説明

物品管理方法、物品管理プログラム、物品管理プログラムを記録した記録媒体、および業務管理装置

【課題】サプライ業者が扱う物品の員数管理を正確に行なうこと。
【解決手段】業務管理装置は、通信装置と、記憶装置45と、処理装置とを備え、前記処理装置は、前記通信装置を介して、各業務に配備されたIDチップリーダが読み取って送信したIDチップの固有の識別情報を受信すると、当該受信した識別情報と送信元の業務を示す業務状態とを対応させて記憶装置に登録する第1の処理と、前記記憶装置への登録に際して、前記識別情報と対応して登録すべき業務状態を、すでに前記記憶装置に登録されている識別情報と業務状態との対応関係に基づいて推定する第2の処理とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理方法、物品管理プログラム、物品管理プログラムを記録した記録媒体、および業務管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、足拭きマット、被服等のレンタル品(物品)が普及しており、レンタルを業とするサービスが提供されている。例えば、足拭きマットのレンタル業では、レンタル品である足拭きマットにRFIDタグを取り付け、RFIDタグから発信された固有のID情報を受信して認識する認識装置により、レンタル品のID情報とこれを発信するレンタル品の流通情報とをデータベースに入力し、そのレンタル品の流通に関する統計データを作成する技術が開示されている(特許文献1)。
また、被服のレンタルでは、被服サプライ業者は、被服業者から購入した被服を顧客に貸与し、顧客から返却された被服を洗濯して、繰り返し顧客に提供する。この際、貸与する被服は被服毎に洗濯に耐え得るRFIDタグが縫付けられ、RFIDタグを読み取る認識装置(単体読取装置又は一括読取装置)と連動させて被服毎の流通情報を管理する被服管理システムが知られている。
【特許文献1】特開2004−86487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、被服サプライ業者は、顧客に、レンタル品である被服を一枚単位でレンタルするのではなく、複数枚単位でレンタルして、顧客は、被服サプライ業者に、複数枚単位で返却する。従って、被服サプライ業者が、顧客にレンタル品である複数の被服を出荷(被服出荷)したり、顧客から使用済みの被服を入荷(被服入荷)されるときは、複数のRFIDタグを一度に認識させることができる認識装置(一括読取装置)を用いて認識させると、作業効率が良いが、読み取り率は100%ではない。さらには、複数の被服を認識装置(一括読取装置)へ通すためのカゴなどに詰め込む際の詰め込み方によって、読み取り率が増減する。このため、員数管理を正確に行なうことができないという問題があった。
【0004】
また、被服サプライ業者は、顧客へ被服出荷された複数の被服の中で、どの被服が出荷され、どの被服が入荷されたのかを、正確に把握することができないという問題があった。
【0005】
さらに、前記被服管理システムでは、被服出荷及び被服入荷において、認識装置(一括読取装置)を1台の装置で共用することがある。その場合、被服サプライ業者が、前記被服管理システムの画面から被服出荷又は被服入荷のいずれかの業務を選択する際、当該業務の区別がされたボタンを選択及び操作することとなり、操作ミスを発生させるおそれがあり、ひいては、員数管理を正確に行なうことができないという問題があった。
【0006】
このような問題は、レンタル品が被服に限らず、RFIDタグを利用することができるレンタル品であって、それを認識装置(一括読取装置)によって認識することができるものであれば、同様に発生する。
【0007】
そこで、本発明は、サプライ業者が扱う物品の員数管理を正確に行なうことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するには、出荷業務を経て物品を外部に出荷し、回収業務を経て前記出荷した物品を回収し、所定の業務を経て前記回収した物品を前記出荷業務へと回す物品の貸し出し業務において、前記物品に付したIDチップの情報を用いた業務管理を行う業務管理装置による物品管理方法であって、前記業務管理装置は、通信装置と、記憶装置と、処理装置とを備える。そして、前記処理装置は、前記通信装置を介して、各業務に配備されたIDチップリーダが読み取って送信したIDチップの固有の識別情報を受信すると、当該受信した識別情報と送信元の業務を示す業務状態とを対応させて記憶装置に登録する。その際、前記識別情報と対応して登録すべき業務状態を、すでに前記記憶装置に登録されている識別情報と業務状態との対応関係に基づいて推定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サプライ業者が扱う物品の員数管理を正確に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
【0011】
<実施の形態の構成>
図1は、実施の形態において被服をレンタル品(物品の一例)として適用したリネン業務管理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、リネン業務管理システム1は、RFIDタグ2(IDチップ)と、認識装置3(IDチップリーダ)と、リネン業務管理装置4(業務管理装置)と、から構成される。なお、このリネン業務管理システム1は、リネンサプライ業者(以下、一部「作業者」と称する)が使用するシステムである。
【0012】
RFIDタグ2は、メモリ21と、制御回路22と、送受信アンテナ23と、から構成されており、レンタル品として適用したリネンに縫い付けられる。そして、メモリ21には、被服固有のIDが記憶される。
なお、RFIDタグ2のメモリ21へのIDの記憶は、ROMライタ(図示せず)により行なわれる。また、RFIDタグ2は、リネンに縫い付けられる場合に限定されず、リネンに付着しても良いし、リネンとRFIDタグ2のメモリ21に記憶されるIDが1対1に対応することができれば良い。さらに、以下、リネンは、「被服」として説明する。
【0013】
認識装置3は、電波を送受信する送受信部31と、A/D変換器(アナログ/デジタル変換器)32と、から構成される。ここで、認識装置3は、図1では、RFIDタグ2を1つしか示していないが、RFIDタグ2が縫い付けられた被服の所定の枚数を一塊として一括して認識できる。
【0014】
RFIDタグ2を縫い付けた被服を認識装置3に近づけると、認識装置3の送受信部31から出力される特定周波数の電磁波がRFIDタグ2の送受信アンテナ23で受信され、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されているID情報を制御回路22により読み込んで、これをRFIDタグ2の送受信アンテナ23を介して外部へ送信する。ここで、認識装置3は、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されているID情報を接触のみならず、非接触で読み取ることが可能である。また、認識装置3の送受信部31は、このID情報を受信し、A/D変換器32を介して、リネン業務管理装置4へと送信する。なお、認識装置3は、RFIDタグ2を縫い付けた被服を1枚ごとかざすことにより、確実に読むことができる「単体読取装置(テーブルリーダなど)」と、複数の被服を1枚ごとにかざすことなく、所定の枚数を一塊として一括して読むことができる上下左右に送受信部31を配置した「一括読取装置(ゲートリーダなど)」とが存在し、業務ごとに区別して配備されている。なお、本実施の形態では、1台の「一括読取装置」を、複数の業務で共用することを前提としている。
【0015】
リネン業務管理装置4は、送受信部41(通信装置)、CPU(Central Processing Unit)42(処理装置)、I/O43、メモリ44及び記憶装置45から構成される。
送受信部41は、認識装置3から送信されたID情報を受信する。そして、リネン業務管理装置4と認識装置3とは、例えば、専用線を使用して接続されている。
I/O43は、周辺機器と接続するための回路又はソフトウェアである。周辺機器は、図1では、モニタ、キーボード、マウス430を例示する。
メモリ44は、各種プログラムである処理部440、業務推定部441、業務状態更新部442、業務状態補完部443及び業務状態更新補完部444を備え、CPU42によって実行される。
記憶装置45には、RFIDタグ2を縫い付けられた被服と対応するID(識別情報)と業務状態を意味する値とを含んで記憶する管理ファイル450と、前記業務状態を意味する値とその業務名と業務順序とを記憶する業務順序ファイル451(業務順序情報)と、を備えている。なお、管理ファイル450及び業務順序ファイル451は、データベースに記憶されている。
【0016】
ここで、メモリ44に備えられている各種プログラムの機能について説明する。
処理部440は、リネン業務管理装置4で制御する業務管理全般を実施するプログラムである。例えば、後記する「被服出荷・被服入荷登録画面」(図9参照)等の画面からボタンが押下された場合に、そのイベントによって処理を振り分ける。ここで、イベントとは、何らかのアクション(例えば、画面からボタン押下)が発生した際に、発信される信号のことをいうものとする。
業務推定部441は、処理部440から起動され、現在行なうべき業務を管理ファイル450に記憶された業務状態に基づいて、推定するプログラムである。
業務状態更新部442は、業務推定部441から起動され、認識装置3(一括読取装置)で認識することができた被服ごとのIDを受信し、IDに対して管理ファイル450の業務状態を前記推定した業務に更新するプログラムである。
業務状態補完部443は、業務状態更新部442から起動され、認識装置3(一括読取装置)で認識することができなかった被服のIDに対して管理ファイル450の業務状態を前記推定した業務に更新するプログラムである。
業務状態更新補完部444は、処理部440から起動され、認識装置3(単体読取装置)で認識することができた被服ごとのIDを受信し、IDごとに現在の業務を管理ファイル450の業務状態に更新するプログラムである。
【0017】
図2は、管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。管理ファイル450は、レンタル品である対象被服の識別情報(ID)とその業務状態とを含んで記憶している。管理ファイル450は、被服の品名を示す品名No4501、被服と紐付けられたRFIDタグ2(図1参照)のメモリ21に記憶されたタグid4502、被服のサイズを示すサイズ4503、業務を行なった日付を示す日付4504、業務状態を示す業務ステータス4505及び被服をレンタルした顧客を示す顧客id4506を、被服ごとに記憶する。
ここで、業務状態とは、作業者が被服をレンタル品として扱う業務の中で、業務ごとに予め定められた業務の前又は後で認識装置3を用いて認識されたときの業務を表している。例えば、業務状態に「洗浄棚入(棚入)」が記憶されている場合は、「洗浄棚入」前に認識装置3を用いるため、「洗浄棚入」業務中であることを意味し、「出荷検品」が記憶されている場合は、「出荷検品」後に認識装置3を用いるため、「出荷検品」業務済を意味し、「被服出荷(成品出荷など)」が記憶されている場合は、「被服出荷」後に認識装置3を用いるため、「被服出荷」業務済を意味し、「被服入荷(損品入荷など)」が記憶されている場合は、「被服入荷」前に認識装置3を用いるため、「被服入荷」業務中を意味する。そして、「洗浄棚入」業務中(以下、「洗浄棚入」と略記する)、「出荷検品」業務済(以下、「出荷検品」と略記する)、「被服出荷」業務済(以下、「被服出荷」と略記する)、「被服入荷」業務中(以下、「被服入荷」と略記する)をそれぞれ、例えば、「2」、「3」、「4」、「5」で表して記憶するものとする。なお、図2では、業務ステータス4505が「出荷検品」(例えば、「3」)であることを示している。
【0018】
図3は、本実施の形態におけるリネン業務管理システムを用いた作業者の業務手順の一例を示すフローチャートである。従って、リネン業務管理システム1を用いない業務(例えば、湯通し、仕上げ、洗濯等)については、説明を省略する。
まず、作業者は、被服とRFIDタグ2とを紐付けるために、ファイル登録を行なう(ステップS301)。すなわち、作業者は、RFIDタグ2を縫い付けた被服を認識装置3(図1参照)(単体読取装置)にかざすと、認識装置3は、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されたIDを受信し、リネン業務管理装置4に送信し、リネン業務管理装置4は、送受信部41を介してIDを受信し、受信したIDを管理ファイル450に登録する。このとき、リネン業務管理装置4は、被服情報登録画面(図示せず)をモニタ430に表示し、作業者は、その被服の品名、サイズ、顧客名を登録しても良い。
【0019】
次に、作業者は、ファイル登録した被服について、湯通し及び仕上げを行なった後、被服の洗浄棚入を行なう(ステップS302)。すなわち、作業者は、洗浄棚入前に、RFIDタグ2を縫い付けた被服を認識装置3(図1参照)(単体読取装置)にかざすと、認識装置3は、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されたIDを受信し、リネン業務管理装置4に送信し、リネン業務管理装置4は、送受信部41を介してIDを受信し、管理ファイル450に対して、「洗浄棚入」(例えば、「2」)を、受信したIDと一致するレコードの業務状態(業務ステータス4505)に設定して更新する。
【0020】
次に、作業者は、顧客からの注文書が届くと、注文に基づき受注を行い、出荷検品を行なう(ステップS303)。すなわち、作業者は、出荷検品(棚出)後に、RFIDタグ2を縫い付けた被服を認識装置3(図1参照)(単体読取装置)にかざすと、認識装置3は、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されたIDを受信し、リネン業務管理装置4に送信し、リネン業務管理装置4は、送受信部41を介してIDを受信し、管理ファイル450に対して、「出荷検品」(例えば、「3」)を、受信したIDと一致するレコードの業務状態(業務ステータス4505)に設定して更新する。
【0021】
次に、作業者は、被服出荷を行なう(ステップS304)。すなわち、作業者は、被服出荷後に、被服出荷を行なうRFIDタグ2を縫い付けた複数の被服を認識装置3(図1参照)(一括読取装置)に入れると、認識装置3は、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されたIDをそれぞれ受信し、リネン業務管理装置4に送信し、リネン業務管理装置4は、送受信部41を介してIDを受信し、管理ファイル450に対して、「被服出荷」(例えば、「4」)を、受信したIDと一致するレコードの業務状態(業務ステータス4505)に設定して更新する。そして、リネン業務管理装置4は、認識装置3で認識できなかったRFIDタグ2のIDに対応する業務状態を補完(又は訂正)するために「被服出荷」に更新する。
なお、本実施の形態では、「補完」と「訂正」は、管理ファイル450に対して対象となるIDと一致するレコードに変更する情報を設定して更新することにより実現されるが、後記するように区別する。「補完」とは、過去の業務に抜けがあったが後の業務で更新する場合が想定され、「訂正」とは、重複業務を行なった場合が想定されるが、これに限定されるものではない。
【0022】
次に、作業者は、使用された被服について被服入荷を行なう(ステップS305)。すなわち、作業者は、顧客に使用された被服を被服入荷前に、RFIDタグ2を縫い付けた複数の被服を認識装置3(図1参照)(一括読取装置)に入れると、認識装置3は、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されたIDをそれぞれ受信し、リネン業務管理装置4に送信し、リネン業務管理装置4は、送受信部41を介してIDを受信し、管理ファイル450に対して、「被服入荷」(例えば、「5」)を、受信したIDと一致するレコードの業務状態(業務ステータス4505)に設定して更新する。
【0023】
次に、作業者は、被服入荷した被服ごとに、業務手順を終了させるか否かを判定する(ステップS306)。すなわち、作業者は、被服入荷したある被服が、例えば、廃棄が必要か否か、修繕が必要か否か、及び、被服に縫い合わされたRFIDタグ2が破損していないか否かを検査する。
そして、作業者は、ある被服について業務手順を終了させると判定した場合(ステップS306でYes)は、その被服について業務手順を終了させる。例えば、ある被服について廃棄が必要である場合、修繕が必要である場合、及び、その被服に縫い合わされたRFIDタグ2が破損している場合が該当する。
【0024】
一方、作業者は、被服入荷した被服の中で業務手順を終了させないと判定した(ステップS306でNo)被服については、洗濯及び仕上げを行なった後、被服の洗浄棚入を行なう(ステップS302)。すなわち、作業者は、洗浄棚入前に、RFIDタグ2を縫い付けた被服を認識装置3(図1参照)(単体読取装置)にかざすと、認識装置3は、RFIDタグ2のメモリ21に記憶されたIDを受信し、リネン業務管理装置4に送信し、リネン業務管理装置4は、送受信部41を介してIDを受信し、管理ファイル450に対して、「洗浄棚入」(例えば、「2」)を、受信したIDと一致するレコードの業務状態(業務ステータス4505)に設定して更新する。
従って、この場合は、リネン業務管理装置4は、前記した被服入荷の認識装置3(一括読取装置)で認識できなかったRFIDタグ2のIDに対応する業務状態(業務ステータス4505)を補完(又は訂正)することができる。
【0025】
以下、作業者は、出荷検品(ステップS303)、被服出荷(ステップS304)、被服入荷(ステップS305)を繰り返す。
【0026】
図4は、本実施の形態における認識装置3(一括読取装置)を用いたときに処理部440で業務状態を更新するフローチャートを示す。ここで、認識装置3(一括読取装置)を用いるのは、被服出荷又は被服入荷を行なう際である。
また、フローチャートには図示しないが、作業者が処理部440を立ち上げると、処理部440はイベント待ちを実行し、作業者がモニタ430に表示する後記する「被服出荷・被服入荷登録画面」(図9参照)から読込開始ボタン、読込終了ボタンを押下した場合のイベントごとに各種処理を行なう。すなわち、作業者がモニタ430に表示する後記する「被服出荷・被服入荷登録画面」から読込開始ボタンを押下すると、処理部440は、そのイベントに係る信号を受信し、業務推定部441を起動する。
【0027】
まず、業務推定部441は、管理ファイル450から補完可能な対象件数をカウントする(ステップS401)。例えば、ここでの補完可能な対象とは、管理ファイル450の全レコードとする。このとき、業務推定部441は、対象となる件数分、管理ファイル450から、タグid4502、日付4504及び業務ステータス4505をメモリ44の一時領域に記憶する。
なお、補完すべき対象を、管理ファイル450の日付4504が被服出荷の当日以前の所定の範囲内のIDを対象としても良い。被服が未だ顧客側に存在し、業務ステータス4505(図2参照)に「出荷」(「被服出荷」)の状態が継続している場合、或いは、被服が顧客からの受注に対して受注対象とされなかった場合等は、補完対象とできないためである。
【0028】
次に、業務推定部441は、業務ステータスごとの件数をカウントする(ステップS402)。すなわち、業務推定部441は、前記一時領域に記憶された件数分、業務ステータス4505ごとの件数をカウントする。
【0029】
そして、業務推定部441は、過半数の業務ステータスを決定する(ステップS403)。すなわち、前記カウントした補完可能な対象件数と、前記カウントした業務ステータスごとの件数と、を比較して、後者の件数の2倍が前者の件数より大きい場合は、その業務ステータスが過半数となる。
【0030】
次に、業務推定部441は、業務順序ファイル451の全レコードを読み込む(ステップS404)。
【0031】
次に、業務推定部441は、現在の業務ステータスを推定し、ワークエリアに設定する(ステップS405)。すなわち、業務推定部441は、読み込んだ業務順序情報に基づいて、前記決定された過半数の業務ステータスの次に行なう業務を推定し、その業務ステータスをメモリ44上の一時領域であるワークエリアに記憶する。例えば、過半数の業務ステータスが「出検」(「出荷検品」)の場合は、次業務である「出荷」(「被服出荷」)を意味する「4」を記憶する。また、過半数の業務ステータスが「出荷」(「被服出荷」)の場合は、次業務である「入荷」(「被服入荷」)を意味する「5」を記憶する。
【0032】
次に、業務推定部441は、業務状態更新部442を起動する。その際、前記業務推定部441で設定したワークエリアの値をパラメータとして引き渡す。
業務状態更新部442は、被服固有のIDを受信する(ステップS406)。すなわち、業務状態更新部442は、イベント待ちを実行し、送受信部41を介して認識装置3から送信されたイベントである被服固有のIDを受信する。
ここで、「一括読取装置」からの受信であるか否かを確認するために、1件目の受信の際、業務状態更新部442は、ポート番号を読み取り、「一括読取装置」での使用を予め定めたポート番号であることを確認することができる。或いは、ID情報と共に受信される認識装置3の識別番号によって、「一括読取装置」での使用であることを確認することができる。
【0033】
次に、業務状態更新部442は、IDに対する業務ステータスをワークエリアの値に更新する(ステップS407)。すなわち、業務状態更新部442は、管理ファイル450に対して前記パラメータとして引き渡されたワークエリアの値をIDと一致するレコードの業務ステータスに設定して更新する。このとき、併せて本日の日付を日付4504に更新する。
なお、更新前の過去の業務ステータスに不整合又は欠落がある場合も、想定される。例えば、不整合の例として、更新前の管理ファイル450のIDに対する業務ステータス4505が、更新すべき現在の業務ステータスと同一、すなわち、重複業務である場合は、同じレコードに上書きされ、日付を訂正することができる。また、欠落の例として、更新前の管理ファイル450のIDに対する業務ステータスが、更新すべき現在の業務ステータスの直前の業務ステータスでない場合は、業務ステータスをワークエリアの値に更新することにより、業務情報を補完することができる。
【0034】
次に、業務状態更新部442は、処理が終了するか否かを判定する(ステップS408)。すなわち、作業者がモニタ430に表示する後記する「被服出荷・被服入荷登録画面」から読込終了ボタンを押下すると、処理部440は、メモリ44の一時領域である読込終了フラグをオン(例えば、「1」)に記憶する。業務状態更新部442は、その読込終了フラグがオンであるか否かにより終了であるか否かを判定する。なお、当該読込終了フラグは、業務状態更新部442が起動されたとき、初期化を意味するオフ(例えば、「0」)に記憶するものとする。
また、作業者がモニタ430に表示する後記する「被服出荷・被服入荷登録画面」から読込終了ボタンを押下すると、処理部440は、当該ボタン押下の信号を送信し、業務状態更新部442は、その信号を受信するものとしても良い。
【0035】
そして、業務状態更新部442は、終了でないと判定した場合(ステップS408でNo)は、ステップS406に戻る。
【0036】
一方、業務状態更新部442は、終了であると判定した場合(ステップS408でYes)は、業務状態補完部443を起動する。その際、業務状態更新部442は、前記業務推定部441から引き渡されたワークエリアの値をパラメータとして引き渡す。業務状態補完部443は、そのワークエリアが「出荷」(「被服出荷」)であるか否かを判定する(ステップS409)。
【0037】
ここで、業務状態補完部443は、ワークエリアが「出荷」(「被服出荷」)でないと判定した場合(ステップS409でNo)は、動作を終了する。
【0038】
一方、業務状態補完部443は、ワークエリアが「出荷」(「被服出荷」)であると判定した場合(ステップS409でYes)は、未受信のIDに対する業務ステータスを「出荷」に更新する(ステップS410)。すなわち、業務状態補完部443は、管理ファイル450に対して、前記パラメータとして引き渡されたワークエリアの値を、未受信のIDと一致するレコードの業務ステータスに設定して更新する。ここで、未受信のIDとは、ステップS401で記憶された一時領域のIDのうち、ステップS406で受信されなかったIDである。
【0039】
なお、前記未受信のIDを、履歴ファイル(図示せず)を用いて、判断するものとしても良い。ここで、履歴ファイルは、IDごとに業務ステータスを業務を行なった日付と共に記憶したファイルである。すなわち、管理ファイル450に、IDに対する業務ステータスを更新するとき、履歴ファイルに、IDに対する業務情報(例えば、ID、業務ステータス、日付及び顧客ID)を追加して業務履歴を取得するものとする。そして、前記一時領域に記憶された補完可能なIDであり、認識装置3で認識することができなかったIDを対象に、過去の履歴を履歴ファイルから読み出し、読み出した業務順序情報に基づいて、過去の履歴が業務順序どおりであるIDを前記未受信のIDとして更新するものとしても良い。
【0040】
そして、ステップS410を実行した後、業務状態補完部443が動作を終了する。
【0041】
ここで、図4では、現在の業務の推定を、管理ファイル450から所定の条件に基づいた補完可能な対象IDに対応する業務ステータスを読み込む処理を実行することにより行なったが、送受信部41を介して受信したIDに対応する業務ステータスを読み込む処理を、受信した複数のIDについて実行することにより行なっても良い。
この場合、まず、メモリ44に記憶されたプログラム(図示せず)は、IDを受信し、受信したIDに対する業務ステータスを管理ファイル450から読み込み、これを終了するまで繰り返す。この際、プログラムは、受信したIDの件数分、IDと読み込んだ業務ステータスとをメモリ44の一時領域に記憶する。なお、終了か否かの判断は、ステップS408で説明したとおりである。
次に、ステップS402の業務ステータスごとの件数のカウントは、受信したID、すなわち、前記した一時領域に記憶したIDに対する業務ステータスごとになされる。
そして、ステップS403の過半数の業務ステータスの決定は、受信したIDの件数と、前記カウントした業務ステータスごとの件数と、を比較して行なわれ、後者の件数の2倍が前者の件数より大きい場合は、その業務ステータスが過半数となる。
次に、ステップS404により、プログラムは、業務順序ファイル451を読み込み、ステップS405で現在の業務ステータスを推定し、ワークエリアに設定する。すなわち、読み込んだ業務順序情報に基づき、前記決定された過半数の業務ステータスの次に行なう業務を推定する。
そして、ステップS407により、プログラムは、前記一時領域に記憶したIDに対する業務ステータスをワークエリアの値に更新する。
なお、プログラムに係るステップS401、S409及びS410は、前記したとおりである。
【0042】
これにより、複数の業務を1台の認識装置3(一括読取装置)で共用することができ、作業員はどの業務を行なっているか認識しなくても良いため、業務操作が簡易化し、さらには操作ミスが軽減し、ひいては、レンタル品である被服の員数管理を正確に行なうことができる。
また、認識装置3(一括読取装置)により被服に縫い付けたRFIDタグ2を認識することができず、被服固有のIDを読み取れなかった場合でも、管理ファイル450(図2参照)に対して、推定した業務ステータスを、その読み取れなかったIDと一致するレコードの業務ステータス4505に設定して更新することができ、レンタル品である被服の員数管理を正確に行なうことができる。
【0043】
図5は、本実施の形態における被服入荷後に業務状態を更新するフローチャートを示す。ここで、フローチャートには図示しないが、作業者は、「洗浄棚入登録画面」(図示せず)から読込開始ボタンを押下すると、処理部440は、そのイベントに係る信号を受信し、業務状態更新補完部444を起動する。
【0044】
業務状態更新補完部444は、被服固有のIDを受信する(ステップS501)。すなわち、業務状態更新補完部444は、イベント待ちを実行し、送受信部41を介して被服固有のIDを受信する。
【0045】
次に、業務状態更新補完部444は、IDに対する業務ステータスを「洗浄棚入」に更新する(ステップS502)。すなわち、業務状態更新補完部444は、管理ファイル450に対して、「洗浄棚入」を、受信したIDと一致するレコードの業務ステータスに設定して更新する。このとき、併せて本日の日付を日付4504に更新する。
なお、重複業務を実行している場合は、同じレコードに上書きされ、日付を訂正することができる。また、更新前の管理ファイル450のそのIDに対する業務ステータスが、更新すべき現在の業務ステータスの直前の業務ステータスでない場合は、更新することにより、業務情報を補完することができる。
【0046】
次に、業務状態更新補完部444は、処理が終了するか否かを判定する(ステップS503)。すなわち、作業者が、モニタ430に表示する「洗浄棚入登録画面」(図示せず)から読込終了ボタンを押下すると、処理部440は、メモリ44の一時領域である読込終了フラグをオン(例えば、「1」)に記憶しておく。業務状態更新補完部444は、その読込終了フラグがオンであるか否かにより処理が終了するか否かを判定する。なお、当該読込終了フラグは、業務状態更新補完部444が起動されたとき、初期化を意味するオフ(例えば、「0」)に記憶しておくものとする。
また、作業者がモニタ430に表示する「洗浄棚入登録画面」(図示せず)から読込終了ボタンを押下すると、処理部440は、当該ボタン押下の信号を送信し、業務状態更新補完部444は、その信号を受信するものとしても良い。
【0047】
そして、業務状態更新補完部444は、終了でないと判定した場合(ステップS503でNo)は、ステップS501に戻る。
【0048】
一方、業務状態更新補完部444は、終了であると判定した場合(ステップS503でYes)は、動作を終了する。
【0049】
これにより、洗浄棚入前の業務である被服入荷で認識装置3(一括読取装置)により被服に縫い付けたRFIDタグ2を認識することができず、被服固有のIDを読み取れなかった場合でも、管理ファイル450(図2参照)に対する業務ステータスを補完(又は訂正)することができ、レンタル品である被服の員数管理を正確に行なうことができる。すなわち、顧客のもとに出荷された被服が何らかの事情でリネンサプライ業者に被服入荷されない場合があり、その場合に、どの被服が被服入荷されたかは、その後の業務である洗浄棚入で被服を1枚ごと確実に認識することができる単体読取装置を用いて補完(又は訂正)することにより確定することができる。
また、作業者は、補完(又は訂正)後に、どの被服が顧客側に存在しているかを知ることができ、紛失品を確認することができる。
さらに、作業者は、レンタルしている全被服の流通情報を確認することができる。
【0050】
ここで、受信した被服固有のIDに対する過去の履歴に不整合又は欠落があるときは、前記業務順序ファイル450から読み込まれた業務順序情報に基づいて不整合を訂正し、又は欠落を補完するものとしても良い。例えば、不整合の例として、履歴ファイルの受信したIDに対する直近の業務ステータスが、更新すべき現在の業務ステータスと同一、すなわち、重複業務である場合は、同じレコードに上書きされ、日付を訂正することができる。また、欠落の例として、履歴ファイルの受信したIDに対する直近の業務ステータスが、更新すべき現在の業務ステータスの直前の業務ステータスでない場合は、欠落した業務についての情報を追加することにより、業務情報を補完することができる。そして、前記処理は、図4ではステップS407で行ない、図5ではステップS502で行なうことができる。
これにより、過去の履歴の不整合又は欠落に対して、それぞれ想定される業務内容を自動的に補完又は訂正することができ、業務を円滑に行なうことができるという効果がある。
【0051】
以上、実施の形態に基づいて、2つの業務(「被服出荷」及び「被服入荷」)を1の一括読取装置で実現する構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、3つ以上の業務を1の一括読取装置で実現しても良い。
【0052】
次に、出荷検品から洗浄棚入までの管理ファイルに記憶されたIDに対応する業務ステータスの遷移について説明する。
図6は、被服出荷後の管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。
図2は、前記説明したように出荷検品後の管理ファイルの一例を示すファイル構成図であったが、図6では、その出荷検品後の次業務である被服出荷で、業務状態更新部442又は業務状態補完部443により業務ステータス4505が「被服出荷」(「4」)に更新された例を示している。すなわち、被服出荷で認識装置3(一括読取装置)によりRFIDタグ2を縫い付けた被服の固有のIDを認識することができなかったIDに対しても、業務ステータス4505が「被服出荷」(「4」)に補完すべく更新されている。
【0053】
図7は、被服入荷後の管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。
図7では、被服出荷後の次業務である被服入荷で、業務状態更新部442により業務ステータス4505が「被服入荷」(「5」)に更新された例を示している。ここでは、被服入荷で認識装置3(一括読取装置)によりRFIDタグ2を縫い付けた被服の固有のIDを認識することができなかったIDは符号71、72及び73に対応するID(タグid4502)であり、業務ステータス4505は、「被服出荷」(「4」)状態のままであるが、それ以外のIDの業務ステータス4505は、「被服入荷」(「5」)に更新されている。
【0054】
図8は、洗浄棚入後の管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。
図8では、被服入荷後の次業務である洗浄棚入で、業務状態更新補完部444により業務ステータス4505が「洗浄棚入」(「2」)に更新された例を示している。符号81及び82は、被服入荷で認識装置3(一括読取装置)によりRFIDタグ2を縫い付けた被服固有のIDを認識することができなかったIDであるが、業務ステータス4505が「洗浄棚入」(「2」)に補完すべく更新されている。また、符号83の業務ステータス4505は、「被服出荷」(「4」)状態のままであるが、被服入荷がされず未だ顧客側に存在していることを示している。そして、それ以外のIDの業務ステータス4505は、「洗浄棚入」(「2」)に更新されている。なお、洗浄棚入で認識装置3を重複して認識させようとした場合は、図示しないが、業務ステータス4505を「洗浄棚入」(「2」)及び日付を本日に訂正すべく更新する。
【0055】
次に、図4の処理を行なう業務推定部441、業務状態更新部442及び業務状態補完部443を開始及び終了するための画面を、図9を用いて説明する。
図9は、被服出荷・被服入荷登録画面を例示した図である。本画面は、被服出荷でRFIDタグ2を縫い付けた被服固有のIDを認識装置(一括読取装置)に認識させて、被服ごとの情報(業務ステータス)を管理ファイル450に登録する画面である。すなわち、出荷検品後の被服を顧客へ被服出荷する際に使用する。
また、本画面は、顧客から被服入荷された被服固有のIDを認識装置(一括読取装置)に認識させて、被服ごとの情報(業務ステータス)を管理ファイル450に登録する画面も併用する。すなわち、顧客側からリネンサプライ業者に被服を被服入荷する際に使用する。
【0056】
被服出荷・被服入荷登録画面は、「被服出荷」又は「被服入荷」の区別を示す業務モード90と、認識装置(単体読取装置)で読み込み可能な全件数を示す読込数91と、正常に業務が終了した件数を示す正常件数92と、正常に業務が終了しなかった件数を示す異常件数93と、認識装置(一括読取装置)に正常に接続されているか否かを示すリーダ接続94と、管理ファイル450を記憶するデータベースに正常に接続されているか否かを示すDB接続95と、被服の品名を示す品名96、被服のサイズを示すサイズ97、品名及びサイズ単位で読み込まれた件数を示す数量98からなる読込被服一覧と、メッセージを表示するメッセージ欄99と、読込開始ボタン90aと、読込終了ボタン90bと、本画面を終了させる終了ボタン90cと、から構成される。被服出荷・被服入荷登録画面では、被服出荷又は被服入荷で被服ごとの情報(業務ステータス)を管理ファイル450に登録する処理を、作業者が、読込開始ボタン90aをマウス430(図1参照)で押下することにより開始し、読込終了ボタン90bをマウスで押下することにより終了する。
【0057】
ここで、業務モード90欄は、前記した業務推定部441のステップS403で過半数の業務ステータスを決定し、業務推定部441は、決定した業務ステータスが「出検」(「出荷検品」)である場合は、「被服出荷」を表示し、「出荷」(「被服出荷」)である場合は、「被服入荷」を表示する。
読込数91欄は、管理ファイル450(図2参照)のレコードの全件数を表示する。なお、被服が未だ顧客側に存在している場合、或いは、被服が受注されなかった場合も想定されるため、管理ファイル450の日付4504が業務の当日より以前の所定の範囲内であるレコードの件数を全件数としても良い。
正常件数92欄は、正常に業務が終了した件数、すなわち、前記した業務状態更新部442のステップS407で更新されたIDの数と、被服出荷の場合は、さらに、前記した業務状態補完部443のステップS410で更新されたIDの数を加算した数を表示する。
異常件数93欄は、正常に業務が終了しなかった件数、すなわち、読込数91から正常件数92を減算した数となり、その数を表示する。
読込被服一覧の品名96欄とサイズ97欄は、業務ステータス4505を更新したIDに対する品名No4501とサイズ4503を表示する。また、数量98欄は、業務ステータス4505を更新したIDについて、品名96及びサイズ97単位でカウントした件数を表示する。
【0058】
なお、図4の処理である被服ごとの業務状態を更新する処理を、作業者が被服出荷・被服入荷登録画面のボタンをマウス(図1参照)で押下することにより、開始又は終了することとしたが、リネン業務管理装置4とUSB接続されたスイッチに付随した開始及び終了のボタンを押下することにより、開始又は終了することとしても良い。
これにより、マウスの使用に慣れていない作業者でも簡単に当該処理を開始又は終了させることができる。
また、スイッチに付随した開始及び終了のボタンを色分けするものとしても良い。
これにより、作業者は、開始及び終了のボタンを視覚によって判断できるため、操作ミスの低減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施の形態における被服をレンタル品として適用したリネン業務管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。
【図3】本実施の形態におけるリネン業務管理システムを用いた作業者の業務手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態における認識装置3(一括読取装置)を用いたときに処理部440で業務状態を更新するフローチャートを示す。
【図5】本実施の形態における被服入荷後に業務状態を更新するフローチャートを示す。
【図6】被服出荷後の管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。
【図7】被服入荷後の管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。
【図8】洗浄棚入後の管理ファイルの一例を示すファイル構成図である。
【図9】被服出荷・被服入荷登録画面を例示した図である。
【符号の説明】
【0060】
1 リネン業務管理システム
2 RFIDタグ
3 認識装置
4 リネン業務管理装置
21 メモリ(ID)
41 送受信部
42 CPU
44 メモリ
45 記憶装置
440 処理部
441 業務推定部
442 業務状態更新部
443 業務状態補完部
444 業務状態更新補完部
450 管理ファイル
451 業務順序ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出荷業務を経て物品を外部に出荷し、回収業務を経て前記出荷した物品を回収し、所定の業務を経て前記回収した物品を前記出荷業務へと回す物品の貸し出し業務において、前記物品に付したIDチップの情報を用いた業務管理を行う業務管理装置による物品管理方法であって、
前記業務管理装置は、通信装置と、記憶装置と、処理装置とを備え、
前記処理装置は、
前記通信装置を介して、各業務に配備されたIDチップリーダが読み取って送信したIDチップの固有の識別情報を受信すると、当該受信した識別情報と送信元の業務を示す業務状態とを対応させて記憶装置に登録する第1の処理と、
前記記憶装置への登録に際して、前記識別情報と対応して登録すべき業務状態を、すでに得られた識別情報と業務状態との対応関係に基づいて推定する第2の処理とを実行すること
を特徴とする物品管理方法。
【請求項2】
前記記憶装置には、
業務状態の順序を定義した業務順序情報が登録されており、
前記識別情報と前記業務状態は、さらに当該業務が実行された日付を示す日付情報と対応付けて登録されており、
前記処理装置は、
前記第2の処理において、前記日付情報を用いて業務が実行された日付を確認するとともに、前記業務順序情報を用いて業務の順序関係を確認することで、前記登録すべき業務状態を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項3】
前記記憶装置には、業務状態の順序を定義した業務順序情報が登録されており、
前記処理装置は、
前記第2の処理において、前記受信した識別情報を用いて前記記憶装置に登録されている当該識別情報に対応する業務状態を参照する処理を、受信した複数の識別情報について実行するとともに、
前記業務順序情報を参照する処理を実行することで、前記登録すべき業務状態を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項4】
前記記憶装置には、業務状態の順序を定義した業務順序情報が登録されており、
前記処理装置は、
前記受信した識別情報に係る過去の登録情報に不整合又は情報の欠落があるときは、前記業務順序情報を参照して前記不整合を訂正し又は前記欠落を補完する第3の処理を実行すること
を特徴とする請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項5】
複数のIDチップを一括で読み取る1台の一括読取用のIDチップリーダを前記IDチップリーダとして一部の業務で共用する構成において、
前記処理装置は、
前記通信装置を介して受信される識別情報が前記一括読取用のIDチップリーダからのものであることを、前記通信装置のポート番号又は前記通信装置を介して取得されるIDチップリーダに関する情報に基づいて判定し、
前記判定の結果が前記一括読取用のIDチップリーダからのものであるとき、前記第2の処理による前記登録すべき業務状態の推定を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の物品管理方法。
【請求項6】
出荷業務を経て物品を外部に出荷し、回収業務を経て前記出荷した物品を回収し、所定の業務を経て前記回収した物品を前記出荷業務へと回す物品の貸し出し業務において、前記物品に付したIDチップの情報を用いた業務管理を行う業務管理装置による物品管理方法であって、
前記業務管理装置は、通信装置と、記憶装置と、処理装置とを備え、
前記記憶装置には、業務状態の順序を定義した業務順序情報が登録されており、
前記処理装置は、
前記通信装置を介して、各業務に配備されたIDチップリーダが読み取って送信したIDチップの固有の識別情報を受信すると、当該受信した識別情報と送信元の業務を示す業務状態とを対応させて記憶装置に登録する第1の処理と、
前記受信した識別情報に係る過去の登録情報に不整合又は情報の欠落があるときは、前記業務順序情報を参照して前記不整合を訂正し又は前記欠落を補完する第3の処理を実行すること
を特徴とする物品管理方法。
【請求項7】
出荷業務を経て物品を外部に出荷し、回収業務を経て前記出荷した物品を回収し、所定の業務を経て前記回収した物品を前記出荷業務へと回す物品の貸し出し業務において、前記物品に付したIDチップの情報を用いた業務管理を行う業務管理装置による物品管理方法であって、
前記業務管理装置は、通信装置と、記憶装置と、処理装置とを備え、
前記記憶装置には、前記IDチップの識別情報とその時点での業務状態が対応して登録されており、
前記処理装置は、
前記記憶装置に登録されたそれぞれの前記業務状態に対応する物品の数をそれぞれカウントする処理と、
それぞれカウントされた物品の数の合計数と、それぞれの前記業務状態に対応する物品の数とを比較する処理と、
いずれかの前記業務状態に対応する物品の数の2倍が前記合計数より大きい場合に、その物品に対応する業務状態を過半数の業務状態と判断する処理と
その過半数と判断された業務状態を、他の物品に関して前記識別情報と対応して登録すべき業務状態と推定する処理と、を実行すること
を特徴とする物品管理方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の物品管理方法をコンピュータに実現させることを特徴とする物品管理プログラム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の物品管理方法をコンピュータに実現させることを特徴とする物品管理プログラムを記録した記録媒体。
【請求項10】
出荷業務を経て物品を外部に出荷し、回収業務を経て前記出荷した物品を回収し、所定の業務を経て前記回収した物品を前記出荷業務へと回す物品の貸し出し業務において使用され、前記物品に付したIDチップの情報を用いて業務管理を行う業務管理装置であって、
通信装置と、記憶装置と、処理装置とを備え、
前記処理装置は、
前記通信装置を介して、各業務に配備されたIDチップリーダが読み取って送信したIDチップの固有の識別情報を受信すると、当該受信した識別情報と送信元の業務を示す業務状態とを対応させて記憶装置に登録し、
前記記憶装置への登録に際して、前記識別情報と対応して登録すべき業務状態を、すでに得られた識別情報と業務状態との対応関係に基づいて推定すること
を特徴とする業務管理装置。
【請求項11】
出荷業務を経て物品を外部に出荷し、回収業務を経て前記出荷した物品を回収し、所定の業務を経て前記回収した物品を前記出荷業務へと回す物品の貸し出し業務において使用され、前記物品に付したIDチップの情報を用いて業務管理を行う業務管理装置であって、
通信装置と、記憶装置と、処理装置とを備え、
前記記憶装置は、業務状態の順序を定義した業務順序情報を登録し、
前記処理装置は、
前記通信装置を介して、各業務に配備されたIDチップリーダが読み取って送信したIDチップの固有の識別情報を受信すると、当該受信した識別情報と送信元の業務を示す業務状態とを対応させて記憶装置に登録し、
前記受信した識別情報に係る過去の登録情報に不整合又は情報の欠落があるときは、前記業務順序情報を参照して前記不整合を訂正し又は前記欠落を補完すること
を特徴とする業務管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−189392(P2008−189392A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22089(P2007−22089)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】