説明

物理的な充填ライン指標を備える試料容器

所望の試料充填量に対応する一体的な充填ライン指標(18)を備える、生体液試料を採取するための採取容器(10)が開示される。一体的な充填ライン指標は、採取容器の表面から隆起された隆線であってもよい。また、一体的な充填ライン指標は、表面処理により、異なる視覚的外観および/または凸凹形状を持つように改変されてもよい。採取容器は、所望の試料量範囲に対応する1つまたは複数の一体的充填ライン指標を備えていてもよい。一体的な充填ライン指標を備える採取容器の製造方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年9月8日出願の仮出願第60/843,160号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は生体試料容器に関し、より詳しくは、少なくとも1つの充填ライン指標(fill-line indicator)を備える生体液採取容器に関する。
【背景技術】
【0003】
生体試料容器は以前より、例えば、診断試験の実施を目的として、血液その他の体液のような標本を採取するために用いられている。多くの場合、特定の試験を行うには所定の量の標本が必要であり、このような容器はしばしば、例えば採血管等の液体採取容器により、試験毎に異なる量の標本の正確な採取を容易にするために用いられる。一部のこのような試料容器においては、試料の保存またはその他の下処理のために、防腐剤や抗凝固剤等の添加剤が予め秤量されて容器内に入れられる。したがって、容器内に採取される液体試料の量は、容器内の添加剤の量および/または所望の試験量に対応することが重要である。
【0004】
標本の量を測定するための従来の方法は、試料容器の外表面の正確な位置に接着ラベルを貼付するステップを含んでいる。これにより、医療関係者は、容器内の液体の量をラベル上の目印、またはラベルの上下いずれかの縁にそろえることによって、標本の量を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,910,597号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この方法には重大な欠点がありうる。試料容器の外部にラベルを適正に位置合わせするために、複雑な機械が必要となる。ラベル配置の誤りは、特に試料と添加剤の比を適正に管理、維持すべき場合に、採取量が不正確となり、その結果、対応する試験結果が不正確となる原因となりうる。ラベルの位置がずれた試料容器は、通常、欠陥品として廃棄され、コスト増大の原因となる。さらに、試料容器の外部に添付されるラベルは、日常の処置を通じて破損したり、別に患者や試料採取の表示を貼ると容易に隠れてしまったりすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、医療関係者が、標本の正確な量および/または容器内に存在する試薬と標本を合わせた予定量を、視覚的に把握できるような改良された試料容器が求められている。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、標本採取容器アセンブリは、第1の開口部と、第1の閉鎖底部と、第1の開口部と第2の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第1の側壁と、を有する第1の管状部材を備える。この第1の管状部材は、その中に標本試料を受容することができる。この容器アセンブリはさらに、第2の開口部と、第2の閉鎖底部と、第2の開口部と第2の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第2の側壁と、を有する第2の管状部材を備える。第1の管状部材は、第2の管状部材の中に設置される。充填ライン指標は、第1および第2の側壁の一方に設けられる。この充填ライン指標は、少なくともその採取容器の最低予定充填量に対応する。
【0009】
本発明の別の態様によれば、生体標本採取容器アセンブリは、第1の開口部と、第1の閉鎖底部と、第1の開口部と第1の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第1の側壁と、を有する第1の管状部材を備える。この第1の管状部材は、その中に標本試料を受容することができる。この容器アセンブリはさらに、第2の開口部と、第2の閉鎖底部と、第2の開口部と第2の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第2の側壁と、を有する第2の管状部材を備える。この第2の側壁は、内表面および外表面と、第2の側壁の内表面と一体の充填ライン指標と、を有する。充填ライン指標は、少なくとも採取容器の最低予定充填量に対応し、第1の管状部材は第2の管状部材の中に設置される。
【0010】
本発明のまた別の態様によれば、標本採取容器アセンブリは、開口部と、閉鎖底部と、開口部と閉鎖底部との間で円周方向に延在する側壁と、を有する管状部材を備える。この管状部材は、その中に標本試料を受容することができる。充填ライン指標は、側壁の内表面上に設けられる。充填ライン指標は、少なくとも採取容器の最低予定充填量に対応する。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、標本採取容器の製造方法は、第1の開口部と、第1の閉鎖底部と、第1の開口部と第1の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第1の側壁と、を有する第1の管状部材を成形するステップを含む。第1の管状部材は、その中に標本試料を受容するための所定の容積を有する。この方法はさらに、第2の開口部と、第2の閉鎖底部と、第2の開口部と第2の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第2の側壁と、を有する第2の管状部材を成形するステップと、第1および第2の側壁の一方に、少なくとも容器の最低予定充填量に対応する充填ライン指標を設けるステップと、第1の管状部材を第2の管状部材の中に設置するステップと、を含む。
【0012】
本発明の他の態様によれば、標本採取容器の製造方法は、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間で円周方向に延在する側壁と、を有する管状部材を成形するステップを含む。管状部材は、その中に標本試料を受容するための所定の容積を有する。第2の端部は管の閉鎖底部であってもよく、また開放端であって両端開放型の管を形成してもよい。この実施形態において、2つの開口部は、別の閉鎖手段で閉鎖することができる。この方法はさらに、側壁の内表面に充填ライン指標を設けるステップを含む。この充填ライン指標は、少なくとも採取容器の最低予定充填量に対応する。
【0013】
本発明のまた別の態様によれば、充填ライン指標は、第1および第2の側壁の一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる1本線を含むことができ、この1本線は、採取容器の予定充填量の最低量に対応する第1の所定の幅を有する。あるいは、本発明の別の態様によれば、充填ライン指標は、第1および第2の側壁の一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びて、相互に所定の距離だけ離間された上側および下側の線を含むことができ、上側の線は最大予定充填量を規定し、下側の線は最低予定充填量を規定し、上側と下側の線の間隔は、その採取容器の予定充填量の量範囲を規定する。本発明のまた別の態様によれば、充填ライン指標はまた、第1および第2の側壁の一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる1本線を含んでもよく、この1本線は、上側境界と下側境界によって画定される第2の所定の幅を有する。上側境界は最大予定充填量を規定し、下側境界は最低予定充填量を規定し、第2の所定の幅は、その採取容器の予定充填量の量範囲を規定する。
【0014】
充填ライン指標は、第1または第2の管状部材の第1または第2の側壁に設けられる視覚的表示とすることができる。あるいは、充填ライン指標は、管状部材が形成される成形材料と一体的に形成し、第1または第2の管状部材の第1または第2の側壁上に凸凹形状の(textured)表面を形成してもよい。この凸凹形状の表面は、光を拡散させ、および/または容器上に不透明な表面を形成することができ、射出成形工程中に一方の管の上に形成することが可能である。
【0015】
他の詳細および利点は、添付の図面を参照しながら以下の好ましい実施形態の説明から理解されるものであり、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の態様による1本の幅広い帯状の充填ライン指標を有する容器の斜視図である。
【図2】本発明の第2の態様による1対の充填ライン指標を有する容器の斜視図である。
【図3】本発明の第3の態様による最低予定充填量を示す1本の充填ライン指標を有する容器の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による、第2の管の内表面上に形成された図1の幅広い帯状の充填ラインの断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による、第2の管の内表面上に形成された図2の1対の充填ライン指標の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による、第2の管の内表面上に形成された図3の細線の充填ラインの断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による、第1の管の内表面上に形成された図1の幅広い帯状の充填ラインの断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による、第1の管の内表面上に形成された図2の1対の充填ライン指標の断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態による、第1の管の内表面上に形成された図3の細線の充填ラインの断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態による、第1の管の外表面上に形成された図1の幅広い帯状の充填ラインの断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態による、第1の管の外表面上に形成された図2の1対の充填ライン指標の断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による、第1の管の外表面上に形成された図3の細線の充填ラインの断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態による、単独管の内表面上に形成された図1の幅広い帯状の充填ラインの断面図である。
【図14】本発明の第4の実施形態による、単独管の内表面上に形成された図2の1対の充填ライン指標の断面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態による、単独管の内表面上に形成された図3の細線の充填ラインの断面図である。
【図16】本発明の別の実施形態による両端開放管の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明において、空間または方向を示す用語は、図に描かれた向きにある状態の本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、特に明確な断りがない限り、さまざまな別の形態をとることもできると理解すべきである。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載された具体的な構成要素は、本発明の実施形態の例に過ぎないことも理解すべきである。したがって、本明細書において開示される実施形態に関する具体的な寸法およびその他の物理的特徴は、限定的と考えるべきではない。
【0018】
ここで、図1から3を参照すると、生体液標本採取容器のような採取容器の斜視図が描かれ、その全体が10で示されている。容器10は、開口部12と、閉鎖底部14と、開口部12と閉鎖底部14との間で円周方向に延在する側壁16と、を有する管状部材を備えていて、管を形成する。容器10は、その中に標本試料を受容することのできる所定の内部容積を有する。全体として18で示される充填ライン指標が側壁16の上に配置されている。この充填ライン指標18は、少なくとも採取容器10の最低予定充填量に対応する。容器10は、本明細書中の特定の実施形態において、採血管および特に真空採血管等の生体液採取容器の形状で説明されているが、本発明の実施形態は、どのような生体試料容器にも当てはめることができる。
【0019】
図1から3の容器10は、内表面20と外表面22を有する。血液、尿および/またはその他の体液を、後の試験作業のために、容器アセンブリ10の中に採取することができる。容器10は、例えば、ガラスまたは、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、環状オレフィン共重合体ポリエチレンテラフタレートおよび/またはポリエチレンのような重合体組成物で構成してもよい。容器は、その所期の用途に応じた適当な長さLと適当な幅W(または直径)を有していてよい。ある実施形態において、容器10は、約1から約7ミリリットル(ml)、例えば約2.7mlの予定採取容量を有する採取管である。別の実施形態において、容器の予定採取容量は約1.8mlとすることができる。
【0020】
容器10は、側壁16と一体的に形成される充填ライン指標18を備え、それは、所望の、あるいは予定される標本採取容量に対応する。ある実施形態において、所望の標本採取容量は標本だけを含むものかもしれない。別の実施形態において、所望の具体的な採取容量は、標本と添加剤を含んでいるかもしれない。予定充填量は、容器に入る血液等の生体液の量だけと定義することも、あるいは生体液プラス試薬等の添加剤の量として定義することもできる。別の例において、予定充填量は、生体液プラス分離剤(ゲル状または機械的)の量および/または生体液プラス分離剤と添加剤の量を含んでいてもよい。
【0021】
充填ライン指標18は、少なくとも所望の最低予定充填量を示すことができ、容器アセンブリ10の中に収容される液体標本のメニスカスに対応してもよい。充填ライン指標18は、容器10の側壁の周辺上に連続的に配置することができ、あるいは、充填ライン指標18は、側壁16の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延ばすこともできる。
【0022】
本明細書中で開示する実施形態において、充填ライン指標18により、容器は、容器10が垂直に、このケースでは直立させて、つまり閉鎖体が上になる体勢に置かれたときの容器10の予定充填量に関する指標を持つことになる。このように、充填ライン指標18により、容器10の中の試料の量がその容器10にとっての所望の、または予定された充填量であるか否かを確認することがきる。このような充填ライン指標18は、例えば、容器内の試料の量がその特定の採取容器のための特定の所定採取量に適合するか否かを判断するため等、試料採取容器にとって特に有益である。他の実施形態において、充填ライン指標18は、容器が垂直でない体勢に置かれたときに、その容器にとっての所望の、または予定された充填量に関する指標となる。例えば、採血容器は、通常、その内部に負圧または真空を含んでいる。容器10にキャップをして、この負圧を内部に保持するために、穿刺可能な閉鎖体24が使用される。使用時には、採血針が患者の血管に到達し、採血容器10の内部と流体連通状態になる。容器10の内部の負圧により、血液試料が血管から針を通じて採取容器の内部へと引き込まれる。最終的に採取容器10の中の圧力が血圧と平衡化し、この時点では、それ以上の試料が採取容器の中に引き込まれなくなる。したがって、採取容器10の内部には、採取容器10の内部に十分な真空状態を生じさせて、その真空に基づいて所定の量の血液が確実に容器内に引き込まれるように、負圧を含んでもよい。
【0023】
さらに、試料容器10は、試料に対して実行される所望の試験に関連する、具体的な試薬をその中に包含していてもよい。試薬の一例は、クエン酸塩である。試薬の量は、その容器にとっての試料の具体的な予定充填量に合わせて決定することができる。容器10の中に採取される試料の量が、標本試料と試薬の特定の予定充填量に適合しないと、試薬が試料と適正に反応しないことがあり、これによって誤った試験結果が導かれる可能性がある。充填ライン指標18は、容器内の試薬と反応するための適正な量の試料が容器10の中に確実に採取されることを助けるためのメカニズムとなる。例えば、真空採取容器を長期間保管すると、内部の真空度が低下し、その結果、容器10の引き込み量が減少することがある。さらに、最初の採血中に、針の内部に空気が入っており、この空気が引き込みに使用される最初の採取容器の中に入る可能性がある。この空気により、容器10の全体的な充填量が減少し、容器の中に含まれる試薬に対して不十分な量の血液しか容器内に引き込まれないことがある。充填ライン指標18を設けることにより、使用者は、その容器10について予定される適当量の試料が容器10の中に実際に採取されたことを採血直後に確認することができる。さらに、容器そのものと一体の充填ライン指標18を設けることにより、予定充填量が有効に設定されて容器に直接取り込まれるため、所期の、あるいは予定される充填量を特定する別個のラベルの位置ずれの可能性がない。
【0024】
さらにまた、充填ライン指標18により、研究所の技術者は、容器10内に含まれている量が、特に特定のタイプの容器にとっての予定された充填量であるか否かを確認することができる。この指標はまた、試料が分析のために容器10からすでに取り出されたか否かを確認するためにも有益である。
【0025】
ある実施形態において、充填ライン指標18は、異なるプロフィル、表面、手触り等を有する側壁16の一部分であり、これにより、側壁16を通過する光を、容器10を画定する側壁16の残りの部分とは違う状態に拡散するように、調整される。
【0026】
充填ライン指標18は、さまざまな技術によって形成することができる。例えば、充填ライン指標18は、アセンブリの側壁16から立ち上がり、容器10の周囲に円周方向に延びる隆線(ridge)とすることができる。この隆線は、側壁16の表面から延びていてもよい。別の実施形態において、隆線は、側壁16の中に陥入させて、溝を形成してもよい。このような隆線の高さおよび/または上記のような溝の深さは、隆線および/または溝の寸法が人間の目にとっての固有の識別(またはその他の指標)となって、この隆線および/または溝を側壁16と区別して充填ライン指標とするものであれば、どのような所望の数値であってもよい。別の実施形態において、充填ライン指標18は、側壁16の色とは異なる色の帯とすることができる。このような実施形態では、側壁16は全体的に透明な材料として、別の着色された帯を側壁16の内表面または外表面にスプレー、ステンシル、その他によって塗布して、充填ライン指標18を形成してもよい。
【0027】
好ましくは、充填ライン指標18は、容器10を形成するための射出成形工程中に形成してもよい。このような工程において、金型コア部材が金型キャビティと組になり、プラスチック材料は、コアとキャビティの間のキャビティ内に注入されて、管状部材を形成する。充填ライン指標18は、コア部材の円周を少なくとも部分的に包囲する、粗面化された表面、つまり凸凹形状の表面によって形成される。このようにして、形成工程中に、この粗面化された表面が容器10の側壁の内表面に設けられる。射出成形装置のキャビティ部材ではなくコア部材に、粗面化された表面、つまり凸凹形状の表面を設けることにより、コアから管を取り出しやすいという利点が得られる。側壁16の外表面に充填ライン指標18を設けるような場合に、凸凹形状の表面、つまり粗面化された表面がキャビティ内に設けられると、管がキャビティ内に付着する可能性がある。前述のように、管をキャビティの中から外すよりも、管をコアから取り出すほうが容易である。
【0028】
また別の実施形態において、充填ライン指標18は、側壁16の内、側壁16の残りの部分と比較して異なる視覚的外観および/または凸凹形状を与えるように表面処理によって改変された領域であってもよい。このような実施形態では、充填ライン指標18を形成する領域は透明または不透明な特性を持ち、側壁16の残りの部分はより研磨された透明な外観を呈してもよい。例えば、側壁16の内、充填ライン指標22を画定する領域は、放電加工、エッチングまたはその他同様の工程によって改変し、側壁16の残りの部分と比較して凸凹のある外観を持たせてもよい。ある実施形態では、側壁16の内、充填ライン指標18を画定すべき部分を粗面化して、頂上部(peaks)と谷部(valleys)の列を画定する。例えば、側壁の粗面化された部分は放電加工工程により形成して、放電加工仕上げを形成することができる。表面仕上げ部分は、次に、シャルミー・テクノロジーズ社の表面目視基準(イリノイ州リンカンシャー、シャルミー・テクノロジー社)等の目視基準と、視覚的に比較される。この基準比較方法を用いると、粗面化された表面は、例えば1.6から12.5ミクロンの表面仕上げ、より好ましくは4.5から12.5ミクロンの表面仕上げとなる。さらに、粗面化された表面は、例えば24から42の間、より好ましくは30から42の間のシャルミー仕上げ数値(Charmilles finish number)と視覚的に相互参照してもよい。このような表面は、研磨表面等、側壁16の残りの部分と区別される表面仕上げが施され充填ライン指標18を与える。したがって、充填ライン指標18を画定する表面は、側壁16の残りの部分とは異なる状態に光を拡散させる。このように、液体試料が容器10の中に収容された場合、試料が充填ライン指標18のレベルまで充填されたときに、側壁16を通じて拡散された光の違いにより、明確な視覚的指標が観察される。充填ライン指標18の特定の表面仕上げにより、液面のメニスカスが充填ライン指標18の位置にあるときに試料に拡大効果を与え、この収容レベルに到達したことを明白に示すことができる。
【0029】
容器10の長さを画定する側壁16に沿った充填ライン指標18の厚さまたは長さは、希望に応じてどのような長さでもよく、ただし、ある実施形態において、このような長さは、容器10の中に収容された試料の液面メニスカスがそれと整列したときに、特定の試験に適した量範囲を表す。
【0030】
図1は、本発明の第1の態様による充填ライン指標18を示しており、この充填ライン指標18は、側壁16の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる1本の幅広い帯または線26である。この1本の帯26は、上側境界30と下側境界32によって画定される第1の所定の幅28を有する。上側境界30は、最大予定充填量を規定する。下側境界32は、最低予定充填量を規定する。第2の所定の幅28は、採取容器10の予定充填量のための量範囲を画定する。
【0031】
図2は、本発明の第2の態様による充填ライン指標18を示し、この充填ライン指標18は、側壁16の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる上側線34と下側線36である。上側線34と下側線36は、相互に所定の距離38だけ離間されている。上側線34は最大予定充填量を規定する。下側線36は最低予定充填量を規定する。上側線34と下側線36の間の所定の距離38は、採集容器10の予定充填量の量範囲を規定する。
【0032】
図3は、本発明の第3の態様による充填ライン指標18を示し、この充填ライン指標18は、側壁16の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる1本の細線40である。この1本線40は、採取容器の予定充填量の最低量に対応する第2の所定の幅42を有する。
【0033】
前述のように、特定の試薬が容器10内に含まれていてもよい。したがって、充填ライン指標18は、このような試薬と適正に反応するために、容器内に収容される試料の特定の量に関連していてもよい。したがって、本発明の実施形態において、容器10は、クエン酸ナトリウム、三カリウムエチレンジアミンテトラアセテート(K3 EDTA)、リチウムヘパリン等のような添加剤を収容していてもよく、これらは液状フォーマット(liquid format)、噴霧乾燥フォーマット(spray-dried format)、または、その他のフォーマットで容器10内に添加することができる。
【0034】
図4から12に示すように、容器アセンブリ10は、二重管内管(dual tube-in-tube)構成とすることができる。この種の構成は第1の管状部材44を備え、それは、第1の開口部46と、第2の閉鎖底部48と、第1の開口部46と第1の閉鎖底部48との間で円周方向に延在する第1の側壁49と、を有する。第1の管状部材44は、その中に標本試料を受容することができる。容器はさらに第2の管状部材52を備え、それは、第2の開口部54と、第2の閉鎖底部56と、第2の開口部54と第2の閉鎖底部56との間で円周方向に延在する第2の側壁57と、を有する。第1の管状部材44は、第2の管状部材52の内部に設置される。充填ライン指標18は、第1と第2の側壁の一方に設けられる。この充填ライン指標18は、少なくとも採取容器10の最低予定充填量に対応する。第1の管状部材44、つまりこの例では内管は、第2の管状部材52、つまり外管より小さい軸長を有する。その結果、閉鎖体24を容器アセンブリの最上部に挿入して、第1および第2の管状部材44,52の両方の部分と確実に密閉嵌合させることができる。第1の管状部材44の外表面51と第2の管状部材52の内表面58は、一方を他方に実質的に入れ子式に収容できるサイズとすることができ、第2の管状部材52の内表面58と第1の管状部材44の外表面51の間に存在しうる空間に、異物(生体試料等)が進入することを防止するような構造とすることができる。このような管内管構成(tube-in tube configuration)は、イスキラの特許文献1に詳細に開示されており、同特許の全体は、引用することによって本願に組み込まれる。
【0035】
管内管構成では、管の各々に異なる材料を使用してもよく、例えば、一方の管をガラス、もう一方の管を重合体組成物として、改善された液体抵抗および蒸発抵抗を持たせてもよい。あるいは、両方の管を重合体組成物で形成し、入れ子式に収容された容器の一方を、例えば所望のガスバリア特性を呈する材料で形成し、容器のもう一方を、例えば水分バリアを提供する材料で形成することができる。内側の容器は、容器アセンブリ内に保管されている材料の特定の臨床的性能にとって適正な表面を有する材料で形成される。所望のガスバリア特性を呈する材料には、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)を含むアクリル系重合体および共重合体や、エチレンビニルアルコール(EVA)や、ポリエステルや、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)や、ポリエチレンテレフタレートナフタレン(PETN)や、ポリエチレンナフタレン(PEN)や、ポリカーボネートおよびその混合物を含む人工熱可塑性物質等がある。所望の水分または水蒸気バリア特性を呈する材料には、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその共重合体を含むポリオレフィンや、環状オレフィン共重合体や、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFBまたはACLAR)を含むクロロ重合体(chloro-polymer)またはフッ化重合体等がある。ある実施形態において、内側、つまり第1の管状部材44はポリプロピレン(PP)で形成され、外側、つまり第2の管状部材52はPETで形成される。
【0036】
第1と第2の管状部材44,52は、詳しく前述したように、射出成形技術等によって別々に製造し、その後結合してもよい。あるいは、管状部材は、二重(dually)押出成形してもよい。
【実施例1】
【0037】
本発明の第1の実施形態によれば、図4から6に示すように、充填ライン指標18は、第2の管状部材、つまり外側管状52の内表面58の上に形成することができる。図4は、充填ライン指標を、本発明の第1の態様による幅広い帯26として示しており、表示26は、第2の管状部材52の内表面58と一体に形成され、容器の予定充填量の範囲を画定する第1の所定の幅28を有する。図5は、充填ライン指標を、本発明の第2の態様による上側線34と下側線36として示しており、これらの線は第2の管状部材の内表面58と一体に形成され、容器10の予定充填量を示す量範囲38を画定する。図6は、充填ライン指標を、本発明の第3の態様による1本の細線40として示しており、この線40は第2の管状部材52の内表面58の上に配置される。この1本の細線40は、容器の最低予定充填量を示す第2の所定の幅42を有する。詳しくは前述したように、この充填ライン指標を射出成形中に管の内表面上に設置することが好ましく、これは、その上に指標を有する成形管の加工と取り出しが容易であるからである。また、充填ライン指標は、例えばポリエチレンテレフタレートで形成された外管を使用するときには、外管上に設置することが好ましく、これは、充填ラインの不透明さが、この種の材料とのコントラストを、内管がポリプロピレン材料で形成された場合のような内管とのコントラストよりも、大きくするからである。
【0038】
このような管内管型の容器構成はさらに、内管上に粗面化された外表面、つまり凸凹形状の外表面を有し、内管を外管の中に組み込む間に、容器の間のスペースから空気が逃げるようにしてもよく、その例としては、前述されかつ本願に組み込まれる特許文献1に示されかつ述べられている、拡大された凸凹形状の上部(enlarged textured top portion)がある。
【0039】
内管の拡大された上部の粗面化された表面、つまり凸凹形状の表面は、充填ライン指標26,34,36,40等の充填ライン指標を表す凸凹形状の表面とは別であり、これとは異なるものであり、それらの充填ライン指標26,34,36,40は、同様に粗面化された表面つまり凸凹形状の表面を表しているが、内管の上部からは離間されて容器の充填量に直接関連付けられていて、空気を逃がすためのアセンブリの特徴として機能することを意図したものではない。また、表示の位置は、(血液の)所望の採取量と試薬の量に関連して配置され、試薬の量は具体的な採取量に応じて選択され、充填ライン指標18の位置は採取量と試薬の量と相関する。
【実施例2】
【0040】
本発明の第2の実施形態によれば、図7から9に示すように、充填ライン指標18は、第1の管状部材、つまり内側の管状部材44の内表面50の上に形成することができる。図7は、充填ライン指標を、本発明の第1の態様による幅広い帯状の表示26として示しており、表示26は、第1の管状部材44の内表面50と一体に形成され、容器の予定充填量の範囲を画定する第1の所定の幅28を有する。図8は、充填ライン指標を、本発明の第2の態様による上側線34と下側線36として示しており、これらの線は第1の管状部材44の内表面50と一体に形成され、容器10の予定充填量を示す量範囲38を画定する。図9は、充填ライン指標を、本発明の第3の態様による1本の細線40として示しており、この線は、第1の管状部材44の内表面50と一体に設けられる。この1本の細線40は、容器の最低予定充填ラインを示す第2の所定の幅42を有する。
【実施例3】
【0041】
本発明の第3の実施形態によれば、図10から12に示すように、充填ライン指標18は、第1の管状部材、つまり内側の管状部材44の外表面51の上に形成することができる。図10は、充填ライン指標を、本発明の第1の態様による幅広い帯状の表示26として示しており、表示26は、第1の管状部材44の外表面51と一体に形成され、容器の予定充填量の範囲を画定する第1の所定の幅28を有する。図11は、充填ライン指標を、本発明の第2の態様による上側線34と下側線36として示しており、これらの線は、第1の管状部材44の外表面51と一体に形成され、容器10の予定充填量を示す量範囲38を画定する。図12は、充填ライン指標を、本発明の第3の態様による1本の細線40として示しており、この線は、第1の管状部材44の外表面50と一体に設けられる。この1本の細線40は、容器の最低予定充填ラインを示す第2の所定の幅42を有する。
【実施例4】
【0042】
本発明の第4の実施例によれば、本発明の図13から15に示すように、本発明の充填ライン指標18を管内管構成以外の種類の容器にも使用できる。例えば、充填ライン指標18は、単独の管状部材60に使用可能である。図13に示すように、充填ライン指標18は、本発明の第1の態様による幅広い帯状の表示26として管状部材60の内表面61の上に形成することができ、この表示26は、管状部材60の内表面61と一体に形成され、表示は、容器の予定充填量の範囲を画定する第1の所定の幅28を有する。図14は、充填ライン指標を、本発明の第2の態様による上側線34と下側線36として示しており、これらの線は、管状部材60の内表面61と一体に形成され、容器10の予定充填量を示す量範囲38を画定する。図15は、充填ライン指標を、本発明の第3の態様による1本の細線40として示しており、この線40は管状部材60の内表面61の上に配置される。この1本の細線40は、容器の最低予定充填量を示す第2の所定の幅42を有する。
【実施例5】
【0043】
前述の実施形態は、端部が閉鎖された管状容器に関するものであったが、充填ライン指標18の使用は、図16に示されるような両端開放管にも利用できる。この実施形態において、容器アセンブリは管状部材を備え、その管状部材は、第1の端部70と、第2の端部72と、第1の端部70と第2の端部72の間で円周方向に延在する側壁74と、を有する。充填ライン指標18は、少なくとも採取容器の最低予定充填量に対応する。第1の端部70と第2の端部72は、閉鎖体24によって閉じられていてもよい。図16は、本発明の第1の態様による充填ライン指標26を示しているが、充填ライン指標は、本発明の第1、第2または第3の態様による充填ライン指標の設計26,32,34,40のいずれであってもよい。
【0044】
本発明の具体的な実施形態を詳細に説明してきたが、当業者であれば、開示された教示全体を参照して、これらの詳細への各種の改変や変更を開発できることを予想するであろう。例えば、充填ラインはこれらが容器または容器アセンブリの開放端の円周と平行であるように上述したが、充填ラインは、容器またはアセンブリ上に、容器またはアセンブリを斜めにしたときに試料の量を認識できるように、斜めに配置されてもよい。さらに、上述の充填ラインは、これが容器またはアセンブリの円周全体を囲むように配置されているが、ある実施形態において、充填ラインは、容器またはアセンブリの一部分だけを囲んでも、および/または区切って配置されても(例えば、破線)よい。さらに、容器アセンブリ上に設けられた充填ラインは、外管、内管または両方の管の上のいずれに設置できることに留意すべきである。さらに、実施形態では、1つまたは複数の管の形の容器またはアセンブリの上に充填ラインを設けると説明されているが、その他の種類の容器構造(例えば、採取バッグ)に、所望の充填ラインの特徴の1つまたは複数を取り入れてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標本採取容器アセンブリであって、
第1の開口部と、第1の閉鎖底部と、前記第1の開口部と前記第1の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第1の側壁と、を有する第1の管状部材であって、その中に標本試料を受容できる第1の管状部材と、
第2の開口部と、第2の閉鎖底部と、前記第2の開口部と前記第2の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第2の側壁と、を有する第2の管状部材であって、前記第1の管状部材が内部に配置される第2の管状部材と、
前記第1および第2の側壁の少なくとも一方に配置される充填ライン指標であって、少なくとも前記採取容器の最低予定充填量に対応する充填ライン指標と、
を備えることを特徴とする容器アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の側壁部材は、内表面および外表面を有し、前記充填ライン指標は、前記第1の側壁部材の前記内表面上に設置されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の側壁部材は、内表面および外表面を有し、前記充填ライン指標は、前記第1の側壁部材の前記外表面上に設置されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項4】
前記第2の側壁部材は内表面および外表面を有し、前記充填ライン指標は、前記第2の側壁部材の前記内表面上に設置されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項5】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の少なくとも一方の表面上に配置され、または、前記充填ライン指標は、光を拡散できる凸凹形状の表面であって、前記第1および第2の側壁の一方と一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項6】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の少なくとも一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる1本の幅広い帯を含み、前記1本の帯は、上側境界と下側境界によって画定される第1の所定の幅を有し、前記上側境界は最大予定充填量を規定し、前記下側境界は最低予定充填量を規定することを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項7】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の少なくとも一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びて、相互に所定の距離だけ離間された上側線と下側線を含み、前記上側線は最大予定充填量を規定し、前記下側線は最低予定充填量を規定することを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項8】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる線を含み、前記1本の線は、前記採取容器の予定充填量の最低量に対応する第2の所定の幅を有することを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の管状部材は水分バリア材料から形成され、前記第2の管状部材は水蒸気バリア材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の管状部材はポリプロピレンでなり、前記第2の管状部材はポリエチレンテレフタレートでなることを特徴とする請求項9に記載の容器アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の管状部材は内部容積を画定し、前記容器アセンブリは穿刺可能な閉鎖手段をさらに備え、前記内部容積の圧力は、大気に関して低減されていることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項12】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の少なくとも一方に設置されて、前記容器の前記内部容積の低減された圧力に応じた標本試料の少なくとも最低予定充填量を示すことを特徴とする請求項11に記載の容器アセンブリ。
【請求項13】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の少なくとも一方に設置されて、前記容器の前記内部容積の前記低減された圧力にしたがって前記容器内の事前充填された試薬と合算した前記標本試料の少なくとも最低予定充填量を示すことを特徴とする請求項11に記載の容器アセンブリ。
【請求項14】
生体標本採取容器アセンブリであって、
第1の開口部と、第1の閉鎖底部と、前記第1の開口部と前記第1の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第1の側壁と、を有する第1の管状部材と、
第2の開口部と、第2の閉鎖底部と、前記第2の開口部と前記第2の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第2の側壁と、を有する第2の管状部材であって、前記第2の側壁は、内表面および外表面と、当該前記第2の側壁の内表面と一体の充填ライン指標と、を有し、前記充填ライン指標は少なくとも前記採取容器の最低予定充填量に対応し、前記第1の管状部材が内部に配置される第2の管状部材と、
を備えることを特徴とする容器アセンブリ。
【請求項15】
前記充填ライン指標は、前記第2の側壁の前記内表面の一部に少なくとも部分的に円周方向に延びる線を含み、前記線は、前記採取容器の前記予定充填量の最低量に対応する第2の所定の幅を有することを特徴とする請求項14に記載の容器アセンブリ。
【請求項16】
前記充填ライン指標は、光を拡散できる凸凹形状の表面であり、前記第2の側壁の前記内表面と一体に形成されることを特徴とする請求項14に記載の容器アセンブリ。
【請求項17】
前記最低予定充填量は、前記容器内に受容されるべき生体標本試料、または、生体標本試料と前記容器内に存在する試薬の一方に対応することを特徴とする請求項14に記載の容器アセンブリ。
【請求項18】
前記第1の管状部材は内部容積を画定し、前記容器アセンブリは穿刺可能な閉鎖手段をさらに備え、前記内部容積の圧力は大気に対して低減されていることを特徴とする請求項14に記載の容器アセンブリ。
【請求項19】
標本採取容器を製造するための方法であって、
第1の開口部と、第1の閉鎖底部と、前記第1の開口部と前記第1の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第1の側壁と、を有する第1の管状部材であって、内部に標本試料を受容するための所定の容積を有する第1の管状部材を成形するステップと、
第2の開口部と、第2の閉鎖底部と、前記第2の開口部と前記第2の閉鎖底部との間で円周方向に延在する第2の側壁と、を有する第2の管状部材を成形するステップと、
前記第1および第2の側壁の少なくとも一方に、少なくとも前記採取容器の最低予定充填量に対応する充填ライン指標を設置するステップと、
前記第1の管状部材を前記第2の管状部材の中に配置するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
少なくとも前記第2の管状部材は、コア部材を含む射出成形工程によって形成され、前記充填ライン指標は、前記第2の側壁の内表面上に、前記コア部材の周囲を少なくとも部分的に巡る粗面化された表面を設けることによって形成されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる1本の幅広い帯を含み、前記帯は上側境界と下側境界によって画定される第1の所定の幅を有し、前記上側境界は最大予定充填量を規定し、前記下側境界は最低予定充填量を規定することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びて、相互に所定の距離だけ離間された上側および下側の線を含み、前記上側充填ラインは最大予定充填量を規定し、前記下側の線は最低予定充填量を規定することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記充填ライン指標は、前記第1および第2の側壁の一方の一部分に少なくとも部分的に円周方向に延びる線を含み、前記線は、前記採取容器の予定充填量の最低予定量に対応する第1の所定の幅を有することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
標本採取容器アセンブリであって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部の間で円周方向に延在する側壁と、を有する管状部材であって、内部に標本試料を受容できる管状部材と、
前記側壁の内表面上に設置される充填ライン指標であって、少なくとも前記採取容器の最低予定充填量に対応する充填ライン指標と、
を備えることを特徴とする容器アセンブリ。
【請求項25】
標本採取容器を製造するための方法であって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の開口部と前記閉鎖底部との間で円周方向に延在する側壁と、を有する管状部材であって、内部に標本試料を受けることのできる所定の容積を有する管状部材を成形するステップと、
前記側壁の内表面上に、少なくとも前記採取容器の最低予定充填量に対応する充填ライン指標を設置するステップと、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−502994(P2010−502994A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527585(P2009−527585)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/077890
【国際公開番号】WO2008/031036
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】