説明

物品陳列用具、物品陳列用タグ及び陳列物の閲覧情報収集方法

【課題】商品等の物品に対し、客がどの部分に興味を持っているかを容易に検出する。
【解決手段】ハンガー1に設けた、直交する3軸方向の角速度を検出する角速度センサ11X〜11Zの検出信号に基づいてハンガー1の3軸方向の角度を算出し、ハンガー1がハンガーレール2から取り外された時点からハンガーレール2に戻されるまでのハンガー1の姿勢情報を収集する(ステップS6〜ステップS16)。ハンガー1がハンガーレール2に戻されたとき、ハンガー1がハンガーレール2から取り外されている間の閲覧時間等を算出し、これら閲覧時間や、閲覧回数等をハンガー1の姿勢情報と共に閲覧情報として、無線通信によりデータベース30に送信し(ステップS17〜S19)、ハンガー1がハンガーレール2から取り外される毎にそのときのハンガー1の閲覧情報を生成し、逐次、閲覧情報を、データベース30に蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列物に対する閲覧情報を収集することの可能な物品陳列用具、物品陳列用タグ及び陳列物の閲覧情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、客に購入された商品の種類や価格等の情報を収集することで、売れた商品に対する客の動向を調査し、在庫管理等の効率化等を図っている。また、商品に振動センサを内蔵した無線タグを取り付け、客によって動かされた頻度を計数することで、売れなかった商品に対して客がどの程度興味を持ったかといった情報を収集し、これによって、売れなかった商品に対する客の動向を検出する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−78632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、振動センサを内蔵した無線タグを商品に取り付けることで、客が商品に対してどの程度興味をもったかといった情報を収集することはできる。
しかしながら、振動した計数からは、商品に対してどの程度興味をもったかといったレベルまでしか検出することができず、商品のどの部分について客が興味を持ったか等、より詳細に、商品に対する客の興味内容を検出することのできる方法が望まれていた。
【0004】
そこで、この発明は上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、商品等の物品に対し、そのどの部分に対して客が興味を持っているかを検出することの可能な物品陳列用具、物品陳列用タグ及び陳列物に対する閲覧情報収集方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、本発明の物品陳列用具は、客が手にとって閲覧可能な陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化し且つ前記陳列物に対して着脱可能な物品陳列用具において、当該物品陳列用具の角速度を検出する角速度検出手段と、当該角速度検出手段で検出された角速度に基づいて前記物品陳列用具の姿勢を演算する姿勢演算手段と、前記陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報を収集する閲覧情報収集手段と、を備え、当該閲覧情報収集手段は、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0006】
上記構成によれば、物品陳列用具の角速度を検出して、この角速度に基づいて物品陳列用具の姿勢を演算する。この物品陳列用具は、陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化するから物品陳列用具の姿勢はすなわち陳列物の姿勢を表し、これはすなわち、陳列物が客にどのように閲覧されているかを表すことになる。したがって、物品陳列用具の姿勢を表す姿勢情報を収集することで陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報を容易に収集することができる。
【0007】
また、上記した物品陳列用具において、前記角速度検出手段は、前記物品陳列用具の3軸方向の角速度を個別に検出可能に構成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、角速度検出手段は、3軸方向の角速度を個別に検出するから、陳列物のピッチ方向、ロール方向、ヨー方向の動きを正確に検出することができ、物品陳列用具の姿勢をより正確に検出することができる。
【0008】
また、上記した物品陳列用具において、前記物品陳列用具が、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用具の状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用具が陳列状態から非陳列状態に移行した回数をカウントするカウント手段と、を備え、前記閲覧情報収集手段は、前記カウント手段で検出したカウント数を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、物品陳列用具が陳列状態から非陳列状態に移行した回数は、物品陳列用具つまり陳列物が客の手に取られた回数を表すから、物品陳列用具が陳列状態から非陳列状態に移行した回数をカウントしこれを閲覧情報として収集することによって、陳列物がどの程度の頻度で手に取られて閲覧されたかを容易に認識することができる。
また、上記した物品陳列用具において、前記物品陳列用具が、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用具の状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用具が非陳列状態となった時点から陳列状態に戻った時点までの継続時間を計測する継続時間計測手段と、を備え、前記閲覧情報収集手段は、前記継続時間計測手段で計測した継続時間を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、物品陳列用具が非陳列状態であるときの継続時間は、すなわち、陳列物が客の手に取られている継続時間を表すから、物品陳列用具が非陳列状態となっている継続時間を計測することによって、陳列物がどの程度の時間、客の手にとって閲覧されたかを容易に認識することができる。
また、上記した物品陳列用具において、前記閲覧情報収集手段は、前記陳列状態検出手段で非陳列状態にあることが検出されている間の、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、陳列状態検出手段で非陳列状態にあることが検出されている間の、姿勢演算手段の演算結果を閲覧情報として収集するから、すなわち、陳列物が客の手に取られて閲覧されていると推測される期間の陳列物の姿勢の変化状況、つまり、どのように閲覧されているかを容易に認識することができる。
また、上記した物品陳列用具において、前記物品陳列用具が前記陳列物から取り外されたかどうかを検出する取り外し検出手段を備え、前記閲覧情報収集手段は、前記取り外し検出手段での検出結果を前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、物品陳列用具が陳列物から取り外されたかどうかを検出しているから、客が、物品陳列用具を陳列物から取り外して陳列物を詳細に閲覧したかどうかを推測することができ、例えば衣類等の場合には試着したかどうか、また、物品の場合には試しに使用したかどうか等を容易に推測することができる。
また、上記した物品陳列用具において、前記物品陳列用具が載置状態にあるときに、当該物品陳列用具に対して予め設定したその正面が向いている方向を検出する正面方向検出手段を備え、前記閲覧情報収集手段は、前記正面方向検出手段で検出した正面の方向を前記姿勢演算手段での演算結果と対応付けて収集することを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、陳列状態にあるときの物品陳列用具の正面の方向と、物品陳列用具が非陳列状態にあるときの姿勢演算手段での演算結果、つまり、物品陳列用具の姿勢とを対応付けて収集するから、物品陳列用具が非陳列状態にある状態から、その正面が向いている方向がどのように変化するかを認識することができ、陳列物の正面、背面等どの部分が閲覧されているかを容易に認識することができる。
【0014】
また、上記した物品陳列用具において、前記閲覧情報収集手段は、前記閲覧情報を、当該閲覧情報を蓄積するデータベースに送信する無線通信手段を備え、前記陳列状態検出手段で非陳列状態から陳列状態に戻ったことが検出されたとき、前記閲覧情報を前記無線通信手段により送信することを特徴としている。
上記構成によれば、非陳列状態から陳列状態となったとき、つまり、物品陳列用具が客の手に取られた状態から元に戻されたときに、収集した閲覧情報を無線通信手段により送信するから、物品陳列用具つまり陳列物が閲覧される毎にそのときの閲覧情報をデータベースに格納することができ、陳列物が購入されようと購入されまいとこれに関わらず、閲覧されたときの閲覧情報を確実にデータベースに記憶することができる。
【0015】
また、上記した物品陳列用具は、衣類用ハンガーであることを特徴としている。
上記構成によれば、衣類用ハンガーの姿勢情報を収集するから、すなわち、この衣類用ハンガーに掛けられている衣類の姿勢がどのように変化したかを把握することができ、衣類がどのように閲覧され、人がどの部分に着目しているか等を容易に認識することができる。
【0016】
また、上記した課題を解決するために、本発明の物品陳列用タグは、客が手にとって閲覧可能な陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化し且つ前記陳列物に対して着脱可能な物品陳列用タグにおいて、当該物品陳列用タグの角速度を検出する角速度検出手段と、当該角速度検出手段で検出された角速度に基づいて前記物品陳列用タグの姿勢を演算する姿勢演算手段と、前記陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報を収集する閲覧情報収集手段と、を備え、当該閲覧情報収集手段は、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、物品陳列用タグの角速度を検出して、この角速度に基づいて物品陳列用タグの姿勢を演算する。この物品陳列用タグは、陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化するから物品陳列用タグの姿勢はすなわち陳列物の姿勢を表し、これはすなわち、陳列物が客にどのように閲覧されているかを表すことになる。したがって、物品陳列用タグの姿勢を表す姿勢情報を収集することで陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報を容易に収集することができる。
【0018】
また、上記した物品陳列用タグにおいて、前記角速度検出手段は、前記物品陳列用タグの3軸方向の角速度を個別に検出可能に構成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、角速度検出手段は、3軸方向の角速度を個別に検出するから、陳列物のピッチ方向、ロール方向、ヨー方向の動きを正確に検出することができ、物品陳列用タグの姿勢をより正確に検出することができる。
【0019】
また、上記した物品陳列用タグにおいて、前記物品陳列用タグが、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用タグの状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用タグが陳列状態から非陳列状態に移行した回数をカウントするカウント手段と、を備え、前記閲覧情報収集手段は、前記カウント手段で検出したカウント数を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、物品陳列用タグが陳列状態から非陳列状態に移行した回数は、物品陳列用タグつまり陳列物が客の手に取られた回数を表すから、物品陳列用タグが陳列状態から非陳列状態に移行した回数をカウントしこれを閲覧情報として収集することによって、陳列物がどの程度の頻度で手に取られて閲覧されたかを容易に認識することができる。
また、上記した物品陳列用タグにおいて、前記物品陳列用タグが、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用タグの状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用タグが非陳列状態となった時点から陳列状態に戻った時点までの継続時間を計測する継続時間計測手段と、を備え、前記閲覧情報収集手段は、前記継続時間計測手段で計測した継続時間を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、物品陳列用タグが非陳列状態であるときの継続時間は、すなわち、陳列物が客の手に取られている継続時間を表すから、物品陳列用タグが非陳列状態となっている継続時間を計測することによって、陳列物がどの程度の時間、客の手にとって閲覧されたかを容易に認識することができる。
また、上記した物品陳列用タグにおいて、前記閲覧情報収集手段は、前記陳列状態検出手段で非陳列状態にあることが検出されている間の、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0022】
上記構成によれば、陳列状態検出手段で非陳列状態にあることが検出されている間の、姿勢演算手段の演算結果を閲覧情報として収集するから、すなわち、陳列物が客の手に取られて閲覧されていると推測される期間の陳列物の姿勢の変化状況、つまり、どのように閲覧されているかを容易に認識することができる。
また、上記した物品陳列用タグにおいて、前記物品陳列用タグが載置状態にあるときに、当該物品陳列用タグに対して予め設定したその正面が向いている方向を検出する正面方向検出手段を備え、前記閲覧情報収集手段は、前記正面方向検出手段で検出した正面の方向を前記姿勢演算手段での演算結果と対応付けて収集することを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、陳列状態にあるときの物品陳列用タグの正面の方向と、物品陳列用タグが非陳列状態にあるときの姿勢演算手段での演算結果、つまり、物品陳列用タグの姿勢とを対応付けて収集するから、物品陳列用タグが非陳列状態にある状態から、その正面が向いている方向がどのように変化するかを認識することができ、すなわち、陳列物の正面、背面等どの部分が閲覧されているかを容易に認識することができる。
【0024】
また、上記した物品陳列用タグにおいて、前記閲覧情報収集手段は、前記閲覧情報を、当該閲覧情報を蓄積するデータベースに送信する無線通信手段を備え、前記陳列状態検出手段で非陳列状態から陳列状態に戻ったことが検出されたとき、前記閲覧情報を前記無線通信手段により送信することを特徴としている。
上記構成によれば、非陳列状態から陳列状態となったとき、つまり、物品陳列用タグが客の手に取られた状態から元に戻されたときに、収集した閲覧情報を無線通信手段により送信するから、物品陳列用タグつまり陳列物が閲覧される毎にそのときの閲覧情報をデータベースに格納することができ、陳列物が購入されようと購入されまいとこれに関わらず、閲覧されたときの閲覧情報を確実にデータベースに記憶することができる。
【0025】
また、上記した物品陳列用タグは、プライスタグ又は盗難防止用タグであることを特徴としている。
上記構成によれば、プライスタグ又は盗難防止用タグの姿勢情報を収集するから、すなわち、このプライスタグ又は盗難防止用タグが取り付けられているセーター等の衣類の姿勢がどのように変化したかを把握することができ、セーター等の衣類がどのように閲覧され、人がどの部分に着目しているか等を容易に認識することができる。
【0026】
また、本発明の閲覧情報の収集方法は、手にとって閲覧可能な陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報の収集方法であって、前記陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化し且つ前記陳列物に対して着脱可能な物品陳列用具又は物品陳列用タグに、当該物品陳列用具又は物品陳列用タグの角速度を検出する角速度検出手段を設け、当該角速度検出手段で検出された角速度に基づいて前記物品陳列用具又は物品陳列用タグの姿勢を演算し、この演算結果を、前記陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報として収集することを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化する物品陳列用具又は物品陳列用タグに、この物品陳列用具又は物品陳列用タグの角速度を検出する角速度検出手段を設け、この角速度検出手段で検出された角速度に基づいて物品陳列用具又は物品陳列用タグの姿勢を演算し、これをこの物品陳列用具又は物品陳列用タグの姿勢変化と連動して姿勢変化する陳列物の姿勢を表す閲覧情報として収集するから、この閲覧情報を参照することで、陳列物の姿勢の変化状況すなわち、陳列物がどのように閲覧されたか、どの部分が着目されたか等を容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すシステム構成図であって、本発明による物品陳列用具として衣類をかけるためのハンガーに適用したものである。
図1において、1はハンガーであって、複数のハンガー1が、ハンガーレール2に掛けられて衣類が陳列されている。
【0029】
このハンガー1には、図2に示すように、ハンガー1の姿勢変化状況を検出するためのセンサユニット10が設けられている。このセンサユニット10は、後述のデータベース30との間で無線通信を行い、センサユニット10で収集した収集データは無線通信によりデータベース30に送信される。データベース30では、受信した収集データを蓄積し、これに基づいて、各商品に対し、客がどの部分に着目しているのかを検出する。
【0030】
前記センサユニット10は、図3に示すように、直交する3軸方向のヨーレートを検出する角速度センサ11X〜11Zと、これら角速度センサ11X〜11Zから出力されるハンガー1の角速度や後述のハンガーセンサ18、光センサ19、衣類センサ20a、20bの検出信号をもとにデータ収集処理を行うと共に、通信制御部13を制御しデータベース30との間で無線通信制御を行う、例えばCPUで構成される演算処理装置14と、この演算処理装置14で行う演算処理に必要なプログラムが格納されると共に、ハンガー1の3軸方向の角速度等の測定データが格納されるメモリ15と、前記通信制御部13に接続された無線通信アンテナ16と、無線通信アンテナ16を介して後述のハンガーセンサ18及び衣類センサ20a、20bのセンサ信号を入力する赤外線通信受信手段としてのIrDA受信部21と、角速度センサ11X〜11Z、ハンガーセンサ18、光センサ19、衣類センサ20a、20b、通信制御部13、演算処理部14及びIrDA受信部21に電力を供給するバッテリ17を備えている。
【0031】
前記角速度センサ11X〜11Zのそれぞれは、図4に示すように、圧電式ジャイロセンサ11a、この圧電式ジャイロセンサ11aから出力される角速度信号が入力されてノイズを除去するローパスフィルタ11bと、このローパスフィルタ11bのフィルタ出力を増幅する増幅器11cと、この増幅器11cから出力される増幅信号をデジタル信号に変換するA/D変換器11dとを備えている。
【0032】
前記ハンガーセンサ18は、ハンガー1がハンガーレール2に掛けられた状態であるかどうかを検出するためのセンサであって、図2に示すように、前記ハンガー1のフック部の頂部に設けられている。このハンガーセンサ18は、ハンガー1がハンガーレール2に掛けられたときオン状態、ハンガー1がハンガーレール2から外されたときオフ状態となる、接触センサ、或いは圧電センサ等で構成されている。
【0033】
なお、ハンガーセンサ18は、ハンガー1がハンガーレール2に掛けられているかどうかを検出することができればどのような手段であってもよく、例えば、狭範囲RFIDでハンガー1がハンガーレール2の範囲から外れたかどうかを判断するようにしてもよく、また、指向性アンテナRFID等を設け、これによってハンガーレール2にハンガー1が掛けられているかを検出するようにしてもよい。また、加速度センサを設け、しきい値以上の加速度が生じたときに、ハンガー1が取り上げられた、すなわち、客がハンガー1を取り上げたと判断し、しきい値以上の加速度が生じない状態が所定時間以上継続したときハンガー1がもとに戻された、或いは、ハンガー1に対する閲覧が終了したと判断するようにしてもよい。
【0034】
このハンガーセンサ18の検出信号は、例えばIrDA等の近距離無線通信によって送信され、無線通信アンテナ16で受信された検出信号は、IrDA受信部21を介して演算処理装置14に入力される。なお、ハンガーセンサ18の検出信号を有線で演算処理装置14に入力するように構成してもよい。
また、ハンガー1のフック部の、開口部とは逆側の湾曲部1aには、光センサ19が設けられている。前記ハンガーレール2には、左右方向に伸びるハンガーレール2の予め設定した側面を正面としたとき、正面方向に光信号を発生する発光部材2aが設けられ、前記光センサ19は、この発光部材2aの光信号を受信し、その検出結果は、前記演算処理装置14に入力される。
【0035】
ここで、ハンガー1のフック部と衣類を掛ける本体部分とが固定され、ハンガー1を平面上に載置したときにフック部の開口部が右側を向く方向をハンガー1の正面とする。ハンガーレール2には、その正面側に発光部材2aが設けられ、また、ハンガー1の湾曲部1aには光センサ19が設けられているから、ハンガー1をハンガーレール2にかけた時に、光センサ19で光信号を受信している場合には、ハンガー1の湾曲部1aはハンガーレール2の正面側にあるとみなすことができるから、ハンガー1の正面は右側を向いていると推測することができる。
【0036】
逆に、ハンガー1をハンガーレール2に掛けた状態で、光センサ19で光信号を受信していない場合には、ハンガー1の湾曲部1aは、ハンガーレール2の正面とは反対側にあるとみなすことができるから、ハンガー1の正面は左側を向いていると推測することができる。
つまり、光センサ19で光信号を受信しているかいないかに基づいて、ハンガー1の正面が左右に伸びるハンガーレール2に向かって右方向及び左方向のどちらを向いているかを推測することができる。
【0037】
また、ハンガー1本体の衣類の肩近傍と対向する左右の肩部材1b、1cには、ハンガー1に衣類が掛けられているかどうかを検出するための衣類センサ20a、20bが設けられている。この衣類センサ20a、20bは、例えば、接触センサ或いは圧力センサ等で構成され、衣類がハンガー1に掛けられているときにはオン、衣類がハンガー1に掛けられていないときにオフとなる信号を出力する。
【0038】
この衣類センサ20a、20bの検出信号は、例えばIrDA等の近距離無線通信によって送信され、無線通信アンテナ16で受信された検出信号は、IrDA受信部21を介して演算処理装置14に入力される。なお、この衣類センサ20a、20bの検出信号を有線で演算処理装置14に入力するように構成してもよい。また、何れか一方の肩部材に衣類センサを一つ設けてもよい。
【0039】
前記データベース30は、図3に示すように、各ハンガー1のセンサユニット10から送信される収集データを受信する受信アンテナ31と、この受信アンテナ31で受信した収集データを、通信制御部32を介して入力するデータ処理部33と、受信した収集データを蓄積するためのデータ蓄積部35とを備えている。前記データ処理部33では、受信した収集データを、ハンガー1毎にデータ蓄積部35に蓄積すると共に、入力装置33aによるオペレータの操作にしたがって、このデータ蓄積部35に蓄積された収集データについて解析を行い、解析結果を表示装置33bに表示する。
【0040】
図5は、前記センサユニット10の演算処理装置14で実行される注視部位測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この注視部位測定処理は、演算処理装置14が起動されると実行開始され、まず、ステップS1で、閲覧時間を計測する閲覧時間タイマをリセットすると共に、客の閲覧回数を計数する閲覧回数カウンタをリセットし、さらにメモリ15に記憶されている注視部位測定データを消去すると共に、各圧電式ジャイロセンサ11aをリセットする初期状態処理を行ってからステップS2に移行する。
【0041】
このステップS2では、ハンガー1の正面方向を特定する。具体的には、ハンガーセンサ18及び光センサ19の検出信号に基づいて、ハンガー1の正面方向を特定する。すなわち、ハンガーセンサ18がオン状態であってハンガー1がハンガーレール2に掛けられた状態であり、且つ光センサ19で光信号を受信しているときには、ハンガー1の正面はハンガーレール2の正面に向かって右側方向であると判断する。ハンガー1がハンガーレール2に掛けられた状態であり、且つ光センサ19で光信号を受信していないときには、ハンガー1の正面はハンガーレール2の正面に向かって左側方向であると判断する。また、ハンガーセンサ18がオフ状態であるときにはハンガー1がハンガーレール2から外されている状態であることからハンガー1の正面方向の特定は不可と判断する。そして、特定したハンガー1の正面方向を初期状態におけるハンガー1の正面方向としてメモリ15に記憶する。
【0042】
次いで、ステップS3に移行し、ハンガーセンサ18、IrDA受信部21及び演算処理装置14等、必要最小限の駆動部のみを駆動する待機モードを設定し、ステップS4に移行する。このステップS4では、ハンガーセンサ18がオフ状態、すなわち、ハンガー1がハンガーレール2から取り外された状態であるかどうかを判断し、ハンガーセンサ18がオフ状態となったとき、つまり、ハンガー1がハンガーレール2から外されたときにステップS5に移行する。
【0043】
このステップS5では、センサユニット10の各部への電力供給を開始し、次いで、ステップS6に移行してハンガーセンサ18がオフ状態である時間、すなわち、ハンガー1がハンガーレール2から取り外された状態の継続時間、つまり、客がハンガー1を取り上げてこのハンガー1にかかっている衣類を閲覧している閲覧時間を計測するための閲覧時間タイマを起動する。
【0044】
次いで、ステップS7に移行して、各角速度センサ11X〜11Zから出力される角速度検出値を読み込み、次いで、ステップS8で読み込んだ角速度検出値をメモリ15に記憶し、ステップS9に移行し、姿勢情報を算出する。具体的には、圧電式ジャイロセンサ11aをリセットしたときに予め計測しておいたリセット時刻と現在の時刻との差であるリセット間隔と圧電式ジャイロセンサ11aの性能とからドリフト分を推測し、これに基づいて読み込んだ角速度検出値を補正した後、補正した角速度検出値をそれぞれ積分して回転角度を算出し、各軸方向について初期状態からの累積値をもとに、各軸方向の現在の角度を算出し、ハンガー1の現在の姿勢を表す姿勢情報を演算する。
【0045】
次いで、ステップS10に移行して、演算した姿勢情報と前回の姿勢情報とを比較してハンガー1の姿勢に所定値以上の変化があったか否かを判断し、姿勢変化がないときには客がハンガー1の特定部位を注視しているものと判断してステップS11に移行し、注視時間を計測するための注視時間タイマを起動した後、ステップS7に戻る。なお、注視時間タイマが既に作動中である場合にはそのままステップS7に戻る。
【0046】
前記ステップS10の判定結果が、ハンガー1の姿勢に所定値以上の変化があったときには、ステップS12に移行し、衣類センサ20a、20bの何れかが作動したかどうかを判断する。そして、衣類センサ20a又は20bが作動した場合には、ステップS13に移行し、衣類がハンガー1から外された状態、つまり、試着されたと判断し、これを試着情報としてメモリ15に記憶する。そしてステップS14に移行する。一方、衣類センサ20a及び20bが作動していない場合にはそのままステップS14に移行し、注視時間タイマの計測時間を注視時間としてハンガー1の姿勢情報と共にメモリ15に記憶し、注視時間タイマをリセットした後、ステップS15に移行する。
【0047】
このステップS15では、ハンガーセンサ18がオン状態となったかどうかを判断し、ハンガーセンサ18がオン状態となったとき、つまり、客がハンガー1をハンガーレール2に戻したときには、ステップS16に移行する。このステップS16では、ステップS6で起動した閲覧時間タイマの計測時間を閲覧時間としてメモリ15に記憶した後、閲覧時間タイマをリセットする。また、このハンガー1がハンガーレール2から取り外された回数、すなわち、客がハンガー1を手にとってその衣類を閲覧した回数をカウントするための閲覧カウンタを“1”だけインクリメントする(ステップS17)。そして、ステップS18に移行し、メモリ15に記憶されている、ハンガー1の初期状態における正面方向、閲覧時間、注視時間及び姿勢情報、また、衣類センサ情報に、このハンガー1のセンサユニット10を特定するためのセンサユニットIDを付加して閲覧情報を生成する。次いで、ステップS19に移行して、この閲覧情報を、通信制御部13を介して無線通信によりデータベース30に送信し、ステップS20に移行して、各角速度センサ11X〜11Zの圧電式ジャイロセンサ11aをリセットし、ステップS2に戻る。
【0048】
一方、ステップS15で、ハンガーセンサ18がオフ状態のままであるときには、ステップS7に戻って引き続き姿勢情報を算出する。
また、データベース30では、そのデータ処理部33で、図6に示す情報収集処理を実行する。
この情報収集処理では、まず、ステップS21で、何れかのハンガー1のセンサユニット10から閲覧情報を受信しかたどうかを判断し、閲覧情報を受信していないときには閲覧情報を受信するまで待機し、閲覧情報を受信したときにはステップS22に移行する。
【0049】
このステップS22では、受信した閲覧情報に含まれるセンサユニットIDを読み出し、読み出したセンサユニットIDに基づいてデータベース30内のデータ蓄積部35に登録された各センサユニットID毎に形成された閲覧情報格納領域に、受信した閲覧情報を格納する。
次いで、ステップS23に移行し、データ解析要求が入力されたか否かを判定し、データ解析要求が入力されていないときには、前記ステップS21に戻り、データ解析要求が入力されたときには、ステップS24に移行して、各センサユニットID毎にその閲覧情報格納領域に格納されている閲覧情報を読み出し、次いで、ステップS25に移行して、読み出した閲覧情報に基づいて客が注視している注視部位を抽出すると共に、その注視部位が注視された回数、つまりその注視部位を注視した客の人数や、その注視時間を抽出する注視部位抽出処理を行い、次いで、ステップS26に移行して、注視時間の平均値や、注視時間の最大値及び最小値とその注視部位、また、閲覧時間の平均値等を抽出し、次いで、ステップS27に移行して、例えば、センサユニットID毎に1日の最後に受信した閲覧情報から閲覧回数を読み出し、これを1日の閲覧回数とする。
【0050】
次いで、ステップS28に移行して、抽出した注視部位や、その注視部位が注視された回数や、注視時間と、注視時間の平均値や、その最大値、最小値及びその注視部位、閲覧時間の平均値等と、客の閲覧回数とを一覧表にして表示装置33bに表示し、次いで、ステップS29に移行して表示された一覧表をデータ蓄積部35に記憶し、ステップS21に戻る。
【0051】
次に、上記実施の形態の動作を説明する。
開店時等、ハンガー1は、ハンガーレール2に整列して掛けられている。
各ハンガー1のセンサユニット10の電源スイッチ(図示せず)がオフ状態であり、センサユニット10の演算処理装置14が処理を停止しているものとすると、この状態では演算処理装置14で図5の注視部位測定処理が実行されることはなく、センサユニット10から閲覧情報が送信されることはない。
【0052】
一方、データベース30では、センサユニット10からの閲覧情報の受信がないので、待機状態となっている。
この状態から、開店時に、各ハンガー1のセンサユニット10の電源スイッチをオン状態とすると、各センサユニット10の演算処理装置14で図5に示す注視部位測定処理が実行される。
【0053】
この注視部位測定処理では、まず、閲覧時間タイマ及び閲覧回数カウンタをリセットすると共に、メモリ15に記憶されている注視部位測定データを消去し、さらに圧電式ジャイロセンサ11aで検出した角速度検出値及をリセットする初期化処理を行う(ステップS1)。
次いで、ハンガーセンサ18及び光センサ19の検出信号に基づいてハンガー1の正面方向を特定しこれを初期状態における正面方向としてメモリ15に記憶する(ステップS2)。例えば、図1に示すように、発光部材2aが取り付けられた側からハンガー1がハンガーレール2に掛けられている場合には、光センサ19では光信号を受信することから、ハンガー1の正面は、ハンガーレール2に対して右方向であると特定される。
【0054】
そして、ハンガーセンサ18、IrDA受信部21、演算処理装置14等必要最小限の駆動部のみを駆動する待機モードに設定し(ステップS3)、待機状態となる。
この状態から、客が入店し、ハンガー1を手に取りこれをハンガーレール2から取り外すと、ハンガーセンサ18が作動することから、ステップS4からステップS5に移行して各部への電力供給が開始され、ハンガー1が客の手に取られた状態の継続時間を計測するための閲覧時間タイマが起動される(ステップS6)。
【0055】
そして、角速度センサ11X〜11Zから出力される角速度検出値が読み込まれ、これがメモリ15に記憶される。
ここで、角速度検出値は、ハンガー1を正面から見たときの前後方向の揺動、すなわちピッチ運動、左右方向の揺動すなわちロール運動及びハンガー1をそのフック部の頂部側から見たときのヨーレートを表すので、例えば、ハンガー1を手で把持してそのフック部をハンガーレール2から外し、その衣類を見易い位置まで持ち上げたときには、ハンガー1は一旦上に持ち上げられた後、手前に引き出されつつ、見易い位置まで持ち上げられることになり、ハンガー1の姿勢変化に応じた角速度検出値が出力されることになる。
【0056】
このため、検出された角速度検出値を読み込み、読み込んだ角速度検出値を一旦メモリ15に格納し、この角速度検出値に基づいて実際のハンガー1の姿勢情報を算出する。
このとき、ハンガー1の姿勢が順次変化しているので、注視時間タイマが起動されておらず、この注視時間タイマの注視時間が零となっており、この注視時間と姿勢情報とが順次メモリ15に記憶される(ステップS14)。
【0057】
このハンガー1の移動状態から客がハンガー1の正面、つまり衣類の正面を注視する状態となると、ハンガー1の姿勢が、例えば正面を向いた状態で移動が略停止される。このように、ハンガー1の移動が停止されると、角速度センサ11X〜11Zから出力される角速度検出値が略零となり、これらに基づいて算出される姿勢情報が変化しない状態となる。
【0058】
このため、図5の注視部位測定処理において、ステップS10からステップS11に移行して注視時間タイマが起動されて注視時間の計測が開始される。
その後、客が衣類の裏面を注視するためにハンガー1を回転させ始めると、この時点で、図5のステップS10から、ステップS12を経てステップS14に移行し、注視時間タイマで計測した注視時間を姿勢情報と共にメモリ15に記憶した後、注視時間タイマをリセットする。これによって、客の注視部位と注視時間とがメモリ15に記憶されることになる。
【0059】
そして、客がハンガー1を反転させている状態では、上述と同様にハンガー1の姿勢情報が順次メモリ15に記憶され、ハンガー1の反転が終了し、衣類の裏面が客の正面にある状態でハンガー1の姿勢変化が略停止すると、上記と同様に注視時間が計測され、計測された注視時間とそのときの姿勢情報とがメモリ15に記憶される。
その後、客が衣類の側面や首回り、裾等、各部を注視するためにハンガー1を姿勢変化させて停止させ、注視すると、ハンガー1の姿勢変化が停止する毎に、その注視時間が計測されると共にそのときの姿勢情報とが対応付けられてメモリ15に格納される。
【0060】
また、客が、試着や、軽くあててみるために、衣類をハンガー1から外すと、衣類センサ20a、20bが作動することから、ステップS12からステップS13に移行し、衣類がハンガー1から外されたことを表す衣類センサ情報がメモリ15に記憶される。
その後、客がハンガー1の閲覧を終了してハンガー1をハンガーレール2に戻すと、ハンガー1がハンガーレール2に戻されるまでは、ハンガー1の姿勢が連続的に変化するので、順次姿勢情報がメモリ15に記憶され、ハンガー1がハンガーレール2に戻されると、ハンガーセンサ18がオン状態となるから、ステップS15からステップS16に移行し、この時点での閲覧時間タイマの閲覧時間がメモリ15に記憶された後、閲覧時間タイマがリセットされ、閲覧回数カウンタが“1”だけインクリメントされる(ステップS17)。
【0061】
そして、メモリ15に記憶されている、初期状態におけるハンガー1の正面方向、閲覧時間、注視時間及び姿勢情報、また、衣類センサ情報にセンサユニット10のIDを付加して、閲覧情報を生成し(ステップS18)、生成した閲覧情報を通信制御部13に出力して、データベース30に送信する。
次いで、角速度センサ11X〜11Zの圧電式ジャイロセンサ11aをリセットした後、ステップS2に戻り、光センサ19及びハンガーセンサ18の検出信号に基づいて、ハンガー1がハンガーレール2に対してどの向きに戻されたか、つまりハンガー1の正面がどちらを向いているかを特定し、これをハンガー1の初期状態における正面方向としてメモリ15に記憶する。
【0062】
そして、ステップS3に移行し、待機モードとなる。
このように、客がハンガー1をハンガーレール2から取り上げて衣類をチェックした後、ハンガーレール2に戻すと、その間の閲覧時間が計測されると共に、ハンガー1の姿勢情報が逐次記憶され、さらに、その姿勢変化が停止している状態を客の注視部位として、その注視時間を計測することにより、客がハンガー1に掛けられた衣類のどの部位を注視しているかを正確に計測することができると共に、ハンガー1から衣類を外したかどうかを検出することにより、客が試着したかどうかをも推測することができる。
【0063】
そして、ハンガー1をハンガーレール2に戻すと、初期状態におけるハンガー1の正面方向、閲覧時間、注視部位及び注視時間及び姿勢情報と、センサユニット10のIDとから閲覧情報が形成され、これがデータベース30に送信される。
このため、データベース30では閲覧情報を受信することから、図6の情報収集処理で、ステップS21からステップS22に移行して、センサユニットIDを抽出し、このセンサユニットIDに基づいてデータ蓄積部35の閲覧情報登録領域に、受信した閲覧情報を登録する。
【0064】
このように、データベース30では、ハンガー1のセンサユニット10から閲覧情報を順次受信してセンサユニットID毎に閲覧情報を、閲覧情報登録領域に登録する。
この状態から、再度、このハンガー1がハンガーレール2から取り外されると、閲覧時間タイマが起動され、角速度センサ11X〜11Zの検出信号に基づき上記と同様にしてハンガー1の姿勢情報が検出され、これがメモリ15に記憶される。
【0065】
そして、客がこの商品を購入するべくレジにハンガー1と共に衣類を持参すると、ハンガー1はこの時点で店側に回収されることになり、例えば、店員が、回収したハンガー1をハンガーレール2に掛けると、ハンガーセンサ18がオン状態となったことから、この衣類を購入した客の閲覧情報が、データベース30に送信され、その後、店員が図示しない電源スイッチを操作し電源オフとすることによって、センサユニット10の動作が停止される。
【0066】
その後、例えば1日の営業時間が終了すると、自動的に、又は人手による入力によってデータ解析要求が入力され、これによって、ステップS23からステップS24に移行して、センサユニット毎に、当日の閲覧情報を読み出し、注視部位抽出処理を行って客の注視部位を抽出する。
そして、センサユニットID毎に、注視時間の平均値や、注視時間の最大値及び最小値とその注視部位、また、閲覧時間の平均値、また、客の閲覧回数等を一覧表にして表示装置33bに表示してから作成した一覧表をデータ蓄積部35に格納する。
【0067】
ここで、上述のように、ハンガー1がハンガーレール2から取り外される毎に、そのときの閲覧情報がデータ蓄積部35に格納されるから、データ蓄積部35には、各ハンガー1が一日にハンガーレール2から取り外された回数、すなわち、客がハンガー1を手にとって衣類を閲覧した回数や、客がハンガー1を手にとって閲覧しているときのハンガー1の姿勢情報、すなわち、客が衣類を閲覧したときの衣類の向きの変化状況等が、収集されることになる。
【0068】
したがって、前記一覧表から、センサユニット10、つまり、ハンガー1毎にこれに掛けられた衣類に対して客がどの部位に興味をもって注視しているか、また、その注視時間や、衣類全体を閲覧する際の閲覧時間、また、試着したかどうか等を自動的に収集することができ、この閲覧情報を分析することによって、客の興味が衣類のどの部位であるかを正確に判別することができる。
【0069】
例えば、客がハンガー1を手にとって閲覧した回数から、何人程度の客がこのハンガー1に掛けられた衣類に対して興味を持ったかを推測することができる。よって、客に人気のある商品とあまり人気のない商品とをその頻度から予測することができるから、陳列位置の改善等といった対処を行うことにより、客の人気の傾向に則した有効な配置を行うことができる。
【0070】
また、ハンガー1がハンガーレール2から取り外されている継続時間から、客がこのハンガー1に掛けられた衣類をどの程度の時間閲覧したかを認識することができる。したがって、例えば、閲覧時間の平均値が長い傾向にある場合には、じっくりチェックされる傾向にある衣類であるとみなすことができるから、衣類をゆったりと見ることのできるスペースを確保すること等によって、衣類に対する客のチェック度合に応じた環境を提供することができ、客に好印象を与え、購買意欲を増進させることができる。
【0071】
また、初期状態におけるハンガー1の正面方向と、この正面方向からのハンガー1の姿勢変化状況と、ハンガーレール2に対する客の向き、例えばハンガーレール2の正面に向かって客は立つものとすると、客に対する衣類の向きを特定することができるから、例えば、ハンガー1の正面方向が客の方向に向いている場合には、衣類の表側を注視していると推測することができ、この状態からハンガー1が反転すると、お客は衣類の裏側を注視していると推測することができる。また、ハンガー1の正面方向が1/4回転するとお客は衣類の側面を注視していると推測することができる。
【0072】
このとき、各部位に対してお客が注視している注視時間を把握することができ、この注視時間の長い箇所は客が興味を持つ傾向にある箇所とみなすことができる。したがって、このお客が注視している箇所の長所等をコメント表示すること等により、商品に対する興味や購買意欲を増進させることができる。また、客が興味を持った箇所の情報を、開発メーカ等に情報提供することによって、商品の改良や改善、また、消費者の好みに則した商品開発等につなげることができる。
【0073】
また、上述のように、センサユニット10は、ハンガー1に設けられており、例えば、開店時から閉店時まで等、注視部位測定処理が実行されている期間のハンガー1に関するデータを収集し、収集されたデータは逐次データ蓄積部35に格納される。したがって、実際に購入された商品に関するデータだけでなく、購入されなかった商品についてもその商品に対する客の動向を把握することができる。また、このとき、ハンガー1が手に取られる毎に、収集データをデータベース30に送信しているから、購入されずに残された衣類についてもその衣類が閲覧される毎にそのデータを収集することができ、各衣類に対する客の動向を確実に収集することができる。また、このとき、逐次データ蓄積部35に格納しているから、収集データ量が多いためメモリ15がオーバーフローといった状況が発生することはなく、手に取られる回数が多い商品であっても、確実に閲覧回毎の収集データを、回収することができる。
【0074】
また、上述のように、センサユニット10はハンガー1に設け、衣類を購入する場合、客は、ハンガー1から衣類を取り外しハンガー1をハンガーレール2に残してレジで清算を行うか、又は、店員がレジでハンガー1を回収するから、センサユニット10を確実に回収することができる。
また、センサユニット10をハンガー1に設けるようにしているから、センサユニット10を衣類に直接取り付けなくても容易確実に衣類の姿勢変化状況等をデータ収集することができ、言い換えれば、高価な衣類等、衣類に直接取り付けることのできないような衣類であってもその衣類に対する各の閲覧状況を容易的確に収集することができる。
【0075】
また、上述のように、センサユニット10は、衣類に対応して設けられているから、例えば、衣類に、この衣類が掛けられていたハンガー1のセンサユニット10を特定するセンサユニット情報を付加しておき、購入商品の清算を行うPOS(Point Of Sales)システムにおいて、この購入された衣類に付加されているセンサユニット情報を獲得するように構成することで、購入された衣類と、この衣類が購入されるまでの閲覧情報とを対比することができ、例えば、売れ筋の衣類はどのような部位に着目されて購入に到ったか等といった情報をも獲得することができる。
【0076】
なお、上記実施の形態においては、ハンガー1がハンガーレール2に戻される毎にハンガー1の正面方向を検出するようにしているが、必ずしもその都度検出する必要はない。つまり、ハンガー1がハンガーレール2から外されたときにはその姿勢変化状況の測定を開始するから、ハンガー1の姿勢変化状況からハンガー1がレール2に戻されたときのハンガー1の正面方向を推測することができる。したがって、センサユニット10を起動した直後のハンガー1の正面方向が既知であれば、以後、ハンガー1の姿勢変化状況に基づいて、ハンガー1の初期状態からの姿勢変化状況を推測することができる。
【0077】
また、例えば、開店時等には、通常、ハンガー1はハンガーレール2に整列して掛けられるから、予め開店時のハンガー1の正面方向の向きを決めておき、予め定めたハンガー1の正面方向と、ハンガー1の姿勢変化状況とに基づいて、ハンガー1の正面方向の変化状況を推測するようにしてもよい。この場合には、光センサ19を設ける必要はなく、その分、費用削減を図ることができる。
【0078】
また、上記実施の形態においては、ハンガー1のフック部の湾曲部分1aに、光センサ19を設け、これによってハンガー1の向きを検出する場合について説明したがこれに限るものではなく、ハンガー1の正面を検出することのできる正面検出手段であれば適用することができる。
また、上記実施の形態においては、ハンガー1のフック部と本体とが固定されている場合について説明したが、ハンガー1のフック部が本体に対して回動自在に構成されている場合には、初期状態からの、ハンガー1の本体とフック部との相対角度の変化量を検出するためのロータリスイッチ等の回転センサを設け、その出力信号、つまり、ハンガー1の本体とフック部との相対角度の変化量と、光センサ19の検出信号に基づいて特定されるハンガー1のフック部の方向とから、本体部分の向きを算出するようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態においては、ハンガー1のフック部にハンガーセンサ18を設け、このハンガーセンサ18の作動状況に基づいてハンガー1が手に取られているかどうかを判断する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、ハンガー1を一旦手に取った後、よく見るため、或いは、試着する場合等に、ハンガーレール2ではなく、試着室のフック部或いは、ハンガー1を引っかけることの可能な箇所にハンガー1を掛けた状態で、商品を閲覧することも考えられることから、例えば、ハンガーセンサ18の作動状況だけでなく、ハンガーレール2近傍部分のみに通信範囲を持つ狭帯域RIFDを設けると共にこのRFIDに対応する通信部をハンガー1に設け、ハンガーレール2近傍のRFIDとの通信が可能であるかどうかによって、ハンガーレール2にハンガー1が掛けられたか、それとも通信可能範囲外であってハンガーレール2とは別のフック等にハンガー1が掛けられたのかを判断することで、ハンガー1が確実にハンガーレール2に戻されたかどうかをも検出し、これに応じてお客の閲覧時間を計測するようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態においては、図2に示すように、肩部材を有し、上着を掛けることの可能なハンガーに適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、スカートやスラックス用のハンガー、或いは、小物用のハンガー等であっても適用することができる。また、図1に示すようにハンガーレール2にハンガー1を掛ける方式に限らず、ハンガー1を正面方向に向けて階段状に並べて陳列するようにした方式であっても適用することができる。
【0081】
また、上記実施の形態においては、ハンガーに適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、時計を実際に腕にはめたイメージで陳列するための時計用のディスプレイスタンドや、イヤリング等アクセサリ等を実際に身に付けたイメージで陳列するためのアクセサリ用のディスプレイスタンド等、まず、商品と共に手に取って商品の閲覧を行い、その後、商品から取り外して商品のみを閲覧するようなディスプレイスタンドや支持具等であっても適用することができる。
【0082】
また、セーター等の畳んだ状態で陳列される衣類やぬいぐるみ等の商品の姿勢変化と連動して姿勢変化するように商品に取り付けられたプライスタグや盗難防止用のインク入りタグ等の物品陳列時に用いられる物品陳列用タグに適用することもできる。プライスタグや盗難防止用タグに適用した場合には客が勝手にタグを取り外すことはできないから、タグが取り外されたかどうかを検出するための取り外し検出手段を設ける必要はない。
【0083】
また、商品に限らず、客が自由に手にとって眺めることの可能な展示品であっても適用することができ、要は、商品や展示品等の物品を支持したり或いは物品に装着されたりする物であって、且つ物品と共に手にとられて、物品の姿勢変化と連動して姿勢変化するような物であれば適用することができる。
また、上記実施の形態においては、角速度検出手段として圧電式ジャイロセンサを適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、任意の構成のジャイロを適用することも可能であり、要は、陳列物の姿勢変化を検出することができればよく、ジャイロ以外の角速度センサであっても適用することができる。
【0084】
また、上記実施の形態においては、センサユニット10に演算処理装置14を設け、この演算処理装置14において注視部位測定処理を行う場合について説明したが、これに限るものではなく、センサユニット10には、角速度センサ11X〜11Z、ハンガーセンサ18、光センサ19及び衣類センサ20a、20bの検出値を収集しこれを送信する機能のみを設け、注視部位測定処理をデータベース30又は外部の演算処理装置で行うようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態においては、注視時間タイマによって注視時間を計測する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、角速度センサ11X〜11Zから出力される角速度検出値を所定周期で読み込んでいるから、この角速度検出値が予め設定したしきい値よりも小さいとき客が注視しているものとみなし、角速度検出値がしきい値よりも小さい状態が連続した回数と角速度検出値の読み込み周期とを乗算し、これを注視時間とすることも可能である。
【0086】
ここで、上記実施の形態において、角速度センサ11X〜11Zが角速度検出手段に対応し、図5のステップS9の処理が姿勢演算手段に対応し、図5のステップS19の処理及び図6のステップS21、ステップS22の処理が閲覧情報収集手段に対応している。
また、ハンガーセンサ18が載置状態検出手段に対応し、図5のステップS17の処理がカウント手段に対応し、図5のステップS4、S6、S15、S16の処理が継続時間計測手段に対応している。
【0087】
また、衣類センサ20a、20bが取り外し検出手段に対応し、光センサ19が正面方向検出手段に対応し、図3の通信制御部13及び無線通信アンテナ16が無線通信手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明を適用したハンガー及びハンガーレールの一例を示す概略図である。
【図2】本発明を適用したハンガーの一例を示す概略図である。
【図3】センサユニット及びデータベースの概略構成を示すブロック図である。
【図4】角速度センサの一例を示すブロック図である。
【図5】センサユニットの演算処理装置で実行される注視部位測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】データベースのデータ処理部で実行される情報収集処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1 ハンガー、2 ハンガーレール、10 センサユニット、11X〜11Z 角速度センサ、11a 圧電式ジャイロセンサ、18 ハンガーセンサ、19 光センサ、20a、20b 衣類センサ、30 データベース、35 データ蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が手にとって閲覧可能な陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化し且つ前記陳列物に対して着脱可能な物品陳列用具において、
当該物品陳列用具の角速度を検出する角速度検出手段と、
当該角速度検出手段で検出された角速度に基づいて前記物品陳列用具の姿勢を演算する姿勢演算手段と、
前記陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報を収集する閲覧情報収集手段と、を備え、
当該閲覧情報収集手段は、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする物品陳列用具。
【請求項2】
前記角速度検出手段は、前記物品陳列用具の3軸方向の角速度を個別に検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の物品陳列用具。
【請求項3】
前記物品陳列用具が、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用具の状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、
当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用具が陳列状態から非陳列状態に移行した回数をカウントするカウント手段と、を備え、
前記閲覧情報収集手段は、前記カウント手段で検出したカウント数を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の物品陳列用具。
【請求項4】
前記物品陳列用具が、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用具の状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、
当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用具が非陳列状態となった時点から陳列状態に戻った時点までの継続時間を計測する継続時間計測手段と、を備え、
前記閲覧情報収集手段は、前記継続時間計測手段で計測した継続時間を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の物品陳列用具。
【請求項5】
前記閲覧情報収集手段は、前記陳列状態検出手段で非陳列状態にあることが検出されている間の、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の物品陳列用具。
【請求項6】
前記物品陳列用具が前記陳列物から取り外されたかどうかを検出する取り外し検出手段を備え、
前記閲覧情報収集手段は、前記取り外し検出手段での検出結果を前記閲覧情報として収集することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の物品陳列用具。
【請求項7】
前記物品陳列用具が載置状態にあるときに、当該物品陳列用具に対して予め設定したその正面が向いている方向を検出する正面方向検出手段を備え、
前記閲覧情報収集手段は、前記正面方向検出手段で検出した正面の方向を前記姿勢演算手段での演算結果と対応付けて収集することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の物品陳列用具。
【請求項8】
前記閲覧情報収集手段は、前記閲覧情報を、当該閲覧情報を蓄積するデータベースに送信する無線通信手段を備え、
前記陳列状態検出手段で非陳列状態から陳列状態に戻ったことが検出されたとき、前記閲覧情報を前記無線通信手段により送信することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の物品陳列用具。
【請求項9】
衣類用ハンガーであることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の物品陳列用具。
【請求項10】
客が手にとって閲覧可能な陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化し且つ前記陳列物に対して着脱可能な物品陳列用タグにおいて、
当該物品陳列用タグの角速度を検出する角速度検出手段と、
当該角速度検出手段で検出された角速度に基づいて前記物品陳列用タグの姿勢を演算する姿勢演算手段と、
前記陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報を収集する閲覧情報収集手段と、を備え、
当該閲覧情報収集手段は、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする物品陳列用タグ。
【請求項11】
前記角速度検出手段は、前記物品陳列用タグの3軸方向の角速度を個別に検出可能に構成されていることを特徴とする請求項10記載の物品陳列用タグ。
【請求項12】
前記物品陳列用タグが、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用タグの状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、
当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用タグが陳列状態から非陳列状態に移行した回数をカウントするカウント手段と、を備え、
前記閲覧情報収集手段は、前記カウント手段で検出したカウント数を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする請求項10又は請求項11記載の物品陳列用タグ。
【請求項13】
前記物品陳列用タグが、前記陳列物が陳列されているときの前記物品陳列用タグの状態である陳列状態にあるか非陳列状態にあるかを検出する陳列状態検出手段と、
当該陳列状態検出手段での検出結果に基づいて前記物品陳列用タグが非陳列状態となった時点から陳列状態に戻った時点までの継続時間を計測する継続時間計測手段と、を備え、
前記閲覧情報収集手段は、前記継続時間計測手段で計測した継続時間を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする請求項10から請求項12の何れか1項に記載の物品陳列用タグ。
【請求項14】
前記閲覧情報収集手段は、前記陳列状態検出手段で非陳列状態にあることが検出されている間の、前記姿勢演算手段での演算結果を、前記閲覧情報として収集することを特徴とする請求項12又は請求項13記載の物品陳列用タグ。
【請求項15】
前記物品陳列用タグが載置状態にあるときに、当該物品陳列用タグに対して予め設定したその正面が向いている方向を検出する正面方向検出手段を備え、
前記閲覧情報収集手段は、前記正面方向検出手段で検出した正面の方向を前記姿勢演算手段での演算結果と対応付けて収集することを特徴とする請求項10から請求項14の何れか1項に記載の物品陳列用タグ。
【請求項16】
前記閲覧情報収集手段は、前記閲覧情報を、当該閲覧情報を蓄積するデータベースに送信する無線通信手段を備え、
前記陳列状態検出手段で非陳列状態から陳列状態に戻ったことが検出されたとき、前記閲覧情報を前記無線通信手段により送信することを特徴とする請求項10から請求項15の何れか1項に記載の物品陳列用タグ。
【請求項17】
プライスタグ又は盗難防止用タグであることを特徴とする請求項10から請求項16の何れか1項に記載の物品陳列用タグ。
【請求項18】
手にとって閲覧可能な陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報の収集方法であって、
前記陳列物の姿勢変化と連動して姿勢変化し且つ前記陳列物に対して着脱可能な物品陳列用具又は物品陳列用タグに、当該物品陳列用具又は物品陳列用タグの角速度を検出する角速度検出手段を設け、
当該角速度検出手段で検出された角速度に基づいて前記物品陳列用具又は物品陳列用タグの姿勢を演算し、この演算結果を、前記陳列物に対する客の閲覧状況を表す閲覧情報として収集することを特徴とする、陳列物の閲覧情報収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−122563(P2007−122563A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316265(P2005−316265)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】