説明

物品押出装置および物品払出機

【課題】物品カートリッジの物品収納部から取り出した物品(景品)が外部に飛び出すことを防止し、物品(景品)を整った状態に積層することができるとともに、物品を払い出すための物品払出部に物品を整った状態で移動して物品を押し出すことができる物品押出装置および物品払出機を提供する。
【解決手段】景品払出機10は、景品を一時的に並べて貯留可能なスタッカ部昇降台190と、スタッカ部昇降台190を移動する移動手段と、スタッカ部昇降台190に貯留される景品の周囲の少なくとも一部に設けられ、移動手段の移動方向に進退可能であり、景品の移動を規制する規制部材250と、規制部材250によって移動が規制された景品をスタッカ部昇降台190から排出口を介して外部に押し出す景品押出部36とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パチンコホールなどで使用されている特殊景品等の物品(景品)を払い出す際、物品(景品)を遊技客側に押し出す物品押出装置、パチンコ機などの遊技機器が設置される遊技ホール等に設置され特殊景品等の物品(景品)を払い出す物品払出機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技ホール、例えばパチンコ店では、遊技客がパチンコ機でパチンコ玉を獲得したり、スロットマシーンでコインを獲得したときに、獲得したパチンコ玉や獲得コインの数に応じて特殊景品を払い出す景品払出機を設置している。
【0003】
景品払出機において、景品を収納する景品カートリッジの景品収納部から景品を取り出す際、例えば、回転ベルトに設けられた景品押出爪によって取り出される。そして、景品収納部から取り出された景品は、スタッカ部で一旦貯留され、景品払出手段によって外部に払い出される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、景品払出機において、景品払出に費やす時間を短縮することなどが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−211335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、従来の景品払出機において、景品払出に費やす時間を短縮するため、例えば、景品収納部から景品を取り出す速度を増加させることが考えられる。そのためには、例えば、回転ベルトの回転速度を増加させることなどで対応することができる。しかしながら、回転ベルトの回転速度を増加させると、景品押出爪によってスタッカ部に蹴り出された景品が、スタッカ部の壁面に衝突し、例えば、景品を払い出す景品払出手段を構成する領域まで舞い上がることがある。そのため、安定した景品の押し出しができない等の問題が生じる。
【0007】
そこで、景品の舞い上がりを防止するために、例えば、スタッカ部の深さ、すなわちスタッカ部の壁面を景品が舞い上がる方向に深くして景品を貯留するための空間を景品が舞い上がる方向に広げることが考えられる。しかしながら、この構成を備える場合には、スタッカ部における景品を払い出す景品払出手段が設けられている景品払出ユニットの天板をスタッカ部の深さを深くした分、高くしなければならない。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、物品カートリッジの物品収納部から取り出した物品(景品)が外部に飛び出すことを防止し、物品(景品)を整った状態に積層することができるとともに、物品を払い出すための物品払出部に物品を整った状態で移動して物品を押し出すことができる物品押出装置および物品払出機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の物品押出機は、物品を一時的に並べて貯留可能な物品貯留部と、前記物品貯留部を移動する移動手段と、前記物品貯留部に貯留される物品の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記移動手段の移動方向に進退可能であり、物品の移動を規制する規制部材と、前記規制部材によって移動が規制された物品を物品貯留部から排出口を介して外部に押し出す物品押出手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
この物品押出機によれば、規制部材を備えることで、物品を整列して積層または並べることができる。また、規制部材が、移動手段の移動方向に進退可能に設けられているので、例えば、物品貯留部に物品を貯留する工程において、規制部材を物品の積層方向に突出するように移動させることで、物品貯留部に移動された物品が舞い上がって規制部材の外部に放出されるのを防止することができる。
【0011】
また、本発明の物品押出機は、前記規制部材は、前記物品貯留部の移動に伴って、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態、または前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とする。
【0012】
この物品押出機によれば、物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態とすることができるので、例えば、物品貯留部に物品を貯留する工程において、物品貯留部に移動された物品が舞い上がって規制部材の外部に放出されるのを防止することができる。
【0013】
また、本発明の物品押出機は、前記規制部材は、前記物品押出手段を収容する構造体の一部に当接して、移動方向と逆方向の押圧力を受けることで、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態から前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とする。
【0014】
この物品押出機によれば、例えば、物品払出部に物品貯留部を移動した場合、規制部材を、物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態から物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態とすることができるので、物品払出部に規制部材が突出した分の空間を設ける必要がなくなる。これによって、装置の小型化を図ることができる。
【0015】
さらに、本発明の物品押出機は、前記規制部材は、前記物品押出手段による物品の払い出しが完了し、前記移動手段によって、前記物品貯留部を物品を一時的に並べて貯留可能な位置に移動する際に、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態となることを特徴とする。
【0016】
この物品押出機によれば、規制部材を、物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態から物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態とすることができるので、例えば、物品貯留部に物品を貯留する工程において、物品貯留部に移動された物品が舞い上がって規制部材の外部に放出されるのを防止することができる。
【0017】
本発明の物品払出機は、物品を収納する物品収納部と、前記物品収納部から払い出すべき物品を取り出す物品取出手段と、前記物品収納部から取り出された物品を一時的に並べて貯留可能な物品貯留部と、前記物品貯留部を移動する移動手段と、前記物品貯留部に貯留される物品の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記移動手段の移動方向に進退可能であり、物品の移動を規制する規制部材と、前記移動手段によって所定の位置に移動され、前記規制部材によって移動が規制された物品を物品貯留部から物品払出口を介して外部に押し出す物品払出手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
この物品払出機によれば、規制部材を備えることで、物品を整列して積層または並べることができる。また、規制部材が、移動手段の移動方向に進退可能に設けられているので、例えば、物品貯留部に物品を貯留する工程において、規制部材を物品の積層方向に突出するように移動させることで、物品貯留部に移動された物品が舞い上がって規制部材の外部に放出されるのを防止することができる。
【0019】
また、本発明の物品払出機は、前記規制部材は、前記物品貯留部の移動に伴って、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態、または前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とすることを特徴とする。
【0020】
この物品払出機によれば、物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態とすることができるので、例えば、物品貯留部に物品を貯留する工程において、物品貯留部に移動された物品が舞い上がって規制部材の外部に放出されるのを防止することができる。
【0021】
また、本発明の物品払出機は、前記規制部材は、前記物品押出手段を収容する構造体の一部に当接して、移動方向と逆方向の押圧力を受けることで、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態から前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とする。
【0022】
この物品払出機によれば、例えば、物品払出部に物品貯留部を移動した場合、規制部材を、物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態から物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態とすることができるので、物品払出部に規制部材が突出した分の空間を設ける必要がなくなる。これによって、装置の小型化を図ることができる。
【0023】
さらに、本発明の物品払出機は、前記規制部材は、前記物品押出手段による物品の払い出しが完了し、前記移動手段によって、前記物品貯留部を物品を一時的に並べて貯留可能な位置に移動する際に、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態となることを特徴とする。
【0024】
この物品払出機によれば、規制部材を、物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態から物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態とすることができるので、例えば、物品貯留部に物品を貯留する工程において、物品貯留部に移動された物品が舞い上がって規制部材の外部に放出されるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の物品押出装置および物品払出機によれば、物品カートリッジの物品収納部から取り出した物品(景品)を整った状態に積層することができとともに、積層された物品(景品)が崩れることを防止することができ、物品を払い出すための物品払出部に物品を整った状態で移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態における景品払出機の正面から(遊技客側から)の斜視図である。
【図2】背面扉が閉じられた状態の景品払出機の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。
【図3】背面扉が開かれた状態の景品払出機の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。
【図4】景品カートリッジの斜視図である。
【図5】景品カートリッジの一方の側面の一部を示す斜視図である。
【図6】景品カートリッジを景品カートリッジ挿入口に挿入する様子を示す斜視図である。
【図7】景品払出機の一部の内部の構成の一例を示した斜視図である。
【図8】景品カートリッジがカートリッジ設置板に載置された状態を示す平面図である。
【図9】リフト機構の構成の一例を示す側面図である。
【図10】上部ユニットおよび景品払出ユニットの側面図である。
【図11】上部ユニットにおいて特殊景品Wが当接する当接部を特殊景品が当接する方向(景品カートリッジ側から上方をみた方向)からみたときの平面図である。
【図12】特殊景品が当接する当接部の側面からの平面図である。
【図13】上部ユニットの一部である、スタッカ部昇降台上の規制部材を、特殊景品が進入する側から見たときの斜視図である。
【図14】スタッカ部昇降台上に規制部材を備えて構成される景品スタッカ部を上方から見たときの平面図である。
【図15】特殊景品が積層された、スタッカ部昇降台上の規制部材を、特殊景品が進入する側から見たときの斜視図である。
【図16】他の構成の規制部材の高さが最大となる状態のスタッカ部昇降台上の規制部材を、特殊景品が進入する側から見たときの斜視図である。
【図17】他の構成の規制部材の高さHが最小となる状態のスタッカ部昇降台上の規制部材を、特殊景品が進入する側から見たときの斜視図である。
【図18】ガード部材を備え、規制部材の先端縁から上方にガード部材が突出している状態のスタッカ部昇降台上の規制部材を、特殊景品が進入する側から見たときの斜視図である。
【図19】ガード部材を備え、規制部材の先端縁から上方にガード部材が突出していない状態のスタッカ部昇降台上の規制部材を、特殊景品が進入する側から見たときの斜視図である。
【図20】ガード部材を他の構成で規制部材に取り付けた際の、スタッカ部昇降台上の規制部材を、特殊景品が進入する側から見たときの斜視図である。。
【図21】押出部材および動力伝達部材を上方、すなわち景品払出ユニットの上方から見たときの平面図である。
【図22】押出部材が規制部材の開口部から規制部材内に進入するときの様子を上方から見たときの平面図である。
【図23】押出部材が規制部材内を移動するときの様子を上方から見たときの平面図である。
【図24】押出部材が規制部材内を通過後、景品払出口に特殊景品Wを押し出している様子を上方から見たときの平面図である。
【図25】押出部材が規制部材の出口が景品払出口となる場合における、押出部材が規制部材後の様子を上方から見たときの平面図である。
【図26】他の構成の押出部材および動力伝達部材を上方、すなわち景品払出ユニットの上方から見たときの平面図である。
【図27】景品収納部に収納された特殊景品Wを景品支持部で支持し、上部に移動する状態を示す断面図が示されている。
【図28】上部ユニットの動作を示す側面図である。
【図29】上部ユニットの動作を示す側面図である。
【図30】上部ユニットの動作を示す側面図である。
【図31】景品払出ユニットの動作を示す側面図である。
【図32】景品払出ユニットの動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態における景品払出機10の正面から(遊技客側から)の斜視図である。図2は、背面扉31が閉じられた状態の景品払出機10の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。また、図3は、背面扉31が開かれた状態の景品払出機10の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。
【0029】
図1に示すように、物品払出機として機能する景品払出機10の最上部には、景品払出ユニット34が設けられている。この景品払出ユニット34には、特殊景品Wを排出するための景品払出口35が、景品払出ユニット34の長手方向に6箇所設けられている。この景品払出口35は、特殊景品Wの排出時以外は、例えばシャッタ60などによって閉鎖されている。
【0030】
ここで、物品払出機として機能する景品払出機10が払い出し可能な物品としては、例えば、従来から使用されている、大特殊景品5000円の特殊景品W、中特殊景品1000円の特殊景品W、小特殊景品200円の特殊景品W、4円玉貸し用に対応する特殊景品、1円玉貸し用に対応する特殊景品、20円メダル貸し用に対応する特殊景品などの特殊景品W、煙草、パック飲料、その他、積層して押し出すことが可能な同一形状の物品などが挙げられる。なお、以下では、物品として、特殊景品Wを使用した場合を例示する。また、他の物品を使用した場合においても、以下に示す特殊景品Wを使用した場合と同様の作用効果が得られる。
【0031】
景品払出口35から景品押出部36によって特殊景品Wが排出される排出天板37には、各景品払出口35に対応して、凹部が設けられ、その凹部に、例えばLEDランプなどで構成される払出口指示点灯部38が配置されている。そして、払出口指示点灯部38を配置した凹部は、排出天板37と凹凸なく平面になるように、例えば透明なアクリル板などで封鎖されている。そして、特殊景品Wが排出される景品払出口35に対応した払出口指示点灯部38が点灯し、遊技客に特殊景品Wが排出される景品払出口35を示している。
【0032】
ここで示した景品払出機10は、6箇所の景品払出口35が設けられているので、最大6種類の特殊景品Wを同時に排出することができる。また、景品払出機10に設けられる景品払出口35は、6箇所に限られるものではなく、例えば、払い出される特殊景品Wの種類によって、景品払出口35の数を増減してもよい。
【0033】
また、景品払出ユニット34の右上面には、払い出される特殊景品Wの種類および数量を表示するための表示部39が設置されている。この表示部39は、例えば液晶モニタなどで構成される。
【0034】
さらに、景品払出ユニット34の上面の両端には、スピーカ40が設けられ、例えば遊技客に対して「いらっしゃいませ」、「景品が出るまでしばらくお待ち下さい」などの音声情報が発せられる。
【0035】
また、景品払出機10には、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などから主に構成される主制御手段48が設けられている。また、後述する各景品搬送ユニット44には、各景品搬送ユニット44を制御するための、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などから主に構成されるレーン制御手段50が設けられている。ここで、主制御手段48およびレーン制御手段50におけるCPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。また、各レーン制御手段50は、主制御手段48と通信可能に接続されており、例えば、主制御手段48からの情報に基づいて、各景品搬送ユニット44の動作などを制御する。また、レーン制御手段50を備えずに、主制御手段48がレーン制御手段50の機能を有するように構成してもよい。
【0036】
図2および図3に示すように、景品払出機10の背面側には、施錠機構31aを備えた背面扉31が設けられている。また、この背面扉31には、把持部31bが設置され、その把持部31bを握って背面扉31の開閉を行う。
【0037】
施錠機構31aは、例えば、鍵などによって施錠または開錠が可能な構造で構成され、各レーン制御手段50と回線を介して接続されている。また、施錠機構31aは、この構成に限るものではなく、外部からの入力信号などで電気的に施錠または開錠が可能な構造で構成してもよい。
【0038】
また、図3に示されているように、一方の背面扉31の側面に、背面扉31が閉じられたことを検知する背面扉開扉検知手段31cを配設してもよい。この背面扉開扉検知手段31cは、例えば、接点スイッチなどで構成され、一方の背面扉31の側面に配設された背面扉開扉検知手段31cに、対向する背面扉31の側面が接触したことを検知し、背面扉31が閉じられたことを検知する。ここで、背面扉開扉検知手段31cは、主制御手段48と回線を介して接続されている。
【0039】
また、各レーンには、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から着脱可能に収容し、上部に上部ユニット42、下部に下部ユニット43が設けられた景品搬送ユニット44、および景品払出口35が備えられている。この構成を有するレーンが景品払出機10の長手側横方向に6個並べられている。
【0040】
また、景品搬送ユニット44には、景品カートリッジ挿入口32を閉鎖可能な開閉扉として機能するカートリッジ挿入口扉45が設置され、その一端側は、例えば、蝶番などの回動支持部材45bで景品搬送ユニット44に固定されている。この回動支持部材45bを設けることによって、回動支持部材45bを軸としてカートリッジ挿入口扉45を開閉することができる。
【0041】
また、カートリッジ挿入口扉45の固定側とは反対側の縁部には、係止開口部45aが設けられている。この係止開口部45aは、カートリッジ挿入口扉45を閉めたときに、この係止開口部45aに対応して景品搬送ユニット44に設置されたロック機能部49を係止し、カートリッジ挿入口扉45を施錠するものである。ここで、ロック機能部49は、各レーン制御手段50と回線を介して接続されている。さらに、カートリッジ挿入口扉45には、カートリッジ挿入口扉把持部45cが設置されている。
【0042】
また、ロック機能部49が設置された景品搬送ユニット44の下方に、カートリッジ挿入口扉45の開閉を検知する接点スイッチ47を設置してもよい。この接点スイッチ47は、各レーン制御手段50と回線を介して接続されている。
【0043】
ここで示された実施の形態では、6個の景品搬送ユニット44が積層されて構成されているが、景品搬送ユニット44は6個に限られるものではない。なお、上述した特殊景品Wが排出される景品払出口35の数は、この景品搬送ユニット44の数に対応している。
【0044】
また、図2および図3に示すように、景品払出機10の背面側には、景品払出ユニット34の上部に、景品払出機10の背面側に向いて操作表示パネル41が設けられている。この操作表示パネル41には、払い出される特殊景品Wの種類および数量を表示するための、例えば液晶モニタなどで構成される表示部41a、操作表示パネル41の左右の端部には、特殊景品Wの補充要求や搬送不良などのエラー発生に点灯するエラー発生点灯部41bが設けられている。
【0045】
また、景品払出機10は、1台または複数の景品管理装置(POS)(図示しない)と通信回線によって接続することができ、操作表示パネル41には、何台の景品管理装置(POS)と接続されているかを示す併設景品管理装置数点灯部41cが設けられている。この併設景品管理装置数点灯部41cは、例えばLEDランプなどで構成され、例えば、景品管理装置(POS)が1台併設されている場合には、併設景品管理装置数点灯部41cが1つ点灯し、景品管理装置(POS)が2台併設されている場合には、併設景品管理装置数点灯部41cが2つ点灯する。また、併設景品管理装置数点灯部41cに近接して、景品払出機10のレディ状態を示すレディ点灯部41dが設けられている。このレディ点灯部41dも、例えばLEDランプなどで構成されている。
【0046】
また、操作表示パネル41には、リセットボタン41g、モード切替ボタン41hが設けられ、さらに開閉可能なパネル41eの内部にテンキー41fが設けられている。設定モードは、モード切替ボタン41hとテンキー41fによって設定され、テンキー41fでは、例えば取り扱う特殊景品Wの種類の数、各景品カートリッジ33に収納された特殊景品Wの種類などの設定を行う。
【0047】
(景品カートリッジ33の構成)
次に、図4および図5を参照して、景品カートリッジ33の構成について説明する。
【0048】
図4は、景品カートリッジ33の斜視図である。図5は、景品カートリッジ33の一方の側面の一部を示す斜視図である。
【0049】
景品カートリッジ33は、全体として直方体からなり、複数の一列に並べられた直方体空間からなる各景品収納部100から構成される。この実施の形態では、景品カートリッジ33は、3個の景品収納部100から構成されているが、これに限られるものではなく、景品収納部100の数を増減してもよい。
【0050】
景品収納部100の底面には、中央部および前部の一部が切欠され、ほぼC字型に形成された景品ストッパ101が固着され、景品収納部100内に積層される特殊景品Wを支持する。この景品ストッパ101の切欠の形状は、景品収納部100内に収納される特殊景品Wを昇降させる支持部材および支持部材を支持しリフト機構によって押し上げられる昇降台が移動可能であり、かつ景品収納部100内に収納される特殊景品Wを支持できるものであれば、C字型に限られるものではない。
【0051】
景品収納部100の背面および両側面は壁面で形成され、隣接する景品収納部100の側面は共有している。景品収納部100の前面および天井面は開口されている。景品収納部100の側面前部には、板状のガイド102が景品収納部100に沿って設けられている。
【0052】
また、景品カートリッジ33の一方の外側面には、挿入用把持部103が配置されている。景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32に挿入する際に、従業員などがこの挿入用把持部103を握って挿入を行う。なお、この景品カートリッジ33の上部には、複数の景品収納部100の天井面を被覆する大きさで構成されたカートリッジカバー(図示しない)を装着することができる。このカートリッジカバーは、景品カートリッジ33を持ち運ぶ際に、景品カートリッジ33に装着して使用するもので、例えば従業員などがカートリッジカバーに設けられた持運び用把持部(図示しない)を握って持ち運ぶ。なお、このカートリッジカバーは、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32に挿入する際には外される。
【0053】
また、図5に示すように、景品カートリッジ33の挿入用把持部103の設置された外側面とは反対側の外側面に、金属板からなるマグネット用プレート106を配設してもよい。この実施の形態では、景品カートリッジ33の外側面に、2個のマグネット用プレート106が所定の位置に配設されているが、これに限るものではない。
【0054】
このマグネット用プレート106は、後述するキャッチ手段110に、マグネット用プレート106と対応して配設されたマグネット111と磁気的に接続される。また、キャッチ手段110にホール素子を設置して、景品カートリッジ挿入口32に挿入された景品カートリッジ33が適切なものであるかを判定するように構成してもよい。
【0055】
また、景品カートリッジ33は、後述する図6に示すように、景品カートリッジ挿入口32から景品払出機10内に挿入され、設置される。
【0056】
ここで、景品カートリッジ33の各景品収納部100には、それぞれ異なる種類の特殊景品Wまたは同じ種類の特殊景品Wなどが収納される。
【0057】
(景品払出機10の内部の構成)
次に、景品払出機10の内部の構成の一例について、図6〜図8を参照して説明する。
【0058】
図6は、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32に挿入する様子を示す斜視図である。図7は、景品払出機10の一部の内部の構成の一例を示した斜視図である。なお、図7は、景品払出機10の1つの景品搬送ユニット44、景品払出ユニット34について示したものであり、操作表示パネル41などの記載は省略している。また、図8は、景品カートリッジ33がカートリッジ設置板134に載置された状態を示す平面図である。
【0059】
図7に示されているように、景品払出機10は、下部ユニット43、景品カートリッジ挿入口32、上部ユニット42から構成される景品搬送ユニット44と、この景品搬送ユニット44と排出天板37を介して積層配置された景品払出ユニット34とから主に構成されている。
【0060】
景品カートリッジ挿入口32の下端位置の両側には、景品カートリッジ挿入口32から奥部まで、カートリッジガイドレール130が帯状に設置されている。このカートリッジガイドレール130の一部は、特殊景品Wを昇降させる支持部材131および支持部材131を支持する昇降台132が移動可能に切欠されている。
【0061】
また、両側のカートリッジガイドレール130間に渡って複数本のガイドローラ133が設置される。このガイドローラ133上には、景品カートリッジ33を支持するカートリッジ設置板134が載置されている。
【0062】
このカートリッジ設置板134の景品カートリッジ挿入口32の奥側の端部には、図5に示すように、キャッチ手段110を立設してもよい。カートリッジ設置板134上に景品カートリッジ33が載置されると、キャッチ手段110に配設されたマグネット111と、景品カートリッジ33の外側面に配設されたマグネット用プレート106とが磁気的に接続される。そして、キャッチ手段110にホール素子が設置されている場合には、このホール素子を用いて、景品カートリッジ挿入口32に挿入された景品カートリッジ33が適切なものであるかを判定することができる。そして、景品カートリッジ33が適切でない場合には、例えば、ブザーなどで知らせることができる。このホール素子は、レーン制御手段50または主制御手段48に回線を介して接続されている。
【0063】
また、カートリッジ設置板134には、カートリッジ設置板134に載置する景品カートリッジ33の景品ストッパ101の各切欠に対応して切欠部135が設けられている。この切欠部135は、特殊景品Wを昇降させる支持部材131および支持部材131を支持する昇降台132が移動可能に切欠されている。
【0064】
さらに、カートリッジ設置板134の下部端面には、下部ユニット43の底部に設置されたステッピング駆動モータ136からの動力を伝達するタイミングベルト137のギヤ部と係合するギヤ部(図示しない)が設けられている。そして、ステッピング駆動モータ136を駆動することで、カートリッジ設置板134は、ガイドローラ133上を移動する。なお、ステッピング駆動モータ136は、接続されるレーン制御手段50の指示により正逆回転される。なお、レーン制御手段50は、主制御手段48からの情報に基づいて、ステッピング駆動モータ136などの制御を行っている。
【0065】
ここで、レーン制御手段50は、カートリッジ設置板134上に設置された景品カートリッジ33の移動位置を検知することもできる。この検知は、例えば、ステッピング駆動モータ136の回転軸の回転数を検知するエンコーダ部をステッピング駆動モータ136の回転軸に設けて行うことができる。例えば、特殊景品Wの払い出しを可能とするために、景品カートリッジ33が移動しているときの、景品カートリッジ33の移動段階を検知することで、最適な払い出し制御の選択を可能とする。
【0066】
さらに、例えば、景品支持部170上の特殊景品Wが無くなり、特殊景品Wを有する景品収納部100からの特殊景品Wの払い出しを可能とするための移動動作において、レーン制御手段50は、移動経過時間などを計測することもできる。この特殊景品Wの払い出しを可能とするための移動経過時間の情報を得ることで、最適な払い出し制御の選択を可能とする。
【0067】
図6〜図8に示すように、景品カートリッジ挿入口32から挿入され、カートリッジ設置板134上に載置された景品カートリッジ33は、所定の位置まで挿入されることで、カートリッジ設置板134の外側面に配設されたマグネット用プレート106とキャッチ手段110に配設されたマグネット111とが接続する。これによって、景品カートリッジ33のカートリッジ設置板134上への載置が完了する。景品カートリッジ33のカートリッジ設置板134上への載置が完了した状態では、各景品カートリッジ33の下部の景品ストッパ101の切欠は、それぞれに対応して設けられたカートリッジ設置板134の切欠部135に対向する位置に設置されている。
【0068】
また、図6に示すように、景品カートリッジ挿入口32に、カートリッジ挿入口扉45を設け、景品カートリッジ33挿入後には閉じるように構成してもよい。また、カートリッジ挿入口扉45の開閉する側の景品搬送ユニット44の正面に、カートリッジ挿入口扉45をロックするロック機能部49を設けてもよい。さらに、景品搬送ユニット44に接点スイッチ47を設け、カートリッジ挿入口扉45の開閉を検知するように構成してもよい。なお、ロック機能部49や接点スイッチ47は、例えば、レーン制御手段50と回線を介して接続されている。
【0069】
また、図8に示すように、キャッチ手段110側の景品カートリッジ33の景品収納部100における背面を形成する壁部の外面には、鉄板などで形成された光を反射する光反射板107が設置されている。また、図7に示すように、景品カートリッジ33が挿入される景品搬送ユニット44の内壁面には、光反射板107の移動に対応して、3箇所の位置に位置検知センサ108が設けられている。この3個の位置検知センサ108は、景品カートリッジ33の各景品収納部100の間隔に対応した間隔で、景品搬送ユニット44の内壁面に設置されている。
【0070】
位置検知センサ108から発せられた光は、光反射板107で反射し、その反射光を位置検知センサ108で検知することで、キャッチ手段110側の景品収納部100の位置を検知することができる。そして、その検知情報に基づいてステッピング駆動モータ136を制御することで、景品カートリッジ33の移動を制御することができる。なお、位置検知センサ108は、レーン制御手段50に配線を介して接続されている。
【0071】
ここで、上記した景品カートリッジ33を移動させるための構成物品や、景品カートリッジ33の位置を検知するための構成物品なども排出セット機構の一部として機能する。
【0072】
(リフト機構の構成)
次に、昇降台132上の景品支持部170上に設置された特殊景品Wを昇降させるリフト機構の構成の一例について、図7および図9を参照して説明する。
【0073】
図9は、リフト機構の構成の一例を示す側面図である。
【0074】
リフト機構は、ステッピング駆動モータ151と、ステッピング駆動モータ151の動力を伝達するギヤ部152と、ギヤ部152によってステッピング駆動モータ151の動力が伝達され、回転可能に設置されたスパイラルシャフト153と、スパイラルシャフト153と所定の間隔をあけて平行に設置されたリニアシャフト154と、スパイラルシャフト153およびリニアシャフト154にそれぞれ設けられたリニアガイド155a、155bに載置された昇降台132とから主に構成されている。
【0075】
昇降台132は、凸形状を有する平板で構成され、凸状部がカートリッジガイドレール130の切欠された部分を通過できる位置に設置される。また、昇降台132の幅広部分の一端側には、スパイラルシャフト153と係合する溝が内筒壁に螺刻されたリニアガイド155aの小径筒部を貫通させる貫通孔が開口されている。また、昇降台132の幅広部分の他端側には、リニアシャフト154と内筒壁が摺接するリニアガイド155bの小径筒部を貫通させる貫通孔が開口されている。
【0076】
そして、それぞれの貫通孔に対応したリニアガイドの小径筒部を貫通させ、昇降台132は、リニアガイド155a、155bの大径筒部の上端面上に載置され固定される。そして、スパイラルシャフト153がステッピング駆動モータ151によって回転され、リニアガイド155aが移動して、昇降台132を上昇または下降させる。
【0077】
スパイラルシャフト153およびリニアシャフト154は、下部ユニット43の底部から上部ユニット42の天井面に至って設置されている。また、景品カートリッジ挿入口32の天井面は、昇降台132上に設置される景品支持部170が移動できるように開口部158が開口されている。
【0078】
また、昇降台132とリニアガイド155bとの間には、昇降台132が所定の最下部に位置することを検知するための位置検知板156が挟持されている。そして、この位置検知板156を検知する位置検知センサ157が、位置検知板156に対応させて下部ユニット43の底面に設置されている。この位置検知センサ157として、例えば、光センサなどが用いられ、位置検知センサ157は、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0079】
上部ユニット42の天井面の下端近傍には、景品支持部170上に残存する特殊景品Wの枚数を予測する景品載置検知センサ159が設置されている。この景品載置検知センサ159は、接点スイッチセンサ、光学センサなどで構成され、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。例えば、景品支持部170上に残存する特殊景品Wの積層高さを、エンコーダ部160からの情報や景品載置検知センサ159の検知信号に基づいて算出し、その積層高さを、1枚の特殊景品Wの厚さで除して、残存する特殊景品Wの枚数を予測することができる。また、例えば、景品カートリッジ33の景品収納部100に特殊景品Wが満杯に満たされている場合には、その景品収納部100に残存している特殊景品Wの情報を、操作表示パネル41のテンキー41fなどによって入力することで、初期値を設定することができる。
【0080】
また、上部ユニット42の天井面の下端近傍には、景品支持部170上に特殊景品Wが載置されているか否かを検知する空センサ(図示しない)も設置されている。この空センサは、接点スイッチセンサ、光学センサなどで構成され、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0081】
下部ユニット43の底面には、スパイラルシャフト153にギヤ部152を介して動力を伝達し、スパイラルシャフト153を回転させるステッピング駆動モータ151が設置されている。また、このステッピング駆動モータ151は、正逆回転可能であり、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0082】
ステッピング駆動モータ151に接続されたギヤ部152とステッピング駆動モータ151との間の回転軸に、ステッピング駆動モータ151の回転軸の回転数を検知するエンコーダ部160が設けられている。また、エンコーダ部160は、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。このエンコーダ部160からの情報に基づいて、景品支持部170上の特殊景品Wの数量を検知することができる。
【0083】
また、エンコーダ部160からの情報に基づいて、景品支持部170の移動位置を検知することもできる。例えば、特殊景品Wの払い出しを可能とするために、景品支持部170が移動しているときの、景品支持部170の移動段階を検知することで、最適な払い出し制御の選択を可能とする。
【0084】
さらに、レーン制御手段50および主制御手段48は、例えば、景品支持部170上の特殊景品Wが無くなり、例えば、同種の特殊景品Wを有する景品収納部100や他のレーンに装着された景品カートリッジ33の景品収納部100からの同種の特殊景品Wの払い出しを可能とする。
【0085】
(上部ユニット42および景品払出ユニット34の構成)
次に、上部ユニット42および景品払出ユニット34の構成の一例について図を参照して説明する。
【0086】
まず、上部ユニット42の構成の一例について説明する。
【0087】
図10は、上部ユニット42および景品払出ユニット34の側面図である。図11は、上部ユニット42において特殊景品Wが当接する当接部180を特殊景品Wが当接する方向(景品カートリッジ33側から上方をみた方向)からみたときの平面図である。また、図12は、特殊景品Wが当接する当接部180の側面からの平面図である。図13は、上部ユニット42の一部である、スタッカ部昇降台190上の規制部材250を、特殊景品Wが進入する側から見たときの斜視図である。図14は、スタッカ部昇降台190上に規制部材250を備えて構成される景品スタッカ部183を上方から見たときの平面図である。図15は、特殊景品Wが積層された、スタッカ部昇降台190上の規制部材250を、特殊景品Wが進入する側から見たときの斜視図である。
【0088】
上部ユニット42の当接部180は、図10に示すように、支持部材131に支持された特殊景品Wが当接し、水平2列に設置される6個の回転自在の景品受ローラ181と、景品受ローラ181に当接した特殊景品Wを景品押出爪182によって景品スタッカ部183に押し出す回転ベルト184とから主に構成されている。この構成では、排出手段と当接部が一体的に構成されているが、この構成に限るものではない。
【0089】
なお、回転ベルト184は、レーン制御手段50に配線を介して接続された駆動モータ(図示しない)によって回転される。そして、特殊景品Wを1枚毎に、景品スタッカ部183へ排出する景品押出爪182が所定の位置に達したことを、ロータリエンコーダ(図示しない)で検知し、景品スタッカ部183へ排出された特殊景品Wの枚数を計数する。ここで、ロータリエンコーダ(図示しない)には、回転ベルト184の位置を検知可能なようにその回転駆動が所定ギヤ比で伝達されている。このロータリエンコーダは、レーン制御手段50に配線を介して接続されている。また、空センサ(図示しない)が特殊景品Wを検知しない場合には、回転ベルト184は駆動されない。
【0090】
また、図11および図12に示すように、当接部180の側面の長手方向の中央部には、例えば、両端面にバネが設けられた弾性部材185の一端が接続され、弾性部材185の他端は、上部ユニット42の底面部材に接続される。なお、弾性部材185の他端が接続されるのは、上部ユニット42の底面部材に限られるものではなく、例えば、景品カートリッジ挿入口32の天井板上面や、景品払出機本体で払い出し中に不動な部分であればよい。
【0091】
この弾性部材185は、当接部180の両側面に少なくとも1個ずつ設けられている。この弾性部材185は、バネに限られるものではなく、所定の力に対して一定の割合で変化する弾性部材ならばよい。この弾性部材185を設けることで、当接部180が、所定の範囲で上下に移動可能となる。また、当接部180の自重および弾性部材185による一定の力を当接部180と接触する特殊景品Wに付加することができ、安定してスムーズに特殊景品Wを景品スタッカ部183に排出することができる。
【0092】
また、当接部180の側面には、上部ユニット42の底面部材または景品カートリッジ挿入口32の天井板などに立接された軌道レール186に沿って摺動する摺動部材187を設けてもよい。この摺動部材187を設ける場合、当接部180の両側面に少なくとも1個ずつ摺動部材187を設けることが好ましい。この軌道レール186および摺動部材187を設けることによって、当接部180は、所定の軌道上を移動することができる。
【0093】
さらに、当接部180の側面には、当接部180の上限位置および下限位置を検知するための位置検知板188が設置されている。この位置検知板188は、鉄板などで形成され、上部に上限位置を検知するための横方向に長い凸部188aと、その凸部188aの下部に、凸部188aよりも横方向に短く、下限位置を検知するための凸部188bとが形成されている。そして、位置検知板188が設置された当接部180の側面に対向する上部ユニット42の内壁面には、当接部180の上限位置および下限位置のそれぞれに対応させて、2つの位置検知センサ189(上限位置検知センサ、下限位置検知センサ)が設置されている。
【0094】
この位置検知センサ189として、例えば、光を出射し、その出射光の位置検知板188からの反射光を検知する光センサなどが用いられ、この位置検知センサ189は、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0095】
また、上部ユニット42は、景品スタッカ部183に押し出された特殊景品Wを支持し、上下に昇降可能なスタッカ部昇降台190と、このスタッカ部昇降台190上に配置され、スタッカ部昇降台190上における所定の方向の特殊景品Wの移動を規制する規制部材250と、スタッカ部昇降台190の背面に設けられたギヤ部190aと係合するギヤ部191を介して動力を与え、スタッカ部昇降台190を上下に移動するステッピング駆動モータ192とを備えている。さらに、規制部材250やスタッカ部昇降台190が通過できる程度に、上部ユニット42の天井部および景品払出ユニット34が設置される排出天板37には、開口部195が形成されている。
【0096】
なお、スタッカ部昇降台190上(景品スタッカ部183を含む)は、物品貯留部として機能し、さらに、スタッカ部昇降台190上の規制部材250も物品貯留部として機能する。また、スタッカ部昇降台190を移動する、ギヤ部190a、ギヤ部191、ステッピング駆動モータ192などの構成は、移動手段として機能する。
【0097】
また、当接部180に当接した特殊景品Wを景品スタッカ部183に排出する際に通過する前ゲート193と、特殊景品Wの排出側と反対側に後ゲート194が壁状に設けられている。
【0098】
この前ゲート193は、当接部180に当接した特殊景品Wを景品スタッカ部183に排出する際に、複数の特殊景品Wが景品スタッカ部183に排出されるのを防止するものである。したがって、当接部180と前ゲート193との高さ方向の隙間は、特殊景品Wの規格厚さよりも若干大きい程度であり、特殊景品Wの規格厚さの2倍以上となることは無い。一方、後ゲート194と当接部180との隙間は、回転ベルト184の景品押出爪182が通過できる程度となっている。
【0099】
ここで、規制部材250は、景品スタッカ部183に貯留される特殊景品Wの周囲の少なくとも一部に、特殊景品Wの積層方向に所定の高さを有して設けられた壁面部材である。
【0100】
規制部材250は、例えば、図13および図14に示すように、高さHを有するL字状の壁面部材260を、スタッカ部昇降台190の、特殊景品Wが進入する方向に沿う両側端縁に、L字状の壁面部材260の長辺部260aが位置するように配置して構成される。このようにL字状の壁面部材260を配置することで、前ゲート193側には、特殊景品Wが進入させる開口部251が形成される。また、この開口部251に対向する側には、L字状の壁面部材260の短辺部260b間に、景品払出ユニット34の景品押出部36を導入可能な開口部252が形成されている。このように、規制部材250は、開口部251側に向かう方向を除く、景品スタッカ部183が移動する方向と垂直な方向への特殊景品Wの移動を規制するように設けられることが好ましい。なお、規制部材250は、物品整列部材としても機能する。
【0101】
ここで、図13に示す開口部251の幅Iは、進入する特殊景品Wの幅(特殊景品Wにおける開口部251の幅I方向の長さ)よりも若干長く構成されている。また、規制部材250の開口部251から開口部252に向かう方向(以下、規制部材250の奥行きJという)の長さは、進入する特殊景品Wの長さ(特殊景品Wにおける規制部材250の奥行きJ方向の長さ)よりも若干長いか、同じ長さに構成されている。また、規制部材250の高さHは、少なくとも、スタッカ部昇降台190上に積層可能な特殊景品Wの積層高さ以上に設定される。すなわち、規制部材250内の空間の寸法は、スタッカ部昇降台190上に、規制部材250から特殊景品Wの一部が突出することなく一時的に貯留でき、さらに積層された特殊景品Wが崩れることがないように設定される。
【0102】
また、規制部材250内に貯留された特殊景品Wは、図15に示すように、整列された状態で積層される。
【0103】
なお、規制部材250の構成は、上記した構成に限られるものではなく、景品押出爪182によって景品スタッカ部183に押し出された特殊景品Wの、スタッカ部昇降台190上における移動を規制して、スタッカ部昇降台190上に整列して積層できる構成であればよい。さらに、景品払出ユニット34の景品押出部36によって、スタッカ部昇降台190上の特殊景品Wを、スタッカ部昇降台190の外側に押し出し可能に構成されていればよい。
【0104】
上記したように、スタッカ部昇降台190上に規制部材250を備えることで、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wが、スタッカ部昇降台190上で舞い上がるのを防止することができる。さらに、スタッカ部昇降台190上に規制部材250を備えることで、スタッカ部昇降台190上における特殊景品Wの移動を規制して、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを整列して積層させることができる。
【0105】
なお、上記においては、開口部251側に向かう方向を除く、スタッカ部昇降台190が移動する方向と垂直な方向への特殊景品Wの移動を規制するように設けられた規制部材250の一例を示したが、この構成に限られるものではない。
【0106】
例えば、上記した規制部材250において、さらに、スタッカ部昇降台190が移動される方向と同方向への特殊景品Wの移動を規制するように構成してもよい。具体的には、上記した規制部材250の上方を、すなわち規制部材250の先端側の開口を覆うように、蓋部材を設けてもよい。これによって、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wが、規制部材250の高さHよりも高く舞い上がるのを防止することができる。
【0107】
次に、規制部材250の他の構成について説明する。
【0108】
図16は、他の構成の規制部材250の高さHが最大となる状態のスタッカ部昇降台190上の規制部材250を、特殊景品Wが進入する側から見たときの斜視図である。図17は、他の構成の規制部材250の高さHが最小となる状態のスタッカ部昇降台190上の規制部材250を、特殊景品Wが進入する側から見たときの斜視図である。
【0109】
規制部材250は、例えば、図16および図17に示すように、長辺部260aおよび短辺部260bを有し、所定の高さを有するL字状の壁面部材260で構成され、スタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けられてもよい。
【0110】
この構成の場合、規制部材250の長辺部260aは、スタッカ部昇降台190の、特殊景品Wが進入する方向に沿う両側面に沿って、規制部材250の短辺部260bは、スタッカ部昇降台190の、特殊景品Wが進入する側と対向する側の側面に沿って、スタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けられている。また、長辺部260aには、規制部材250を、スタッカ部昇降台190に対して、スタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けるための長穴261が形成されている。規制部材250は、長穴261を介して、例えば、金属やプラスチックなどからなる、ボルト、ナットおよびワッシャの組み合わせで構成される部材などの固定部材262によって、スタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けられる。
【0111】
このようにL字状の壁面部材260を配置することで、前ゲート193側には、特殊景品Wが進入させる開口部251が形成される。また、この開口部251に対向する側には、L字状の壁面部材260の短辺部260b間に、景品払出ユニット34の景品押出部36を導入可能な開口部252が形成されている。このように、規制部材250は、開口部251側に向かう方向を除く、スタッカ部昇降台190が移動する方向と垂直な方向への特殊景品Wの移動を規制するように設けられることが好ましい。
【0112】
また、短辺部260bの上端縁には、外側に突出する平板状の突出部263が形成されている。この突出部263は、規制部材250が、図17に示すような下方に移動された状態から、図16に示すような上方に移動された状態にする際に機能する部分である。すなわち、規制部材250が下方に移動された状態(図17参照)で、例えば、スタッカ部昇降台190が降下すると、スタッカ部昇降台190が移動する周囲の所定の静止部材に突出部263が係合し、規制部材250がスタッカ部昇降台190とともに下降しない状態となる。これによって、規制部材250をスタッカ部昇降台190に対して上方にスライドさせることができ、規制部材250が上方に移動された状態となる(図16参照)。この所定の静止部材として、例えば、図10に示す、スタッカ部昇降台190などが通過可能な開口部195における排出天板37の端縁などが挙げられる。
【0113】
ここで、スタッカ部昇降台190の上面からの規制部材250の高さHは、規制部材250が、図17に示すような下方に移動された状態の場合には、スタッカ部昇降台190上に積層可能な最大限の特殊景品Wを積層したときの特殊景品Wの積層高さに設定される。
【0114】
一方、規制部材250が、図16に示すような上方に移動された状態の場合には、規制部材250の高さHは、例えば、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wがスタッカ部昇降台190上で舞い上がっても外部に放出されない高さに設定される。例えば、この場合における規制部材250の高さHは、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wがスタッカ部昇降台190上で舞い上がる最大の高さなどに対応させて設定される。
【0115】
また、規制部材250の開口部251の幅Iは、進入する特殊景品Wの幅(特殊景品Wにおける開口部251の幅I方向の長さ)よりも若干長く構成されている。また、規制部材250の奥行きJの長さは、進入する特殊景品Wの長さ(特殊景品Wにおける規制部材250の奥行きJ方向の長さ)よりも若干長いか、同じ長さに構成されている。
【0116】
上記したように、規制部材250をスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けることで、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wが、スタッカ部昇降台190上で舞い上がるのを防止することができる。また、特殊景品Wをスタッカ部昇降台190上に蹴り出す際、規制部材250が上方に移動された状態となっているため、例えば、特殊景品Wが舞い上がった場合でも、外部に特殊景品Wを放出することなく、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを積層することができる。さらに、規制部材250をスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けることで、スタッカ部昇降台190上における特殊景品Wの移動を規制して、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを整列して積層させることができる。
【0117】
さらに、規制部材250の他の構成について説明する。
【0118】
図18は、ガード部材270を備え、規制部材250の先端縁から上方にガード部材270が突出している状態のスタッカ部昇降台190上の規制部材250を、特殊景品Wが進入する側から見たときの斜視図である。図19は、ガード部材270を備え、規制部材250の先端縁から上方にガード部材270が突出していない状態のスタッカ部昇降台190上の規制部材250を、特殊景品Wが進入する側から見たときの斜視図である。
【0119】
図18に示すように、規制部材250には、スタッカ部昇降台190の移動する方向(ここでは、上下方向)に進退可能にガード部材270が設けられている。このガード部材270は、規制部材250と同様に、長辺部280aおよび短辺部280bを有するL字状の壁面部材280で構成され、規制部材250の周囲を覆うように配置されている。
【0120】
また、長辺部280aには、ガード部材270を、規制部材250に対して、スタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けるための長穴281が形成されている。ガード部材270は、長穴281を介して、例えば、金属やプラスチックなどからなる、ボルト、ナットおよびワッシャの組み合わせで構成される部材などの固定部材282によって、スタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に取り付けられる。
【0121】
また、短辺部280bの上端縁には、外側に突出する平板状の突出部283が形成されている。この突出部283は、ガード部材270が、図19に示すような下方に移動された状態(規制部材250の先端縁から上方に突出していない状態)から、図18に示すような規制部材250の先端縁から上方に突出させた状態にする際に機能する部分である。すなわち、規制部材250の先端縁から上方にガード部材270が突出していない状態(図19参照)で、例えば、スタッカ部昇降台190が降下すると、スタッカ部昇降台190が移動する周囲の所定の静止部材に突出部283が係合し、ガード部材270が規制部材250とともに下降しない状態となる。これによって、ガード部材270を規制部材250に対して上方にスライドさせることができ、規制部材250の先端縁から上方にガード部材270が突出した状態となる(図18参照)。この所定の静止部材として、例えば、図10に示す、スタッカ部昇降台190などが通過可能な開口部195における排出天板37の端縁などが挙げられる。
【0122】
ここで、規制部材250の高さHは、スタッカ部昇降台190上に積層可能な最大限の特殊景品Wを積層したときの特殊景品Wの積層高さに設定される。また、ガード部材270を規制部材250の先端縁から上方に突出させた状態(図18参照)における、規制部材250の先端縁からの突出長さLは、例えば、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wがスタッカ部昇降台190上で舞い上がっても外部に放出されない高さに設定される。例えば、規制部材250の先端縁からの突出長さLは、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wがスタッカ部昇降台190上で舞い上がる最大の高さなどに対応させて設定される。なお、ガード部材270を規制部材250の先端縁から上方に突出させていない状態では、規制部材250の先端と、ガード部材270の先端とが同じ平面上となるように構成することが好ましい。
【0123】
なお、ガード部材270を規制部材250に進退可能に取り付ける構成は、上記した構成に限られるものではない。
【0124】
図20は、ガード部材270を他の構成で規制部材250に取り付けた際の、スタッカ部昇降台190上の規制部材250を、特殊景品Wが進入する側から見たときの斜視図である。
【0125】
図20に示すように、ガード部材270の底面と、スタッカ部昇降台190の上面との間を、例えば、バネなどの弾性部材290で接続してもよい。また、ガード部材270を規制部材250に沿うように、スタッカ部昇降台190が移動する方向に進退させるため、断面がL字状のガイド溝291を設けている。このガイド溝291は、例えば、長辺部280aの開口部251側の端縁の外側壁、短辺部280bの開口部252側の端縁の外側壁に設けられる。ガード部材270は、このガイド溝291に嵌められ、規制部材250の外側面に沿って上下方向に移動可能となる。
【0126】
ここで、ガード部材270に押圧力などの外力が加わらない状態では、ガード部材270は、弾性部材290によって、上方向、すなわち、規制部材250の先端縁から上方にガード部材270が突出する状態となるように維持されている。
【0127】
例えば、スタッカ部昇降台190が上昇し、ガード部材270の先端縁が、所定の位置において当接部材に当接することで、ガード部材270は、規制部材250に対して相対的に下方側に移動される。これによって、ガード部材270が規制部材250の先端縁から上方に突出していない状態となる。
【0128】
なお、図20に示した構成では、図18および図19に示した構成のように、長辺部280aの長穴281、固定部材282、短辺部280bの突出部283などの構成が不要となる。
【0129】
上記したように、規制部材250にガード部材270を備えることで、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wが、スタッカ部昇降台190上で舞い上がるのを防止することができる。また、特殊景品Wをスタッカ部昇降台190上に蹴り出す際、ガード部材270は、規制部材250の先端縁から上方に突出した状態に維持されるため、例えば、特殊景品Wが舞い上がった場合でも、外部に特殊景品Wを放出することなく、景品スタッカ部183上に特殊景品Wを積層することができる。さらに、景品スタッカ部183上に規制部材250を備えることで、景品スタッカ部183上における特殊景品Wの移動を規制して、景品スタッカ部183上に特殊景品Wを整列して積層させることができる。
【0130】
次に、景品払出ユニット34の構成の一例について説明する。
【0131】
図10に示すように、景品払出ユニット34は、物品払出手段として機能し、景品払出ユニット34の筐体内に設けられ、スタッカ部昇降台190によって景品払出ユニット34内に搬送された特殊景品Wを排出天板37上に押し出して払い出す景品押出部36から主に構成されている。
【0132】
この景品押出部36は、特殊景品Wと接触し特殊景品Wを押し出す押出部材201と、この押出部材201に垂直に接続され、駆動モータ(図示しない)に接続されたギヤ部などによって押出部材201を所定の方向に移動する動力伝達部材202とを備えている。
【0133】
景品払出ユニット34の高さ、すなわち、排出天板37の上面から景品払出ユニット34の天板の下面までの距離は、例えば、スタッカ部昇降台190上に積層可能な最大限の特殊景品Wを積層したときの特殊景品Wの積層高さよりも若干高い高さ(最大限に特殊景品Wを積層した場合に特殊景品Wを押し出すことができる程度の隙間を有した高さ)に相当する距離とすることができる。
【0134】
例えば、前述したようなスタッカ部昇降台190上に規制部材250を設ける場合には、景品払出ユニット34の高さは、規制部材250の高さHに相当する距離とすることができる。また、規制部材250がスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に設けられた場合には、景品払出ユニット34の高さは、規制部材250が下方に移動された状態(図17参照)の規制部材250の高さHに相当する距離とすることができる。また、ガード部材270を備えた規制部材250を設けた場合には、景品払出ユニット34の高さは、規制部材250の先端縁から上方にガード部材270が突出していない状態(図19参照)の規制部材250の高さHに相当する距離とすることができる。なお、押出部材201の高さは、この景品払出ユニット34の高さに対応させて構成される。
【0135】
また、景品払出ユニット34の景品払出口35に、例えば、特殊景品Wを払い出す際には移動または開動して、特殊景品Wを払い出し可能とするシャッタ60を設けてもよい。このように、景品払出口35にシャッタ60を設けて、特殊景品Wを払い出さないときには、景品払出口35を閉鎖することで、例えば、景品払出口35からゴミなどの異物が投入されることを防止することができる。また、遊技客が手などを挿入することを防止することができる。
【0136】
なお、駆動モータ(図示しない)は、主制御手段48またはレーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0137】
ここで、押出部材201および動力伝達部材202の構成について詳しく説明する。
【0138】
図21は、押出部材201および動力伝達部材202を上方、すなわち景品払出ユニット34の上方から見たときの平面図である。図22は、押出部材201が規制部材250の開口部252から規制部材250内に進入するときの様子を上方から見たときの平面図である。図23は、押出部材201が規制部材250内を移動するときの様子を上方から見たときの平面図である。図24は、押出部材201が規制部材250内を通過後、景品払出口35に特殊景品Wを押し出している様子を上方から見たときの平面図である。図25は、規制部材250の出口が景品払出口35となる場合における、押出部材201が規制部材250を通過後の様子を上方から見たときの平面図である。
【0139】
図21および図22に示すように、押出部材201は、特殊景品Wに当接可能な中央当接部210と、この中央当接部210の両側端側に設けられ、中央当接部210の外側において特殊景品Wに当接可能な外側当接部211と、外側当接部211を特殊景品Wの押出方向およびこの押出方向とは逆方向に回動可能に接続する接続部材212とを備えている。また、接続部材212は、例えば、バネなどの弾性部材で構成される。
【0140】
図21に示すように、押出部材201は、接続部材212によって、通常は、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置し、特殊景品Wと当接する中央当接部210の当接面210aと、特殊景品Wと当接する外側当接部211の当接面211aとが同一平面上に位置するように構成されている。また、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置するときの、押出部材201の幅Mは、この押出部材201に接触する特殊景品Wの幅N(図24参照)よりも大きくなるように構成されている。
【0141】
スタッカ部昇降台190上の特殊景品Wを払い出すために、動力伝達部材202によって移動され押出部材201が規制部材250の開口部252に進入すると、図22に示すように、外側当接部211が特殊景品Wの押出方向とは逆方向に回動する。そして、規制部材250の開口部252を通過した中央当接部210は、スタッカ部昇降台190上の規制部材250内に積層された特殊景品Wに当接し、所定の押し出し方向に特殊景品Wを押圧して移動する。ここで、所定の押し出し方向は、直線的な方向であり、例えば、特殊景品Wが積層された方向または並べられた方向に垂直な方向などである。
【0142】
押出方向に押出部材201をさらに移動すると、規制部材250の開口部252を外側当接部211も通過し、図23に示すように、押出部材201は、規制部材250内に進入する。特殊景品Wと当接する押出部材201の幅Mは、規制部材250の幅Iより大きいため、外側当接部211は、開口部252から規制部材250内に進入することで、接続部材212の付勢力によって若干元に戻されるものの、規制部材250内では、特殊景品Wの押出方向とは逆方向に回動されたままの状態となる。そのため、規制部材250内では、中央当接部210のみが特殊景品Wと当接する。中央当接部210のみが特殊景品Wと当接する状態であっても、規制部材250内では、特殊景品Wの押出方向および上方方向以外の方向における移動は、規制部材250および中央当接部210で規制されている。そのため、積層された特殊景品Wは、その積層状態を維持し、整った状態で移動される。
【0143】
ここで、押出部材201が規制部材250内を通過後、さらに景品払出口35に向けて特殊景品Wを押し出して、景品払出口35から特殊景品Wを払い出す場合について説明する。
【0144】
図24に示すように、規制部材250内を通過した押出部材201は、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置した状態で特殊景品Wと当接している。また、押出部材201における特殊景品Wとの当接面積は、規制部材250内を通過したときの方が、規制部材250内のときよりも大きくなっている。この状態では、上記したように、押出部材201の幅Mは、この押出部材201に接触する特殊景品Wの幅Nよりも大きくなるため、規制部材250内を通過した後においても、積層された特殊景品Wを整った状態で景品払出口35まで押し出すことができる。
【0145】
なお、景品払出口35の開口は、積層された特殊景品Wを通過可能なサイズに構成され、かつ、景品払出口35の開口面積は、押出部材201の特殊景品Wと当接する側の面積以下となるように構成されることが好ましい。例えば、景品払出口35の開口面積は、押出部材201を、景品払出口35か形成される壁面に投影した際の投影面積以下に構成されることが好ましい。
【0146】
一方、特殊景品Wを払い出した後、押出部材201は、動力伝達部材202によって、特殊景品Wを払い出す方向とは逆の方向に移動される。そして、押出部材201が規制部材250の開口部252に進入すると、押出部材201が移動されている逆方向に外側当接部211が回動し、規制部材250内を通過する。さらに、規制部材250の開口部252においては、外側当接部211が、さらに押出部材201が移動されている逆方向に回動し、規制部材250の開口部252を通過する。規制部材250の開口部252を通過した押出部材201は、図21に示す、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置した状態に戻る。
【0147】
次に、規制部材250の出口が景品払出口35となる場合における特殊景品Wの払い出しについて説明する。
【0148】
なお、規制部材250の出口が景品払出口35となる場合、図25に示すように、規制部材250の開口部251の端部は、特殊景品Wの移動方向に行くに伴って徐々に外側に広がるテーパ形状に形成されることが好ましい。また、外側当接部211の外側の端縁であって、景品払出口35側となる部分には、切り欠き溝211bが形成されている。この切り欠き溝211bを構成することで、押出部材201が規制部材250と通過した後、図25に示すように、中央当接部210の当接面210aおよび外側当接部211の当接面211aが、景品払出ユニット34の景品払出口35が形成された外側面と同一平面上に位置するように構成されている。
【0149】
また、このテーパ形状の端縁、すなわち規制部材250の開口部251の端縁の幅Iは、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置した状態における押出部材201の幅Mとほぼ等しいか、若干大きく構成される。なお、このテーパ形状部を除く、中央当接部210の当接面210aおよび外側当接部211の当接面211aの幅は、特殊景品Wの幅Nよりも大きくなるように構成されることが好ましい。
【0150】
また、図23に示すように、押出部材201が規制部材250を通過後、すなわち特殊景品Wが景品払出口35を通過した後における押出部材201は、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置した状態となる。
【0151】
なお、景品払出口35の開口は、積層された特殊景品Wを通過可能なサイズに構成され、かつ、景品払出口35の開口面積は、押出部材201の特殊景品Wと当接する側の面積以下となるように構成されることが好ましい。例えば、景品払出口35の開口面積は、押出部材201を、景品払出口35か形成される壁面に投影した際の投影面積以下に構成されることが好ましい。
【0152】
この場合においても、押出部材201における特殊景品Wとの当接面積は、規制部材250内を通過後の方が、規制部材250内のときよりも大きくなっている。そのため、上記した、押出部材201が規制部材250内を通過後、さらに景品払出口35に向けて特殊景品Wを押し出して、景品払出口35から特殊景品Wを払い出す場合と同様の効果を得ることができる。
【0153】
一方、特殊景品Wを払い出した後、押出部材201は、動力伝達部材202によって、特殊景品Wを払い出す方向とは逆の方向に移動される。そして、押出部材201が規制部材250の開口部252に進入すると、押出部材201が移動されている逆方向に外側当接部211が回動し、規制部材250内を通過する。さらに、規制部材250の開口部252においては、外側当接部211が、さらに押出部材201が移動されている逆方向に回動し、規制部材250の開口部252を通過する。規制部材250の開口部252を通過した押出部材201は、図21に示す、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置した状態に戻る。
【0154】
ここで、押出部材201の構成は、上記した構成に限られるのもではない。図26は、他の構成の押出部材201および動力伝達部材202を上方、すなわち景品払出ユニット34の上方から見たときの平面図である。
【0155】
図26に示すように、押出部材201は、特殊景品Wに当接可能な中央当接部310と、この中央当接部310の両側端側に設けられ、中央当接部310に一部を収納可能に構成された外側当接部311とを備えるように構成されてもよい。そして、この場合、外側当接部311の外側の端部311aは、図26に示すように、特殊景品Wと当接する側の面とその面に対向する面との距離が先端に向かって徐々に小さくなるテーパ形状に構成されている。なお、テーパ状となる端部311aの特殊景品Wと当接する側の面とその面に対向する面は、それぞれ外側に凸となる曲面で構成される。
【0156】
また、外側当接部311の内側の端部311bは、中央当接部310の厚さよりも薄く形成され、特殊景品Wの押出方向と直交方向に中央当接部310内に進退可能に構成されている。なお、外部から外力を受けない状態では、外側当接部311は、図26に示すように、端部311bが中央当接部310から外部に突出した状態となっている。例えば、端部311bは、中央当接部310の内部に設けられたバネなどの弾性部材によって外側方向に力を受けるように構成されてもよい。
【0157】
この構成の押出部材201において、例えば、押出部材201が規制部材250の開口部252に進入すると、押出部材201が移動されている方向に対して直行方向に外側当接部211が移動して、開口部252を通過することができる。
【0158】
なお、この構成においても、端部311bが中央当接部310から外部に突出した状態における、押出部材201の幅Mは、この押出部材201に接触する特殊景品Wの幅N(図21参照)よりも大きくなるように構成されている。なお、この構成の場合、テーパ状となる端部311aを除く押出部材201の幅、すなわち、特殊景品Wと当接する部分における幅が、特殊景品Wの幅N(図24参照)よりも大きくなるように構成される。
【0159】
なお、この実施例の景品払出機10における各レーンには、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から着脱可能に収容し、上部に上部ユニット42、下部に下部ユニット43が設けられた景品搬送ユニット44、および景品払出口35が備えられている。この構成を有するレーンが景品払出機10の長手側横方向に6個並べられている。また、1つのレーンとしての景品払出機能としては、積層景品列である3つの景品収納部100からなる景品カートリッジ33を下記の如くに動作させ、3つの景品収納部100のうち1つを景品支持部170の上方に位置させ、景品支持部170が下記の如くに昇降の動作を行い、スタッカ部昇降台190に1枚ずつ指示枚数分、特殊景品Wを排出し、スタッカ部昇降台190を上昇させた後、景品押出部36を駆動して、景品払出口35に指示枚数の特殊景品Wを払い出すまでを含む。
【0160】
(景品払出機10の動作の一例)
次に、上記した景品払出機10における、景品カートリッジ33の景品払出機10への装填動作、特殊景品Wの昇降動作、上部ユニット42および景品払出ユニット34の各動作の一例について、図を参照して説明する。
【0161】
まず、景品払出機10の各動作について説明する。
【0162】
(景品カートリッジ33の景品払出機10への装填動作)
まず、景品カートリッジ33の景品払出機10への装填動作について、図5、図6および図8を参照して説明する。
【0163】
ここで、景品払出機10には、6個の景品カートリッジ33を装填することが可能であるが、ここでは、その内の1個の景品カートリッジ33の装填動作について説明する。なお、他の景品カートリッジ33の装填動作も以下に示す装填動作と同様である。
【0164】
また、各景品カートリッジ33の景品収納部100に、用途に応じて、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納してもよいし、同じ種類の特殊景品Wを収納してもよい。
【0165】
また、例えば、景品払出機10の景品カートリッジ33を装着する部分が6つのレーンある場合には、例えば、3つのレーンには、異なる種類の特殊景品Wが収納された景品カートリッジ33を装着し、残りの3つのレーンには、同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を装着してもよい。
【0166】
図6に示すように、特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を、一端を先端にして景品カートリッジ挿入口32から景品払出機10に挿入する。また、図5に示すように、景品カートリッジ挿入口32から挿入され、カートリッジ設置板134上に載置された景品カートリッジ33は、所定の位置まで挿入されることで、カートリッジ設置板134の外側面に配設されたマグネット用プレート106とキャッチ手段110に配設されたマグネット111とが接続する。
【0167】
なお、ここでは、キャッチ手段110に、挿入された景品カートリッジ33を識別するためのホール素子が備えられているものとする。そして、レーン制御手段50は、キャッチ手段110に設置されたホール素子からに情報に基づいて、景品カートリッジ挿入口32に挿入された景品カートリッジ33が適切なものであるかを判定する。この判定で、挿入された景品カートリッジ33が適切でない場合には、例えば、ブザーなどで知らせる。
【0168】
続いて、主制御手段48からの情報に基づいて、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ136を駆動させ、タイミングベルト137を回転させ、カートリッジ設置板134を景品カートリッジ挿入口32からみて奥側に移動させる。
【0169】
なお、カートリッジ設置板134を移動する際、カートリッジ設置板134の暴走により、限界位置に達したことを検知するリミットスイッチを設けてもよい。このリミットスイッチを設けた場合には、レーン制御手段50は、リミットスイッチからの情報により、ステッピング駆動モータ136の駆動を停止させる。
【0170】
続いて、カートリッジ設置板134の移動中に、キャッチ手段110側の景品収納部100の背面を形成する壁部の外面に設けられた光反射板107からの反射光に基づいて、支持部材131が初期位置となる位置に景品カートリッジ33が位置することを位置検知センサ108が検知すると、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ136の駆動を停止させる。
【0171】
(特殊景品Wの昇降の動作)
次に、図9、図10および図27を参照して、初期設定位置に移動された景品カートリッジ33の景品収納部100に収納された特殊景品Wを上方に押し上げる動作の一例を説明する。
【0172】
図27には、景品収納部100に収納された特殊景品Wを景品支持部170で支持し、上部に移動する状態を示す断面図が示されている。
【0173】
レーン制御手段50からの指示に基づいて、ステッピング駆動モータ151が駆動されると、ギヤ部152がスパイラルシャフト153にその動力を伝達し、スパイラルシャフト153を回転させる。スパイラルシャフト153が回転すると、昇降台132が上昇し、景品支持部170が上昇し始める。
【0174】
景品支持部170が上昇し、景品支持部170の支持部材131の上面が、景品収納部100に収納された最下部の特殊景品Wの下面に接する。
【0175】
そして、積層された特殊景品Wは、支持部材131によって支持されて景品収納部100内を上方に移動される。
【0176】
そして、積層された特殊景品Wの上部は、景品カートリッジ挿入口32の天井面に開口された開口部158を通過し、上部ユニット42内に搬送される。
【0177】
そして、図10に示すように、支持部材131に支持された特殊景品Wが、当接部180の景品受ローラ181に当接する状態に設置される。
【0178】
ここで、レーン制御手段50は、当接部180の位置が所定の位置にあるか否かを位置検知センサ189からの情報に基づいて判断し、当接部180の位置の設定を行う。
【0179】
また、上部ユニット42の天井面の下端近傍に設置された空センサ(図示しない)によって、景品カートリッジ挿入口32側の景品収納部100に収納された特殊景品Wがなくなったことが検知された場合には、主制御手段48はレーン制御手段50を介して、景品支持部170を下降させる方向にステッピング駆動モータ151を回転させる情報を出力し、景品支持部170の支持部材131の上面がカートリッジ設置板134より下方に位置するまで景品支持部170を下降させる。
【0180】
続いて、主制御手段48はレーン制御手段50を介して、ステッピング駆動モータ136を駆動させ、カートリッジ設置板134を景品カートリッジ挿入口32側に移動して、最も景品カートリッジ挿入口32側の景品収納部100に隣接する景品収納部100を景品支持部170上に移動する。
【0181】
続いて、最も景品カートリッジ挿入口32側の景品収納部100の場合と同様に、その隣接する景品収納部100に収納される特殊景品Wを当接部180の景品受ローラ181に当接させる。そして、上述した当接部180の位置の設定動作を行う。
【0182】
また、空センサ(図示しない)によって、3列ある景品収納部100内の特殊景品Wが全て無くなったことが検知された場合には、主制御手段48はレーン制御手段50を介して、景品支持部170を下降させる方向にステッピング駆動モータ151を回転させる情報を出力し、景品支持部170の支持部材131の上面がカートリッジ設置板134より下方に位置するまで景品支持部170を下降させる。そして、その景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態にする。
【0183】
ここで、景品カートリッジ挿入口32の取り出し可能な位置とは、最も奥側の景品収納部100が、カートリッジガイドレール130の切欠された位置にあること、つまり、昇降台132上に設置された景品支持部170によって、最も奥側の景品収納部100に収納された特殊景品Wを上方に移動できる位置にあることをいう。
【0184】
また、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態になったときに、例えば、主制御手段48は、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能であることを報知するための情報を景品払出ユニット34の上面の両端に設置されたスピーカ40に出力してもよい。その情報を入力したスピーカ40からは、例えば、「景品カートリッジを取り出し可能です」などの音声情報が発せられる。
【0185】
また、主制御手段48は、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能であることを報知するための情報を操作表示パネル41に設けられた表示部41aに出力してもよい。その情報を入力した表示部41aでは、例えば、「景品カートリッジを取り出し可能です」などの表示がされる。
【0186】
なお、上記したように特殊景品Wを排出する景品収納部100の移動を行っている際にも、他の景品カートリッジ挿入口32に装填された景品カートリッジ33を用いることで、特殊景品Wの支払動作を続けることが可能である。
【0187】
また、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態にする動作は、空センサ(図示しない)からの出力に基づいて、3列ある景品収納部100内の特殊景品Wが全て無くなったことが検知された場合以外に、例えば、景品払出機10の操作表示パネル41に設けられたテンキー41fなどによって、景品カートリッジ33を取り出す指示をすることもできる。さらに、景品払出機10の背面扉31が開けられたことを背面扉開扉検知手段31cで検知した場合に、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態にする動作を行わせてもよい。
【0188】
(上部ユニット42および景品払出ユニット34の動作)
次に、上部ユニット42および景品払出ユニット34における動作について、図28〜図32を参照して説明する。
【0189】
図28〜図30は、上部ユニット42の動作を示す側面図である。また、図31および図32は、景品払出ユニット34の動作を示す側面図である。
【0190】
レーン制御手段50は、主制御手段48からの特殊景品Wの払い出しに関する情報に基づいて、回転ベルト184を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動し、回転ベルト184を回転させる。そして、回転ベルト184が回転し、回転ベルト184の景品押出爪182が、景品受ローラ181に当接した最上部の特殊景品Wを押し出す(図28参照)。
【0191】
景品押出爪182によって特殊景品Wの積層部から押し出された特殊景品Wは、当接部180と前ゲート193との間の隙間を通って、景品スタッカ部183に排出され、スタッカ部昇降台190上に設置された規制部材250内に進入する。規制部材250内に進入した特殊景品Wは、規制部材250によって移動を規制される(図29参照)。
【0192】
なお、規制部材250がスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に設けられた場合には、規制部材250内に特殊景品Wを貯留する工程において、規制部材250が上方に移動された状態(図16参照)となっている。また、ガード部材270を備えた規制部材250を用いる場合には、規制部材250内に特殊景品Wを貯留する工程において、ガード部材270は、規制部材250の先端縁から上方に突出した状態となっている(図18および図20参照)。
【0193】
上記した動作を繰り返し、所定数の特殊景品Wをスタッカ部昇降台190上に設置された規制部材250内に積層する(図30参照)。なお、規制部材250がスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に設けられた場合には、規制部材250によってスタッカ部昇降台190上における特殊景品Wの舞い上がりが防止され、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを整列して積層することができる。また、ガード部材270を備えた規制部材250を用いる場合には、ガード部材270によってスタッカ部昇降台190上における特殊景品Wの舞い上がりが防止され、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを整列して積層することができる。
【0194】
レーン制御手段50は、所定数の特殊景品Wがスタッカ部昇降台190上に載置されたことを検知すると、ステッピング駆動モータ192を駆動し、スタッカ部昇降台190を上昇させる。スタッカ部昇降台190の上面が、景品払出ユニット34の下面(排出天板37の上面)と水平になる位置で景品払出ユニット34の上昇が停止する(図31参照)。
【0195】
なお、この際、規制部材250の先端は、景品払出ユニット34の下面に接するか、もしくは規制部材250の先端と景品払出ユニット34の下面との間に若干の隙間を有する。また、規制部材250がスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に設けられた場合には、規制部材250の先端が景品払出ユニット34の下面に当接して押圧力を受けけることで、規制部材250は、下方に移動された状態(図17参照)となる。また、ガード部材270を備えた規制部材250を用いる場合には、ガード部材270の先端が景品払出ユニット34の下面に当接して押圧力を受けけることで、ガード部材270は、規制部材250に対して相対的に下方側に移動される。これによって、ガード部材270が規制部材250の先端縁から上方に突出していない状態となる(図19参照)。
【0196】
続いて、レーン制御手段50は、景品押出部36を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動させ、前述したように、押出部材201は、動力伝達部材202によって特殊景品Wを払い出す方向に移動される。具体的は、例えば、押出部材201は、規制部材250の開口部252に進入し、図22に示すように、外側当接部211が特殊景品Wの押出方向とは逆方向に回動する。規制部材250の開口部252を通過した中央当接部210は、スタッカ部昇降台190上の規制部材250内に積層された特殊景品Wに当接し、所定の押し出し方向に特殊景品Wを押圧して移動する。そして、特殊景品Wを景品払出口35から排出する(図32参照)。なお、この際、レーン制御手段50は、シャッタ60を開くための指示を出し、シャッタ60を開く。
【0197】
ここで、1つの景品払出口35から1回に払い出される特殊景品Wの最大数が、例えば10個の場合には、払い出される特殊景品Wの数が11〜20個のときには、異なるレーンの景品カートリッジ33を用いて、2つの景品払出口35から特殊景品Wが払い出される。また、払い出される特殊景品Wの数が21個以上の場合には、複数回の払出動作によって、景品払出口35から特殊景品Wが払い出される。
【0198】
なお、1つの景品払出口35から1回に払い出される特殊景品Wの最大数は、特殊景品Wの厚さによって異なる。
【0199】
また、各レーンの景品カートリッジ33に収納される特殊景品Wの在庫枚数が、そのレーンから払い出すべき枚数に満たない場合は、在庫分を全てそのレーンから払い出し、残りを同じ特殊景品Wが収納されている他のレーンの景品カートリッジ33から払い出すことができる。
【0200】
一方、特殊景品Wの払い出しが完了後、レーン制御手段50は、景品押出部36を初期位置に移動させるように、景品押出部36を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動させ、前述したように、景品押出部36を特殊景品Wを払い出す方向とは逆の方向に移動させる。具体的には、例えば、押出部材201が規制部材250の開口部252に進入すると、押出部材201が移動されている逆方向に外側当接部211が回動し、規制部材250内を通過する。さらに、規制部材250の開口部252においては、外側当接部211が、さらに押出部材201が移動されている逆方向に回動し、規制部材250の開口部252を通過する。そして、規制部材250の開口部252を通過した押出部材201は、図21に示す、中央当接部210と外側当接部211とが直線状に位置した状態に戻る。
【0201】
続いて、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ192を駆動し、スタッカ部昇降台190を下降させ、初期位置に戻す。
【0202】
なお、規制部材250がスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に設けられた場合には、前述したように、スタッカ部昇降台190が下降する際に、規制部材250は、上方に移動された状態(図16参照)となる。また、ガード部材270を備えた規制部材250を用いる場合には、前述したように、スタッカ部昇降台190が下降する際に、ガード部材270が規制部材250の先端縁から上方に突出した状態となる(図18および図20参照)。
【0203】
上記したように、本発明に係る景品払出機10によれば、規制部材250をスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に設けることで、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wが、スタッカ部昇降台190上で舞い上がるのを防止することができる。また、規制部材250にガード部材270を備えることで、景品押出爪182に蹴り出された特殊景品Wが、スタッカ部昇降台190上で舞い上がるのを防止することができる。
【0204】
また、規制部材250がスタッカ部昇降台190の移動する方向に進退可能に設けられた場合、特殊景品Wをスタッカ部昇降台190上に蹴り出す際、規制部材250は、上方に移動された状態(図16参照)となっているため、例えば、特殊景品Wが舞い上がった場合でも、外部に特殊景品Wを放出することなく、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを積層することができる。また、ガード部材270を備えた規制部材250を用いる場合、特殊景品Wをスタッカ部昇降台190上に蹴り出す際、ガード部材270は、規制部材250の先端縁から上方に突出した状態に維持されるため、例えば、特殊景品Wが舞い上がった場合でも、外部に特殊景品Wを放出することなく、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを積層することができる。
【0205】
さらに、スタッカ部昇降台190上に規制部材250を備えることで、スタッカ部昇降台190上における特殊景品Wの移動を規制して、スタッカ部昇降台190上に特殊景品Wを整列して積層させることができる。
【0206】
また、本発明に係る景品払出機10によれば、規制部材250内では、押出部材201が特殊景品Wと当接する面積を減少させ、中央当接部210のみが特殊景品Wと当接する状態となっている。この中央当接部210のみが特殊景品Wと当接する状態であっても、規制部材250内では、特殊景品Wの押出方向および上方方向以外の方向における移動は、規制部材250および中央当接部210で規制される。そのため、積層された特殊景品Wを、その積層状態を維持して整った状態で移動することができる。
【0207】
さらに、本発明に係る景品払出機10によれば、規制部材250内を通過した後における、押出部材201が特殊景品Wと当接する面積は、規制部材250内を通過している際における、押出部材201が特殊景品Wと当接する面積よりも大きくすることができる。そのため、規制部材250内を通過した後においても、積層された特殊景品Wを整った状態で景品払出口35まで押し出すことができる。
【0208】
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0209】
10…景品払出機、31…背面扉、31a…施錠機構、31b…把持部、31c…背面扉開扉検知手段、32…景品カートリッジ挿入口、33…景品カートリッジ、34…景品払出ユニット、35…景品払出口、36…景品押出部、37…排出天板、38…払出口指示点灯部、39…表示部、40…スピーカ、41…操作表示パネル、41a…表示部、41b…エラー発生点灯部、41c…併設景品管理装置数点灯部、41d…レディ点灯部、41e…パネル、41f…テンキー、41g…リセットボタン、41h…モード切替ボタン、42…上部ユニット、43…下部ユニット、44…景品搬送ユニット、45…カートリッジ挿入口扉、45a…係止開口部、45b…回動支持部材、45c…カートリッジ挿入口扉把持部、47…接点スイッチ、48…主制御手段、49…ロック機能部、50…レーン制御手段、60…シャッタ、100…景品収納部、101…景品ストッパ、102…ガイド、103…挿入用把持部、106…マグネット用プレート、107…光反射板、108…位置検知センサ、110…キャッチ手段、111…マグネット、130…カートリッジガイドレール、131…支持部材、132…昇降台、133…ガイドローラ、134…カートリッジ設置板、135…切欠部、136…ステッピング駆動モータ、137…タイミングベルト、151…ステッピング駆動モータ、152、190a、191…ギヤ部、153…スパイラルシャフト、154…リニアシャフト、155a、155b…リニアガイド、156…位置検知板、157…位置検知センサ、158…開口部、159…景品載置検知センサ、160…エンコーダ部、170…景品支持部、180…当接部、181…景品受ローラ、182…景品押出爪、183…景品スタッカ部、184…回転ベルト、185…弾性部材、186…軌道レール、187…摺動部材、188…位置検知板、188a、188b…凸部、189…位置検知センサ、190…スタッカ部昇降台、192…ステッピング駆動モータ、193…前ゲート、194…後ゲート、195…開口部、201…押出部材、202…動力伝達部材、210、310…中央当接部、210a、211a…当接面、211、311…外側当接部、211b…切り欠き溝、212…接続部材、250…規制部材、251、252…開口部、260、280…壁面部材、260a、280a…長辺部、260b、280b…短辺部、261、281…長穴、262、282…固定部材、263、283…突出部、270…ガード部材、290…弾性部材、291…ガイド溝、W…特殊景品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を一時的に並べて貯留可能な物品貯留部と、
前記物品貯留部を移動する移動手段と、
前記物品貯留部に貯留される物品の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記移動手段の移動方向に進退可能であり、物品の移動を規制する規制部材と、
前記規制部材によって移動が規制された物品を物品貯留部から排出口を介して外部に押し出す物品押出手段と
を具備することを特徴とすることを特徴とする物品押出機。
【請求項2】
前記規制部材は、前記物品貯留部の移動に伴って、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態、または前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の物品押出機。
【請求項3】
前記規制部材は、前記物品押出手段を収容する構造体の一部に当接して、移動方向と逆方向の押圧力を受けることで、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態から前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とする請求項1または2記載の物品押出機。
【請求項4】
前記規制部材は、前記物品押出手段による物品の払い出しが完了し、前記移動手段によって、前記物品貯留部を物品を一時的に並べて貯留可能な位置に移動する際に、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の物品押出機。
【請求項5】
物品を収納する物品収納部と、
前記物品収納部から払い出すべき物品を取り出す物品取出手段と、
前記物品収納部から取り出された物品を一時的に並べて貯留可能な物品貯留部と、
前記物品貯留部を移動する移動手段と、
前記物品貯留部に貯留される物品の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記移動手段の移動方向に進退可能であり、物品の移動を規制する規制部材と、
前記移動手段によって所定の位置に移動され、前記規制部材によって移動が規制された物品を物品貯留部から物品払出口を介して外部に押し出す物品払出手段と
を具備することを特徴とする物品払出機。
【請求項6】
前記規制部材は、前記物品貯留部の移動に伴って、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態、または前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とすることを特徴とする請求項5記載の物品払出機。
【請求項7】
前記規制部材は、前記物品押出手段を収容する構造体の一部に当接して、移動方向と逆方向の押圧力を受けることで、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態から前記物品が並べられた方向とは逆の方向に退去した状態となることを特徴とする請求項5または6記載の物品払出機。
【請求項8】
前記規制部材は、前記物品押出手段による物品の払い出しが完了し、前記移動手段によって、前記物品貯留部を物品を一時的に並べて貯留可能な位置に移動する際に、前記物品貯留部の物品が並べられた方向に突出した状態となることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の物品払出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−220842(P2010−220842A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71862(P2009−71862)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000137203)株式会社マースエンジニアリング (218)
【Fターム(参考)】