説明

物品搬送装置

【解決手段】 シューアイス製造装置1の物品搬送装置は、複数のシューアイス2を横方向に整列させた状態で搬送する第2コンベヤ7と、該フリーザーコンベヤ上のシューアイス2を移載する4個の第2移載手段10と、上記シューアイス2を3台の第1〜第3包装手段4A〜4Cへと排出する3列の第1〜第3搬送経路8a〜8cが形成された第3コンベヤ8とを備えている。
上記第1〜第3包装手段が作動する際、上記4個の第2移載手段10は上記第1〜第3搬送経路8a〜8cのそれぞれにシューアイス2を移載し、第2包装手段4Bが非作動となった際、上記4個の第2移載手段10は作動している第1、第3包装手段4A,4Cへの第1、第3搬送経路8a、8cにシューアイス2を移載する。
【効果】 少なくとも1台の処理手段が非作動となっても、作動している処理手段へと物品を排出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品搬送装置に関し、詳しくは複数の物品を横方向に整列させた状態で搬送する供給コンベヤと、該供給コンベヤ上に整列した物品を上記整列方向に直交する縦方向に移載する移載手段と、上記物品を上記横方向に搬送するとともに移載手段により移載された物品を処理手段に排出する排出コンベヤとを備えた物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シューアイスを製造するシューアイス製造装置として、液状の内容物が充填されたシューアイスを冷却して固化させるフリーザーと、上記シューアイスを個別にピロー包装する包装手段とを備えたものが知られている。
またこのようなシューアイス製造装置には上記シューアイスを搬送する物品搬送装置が設けられ、上記フリーザーに設けられてシューアイスを横方向に整列させた状態で搬送する供給コンベヤと、フリーザーと包装手段との間に設けられて上記物品を上記横方向に搬送し、シューアイスを包装手段へと排出する排出コンベヤとを備えている。
また上記物品搬送装置は供給コンベヤ上に横方向に整列したシューアイスを縦方向に移動させて、シューアイスを上記排出コンベヤへと移載する移載手段が設けられている。
このような上記移載手段によって搬送方向が異なる供給コンベヤから排出コンベヤへと物品を移載する物品搬送装置としては、特許文献1ないし特許文献3にかかる物品搬送装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−69744号公報
【特許文献2】特開平11−164653号公報
【特許文献3】特許第4164948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記シューアイス製造装置において、フリーザーによるシューアイスの供給量が、1台の包装手段による処理能力よりも多い場合、包装手段を複数台設けてシューアイスを複数の包装手段によって処理する場合がある。
しかしながら、複数の包装手段のうち少なくとも1台の包装手段が非作動となると、その非作動となった包装手段に供給されるシューアイスが排出コンベヤ上に蓄積されてしまい、シューアイスの品質が低下してしまうという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は複数の処理手段のうち、少なくとも1台の包装手段が非作動となっても、作動している処理手段へと物品を排出することが可能な物品搬送装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明にかかる物品搬送装置は、複数の物品を横方向に整列させた状態で搬送する供給コンベヤと、該供給コンベヤの下流に接続されるとともに上記供給コンベヤから受け取った物品を横方向に搬送する排出コンベヤと、上記供給コンベヤ上に整列した物品を上記横方向と交差する縦方向に移動させて上記排出コンベヤへ移載する複数の移載手段と、上記排出コンベヤの下流に配置されるとともに搬送された上記物品に所定の処理を行う複数の処理手段と、上記各移載手段を制御する制御手段とを備え、
上記複数の処理手段が全て作動する正常時には、上記制御手段は上記移載手段を制御して上記排出コンベヤ上に整列した複数の物品を上記排出コンベヤの各処理手段に対応する列に振り分けて移載させ、
上記複数の処理手段のうち少なくとも1つの処理手段が非作動となる異常時には、上記制御手段は上記移載手段を制御して、非作動となった処理手段に対応する列に物品を移載させず、上記正常時に移載した物品と同数の物品を、作動している処理手段に対応する列に移載させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、少なくとも1個の処理手段が非作動となっても、物品を上記非作動の処理手段以外への搬送経路に移載するので、非作動となった処理手段への搬送経路には物品が移載されず、また正常時と同数の物品が移載されるため物品が廃棄されるようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施例にかかるシューアイス製造装置の平面図
【図2】第2移載手段についての平面図
【図3】第2移載手段についての側面図
【図4】第2移載手段の動作を説明する図
【図5】第2実施例にかかるシューアイス製造装置の平面図
【図6】第2移載手段の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、図1は第1実施例にかかるシューアイス製造装置1の平面図を示し、物品としての液状の内容物が充填されたシューアイス2を冷却するとともにシューアイス2を包装する装置を示している。
シューアイス製造装置1は、液状の内容物を空のシュー生地に充填する図示しない充填手段と、充填手段から供給されたシューアイス2を冷却して上記内容物を固化させるフリーザー3と、フリーザー3から排出されたシューアイス2を個別にピロー包装する3台の処理手段としての第1〜第3包装手段4A〜4Cとから構成され、このシューアイス製造装置1は図示しない制御手段によって制御される。
またシューアイス製造装置1はシューアイス2を搬送する物品搬送装置5を備え、上記充填手段からフリーザー3にシューアイス2を搬送する第1コンベヤ6と、フリーザー3内部でシューアイス2を搬送する供給コンベヤとしての第2コンベヤ7と、フリーザー3から排出されたシューアイス2を上記第1〜第3包装手段4A〜4Cへと排出する排出コンベヤとしての第3コンベヤ8と、第1コンベヤ6上のシューアイス2を第2コンベヤ7に移載する第1移載手段9と、第2コンベヤ7上のシューアイス2を第3コンベヤ8に移載する4つの第2移載手段10とから構成されている。
本実施例において、上記第1コンベヤ6および上記第3コンベヤ8は図1の図示左から右へと横方向にシューアイス2を搬送し、上記第2コンベヤ7は図1の図示上から下へと縦方向にシューアイス2を搬送するようになっており、以下の説明において横方向または縦方向はこのシューアイス2の整列方向または搬送方向を示している。
【0009】
上記充填手段は空のシュー生地の内部に液状の内容物を充填する装置であって、内容物を充填したシューアイス2を上記第1コンベヤ6に横方向に等間隔に整列した状態で供給するようになっている。
上記フリーザー3は、上記第2コンベヤ7の搬送方向に沿って設けられており、上記フリーザー3内を第2コンベヤ7がシューアイス2を搬送することで、シューアイス2の内容物が冷却されて固化するようになっている。
上記第1〜第3包装手段4A〜4Cは、上記第3コンベヤ8によって搬送されたシューアイス2を一つずつピロー包装する装置であって、1台の包装手段の処理能力は上記フリーザー3の供給能力より低いため、本実施例では3台の包装手段を設けている。
【0010】
上記第1コンベヤ6は、上記第2コンベヤ7の上流端に隣接する位置に設けられ、シューアイス2を横方向に搬送するとともに、シューアイス2が下流端(図示右端)に到達すると一旦停止するようになっている。
本実施例では第2コンベヤ7の上流端に隣接した位置に45個のシューアイス2が整列した状態で停止するようになっており、この45個のシューアイス2は上記第1移載手段9によって第2コンベヤ7へと移載されるようになっている。
上記第2コンベヤ7は、横方向に45個のシューアイス2が整列可能な幅を有しており、この横方向に整列したシューアイス2を縦方向に複数列整列した状態で縦方向に搬送するようになっている。
上記第3コンベヤ8は、上記第2コンベヤ7の下流端に隣接する位置に設けられ、シューアイス2が第2移載手段10によって移載されると、シューアイス2を横方向に搬送するようになっている。
またこの第3コンベヤ8には、上記3台の第1〜第3包装手段4A〜4Cに物品を排出するため、並行に3列の第1〜第3搬送経路8a〜8cが形成されており、これら第1〜第3搬送経路8a〜8cを介してそれぞれ対応する第1〜第3包装手段4A〜4Cにシューアイス2を排出するようになっている。
【0011】
上記第1移載手段9は上記第1コンベヤ6に沿って横方向に設けられた押圧部材9aと、該押圧部材9aを縦方向に移動させる図示しない駆動手段とによって構成されている。
上記押圧部材9aは上記駆動手段によって第1コンベヤ6の上面を縦方向に往復動するようになっており、非作動時には上記第1コンベヤ6における上記フリーザー3とは反対側に位置している。
そして第1コンベヤ6の下流端にシューアイス2が到達すると、上記制御手段が駆動手段を制御して押圧部材9aを縦方向に移動させ、第1コンベヤ6上の45個のシューアイス2を第2コンベヤ7上に移載するようになっている。
【0012】
図2、図3は上記第2移載手段10の平面図および側面図を示し、4台の第2移載手段10はそれぞれシューアイス2を押圧する押圧部材と、該押圧手段を移動させる駆動手段とを備えている。
以下の説明において、図1、図2における図示左方の押圧部材から順に、第1〜第4押圧部材11A〜11Dとし、またこれら第1〜第4押圧部材11A〜11Dを移動させる駆動手段をそれぞれ第1〜第4駆動手段12A〜12Dとして説明する。
上記第1〜第4押圧部材11A〜11Dはそれぞれ板状の部材であって、図2に示すように横方向に整列した際にはその端部同士が略隙間なく接近して、第2コンベヤ7上に横方向に整列した45個のシューアイス2の全てに当接するようになっている。
ここで、両端に位置する第1、第4押圧部材11A,11Dは、図示右端部および左端部からそれぞれ15個のシューアイス2に当接可能な長さを有し、第3、第4押圧部材11B,11Cはそれぞれ8個および7個のシューアイス2に当接可能な長さを有している。
そして、上記第1〜第4駆動手段12A〜12Dは、それぞれ第2コンベヤ7の上方に縦方向に設けたボールねじ12aと、該ボールねじ12aを駆動するサーボモータ12bと、ボールねじ12aに沿って縦方向に進退動する水平移動部12cと、水平移動部12cから下方に向けて設けたエアシリンダ12dとを備え、上記エアシリンダ12dの下端部にそれぞれ第1〜第4押圧部材11A〜11Dが連結固定されている。
上記水平移動部12cは上記ボールねじ12aをサーボモータ12bが回転させることにより水平方向に移動し、第2コンベヤ7の下流端よりもシューアイス2の複数列分だけ上流側の位置と、上記第3コンベヤ8の上方の位置との間で往復動するようになっている。
また上記エアシリンダ12dは第1〜第4押圧部材11A〜11Dをシューアイス2を押圧可能な下降位置と、シューアイス2に干渉しない上昇位置とに昇降させるようになっている。
そして制御手段は第2コンベヤ7によって搬送されるシューアイス2のうち、下流端に位置するシューアイス2の位置を図示しないセンサや第2コンベヤ7に設けたエンコーダなどによって認識して、第1〜第4押圧部材11A〜11Dを下流端に位置するシューアイス2の上流側に隣接した押圧開始位置に下降させるようになっている。
【0013】
以上の構成を有するシューアイス製造装置1の動作について、まず、第1〜第3包装手段4A〜4Cが全て作動している正常時の動作について説明する。
最初に、上記充填手段が空のシュー生地に液状の内容物を充填すると、上記第1コンベヤ6はこの内容物が充填されたシューアイス2を一列に横方向へと搬送し、45個のシューアイス2が上記第2コンベヤ7に隣接した位置に整列する。
この状態で上記第1移載手段9が作動し、これにより第1コンベヤ6上の45個のシューアイス2は押圧部材9aによって押圧され、第2コンベヤ7上に移載される。
その後、第2コンベヤ7がシューアイス2を1ピッチ分縦方向に搬送すると、上記第1コンベヤ6は新たに45個のシューアイス2を搬送し、第1移載手段9が第2コンベヤ7に新たにシューアイス2を移載する。
上記フリーザー3は第2コンベヤ7により搬送されるシューアイス2を冷却し、シューアイス2の内容物は搬送される間に固化するようになっている。
【0014】
シューアイス2が第2コンベヤ7によって縦方向に搬送されると、制御手段は上記第2移載手段10の第1〜第4駆動手段12A〜12Dを制御して、第1〜第4押圧部材11A〜11Dをそれぞれ第2コンベヤ7の下流端に位置するシューアイス2の上流側に隣接した押圧開始位置に位置させる。
第1〜第4押圧部材11A〜11Dが上記押圧開始位置に位置すると、制御手段は第1〜第4駆動手段12A〜12Dにより第1〜第4押圧部材11A〜11Dを縦方向に移動させ、シューアイス2を第2コンベヤ7から第3コンベヤ8上へと移載する。
このとき制御手段は、第1〜第4駆動手段12A〜12Dによって第1〜第4押圧部材11A〜11Dの移動距離を異ならせて、図1に示すように第1押圧部材11Aは15個のシューアイス2を第3コンベヤ8における第1搬送経路8aまで押圧し、第2押圧部材11Bは8個のシューアイス2を第2搬送経路8bまで押圧し、第3押圧部材11Cは7個のシューアイス2を第2搬送経路8bまで押圧し、第4押圧部材11Dは15個のシューアイス2を第3搬送経路8cまで押圧する。
その結果、上記第3コンベヤ8における第1〜第3搬送経路8a〜8cには、それぞれ15個のシューアイス2が移載されることとなり、これらのシューアイス2は第3コンベヤ8によってそれぞれ第1〜第3包装手段4A〜4Cへと排出される。
その後、第1〜第4押圧部材11A〜11Dは第1〜第4駆動手段12A〜12Dのエアシリンダ12dによって、シューアイス2に干渉しない高さまで上昇され、その後再び上記押圧開始位置まで移動される。
また制御手段は、第1〜第4駆動手段12A〜12Dを制御して、シューアイス2の移載にかかる1サイクルの時間が同じとなるよう、第1〜第4押圧部材11A〜11Dの移動速度を異ならせるようになっている。
【0015】
一例として、上記フリーザー3が500個/分の割合でシューアイス2を供給する場合、上記第2移載手段10によるシューアイス2の移載動作にかかる1サイクルのタクトタイムを5・4秒とすれば、第1〜第3包装手段4A〜4Cにはそれぞれ167個/分の割合でシューアイス2が排出されることとなる。
これに対し、第1〜第3包装手段4A〜4Cがそれぞれ180個/分の処理能力を有し、各第1〜第3搬送経路8a〜8cを介して供給される167個/分のシューアイス2を処理することが可能となっている。
また、このときの上記第1〜第3押圧部材11A〜11Dの押圧開始位置は一定となっており、この押圧開始位置は上記第3コンベヤ8に対して離隔した位置となっている(図3参照)。
【0016】
次に、図4を用いて第2包装手段4Bが非作動状態となった異常時の場合におけるシューアイス製造装置1の動作について説明する。ここでは、第2包装手段4Bを比較的短時間で復旧することが可能ないわゆる「チョコ停」が発生した際の動作について説明する。
第2包装手段4Bが停止したことを認識すると、制御手段は第2移載手段10のうち、第2、第3駆動手段12B,12Cを制御して、第2、第3押圧部材11B,11Cの移動量を変化させる。
具体的には、第2押圧部材11Bが8個のシューアイス2を第1包装手段4Aに対応する第1搬送経路8aに移載し、第3押圧部材11Cが7個のシューアイス2を第3包装手段4Cに対応する第3搬送経路8cに移載する。
その結果、作動している第1包装手段4Aに対応する第1搬送経路8aには、第1押圧部材11Aが押圧する15個のシューアイス2と、第2押圧部材11Bが押圧する8個のシューアイス2とが移載されることとなる。
また作動している第3包装手段4Cに対応する第3搬送経路8cには、第3押圧部材11Cが押圧する7個のシューアイス2と、第4押圧部材11Dが押圧する15個のシューアイス2とが移載されることとなる。
このように、非作動となっている第2包装手段4Bに対応する第2搬送経路8bには、シューアイス2が移載されないようになっており、フリーザー3から一度に排出される45個の全てのシューアイス2は、作動している2台の第1、第3包装手段4A、4Cに対応する第1搬送経路8aおよび第3搬送経路8cに振り分けられて移載される。
【0017】
しかしながら、本実施例では上記フリーザー3の供給能力に合わせて3台の第1〜第3包装手段4A〜4Cを設けているため、作動している2台の第1、第3包装手段4A、4Cの処理能力に対し、フリーザー3からは多くのシューアイス2が供給されることとなる。
つまり、上記フリーザー3からは500個/分でシューアイス2が供給されるため、第2包装手段4Bが非作動となると、作動している第1、第3包装手段4A、4Cには250個/分の割合でシューアイス2が供給されることとなり、第1、第3包装手段4A、4Cでは処理しきれなくなる。
そこで本実施例では、上記第2移載手段10による1サイクルのタクトタイムを7.5秒とし、3台の包装手段が作動していたときに比べてタクトタイムを長くする。
その結果、第1搬送経路8aには184個/分、第3搬送経路8cには176個/分の割合でシューアイス2が移載されることとなり、上記第1、第3包装手段4A,4Cの処理能力に応じたシューアイス2を排出することができる。
なお、本実施例では第1包装手段4Aの処理能力180個/分よりも少し多くのシューアイス2を第1搬送経路8aに供給することにより、処理できないシューアイス2を第1搬送経路8a上で待機させることとなるが、タクトタイムを7.5秒よりも遅くして第1包装手段4Aの処理能力以下のシューアイスを第1搬送経路8aに移載するようにしてもよい。
【0018】
一方、上記第2コンベヤ7はシューアイス2を一定の搬送速度で搬送しているため、第2移載手段10の1サイクルのタクトタイムを長くすると、1サイクル毎に第2コンベヤ7の下流端に位置するシューアイス2が徐々に第3コンベヤ8に接近することとなる。
そこで本実施例では、予め第1〜第3包装手段4A〜4Cが作動している際の押圧開始位置を上記第3コンベヤ8から離隔した位置に設定しておき、1台の包装手段が非作動となった際には、この押圧開始位置を徐々に第3コンベヤ8に接近させるようになっている。
具体的には、制御手段は、第2包装手段4Bが非作動となると、上記第1〜第4駆動手段12A〜12Dにおける水平移動部12cの移動速度を遅くするなどの制御を行うとともに、シューアイス2が第2移載手段10が1サイクル作動するたびに第3コンベヤ8に接近するのに応じて、押圧開始位置を第3コンベヤ8に接近させる。
【0019】
その後第2包装手段4Bが復旧すると、制御手段は上述した第1〜第3搬送経路8a〜8cにそれぞれ15個のシューアイス2を移載するよう、4台の第2移載手段9を制御する。
このとき制御手段は、上記第2移載手段10の1サイクルのタクトタイムを、第2包装手段4Bが非作動となる以前のタクトタイムよりも短い5.0秒へと変更する。
これにより第1〜第3搬送経路8a〜8cにはそれぞれ180個/分の割合でシューアイス2が移載されることとなり、一方第2コンベヤ7の下流端に位置するシューアイス2は、第2移載手段10が1サイクル作動するたびに第3コンベヤ8より離隔するため、押圧開始位置も徐々に第3コンベヤ8より離隔することとなる。
そして、押圧開始位置が第2包装手段4Bが非作動となる以前の位置まで復帰すると、制御手段は第2移載手段の1サイクルのタクトタイムを以前の5.4秒に戻し、通常の運転状態に復帰する。
【0020】
なお、上記第1〜第3包装手段4A〜4Cが作動している際の押圧開始位置については、上記第3コンベヤ8から離隔させるほど、第2包装手段4Bが復旧するまでの時間的余裕が得られこととなるが、第2コンベヤ7が長くなってしまうことから、第1〜第3包装手段4A〜4Cの性能等に応じて任意に設定することができる。
また第1包装手段4Aまたは第3包装手段4Cが非作動となった場合についても、上記実施例と同様、制御手段は上記第1〜第4押圧部材11A〜11Dを移動させて、作動している包装手段に対応する搬送経路にシューアイス2を移載するようになっている。
【0021】
図5は第2実施例にかかるシューアイス製造装置1を示し、以下の説明において第1実施例と共通する部分については説明を省略する。
本実施例には、4台の第1〜第4包装手段4A〜4Dが設けられており、これに伴って第3コンベヤ8には4列の第1〜第4搬送経路8a〜8dが形成されている。
また上記第2移載手段10は6個設けられており、図示しない第1〜第6駆動手段によって駆動される第1〜第6押圧部材11A〜11Fを備えており、第1押圧部材11Aは11個のシューアイス2を、第2押圧部材11Bは5個のシューアイス2を、第3押圧部材11Cは6個のシューアイス2を、第4押圧部材11Dは6個のシューアイス2を、第5押圧部材11Eは5個のシューアイス2を、第6押圧部材11Fは12個のシューアイス2をそれぞれ押圧するようになっている。
上記構成により、第1〜第4包装手段4A〜4Dが作動している場合には、図5に示すように第1押圧部材11Aによって11個のシューアイス2を第1搬送経路8aに移載し、第2、第3押圧部材11B,11Cによって11個のシューアイス2を第2搬送経路8bに移載し、第4、第5押圧部材11D,11Eによって11個のシューアイス2を第3搬送経路8cに移載し、第6押圧部材11Fによって12個のシューアイス2を第4搬送経路8dに移載するようになっている。
【0022】
そして、例えば第2搬送経路8bに対応する第2包装手段4Bが非作動となって、第1、第3、第4包装手段4A、4C、4Dが作動状態となった場合、制御手段は以下のようにしてシューアイス2を第3コンベヤ8の第1、第3、第4搬送経路8a、8c、8dに移載するようになっている。
図6(a)〜(c)は第1〜第6押圧部材11A〜11Fによる第1、第3、第4搬送経路8a、8c、8dへの移載パターンを示しており、制御手段は第2移載手段10による1サイクルの動作を、この図6(a)〜(c)の順に行うことで、シューアイス2を移載させるようになっている。
図6(a)では、第1、第2押圧部材11A,11Bによって16個のシューアイス2を第1搬送経路8aに移載し、第3、第4、第5押圧部材11C,11D,11Eによって17個のシューアイス2を第3搬送経路8cに移載し、第6押圧部材11Fによって12個のシューアイス2を第4搬送経路8dに移載するようになっている。
図6(b)では、第1、第2押圧部材11A,11Bによって16個のシューアイス2を第1搬送経路8aに移載し、第3、第4押圧部材11c,11Dによって12個のシューアイス2を第3搬送経路8cに移載し、第5、第6押圧部材11E,11Fによって16個のシューアイス2を第4搬送経路8dに移載するようになっている。
図6(c)では、第1押圧部材11Aによって11個のシューアイス2を第1搬送経路8aに移載し、第2、第3、第4押圧部材11B,11C、11Dによって17個のシューアイス2を第3搬送経路8cに移載し、第5、第6押圧部材11E,11Fによって16個のシューアイス2を第4搬送経路8dに移載するようになっている。
【0023】
また本実施例においても、第1実施例と同様、第2制御手段10のタクトタイムを長くして第1〜第6押圧部材11A〜11Fの押圧開始位置を徐々に第3コンベヤ8側に移動させるようになっており、また第2包装手段4Bが復旧した際には押圧開始位置を元の位置まで復帰させるようになっている。
ここで、この第2実施例のように第1、第3、第4搬送経路8a、8c、8dへの移載パターンを切り換えることで、第1、第3、第4包装手段4A、4C、4Dへのシューアイス2の供給量を平準化することができ、これにより第2移載手段10の1サイクルのタクトタイムを長くする時間を抑えることができる。
【0024】
なお、上記第1、第2実施例は一例であり、上記第3コンベヤ8に形成する第1〜第3搬送経路8a〜8cは複数列であればよく、また第2移載手段10の1サイクルのタクトタイムについても自由に設定することができる。
例えば、上記第1、第2実施例では、異常時においても包装手段の処理能力を落とさないようにタクトタイムを設定しているが、異常時には包装手段の処理能力を落とし、これに伴って上記第2移載手段10による第2コンベヤ7からのシューアイス2の排出速度を落としてもよい。
また、例えば第2実施例において、2台の第1、第2包装手段4A、4Bが停止した際には、作動している残り2台の第3、第4包装手段4C、4Dに対応する第3、第4搬送経路8c、8dにシューアイス2を移載するよう、第1〜第6押圧部材11A〜11Fを移動させることも可能である。
さらに、上記第1実施例において、上記第2移載手段10を3台とし、それぞれ15個のシューアイス2を押圧する3つの押圧部材によって移載することも可能である。
この構成とした場合、例えば1台の包装手段が停止した際には、3つの押圧手段のうち、2つの押圧部材が作動している一方の包装手段に対応する搬送経路にシューアイスを移載し、残り1つの押圧部材が作動している他方の包装手段に対応する搬送経路にシューアイスを移載すればよい。
仮に第1包装手段4Aが停止したとすると、1回目の移載作業では第1、第2押圧部材11A,11Bにより30個のシューアイス2を第2包装手段4Bに対応する第2搬送経路8bに移載させ、他方、第3押圧手段11Cにより15個のシューアイス2を第3包装手段4Cに対応する第3搬送経路8cに移載する。
そして2回目の移載作業で、第1押圧部材11Aにより15個のシューアイス2を第2搬送経路8bに移載させ、他方、第2、第3押圧手段11B、11Cにより30個のシューアイス2を第3搬送経路8cに移載する。
そして、上記実施例ではシューアイス製造装置1について説明したが、本発明にかかる物品搬送装置は他の分野にも応用することが可能であり、構成としては上記実施例における上記第2コンベヤ7をなくして、上記第1コンベヤ6を供給コンベヤとし、第1コンベヤ6から第3コンベヤ8に第2移載手段10が物品を移載する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 シューアイス製造装置
2 シューアイス
3 フリーザー
4A〜4C 第1〜第3包装手段(処理手段)
5 物品搬送装置
7 第2コンベヤ(供給コンベヤ)
8 第3コンベヤ(排出コンベヤ)
8a〜8c 第1〜第3搬送経路
10 第2移載手段(移載手段)
11A〜11D 第1〜第4押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を横方向に整列させた状態で搬送する供給コンベヤと、該供給コンベヤの下流に接続されるとともに上記供給コンベヤから受け取った物品を横方向に搬送する排出コンベヤと、上記供給コンベヤ上に整列した物品を上記横方向と交差する縦方向に移動させて上記排出コンベヤへ移載する複数の移載手段と、上記排出コンベヤの下流に配置されるとともに搬送された上記物品に所定の処理を行う複数の処理手段と、上記各移載手段を制御する制御手段とを備え、
上記複数の処理手段が全て作動する正常時には、上記制御手段は上記移載手段を制御して上記排出コンベヤ上に整列した複数の物品を上記排出コンベヤの各処理手段に対応する列に振り分けて移載させ、
上記複数の処理手段のうち少なくとも1つの処理手段が非作動となる異常時には、上記制御手段は上記移載手段を制御して、非作動となった処理手段に対応する列に物品を移載させず、上記正常時に移載した物品と同数の物品を、作動している処理手段に対応する列に移載させることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記各移載手段の移載に要するサイクル時間を設定可能とし、
上記異常時には、上記正常時よりも移載手段のサイクル時間を長く設定することを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−111320(P2011−111320A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272021(P2009−272021)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】