説明

物品搬送装置

【課題】昇降チェーンの伸びを任意の時点において検出可能な物品搬送装置を提供する。
【解決手段】索状体が、上部巻回案内体から下方に伸びて昇降体に端部が固定状態で接続される上方部分141a、142aと、下部巻回案内体から上方に伸びて昇降体に端部が相対移動自在に接続される下方部分141b、142bとを備え、下方部分141b、142bの端部を上方に付勢する付勢手段20spが設けられ、昇降体に、下方部分141b、142bの端部と昇降体の基準部分20dとの間の距離を計測する測距手段21が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に沿う昇降案内マストと、前記昇降案内マストにて昇降自在に案内される物品搬送用の昇降体と、両端部が前記昇降体に連結され且つ前記昇降案内マストの上端側に設けられる上部巻回案内体と下端側に設けられる下部巻回案内体とに亘って巻回されて前記昇降体を昇降駆動するループ状の索状体と、前記索状体を巻回駆動して、前記昇降体を昇降駆動する昇降駆動手段と、前記昇降駆動手段の作動を制御する制御手段とを備えた物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送装置として、従来、物品搬送用の昇降体を、両端部が昇降体に連結され、且つ、昇降案内マストの上端側に設けられる上部スプロケットと下端側に設けられる下部スプロケットとに亘って巻回されたループ状の昇降チェーンによって昇降駆動するように構成されたものが知られている。
このような物品搬送装置では、昇降チェーンが、上部スプロケットから下方に伸びて昇降体に端部が固定状態で接続される上方部分と、下部スプロケットから上方に伸びて昇降体に端部が相対移動自在に接続される下方部分とを備え、そのループ状の昇降チェーンが弛むことを抑制するために、その昇降チェーンの下方部分の端部をスプリングによって長手方向の端部側に付勢して昇降チェーンにテンションを付与するテンショナーが備えられている。テンショナーは、昇降チェーンが経年変化により伸びると、スプリングの弾性変形により昇降チェーンの伸びを吸収するが、その昇降チェーンの経年変化による伸びが許容量以上となると、適正なテンションを維持できない。そこで、昇降チェーンの経年変化による伸びが許容量以上に達したことを検出するために、昇降チェーンの下方部分における特定部分の位置が、昇降体の基準部分に対して所定の位置関係となったことによって検出するリミットスイッチが上記昇降体に設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−120593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のリミットスイッチは、上述のように昇降チェーンの下方部分における特定部分の位置が、昇降体の基準部分に対して所定の位置関係となったときにその位置が検出されるものであるため、昇降チェーンの伸びが許容量に達するまで、その伸びがどの程度であるのかが分からないものであった。そのため、昇降チェーンの交換時期を予め想定し難い。
また、例えば、昇降体を2本の昇降チェーンによって昇降させる構成において、その2本の昇降チェーンの伸び量の差に起因して昇降体が水平姿勢から傾くことを検出する場合においては、いずれかの昇降チェーンの伸びが許容量に達するまで、昇降体の水平姿勢からの傾きを検出できないものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、昇降チェーンの伸びを任意の時点において検出可能な物品搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明にかかる物品搬送装置は、上下方向に沿う昇降案内マストと、前記昇降案内マストに案内支持されて前記昇降案内マストに沿って昇降自在な物品搬送用の昇降体と、両端部が前記昇降体の上部と下部とに連結され且つ前記昇降案内マストの上端側に設けられる上部巻回案内体と下端側に設けられる下部巻回案内体とに亘って巻回されて前記昇降体を昇降駆動するループ状の索状体と、前記索状体を巻回駆動して、前記昇降体を昇降駆動する昇降駆動手段と、前記昇降体を昇降作動させるべく前記昇降駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられたものであって、
その第1特徴構成は、前記索状体が、前記上部巻回案内体から下方に伸びて前記昇降体に端部が固定状態で接続される上方部分と、前記下部巻回案内体から上方に伸びて前記昇降体に端部が相対移動自在に接続される下方部分とを備え、前記下方部分の端部を上方に付勢する付勢手段が設けられ、前記昇降体に、前記下方部分の端部と前記昇降体の基準部分との間の距離を計測する測距手段が設けられている点にある。
【0007】
すなわち、ループ状の索状体の上方部分が昇降体に端部が固定状態で接続され、その下方部分の端部が上方に付勢されるものであるから、ループ状の索状体における上方部分の端部から下方部分の端部までの間に発生する長手方向への伸長が、付勢手段によって下方部分の端部を上方に付勢することで吸収される。
【0008】
そのため、ループ状の索状体の伸長に伴って、上方に付勢されている索状体の下方部分の端部と昇降体の基準部分との間の距離が変化することになる。したがって、索状体の下方部分の端部と昇降体の基準部分との間の距離を測距手段によって計測することで、任意の時点においてループ状の索状体の伸びがどれほどかを知ることができる。
【0009】
要するに、第1特徴構成によれば、昇降チェーンの伸びを任意の時点において検出できるものとなる。
【0010】
本発明にかかる物品搬送装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記昇降体に搬送対象の物品が載置されていないときに前記測距手段により計測される空荷時距離情報と、前記昇降体に搬送対象の物品が載置されているときに前記測距手段により計測される実荷時距離情報との差に基づいて、前記昇降体に載置されている搬送対象の物品の重量を算出する重量算出手段が設けられている点にある。
【0011】
すなわち、昇降体に搬送対象の物品を載置すると、状体の上方部分はその物品の重量に比例する力で下方に引っ張られ、それに伴って索状体の下方部分も索状体における上方部分側に引っ張られることになる。したがって、昇降体に搬送対象の物品を載置すると、索状体の下方部分の端部は付勢手段による上方への付勢に抗して物品の重量に比例する距離だけ下方に移動することになる。
そして、測距手段は、上記のように移動した索状体の下方部分の端部と昇降体の基準部分との距離を検出することになるので、昇降体に搬送対象の物品が載置されていないときに測距手段により計測される空荷時距離情報と、昇降体に搬送対象の物品が載置されているときに測距手段により計測される実荷時距離情報との差に基づいて昇降体に載置される搬送対象の物品の重量を知ることができる。
【0012】
要するに、第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、昇降チェーンの伸びに基づいて、容易に昇降体に載置される搬送対象の物品の重量を知ることができる。
【0013】
本発明にかかる物品搬送装置の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記重量算出手段にて算出される前記搬送対象の物品の重量が速度変更用設定重量よりも小さいと判別したときには、前記昇降体を基準速度より高速で昇降作動させるべく前記昇降駆動手段の作動を制御する昇降速度変更処理を実行するように構成されている点にある。
【0014】
すなわち、搬送対象の物品の重量が速度変更用設定重量よりも小さいと判別されたときには、昇降体を基準速度より高速で昇降作動させることになる。
物品の昇降移動時に昇降駆動手段により単位時間に消費されるエネルギーは、搬送対象の物品の重量、及び、昇降体の昇降速度の大きさに伴って変化することになる。そして、搬送対象の物品の重量が小さいときに物品の昇降移動時に昇降駆動手段により単位時間に消費されるエネルギーは、搬送対象の物品の重量がそれよりも大きいときにおいて物品の昇降移動時に昇降駆動手段により単位時間に消費されるエネルギーよりも小さいものである。
つまり、搬送対象の物品の重量に拘わらず常に昇降体を基準速度より高速で昇降作動させると、物品の昇降移動時に昇降駆動手段により単位時間に消費されるエネルギーが増大してしまう虞があるが、第3特徴構成によれば、速度変更用設定重量を設定して、搬送対象の物品の重量がその速度変更用設定重量よりも小さいときにのみ昇降体を基準速度より高速で昇降作動させるものであるから、物品の昇降移動時に昇降駆動手段により単位時間に消費されるエネルギーの増大を回避しながらも物品の搬送効率を向上することが可能となる。
【0015】
要するに、第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成による作用効果に加えて、物品の昇降移動時に昇降駆動手段により単位時間に消費されるエネルギーの増大を回避しながらも物品の搬送効率を向上することができる。
【0016】
本発明にかかる物品搬送装置の第4特徴構成は、上記第2又は第3特徴構成に加えて、前記搬送対象の物品の重量情報を予め取得する物品重量情報取得手段が設けられ、前記制御手段が、前記物品重量情報取得手段によって取得した前記搬送対象の物品の重量情報と、前記重量算出手段にて算出される前記搬送対象の物品の重量情報とが異なる場合に、異常状態であると判別するように構成されている点にある。
【0017】
すなわち、制御手段は、搬送対象の物品の重量情報を物品重量情報取得手段によって取得し、その搬送対象の物品の重量情報と、重量算出手段にて算出される、実際に昇降体に載置された物品の重量情報とが異なる場合には、実際に昇降体に載置された物品に荷崩れが生じていたり、目的とする物品とは異なる物品を搬送しようとしている虞がある異常状態であると判別することになる。
そして、制御手段が、そのように異常状態であると判別した場合には、物品の搬送を継続すべきではないと判別して、例えば昇降体の昇降作動を停止し、操作者に対してエラーメッセージを報知して確認を促す等の制御を行うことにより、異常状態における物品の搬送を回避することができる。
【0018】
要するに、第4特徴構成によれば、上記第2又は第3特徴構成による作用効果に加えて、搬送対象の物品が異常状態であることを適切に判別して、異常状態における物品の搬送を回避することができる。
【0019】
本発明にかかる物品搬送装置の第5特徴構成は、上記第1〜第4のいずれかの特徴構成に加えて、第1計測時に前記測距手段により計測される第1距離情報と、その第1計測時から設定期間経過後の第2計測時に前記測距手段により計測される第2距離情報とに基づいて、前記索状体の磨耗伸び変形量を算出する磨耗伸び変形量算出手段が設けられている点にある。
【0020】
すなわち、測距手段が、第1計測時(例えば物品搬送装置の設置後であって物品搬送装置を最初に稼動させる前)に測距手段により計測される第1距離情報と、その第1計測時から設定期間(例えば1ヶ月等)経過後の第2計測時に測距手段により計測される第2距離情報とを計測することになる。
第1距離情報及び第2距離情報は、一例として、第1計測時及び第2計測時において、昇降体に搬送対象の物品が載置されておらず且つ昇降体が同一の昇降高さにある状態において測距手段にて計測される距離情報(以下、物品非載置時距離情報という)とすることができる。
また、第1距離情報及び第2距離情報の別の例として、第1計測時及び第2計測時において、昇降体に同一の重量(許容載置重量又はそれ以下の特定の重量)の物品が載置され且つ昇降体が同一の昇降高さにある状態において測距手段にて計測される距離情報(以下、物品載置時距離情報という)とすることができる。
【0021】
そして、その第1距離情報及び第2距離情報との差に基づいて、第1計測時とそれから設定期間経過後の第2計測時までの間における索状体の磨耗伸び変形量を算出することになる。
【0022】
また、第1計測時(例えば物品搬送装置の設置後であって物品搬送装置を最初に稼動させる前)の物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報とを第1距離情報とし、第2計測時(第1計測時から設定期間経過後)の物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報とを第2距離情報として、第1距離情報としての物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報との差と、第2距離情報としての物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報との差に基づいて、第1計測時とそれから設定期間経過後の第2計測時までの間における索状体の磨耗伸び変形量を算出することができる。
つまり、第1距離情報と第2距離情報とは、同条件で計測することが好ましい。
【0023】
なお、磨耗伸び変形量算出手段が毎日の起動時に測距手段による距離情報の計測を行う場合には、前日に計測した距離情報を第1距離情報とし、当日計測した距離情報を第2距離情報とする。
【0024】
このように、磨耗伸び変形量算出手段が第1計測時に前記測距手段により計測される第1距離情報と、第2計測時に前記測距手段により計測される第2距離情報との差に基づいて索状体がどれだけ伸長したかを算出するものであるから、策状体が第1計測時と第2計測時との間にどれだけ磨耗伸び変形したかを算出できるものとなり、索状体の経年劣化に伴う磨耗伸び変形量を導き出すことができるものとなる。
【0025】
要するに、第5特徴構成によれば、上記第1〜第4特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、索状体の経年変化に伴う磨耗伸び変形量を導き出すことができるものとなる。
【0026】
本発明にかかる物品搬送装置の第6特徴構成は、上記第1〜第5のいずれかの特徴構成に加えて、長さの異なる経路にて巻回され各別に前記昇降体に接続される一対の索状体を備え、前記測距手段が前記一対の索状体の夫々に対して各別に設けられ、前記一対の索状体の夫々についての前記測距手段の距離情報に基づいて算出された夫々の前記索状体の伸び量の差に基づいて、前記昇降体の水平姿勢からの傾きを検出する傾き検出手段が設けられている点にある。
【0027】
すなわち、昇降体における平面視にて異なる箇所に各別に接続された、長さの異なる経路にて巻回された索状体の夫々に対して各別に設けられた測距手段の夫々によって計測した距離情報に基づいて、夫々の索状体の伸び量が算出され、夫々の索状体の伸び量の差に基づいて、昇降体の水平姿勢からの傾きを検出することになるので、索状体の夫々に対して測距手段を設ける簡易な構成で、昇降体の水平姿勢からの傾きを容易に検出することができるものとなる。
【0028】
要するに、第6特徴構成によれば、上記第1〜第5特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、索状体の夫々に対して測距手段を設ける簡易な構成で昇降体の水平姿勢からの傾きを容易に検出することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】自動倉庫の全体斜視図
【図2】スタッカークレーンの側面図
【図3】テンショナーの構成を示す図
【図4】昇降体とそれに接続される索状体とを示す図
【図5】クレーン制御装置の制御ブロック図
【図6】本発明における昇降体の昇降速度パターンを示す図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の物品搬送装置を自動倉庫に適用した場合について、実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動倉庫は、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した二つの収納棚1と、それらの収納棚1どうしの間に形成した作業通路2を自動走行するスタッカークレーン3とが設けられ、各収納棚1には多数の物品収納部4が上下方向および棚横幅方向に並設されている。
【0031】
前記作業通路2には、収納棚1の長手方向に沿って走行レール5が設置され、作業通路2の一端側には、スタッカークレーン3の運転を管理する地上側コントローラ7と一対の荷載置台8とが設けられている。また、地上側コントローラ7は、スタッカークレーン3の運転を制御する制御手段としてのクレーン制御装置30(図5参照)と相互に通信可能に構成されている。
【0032】
図2に示すように、スタッカークレーン3は、走行レール5に沿って走行自在な走行台車10と、物品収納部4との間で物品を移載する物品移載装置11を備えた昇降体12と、走行台車10に上下方向に沿って立設されて物品搬送用の昇降体12を昇降自在に案内支持する昇降案内マスト13とを備えて構成されている。昇降案内マスト13は、走行台車10の走行方向に前後一対設けられている。
【0033】
そして、前後一対の昇降案内マスト13の上端部は上部フレーム15にて連結されており、この上部フレーム15には、スタッカークレーン3の走行方向視にて左右方向への揺れを規制する左右一対のガイドローラ15aがガイドレール6の左右両側面に当接する状態に設けられている。
なお、以降の説明においては、スタッカークレーン3の走行方向を前後方向と称し、前後方向における地上側コントローラ7側(図1及び2におけるHPで示す側)をHP側と称する。また、そのHP側と対向する側(図1及び2においてOPで示す側)をOP側と称する。また、平面視にてスタッカークレーン3の走行方向と直交する方向を左右方向と称する。
【0034】
走行台車10には、走行レール5上を走行自在な前後2つの走行輪17が設けられている。この2つの走行輪17は、走行台車10におけるOP側に設けられた走行輪17が、走行用駆動モータ18にて駆動される推進用の駆動走行輪17aとして構成され、走行台車10におけるHP側に設けられた走行輪17が、遊転自在な従動走行輪17bとして構成されている。
よって、走行用駆動モータ18にて駆動走行輪17aが回転駆動されることにより、走行台車10が走行レール5に沿って走行するように構成されている。
【0035】
走行台車10におけるHP側の端部に、レーザー投射部L1、受光部J1及び反射板18cからなり、走行台車10の走行距離を計測する走行用測距計18bが設けられている。
さらに、走行台車10上に、レーザー投射部L2、受光部J2、反射板19c及び反射板19dからなり、昇降体12の昇降距離を計測する昇降用測距計19bが設けられている。
【0036】
昇降体12は、ループ状の昇降チェーン14にて吊り下げ支持されており、昇降チェーン14は、昇降体12のOP側端部の上下に接続される昇降チェーン141と、昇降体12のHP側端部の上下に接続される昇降チェーン142との一対が設けられている。
昇降チェーン141は、昇降案内マスト13の上端側に取付けられる上部巻回案内体としての上部スプロケット22と、昇降案内マスト13の下端側に取付けられる下部巻回案内体としての下部スプロケット25とに亘って巻き掛けられ、さらに、昇降用駆動モータ19にて回転駆動される駆動スプロケット19sに巻き掛けられている。
また、昇降チェーン142は、昇降案内マスト13の上端側に取付けられる上部巻回案内体としての上部スプロケット23と、昇降案内マスト13の下端側に取付けられる下部巻回案内体としての下部スプロケット27とに亘って巻き掛けられ、さらに、昇降用駆動モータ19にて回転駆動される駆動スプロケット19sに巻き掛けられている。
そして、昇降用駆動モータ19にて駆動スプロケット19sが正逆に回転駆動されることにより、昇降チェーン141及び昇降チェーン142の夫々が長手方向に移動して、昇降体12が昇降移動するように構成されている。
【0037】
図2乃至図4に示すように、一対の昇降チェーン14のうち、昇降体12のOP側端部に連結されるループ状の昇降チェーン141は、上部スプロケット22から下方に伸びて、昇降体12に端部が固定状態で接続される上方部分141aと、下部スプロケット25から上方に伸びて昇降体12に端部が相対移動自在に接続される下方部分141bとを備えている。
また、一対の昇降チェーン14のうち、昇降体12のHP側端部に連結されるループ状の昇降チェーン142は、上部巻回案内体としての上部スプロケット23から下方に伸びて、昇降体12に端部が固定状態で接続される上方部分142aと、下部巻回案内体としての下部スプロケット27から上方に伸びて昇降体12に端部が相対移動自在に接続される下方部分142bとを備えている。
【0038】
図3及び図4に示すように、昇降チェーン141の上方部分141aの端部には固定用部材14uが接続され、この固定用部材14uの昇降チェーン接続側と逆側の端部には、雌ネジ部が設けられている。そして、この雌ネジ部が、アップライト28に固定される索状体留付部20Fの上方側固定片20uにボルトによって締め付けられて、上方側固定片20uに対して相対移動しない状態に固定される。
【0039】
昇降チェーン141の下方部分141bの端部には固定用部材14dが接続され、この固定用部材14dは、索状体留付部20Fに備える下方側固定片20dに設けられた貫通孔を貫通する状態で設けられている。固定用部材14dの昇降チェーン接続側と逆側の端部には、雌ネジ部が設けられ、この雌ネジ部に、上下移動片20yがナットにより固定されている。そして、下方側固定片20dと上下移動片20yとの間には、その中空部を固定用部材14dが貫通する状態で、下方側固定片20dと上下移動片20yとを離間する方向に付勢する付勢手段としてのスプリング20spが設けられている。
【0040】
下方側固定片20dには、上下移動片20yとの間の距離を計測する測距手段としての距離センサ21が設けられている。距離センサ21は、レーザー測距計等の光学式距離計にて構成されている。
【0041】
本実施形態では、上下移動片20yが索状体の下方部分の端部に相当し、下方側固定片20dが昇降体の基準部分に相当する。
すなわち、昇降チェーン14の下方部分141b又は142bの端部を上方に付勢する付勢手段としてのスプリング20spが設けられ、昇降体12に、下方部分141b又は142bの端部と昇降体12の基準部分との間の距離を計測する測距手段としての距離センサ21が設けられている。
なお、索状体留付部20は、図4に示すように昇降チェーン141側に設けられる索状体留付部20Fと、昇降チェーン142側に設けられる索状体留付部20Rとの一対が設けられており、昇降チェーン142側の索状体留付部20Rについても同様に構成されるため、説明は省略する。
【0042】
また、昇降チェーン141が巻回される経路と昇降チェーン142が巻回される経路とは、夫々長さの異なる経路であり、そのように長さの異なる経路にて巻回された昇降チェーン141及び昇降チェーン142が各別に昇降体12に接続され、距離センサ21が昇降チェーン141及び昇降チェーン142の夫々に対して各別に設けられている。
【0043】
制御手段としてのクレーン制御装置30は、図2に示すように、走行用測距計18aからの距離情報に基づいて走行台車10の走行位置及びその走行速度を算出して走行用駆動モータ18の作動を制御する走行制御部30aと、昇降用測距計19aからの距離情報に基づいて昇降体12の昇降位置及びその昇降速度を算出して昇降用駆動モータ19の作動を制御する昇降制御部30bと、昇降チェーン14の下方部分141b又は142bの端部と昇降体12の基準部分との間の距離を算出する距離算出部30cと、物品移載装置11の出退を制御する移載制御部30dと、走行用駆動モータ18の走行速度パターン及び昇降用駆動モータ19の昇降速度パターンを生成するパターン生成部30eとを備えて構成されている。また、距離算出部30cは、重量算出手段としての重量算出部30ca、磨耗伸び変形量算出手段としての磨耗伸び変形算出部30cb、及び、傾き検出手段としての傾き検出部30ccを備えて構成されている。さらに、クレーン制御装置30には、搬送対象の物品の重量情報を予め取得する物品重量情報取得手段としての物品重量情報取得部30fが設けられている。
これら各手段は、クレーン制御装置30が備えるマイクロコンピュータに実装されたソフトウェアプログラムにより実現される。
【0044】
次に、スタッカークレーン3の制御について、図5に示す制御ブロック図に基づいて説明する。
クレーン制御装置30における走行制御部30aは、走行用測距計18bの検出情報に基づいて走行台車10の走行速度を算出し、また、昇降制御部30bは、昇降用測距計19bの検出情報に基づいて昇降体12の昇降速度を算出するように構成されている。
そして、クレーン制御装置30におけるパターン生成部30eは、走行制御部30aからの走行台車10の現在の走行位置情報、及び、地上側コントローラ7からの走行停止位置情報に基づいて、走行パターンを生成し、さらに、昇降制御部30bからの昇降体12の現在の上下位置情報、及び、地上側コントローラ7からの昇降停止位置情報に基づいて、昇降パターンを図6に示す昇降速度パターンとなるように生成するように構成され、昇降制御部30bは、その昇降速度パターンに基づいて、昇降用駆動モータ19の作動を制御する。なお、図6には、昇降体12を上昇作動させるときの昇降速度パターンを示す。昇降体12を下降作動させるときにおいては、昇降速度Vvの向きが逆になるのみであるため、説明を省略する。
【0045】
具体的には、パターン生成部30eは、図6に示すように、昇降体12の昇降速度が基準速度としての目標設定速度Vv_mになるまで加速度α1にて加速し、次に、目標設定速度Vv_mにて昇降する定速昇降状態に移行し、その後、減速度β1にて減速する通常昇降パターンP1を生成する。そして、昇降制御部30bは、その昇降パターンにて昇降体12を昇降させるべく昇降用駆動モータ19の作動を制御する。このとき、昇降体12を昇降停止位置情報に基づく停止位置まで昇降させるのに要する時間は、t1[sec]となる。
【0046】
距離算出部30cには、距離センサ21からの測距情報が入力されるように構成されている。
距離算出部30cに備える重量算出手段としての重量算出部30caは、昇降体12に搬送対象の物品が載置されていないときに距離センサ21により計測される空荷時距離情報と、昇降体12に搬送対象の物品が載置されているときに距離センサ21により計測される実荷時距離情報との差に基づいて、昇降体12に載置されている搬送対象の物品の重量を算出する。
【0047】
そして、パターン生成部30eは、クレーン制御装置30が重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量が速度変更用設定重量よりも小さいと判別したときには、図6において一点鎖線に示すように、昇降体12の昇降速度が目標設定速度Vv_mよりも大きい第2目標設定速度Vv_m2になるまで上記加速度α1より大きい加速度α2にて加速し、次に、第2目標設定速度Vv_m2にて昇降する定速昇降状態に移行し、その後、上記減速度β1より大きい減速度β2にて減速する第2昇降パターンP2を生成する。そして、昇降制御部30bは、その第2昇降パターンP2にて昇降体12を昇降させるべく昇降用駆動モータ19の作動を制御する昇降速度変更処理を実行する。このとき、昇降体12を昇降停止位置情報に基づく停止位置まで昇降させるのに要する時間は、t1[sec]よりも小さいt2[sec]となる。
【0048】
また、パターン生成部30eは、クレーン制御装置30が重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量が上記速度変更用設定重量よりも小さい重量である速度変更用第2設定重量よりも小さいと判別したときには、図6において二点鎖線に示すように、昇降体12の昇降速度が第2目標設定速度Vv_m2よりも大きい第3目標設定速度Vv_m3になるまで上記加速度α2より大きい加速度α3にて加速し、次に、第3目標設定速度Vv_m3にて昇降する定速昇降状態に移行し、その後、上記減速度β2より大きい減速度β3にて減速する第3昇降パターンP3を生成する。そして、昇降制御部30bは、その第3昇降パターンP3にて昇降体12を昇降させるべく昇降用駆動モータ19の作動を制御する昇降速度変更処理を実行する。このとき、昇降体12を昇降停止位置情報に基づく停止位置まで昇降させるのに要する時間は、t2[sec]よりも小さいt3[sec]となる。
【0049】
このように、クレーン制御装置30は、重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量が速度変更用設定重量よりも小さいと判別したときには、昇降体12を目標設定速度Vv_mより高速で昇降作動させるべく昇降用駆動モータ19の作動を制御する昇降速度変更処理を実行するように構成されている。
【0050】
さらに、クレーン制御装置30は、物品重量情報取得部30fによって取得した搬送対象の物品の重量情報と、重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量情報とを比較して、それらが異なる場合には、搬送対象の物品に荷崩れや取り違え等の虞がある異常状態であると判別して、異常情報を地上側コントローラ7に備えるモニタに表示するとともに、昇降用駆動モータ19の作動を停止するように構成されている。
操作者は、上記異常情報を知得することによって、搬送対象の物品に異常があることを認識し、搬送対象の物品をチェックしてその異常を修正することができる。
尚、重量算出部30caにて算出される実際の物品の重量情報は、その物品に吸湿性がある場合における吸湿の度合や、物品が昇降体に載置されるときの重心の偏り等によって変動する虞がある。このため、クレーン制御装置30は、物品重量情報取得部30fによって取得した搬送対象の物品の重量情報に対して、異常状態の判別に影響を与えない所定幅の判別用範囲を設定し、重量算出部30caにて算出される実際の物品の重量情報がその判別用範囲に収まらない場合に、物品重量情報取得部30fによって取得した搬送対象の物品の重量情報と、重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量情報とが異なると判別するように構成してもよい。
【0051】
磨耗伸び変形算出部30cbは、第1計測時に距離センサ21により計測される第1距離情報と、その第1計測時から設定期間経過後の第2計測時に距離センサ21により計測される第2距離情報との差に基づいて、その間に昇降チェーン14がどれだけ伸長したか、すなわち、昇降チェーン14の磨耗伸び変形量を算出する。
【0052】
具体的には、測距手段が、第1計測時(例えば物品搬送装置の設置後であって物品搬送装置を最初に稼動させる前)に測距手段により計測される第1距離情報と、その第1計測時から設定期間(例えば1ヶ月等)経過後の第2計測時に測距手段により計測される第2距離情報とを計測する。
第1距離情報及び第2距離情報は、第1計測時及び第2計測時において、昇降体に搬送対象の物品が載置されておらず且つ昇降体が同一の昇降高さにある状態において測距手段にて計測される距離情報(以下、物品非載置時距離情報という)とするように構成されている。
そして、磨耗伸び変形算出部30cbが、上記のようにして求めた第1距離情報と第2距離情報とに基づいて昇降チェーン14の磨耗伸び変形量を算出する。
【0053】
第1計測時から設定期間が経過すると、第2距離情報を第1距離情報とし、且つ、クレーン制御装置30に備える設定期間の計測タイマをリセットして新たに設定期間の計測を開始し、次の設定期間が経過したときを第2計測時として距離センサ21により第2距離情報を計測し、新たな第1距離情報と第2距離情報とに基づいて昇降チェーン14の磨耗伸び変形量を算出する。
【0054】
昇降チェーン14の磨耗伸び変形量に関する情報は、地上側コントローラ7に送られ、この磨耗伸び変形量が所定の値を超えた場合に、昇降チェーン14の経年劣化が限界となったと判別して、地上側コントローラ7に昇降チェーン14の点検アラーム、又は交換アラームを表示するように構成されている。
【0055】
傾き検出部30ccは、上述のように長さの異なる経路にて巻回された昇降チェーン14の夫々に対して各別に設けられた距離センサ21の距離情報に基づいて算出された夫々の昇降チェーン14の伸び量の差に基づいて、昇降体12の水平姿勢からの傾きを検出する。
尚、傾き検出処理においては、傾き検出部30ccが、長さの異なる経路にて巻回された昇降チェーン14としての昇降チェーン141、142の夫々についての距離センサ21の距離情報に対して、夫々の巻回経路の長さに基づく補正を加え、昇降チェーン141、142の夫々の伸び量を算出する。そして、傾き検出部30ccは、昇降チェーン141、142の夫々の伸び量の差に基づいて、昇降体12の水平姿勢からの傾きを検出することになる。
【0056】
傾き検出処理にて検出された昇降体12の傾きに係る情報は、地上側コントローラ7に送られ、昇降体12の水平姿勢からの傾きが所定の値を超えた場合には、地上側コントローラ7に昇降体12の傾きが所定の値を超えたことを示すアラームを表示するように構成されている。
【0057】
〔別実施形態〕
次に、本発明の別実施形態について説明する。
(1)上記実施形態においては、ループ状の策状体として昇降チェーン14を例示し、上部巻回案内体及び下部巻回案内体として上部スプロケット22、23及び下部スプロケット25、27を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、ループ状の策状体としてワイヤを使用し、上部巻回案内体及び下部巻回案内体として昇降案内マスト13の上端側に設ける上部プーリと昇降案内マスト13の下端側に設ける下部プーリを設ける構成としてもよい。
【0058】
(2)上記実施形態においては、昇降チェーン14の下方部分の端部を上方に付勢する付勢手段としてスプリング20spを使用する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、中央部分を湾曲させて復元力を付与した板バネや、油圧や空気圧を利用した付勢手段を用いることも可能である。
【0059】
(3)上記実施形態においては、クレーン制御装置30にて重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量が速度変更用設定重量よりも小さいと判別する場合において、その判別を速度変更用設定重量と速度変更用第2設定重量との2段階にて実行するように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、速度変更用設定重量よりも小さいことを判別するのみの1段階としてもよく、さらに、3段階以上の任意の段階で判別するように構成してもよい。また、搬送対象の物品の重量に所定の計算式を適用して算出される速度を昇降体12の定速昇降状態における昇降速度として設定するように構成してもよい。
【0060】
(4)上記実施形態においては、昇降速度変更処理として、重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量に応じて、定常速度に達するまでの加速度、定常速度、及び減速度の夫々を異ならせるように構成したが、このような構成に代えて、定常速度としての目標設定速度Vv_m、第2目標設定速度Vv_m2、及び第3目標設定速度Vv_m3のみを異ならせるように構成してもよい。
【0061】
(5)上記実施形態においては、物品重量情報取得部30fによって取得した搬送対象の物品の重量情報と、重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量情報とが異なる場合において、異常情報を地上側コントローラ7に備えるモニタに表示するように構成したが、この表示に加えて、又は、この表示に代えて、警報装置による警報鳴動又はスピーカからの音声情報の出力を行ってもよい。また、操作者が携帯する無線端末(携帯電話、構内PHS、又は無線LAN端末等)に対して異常情報を報知するように構成することもできる。
【0062】
さらに、上記実施形態においては、物品重量情報取得部30fによって取得した搬送対象の物品の重量情報と、重量算出部30caにて算出される搬送対象の物品の重量情報とが異なる場合において、昇降用駆動モータ19の作動を停止させるように構成したが、このような構成に代えて、操作者が搬送対象の物品の確認を行い易い位置(例えば上下方向において昇降体12が移動可能な最下方位置、又は、ホームポジションHP)まで昇降体12を移動させるように構成してもよい。
【0063】
(6)上記実施形態においては、昇降チェーン14を昇降体12のOP側端部とHP側端部との夫々に1つずつ、計2本接続するように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、昇降体12のOP側端部の左右方向両端に1本ずつ、昇降体12のHP側端部の左右方向両端に1本ずつの計4本の昇降チェーン14を接続するように構成してもよい。この場合、昇降体12に接続される全ての昇降チェーン14に対して、距離センサ21を各別に設けるように構成することができる。
【0064】
(7)上記実施形態においては、下方側固定片20dに、上下移動片20yとの間の距離を計測する測距手段としての距離センサ21を設ける構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、測距手段としての距離センサ21を上下移動片20yに下方向きに設け、下方側固定片20dとの間の距離を計測するように構成してもよい。
【0065】
(8)上記実施形態においては、距離センサ21を、レーザー測距計等の光学式距離計とする構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば超音波式距離計等、対象物との間の距離を計測する各種のセンサが利用可能である。
【0066】
(9)上記実施形態においては、第1距離情報及び第2距離情報を、第1計測時及び第2計測時において、昇降体に搬送対象の物品が載置されておらず且つ昇降体が同一の昇降高さにある状態において測距手段にて計測される距離情報(物品非載置時距離情報)とし、その第1距離情報及び第2距離情報に基づいて第1計測時とそれから設定期間経過後の第2計測時までの間における索状体の磨耗伸び変形量を算出するように構成した。
しかしながら、このような構成に限定されるものではなく、例えば、第1距離情報及び第2距離情報を、第1計測時及び第2計測時において、昇降体に同一の重量(例えば載置許容重量或いはそれ以下の特定の重量)の物品が載置され且つ昇降体が同一の昇降高さにある状態において測距手段にて計測される距離情報(物品載置時距離情報)とし、その第1距離情報及び第2距離情報に基づいて第1計測時とそれから設定期間経過後の第2計測時までの間における索状体の磨耗伸び変形量を算出するように構成してもよい。
【0067】
また、第1計測時の物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報とを第1距離情報とし、第2計測時の物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報とを第2距離情報として、第1距離情報としての物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報との差と、第2距離情報としての物品非載置時距離情報と物品載置時距離情報との差に基づいて、第1計測時とそれから設定期間経過後の第2計測時までの間における索状体の磨耗伸び変形量を算出するように構成してもよい。
【0068】
(10)上記実施形態においては、重量算出部30caが昇降体12に載置されている搬送対象の物品の重量を算出するにあたり、単一の距離センサ21にて計測される距離情報に基づいて物品の重量を算出するように構成したが、このような構成に代えて、複数の昇降チェーン14の夫々に対応する夫々の距離センサ21にて計測される距離情報に基づいて夫々の距離センサ21に対応する重量情報を算出し、その重量情報を平均して搬送対象の物品の重量を算出するように構成してもよい。
【0069】
(11)上記実施形態においては、昇降速度変更処理を、昇降体12を上昇作動させるとき、及び、昇降体12を下降作動させるときの双方において実行するように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、昇降体12を上昇作動させるとき、又は、昇降体12を下降作動させるときの一方でのみ昇降速度変更処理を実行するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0070】
12 昇降体
13 昇降案内マスト
14(141、142) 索状体
141a、142a 上方部分
141b、142b 下方部分
19 昇降駆動手段
20sp 付勢手段
21 測距手段
22、23 上部巻回案内体
25、27 下部巻回案内体
30 制御手段
30ca 重量算出手段
30cb 磨耗伸び変形量算出手段
30cc 傾き検出手段
30f 物品重量情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に沿う昇降案内マストと、
前記昇降案内マストに案内支持されて前記昇降案内マストに沿って昇降自在な物品搬送用の昇降体と、
両端部が前記昇降体の上部と下部とに連結され且つ前記昇降案内マストの上端側に設けられる上部巻回案内体と下端側に設けられる下部巻回案内体とに亘って巻回されて前記昇降体を昇降駆動するループ状の索状体と、
前記索状体を巻回駆動して、前記昇降体を昇降駆動する昇降駆動手段と、
前記昇降体を昇降作動させるべく前記昇降駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられた物品搬送装置であって、
前記索状体が、前記上部巻回案内体から下方に伸びて前記昇降体に端部が固定状態で接続される上方部分と、前記下部巻回案内体から上方に伸びて前記昇降体に端部が相対移動自在に接続される下方部分とを備え、
前記下方部分の端部を上方に付勢する付勢手段が設けられ、
前記昇降体に、前記下方部分の端部と前記昇降体の基準部分との間の距離を計測する測距手段が設けられている物品搬送装置。
【請求項2】
前記昇降体に搬送対象の物品が載置されていないときに前記測距手段により計測される空荷時距離情報と、前記昇降体に搬送対象の物品が載置されているときに前記測距手段により計測される実荷時距離情報との差に基づいて、前記昇降体に載置されている搬送対象の物品の重量を算出する重量算出手段が設けられている請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段が、前記重量算出手段にて算出される前記搬送対象の物品の重量が速度変更用設定重量よりも小さいと判別したときには、前記昇降体を基準速度より高速で昇降作動させるべく前記昇降駆動手段の作動を制御する昇降速度変更処理を実行するように構成されている請求項2記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記搬送対象の物品の重量情報を予め取得する物品重量情報取得手段が設けられ、
前記制御手段が、前記物品重量情報取得手段によって取得した前記搬送対象の物品の重量情報と、前記重量算出手段にて算出される前記搬送対象の物品の重量情報とが異なる場合に、異常状態であると判別するように構成されている請求項2又は3記載の物品搬送装置。
【請求項5】
第1計測時に前記測距手段により計測される第1距離情報と、その第1計測時から設定期間経過後の第2計測時に前記測距手段により計測される第2距離情報とに基づいて、前記索状体の磨耗伸び変形量を算出する磨耗伸び変形量算出手段が設けられている請求項1〜4いずれか一項記載の物品搬送装置。
【請求項6】
長さの異なる経路にて巻回され各別に前記昇降体に接続される一対の索状体を備え、
前記測距手段が前記一対の索状体の夫々に対して各別に設けられ、
前記一対の索状体の夫々についての前記測距手段の距離情報に基づいて算出された夫々の前記索状体の伸び量の差に基づいて、前記昇降体の水平姿勢からの傾きを検出する傾き検出手段が設けられている請求項1〜5いずれか一項記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−224406(P2012−224406A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90391(P2011−90391)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】