説明

物理量測定装置

【課題】 SPIなどのシリアル通信方式を用いて、回路の故障のみならず通信中のビット化けなどに対してもエラー通知を行う、信頼性の高い物理量測定装置を提供する。
【解決手段】 所定の物理量を検出して第1の信号90、92を出力するセンサー素子4と、第1の信号に基づいて第2の信号40を生成する検出回路6と、駆動信号82を生成してセンサー素子に供給する駆動回路5と、検出回路および駆動回路の少なくとも1つから内部信号である第3の信号42、44を受け取って故障診断を行い、第4の信号30を出力する故障診断部20と、コマンドを受け取り、コマンドが要求するデータを含む応答データをシリアルに送信するインターフェース部10とを含み、インターフェース部は、応答データに、コマンドについて通信中にエラーが発生したか否かを表すコマンドエラーフラグを少なくとも含める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量測定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
安全性が求められる自動車、飛行機、船舶、鉄道等に搭載される物理量測定装置には高い信頼性が要求される。このような物理量測定装置は、例えばホストCPUからの要求に応じて検出された物理量に応じた信号を正確に出力する必要がある。そして、万一エラーが生じた場合には直ちにホストCPUに通知することが要求される。
【0003】
特許文献1の発明は、送信の単位であるバイト毎にエラーの有無を示すフラグを1ビット設けることでエラーの通知を行う。また、特許文献2の発明は、4ビットのエラーコードを含む故障診断出力用データを用意してエラーの通知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−285745号公報
【特許文献2】特開2007−230514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1および特許文献2の発明では、検出装置の回路の故障についてエラーの通知を行うが、通信時に発生するエラーは対象としていない。例えば、検出装置はホストCPUからコマンドを受け取り、コマンドの内容に応じて複数のデータから適切なものを選択する場合がある。このとき、コマンドを正しく受け取ることができなければ、特許文献1および特許文献2の発明では正しいデータを送信できない。
【0006】
ここで、例えばI2Cなどのハンドシェイクを行う通信方式を採用することにより、確実にコマンドを受け取ることが可能である。しかし、I2Cは送信速度が遅く、近年の高速通信の要求を満たさない。また、通信中のノイズなどでコマンドにビット化けが生じた場合、検出装置がコマンドを確実に受け取ったとしても、誤ったコマンドに対応したデータを送信する恐れがある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、例えば特許文献1で使用しているSPI(Serial Peripheral Interface)のように、より高速なシリアル通信方式を用いることができ、回路の故障のみならず、通信中のビット化けなどについてもエラー通知を行う、信頼性の高い物理量測定装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、所定の物理量を検出する物理量測定装置であって、前記所定の物理量を検出し、検出された前記所定の物理量の大きさに応じた信号である第1の信号を出力するセンサー素子と、前記第1の信号に基づいて、前記所定の物理量に応じた第2の信号を生成する検出回路と、駆動信号を生成し、前記駆動信号を前記センサー素子に供給する駆動回路と、前記検出回路および前記駆動回路の少なくとも1つから内部信号である第3の信号を受け取り、前記第3の信号に基づいて前記検出回路および前記駆動回路の少なくとも1つについての故障診断を行い、前記故障診断の結果に応じた信号である第4の信号を出力する故障診断部と、コマンドを受け取り、前記コマンドが要求するデータであるコマンド要求データを生成し、前記コマンド要求データを含む応答データをシリアルに送信するインターフェース部と、を含み、前記インターフェース部は、前記第2の信号および前記第4の信号のうち少なくとも1つの信号に基づいて前記コマンド要求データを生成し、前記応答データに、エラーの発生の有無を表すエラーフラグを含め、前記エラーフラグに、前記コマンドについて通信中にエラーが発生したか否かを表すコマンドエラーフラグを少なくとも含める。
【0009】
(2)この物理量測定装置において、前記インターフェース部は、他の前記コマンドと重ならない固有の1つのビットのみに所定の値を有するコマンドデータをシリアルに受け取り、前記コマンドデータに基づいて、前記コマンドについて通信中にエラーが発生したか否かを判断して、前記エラーフラグの値を定めてもよい。
【0010】
これらの発明によれば、物理量測定装置に含まれるインターフェース部は、受け取ったコマンドについて通信中にエラーが発生したか否かを表すコマンドエラーフラグを含む応答データをシリアルに送信する。そのため、回路の故障のみならず、通信中のビット化けなどについてもエラー通知を行う、信頼性の高い物理量測定装置を提供できる。
【0011】
このとき、インターフェース部は、他のコマンドと重ならない固有の1つのビットのみに、所定の値(例えば1)を有するコマンドデータをシリアルに受け取り、コマンドデータに基づいて、通信中にエラーが発生したか否かを判断してもよい。例えば、受け取ったコマンドデータで2つ以上のビットが1である場合、又は、1がない場合に、インターフェース部は直ちに通信中にエラーが発生したと判断できる。
【0012】
ここで、物理量測定装置のセンサー素子が検出する所定の物理量とは、例えば角速度、加速度、速度、変位量、流量、温度、圧力、照度等であってもよいが、これらに限られない。例えば、所定の物理量が角速度である場合、物理量測定装置は角速度センサーとして機能する。このとき、センサー素子は、振動する物体を回転させた場合に物体の振動方向と回転軸のそれぞれに直交する方向に作用するコリオリ力に基づいて角速度を検出する。角速度センサーのセンサー素子は例えば振動子で構成される。
【0013】
また、インターフェース部はシリアル通信を行うが、通信方式は例えばSPIであってもよいし、双方向のデータ線を用いる3線式のシリアル通信等であってもよい。そして、駆動回路、検出回路からの内部信号とは、これらの回路の内部の状態を表す信号の意味であり、必ずしも回路の内部に閉じた信号を指すわけではない。
【0014】
(3)この物理量測定装置において、前記インターフェース部は、前記コマンドの1つである故障診断結果出力コマンドを受け取った場合に、前記故障診断部が行った前記故障診断のそれぞれの結果を含む前記コマンド要求データを生成してもよい。
【0015】
本発明によれば、インターフェース部は、故障診断結果出力コマンドを受け取った場合に、故障診断部が行った故障診断のそれぞれの結果を含むコマンド要求データを生成する。このとき、例えばホストCPUは、故障診断の詳細を知ることが可能であるため、故障箇所を早期に特定でき、早期の対応を行うことができる。
【0016】
(4)この物理量測定装置において、前記インターフェース部は、前記応答データに、前記コマンド要求データおよび前記エラーフラグについてのチェックサムを含めてもよい。
【0017】
本発明によれば、インターフェース部は、コマンド要求データだけでなくエラーフラグまでも含めたデータについてのチェックサムを計算する。そして、そのチェックサムを含む応答データを送信する。これにより、例えばホストCPUは、物理量測定装置からの送信途中でエラーが発生したか否かを直ちに知ることができるため、応答データの信頼性が高まる。
【0018】
また、エラーフラグまでもチェックサムの対象にすることで、コマンド要求データ以外については正しさを確認できないといった問題は生じない。
【0019】
なお、チェックサムは、コマンド要求データおよびエラーフラグの全ビットにおける1の総和であってもよい。また、応答データに含む場合に、その補数が使われてもよい。
【0020】
(5)この物理量測定装置において、前記インターフェース部は、前記応答データを複数回に分けて送信してもよい。
【0021】
本発明によれば、応答データを複数回に分けて送信できるので、例えば検出精度の向上に伴い検出回路が出力する信号のビット数が増えた場合などでも、容易に対応が可能になる。よって、拡張性に優れる物理量測定装置を提供できる。
【0022】
(6)この物理量測定装置において、前記センサー素子は、前記所定の物理量として角速度を検出してもよい。
【0023】
本発明によれば、所定の物理量は角速度であってもよい。このとき、回路の故障のみならず、通信中のビット化けなどについてもエラー通知を行うので信頼性が高い。よって、例えば、信頼性が要求される車両に搭載されて、走行制御や推測航法等に用いる角速度センサーとして使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態における物理量測定装置のブロック図。
【図2】第1実施形態の故障診断部の構成例を示す図。
【図3】第1実施形態のインターフェース部のブロック図。
【図4】第1実施形態のコマンドデータを示す図。
【図5】第1実施形態の応答データを示す図。
【図6】第1実施形態のコマンドデータと応答データの送受信のタイミング図。
【図7】第1実施形態の駆動回路の1つの例を表すブロック図。
【図8】第1実施形態の検出回路の1つの例を表すブロック図。
【図9】第1実施形態の検出回路の別の例を表すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図9を参照して説明する。
【0026】
1.1.本実施形態の物理量測定装置の構成
図1は、本実施形態の物理量測定装置1のブロック図である。物理量測定装置1は、センサー素子4、駆動回路5、検出回路6、故障診断部20、インターフェース部10を含む。物理量測定装置1は、さらに動作設定回路7を含んでいてもよい。
【0027】
本実施形態のセンサー素子4は、例えば一体である振動子2、3を含み、角速度を検出する。ここで、角速度の大きさに応じた信号であってセンサー素子4が出力する信号を第1の信号とする。図1では、第1の信号は差動信号90、92である。なお、本実施形態ではノイズ耐性のために、振動子3から差動信号90、92が出力されるが、差動でない1つの信号が出力されてもよい。
【0028】
駆動回路5は、駆動信号82を生成して振動子2に供給し、振動子2からの励振電流80を受け取って発振ループを形成する。差動信号90、92の大きさは励振電流80に比例する。そのため、駆動回路5は、測定環境の変化に関わらず励振電流80の振幅を一定にするように駆動信号82を制御する。
【0029】
検出回路6は、差動信号90、92に基づいて出力信号40を生成する。ここで、センサー素子4が検出した角速度の大きさに応じた信号であって検出回路6が出力する信号を第2の信号とする。図1では、第2の信号は出力信号40である。
【0030】
出力信号40は、インターフェース部10を介して、例えばホストCPUにシリアル送信される。検出回路6は、差動信号90、92を受け取り、例えばホストCPUが要求する形式への変換等を行って出力信号40を生成する。
【0031】
ここで、本実施形態では、動作設定回路7が、駆動回路5、検出回路6に対して最適な動作設定を行う。動作設定回路7は、例えば基準電圧回路、メモリー回路等を含んでおり、駆動回路5、検出回路6の電圧設定、パラメーター設定等によって最適化を行う。
【0032】
故障診断部20は、駆動回路5および検出回路6の少なくとも1つについての故障診断を行う。本実施形態では、両方の回路について故障診断が実行される。故障診断を行うのに必要な情報を含む駆動回路5および検出回路6の内部信号を第3の信号とする。図1では、第3の信号は内部信号42、44である。
【0033】
故障診断部20が実行した故障診断の結果を表す信号を第4の信号とする。図1では、第4の信号は信号30である。信号30は、故障診断部20が実行した故障診断のそれぞれの結果を表す値(例えば、エラー時にハイレベル‘1’)と、全ての故障診断のうち1つでもエラーがあれば例えば‘1’となるエラーフラグの値とを含んでいてもよい。
【0034】
インターフェース部10は、物理量測定装置1の外部の例えばホストCPUとデータの通信を行う。このとき、データの通信はシリアル方式で行われ、パラレル方式に比べてインターフェース部10の端子数を減らすことができる。
【0035】
本実施形態では、インターフェース部10は通信方式としてSPIを用いる。図1に示すように、スレーブ選択信号SS、シリアルクロックSCK、シリアル入力信号MOSI、シリアル出力信号MISOの4つの信号が使用される。
【0036】
インターフェース部10は、マスターの要求に従って、これらの信号を用いてデータの通信を行う。以下では、SPIによる通信において、マスターとしてホストCPU(図外)が存在し、物理量測定装置1は1つのスレーブとして機能するものとして説明する。
【0037】
スレーブ選択信号SSは、ホストCPU(マスター)が物理量測定装置1(スレーブ)を選択するのに用いる信号であり、例えばローアクティブの信号であってもよい。スレーブ選択信号SSが‘0’(ローレベル)の場合にインターフェース部10はホストCPUと通信を行う。
【0038】
シリアルクロックSCKは、シリアル送信の同期をとるためのクロックであり、通信スピードはシリアルクロックSCKのクロック周波数により定まる。本実施形態では、例えば10MHzのシリアルクロックSCKを用いることにより、例えば標準モードのI2Cと比べても高速な通信が可能である。
【0039】
シリアル入力信号MOSI、シリアル出力信号MISOは、それぞれホストCPUから物理量測定装置1へのデータ、物理量測定装置1からホストCPUへのデータである。
【0040】
インターフェース部10は、ホストCPUからコマンドを受け取り、コマンドが要求するデータであるコマンド要求データを生成する。コマンドはホストCPUからの命令であり、シリアル入力信号MOSIとして入力されるコマンドデータの形で与えられる。コマンドデータの具体例については後述する。
【0041】
インターフェース部10は、出力信号40(第2の信号)および信号30(第4の信号)のうち少なくとも1つの信号に基づいてコマンド要求データを生成する。そして、コマンド要求データを含み、所定のビット数やフォーマットを有する応答データを生成する。応答データはシリアル出力MISOとして出力されるデータであって、その具体例については後述する。
【0042】
このとき、インターフェース部10は、応答データにコマンド要求データだけでなくエラーフラグを含める。エラーフラグは、エラーの発生の有無を表す1ビット以上のデータである。このとき、エラーフラグとして、ホストCPUから受け取ったコマンドにエラーが含まれているかどうかを表すコマンドエラーフラグを含める。
【0043】
インターフェース部10は、駆動回路5、検出回路6についての故障診断の結果を信号30として受け取るので、回路の故障をコマンド要求データに含むことができる。そして、コマンド要求データだけでなく、受け取ったコマンド自体について通信中にエラーが発生したか否かを表すコマンドエラーフラグをホストCPUに送信する。そのため、例えば通信中のビット化けなどもホストCPUが把握することが可能になり、データの信頼性の高い物理量測定装置1を提供できる。
【0044】
1.2.駆動回路と検出回路の構成例
本実施形態の物理量測定装置1は例えば角速度センサーである。このとき、センサー素子4は、例えば一体である振動子2、3を含み、角速度を検出する。そして、駆動回路5と検出回路6は例えば以下のような構成により実現される。
【0045】
1.2.1.駆動回路
図7は駆動回路5の構成例を表す。なお、図1と同じ要素には同じ符号を付しており説明は省略する。
【0046】
駆動回路5は、例えば電流電圧変換回路52、全波整流回路53、比較調整回路54、駆動信号生成回路55を含む。
【0047】
電流電圧変換回路52は、振動子2からの励振電流80を電圧に変換して信号202を出力する。信号202の振幅は励振電流80の振幅に比例している。全波整流回路53は、電流電圧変換回路52からの信号202を全波整流して直流に近い電圧を得て信号204を出力する。
【0048】
比較調整回路54は、全波整流回路53からの信号204を比較電圧供給回路56からの電圧と比較し、比較結果を反映した信号である信号206を駆動信号生成回路55に出力する。
【0049】
そして、駆動信号生成回路55は、電流電圧変換回路52からの信号202に基づいて駆動信号82を生成するが、信号206に基づいて駆動信号82の振幅を調整する。
【0050】
差動信号90、92(第1の信号、図1参照)の大きさは励振電流80に比例する。そのため、駆動回路5は、環境の変化に関わらず正確に角速度が測定されるように、励振電流80の振幅を一定にするように駆動信号82を制御して出力する。
【0051】
1.2.2.検出回路
図8は、検出回路6の1つの構成例を表す。なお、図1と同じ要素には同じ符号を付しており説明は省略する。
【0052】
検出回路6は、センサー素子4(図1参照)から差動信号90、92を受け取る。そして、差動信号90、92に必要な処理を行い、センサー素子4が検出した角速度に応じた出力信号40を生成する。
【0053】
ここで、同期検波回路66によって直流信号への変換がおこなわれるが、説明の都合上、その変換までの処理を行う回路を前段回路70と表現し、それ以降の回路を後段回路72と表現する。
【0054】
図8のように、前段回路70は、例えば電流電圧変換回路62−1、62−2、差動増幅回路(差動アンプ)63、ハイパスフィルター(HPF)64、増幅回路(ACアンプ)65、同期検波回路66の一部を含む。
【0055】
また、後段回路72は、例えば同期検波回路66の一部、信号出力部67、オフセット調整回路69を含む。
【0056】
電流電圧変換回路62−1、62−2は、それぞれ差動信号90、92の電流を電圧へと変換する。差動信号90、92は、センサー素子4(図1参照)が検出した角速度に応じた電流値を有している。なお、電流電圧変換回路62−1と電流電圧変換回路62−2とは同一の構成である。
【0057】
差動増幅回路63は、電流電圧変換回路62−1、62−2から出力される信号210、212の両方を受け取り、これらの信号の差分を増幅して信号214として出力する。
【0058】
ハイパスフィルター64は、信号214の高周波成分を透過させて、信号216として出力する。
【0059】
そして、増幅回路65は、信号216を増幅して信号218を出力する。
【0060】
同期検波回路66は、信号218を受け取り、同期検波を行う。このとき、角速度の正確な測定のために、オフセット調整回路69からオフセット信号226が同期検波回路66に入力される。
【0061】
信号出力部67は、同期検波回路66から出力される信号220を受け取り、例えばローパスフィルター等によるフィルタリングを行ったり増幅を行ったりする。そして、センサー素子が検出した角速度に応じた出力信号40を生成する。
【0062】
ここで、図9は、別の構成例である検出回路6Aを表す。前記の検出回路6(図8参照)に代えて、検出回路6Aを用いてもよい。なお、図1、図8と同じ要素には同じ符号を付しており説明は省略する。
【0063】
検出回路6Aは、前段回路70として、例えば差動入出力の電流電圧変換回路62と、ADコンバーター(ADC)68とを含む。また、後段回路72は、例えば信号出力部67A、オフセット調整回路69を含む。
【0064】
検出回路6Aは、検出回路6とは異なり、電流電圧変換回路62で差動信号90、92の電流を電圧へと変換した後、直ちにADコンバーター68によって、検出回路6の直流信号に対応する信号222への変換を行う。
【0065】
なお、後段回路72の信号出力部67Aは、検出回路6の信号出力部67と同じようにフィルタリングや増幅を行うとともに、オフセット信号226に基づいてオフセット調整も行う。検出回路6Aは、検出回路6に比べて、回路規模を小さくすることが可能である。
【0066】
ここで、駆動回路5、検出回路6(又は、検出回路6A)のいずれかに故障が生じた場合には、出力信号40は正確な角速度を表さない。そのため、特に高い信頼性が要求される用途において、これらの回路に故障が生じた場合には、直ちにホストCPU等に通知を行う必要がある。
【0067】
1.3.故障診断部
図2は、故障診断部20の構成例を表す。故障診断部20は、駆動回路5、検出回路6についての故障診断を行い、故障診断結果を出力する。
【0068】
故障診断部20は、駆動回路5、検出回路6の内部信号42、44(図1参照)を受け取り、例えばコンパレーターで所定の電圧値と比較することで故障診断を行う。そして、故障診断結果をそれぞれ、または論理回路経由で出力する。
【0069】
図2の例では、故障診断部20は16箇所の故障診断を行うが、診断箇所の数は1以上の任意の数でよい。図2の例では、駆動回路5、検出回路6の動作の状態を表す信号42A、42B、44A、44B等を、故障診断部20は受け取る。例えば、信号42A、42Bは駆動回路5の内部信号42に対応し、信号44A、44Bは検出回路6の内部信号44に対応してもよい。
【0070】
なお、故障診断部20が受け取る信号は故障診断の対象により適当に選択される。例えば、駆動回路5および検出回路6の一方のみから、その内部の動作状態を表す信号を受け取ってもよい。
【0071】
図2の例では、故障診断部20はコンパレーターCMP0〜CMP15を含み、駆動回路5、検出回路6の動作の状態を表す信号42A、42B、44A、44B等と、所定の電圧値Vth0〜Vth15とを比較する。なお、図2では、信号42A、42B、44A、44B等がコンパレーターの入力端子に、電圧値Vth0〜Vth15が反転入力端子に割り当てられているが、逆であってもよい。コンパレーター毎に独立して、設定(所定の電圧値や端子の割り当て)が変更されてもよい。
【0072】
コンパレーターCMP0〜CMP15の出力信号であるEF[0]〜EF[15]は、故障診断の結果を表す。本実施形態では、EF[0]〜EF[15]のそれぞれについて、‘1’であれば故障があったことを表し、‘0’であれば故障はなく正常であることを表す。
【0073】
このとき、故障診断部20は、全体での故障の有無を表す信号30Aを出力してもよい。信号30Aは、EF[0]〜EF[15]を入力したOR回路の出力である。また、EF[0]〜EF[15]のそれぞれは、図2の信号30B〜30E等として出力される。ここで、信号30A〜30Eは、図1における故障診断部20からの信号30に対応する。
【0074】
さらに、故障診断部20は、ホストCPUからのコマンドによってコンパレーターCMP0〜CMP15自体の故障診断を行うモードを有していてもよい。図2のテスト信号TESTにより、予め用意された電圧値Vtest0〜Vtest15が信号42A、42B、44A、44B等に代わって選択される。このとき、信号30A〜30Eが期待値と一致すればコンパレーターCMP0〜CMP15は正常に動作していることが確認できる。
【0075】
故障診断部20がコンパレーター自体の故障診断を行うモードを有することで、さらにデータの信頼性を高めることができる。このコンパレーター自体の故障診断は、例えば物理量測定装置1の起動時に1度だけ行われてもよい。
【0076】
1.4.インターフェース部
図3は、インターフェース部10の構成例を表す。なお、図1と同じ要素には同じ符号を付しており説明は省略する。
【0077】
インターフェース部10は、シフトレジスター11、29、バッファー12、13、コマンド判定回路14、記憶回路15、チェックサム回路16、レジスター17、18、マルチプレクサー19を含む。
【0078】
バッファー12、13、レジスター17、18はそれぞれ2つ用意されているが、同一のバッファー、レジスターを2つ含むことを意味する。本実施形態では、例えば32ビットのデータを2回に分けて16ビットずつ送受信する。つまり、16ビットを送受信の単位としてシリアル通信を行う。このような送信方法により、シフトレジスター11、29のサイズを変えることなく、より大きなデータ(例えば64ビット)を扱うことも可能になる。
【0079】
ここで、ホストCPUからのコマンドを表すコマンドデータ(例えば32ビット)を受信単位(例えば16ビット)で分割し、最初に送信されるデータをコマンド1、その後に送信されるデータをコマンド2とよぶ。コマンド1は、コマンドデータの上位側であってもよいし、下位側であってもよい。
【0080】
同様に、インターフェース部10が出力する応答データ(例えば32ビット)を送信単位(例えば16ビット)で分割し、最初に送信されるデータを応答1、その後に送信されるデータを応答2とよぶ。応答1は、応答データの上位側であってもよいし、下位側であってもよい。
【0081】
1.4.1.シフトレジスターとバッファー
インターフェース部10は、シリアル入力信号MOSIとしてホストCPUから受け取ったコマンドデータを、シフトレジスター11によってパラレルに変換して出力する(信号101)。本実施形態では、コマンドデータは2回に分けて受信されるので、パラレルに変換されたコマンド1をバッファー12に、コマンド2をバッファー13に一時保存する。
【0082】
1.4.2.コマンド判定回路
コマンド判定回路14は、バッファー12、13からコマンドデータを受け取る(信号102、103)。そして、コマンド判定回路14は、コマンドデータからホストCPUが要求するコマンドを判定する。
【0083】
コマンド判定回路14は、判定したコマンドが要求するデータ(コマンド要求データ)を生成するために、記憶回路15から必要なデータを選択するための信号104を出力する。本実施形態では、信号104は例えばレジスターである記憶回路15のアドレスであるが他の信号であってもよい。
【0084】
また、コマンド判定回路14は、コマンドについて通信中にエラーが発生したか否かを判断して、その結果に応じてコマンドエラーフラグ(CEF)を変化させる。コマンドについての通信中のエラーとは、例えばコマンドデータがホストCPUからの通信中にビット化けなどを生じて、コマンドが正しいコードでなくなることをいう。
【0085】
なお、コマンド判定回路14は、コマンドに基づいてデータを更新、変更する必要があるときには、信号105を用いて記憶回路15に書き込みを行ってもよい。本実施形態では、信号105は例えばレジスターである記憶回路15のデータであるが他の信号であってもよい。
【0086】
ここで、図4は本実施形態のコマンドデータを表す。この例では、第1〜第8のコマンドがあり、それぞれに対応して異なるコマンドデータが割り当てられている。例えば、第1のコマンドは検出した物理量(例えば、角速度)に応じた信号の出力を要求する通常動作用のコマンドであってもよい。また、第2のコマンドは、どの部分で故障が生じたかのデータを取得するための故障診断を開始させるコマンドであってもよい。そして、第2のコマンドは、故障箇所を特定するための故障診断結果を出力させるコマンドであってもよい。
【0087】
図4のようにコマンド1のビット15は、コマンドデータであることを示すために0になっている。コマンド判定回路14は、コマンド1のビット15によって容易にコマンドデータとそれ以外のデータとを区別することができる。
【0088】
そして、コマンド1において、それぞれのコマンドが他のコマンドと重ならない固有の1ビットを割り当てられており、その固有の1ビットの値を1にしている。図4の例では、この固有の1ビットは、8つのコマンドに対応するビット14〜ビット7(計8ビット)にある。
【0089】
例えば、第1のコマンドは、ビット14が1であり、ビット13〜ビット7は0である。また、第2のコマンドは、ビット13が1であり、ビット12〜ビット7およびビット14は0である。このように、それぞれのコマンドが重複しないようにビット14〜ビット7のうちの1ビットだけを1にしているので、コマンド判定回路14は容易にコマンドを判定できる。
【0090】
ここで、8つのコマンドを区別するためには、エンコードして3ビットを用いるだけで判定が可能である。例えばビット14〜ビット12を用いて、第1のコマンドに“000b”を割り当て、第2のコマンドに“001b”を割り当ててもよい。
【0091】
しかし、この手法の場合には、コマンドデータが通信中にビット化けなどを生じた場合に、コマンド判定回路14がエラーを検知することができない。例えば、ビット12が0から1へとビット化けを生じた場合には、コマンド判定回路14は第1のコマンドを第2のコマンドと誤って判定してしまう。
【0092】
そのため、本実施形態では、図4のように他のコマンドと重ならない固有の1ビットを1にすることで、コマンド判定回路14が通信中にビット化けが生じたことも検知できるようにする。
【0093】
図4の例では、例えばホストCPUが第1のコマンドを指定した場合に、コマンド1のビット14がビット化けを生じた場合には、コマンド1の全ビットが0になるのでコマンド判定回路14がエラーを検知できる。また、コマンド1のビット12がビット化けを生じた場合には、2つのビットが1であるのでコマンド判定回路14がエラーを検知できる。
【0094】
コマンド判定回路14は、コマンドのエラーを検知した場合に、コマンドエラーフラグ(CEF)を1にセットして、ホストCPUにコマンドの再送を要求することができる。よって、データの信頼性の高い物理量測定装置1を実現できる。
【0095】
なお、図4の例ではコマンド2は全ビットが0であるが、コマンドを16以上用意した場合の予約領域であってもよいし、コマンド1のビット14〜ビット7の一部をコマンド2に持たせてコマンドデータを構成してもよい。
【0096】
1.4.3.記憶回路
記憶回路15は、検出回路からの検出された角速度に応じた出力信号40、故障診断部20からの故障診断結果を表す信号30、コマンド判定回路14からのデータである信号105を記憶する。
【0097】
記憶回路15は例えばレジスターである。なお、SRAMであってもよいし、DRAMであってもよいし、不揮発性のメモリーであってもよいし、その他のメモリーであってもよい。そして、コマンド判定回路14からのアドレス(信号104)に従って、選択されたデータ106を出力する。
【0098】
1.4.4.チェックサム回路
本実施形態のインターフェース部10は、チェックサム回路16を含む。チェックサム回路16は、インターフェース部10が出力する応答データ(例えば32ビット)が含むチェックサムを生成する。これにより、例えば応答データが通信中にビット化けを生じたときに、ホストCPUがエラーを検知することが可能になる。このとき、ホストCPUは再送要求を行うことができ、正しい応答データを得られる。つまり、チェックサムによりデータの信頼性をさらに高めることができる。
【0099】
チェックサムは、対象となるビットの値を足した合計であってもよい。例えば、チェックサムが5ビットであるとすると、応答データのチェックサム以外の27ビットの値を足した数がチェックサムとなる。例えば、この27ビットが全て1であればチェックサムの値は27である。このとき、ビット化け等により1つのビットが0となると、チェックサムの値と合わなくなる。そのため、ホストCPUは通信中のエラーの発生を知ることができる。
【0100】
図3では、チェックサム回路16は、信号106に基づいてチェックサムを算出して信号107として出力している。しかし、信号106の代わりに、応答データとしてレジスター17、18に一時保存されたデータ(信号108、109)を読み出して、チェックサムを算出してもよい。
【0101】
1.4.5.レジスター、とシフトレジスター
インターフェース部10は、応答データを送信単位で分割して、レジスター17、18に一時保存する。レジスター17は応答1を一時保存し、レジスター18は応答2を一時保存する。ここで、本実施形態では、チェックサムである信号107の値もレジスター17に保存される。
【0102】
そして、それぞれのレジスターから出力される信号108、109は、マルチプレクサー19によって順に選択される。マルチプレクサー19の出力である信号110は、シフトレジスター29によってシリアルに変換されて、シリアル出力信号MISOとして送信される。
【0103】
ここで、図5は本実施形態の応答データを表す。なお、図5の第1〜第8のコマンドは図4に対応しており、説明は省略する。なお、第2のコマンドでは各ビットの内容が表示されていないが、第2のコマンド(故障診断開始)はホストCPUへのデータ送信を要しないコマンドであるため、応答データが無いことを示している。
【0104】
応答1のビット15〜ビット7は、コマンドによらず同じデータが割り当てられている。まず、ビット11〜ビット7は、チェックサム回路(図3参照)が計算したチェックサムである。
【0105】
本実施形態では、チェックサムを算出するときの対象ビットは応答1のビット6〜ビット0および応答2の全ビットだけでなく、フラグである応答1のビット15〜ビット12も含む。フラグ1〜フラグ4は、ホストCPUがコマンドで要求したコマンド要求データではないが、これらもチェックサムの対象ビットとすることでコマンド要求データ以外についてもエラーの発生を検出することが可能になる。
【0106】
応答1のビット15〜ビット12はフラグ4〜フラグ1であり、特にエラーの有無を示すエラーフラグである。本実施形態では、ビット15のフラグ4は、コマンドエラーフラグである。例えば、ホストCPUは、コマンドエラーフラグが1である場合には、コマンドを再送するなどの対応をとってもよい。
【0107】
また、本実施形態では、ビット14のフラグ3は、故障診断の結果でどこかにエラーが生じたことを示す常時故障診断フラグである。常時故障診断フラグは、図2の信号30Aに対応する。例えば、ホストCPUは、常時故障診断フラグが1である場合には、故障箇所を特定するために故障診断開始を命じる第2のコマンドを送信してもよい。
【0108】
なお、ビット13〜ビット12のフラグ2〜フラグ1には、他のエラーフラグが割り当てられてもよい。例えば、図2の故障診断結果30B、30Cがそれぞれ割り当てられてもよい。また、ビット13〜ビット12にはエラーフラグではなく、駆動回路5、検出回路6のステータス(状態)を表す信号が割り当てられてもよい。
【0109】
例えば、ビット13のフラグ2として、例えば第2のコマンドによる故障診断を開始した場合などに、故障診断の結果を出力できることを示すステータス信号が割り当てられてもよい。また、ビット12のフラグ1として、例えば故障診断部20のコンパレーターのテストを行うテストモードであることを示すステータス信号が割り当てられてもよい。なお、このテストモードのステータス信号は、図2のTEST信号に対応する。
【0110】
ビット15〜ビット12はコマンドによらず出力されるエラーフラグ(又はステータス信号)であるので、ホストCPUはフラグ4〜フラグ1の内容に基づいて、エラーの有無を含む最新の情報を直ちに把握することが可能になる。
【0111】
応答1のビット6〜ビット0および応答2の全ビットは、それぞれのコマンドに応じたコマンド要求データとして用いられる。例えば、第1のコマンドの場合には、検出された物理量(例えば角速度)に応じた信号の値が出力される。また例えば、第3のコマンドの場合には、故障診断部20における全ての故障診断結果EF[15:0]が出力される。なおEF[15:0]は図2のEF[15]〜EF[0]に対応する。
【0112】
その他のコマンドについても、コマンド要求データとして様々なデータを出力可能である。例えば第4のコマンドは角速度とは異なる、例えば温度といった測定値を出力してもよいし、例えば第8のコマンドは負荷状態等を示すステータス信号を出力してもよい。コマンド数も8つに限らず、第9のコマンド以降への拡張も容易に行うことが可能である。
【0113】
1.4.6.シリアル通信のタイミング
図6は、本実施形態のコマンドデータと応答データの送受信のタイミングを示す図である。なお、図1〜図5と同じ要素には同じ符号を付しており説明は省略する。
【0114】
インターフェース部10は、コマンドデータをコマンド1とコマンド2の2回に分けて受け取る。また、応答データを応答1と応答2の2回に分けて出力する。
【0115】
データの送受信が行われる期間(例えば、時刻t0〜t1)は、スレーブ選択信号SSは‘0’である。この期間はシリアルクロックSCKの16クロック分であり、インターフェース部は、例えばコマンドデータを1ビットずつ受信する。なお、本実施形態では、シリアルクロックSCKのクロック周波数は10MHzであって、標準モードのI2Cと比べても高速な通信が可能である。
【0116】
インターフェース部10は、まず、第Nのコマンドデータを、第Nのコマンド1(時刻t0〜t1)、第Nのコマンド2(時刻t2〜t3)の順に受け取る。そして、第Nのコマンドが要求するデータを含む、第Nの応答データを生成する。
【0117】
そして、インターフェース部10は、第N+1のコマンド1(時刻t4〜t5)、第N+1のコマンド2(時刻t6〜t7)を受け取るとともに、第Nの応答1(時刻t4〜t5)、第Nの応答2(時刻t6〜t7)を送信する。
【0118】
その後、第N+1のコマンドに対する第N+1の応答データを、第N+1の応答1(時刻t8〜t9)、第N+1の応答2(時刻t10〜t11)の順に送信する。
【0119】
本実施形態の物理量測定装置1では、SPIといった高速なシリアル通信方式を用いることができ、駆動回路、検出回路の故障のみならず、通信中のビット化けなどについてもエラー通知を行う、信頼性の高い物理量測定装置等1を提供できる。
【0120】
そのため、本実施形態の物理量測定装置1は、安全性が求められる自動車、飛行機、船舶、鉄道等にも搭載することができる。例えば自動車の走行制御装置の一部として好適に適用が可能である。
【0121】
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0122】
1…物理量測定装置(角速度センサー)、2…振動子、3…振動子、4…センサー素子、5…駆動回路、6…検出回路、6A…検出回路、7…動作設定回路、10…インターフェース部、11…シフトレジスター、12…バッファー、13…バッファー、14…コマンド判定回路、15…記憶回路、16…チェックサム回路、17…レジスター、18…レジスター、19…マルチプレクサー、20…故障診断部、29…シフトレジスター、30、30A、30B、30C、30D、30E…信号(第4の信号)、40…出力信号(第2の信号)、42、42A、42B…内部信号(第3の信号)、44、44A、44B…内部信号(第3の信号)、52…電流電圧変換回路、53…全波整流回路、54…比較調整回路、55…駆動信号生成回路、56…比較電圧供給回路、62、62−1、62−2…電流電圧変換回路、63…差動増幅回路(差動アンプ)、64…ハイパスフィルター(HPF)、65…増幅回路(ACアンプ)、66…同期検波回路、67、67A…信号出力部、68…ADコンバーター(ADC)、69…オフセット調整回路、70…前段回路、72…後段回路、80…励振電流、82…駆動信号、90、92…差動信号(第1の信号)、202、204、206、210、212、214、216、218、220、222…信号、210A、212A…差動信号、226…オフセット信号、CMP0〜CMP15…コンパレーター、EF…エラーフラグ、SS…スレーブ選択信号、SCK…シリアルクロック、MOSI…シリアル入力信号、MISO…シリアル出力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の物理量を検出する物理量測定装置であって、
前記所定の物理量を検出し、検出された前記所定の物理量の大きさに応じた信号である第1の信号を出力するセンサー素子と、
前記第1の信号に基づいて、前記所定の物理量に応じた第2の信号を生成する検出回路と、
駆動信号を生成し、前記駆動信号を前記センサー素子に供給する駆動回路と、
前記検出回路および前記駆動回路の少なくとも1つから内部信号である第3の信号を受け取り、前記第3の信号に基づいて前記検出回路および前記駆動回路の少なくとも1つについての故障診断を行い、前記故障診断の結果に応じた信号である第4の信号を出力する故障診断部と、
コマンドを受け取り、前記コマンドが要求するデータであるコマンド要求データを生成し、前記コマンド要求データを含む応答データをシリアルに送信するインターフェース部と、を含み、
前記インターフェース部は、
前記第2の信号および前記第4の信号のうち少なくとも1つの信号に基づいて前記コマンド要求データを生成し、
前記応答データに、エラーの発生の有無を表すエラーフラグを含め、
前記エラーフラグに、前記コマンドについて通信中にエラーが発生したか否かを表すコマンドエラーフラグを少なくとも含める物理量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物理量測定装置において、
前記インターフェース部は、
他の前記コマンドと重ならない固有の1つのビットのみに所定の値を有するコマンドデータをシリアルに受け取り、
前記コマンドデータに基づいて、前記コマンドについて通信中にエラーが発生したか否かを判断して、前記エラーフラグの値を定める物理量測定装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載の物理量測定装置において、
前記インターフェース部は、
前記コマンドの1つである故障診断結果出力コマンドを受け取った場合に、
前記故障診断部が行った前記故障診断のそれぞれの結果を含む前記コマンド要求データを生成する物理量測定装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の物理量測定装置において、
前記インターフェース部は、
前記応答データに、前記コマンド要求データおよび前記エラーフラグについてのチェックサムを含める物理量測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の物理量測定装置において、
前記インターフェース部は、
前記応答データを複数回に分けて送信する物理量測定装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の物理量測定装置において、
前記センサー素子は、
前記所定の物理量として角速度を検出する物理量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−181677(P2012−181677A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44191(P2011−44191)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】