物質移動塔用接触トレイ
【課題】比較的単純な構成で設置が容易な弁カバーのある物質移動塔用接触トレイを提供すること。
【解決手段】この物質移動塔用接触トレイ11は、上昇蒸気を通すための複数のオリフィス15を有する、液体の流れ13を受けるためのトレイデッキ14およびこれらのオリフィス内に可動に取付けた複数の弁カバー16を含む。オリフィス15は、矩形の中央部17およびそれから両側に伸びる幅狭の矩形端部18を有する。弁カバー16は、トレイデッキ14から離してこの中央部17の上に配置した中央部分19およびこの中央部分の両側に伸びる傾斜部分20およびそれから更にトレイの下へ伸びるタブ21を有する。この弁カバー16は、傾斜部分20がデッキ14に載っていて、タブ21がデッキの下側と係合するので、その脱落および持上がりを容易に防げ、一方デッキの上からでも下からでも設置できる。
【解決手段】この物質移動塔用接触トレイ11は、上昇蒸気を通すための複数のオリフィス15を有する、液体の流れ13を受けるためのトレイデッキ14およびこれらのオリフィス内に可動に取付けた複数の弁カバー16を含む。オリフィス15は、矩形の中央部17およびそれから両側に伸びる幅狭の矩形端部18を有する。弁カバー16は、トレイデッキ14から離してこの中央部17の上に配置した中央部分19およびこの中央部分の両側に伸びる傾斜部分20およびそれから更にトレイの下へ伸びるタブ21を有する。この弁カバー16は、傾斜部分20がデッキ14に載っていて、タブ21がデッキの下側と係合するので、その脱落および持上がりを容易に防げ、一方デッキの上からでも下からでも設置できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物質移動塔用接触トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、種々の型式の物質移動塔がこの塔の高さ全体に亘って接触トレイをそれらのトレイの隅から隅まで配列したオリフィスと離間した関係に配置して構成してある。大抵の場合、これらのトレイは、下降する液体を各トレイを横切り且つ各トレイの片側にあるダウンカマを介してこの塔の高さ全体に亘ってジグザグ式にトレイからトレイへ導けるように、一方上昇蒸気がこれらのオリフィスを通過してこの液体と蒸気が物質移動または熱伝達作用に入れるように配置してある。他の場合、これらのトレイは、蒸気と液体が各方向にこれらのオリフィスを通り抜けるために競争するように円形複流トレイとして作ってある。高液体流量の大型塔では、複数ダウンカマおよび複数トレイデッキ領域を各トレイ高さで使用する。これらの可動弁および隣接するトレイデッキは、多くの用途で腐食の増加に曝される。
【0003】
米国特許第3,463,464号および第6,588,736号に記載してあるような、幾つかの場合には、液体がこれらのトレイに作ってある蒸気導入オリフィスを下方に通り抜けるのを防ぐために、流体デフレクタ部材がトレイデッキで各オリフィスの直ぐ上に位置する。説明してあるように、これらのデフレクタ部材は、これらのトレイから一体式に作ってある。この種のトレイは、デフレクタ部材がこのトレイデッキ内に一体構造であるために比較的強いが、これらのデフレクタ部材の持上げ高さは、特に脆い材料の場合、制限されている。即ち、デフレクタ部材の形成がこの材料に材料の深さより大きい長さに伸びることを要求するので、かなりの伸びと脆い材料の組合わせは、この成形プロセス中にこれらのデフレクタ部材に亀裂を生じることがある。
【0004】
米国特許第5,911,922号および第5,762,834号は、接触トレイのオリフィスを横切って取付けることができ且つ可動弁として機能するブリッジ部材を記載する。これらのブリッジ部材は、これらのブリッジ部材の脚を取付けるためにこの接触トレイにオリフィスに隣接してスロットを作ることが必要であった。その結果、これらのブリッジ部材は、設置がかなり厄介であった。
【0005】
米国特許第5,360,583号は、トレイに関して可動であり且つデッキに対する上方運動を制限するために外曲げした足を有する流体デフレクタ部材は勿論、トレイと一体の流体デフレクタ部材を記載する。しかし、その様な構造では設置が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、この発明の目的は、比較的単純な構成の接触トレイ用弁カバーを提供することである。
この発明のもう一つの目的は、設置が容易な接触トレイ用弁カバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡単に言えば、この発明は、液体の流れを受けるためのトレイデッキで、上昇蒸気を通すための複数のオリフィスを有するデッキおよびこれらのオリフィス内に可動に取付けた複数の弁カバーを使用する、物質移動塔用接触トレイを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
一実施例で、各オリフィスは、矩形に作ってあり、および各弁カバーは、金属薄板製でそれぞれのオリフィスの中央部の上に配置した中央部分およびこの中央部分の対向する端から伸び且つそれぞれのオリフィスに突っ込む、1対の弾性傾斜部分を有する。この実施例では、弁カバーをオリフィスの下からまたは上から挿入してもよい。
【0009】
この弁カバーがオリフィスを通り抜けて落ちるのを防ぐために、この弁カバーの中央部分がオリフィスより広く作ってある。この弁カバーがオリフィスを通って上に吹飛ばされるのを防ぐために、この弁カバーは、この弁カバーの傾斜部分がこのオリフィスを越えて下へ伸びるように、このオリフィスより長く作ってある。
【0010】
この弁カバーは、弁カバーが上記トレイから持上がるのを防ぐためにこの弁カバーをトレイデッキと係合させるための手段も備えてよい。
弁カバーをオリフィス内の定位置に固定するために、このオリフィスは、その短辺にオリフィスの内部に向いた一つ以上の突起が作ってあってもよく、およびこの弁カバーの傾斜部分の各々は、これらの突起を受けるために対応する数のスロットまたは開口を有してもよい。その代りに、これらの傾斜部分の一つまたは両方が、このオリフィスのそれぞれの端でスナップ嵌めによってこのトレイに上および下から係合する、1対の離間した外方に伸びるかえしを有してもよい。
【0011】
この発明の更に他の実施例では、各オリフィスが中央部およびこの中央部の対向する端から伸びる、幅の狭い一つ以上の端部でできている。この実施例で、各弁カバーは、金属薄板製で、それぞれのオリフィスの中央部の上に配置した中央部分、この中央部分の対向する端から伸びる1対の弾性傾斜部分および端部の数に対応する一つ以上のタブを有する。各タブは、傾斜部分からこのオリフィスのそれぞれの端部を通ってこのトレイの下へ伸びる。この実施例で、これらの傾斜部分は、この弁カバーがこのトレイから落ちるのを防ぐために、この弁カバーを定位置に置いたとき、このトレイに当接して載るように、これらの端部より幅が広い。これらのタブは、この弁カバーがこのトレイから持上がるのを防ぐためにこのトレイの下でこのオリフィスの幅を越えて伸びる。
【0012】
この後者の実施例で、弁カバーの一つ以上のタグが、定位置にあるときこの弁カバーがトレイから落ちるのを防ぐために、トレイの下側に係合するための外方に伸びるかえしを備えてもよい。
【0013】
この弁カバーをトレイデッキのオリフィスに設置するためには、この弁カバーの二つのタブがこのオリフィスの端部を通過できるように、この弁カバーの二つの傾斜部分を内方に曲げる。その後、この弁カバーをこれらのタブによってこのオリフィスに対して定位置に保持するように、傾斜部分を元の形状に曲げ戻らせる。この点で、この弁カバーの傾斜部分は、トレイデッキの片側に載り、一方この弁カバーのタブは、このトレイデッキのオリフィスに隣接する下側に対して係合する。
【0014】
その代りに、最初に一つのタブをオリフィスの端部に挿入し、次に反対のタブを内方に曲げてこのオリフィスの反対端部を通過させて定位置に動かすことによって、この弁カバーをトレイデッキのオリフィスに挿入してもよい。
【0015】
この弁カバーは、また、このオリフィスを通して上方にねじ込み、次にこれらのタブをオリフィスの端部に挿入することによって、下からトレイデッキのオリフィスに挿入してもよい。
【0016】
更に、各上記弁カバーの中央部分は、この弁カバーをオリフィスを通してねじ込む必要なくこのオリフィスを上方に通過させるために、それぞれのオリフィスの中央部より狭い幅に作ってもよい。この場合、これらの傾斜部分は、これらの傾斜部分がこのオリフィスを通過するまで、この弁カバーがこのオリフィスを通って上方に動けるようにするために、これらの傾斜部分を内方に曲げるだろう。これらの傾斜部分を放すと、これらのタブは、このオリフィスの端部に動くだろう。
【0017】
更に他の実施例では、このオリフィスが矩形でもよく、およびこの弁カバーがこのオリフィスの中央部の上に配置した中央部分、この中央部分の対向する端から伸び且つこのトレイに当接するためにこのオリフィスより広い1対の弾性傾斜部分および各々この傾斜部分からこのトレイに関して垂直に伸びる1対のタブを有する。この弁カバーがオリフィスを通って上に吹飛ばされるのを防ぐために、タブの一つまたは両方は、定位置にあるときこのトレイの下側と係合するために外方に伸びるかえしを備える。
【0018】
更に他の実施例で、このオリフィスが矩形でもよく、およびこの弁カバーをこのオリフィスと同じ幅であるが長さを長く作ってもよい。この実施例で、この弁カバーは、このオリフィスの中央部の上に配置した中央部分およびこの中央部分の対向する端からこのオリフィスを通り且つ越えて伸びる1対の弾性傾斜部分を有する。これらの傾斜部分は、この弁カバーがこのオリフィスから持上がるのを防ぐのに役立つ。この弁カバーがオリフィスを通り抜けて落ちるのを防ぐために、傾斜部分の一つまた両方が、その端に作ってあり且つトレイの上部と係合するために外方に曲がる一つ以上の一体のタブを有する。
【0019】
この弁カバーは、任意の適当な材料および厚さで作ってもよい。例えば、この弁カバーの厚さが1.5mmないし3.5mmでもよい。
一実施例で、各オリフィスのこの中央部は、その大端を、このトレイを横切る液体の流れに関して上流側にした台形である。一実施例では、各弁カバーの中央部分が相補の台形である。更に、弁カバーの中央部分および傾斜部分は、オリフィスの中央部より幅が広くてもよい。
【0020】
この発明のこれらおよびその他の目的並びに利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に検討すればより明白となろう。
【実施例】
【0021】
図5を参照して、塔10が鉛直軸上に配置してあり且つ従来の方法で構成してある。図示するように、この塔10は、この塔10の高さ全体に亘って互いに間隔を空けた垂直関係に配置した複数の水平配置接触トレイ11および複数のダウンカマ12を含む。これらのダウンカマ12は、液体の流れ13をそれぞれの接触トレイを水平に横切ってジグザグ式に導くために、それぞれの接触トレイ11の片側が直ぐ下の接触トレイ11の反対側に通じるように従来の様式で構成してある。ある場合には、トレイ11毎に二つ以上のダウンカマがあってもよい。
【0022】
図1および図4を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、各接触トレイ11は、液体で物質移動または熱伝達するために上昇する蒸気を貫通させるための複数のオリフィス15並びにこの液体がこれらのオリフィス15を通過するのを防ぐためおよびこの蒸気の流れをこれらのオリフィス15に関して横に導くための複数の弁カバー16を有するトレイデッキ14を有する。
【0023】
トレイデッキ14にある各オリフィス15は、中央部17およびこの中央部17の対向する端から伸びる1対の幅狭の矩形端部18を有する。この中央部17は、円形、矩形、ダイヤモンド形のような、またはさもなければ作動特性、設置容易性、若しくは生産コストを向上しようとして、任意の適当な形状に作ってもよい。図示するように、この中央部17は、その大端を、このトレイデッキを、例えば、図で見て右から左へ、横切る液体の流れ13に関して上流側にした台形であるのが好ましい。これらの端部18は、最も経済的且つ機能的などんな形に作ってもよい。
【0024】
図2および図3を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、各弁カバー16がトレイデッキ14と離れた平行関係に且つそれぞれのオリフィス15の中央部17の上に配置した中央部分19を有する。その上、各弁カバー16は、この中央部分19の対向する端から伸び且つトレイデッキ14に載っている(図2参照)1対の傾斜部分20を有する。これに関して、これらの傾斜部分20は、幅がオリフィス15の矩形部18の幅より広い。
【0025】
各弁カバー16は、1対のタブ21も有し、その各々は、それぞれの傾斜部20からオリフィス15のそれぞれの矩形部18を通ってトレイデッキ14の下へ(図2参照)共面関係に伸びる。各タブ21は、オリフィス15の矩形部18を通過する幅で、定位置にあるとき、トレイデッキ14の下側と係合する長さの矩形である。
【0026】
その代りに、各タブ21は、使用中にこの弁カバー16がトレイデッキ14の開口15から出るのを留めるための適当な別の形状でもよい。それで、このタブ21は、弁カバー16がトレイデッキ14から持上がるのを防ぐための手段として作用する。
【0027】
同様に、一つの広いタブの代りに、幅の狭い複数のタブを各傾斜部分20に使ってもよい。例えば、二つのタブが、各角に一つ、傾斜部分20から伸びてもよい。
【0028】
弁カバー16を間違った向きに設置するのを防ぐために、弁カバー16のタブ21を、および、同様に、オリフィス15の矩形部18を異なる形状および幅に作ってもよい。
その代りに、弁カバー16を押出し弁として使えるように、中央部17がトレイデッキ14と平行でなくてもよい。
【0029】
また、弁カバー16が図1で見られるように多弦形状である代りに、この弁カバーは、曲りがなく一つの連続弧である、弧形状でもよい。この後者の実施例では、弧形弁カバーがこのトレイデッキと離れた関係に且つオリフィスの上に配置した中央弧状部分、このトレイデッキ上に設置するためにこの中央部分の対向する端から伸びる、湾曲した形状の1対の弾性傾斜部分、およびこのオリフィスに突っ込むためにこれらの傾斜部分から伸びる、これらの傾斜部分より幅の狭いタブを有する。
【0030】
弁カバー16の中央部分19は、この中央部分19および弁カバー16の傾斜部分20の長さ全体に亘ってオリフィス15の中央部17より幅広に作ってもよい。
【0031】
図2に示すように、弁カバー16の傾斜部分20は、この中央部分と鈍角Aを成す。この角度Aが90°に近いとき、各タブは、T字形で、このタブの縦棒は傾斜部分20から伸び且つそれより狭く、およびこのタブの横棒は、幅が傾斜部分20に等しいかそれより広い。このタブ21の横棒を傾斜部分20およびこのオリフィスの矩形部18より幅広に作る場合、これらの横棒は、トレイデッキ14の下側に当接し、それによってこの弁カバー16がトレイデッキ14のオリフィス15から持上がるのを防ぐ。
【0032】
この弁カバー16は、金属薄板のような、任意の適当な材料で作ってあり、且つ適当な厚さ、例えば、10ないし16番、即ち、厚さが1.5mmないし3.5mmである。これは、この弁カバー16を設置するとき容易に曲げられるようにする。
【0033】
例として、このトレイデッキ14は、厚さが3.5mmである。このトレイデッキは、12番および14番の材料で、即ち、厚さ1.9mmおよび3.4mmで作るのが好ましい。従って、厚さ1.5ないし3.5mmの厚さのトレイデッキに対して、弁カバー16は、1.5ないし3.5mmの対応する厚さを有する。この点で、弁カバー16は、トレイデッキ14より薄くてもよい。典型的に、このカバーの厚さは、持上げ力および腐食限界に対処するために十分強いだけでよい。
【0034】
オリフィス15の矩形部18は、幅が15.5mmであり、一方弁カバー16のタブ21は、幅が15mmである。従って、この弁カバー16を設置するとき、弁カバー16のタブ21がオリフィス15の矩形部18を通り抜けるための僅かな隙間がある。
【0035】
この塔10の運転中、液体をこの塔10の上端に導き、トレイデッキ14からトレイデッキ14へジグザグ様式で且つ各トレイを横切って流れさせる。同時に、蒸気をこの塔の底から各トレイデッキ14にある各オリフィス15を通って上におよび各オリフィス15の上に弁カバー16が作った二つの隙間を通って横に通す。
【0036】
この弁カバー16は、二つの目的に適う。第1に、この弁カバー16は、低蒸気速度で液体がオリフィス15を下降するのを妨げる。これは、トレイ11の動作範囲を拡げるのを助ける。第2に、この弁カバー16は、この蒸気をこの液体を介して真っ直ぐ吹き上がるだけでなく、この液体を介して横に分散させる。これは、蒸気と液体の混合を促進し、およびトレイデッキ14上を上のデッキ14まで真っ直ぐ液体を飛沫同伴するのを妨げもする。
【0037】
上記のように、弁カバー16の中央部分19は、オリフィス15の中央部17より幅が広くてもよい。この場合、この弁カバー重なりが大きいトレイデッキ開口面積を使うことを可能にし、それはトレイ蒸気性能を増す傾向がある。また、弁カバー16の中央部分19は、異なる圧力システムでは、それが有利であれば、オリフィス15の中央部17より幅が狭くてもよい。
【0038】
この弁カバー16は、トレイデッキ14の上側か下側かのどちらかから設置できる。この利点がこの弁カバー16を他の弁カバーから差別化する。
更に、この弁カバー16は、設置するとき、タブ21にこの弁カバー16を定位置に保持させるために変形および/またはある種のクリンピングを要するのではなく撓む能力を有する。この点で、この弁カバー16をオリフィス15上に置き、次に本来の場所にパチンと嵌められる。
【0039】
図6および図7を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー24がトレイデッキ14から持上がるのを防ぐための手段が突起およびスロット装置の形をしている。この実施例で、トレイデッキ14は、矩形のオリフィス22が作ってあり、その小端の各々にこのオリフィス22に突出する突起23を備えてもよく、並びに弁カバー24は、細長い中央部分25および1対の傾斜部分26を有し、その各々は、突起23を受ける大きさのスロット27を有する。
【0040】
この実施例で、弁カバー24は、幅がオリフィス22と同じでもよい。この場合、このオリフィスの突起23は、この弁24を定位置に保持するために、この弁カバー24のスロット27内に係合する。
【0041】
この弁カバー24がオリフィス22を通り抜けて落ちるのを防ぐために、スロット27および突起23を使わない場合は、この弁カバー24の中央部分25をオリフィス22より広く作る。これらの傾斜部分26は、弁カバー24が定位置にあるときこのオリフィス22を通って上に吹飛ばされるのを防ぐのに役立つ。その代りに、各傾斜部分26の下部がこのトレイ11を通過して下に入るために幅がオリフィス22より狭くて、各傾斜部分26の上部をこのトレイ11に載せるためにオリフィス22より広く作ってもよい。
【0042】
図8を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー24’が、各トレイの対応するオリフィスにある類似の番号の突起(図示せず)と係合するために、各傾斜部分26に作った1対のスロット27を有してもよい。このカバー24’は、矩形のオリフィス15(図示せず)に使用するような形状にしてある。このため、このカバー24’の幅aは、矩形オリフィスの幅に等しく作ってあり、スロット27の対間の距離bは、このオリフィスの長さに等しく作ってある。
【0043】
図9および図10を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー24がトレイデッキ14から持上がるのを防ぐための手段がトレイデッキ14と係合するための一つ以上のかえしまたは突起の形をしていてもよい。図示するように、弁カバー28は、オリフィスの各端でスナップ嵌めによってこのトレイデッキ14に上および下から係合するために、各傾斜部分26に作った1対の離間した外方に伸びるかえし29を有してもよい。
【0044】
図11を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、図1ないし3で説明したような弁カバー16は、この弁カバー16がトレイ11から持上がるのを防ぐために、定位置にあるときこのトレイ11の下側と係合するために各タブ21に作った外方に伸びるかえし29を有してもよい。上記のように、各傾斜部分20は、オリフィス15の中央部17より広い。
【0045】
図12を参照して、弁カバー30は、中央部分31および1対の傾斜部分32を上記のように作り、各傾斜部分32を下端で複数のタブ33を作るように指状にしてもよい。この実施例で、オリフィス(図示せず)は、弁カバー30のタブ33の数に対応する複数の端部が作ってある。上記のように、各端部は、タブ33を通過させ且つタブ33をトレイの下側と係合させる幅に作ってある。
この実施例で、弁カバー30は、定位置にあるときトレイの上部に載り、タブ33は、この弁カバー30がトレイのオリフィスから持上がるのを防ぐに役立つ。
【0046】
図13および図14を参照して、弁カバー34が中央部分19を有し、それから1対の傾斜部分20が伸び、および各傾斜部分20は、このトレイ11から垂直に伸びるタブ35を有する。この弁カバー34がトレイデッキ14にあるオリフィスを通って上に吹飛ばされるのを防ぐために、各タブ35は、図14に示すように定位置にあるときトレイ11の下側と係合するために外方に伸びるかえし29を備える。また、各傾斜部分20は、トレイデッキ14を通過するためにタブ35の幅に狭めてあってもよいが、この場合、第2かえし(図示せず)を図9の実施例のかえし29の対のように使ってもよい。
【0047】
図15および図16を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー36が同じ幅の矩形オリフィスと協同する。この実施例で、弁カバー36は、オリフィスの中央部の上に配置した中央部分19および、図16に示すように、この中央部分19の対向する端からこのオリフィスを通り且つ越えて伸びる1対の弾性傾斜部分20を有する。これらの傾斜部分20は、この弁カバー36がこのオリフィスから持上がるのを防ぐに役立つ。この弁カバー36がオリフィスを通り抜けて落ちるのを防ぐために、各傾斜部分20は、その端に作ってあり且つ、図16に示すように、トレイ11の上部と係合するために外方に曲げてある、少なくとも一つの一体のタブ37を有する。
【0048】
この発明は、この様に容易に設置できる弁カバーおよび労賃を節減するトレイを提供する。
この発明は、更に、迅速設置技術およびトレイのどちらの側からも設置できることを可能にする弁カバーの幾つかの実施例を提供する。これらの特徴は、次には設置のコストを低減する役に立ち、それによってこの弁を使用する費用効果を他より良くする。
【0049】
別々の弁があるトレイの大きい欠点の一つは、弁の各々を設置するための労賃である。迅速な設置方法およびどちらの側からも設置できることは、これらのコストを低減するのを助け、この弁を使用する費用効果を他より良くする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明による弁カバーのあるトレイデッキの一部の透視図を示す。
【図2】図1の線2−2によって切断した図を示す。
【図3】図1の弁カバーの平面図を示す。
【図4】弁カバーが定位置にない、図1のトレイデッキの一部の平面図を示す。
【図5】この発明による接触トレイを複数使う塔の側面図を概略的に示す。
【図6】この発明によるスロットを有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図7】図6の弁カバーを受けるためのオリフィスを備えるトレイの一部を示す。
【図8】図6に類似する弁カバーの平面図を示す。
【図9】この発明によるかえし対を有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図10】トレイに取付けた、図9の弁カバーの側面図を示す。
【図11】トレイに取付けた、かえしのある、図9に類似する、修正した弁カバーの側面図を示す。
【図12】この発明による複数の端部を有する、修正した弁カバーの平面図を示す。
【図13】この発明による垂直端部を有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図14】トレイに取付けた、図13の弁カバーの側面図を示す。
【図15】この発明による曲げた一体タブを有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図16】トレイに取付けた、図15の弁カバーの側面図を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は、物質移動塔用接触トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、種々の型式の物質移動塔がこの塔の高さ全体に亘って接触トレイをそれらのトレイの隅から隅まで配列したオリフィスと離間した関係に配置して構成してある。大抵の場合、これらのトレイは、下降する液体を各トレイを横切り且つ各トレイの片側にあるダウンカマを介してこの塔の高さ全体に亘ってジグザグ式にトレイからトレイへ導けるように、一方上昇蒸気がこれらのオリフィスを通過してこの液体と蒸気が物質移動または熱伝達作用に入れるように配置してある。他の場合、これらのトレイは、蒸気と液体が各方向にこれらのオリフィスを通り抜けるために競争するように円形複流トレイとして作ってある。高液体流量の大型塔では、複数ダウンカマおよび複数トレイデッキ領域を各トレイ高さで使用する。これらの可動弁および隣接するトレイデッキは、多くの用途で腐食の増加に曝される。
【0003】
米国特許第3,463,464号および第6,588,736号に記載してあるような、幾つかの場合には、液体がこれらのトレイに作ってある蒸気導入オリフィスを下方に通り抜けるのを防ぐために、流体デフレクタ部材がトレイデッキで各オリフィスの直ぐ上に位置する。説明してあるように、これらのデフレクタ部材は、これらのトレイから一体式に作ってある。この種のトレイは、デフレクタ部材がこのトレイデッキ内に一体構造であるために比較的強いが、これらのデフレクタ部材の持上げ高さは、特に脆い材料の場合、制限されている。即ち、デフレクタ部材の形成がこの材料に材料の深さより大きい長さに伸びることを要求するので、かなりの伸びと脆い材料の組合わせは、この成形プロセス中にこれらのデフレクタ部材に亀裂を生じることがある。
【0004】
米国特許第5,911,922号および第5,762,834号は、接触トレイのオリフィスを横切って取付けることができ且つ可動弁として機能するブリッジ部材を記載する。これらのブリッジ部材は、これらのブリッジ部材の脚を取付けるためにこの接触トレイにオリフィスに隣接してスロットを作ることが必要であった。その結果、これらのブリッジ部材は、設置がかなり厄介であった。
【0005】
米国特許第5,360,583号は、トレイに関して可動であり且つデッキに対する上方運動を制限するために外曲げした足を有する流体デフレクタ部材は勿論、トレイと一体の流体デフレクタ部材を記載する。しかし、その様な構造では設置が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、この発明の目的は、比較的単純な構成の接触トレイ用弁カバーを提供することである。
この発明のもう一つの目的は、設置が容易な接触トレイ用弁カバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡単に言えば、この発明は、液体の流れを受けるためのトレイデッキで、上昇蒸気を通すための複数のオリフィスを有するデッキおよびこれらのオリフィス内に可動に取付けた複数の弁カバーを使用する、物質移動塔用接触トレイを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
一実施例で、各オリフィスは、矩形に作ってあり、および各弁カバーは、金属薄板製でそれぞれのオリフィスの中央部の上に配置した中央部分およびこの中央部分の対向する端から伸び且つそれぞれのオリフィスに突っ込む、1対の弾性傾斜部分を有する。この実施例では、弁カバーをオリフィスの下からまたは上から挿入してもよい。
【0009】
この弁カバーがオリフィスを通り抜けて落ちるのを防ぐために、この弁カバーの中央部分がオリフィスより広く作ってある。この弁カバーがオリフィスを通って上に吹飛ばされるのを防ぐために、この弁カバーは、この弁カバーの傾斜部分がこのオリフィスを越えて下へ伸びるように、このオリフィスより長く作ってある。
【0010】
この弁カバーは、弁カバーが上記トレイから持上がるのを防ぐためにこの弁カバーをトレイデッキと係合させるための手段も備えてよい。
弁カバーをオリフィス内の定位置に固定するために、このオリフィスは、その短辺にオリフィスの内部に向いた一つ以上の突起が作ってあってもよく、およびこの弁カバーの傾斜部分の各々は、これらの突起を受けるために対応する数のスロットまたは開口を有してもよい。その代りに、これらの傾斜部分の一つまたは両方が、このオリフィスのそれぞれの端でスナップ嵌めによってこのトレイに上および下から係合する、1対の離間した外方に伸びるかえしを有してもよい。
【0011】
この発明の更に他の実施例では、各オリフィスが中央部およびこの中央部の対向する端から伸びる、幅の狭い一つ以上の端部でできている。この実施例で、各弁カバーは、金属薄板製で、それぞれのオリフィスの中央部の上に配置した中央部分、この中央部分の対向する端から伸びる1対の弾性傾斜部分および端部の数に対応する一つ以上のタブを有する。各タブは、傾斜部分からこのオリフィスのそれぞれの端部を通ってこのトレイの下へ伸びる。この実施例で、これらの傾斜部分は、この弁カバーがこのトレイから落ちるのを防ぐために、この弁カバーを定位置に置いたとき、このトレイに当接して載るように、これらの端部より幅が広い。これらのタブは、この弁カバーがこのトレイから持上がるのを防ぐためにこのトレイの下でこのオリフィスの幅を越えて伸びる。
【0012】
この後者の実施例で、弁カバーの一つ以上のタグが、定位置にあるときこの弁カバーがトレイから落ちるのを防ぐために、トレイの下側に係合するための外方に伸びるかえしを備えてもよい。
【0013】
この弁カバーをトレイデッキのオリフィスに設置するためには、この弁カバーの二つのタブがこのオリフィスの端部を通過できるように、この弁カバーの二つの傾斜部分を内方に曲げる。その後、この弁カバーをこれらのタブによってこのオリフィスに対して定位置に保持するように、傾斜部分を元の形状に曲げ戻らせる。この点で、この弁カバーの傾斜部分は、トレイデッキの片側に載り、一方この弁カバーのタブは、このトレイデッキのオリフィスに隣接する下側に対して係合する。
【0014】
その代りに、最初に一つのタブをオリフィスの端部に挿入し、次に反対のタブを内方に曲げてこのオリフィスの反対端部を通過させて定位置に動かすことによって、この弁カバーをトレイデッキのオリフィスに挿入してもよい。
【0015】
この弁カバーは、また、このオリフィスを通して上方にねじ込み、次にこれらのタブをオリフィスの端部に挿入することによって、下からトレイデッキのオリフィスに挿入してもよい。
【0016】
更に、各上記弁カバーの中央部分は、この弁カバーをオリフィスを通してねじ込む必要なくこのオリフィスを上方に通過させるために、それぞれのオリフィスの中央部より狭い幅に作ってもよい。この場合、これらの傾斜部分は、これらの傾斜部分がこのオリフィスを通過するまで、この弁カバーがこのオリフィスを通って上方に動けるようにするために、これらの傾斜部分を内方に曲げるだろう。これらの傾斜部分を放すと、これらのタブは、このオリフィスの端部に動くだろう。
【0017】
更に他の実施例では、このオリフィスが矩形でもよく、およびこの弁カバーがこのオリフィスの中央部の上に配置した中央部分、この中央部分の対向する端から伸び且つこのトレイに当接するためにこのオリフィスより広い1対の弾性傾斜部分および各々この傾斜部分からこのトレイに関して垂直に伸びる1対のタブを有する。この弁カバーがオリフィスを通って上に吹飛ばされるのを防ぐために、タブの一つまたは両方は、定位置にあるときこのトレイの下側と係合するために外方に伸びるかえしを備える。
【0018】
更に他の実施例で、このオリフィスが矩形でもよく、およびこの弁カバーをこのオリフィスと同じ幅であるが長さを長く作ってもよい。この実施例で、この弁カバーは、このオリフィスの中央部の上に配置した中央部分およびこの中央部分の対向する端からこのオリフィスを通り且つ越えて伸びる1対の弾性傾斜部分を有する。これらの傾斜部分は、この弁カバーがこのオリフィスから持上がるのを防ぐのに役立つ。この弁カバーがオリフィスを通り抜けて落ちるのを防ぐために、傾斜部分の一つまた両方が、その端に作ってあり且つトレイの上部と係合するために外方に曲がる一つ以上の一体のタブを有する。
【0019】
この弁カバーは、任意の適当な材料および厚さで作ってもよい。例えば、この弁カバーの厚さが1.5mmないし3.5mmでもよい。
一実施例で、各オリフィスのこの中央部は、その大端を、このトレイを横切る液体の流れに関して上流側にした台形である。一実施例では、各弁カバーの中央部分が相補の台形である。更に、弁カバーの中央部分および傾斜部分は、オリフィスの中央部より幅が広くてもよい。
【0020】
この発明のこれらおよびその他の目的並びに利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に検討すればより明白となろう。
【実施例】
【0021】
図5を参照して、塔10が鉛直軸上に配置してあり且つ従来の方法で構成してある。図示するように、この塔10は、この塔10の高さ全体に亘って互いに間隔を空けた垂直関係に配置した複数の水平配置接触トレイ11および複数のダウンカマ12を含む。これらのダウンカマ12は、液体の流れ13をそれぞれの接触トレイを水平に横切ってジグザグ式に導くために、それぞれの接触トレイ11の片側が直ぐ下の接触トレイ11の反対側に通じるように従来の様式で構成してある。ある場合には、トレイ11毎に二つ以上のダウンカマがあってもよい。
【0022】
図1および図4を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、各接触トレイ11は、液体で物質移動または熱伝達するために上昇する蒸気を貫通させるための複数のオリフィス15並びにこの液体がこれらのオリフィス15を通過するのを防ぐためおよびこの蒸気の流れをこれらのオリフィス15に関して横に導くための複数の弁カバー16を有するトレイデッキ14を有する。
【0023】
トレイデッキ14にある各オリフィス15は、中央部17およびこの中央部17の対向する端から伸びる1対の幅狭の矩形端部18を有する。この中央部17は、円形、矩形、ダイヤモンド形のような、またはさもなければ作動特性、設置容易性、若しくは生産コストを向上しようとして、任意の適当な形状に作ってもよい。図示するように、この中央部17は、その大端を、このトレイデッキを、例えば、図で見て右から左へ、横切る液体の流れ13に関して上流側にした台形であるのが好ましい。これらの端部18は、最も経済的且つ機能的などんな形に作ってもよい。
【0024】
図2および図3を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、各弁カバー16がトレイデッキ14と離れた平行関係に且つそれぞれのオリフィス15の中央部17の上に配置した中央部分19を有する。その上、各弁カバー16は、この中央部分19の対向する端から伸び且つトレイデッキ14に載っている(図2参照)1対の傾斜部分20を有する。これに関して、これらの傾斜部分20は、幅がオリフィス15の矩形部18の幅より広い。
【0025】
各弁カバー16は、1対のタブ21も有し、その各々は、それぞれの傾斜部20からオリフィス15のそれぞれの矩形部18を通ってトレイデッキ14の下へ(図2参照)共面関係に伸びる。各タブ21は、オリフィス15の矩形部18を通過する幅で、定位置にあるとき、トレイデッキ14の下側と係合する長さの矩形である。
【0026】
その代りに、各タブ21は、使用中にこの弁カバー16がトレイデッキ14の開口15から出るのを留めるための適当な別の形状でもよい。それで、このタブ21は、弁カバー16がトレイデッキ14から持上がるのを防ぐための手段として作用する。
【0027】
同様に、一つの広いタブの代りに、幅の狭い複数のタブを各傾斜部分20に使ってもよい。例えば、二つのタブが、各角に一つ、傾斜部分20から伸びてもよい。
【0028】
弁カバー16を間違った向きに設置するのを防ぐために、弁カバー16のタブ21を、および、同様に、オリフィス15の矩形部18を異なる形状および幅に作ってもよい。
その代りに、弁カバー16を押出し弁として使えるように、中央部17がトレイデッキ14と平行でなくてもよい。
【0029】
また、弁カバー16が図1で見られるように多弦形状である代りに、この弁カバーは、曲りがなく一つの連続弧である、弧形状でもよい。この後者の実施例では、弧形弁カバーがこのトレイデッキと離れた関係に且つオリフィスの上に配置した中央弧状部分、このトレイデッキ上に設置するためにこの中央部分の対向する端から伸びる、湾曲した形状の1対の弾性傾斜部分、およびこのオリフィスに突っ込むためにこれらの傾斜部分から伸びる、これらの傾斜部分より幅の狭いタブを有する。
【0030】
弁カバー16の中央部分19は、この中央部分19および弁カバー16の傾斜部分20の長さ全体に亘ってオリフィス15の中央部17より幅広に作ってもよい。
【0031】
図2に示すように、弁カバー16の傾斜部分20は、この中央部分と鈍角Aを成す。この角度Aが90°に近いとき、各タブは、T字形で、このタブの縦棒は傾斜部分20から伸び且つそれより狭く、およびこのタブの横棒は、幅が傾斜部分20に等しいかそれより広い。このタブ21の横棒を傾斜部分20およびこのオリフィスの矩形部18より幅広に作る場合、これらの横棒は、トレイデッキ14の下側に当接し、それによってこの弁カバー16がトレイデッキ14のオリフィス15から持上がるのを防ぐ。
【0032】
この弁カバー16は、金属薄板のような、任意の適当な材料で作ってあり、且つ適当な厚さ、例えば、10ないし16番、即ち、厚さが1.5mmないし3.5mmである。これは、この弁カバー16を設置するとき容易に曲げられるようにする。
【0033】
例として、このトレイデッキ14は、厚さが3.5mmである。このトレイデッキは、12番および14番の材料で、即ち、厚さ1.9mmおよび3.4mmで作るのが好ましい。従って、厚さ1.5ないし3.5mmの厚さのトレイデッキに対して、弁カバー16は、1.5ないし3.5mmの対応する厚さを有する。この点で、弁カバー16は、トレイデッキ14より薄くてもよい。典型的に、このカバーの厚さは、持上げ力および腐食限界に対処するために十分強いだけでよい。
【0034】
オリフィス15の矩形部18は、幅が15.5mmであり、一方弁カバー16のタブ21は、幅が15mmである。従って、この弁カバー16を設置するとき、弁カバー16のタブ21がオリフィス15の矩形部18を通り抜けるための僅かな隙間がある。
【0035】
この塔10の運転中、液体をこの塔10の上端に導き、トレイデッキ14からトレイデッキ14へジグザグ様式で且つ各トレイを横切って流れさせる。同時に、蒸気をこの塔の底から各トレイデッキ14にある各オリフィス15を通って上におよび各オリフィス15の上に弁カバー16が作った二つの隙間を通って横に通す。
【0036】
この弁カバー16は、二つの目的に適う。第1に、この弁カバー16は、低蒸気速度で液体がオリフィス15を下降するのを妨げる。これは、トレイ11の動作範囲を拡げるのを助ける。第2に、この弁カバー16は、この蒸気をこの液体を介して真っ直ぐ吹き上がるだけでなく、この液体を介して横に分散させる。これは、蒸気と液体の混合を促進し、およびトレイデッキ14上を上のデッキ14まで真っ直ぐ液体を飛沫同伴するのを妨げもする。
【0037】
上記のように、弁カバー16の中央部分19は、オリフィス15の中央部17より幅が広くてもよい。この場合、この弁カバー重なりが大きいトレイデッキ開口面積を使うことを可能にし、それはトレイ蒸気性能を増す傾向がある。また、弁カバー16の中央部分19は、異なる圧力システムでは、それが有利であれば、オリフィス15の中央部17より幅が狭くてもよい。
【0038】
この弁カバー16は、トレイデッキ14の上側か下側かのどちらかから設置できる。この利点がこの弁カバー16を他の弁カバーから差別化する。
更に、この弁カバー16は、設置するとき、タブ21にこの弁カバー16を定位置に保持させるために変形および/またはある種のクリンピングを要するのではなく撓む能力を有する。この点で、この弁カバー16をオリフィス15上に置き、次に本来の場所にパチンと嵌められる。
【0039】
図6および図7を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー24がトレイデッキ14から持上がるのを防ぐための手段が突起およびスロット装置の形をしている。この実施例で、トレイデッキ14は、矩形のオリフィス22が作ってあり、その小端の各々にこのオリフィス22に突出する突起23を備えてもよく、並びに弁カバー24は、細長い中央部分25および1対の傾斜部分26を有し、その各々は、突起23を受ける大きさのスロット27を有する。
【0040】
この実施例で、弁カバー24は、幅がオリフィス22と同じでもよい。この場合、このオリフィスの突起23は、この弁24を定位置に保持するために、この弁カバー24のスロット27内に係合する。
【0041】
この弁カバー24がオリフィス22を通り抜けて落ちるのを防ぐために、スロット27および突起23を使わない場合は、この弁カバー24の中央部分25をオリフィス22より広く作る。これらの傾斜部分26は、弁カバー24が定位置にあるときこのオリフィス22を通って上に吹飛ばされるのを防ぐのに役立つ。その代りに、各傾斜部分26の下部がこのトレイ11を通過して下に入るために幅がオリフィス22より狭くて、各傾斜部分26の上部をこのトレイ11に載せるためにオリフィス22より広く作ってもよい。
【0042】
図8を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー24’が、各トレイの対応するオリフィスにある類似の番号の突起(図示せず)と係合するために、各傾斜部分26に作った1対のスロット27を有してもよい。このカバー24’は、矩形のオリフィス15(図示せず)に使用するような形状にしてある。このため、このカバー24’の幅aは、矩形オリフィスの幅に等しく作ってあり、スロット27の対間の距離bは、このオリフィスの長さに等しく作ってある。
【0043】
図9および図10を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー24がトレイデッキ14から持上がるのを防ぐための手段がトレイデッキ14と係合するための一つ以上のかえしまたは突起の形をしていてもよい。図示するように、弁カバー28は、オリフィスの各端でスナップ嵌めによってこのトレイデッキ14に上および下から係合するために、各傾斜部分26に作った1対の離間した外方に伸びるかえし29を有してもよい。
【0044】
図11を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、図1ないし3で説明したような弁カバー16は、この弁カバー16がトレイ11から持上がるのを防ぐために、定位置にあるときこのトレイ11の下側と係合するために各タブ21に作った外方に伸びるかえし29を有してもよい。上記のように、各傾斜部分20は、オリフィス15の中央部17より広い。
【0045】
図12を参照して、弁カバー30は、中央部分31および1対の傾斜部分32を上記のように作り、各傾斜部分32を下端で複数のタブ33を作るように指状にしてもよい。この実施例で、オリフィス(図示せず)は、弁カバー30のタブ33の数に対応する複数の端部が作ってある。上記のように、各端部は、タブ33を通過させ且つタブ33をトレイの下側と係合させる幅に作ってある。
この実施例で、弁カバー30は、定位置にあるときトレイの上部に載り、タブ33は、この弁カバー30がトレイのオリフィスから持上がるのを防ぐに役立つ。
【0046】
図13および図14を参照して、弁カバー34が中央部分19を有し、それから1対の傾斜部分20が伸び、および各傾斜部分20は、このトレイ11から垂直に伸びるタブ35を有する。この弁カバー34がトレイデッキ14にあるオリフィスを通って上に吹飛ばされるのを防ぐために、各タブ35は、図14に示すように定位置にあるときトレイ11の下側と係合するために外方に伸びるかえし29を備える。また、各傾斜部分20は、トレイデッキ14を通過するためにタブ35の幅に狭めてあってもよいが、この場合、第2かえし(図示せず)を図9の実施例のかえし29の対のように使ってもよい。
【0047】
図15および図16を参照すると、そこでは上と類似の参照文字が類似の部品を指し、弁カバー36が同じ幅の矩形オリフィスと協同する。この実施例で、弁カバー36は、オリフィスの中央部の上に配置した中央部分19および、図16に示すように、この中央部分19の対向する端からこのオリフィスを通り且つ越えて伸びる1対の弾性傾斜部分20を有する。これらの傾斜部分20は、この弁カバー36がこのオリフィスから持上がるのを防ぐに役立つ。この弁カバー36がオリフィスを通り抜けて落ちるのを防ぐために、各傾斜部分20は、その端に作ってあり且つ、図16に示すように、トレイ11の上部と係合するために外方に曲げてある、少なくとも一つの一体のタブ37を有する。
【0048】
この発明は、この様に容易に設置できる弁カバーおよび労賃を節減するトレイを提供する。
この発明は、更に、迅速設置技術およびトレイのどちらの側からも設置できることを可能にする弁カバーの幾つかの実施例を提供する。これらの特徴は、次には設置のコストを低減する役に立ち、それによってこの弁を使用する費用効果を他より良くする。
【0049】
別々の弁があるトレイの大きい欠点の一つは、弁の各々を設置するための労賃である。迅速な設置方法およびどちらの側からも設置できることは、これらのコストを低減するのを助け、この弁を使用する費用効果を他より良くする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明による弁カバーのあるトレイデッキの一部の透視図を示す。
【図2】図1の線2−2によって切断した図を示す。
【図3】図1の弁カバーの平面図を示す。
【図4】弁カバーが定位置にない、図1のトレイデッキの一部の平面図を示す。
【図5】この発明による接触トレイを複数使う塔の側面図を概略的に示す。
【図6】この発明によるスロットを有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図7】図6の弁カバーを受けるためのオリフィスを備えるトレイの一部を示す。
【図8】図6に類似する弁カバーの平面図を示す。
【図9】この発明によるかえし対を有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図10】トレイに取付けた、図9の弁カバーの側面図を示す。
【図11】トレイに取付けた、かえしのある、図9に類似する、修正した弁カバーの側面図を示す。
【図12】この発明による複数の端部を有する、修正した弁カバーの平面図を示す。
【図13】この発明による垂直端部を有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図14】トレイに取付けた、図13の弁カバーの側面図を示す。
【図15】この発明による曲げた一体タブを有する、修正した弁カバーの透視図を示す。
【図16】トレイに取付けた、図15の弁カバーの側面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質移動塔用接触トレイ(11)であって:
上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるための複数のオリフィス(15、22)を有するデッキ;並びに
複数の弁カバー(16、24、28、30、34、36)で、各々上記オリフィスのそれぞれの一つに取付けてあり、および上記トレイデッキと離れた関係に且つそれぞれのオリフィス(15、22)の上に配置した中央部分(19、25、31)および上記中央部分の対向する端から伸び且つそれぞれのオリフィス(15、22)に突っ込む、1対の傾斜部分(20、26、32)を有するカバーを含むトレイ。
【請求項2】
請求項1に示す接触トレイ(11)であって、更に、それぞれの弁カバー(16、24、28、30、34、36)が上記トレイから持上がるのを防ぐために上記それぞれの弁カバーを上記トレイデッキ(14)と係合させるための手段を含むトレイ。
【請求項3】
請求項1に示す接触トレイ(11)に於いて、上記手段が、上記それぞれのオリフィス(15)に隣接する上記トレイデッキ(14)の下側に当接するために各それぞれの傾斜部分(20)から上記それぞれのオリフィス(15)を越えて伸びる少なくとも一つのタブ(21)を含むトレイ。
【請求項4】
請求項3に示す接触トレイ(11)に於いて、各上記タブ(21)が上記トレイデッキ(14)に関して垂直に伸び且つ上記トレイデッキ(14)の下側に係合するために外方に伸びるかえし(29)を有するトレイ。
【請求項5】
請求項2に示す接触トレイ(11)に於いて、上記手段が上記トレイ上にそれぞれのオリフィス(22)に突出する少なくとも一つの突起(23)、および上記突起を受けるためにそれぞれの弁カバー(24)の上記傾斜部分(26)の少なくとも一つにスロット(27)を含むトレイ。
【請求項6】
請求項2に示す接触トレイ(11)に於いて、上記手段が上記トレイデッキ(14)と対向する側から係合するために各上記傾斜部分(26)上に1対の離間したかえし(29)を含むトレイ。
【請求項7】
物質移動塔用接触トレイ(11)であって:
上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるために複数のオリフィス(15)を有し、各上記オリフィスが中央部(17)および上記中央部の対向する端から伸びて上記中央部より幅が狭い少なくとも1対の端部(18)を有するデッキ;並びに
複数の弁カバー(16、30、34)で、各々上記オリフィスのそれぞれの一つに取付けてあり、およびそれぞれのオリフィスの上記中央部(17)の上に配置した中央部分(19、31)および上記中央部分の対向する端から伸び且つ上記トレイデッキ(14)に載る1対の傾斜部分(20、32)および各上記傾斜部分から伸びる少なくとも一つのタブ(21、33、35)を有し、各上記タブが上記傾斜部分のそれぞれの一つから上記トレイデッキ(14)にあるそれぞれのオリフィス(15)のそれぞれの端部(18)を通って上記トレイデッキ(14)の下へ伸びるカバーを含むトレイ。
【請求項8】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記傾斜部分(20、32)の対の一つから伸びるそれぞれのタブ(21、33、35)が上記傾斜部分(20、32)の対の他から伸びるそれぞれのタブ(21、33、35)と幅が異なるトレイ。
【請求項9】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、各それぞれのオリフィス(15)の上記中央部(17)が台形であり、および各それぞれの弁カバー(16、30、34)が台形の中央部分(19、31)のある多弦形状であるトレイ。
【請求項10】
請求項9に示す接触トレイ(11)に於いて、それぞれの弁カバー(16、30、34)の各中央部分(19、31)がその縦方向長さの全体に亘って各それぞれのオリフィス(15)のそれぞれの中央部(17)より幅が広いトレイ。
【請求項11】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、各それぞれの弁カバー(16)が多弦形状であって、各それぞれの弁カバーの上記傾斜部分(20)が上記それぞれの弁カバーの上記中央部分(19)と鈍角(A)を成すトレイ。
【請求項12】
請求項11に示す接触トレイ(11)に於いて、各タブ(21)が隣接する傾斜部分(20)と共面であるトレイ。
【請求項13】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記弁カバー(16、30、34)が上記トレイデッキ(14)より厚さが薄いトレイ。
【請求項14】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記弁カバー(16、30、34)が10ないし16番の板金製であるトレイ。
【請求項15】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記トレイデッキ(14)の厚さが3.5mmであり、各上記弁カバー(16、30、34)の厚さが3.5mmであるトレイ。
【請求項16】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、それぞれの弁カバー(16、30、34)をそれぞれのオリフィス(15)に設置した状態で上方に通り抜けさせるために、各上記弁カバーの上記中央部分(19、31)の幅がそれぞれのオリフィスの上記中央部(17)より小さいトレイ。
【請求項17】
物質移動塔用接触トレイ(11)であって:
上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるために少なくとも一つのオリフィス(15)を有し、上記オリフィスが中央部(17)および上記中央部の対向する端から伸びて上記中央部より幅が狭い少なくとも1対の端部(18)を有するデッキ;並びに
弁カバー(16)で、上記オリフィス(15)に取付けてあり、および上記トレイデッキ(14)と離れた関係に且つ上記オリフィスの上記中央部(17)の上に配置した中央部分(19)および上記中央部分の対向する端から伸び且つ上記トレイデッキ(14)に載る1対の傾斜部分(20)および少なくとも1対のタブ(21)を有し、各上記タブが上記傾斜部分のそれぞれの一つから上記トレイデッキ(14)にある上記オリフィス(15)のそれぞれの端部(18)を通って上記トレイデッキの下へ伸びるカバーを含むトレイ。
【請求項18】
請求項17に示す接触トレイ(11)に於いて、上記タブの対の一つの各タブ(21)が上記タブの対の他の各タブ(21)と幅が異なるトレイ。
【請求項19】
請求項17に示す接触トレイ(11)に於いて、上記オリフィス(15)の上記中央部(17)が台形であり、および上記弁カバー(16)の上記中央部分(19)が台形であるトレイ。
【請求項20】
鉛直軸上に配置した塔(10);並びに
上記塔内に離れた垂直関係に配置した複数の水平接触トレイ(11)であって、各々上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるために少なくとも一つのオリフィス(15)を有し、上記オリフィスが中央部(17)および上記中央部の対向する端から伸びて上記中央部より幅が狭い少なくとも1対の端部(18)を有するデッキ;および弁カバー(16)で、上記オリフィスに取付けてあり、および上記トレイデッキ(14)と離れた関係に且つ上記オリフィスの上記中央部(17)の上に配置した中央部分(19)および上記中央部分の対向する端から伸び且つ上記トレイデッキ(14)に載る1対の傾斜部分(20)および少なくとも1対のタブ(21)を有し、各上記タブが上記傾斜部分のそれぞれの一つから上記トレイデッキにある上記オリフィス(15)のそれぞれの端部(18)を通って上記トレイデッキの下へ伸びるカバーを含むトレイの組合わせ。
【請求項21】
請求項20に示す組合わせであって、更に、複数のダウンカマ(12)で、各々それぞれの接触トレイ(11)の片側をその下の接触トレイ(11)の片側に連絡してそれに液体を送出するダウンカマを含む組合わせ。
【請求項1】
物質移動塔用接触トレイ(11)であって:
上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるための複数のオリフィス(15、22)を有するデッキ;並びに
複数の弁カバー(16、24、28、30、34、36)で、各々上記オリフィスのそれぞれの一つに取付けてあり、および上記トレイデッキと離れた関係に且つそれぞれのオリフィス(15、22)の上に配置した中央部分(19、25、31)および上記中央部分の対向する端から伸び且つそれぞれのオリフィス(15、22)に突っ込む、1対の傾斜部分(20、26、32)を有するカバーを含むトレイ。
【請求項2】
請求項1に示す接触トレイ(11)であって、更に、それぞれの弁カバー(16、24、28、30、34、36)が上記トレイから持上がるのを防ぐために上記それぞれの弁カバーを上記トレイデッキ(14)と係合させるための手段を含むトレイ。
【請求項3】
請求項1に示す接触トレイ(11)に於いて、上記手段が、上記それぞれのオリフィス(15)に隣接する上記トレイデッキ(14)の下側に当接するために各それぞれの傾斜部分(20)から上記それぞれのオリフィス(15)を越えて伸びる少なくとも一つのタブ(21)を含むトレイ。
【請求項4】
請求項3に示す接触トレイ(11)に於いて、各上記タブ(21)が上記トレイデッキ(14)に関して垂直に伸び且つ上記トレイデッキ(14)の下側に係合するために外方に伸びるかえし(29)を有するトレイ。
【請求項5】
請求項2に示す接触トレイ(11)に於いて、上記手段が上記トレイ上にそれぞれのオリフィス(22)に突出する少なくとも一つの突起(23)、および上記突起を受けるためにそれぞれの弁カバー(24)の上記傾斜部分(26)の少なくとも一つにスロット(27)を含むトレイ。
【請求項6】
請求項2に示す接触トレイ(11)に於いて、上記手段が上記トレイデッキ(14)と対向する側から係合するために各上記傾斜部分(26)上に1対の離間したかえし(29)を含むトレイ。
【請求項7】
物質移動塔用接触トレイ(11)であって:
上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるために複数のオリフィス(15)を有し、各上記オリフィスが中央部(17)および上記中央部の対向する端から伸びて上記中央部より幅が狭い少なくとも1対の端部(18)を有するデッキ;並びに
複数の弁カバー(16、30、34)で、各々上記オリフィスのそれぞれの一つに取付けてあり、およびそれぞれのオリフィスの上記中央部(17)の上に配置した中央部分(19、31)および上記中央部分の対向する端から伸び且つ上記トレイデッキ(14)に載る1対の傾斜部分(20、32)および各上記傾斜部分から伸びる少なくとも一つのタブ(21、33、35)を有し、各上記タブが上記傾斜部分のそれぞれの一つから上記トレイデッキ(14)にあるそれぞれのオリフィス(15)のそれぞれの端部(18)を通って上記トレイデッキ(14)の下へ伸びるカバーを含むトレイ。
【請求項8】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記傾斜部分(20、32)の対の一つから伸びるそれぞれのタブ(21、33、35)が上記傾斜部分(20、32)の対の他から伸びるそれぞれのタブ(21、33、35)と幅が異なるトレイ。
【請求項9】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、各それぞれのオリフィス(15)の上記中央部(17)が台形であり、および各それぞれの弁カバー(16、30、34)が台形の中央部分(19、31)のある多弦形状であるトレイ。
【請求項10】
請求項9に示す接触トレイ(11)に於いて、それぞれの弁カバー(16、30、34)の各中央部分(19、31)がその縦方向長さの全体に亘って各それぞれのオリフィス(15)のそれぞれの中央部(17)より幅が広いトレイ。
【請求項11】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、各それぞれの弁カバー(16)が多弦形状であって、各それぞれの弁カバーの上記傾斜部分(20)が上記それぞれの弁カバーの上記中央部分(19)と鈍角(A)を成すトレイ。
【請求項12】
請求項11に示す接触トレイ(11)に於いて、各タブ(21)が隣接する傾斜部分(20)と共面であるトレイ。
【請求項13】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記弁カバー(16、30、34)が上記トレイデッキ(14)より厚さが薄いトレイ。
【請求項14】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記弁カバー(16、30、34)が10ないし16番の板金製であるトレイ。
【請求項15】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、上記トレイデッキ(14)の厚さが3.5mmであり、各上記弁カバー(16、30、34)の厚さが3.5mmであるトレイ。
【請求項16】
請求項7に示す接触トレイ(11)に於いて、それぞれの弁カバー(16、30、34)をそれぞれのオリフィス(15)に設置した状態で上方に通り抜けさせるために、各上記弁カバーの上記中央部分(19、31)の幅がそれぞれのオリフィスの上記中央部(17)より小さいトレイ。
【請求項17】
物質移動塔用接触トレイ(11)であって:
上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるために少なくとも一つのオリフィス(15)を有し、上記オリフィスが中央部(17)および上記中央部の対向する端から伸びて上記中央部より幅が狭い少なくとも1対の端部(18)を有するデッキ;並びに
弁カバー(16)で、上記オリフィス(15)に取付けてあり、および上記トレイデッキ(14)と離れた関係に且つ上記オリフィスの上記中央部(17)の上に配置した中央部分(19)および上記中央部分の対向する端から伸び且つ上記トレイデッキ(14)に載る1対の傾斜部分(20)および少なくとも1対のタブ(21)を有し、各上記タブが上記傾斜部分のそれぞれの一つから上記トレイデッキ(14)にある上記オリフィス(15)のそれぞれの端部(18)を通って上記トレイデッキの下へ伸びるカバーを含むトレイ。
【請求項18】
請求項17に示す接触トレイ(11)に於いて、上記タブの対の一つの各タブ(21)が上記タブの対の他の各タブ(21)と幅が異なるトレイ。
【請求項19】
請求項17に示す接触トレイ(11)に於いて、上記オリフィス(15)の上記中央部(17)が台形であり、および上記弁カバー(16)の上記中央部分(19)が台形であるトレイ。
【請求項20】
鉛直軸上に配置した塔(10);並びに
上記塔内に離れた垂直関係に配置した複数の水平接触トレイ(11)であって、各々上に液体の流れ(13)を受けるためのトレイデッキ(14)で、上昇蒸気を貫通させるために少なくとも一つのオリフィス(15)を有し、上記オリフィスが中央部(17)および上記中央部の対向する端から伸びて上記中央部より幅が狭い少なくとも1対の端部(18)を有するデッキ;および弁カバー(16)で、上記オリフィスに取付けてあり、および上記トレイデッキ(14)と離れた関係に且つ上記オリフィスの上記中央部(17)の上に配置した中央部分(19)および上記中央部分の対向する端から伸び且つ上記トレイデッキ(14)に載る1対の傾斜部分(20)および少なくとも1対のタブ(21)を有し、各上記タブが上記傾斜部分のそれぞれの一つから上記トレイデッキにある上記オリフィス(15)のそれぞれの端部(18)を通って上記トレイデッキの下へ伸びるカバーを含むトレイの組合わせ。
【請求項21】
請求項20に示す組合わせであって、更に、複数のダウンカマ(12)で、各々それぞれの接触トレイ(11)の片側をその下の接触トレイ(11)の片側に連絡してそれに液体を送出するダウンカマを含む組合わせ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−125749(P2009−125749A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299007(P2008−299007)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(505150095)スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(505150095)スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】
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