説明

物性測定装置及び物性測定方法

【課題】より精度良く被測定物の粘弾性特性を測定することを可能にする。
【解決手段】被測定物11の表面に対し一定の噴射圧の流体を吹き付けて負荷を開始し、その負荷状態を一定時間保持した後に上記吹付けを停止して除荷すると共に、上記吹き付け開始から吹付け停止までに上記吹付けによって生じた物体表面の窪みの深さδ又は直径d、及び吹き付け停止から所定時間経過までの物体表面の窪みの深さδ又は直径dの経時的な変化に基づき、上記被測定物の粘弾性の特性を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼリー、こんにゃく、寒天、豆腐、肉、魚、ゾル・ゲル等の軟体物、テニスボールやゴム材などの物体や、臓器、器官、眼球などの生体部位など、弾性や粘弾性を有する物体の性状を測定するのに好適な物性測定装置及び物性測定方法に関する技術分野である。
【背景技術】
【0002】
皮膚の硬さや柔らかさ、食品の食感(歯ごたえなど)などの粘弾性特性を測定する従来の技術としては、例えば特許文献1に記載したものがある。
この特許文献1では、被測定物の表面に対して押接部材を直接に押し当て、その押接部材を加圧方向に変位させて押圧することで負荷する荷重と、それによって生じる上記押接部材の上下変位量とによって粘弾性を評価する。その際に、押接部材の押付け力を、微弱なコイルスプリングで加重させることが開示されている。
【特許文献1】特開2007−24606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような接触式の荷重付与の方法では、硬い押接部材を接触させて測定するため、プリンのような軟らかい被測定物を想定すると、当該被測定物が疵付いたり破損したりする可能性がある。また、押接部材を押し付けて接触させるので、衛生面で改善も必要である。
また、押接部材を押し付けて荷重を負荷する場合には、当接した押接部材を変位させて押圧していって、所定の変形で発生する被測定物からの反発力と釣り合うことで初めて、目的の一定した荷重を負荷することとなる。このため、目的の一定荷重を、瞬時に且つ精度良く負荷することは困難である。
【0004】
また、荷重負荷の状態では、粘弾性の物体には、遅延弾性歪みと粘性流動とが発生して、一定荷重を掛けたとしても経時的に変形量が変化する。そして、押接部材は、この変形量の変化に影響を受けて上下変位が発生することから、この変形量の変化によって押接部材によって負荷する一定荷重は変動するおそれがある。
本発明は、瞬時に目的とする一定荷重を一定時間、簡易且つ精度良く負荷することが出来ることで、より精度良く被測定物の粘弾性特性を測定することを可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1は、被測定物の表面に対し一定の荷重を一定時間だけ負荷した後に上記荷重を除荷する荷重付与手段と、荷重付与手段による荷重負荷開始から上記除荷後所定時間経過までの間の、上記荷重負荷による被測定物表面に発生する変形の経時的な変化を計測する変位状態計測手段と、その変位計測手段が計測した変形の経時的変化によって上記被測定物の粘弾性特性を測定する物性測定装置であって、
上記荷重付与手段は、被測定物の表面に向けて一定の噴射圧の流体を吹き付けて当該被測定物表面を窪ませることで荷重負荷を行い、上記吹付けを停止することで上記荷重除荷を行うことを特徴とするものである。
【0006】
次に、請求項2に記載した発明は、被測定物の表面に対し一定の噴射圧の流体を吹き付けて負荷を開始し、その負荷状態を一定時間保持した後に上記吹付けを停止して除荷すると共に、上記吹付け開始から吹付け停止までに上記吹付けによって生じた物体表面の窪み深さあるいは窪み径、及び吹付け停止から所定時間経過までの物体表面の窪み深さあるいは窪み径の経時的な変化に基づき、上記被測定物の粘弾性特性を測定する物性測定方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、非接触で測定するので衛生的であり、また、表面に少しだけ窪みが形成できれば測定できるので、被測定物の表面形状に特に限定されない。また、噴射の流体圧を一定にして測定することが可能であるので、噴射圧の調整が容易で且つ噴射圧が安定することから測定精度の向上に繋がる。
また、流体を吹き付けて測定するが、上述のように表面に僅かな深さの窪みが形成できれば良いので、軟らかい物ほど噴射圧を小さく設定できることから、豆腐のような軟らかい物体であっても疵つけたり破損したりすることを抑えることができる。
【0008】
そして、噴射圧によって、負荷する荷重が決定されるため、瞬時に目的とする荷重を負荷出来ると共に、噴射を停止することで、瞬時に除荷が行われることで、精度良く、被測定物表面の粘弾性特性のパターンを取得出来る。
また、噴射圧は、被測定物に生じる変位量の変化に影響しないため、安定して一定の荷重を負荷可能となる。表面に小さな窪み(変形)を形成するように変形させるので、変形による距離変動の影響は無視出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明に基づく実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、本実施形態に基づく物性測定装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る物性測定装置の概要構成図である。
本実施形態の装置は、流体噴射装置1、形状探知装置2、演算部3、及びコントローラ8を備える。
流体噴射装置1は、コンプレッサ4、レギュレータ5、及び噴射ノズル6から構成される。コンプレッサ4は、コントローラ8からの指令によって圧縮空気をレギュレータ5に圧送する。レギュレータ5は、圧縮空気を所定の一定圧に調整した後、噴射ノズル6から所定の作動時間だけ連続して、被測定物11の表面11aに向けて真っ直ぐ噴射する。
【0010】
形状探知装置2は、図2に示すように、レーザ光発光素子20から照射されたレーザ光Lを投光レンズ21によって幅広のラインビームL1にして、噴射流体で窪んだ被測定物11の表面11aに照射し、被測定物11からの反射光L2を、受光レンズ22を介して2次元画像撮像装置である2次元CCD23で受光する。これによって、短時間で、窪み12の2次元断面形状の撮像を行うことができる。その撮像で取得した断面2次元形状の情報は、演算部3に出力される。形状探知装置2は、コントローラ8からの指令によって上記流体噴射装置1の作動と同期を取って作動を開始して、上記情報の取得を連続的に行い、取得した各情報を演算部3に出力する。また、形状探知装置2による情報の取得のための連続的に作動する時間は、形状探知装置2の上記噴射している作動時間よりも所定時間だけ長い時間に設定されている。
【0011】
演算部3は、形状探知装置2が連続的に取得した各断面2次元形状情報(プロフィール情報)に基づき、図3に示す各取得時刻における各窪み12の深さδ又は直径dを求める。これによって、窪み12の深さδ又は直径dの経時的な変化情報を演算する。演算された経時的な各窪み12の深さδ又は直径dを、ディスプレイ9の表示部に表示したり、データベース10に記憶したりする。
【0012】
ここで、上記流体噴射装置1による流体噴射について図3に基づき説明する。なお、図3に示す窪み12は、分かりやすくするために深さδを大きく図示しているが、実際には僅かな窪み12が形成出来ればよい。
被測定物11の表面11aから距離lだけ離して置かれた開口面積Aのノズル6から、空気などの流体を一定の流速Vで真っ直ぐ被測定物11の表面11aに向けて吹き付け、噴射された流体Gが当該被測定物11に衝突した際の単位時間当たりに被測定物11に負荷される質量Mは、ρ・A・Vとなる。ρは流体の密度を示す。
また、ノズル6の開口が円形でその直径をdとすると、A=π・d/4となり、被測定物11が受ける荷重である噴射力Fは、次の式で表される。
F =MV =ρ・A・V =ρ・π・d ・V/4 ・・・(1)
【0013】
この(1)式で分かるように、噴射する流体の条件設定によって、目的とした一定の荷重を、瞬時に且つ一定時間安定して負荷することが可能となる。
ここで、上記(1)式からなる理論式によって、被測定物11に負荷する荷重に相当する噴射力Fを演算することができる。ただし、被測定物11との対向距離などによって、実際の噴射力Fと理論式から求めた理論値とでは所定の誤差があることから、本実施形態では、後述のように予め噴射力Fを計測して求めている。もちろん上記理論式に補正係数を乗算して噴射力Fを求めるようにしても良い。なお、理論値に比べて実際の噴射力Fの方が大きな値である。
【0014】
すなわち、対象とする被測定物11に表面に僅かな窪み12を形成出来るだけの噴射圧となるように、レギュレータ5を調整すると共に、電子天秤を使用して、当該電子天秤に対し目的とする距離だけ離した位置にノズル6を配置して噴射させることで、上記噴射力Fを実際に計測し、当該噴射力Fを調整しておく。
なお、このような実測値と噴射条件との関係のマップデータを、予めデータベースに記憶しておけば、目的の噴射力Fに適宜設定変更することが容易となる。
ここで、流体噴射装置1は、荷重付与手段を構成する。また、形状探知装置2は、変位状態計測手段を構成する。
【0015】
(動作)
被測定物11の表面11aとノズル6とを所定距離だけあけて対向させる。また、位置調整装置7によって、ライン状のレーザビームL1が、ノズル6の軸が対向する被測定物11の表面11a位置を通過するように位置調整を行う。
この状態で、コントローラ8は、コンプレッサ4及び形状探知装置2に作動指令を出力する。すると、ノズル6から被測定物11の表面11aに向けて、一定時間、同一の噴射圧で流体が噴射し窪み12を形成する。また、同期をとって、噴射した流体Gで変形した被測定物11の窪み12の深さδ又は直径dが連続的に演算部3で演算され、変形量を表す窪み12の深さδ又は直径dの経時的な変形状態(変形パターン)が、表示されたり、記憶されたりする。
上記処理によって測定した窪み12の深さδ又は直径dの変形パターンから、その被測定物の弾性的性質や、時間に依存する粘性的性質(変形の遅れやクリープ回復力などから)などを評価する。
【0016】
(効果)
(1)上記構成の測定装置では、非接触で柔らかさを測定するので、ゼリーなどの食品や眼球などの器官を測定する際に、感染のおそれが無く衛生的且つ安全である。
(2)また、被測定物11の表面に対し、わずかに窪み12を形成する程度に噴射圧を設定して一定時間だけ連続して流体を吹き付けるだけである。したがって、ゼリーなどの軟らかい物質であってもその柔らかさに応じた小さな噴射圧に設定すればよいので、当該物質に疵を付けたり破損したりすること無く測定することが可能となる。
(3)また、噴射させる流体の圧を一定値に固定すれば良いので、安定して流体を噴射させることができることから、簡易且つ精度良く連続した一定荷重を負荷できる。
【0017】
(4)そして、被測定物11の変形具合に関係無く、噴射によって一定の荷重を負荷することが出来るので、瞬時に目的とする荷重を負荷することが出来ると共に、その荷重を一定に保持することも可能であるので、被測定物11の粘弾性測定の経時的なパターンを、精度良く計測することが可能となる。
なお、食品の歯ごたえは、弾性性状だけでは判定出来ず、粘性的な性状(遅延弾性歪みや遅延弾性回復歪みの状態など)によっても異なる。従って、粘弾性測定の経時的なパターンを、精度良く計測することで、より精度良く歯ごたえなどを判定することが可能となる。
【0018】
(5)また、瞬時に目的の荷重を掛けることが出来ると言うことは、その分、時間的な遅れが無く、測定に要する時間を短くすることが可能となる。
(6)測定物の表面は平面であっても凸面であっても、さらには凹面であっても、若干の凸凹状態であっても構わないので、表面が様々の物質の柔らかさを測定することができる。
【0019】
(応用)
(1)上記実施形態では、流体として空気を例示しているが、窒素などの他の気体や、水などの液体であっても良い。対象とする被測定物11の性質などによって最適な流体を選択すればよい。
(2)上記形状探知装置2は、一度に断面2次元形状を検出できる装置で説明したが、これに限定しない。窪み12の中央部の深さδを測定すればよいので、その位置までの距離をレーザ距離計で測定するなど、負荷前の基準からの深さδを直接且つ連続的に計測しても良い。
(3)また、付与する噴射圧は小さいので、流体噴射装置1をより簡便な構成としても良い。
【実施例】
【0020】
上記実施形態の構成を使用して、下記のような条件で、複数種類の被測定物11について、噴射圧を変えて測定を実施した。
(噴射条件及び計測時間)
・ノズルの径:1mm
・被測定物11の測定位置表面とノズルとの距離:5mm
・噴射圧:被測定物11の柔らかさに応じて、5kPa〜70kPaの範囲で複数の噴射圧を使用して計測
・噴射時間:20秒
・窪み12の深さδの計測時間:50秒(噴射停止からの計測時間:30秒)
(被測定物11:ゼラチン)
被測定物11として、ゼラチン4%の板形状の物体を対象として、窪み12の深さδの経時的変化パターン(経過時間に対する窪み12の深さδの変化)を測定した。噴射圧として20kPa、30kPa、40kPa、50kPa、60kPa、70kPaの6種類の噴射圧でそれぞれ計測した。
【0021】
図4が、その結果である。
このゼラチンの場合には、図4から分かるように、荷重負荷とほぼ同時に瞬間弾性歪みが発生し、その後の荷重負荷において、窪み12の深さδの変化が小さいか無い。この結果、遅延弾性歪みが無いか小さい物質であることが分かる。また、除荷によって、すぐに所定値まで復元するので、瞬間弾性回復歪みが主であり、遅延回復歪みが小さいことが分かる。
このようなことから、このゼラチンは、本実施形態による測定結果から、粘性的性質が小さく、弾性的性質の物質であると評価出来る。
【0022】
また、図4において計測終了時に残留した窪み12の深さδから分かるように、負荷する噴射圧が40kPa以下の場合には、粘性流動した塑性変形分は、無いか小さい。一方、負荷する噴射圧が50kPa以上の場合には、粘性流動した所定以上の塑性変形分が発生する。なお、測定した範囲では、負荷する噴射圧が50kPa以上では、粘性流動した塑性変形分がほぼ同じであることが分かる。これは粘性的性質が小さいことに起因すると思われる。
このように、負荷する噴射圧が40kPa〜50kPaの範囲に弾性域と塑性域の境界があることが分かる。
【0023】
(被測定物11:絹豆腐)
被測定物11として、絹豆腐を対象として、窪み12の深さδの経時的変化パターン(経過時間に対する窪み12の深さδの変化)を測定した。噴射圧として5kPa、10kPa、15kPa、20kPaの4種類の噴射圧でそれぞれ計測した。なお、ゼラチンの場合に比べて負荷する噴射圧が小さいのは、ゼラチンよりも軟らかいためである。
図5が、その結果である。
この絹豆腐の場合には、図5から分かるように、荷重負荷とほぼ同時に、所定の瞬間弾性歪みが発生し、その後の荷重負荷において、徐々に窪み12の深さδが増加している。この結果、所定の遅延弾性歪みがある物質であることが分かる。また、除荷によって、所定の瞬間弾性回復歪みまで復元したのち、時間経過とともに復元するので、所定の遅延回復歪みを有することが分かる。
【0024】
このようなことから、この絹豆腐は、本実施形態による測定結果から、弾性的性質と粘性的性質の両方を有する物質であると評価出来る。なお、粘性的性質は、時間経過に対する窪み12の深さδの増加具合や復元具合によって評価される。
また、図5において計測終了時の窪み12の深さδから分かるように、負荷する噴射圧が15kPaを越えると、粘性流動した塑性変形分が大きくなることが分かる。
【0025】
(被測定物11:鶏の肝)
被測定物11として、鶏の肝を対象として、窪み12の深さδの経時的変化パターン(経過時間に対する窪み12の深さδの変化)を測定した。噴射圧として10kPa、20kPa、30kPa、40kPaの4種類の噴射圧でそれぞれ計測した。
図6が、その結果である。
この鶏の肝の場合には、図6から分かるように、荷重負荷とほぼ同時に、所定の瞬間弾性歪みが発生し、その後の荷重負荷において、徐々に窪み12の深さδが少しだけ増加している。この結果、所定の遅延弾性歪みがある物質であることが分かる。また、除荷によって、所定の瞬間弾性回復歪みまで復元したのち、時間経過とともに復元するので、所定の遅延回復歪みを有することが分かる。
【0026】
このようなことから、この鶏の肝は、本実施形態による測定結果から、弾性的性質と粘性的性質の両方を有する物質であると評価出来る。なお、粘性的性質は、時間経過に対する窪み12の深さδの増加具合や復元具合によって評価される。
また、図6において計測終了時の窪み12の深さδから分かるように、負荷する噴射圧が40kPaを越えると、粘性流動した塑性変形分が大きくなることが分かる。
鶏の肝の様な臓器の場合には、繊維質の影響があるので、測定位置によって柔らかさの特定が一様ではない。複数箇所で測定することが好ましい。
【0027】
(被測定物の材質の違いによる比較)
上述の3種類の物質における、窪み12変形の経時的変化パターンを、比較するために、噴射圧が20kPaの場合で比較してみた。図7がその結果である。
この図7から分かるように、上記3種類の物質を比較した場合、ゼラチンが一番硬く、鶏の肝が一番軟らかいことが分かる。また、絹豆腐と鶏の肝とを比較した場合に、遅延弾性歪みを絹豆腐が大きいが、遅延弾性回復歪みでは鶏の肝の方が大きいという特徴の違いが分かる。このような事は、例えば歯ごたえの違いとして表れる。
【0028】
(応用)
以上の実施例から分かるように、例えばゼラチン4%の物質を試験評価する場合には、噴射圧を40kPaに設定して、荷重負荷時の窪み12の深さδや、最終的に残留する深さδを求めることで、目的とするゼラチン4%の品質の物質であるか否かを評価出来る。
なお、上記実施形態では、連続した噴射時間を20秒に設定しているが、10秒程度などであっても良い。
また、図7のように、被測定物の材質によって窪み12の深さδの経時的変化のパターンが異なるので、そのパターンを予めデータベースに記憶しておき、測定した変化パターンと比較することで、測定した物質に特性を評価するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る装置構成を示す概要図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る形状探知装置を説明する概要図である。
【図3】本発明の原理を説明する図である。
【図4】被測定物としてゼラチンを使用した場合の測定結果を示す。
【図5】被測定物として絹豆腐を使用した場合の測定結果を示す。
【図6】被測定物として鶏の肝を使用した場合の測定結果を示す。
【図7】ゼラチン、絹豆腐、及び鶏の肝を比較した窪み深さと経過時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 流体噴射装置
2 形状探知装置
3 演算部
4 コンプレッサ
5 レギュレータ
6 噴射ノズル
7 位置調整装置
8 コントローラ
11 被測定物
12 窪み
δ 深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の表面に対し一定の荷重を一定時間だけ負荷した後に上記荷重を除荷する荷重付与手段と、荷重付与手段による荷重負荷の開始から上記除荷後所定時間経過までの間の、上記荷重負荷による被測定物表面に発生する変形の経時的な変化を計測する変位状態計測手段と、その変位状態計測手段が計測した変形の経時的変化によって上記被測定物の粘弾性特性を測定する物性測定装置であって、
上記荷重付与手段は、被測定物の表面に向けて一定の噴射圧の流体を吹き付けて当該被測定物表面を窪ませることで荷重負荷を行い、上記吹付けを停止することで上記荷重除荷を行うことを特徴とする物性測定装置。
【請求項2】
被測定物の表面に対し一定の噴射圧の流体を吹き付けて負荷を開始し、その負荷状態を一定時間保持した後に上記吹付けを停止して除荷すると共に、上記吹付け開始から吹付け停止までに上記吹付けによって生じた物体表面の窪み深さあるいは窪み径、及び吹付け停止から所定時間経過までの物体表面の窪み深さあるいは窪み径の、両深さあるいは両直径の経時的な変化に基づき、上記被測定物の粘弾性特性を測定する物性測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−52911(P2009−52911A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217366(P2007−217366)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】