲線67とに囲繞された部位62が第2当接部59となり、第3折曲線67と第4折曲線70とに囲繞された部位63が第2支持部60となる。なお、図9の展開図では、第1当接部24となる部位53が第1切離線45と第2切離線47とを介して頂部フラップ19に切離可能につながっており、かつ、第1折曲線48で折曲されていない。また、第1支持部25となる部位54が第2折曲線51で折曲されていない。さらに、第2当接部59となる部位62が第3切離線64と第4切離線66とを介して頂部フラップ19に切離可能につながっており、かつ、第3折曲線67で折曲されていない。また、第2支持部60となる部位63が第4折曲線70で折曲されていない。
【0068】
図9の展開平面図から容器10Cを組み立てる手順は、図1の展開平面図から容器10Aを組み立てる手順と同一である。図10の容器10Cに第1〜第3物品27,28,72を収納し、頂部開口15を閉じる手順は、以下のとおりである。容器10Cの頂部開口15から物品収納部23に第1物品27を収納した後、収納部23に第2および第3物品28,72を収納する。第1物品27は、横方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれと略同一であり、上下方向の寸法が第1および第2側壁11,12のそれの略半分である。第1物品27は、それが収納部23に収納されたときに、その両側面55,56が第3および第4側壁13,14に当接し、横方向の動きがそれら側壁13,14によって阻止される。第2および第3物品28,71は、横方向の寸法が前後側壁11,12のそれよりも小さく、上下方向の寸法が前後側壁11,12のそれの略半分である。収納部23には、第2物品28を第1物品27の上であってその側面57を第3側壁13に当接させた状態で収納し、第3物品72を第1物品27の上であってその側面74を第4側壁14に当接させた状態で収納する。
【0069】
それら物品27,28,72を収納した後、第1切欠部52に指をかけ、第1切離線45と第2切離線47と第1折曲線48とに囲繞された部位53を第1切離線45と第2切離線47とによって頂部フラップ19から切り離した後、その部位53を第1折曲線48で横方向内方へ折曲し、第1当接部24を作る。次に、第1折曲線48と第2折曲線51とに囲繞された部位54を第2折曲線51で上下方向下方へ折曲し、第1支持部25を作り、頂部フラップ19に第1押さえ構造26を形成する。
【0070】
さらに、第2切欠部71に指をかけ、第3切離線64と第4切離線66と第3折曲線67とに囲繞された部位62を第3切離線64と第4切離線66とによって頂部フラップ19から切り離した後、その部位62を第3折曲線67で横方向内方へ折曲し、第2当接部59を作る。次に、第3折曲線67と第4折曲線70とに囲繞された部位63を第4折曲線70で上下方向下方へ折曲し、第2支持部60を作り、頂部フラップ19に第2押さえ構造61を形成する。
【0071】
第1当接部24は、第1支持部25に対して略直角に折り曲げられる。第1支持部25は、フラップ19に対して略直角に折り曲げられる。第2当接部59は、第2支持部60に対して略直角に折り曲げられる。第2支持部60は、フラップ19に対して略直角に折り曲げられる。第1当接部24や第1支持部25、第2当接部59、第2支持部60を作った後は、頂壁16が前側壁11に対して直交するように、頂壁16を端縁32において折曲し、頂部フラップ19が頂壁16に対して直交するように、フラップ19を端縁40において折曲する。フラップ21,22は、底壁18の内側に位置する。頂部フラップ19を折曲した後は、そのフラップ19を後側壁12の内側であって収納部23に挿入し、頂壁16とフラップ19とで頂部開口15を閉じる。
【0072】
頂部フラップ19を後側壁12の内側に挿入し、頂部開口15を閉じると、図12に示すように、第1押さえ構造26の第1当接部24が各側壁11〜14と並行となって第2物品28の側面58に面で当接しつつ、第1支持部24が頂壁16と並行となって第1当接部24を横方向から支える(第1当接部24を横方向へ押圧する)。さらに、第2押さえ構造61の第2当接部59が各側壁11〜14と並行となって第3物品72の側面73に面で当接しつつ、第2支持部60が頂壁16と並行となって第2当接部59を横方向から支える(第2当接部59を横方向へ押圧する)。収納部23では、第1当接部24や第1支持部25によって第2物品28の横方向の動きが阻止され、第2物品28が右側壁13と第1当接部24との間に支持されるとともに、第2当接部59や第2支持部60によって第3物品72の横方向の動きが阻止され、第3物品72が左側壁14と第2当接部59との間に支持される。
【0073】
後側壁12の延長部37に形成された挿入孔38にフックを挿入することで、容器10Cをフックに吊下げることができる。また、容器10Cを陳列棚に起立させて並べることができる。第1〜第3物品27,28,72を容器10Cから取り出すには、頂部フラップ19を収納部23から引き抜き、頂部開口15を開ける。頂部フラップ19を収納部23から引き抜くと、第1当接部24が第2物品28の側面58から離れ、第2物品28の固定が解除され、第2当接部59が第3物品72の側面73から離れ、第3物品72の固定が解除される。第2および第3物品27,72を収納部23から取り出した後、第1物品27を収納部23から取り出す。
【0074】
物品収納容器10Cは、第1および第2当接部24,59が第2および第3物品28,72の側面58,73に面で当接しつつ、第1および第2支持部25,60がそれら当接部24、59を横方向から支えることで、第2物品28が右側壁13と第1当接部24との間に支持され、第3物品72が左側壁14と第2当接部59との間に支持されるから、横方向の寸法が前後側壁11,12のそれよりも小さい第2および第3物品28,72を容器10Cに収納したときに、第1および第2当接部24,59や第1および第2支持部25,60によって第2および第3物品28,72の横方向の動きが確実に阻止され、それら物品28,72を容器10C内に固定することができ、容器10C内のおけるそれら物品27,28,72の不用意な遊動を防ぐことができる。
【0075】
物品収納容器10Cは、第2物品28が右側壁13と第1当接部24との間に支持され、第3物品72が左側壁14と第2当接部59との間に支持されるから、第2物品28を第1物品27の上方であって右側壁13の側に配置することができ、第3物品72を第1物品27の上方であって左側壁14の側に配置することができ、それら物品27,28,72が容器10Cに収納されたときの見端を向上させることができる。物品収納容器10Cは、横方向の寸法が異なる3種類の物品27,28,72を容器10Cに固定した状態で収納かつ陳列することができ、寸法が異なる3種類の物品27,28,72のセット品としてそれら物品27,28,72を1つの容器10Cで一度に販売することができる。
【0076】
物品収納容器10Cは、第1切離線45と第1折曲線48との間に頂部フラップ19の自由端縁44から第1切離線45に達する第1切欠部52が形成されているから、頂部フラップ19の部位53を第1および第2切離線45,47から切り離すとともに第1折曲線48で折曲することで第1当接部24を作るときに、第1切欠部52を利用して第1当接部24となる部位53を第1および第2切離線45,47から容易に切り離すことができるとともに、第1切欠部52を利用して第1折曲線48で容易に折曲することができる。
【0077】
物品収納容器10Cは、第3切離線64と第3折曲線67との間に頂部フラップ19の自由端縁44から第3切離線64に達する第2切欠部71が形成されているから、頂部フラップ19の部位62を第3および第4切離線64,66から切り離すとともに第3折曲線67で折曲することで第2当接部59を作るときに、第2切欠部71を利用して第2当接部59となる部位62を第3および第4切離線64,66から容易に切り離すことができるとともに、第2切欠部71を利用して第3折曲線67で容易に折曲することができる。物品収納容器10Cは、頂部フラップ19に第1および第2切欠部52,71が形成されていない場合と比較し、頂部フラップ19において第1当接部24や第2当接部59を作るときの操作性が向上する。
【0078】
物品収納容器10Cは、第1折曲線48と第2折曲線51との交差角度α1が90度に調節されているから、第1および第2切離線45,47から切り離すとともに第1折曲線48で折曲して第1当接部24を作り、さらに、第2折曲線51で折曲して第1支持部25を作った後、頂部フラップ19を収納部23に挿入したときに、第1当接部24が各側壁11〜14と並行となって上下方向上方へ起立する。ゆえに、第1当接部24を第2物品28の側面58に面で当接させることができ、第1当接部24が第2物品28に点で当接する場合と比較し、第2物品28の横方向の動きを第1当接部24によって確実に阻止することができる。
【0079】
物品収納容器10Cは、第3折曲線67と第4折曲線70との交差角度α2が90度に調節されているから、第3および第4切離線64,66から切り離すとともに第3折曲線67で折曲して第2当接部59を作り、さらに、第4折曲線70で折曲して第2支持部60を作った後、頂部フラップ19を収納部23に挿入したときに、第2当接部59が各側壁11〜14と並行となって上下方向上方へ起立する。ゆえに、第2当接部59を第3物品72の側面73に面で当接させることができ、第2当接部59が第3物品72に点で当接する場合と比較し、第3物品72の横方向の動きを第2当接部59によって確実に阻止することができる。
【0080】
容器10A〜10Cの材質としては、クラフト紙やグラシン紙等の紙、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂から形成されたプラスチックシート、または、紙とプラスチックシートとをラミネートした複合シートのいずれかを使用することができる。左側壁14と接合部30との固着には、接着剤の他に、ヒートシールや超音波接合等の熱による溶着手段を利用することができる。それら容器10A〜10Cでは、フラップ19に第1切欠部52や第2切欠部71が形成されていなくてもよい。
【0081】
それら容器10A〜10Cでは、前側壁11が請求の範囲における第1側壁に相当し、後側壁12が請求の範囲における第2側壁に相当するとともに、左右側壁13,14が請求の範囲における第3および第4側壁に相当する。ただし、それら側壁11〜14が請求の範囲における第1〜第4側壁を直ちに意味するものではなく、それら側壁11〜14のうちのいずれかを請求の範囲における第1側壁とすることができる。たとえば、後側壁12を第1側壁とした場合は、前側壁11が第2側壁となり、左右側壁13,14が第3および第4側壁となる。また、左側壁14を第1側壁とした場合は、右側壁13が第2側壁となり、前後側壁11,12が第3および第4側壁となる。
【符号の説明】
【0082】
10A 物品収納容器
10B 物品収納容器
10C 物品収納容器
11 前側壁(第1側壁)
12 後側壁(第2側壁)
13 右側壁(第3側壁)
14 左側壁(第4側壁)
15 頂部開口
16 頂壁
17 底部開口
18 底壁
19 頂部フラップ
23 物品収納部
24 第1当接部
25 第1支持部
26 第1押さえ構造
27 第1物品
28 第2物品
44 自由端縁
45 第1切離線
46 下端
47 第2切離線
48 第1折曲線
49 延出端
50 下端
51 第2折曲線
52 第1切欠部
53 部位
54 部位
59 第2当接部
60 第2支持部
61 第2押さえ構造
62 部位
63 部位
64 第3切離線
65 下端
66 第4切離線
67 第3折曲線
68 延出端
69 下端
70 第4折曲線
71 第2切欠部
72 第3物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する6つの壁が実質的に直交する六面体であり、それら壁が、互いに対向して縦方向へ延びる第1および第2側壁と、互いに対向して縦方向へ延びる第3および第4側壁と、前記第1側壁に連接されて頂部開口を開閉可能な頂壁と、前記第2側壁に連接されて底部開口を開閉可能な底壁とから形成され、前記頂壁に連接された頂部フラップと、前記底壁に連接された底部フラップとを有する物品収納容器において、
前記頂部フラップには、前記容器に所定の物品を収納したときに、その物品の横方向の動きを押さえる第1押さえ構造が形成され、前記第1押さえ構造が、前記容器に収納された物品の一面に当接する第1当接部と、前記第1当接部を横方向から支える第1支持部とを有し、
前記第1当接部が、前記頂部フラップの自由端縁から前記頂壁に向かって縦方向へ延びる第1切離線と前記第1切離線の下端につながって頂部フラップを横方向へ延びる第2切離線とによって該頂部フラップから切り離されるとともに、前記第1切離線から横方向へ離間して前記頂部フラップの自由端縁から前記頂壁に向かって縦方向へ延びていて前記第2切離線の延出端につながる第1折曲線によって横方向内方へ折曲されて作られ、前記第1支持部が、前記第2切離線の延出端につながって前記第1折曲線の下端から前記第1切離線の反対側に向かって横方向へ上がり勾配に傾斜して前記頂部フラップの自由端縁に達する第2折曲線によって縦方向内方へ折曲されて作られていることを特徴とする物品収納容器。
【請求項2】
前記第1切離線と前記第1折曲線との間には、前記第1切離線から横方向へ離間した前記頂部フラップの自由端縁から該第1切離線に達する第1切欠部が形成されている請求項1記載の物品収納容器。
【請求項3】
前記物品収納容器では、前記第1折曲線と前記第2折曲線との交差角度が90度である請求項1または請求項2に記載の物品収納容器。
【請求項4】
前記容器に収納される物品が、前記容器の底壁の側に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と、前記容器の頂壁の側であって前記第1物品の上に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品とから形成され、前記物品収納容器では、前記第1押さえ構造の第1当接部が前記第2物品の側面に当接して該第2物品の横方向の動きを押さえ、前記第2物品が前記容器の第3および第4側壁のいずれか一方と前記第1当接部との間に支持される請求項1ないし請求項3いずれかに記載の物品収納容器。
【請求項5】
前記第1押さえ構造から横方向へ離間した前記頂部フラップには、前記容器に収納された物品の横方向の動きを押さえる第2押さえ構造が形成され、前記第2押さえ構造が、前記容器に収納された物品の一面に当接する第2当接部と、前記第2当接部を横方向から支える第2支持部とを有し、
前記第2当接部が、前記頂部フラップの自由端縁から前記頂壁に向かって縦方向へ延びる第3切離線と前記第3切離線の下端につながって頂部フラップを横方向へ延びる第4切離線とによって該頂部フラップから切り離されるとともに、前記第3切離線から横方向へ離間して前記頂部フラップの自由端縁から前記頂壁に向かって縦方向へ延びていて前記第4切離線の延出端につながる第3折曲線によって横方向内方へ折曲されて作られ、前記第2支持部が、前記第4切離線の延出端につながって前記第3折曲線の下端から前記第3切離線の反対側に向かって横方向へ上がり勾配に傾斜して前記頂部フラップの自由端縁に達する第4折曲線によって縦方向内方へ折曲されて作られている請求項1ないし請求項3いずれかに記載の物品収納容器。
【請求項6】
前記第3切離線と前記第3折曲線との間には、前記第3切離線から横方向へ離間した前記頂部フラップの自由端縁から該第3切離線に達する第2切欠部が形成されている請求項5記載の物品収納容器。
【請求項7】
前記物品収納容器では、前記第3折曲線と前記第4折曲線との交差角度が90度である請求項5または請求項6に記載の物品収納容器。
【請求項8】
前記容器に収納される物品が、前記容器の底壁の側に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と、前記容器の頂壁の側であって前記第1物品の上に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2物品とから形成され、前記物品収納容器では、前記第1押さえ構造の第1当接部が前記第2物品の一方の側面に当接しつつ、前記第2押さえ構造の第2当接部が前記第2物品の他方の側面に当接して該第2物品の横方向の動きを押さえ、前記第2物品が前記第1および第2当接部の間に支持される請求項5ないし請求項7いずれかに記載の物品収納容器。
【請求項9】
前記容器に収納される物品が、前記容器の底壁の側に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれと略同一の第1物品と、前記容器の頂壁の側であって前記第1物品の上に収納されて横方向の寸法が第1および第2側壁のそれよりも小さい第2および第3物品とから形成され、前記物品収納容器では、前記第1押さえ構造の第1当接部が前記第2物品の側面に当接して該第2物品の横方向の動きを押さえ、前記第2物品が前記容器の第3側壁と前記第1当接部との間に支持され、前記第2押さえ構造の第2当接部が前記第3物品の側面に当接して該第3物品の横方向の動きを押さえ、前記第3物品が前記容器の第4側壁と前記第2当接部との間に支持される請求項5ないし請求項7いずれかに記載の物品収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−42374(P2011−42374A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190106(P2009−190106)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(391018743)トーイン株式会社 (8)
【Fターム(参考)】