説明

物理量検出器、物理量検出デバイス及び電子機器

【課題】可動部や物理量検出素子の破損を低減可能な物理量検出器の提供。
【解決手段】加速度検出器1は、ベース部10と、ベース部10に継ぎ手部11を介して接続された板状の可動部12と、継ぎ手部11を跨いでベース部10と可動部12とに架け渡された加速度検出素子13と、平面視において、ベース部10から可動部12に沿って延びる部位を有した支持部14と、を備え、可動部12は、両主面10a,10bに質量部15が配置され、可動部12は、主面10aと交差する第1方向(Z軸方向)に加わる力に応じて、継ぎ手部11を支点にして第1方向に変位可能であり、質量部15は、平面視において、一部が支持部14と重なるように配置され、質量部15と支持部14とが重なる領域では、質量部15と支持部14との間に隙間Cが設けられ、支持部14には、Z軸方向の厚さが隣接部よりも薄い肉薄部14cが形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量検出器、この物理量検出器を備えた物理量検出デバイス及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
物理量検出器として、特許文献1には、主面に対し垂直に加速度(物理量)が加わり変位する可動部と、可動部を括れ部を介して支持する固定部を備えたベースと、加速度の方向に垂直な力であって、この力の検出方向を検出軸とし、検出軸に沿って並ぶ一対の基部に接続された感圧部を有する感圧素子と、を備えた加速度検出器が開示されている。
この加速度検出器は、感圧素子の一対の基部が、ベースの可動部と固定部とに固定され、括れ部が、可動部と固定部との間に検出軸の方向と交差する方向に延びて形成されている。そして、ベースには、一端の固定端が固定部に接続され他端の自由端が可動部側に延出された梁部が形成され、感圧素子には、可動部側の基部に、平面視で梁部と重なる位置に梁部と接触可能な接触部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−64652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の加速度検出器は、加わる加速度に応じて可動部が括れ部を支点にして撓むことで、感圧素子に引っ張り応力や圧縮応力が加わることによる、感圧素子の共振周波数の変化によって加速度を検出する構成となっている。
そして、上記加速度検出器は、所定の範囲を超えた加速度が印加された場合には、感圧素子の接触部が、固定部から延びる梁部の自由端に接触することで、可動部の所定以上の撓みを規制し、破損を回避するストッパーの機能を果たす構成となっている。
【0005】
しかしながら、上記加速度検出器は、実施の形態において、固定部(梁部)に水晶などの硬質な圧電材料が用いられていることから、ストッパーの機能を果たす梁部が撓み難くなっている。
これにより、上記加速度検出器は、所定の範囲を超えた加速度が印加された場合に、加わる加速度の大きさによっては、感圧素子の接触部がストッパーとなる梁部と接触(衝突)した際に、感圧素子や、感圧素子が固定されている可動部が破損する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる物理量検出器は、ベース部と、該ベース部に継ぎ手部を介して接続された板状の可動部と、前記継ぎ手部を跨いで前記ベース部と前記可動部とに架け渡された物理量検出素子と、前記可動部の両主面のうち少なくとも一方の前記主面に配置された質量部と、平面視において、前記ベース部から前記可動部に沿って延びる部位ならびに平面視において、前記質量部と重なる領域を有した支持部と、を備え、前記可動部が前記主面と交差する第1方向に加わる力に応じて、前記継ぎ手部を支点にして前記第1方向に変位可能なように、前記領域では、前記質量部と前記支持部との間に隙間を備え、前記支持部には、肉厚部と、前記肉厚部よりも第1方向の厚さが薄い肉薄部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
これによれば、物理量検出器は、可動部が、主面と交差する第1方向に加わる力に応じて、継ぎ手部を支点にして第1方向に変位可能であり、可動部の両主面のうち少なくとも一方の主面に、平面視において、一部が支持部と重なるように質量部が配置されている。そして、物理量検出器は、質量部と支持部とが重なる領域では、質量部と支持部との間に隙間を備え、支持部には、第1方向の厚さが肉厚部よりも薄い肉薄部が形成されている。
これにより、物理量検出器は、所定の範囲を超えた物理量としての、例えば、加速度が印加された場合に、可動部に配置(固定)された質量部が支持部に接触することで、可動部の所定以上の変位を規制するストッパーの機能を果たす構成となっている。
そして、物理量検出器は、支持部に形成された、可動部の変位方向である第1方向の厚さが肉厚部よりも薄くなっている肉薄部により、例えば肉薄部が屈曲するなどの変形を起し、質量部が支持部に接触(衝突)した際の衝撃が吸収(緩和)される。
この結果、物理量検出器は、質量部が配置(固定)された可動部や、ベース部と可動部とに架け渡された物理量検出素子の破損を、特許文献1の従来構成と比較して低減することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記肉薄部は、前記第1方向に沿って両方向から括れていることが好ましい。
【0010】
これによれば、物理量検出器は、支持部の肉薄部が第1方向に沿って両方向から括れていることから、質量部が支持部に接触(衝突)した際の、可動部の一方の主面側からの衝撃及び可動部の他方の主面側からの衝撃を、均等に吸収(緩和)することができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記肉薄部を、前記部位に備えたことが好ましい。
【0012】
これによれば、物理量検出器は、肉薄部を上記部位に備えたことから、質量部が支持部に接触(衝突)した際の衝撃を吸収(緩和)することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記肉薄部は、前記領域を含むことが好ましい。
【0014】
これによれば、物理量検出器は、肉薄部が上記領域を含むことから、肉薄部によって、例えば、質量部に凸部を設けることなく、質量部と支持部との間の隙間を構成することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記可動部は平面視において、前記支持部と前記ベース部とによって囲まれており、前記支持部における前記可動部の一方側にある前記部位と他方側にある前記部位とのそれぞれに、前記肉薄部を備えたことが好ましい。
【0016】
これによれば、物理量検出器は、支持部における可動部の一方側の部位と他方側の部位とのそれぞれに肉薄部を備えたことから、両方の肉薄部によって質量部が支持部に接触(衝突)した際の衝撃を吸収(緩和)することができる。
この結果、物理量検出器は、質量部が配置された可動部や、ベース部と可動部とに架け渡された物理量検出素子の破損を、例えば、肉薄部が可動部の一方側の部位にしかない場合と比較して、更に低減することができる。
【0017】
[適用例6]本適用例にかかる物理量検出デバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器と、前記物理量検出器を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする。
【0018】
これによれば、本構成の物理量検出デバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器と、物理量検出器を収容するパッケージと、を備えたことから、上記適用例のいずれか一例に記載の効果を奏する物理量検出デバイスを提供することができる。
【0019】
[適用例7本適用例にかかる電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器を備えたことを特徴とする。
【0020】
これによれば、本構成の電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器を備えたことから、上記適用例のいずれか一例に記載の効果を奏する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態の加速度検出器の部分展開模式斜視図。
【図2】図1の加速度検出器の概略構成を示す模式平断面図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。
【図3】加速度検出器の動作について説明する模式断面図であり、(a)は可動部が−Z方向に変位した状態を示す断面図、(b)は可動部が+Z方向に変位した状態を示す断面図。
【図4】変形例の加速度検出器の概略構成を示す模式平断面図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図、(c)は(a)のD−D線での断面図。
【図5】第2実施形態の加速度検出デバイスの概略構成を示す模式平断面図であり、(a)はリッド(蓋体)側から俯瞰した平面図、(b)は(a)のE−E線での断面図。
【図6】第3実施形態の傾斜計を示す模式斜視図。
【図7】傾斜計の内部に収容された傾斜センサーモジュールの概略構成を示す部分展開模式斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第1実施形態)
最初に、物理量検出器としての加速度検出器の一例について説明する。
図1は、第1実施形態の加速度検出器の部分展開模式斜視図である。図2は、図1の加速度検出器の概略構成を示す模式平断面図である。図2(a)は、平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A線での断面図である。なお、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
【0024】
図1、図2に示すように、加速度検出器1は、平板状のベース部10と、ベース部10に継ぎ手部11を介して接続された矩形平板状の可動部12と、継ぎ手部11を跨いでベース部10と可動部12とに架け渡された物理量検出素子としての加速度検出素子13とを備えている。
そして、加速度検出器1は、平面視において、ベース部10から可動部12の両側(−X方向側と+X方向側)に沿って延びる部位を含み、可動部12の自由端側でX軸方向に屈曲して繋がり、ベース部10とによって可動部12を囲む略矩形の枠状に形成されている平板状の支持部14、を備えている。
【0025】
可動部12は、平板の表裏面に相当する両主面12a,12bに、平面視において、一部が支持部14と重なる一対の質量部(錘)15が配置されている。質量部15は、接合材16を介して主面12a,12bに接合(固定)されている。
ベース部10、継ぎ手部11、可動部12、支持部14は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて一体で略平板状に形成されている。なお、可動部12と支持部14との間には、両者を分割するスリット状の貫通孔が設けられている。
ベース部10、継ぎ手部11、可動部12、支持部14の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
【0026】
継ぎ手部11は、ベース部10の両主面10a,10b及び可動部12の両主面12a,12b側からのハーフエッチングによって、ベース部10と可動部12とを区切るように、ベース部10と可動部12とを結ぶ方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に沿って有底の溝部11aが形成されている。
溝部11aにより、継ぎ手部11のY軸方向に沿った断面形状(図2(b)の形状)は、略H字状に形成されている。
この継ぎ手部11により、可動部12は、主面12a(12b)と交差する第1方向としてのZ軸方向に加わる加速度に応じて、継ぎ手部11を支点(回転軸)にして主面12aと交差するZ軸方向に変位(回動)可能となっている。
【0027】
質量部15の接合面積(接合材16の塗布範囲)は、熱応力の抑制の観点から、可動部12への接合に必要な面積を確保しつつ、極力小さくすることが好ましい。
質量部15は、加速度検出器1の感度向上を図るべく平面サイズを極力大きくするために、可動部12における継ぎ手部11側とは反対側の自由端側から、加速度検出素子13を避けて二股状で継ぎ手部11近傍まで延び、平面視において、略U字状に形成されている。
質量部15には、例えば、Cu(銅)、Au(金)などの金属に代表される比較的比重の大きい材料が用いられている。
接合材16には、弾性に優れたシリコーン系樹脂(変成シリコーン樹脂など)を含む接着剤として、例えば、シリコーン系熱硬化型接着剤が用いられている。
【0028】
加速度検出器1は、支持部14に、質量部15と支持部14とが重なる領域B(図2(a)のハッチング部分)を含むようにして、Y軸方向の全幅に亘って、Z軸方向の厚さが隣接部(肉厚部)よりも薄い肉薄部14cが形成されている。
この肉薄部14cにより、加速度検出器1は、図2(b)に示すように、質量部15と支持部14とが重なる領域Bでは、質量部15と支持部14(肉薄部14c)との間に隙間Cが設けられている。
なお、肉薄部14cは、支持部14の両主面14a,14b側からのハーフエッチングによって形成されている。また、肉薄部14cは、応力集中を緩和する観点から隣接部と斜面で接続されていることが好ましい。換言すれば、肉薄部14cは、Z軸方向に括れた形状となっていることが好ましい。
【0029】
加速度検出素子13は、ベース部10と可動部12とを結ぶ方向(Y軸方向)に沿って延びる2本の角柱状であって、X軸方向に屈曲振動をする振動梁13a,13bを有する加速度検出部13cと、加速度検出部13cの両端に接続された一対の基部13d,13eと、を備えている。
加速度検出素子13は、2本の振動梁13a,13bと一対の基部13d,13eとで二組の音叉を構成することから、双音叉素子(双音叉型振動片)とも呼ばれている。
加速度検出素子13は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、加速度検出部13cと基部13d,13eとが一体で略平板状に形成されている。また、加速度検出素子13の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
【0030】
加速度検出素子13は、一方の基部13dが可動部12の主面12a側に、例えば、低融点ガラス、共晶接合可能なAu/Sn合金被膜などの接合部材17を介して固定され、他方の基部13eがベース部10の主面10a側(可動部12の主面12aと同じ側)に接合部材17を介して固定されている。
なお、加速度検出素子13と、ベース部10の主面10a及び可動部12の主面12aとの間には、可動部12の変位時に加速度検出素子13とベース部10及び可動部12とが互いに接触しないように、所定の隙間が設けられている。この隙間は、本実施形態では、接合部材17の厚さで管理されている。
具体的には、例えば、ベース部10及び可動部12と加速度検出素子13との間に、所定の隙間に相当する厚さに形成されたスペーサーを挟んだ状態で、ベース部10及び可動部12と加速度検出素子13とを接合部材17によって固定し、接合後スペーサーを除去することで、隙間を所定の範囲内に管理することができる。
【0031】
加速度検出素子13は、振動梁13a,13bの図示しない励振電極(駆動電極)から基部13eに引き出された引き出し電極13f,13gが、例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合された導電性接着剤(例えば、シリコーン系導電性接着剤)18によって、ベース部10の主面10aに設けられた接続端子10c,10dと接続されている。
詳述すると、引き出し電極13fは、導電性接着剤18を介して接続端子10cと接続され、引き出し電極13gは、導電性接着剤18を介して接続端子10dと接続されている。
【0032】
ベース部10の接続端子10c,10dは、図示しない配線によって支持部14の主面14b(ベース部10の主面10bと同じ側の主面)に設けられた外部接続端子14d,14eと接続されている。
詳述すると、接続端子10cは、ベース部10の主面10aから支持部14の主面14bに回りこんだ配線によって外部接続端子14dと接続され、接続端子10dは、ベース部10の主面10aから支持部14の主面14bに回りこんだ配線によって外部接続端子14eと接続されている。
なお、振動梁13a,13bの励振電極、引き出し電極13f,13g、接続端子10c,10d、配線、外部接続端子14d,14eは、例えば、Crを下地層とし、その上にAuが積層された構成となっている。
【0033】
ここで、加速度検出器1の動作について説明する。
図3は、加速度検出器の動作について説明する模式断面図である。図3(a)は、可動部が紙面下方(−Z方向)に変位した状態を示す断面図であり、図3(b)は、可動部が紙面上方(+Z方向)に変位した状態を示す断面図である。
【0034】
図3(a)に示すように、加速度検出器1は、Z軸方向に加わる加速度+αに応じた慣性力によって、可動部12が、継ぎ手部11を支点にして−Z方向に変位した場合、加速度検出素子13には、Y軸方向に基部13dと基部13eとが互いに離れる方向の引っ張り力が加わり、加速度検出部13cの振動梁13a,13bに引っ張り応力が生じる。
これにより、加速度検出器1は、例えば、巻き上げられた弦楽器の弦のように、加速度検出部13cの振動梁13a,13bの振動周波数(以下、共振周波数ともいう)が高くなる方に変化する。
【0035】
一方、図3(b)に示すように、加速度検出器1は、Z軸方向に加わる加速度−αに応じた慣性力によって、可動部12が、継ぎ手部11を支点にして+Z方向に変位した場合、加速度検出素子13には、Y軸方向に基部13dと基部13eとが互いに近づく方向の圧縮力が加わり、加速度検出部13cの振動梁13a,13bに圧縮応力が生じる。
これにより、加速度検出器1は、例えば、巻き戻された弦楽器の弦のように、加速度検出部13cの振動梁13a,13bの共振周波数が低くなる方に変化する。
【0036】
加速度検出器1は、この共振周波数の変化を検出している。Z軸方向に加わる加速度(+α、−α)は、この検出された共振周波数の変化の割合に応じて、ルックアップテーブルなどによって定められた数値に変換することで導出される。
【0037】
ここで、図3(a)に示すように、加速度検出器1は、Z軸方向に加わる加速度+αが所定の大きさより大きい場合、可動部12の主面12aに固定された質量部15の、平面視において支持部14と重なる部分が支持部14の肉薄部14cに接触(衝突)する。
これにより、加速度検出器1は、加速度+αに応じて−Z方向に変位する可動部12の変位を、所定の範囲(隙間Cに相当、図2(b)参照)内に規制する。
【0038】
一方、図3(b)に示すように、加速度検出器1は、Z軸方向に加わる加速度−αが所定の大きさより大きい場合、可動部12の主面12bに固定された質量部15の、平面視において支持部14と重なる部分が支持部14の肉薄部14cに接触(衝突)する。
これにより、加速度検出器1は、加速度−αに応じて+Z方向に変位する可動部12の変位を、所定の範囲(隙間Cに相当、図2(b)参照)内に規制する。
ここで、質量部15が支持部14に接触(衝突)する際の衝撃力は、肉薄部14cの撓みによって吸収(緩和)される。
【0039】
上述したように、第1実施形態の加速度検出器1は、可動部12の両主面12a,12bに質量部15が配置(固定)され、主面12aと交差するZ軸方向(第1方向)に加わる慣性力に応じて、可動部12が継ぎ手部11を支点にしてZ軸方向に変位可能である。そして、加速度検出器1は、平面視において、質量部15の一部が支持部14と重なるように配置されている。そして、加速度検出器1は、質量部15と支持部14とが重なる領域Bでは、質量部15と支持部14との間に隙間Cが設けられ、支持部14には、Z軸方向の厚さが隣接部(肉厚部)よりも薄い肉薄部14cが形成されている。
【0040】
これにより、加速度検出器1は、所定の範囲を超えた物理量としての加速度が印加された場合に、可動部12に固定された質量部15が支持部14に接触することで、可動部12の所定以上の変位を規制するストッパーの機能を果たす構成となっている。
そして、加速度検出器1は、支持部14に形成された、可動部12の変位方向であるZ軸方向の厚さが隣接部よりも薄くなっている肉薄部14cの撓みにより、質量部15が支持部14に接触(衝突)した際の衝撃が吸収(緩和)される。
この結果、加速度検出器1は、質量部15が配置(固定)された可動部12や、ベース部10と可動部12とに架け渡された加速度検出素子13の破損を、特許文献1の従来構成と比較して低減することができる。
【0041】
また、加速度検出器1は、肉薄部14cがZ軸方向に両側(一方の主面12a側、他方の主面12b側)から括れていることから、質量部15が支持部14に接触(衝突)した際の、可動部12の一方の主面12a側からの衝撃及び可動部12の他方の主面12b側からの衝撃を、均等に吸収(緩和)することができる。
【0042】
また、加速度検出器1は、支持部14の肉薄部14cが、質量部15と支持部14とが重なる領域Bを含むように設けられていることから、肉薄部14cによって、例えば、質量部15に凸部を設けることなく、質量部15と支持部14との間の隙間Cを構成することができる。
つまり、加速度検出器1は、支持部14の肉薄部14cによって、質量部15と支持部14との間の隙間Cの確保と、質量部15が支持部14に接触(衝突)する際の衝撃の吸収(緩和)とを、両立させることができる。
【0043】
なお、加速度検出器1は、Z軸方向に加わる加速度が一方向のみ(+αのみ、または−αのみ)の場合には、支持部14に接触しない方の質量部15は、平面視において支持部14と重ならない形状としてもよく、質量部15そのものを除去してもよい。
また、加速度検出器1は、加速度検出素子13を可動部12の主面12a側に代えて、主面12b側に備えてもよく、主面12a側及び主面12b側の両方に備えてもよい。
また、加速度検出器1は、加速度検出素子13の引き出し電極13f,13gと、ベース部10の接続端子10c,10dとの接続を、導電性接着剤18に代えてAu、Alなどの金属ワイヤーを用いた、ワイヤーボンディングによって行ってもよい。
なお、これらの付帯事項は、以下の変形例にも適用可能である。
【0044】
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
図4は、第1実施形態の変形例の加速度検出器の概略構成を示す模式平断面図である。図4(a)は、平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A線での断面図、図4(c)は、図4(a)のD−D線での断面図である。なお、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
また、上記第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0045】
図4に示すように、加速度検出器2は、支持部14における可動部12の一方側(−X方向側)に沿って延びる部位と、他方側(+X方向側)に沿って延びる部位とのそれぞれに、X軸方向の全幅に亘って、Z軸方向の厚さが隣接部よりも薄い肉薄部14c1,14c2が形成されている。
なお、肉薄部14c1,14c2は、支持部14の両主面14a,14b側からのハーフエッチングによって形成されている。また、肉薄部14c1,14c2は、応力集中を緩和する観点から隣接部と斜面で接続されていることが好ましい。換言すれば、肉薄部14c1,14c2は、Z軸方向に括れた形状となっていることが好ましい。
なお、加速度検出器2は、支持部14における質量部15と重なる部分(領域B)には、肉薄部が形成されていない。
【0046】
加速度検出器2は、質量部15に可動部12の主面12a(12b)側に突出する円柱状(円板状)の凸部15aを有し、凸部15aの先端部が、可動部12の主面12a(12b)に接合材16を介して接合(固定)されている。
なお、凸部15aは、熱応力の抑制の観点から、可動部12への接合に必要な面積を確保しつつ、平面サイズを極力小さくすることが好ましい。また、質量部15は、接合時の傾き回避の観点から、平面視において、質量部15の重心が凸部15a内に収まることが好ましい。
【0047】
加速度検出器2は、質量部15に凸部15aが設けられたことによって、質量部15と支持部14とが重なる領域Bでは、質量部15と支持部14との間に隙間Cが確保されている。
なお、加速度検出器2の動作については、上記第1実施形態に準じるので説明は省略する。
【0048】
上述したように、変形例の加速度検出器2は、支持部14が、平面視において、ベース部10とによって可動部12を囲む枠状に形成され、支持部14における可動部12の一方側(−X方向側)と他方側(+X方向側)とのそれぞれに、肉薄部14c1,14c2が形成されている。
このことから、加速度検出器2は、支持部14における可動部12の一方側の部位と他方側の部位とのそれぞれに形成された肉薄部14c1,14c2の撓みによって、質量部15が支持部14に接触(衝突)した際の衝撃を吸収(緩和)することができる。
この結果、加速度検出器2は、質量部15が配置(固定)された可動部12や、ベース部10と可動部12とに架け渡された加速度検出素子13の破損を、例えば、肉薄部14c1,14c2が可動部12の一方側にしかない場合と比較して、更に低減することができる。
なお、肉薄部14c1,14c2は、支持部14の主面14a側または主面14b側の一方側からのエッチング(片側エッチング)により形成されてもよい。
【0049】
なお、加速度検出器2は、支持部14における可動部12の一方側(−X方向側)と他方側(+X方向側)とのそれぞれに、肉薄部14c1,14c2に加えて、更に肉薄部を形成してもよい。
また、本変形例と第1実施形態とを組み合わせた構成としてもよい。例えば、第1実施形態の支持部14の対応する場所に、本変形例の肉薄部14c1,14c2を形成してもよい。
これらによれば、加速度検出器1,2は、衝撃吸収(衝撃緩和)性能を更に向上させることができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、上記第1実施形態及び変形例で述べた加速度検出器を備えた物理量検出デバイスとしての加速度検出デバイスについて説明する。
図5は、第2実施形態の加速度検出デバイスの概略構成を示す模式平断面図である。図5(a)は、リッド(蓋体)側から俯瞰した平面図であり、図5(b)は、図5(a)のE−E線での断面図である。なお、平面図では、リッドを省略してある。また、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
なお、上記第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0051】
図5に示すように、加速度検出デバイス3は、上記第1実施形態で述べた加速度検出器1と、加速度検出器1を収容するパッケージ20と、を備えている。
パッケージ20は、平面形状が略矩形で凹部を有したパッケージベース21と、パッケージベース21の凹部を覆う平面形状が略矩形で平板状のリッド22と、を有し、略直方体形状に形成されている。
パッケージベース21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、水晶、ガラス、シリコンなどが用いられている。
リッド22には、パッケージベース21と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
【0052】
パッケージベース21には、内底面(凹部の内側の底面)23の外周部分から凹部の内壁に沿って突出した2箇所の段差部23aに、内部端子24,25が設けられている。
内部端子24,25は、加速度検出器1の支持部14に設けられた外部接続端子14d,14eと対向する位置(平面視において重なる位置)に設けられている。なお、前述したように、外部接続端子14dは、ベース部10の接続端子10cと接続され、外部接続端子14eは、ベース部10の接続端子10dと接続されている。
【0053】
パッケージベース21の外底面(内底面23の反対側の面、外側の底面)26には、電子機器などの外部部材に実装される際に用いられる一対の外部端子27,28が形成されている。
外部端子27,28は、図示しない内部配線によって内部端子24,25と接続されている。例えば、外部端子27は、内部端子24と接続され、外部端子28は、内部端子25と接続されている。
内部端子24,25及び外部端子27,28は、W、Moなどのメタライズ層にNi、Auなどの各被膜をメッキなどの方法により積層した金属膜からなる。
【0054】
パッケージベース21には、凹部の底部にパッケージ20の内部を封止する封止部29が設けられている。
封止部29は、パッケージベース21に形成された、外底面26側の孔径が内底面23側の孔径より大きい段付きの貫通孔29aに、Au/Ge合金、ハンダなどからなる封止材29bを投入し、加熱溶融後、固化させることでパッケージ20の内部を気密に封止する構成となっている。
【0055】
加速度検出デバイス3は、加速度検出器1の支持部14の外部接続端子14d,14e及び他の2箇所の固定部分が、接着剤30を介して、パッケージベース21の段差部23aに固定されている。
接着剤30には、例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合された導電性接着剤(例えば、シリコーン系導電性接着剤)が用いられている。これにより、加速度検出デバイス3は、加速度検出器1の外部接続端子14d,14eと内部端子24,25とが電気的に接続される。
なお、外部接続端子14d,14e以外の他の2箇所の固定部分には、金属フィラーなどの導電性物質を含まない接着剤(例えば、シリコーン系接着剤)を用いてもよい。
【0056】
加速度検出デバイス3は、加速度検出器1がパッケージベース21の内部端子24,25と接続された状態で、パッケージベース21の凹部がリッド22により覆われ、パッケージベース21とリッド22とがシームリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材22aで接合される。
加速度検出デバイス3は、リッド22の接合後、パッケージ20の内部が減圧された状態(真空度の高い状態)で、封止部29の貫通孔29aに封止材29bが投入され、加熱溶融後、固化されることにより、パッケージ20の内部が気密に封止される。
なお、パッケージ20の内部は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されていてもよい。
なお、パッケージは、パッケージベース及びリッドの両方に凹部を有していてもよい。
【0057】
加速度検出デバイス3は、外部端子27,28、内部端子24,25、外部接続端子14d,14e、接続端子10c,10dなどを経由して加速度検出器1の励振電極に印加される駆動信号によって、加速度検出器1の振動梁13a,13bが所定の周波数で発振(共振)する。
そして、加速度検出デバイス3は、加わる加速度に応じて変化する加速度検出器1の共振周波数を出力信号として出力する。
【0058】
上述したように、第2実施形態の加速度検出デバイス3は、加速度検出器1を備えたことから、上記第1実施形態に記載された効果を奏する加速度検出デバイスを提供することができる。
なお、加速度検出デバイス3は、加速度検出器1に代えて加速度検出器2を備えた場合においても、上記と同様の効果及び加速度検出器2の特有の効果を奏する加速度検出デバイスを提供することができる。
【0059】
(第3実施形態)
次に、上記実施形態及び変形例で述べた加速度検出器を備えた電子機器としての傾斜計について説明する。
図6は、第3実施形態の傾斜計を示す模式斜視図である。図7は、傾斜計の内部に収容された傾斜センサーモジュールの概略構成を示す部分展開模式斜視図である。
図6、図7に示すように、傾斜計4は、上記第1実施形態で述べた加速度検出器1を、傾斜センサーモジュール5の傾斜センサーとして備えている。
図7に示すように、傾斜センサーモジュール5は、ベース基板201と、断熱基板202と、基台203と、加速度検出器1を備えた加速度検出デバイス3と、発振器204と、キャップ205と、を備え、傾斜計4の内部に収容されている。
【0060】
矩形平板状のベース基板201には、例えば、FR−4(ガラス布入りエポキシ樹脂基板)が用いられ、搭載された回路素子201aによって、加速度検出デバイス3や発振器204に関わる周辺回路が構成されている。また、ベース基板201には、外部(傾斜計本体)との入出力のための端子201bや、傾斜計本体への取り付け孔201cが形成されている。
矩形平板状の断熱基板202は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)などの低熱伝導率で耐熱性、電気特性、寸法安定性などに優れた樹脂が用いられ、厚み方向に貫通して固定されている細いピン状(棒状)の複数の接続ピン202aによって、ベース基板201に隙間を有して接続されている。
基台203は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属を用いて、削り出しまたは板金加工により略直方体形状に形成され、断熱基板202に、例えば、接着剤などで固定されている。なお、基台203には、上記の樹脂や酸化アルミニウム質焼結体(セラミック類)などを用いてもよい。
【0061】
加速度検出デバイス3及び発振器204は、基台203の側面(断熱基板202に対して直立する面)に、例えば、導電性接着剤などによって固定されている。2つの加速度検出デバイス3は、基台203における隣り合う直角に接続された側面にそれぞれ固定されている。これにより、傾斜センサーモジュール5は、互いに直交する2軸に対する傾斜を検出することができる。
発振器204は、基台203における一方の加速度検出デバイス3が固定された側面と対向する側面(換言すれば、他方の加速度検出デバイス3が固定された側面と隣り合う側面)に固定されている。
加速度検出デバイス3及び発振器204は、リード線206によって断熱基板202の接続ピン202aに接続され、接続ピン202aを経由してベース基板201に接続されている。
【0062】
なお、一方の加速度検出デバイス3の近傍には、周辺の温度を検知するサーミスター207(温度センサー)が備えられている。サーミスター207は、周辺の温度を検知して、加速度検出デバイス3及び発振器204の周波数特性の温度補償(温度補正)をする際の、温度検知手段として設けられている。
サーミスター207は、上記加速度検出デバイス3及び発振器204と同様に、リード線206によって断熱基板202の接続ピン202aに接続され、接続ピン202aを経由してベース基板201に接続されている。
発振器204は、加速度検出時における加速度検出デバイス3(加速度検出器1)の共振周波数と比較する比較回路の基準周波数(基準共振周波数)発振源として備えられている。
【0063】
ベース基板201側に開口部を備えた箱状のキャップ205には、断熱基板202と同様に低熱伝導率の樹脂(PBT、ABS、PCなど)が用いられ、ベース基板201上の断熱基板202、基台203、加速度検出デバイス3、サーミスター207、発振器204、回路素子201aなどを覆うようにベース基板201に固定されている。
【0064】
これらの構成により、傾斜センサーモジュール5は、周囲の温度変化の加速度検出デバイス3への到達を遅延させることができる。詳述すると、ベース基板201からの接触による熱伝導は、細いピン状の接続ピン202aや低熱伝導率の樹脂が用いられた断熱基板202により遅延され、加速度検出デバイス3の周辺の大気の対流や、外部部材の放射熱(輻射熱)による熱伝導は、低熱伝導率の樹脂が用いられたキャップ205による外気及び放射熱源からの遮断によって遅延される。
このように、傾斜センサーモジュール5は、周囲の温度変化の加速度検出デバイス3への到達を遅延させることで、加速度検出デバイス3の温度変化をなだらかにすることが可能となることから、加速度検出デバイス3(加速度検出器1)の、例えば、加速度検出精度などの加速度検出特性を良好な状態に維持することができる。
【0065】
図6に戻って、傾斜計4は、例えば、山の斜面、道路の法面、盛土の擁壁面などの被計測場所に設置される。傾斜計4は、外部からケーブル40を介して電源が供給され、または電源を内蔵し、図示しない駆動回路によって傾斜センサーモジュール5(加速度検出器1)に駆動信号が送られている。
そして、傾斜計4は、図示しない検出回路によって、傾斜センサーモジュール5(加速度検出器1)に加わる重力加速度に応じて変化する共振周波数から、傾斜計4の姿勢の変化(傾斜計4に対する重力加速度が加わる方向の変化)を検出し、それを角度に換算して、例えば、無線またはケーブル40などで基地局にデータ転送する。これにより、傾斜計4は、日常の管理や異常の早期発見に貢献することができる。
なお、傾斜計4は、加速度検出器1に代えて加速度検出器2を傾斜センサーとして備えていてもよい。
【0066】
上述した加速度検出器1,2は、上記傾斜計に限らず、地震計、ナビゲーション装置、姿勢制御装置、ゲームコントローラー、携帯電話などの加速度センサー、傾斜センサーなどとして好適に用いることができ、いずれの場合にも上記実施形態及び変形例で説明した効果を奏する電子機器を提供することができる。
【0067】
なお、上記各実施形態及び変形例において、ベース部10、継ぎ手部11、可動部12、支持部14の材料は、水晶に限定するものではなく、ガラス、またはシリコンなどの半導体材料であってもよい。
また、加速度検出素子13の基材は、水晶に限定するものではなく、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料、または酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料を被膜として備えたシリコンなどの半導体材料であってもよい。
【0068】
以上、物理量検出器として加速度検出器を例に挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、加速度検出結果から力、速度、距離などを検出する物理量検出器にも適用できる。
【符号の説明】
【0069】
1…物理量検出器としての加速度検出器、10…ベース部、10a,10b…主面、10c,10d…接続端子、11…継ぎ手部、11a…溝部、12…可動部、12a,12b…主面、13…物理量検出素子としての加速度検出素子、13a,13b…振動梁、13c…加速度検出部、13d,13e…基部、13f,13g…引き出し電極、14…支持部、14a,14b…主面、14c…肉薄部、14d,14e…外部接続端子、15…質量部、16…接合材、17…接合部材、18…導電性接着剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
該ベース部に継ぎ手部を介して接続された板状の可動部と、
前記継ぎ手部を跨いで前記ベース部と前記可動部とに架け渡された物理量検出素子と、
前記可動部の両主面のうち少なくとも一方の前記主面に配置された質量部と、
平面視において、前記ベース部から前記可動部に沿って延びる部位ならびに平面視において、前記質量部と重なる領域を有した支持部と、
を備え、
前記可動部が前記主面と交差する第1方向に加わる力に応じて、前記継ぎ手部を支点にして前記第1方向に変位可能なように、前記領域では、前記質量部と前記支持部との間に隙間を備え、
前記支持部には、肉厚部と、前記肉厚部よりも第1方向の厚さが薄い肉薄部とを備えたことを特徴とする物理量検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の物理量検出器において、前記肉薄部は、前記第1方向に沿って両方向から括れていることを特徴とする物理量検出器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の物理量検出器において、前記肉薄部を、前記部位に備えたことを特徴とする物理量検出器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の物理量検出器において、前記肉薄部は、前記領域を含むことを特徴とする物理量検出器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物理量検出器において、前記可動部は平面視において、前記支持部と前記ベース部とによって囲まれており、
前記支持部における前記可動部の一方側にある前記部位と他方側にある前記部位とのそれぞれに、前記肉薄部を備えたことを特徴とする物理量検出器。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の物理量検出器と、
前記物理量検出器を収容するパッケージと、
を備えたことを特徴とする物理量検出デバイス。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の物理量検出器を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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