説明

特に歯科セラミック成形部材等の成形部材を加熱する装置

【課題】特に歯科セラミック等の成形部材の製造により良好に適合しまた多様に塑形された歯科セラミックについても極めて有効である、マイクロ波あるいは磁界によって特に歯科成形部材等の成形部材を加熱する装置を提供する。
【解決手段】特に閉鎖式の容器の形式で成形部材を被包しマイクロ波放射線を吸収するかあるいは磁界によって加熱され成形部材に対して熱を放射するサセプタを設け、マイクロ波オーブンあるいは誘導コイルと成形部材の間の放射路内、特にサセプタの内壁上に電界および/または磁界に対するシールドを配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1前段に記載の特に歯科セラミック成形部材等の成形部材をマイクロ波あるいは磁界によって加熱する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
成形部材等の対象物を加熱する際に成形部材の均一な加熱を保持するためにサセプタを使用し得ることが久しい以前から知られている。
【0003】
しばしば二酸化ジルコニウム等の酸化セラミックからなる歯科用セラミックは、700℃未満の温度において極めてマイクロ波との結合が困難であるか、あるいは磁化不可能である。従ってその種のセラミックの加熱のために通常いわゆるサセプタが使用され、それがマイクロ波放射線を吸収して熱線の形式で転送する。一般的なサセプタは1000℃超の高温において低下した吸収特性を示し、従って高温においてはサセプタによる間接的な加熱に加えて成形部材がマイクロ波放射線によって直接的に加熱される。この現象は、可能な限り高い効率を達成するとともに(大抵は導波管を介して)マイクロ波発生器から電子オーブン内に結合されるマイクロ波放射線を可能な限り有効に利用するために好適である。それによって一般的に約60%の効率が達成可能である。
【0004】
他方、例えば成形部材等の非液体の加熱対象物において成形部材内の熱歪を防止するために加熱の均一性を確保することが好適である。そのため、成形部材を可能な限り良好にサセプタと連結させて均一な加熱を達成することが既に提案されている。この措置を、サセプタを有する成形部材またはマイクロ波放射器または少なくともマイクロ波放射線を継続的に回転させて特定の個所の集中的な加熱を防止する、いわゆる回転テーブルの使用と組み合わせることもできる。
【0005】
サセプタ層を一種のペースト材として成形部材の表面上に塗布することも提案されているが、勿論それには加熱する成形部材毎にサセプタを新しくしなければならず、不純物による汚染が問題となる場合は不可能であるという問題点が伴われる。
【0006】
同様な理由から、特に歯科セラミックの場合その歯科セラミック自体に炭素あるいは炭化物を混合すると焼結工程によって達成される所要の物理特性がそれによって大きな影響を受けるため、それらの炭素あるいは炭化物の混合は不可能である。
【0007】
国際公開第00/78243号パンフレットにより、歯科セラミックの焼結温度への加熱のためのマイクロ波放射線の使用が基本的に知られている。この解決方式においても間接的な加熱を確立するためにサセプタ要素が使用されるが、その際温度測定のための措置が必要となる。
【0008】
この点に関し特に歯科セラミックにおいて局部的な過熱が大きな問題となる。国際公開第00/78243号パンフレットの解決方式の好適な実施形態によれば特別に調節された共振器を使用し、それがその内壁に共振器の一部分を成すプラチナ製の金属板を備える。特殊に結合されたマイクロ波放射線によって温度勾配の形成を防止するよう作用し、それによってオーブン内部に実質的に均一な温度を生成する。
【0009】
そのため製造する歯科セラミック製の成形部材に対して回転磁界分布によって照射を行う必要があり、その際に既知の回転テーブルを使用する。
【0010】
他方非円対称形の成形部材を使用する場合、特に比較的小さな共振器と比較的大きな成形部材を使用する際に共振器内の回転位置が磁界分布に影響を与える。
【0011】
他方例えば多部品製のブリッジ等の特に大きな成形部材は温度勾配に関して極めて敏感である。特に歯科セラミック成形部材の表面の局部的な過度の加熱が材料破損につながる可能性があり、その結果製造される歯科補綴製品に問題が残されることが判明している。
【0012】
さらに、例えば欧州特許出願公開第294983号A2明細書によってマイクロ波吸収性のセラミック材料をサセプタとして使用することが長く知られている。吸収特性は非焼結のセラミック材料において優れているとされるため非焼結のセラミック材料を使用することが好適である。しかしながら他方で、その種の材料が一般的に例えばセラミック成形部材の焼結のために必要な高い稼働温度においては採用不可能であると判断されている問題が生じる。
【0013】
また、導電性でかつ大抵は抵抗性の被覆をマイクロ波トラップとして使用することがさらに古くから知られている。その一例を米国特許第3853612号明細書から引用することができる。その種の材料はその比較的低い質量のため高温においてセラミックサセプタと比べて比較的少ない熱量を放射するにも関わらず利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第00/78243号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第294983号A2明細書
【特許文献3】米国特許第3853612号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って本発明の目的は、特に歯科セラミック等の成形部材の製造により良好に適合しまた多様に塑形された歯科セラミックについても極めて有効である、請求項1前段に記載の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の課題は本発明に従って請求項1によって解決される。従属請求項によって好適な追加構成が定義されている。
【0017】
本発明によれば、マイクロ波放射線に比べて改善された種類の熱伝導によって好適には歯科セラミック成形部材の加熱を完全あるいは略完全に実施することができる。そのため好適には二重に密封された組み合わされたサセプタが設けられ、それが一方で炭化珪素等のセラミックサセプタ材料から形成され他方ではその内面をより高い密度を有する金属製かつ少なくとも半導体のあるいはその他のサセプタから形成することができる。この“内側サセプタ”はマイクロ波反射器として使用することもでき、従ってセラミックサセプタを一旦透過したマイクロ波放射線を内面上で反射させて再度サセプタに入射させそれによって再度吸収させることができる。
【0018】
従って本発明により実質的に2倍のサセプタの壁厚が利用可能になることが達成され、それによって必要な材料の削減ならびに空間的な観点から大幅な向上が実現される。
【0019】
主サセプタとして低温から高温領域までマイクロ波放射線を吸収するように作用する任意の適宜な材料を使用することができる。低温としては例えば室温あるいはそれ以下の温度が理解される。高温としては例えば1000℃、1100℃、1200℃、あるいはさらに高い温度が理解される。セラミックサセプタとしては極めて高い焼結温度を有する材料を使用することが好適である。それは例えば炭化珪素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化モリブデン、炭化ニオビウム、硼化珪素、硼化ハフニウム、硼化ジルコニウム、窒化珪素、窒化ジルコニウム、硼化カルシウム、あるいはそれらの混合物から選択することができる。さらに、ダイアモンドあるいは黒鉛とすることもできる。
【0020】
セラミック結合剤を含むことも可能なセラミック材料が非吸湿性であれば極めて好適である。それにより吸収された水分が双極子作用によって気化してその体積増加によってセラミック材料を損傷あるいは破壊することが防止される。
【0021】
本発明に係るサセプタの内部層の材料として、マイクロ波シールドあるいは誘導によって電磁加熱可能な例えばプラチナ等の金属材料を使用することが好適である。このことは高温で蒸着するが成形部材の焼結のために必要な温度において安定している金属を使用することによって達成される。その金属化はマイクロ波フィールドの場合ファラデーケージのように作用し、従ってマイクロ波放射線が熱伝達メカニズムとしては排除される。従って本発明によればサセプタが別の熱伝達メカニズム、すなわち赤外線放射あるいは熱伝導によって成形部材を加熱する。
【0022】
マイクロ波の照射は一次照射としては好適であるが、電磁誘導を一次熱伝達メカニズムとして使用することも可能である。それに対して二次熱伝達メカニズム、すなわちサセプタから成形部材への熱伝達メカニズムは常に異なったものとなり、例えば熱対流、熱放射、あるいは熱伝導によって形成される。
【0023】
サセプタの誘導付加に際してはサセプタが付加される誘導熱を完全に吸収することが重要である。そのため、例えばサセプタの内部を一種のファラデーケージとして形成するかあるいはミュー合金で内張りすることによって適宜な処置を施すことができる。
【0024】
ここでも充分な温度均一化が達成され、放射線に敏感な成形部材でも所要の方式で簡便に加熱することができる。
【0025】
意外なことにこの措置によって本発明に係る成形部材を損傷する危険性がある局部的な過熱が生じないように保持することができる。一般的にマイクロ波放射線は加熱対象物を表面から加熱し、そのため特に例えば既知の900MHzの周波数ではなく2.45GHzの周波数で処理する場合に進入深度が小さくなる。本発明によって大面積であるが微細な多部品を有する歯科セラミック成形部材においても高い温度変化を誘発するマイクロ波放射線によって局部的な過熱が生じることが防止される。本発明によってむしろ本発明に係る二重に密封されたサセプタ内においてマイクロ波放射線が100超、特に約10000の係数をもって削減され、従って加熱に関して全く重要でなくなるかあるいは重要性が低くなる。意外なことに本発明に係る成形部材の殆ど間接的な加熱により、成形部材の形状に適合するように形成されていてすなわち過度に大きくはないサセプタを使用する場合に特に良好な熱効率が達成される。
【0026】
この点に関して本発明に係るサセプタの内部が良好な熱伝導体によって内張りされていれば極めて好適である。一般的に金属は良好な熱伝導体であり、従って熱均一化を達成するために適している。サセプタが例えば50°K/分の加熱速度と歯科セラミック成形部材に適合する大きさ、すなわち僅か数cmの内部長のみを有する場合に、5°未満、特に3°未満の内部温度勾配を達成することができる。
【0027】
内部の内張りは任意の適宜な方式で形成することができる。
【0028】
例えばサセプタの壁部は一体式あるいは多部品式に形成することができる。内張りとしては高密度のセラミック層が使用可能であるが、例えば金属粉を添加したセラミック層、金属被覆、蒸着金属層、メッキ金属層、高温耐久半導体層等を使用することも可能である。
【0029】
一般的にサセプタは既知の方式で二部品として形成され、例えば蓋部材を備えた立方体容器として形成される。しかしながら、サセプタの壁厚を有していて円筒形のサセプタによってフード状に遮蔽された円盤によってサセプタを形成することもできる。この解決方式によれば、例えばフード形状のサセプタの蓋部材を取り外すことによって焼結した歯科成形部材を無振動で冷却することが可能となる。この解決方式においては予硬化が開始されるまでサセプタを最初閉鎖した形態でその中に収容された焼結歯科成形部材と共に冷却することが好適である。冷却温度勾配が顕著に低下すると同時にサセプタの蓋部を除去して冷却をさらに加速することができる。
【0030】
本発明によれば、サセプタは通過する全ての温度領域において良好な吸収特性を示すように形成される。マイクロ波の高密度性を達成するためにサセプタ容器とその蓋部の間の継ぎ目部分を一種のラビリンスシール状あるいは少なくとも波状に形成することができる。
【0031】
サセプタ容器を電気抵抗加熱器によって例えば700ないし800℃の温度に加熱しその温度に到達すると同時にマイクロ波放射線を点入することも可能である。
【0032】
プラチナ等の金属からなる導電性の被覆の代わりに黒鉛被覆を使用することができ、例えばサセプタにガスを貫流させるために形成することができる開口部が存在する場合はそれを使用されるマイクロ波放射線の波長に適応するラムダトラップとして形成することができる。
【0033】
本発明において一般的に固定式で機械的に容易に実現し得るサセプタ容器の構成が好適であるが、成形部材を含めてサセプタ容器を回転させる回転テーブルを使用するか既知の方式でマイクロ波フィールドを回転させることも可能である。
【0034】
好適な構成形態によれば、マイクロ波シールドが吸収されるマイクロ波放射線と吸収を透過したマイクロ波放射線の比を100:1超、特に1000:1超、さらに好適には10000:1超に上昇させる。
【0035】
別の好適な構成形態によれば、サセプタがマイクロ波放射線を吸収しまた周波数が2.455GHzを顕著に下回り特に900MHz未満である放射線を放射する。
【0036】
別の好適な構成形態によれば、サセプタから放射された放射線が赤外線領域、特に1000μmをいくらか下回る波長において放射最大値を有し、その放射線が好適には一種のガウス曲線に従って分布する。
【0037】
別の好適な構成形態によれば、サセプタと成形部材の間にマイクロ波オーブンとサセプタの間のものとは異なった熱伝達メカニズムを使用し、特に対流、放射、および/または熱伝導等を使用する。
【0038】
別の好適な構成形態によれば、サセプタおよび/または吸収材がマイクロ波を漏らさないように形成される。
【0039】
別の好適な構成形態によれば、マイクロ波シールドがマイクロ波を強度に吸収する、および/またはマイクロ波を反射する材料からなり、特に金属を含む。
【0040】
別の好適な構成形態によれば、マイクロ波シールドがマイクロ波放射線に対して極めて高い吸収率を有する材料、特に高密度の炭化珪素から製造される。
【0041】
別の好適な構成形態によれば、サセプタの内面と良好な熱接触を有する特に金属製の良好な熱伝導体上に成形部材が接合する。
【0042】
別の好適な構成形態によれば、特に成形部材と接触していてサセプタの内部の温度を均一化する熱伝導体をサセプタの内部に備える。
【0043】
別の好適な構成形態によれば、サセプタならびに場合によって熱伝導体がガス用の接続フランジを備え、それからサセプタならびに場合によって熱伝導体にガスが通流可能である。
【0044】
別の好適な構成形態によれば、マイクロ波シールドがサセプタの内側にそれを内張りするように配置される。
【0045】
別の好適な構成形態によれば、マイクロ波シールドをサセプタに対して一体的に形成し、特に陽極酸化被膜によってサセプタの内壁上に形成する。
【0046】
別の好適な構成形態によれば、マイクロ波シールドが1000℃超の温度においても請求項2に従って遮断するように作用する。
【0047】
別の好適な構成形態によれば、放射線源と成形部材の間の放射路内、特にサセプタの内壁上に成形部材への電磁放射線の伝送を実質的に完全に防止するシールド、特にマイクロ波シールドを配置する。
【0048】
別の好適な構成形態によれば、サセプタによって形成された容器が均一な温度分布を有する熱処理空間として形成され、その中に加熱される成形部材が収容される。
【0049】
本発明のその他の詳細、特徴、ならびに種々の利点は添付図面を参照しながら以下に記述する実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る成形部材の加熱装置をマイクロ波オーブンによって示した概略図である。
【図2】本発明に係る装置内で使用されるサセプタの第1の実施例を示した概略図である。
【図3】本発明に係る装置内で使用されるサセプタの第2の実施例を示した概略図である。
【図4】本発明に係る装置内で使用されるサセプタの第3の実施例を示した概略図である。
【図5】本発明に係る装置内で使用されるサセプタの第4の実施例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明に係る成形部材の加熱装置はマイクロ波オーブン10を備え、それに図示されていないマイクロ波発生器と導波管12によってマイクロ波放射線14が付加される。
【0052】
マイクロ波オーブン10内には本発明に係るサセプタ16が収容されており、それが成形部材18を包囲して収容している。既知の方式によって容器形態のサセプタ16が図示された実施例においては円筒形のマイクロ波オーブン10内の中央に収容されている。サセプタ16は任意のその他の形状とし得ることが理解される。
【0053】
図2には立方体のサセプタ16が示されている。図2の実施例には、サセプタ下部材20とサセプタ蓋部材22からなる二部品式のサセプタが示されている。蓋部材22は例えば関節式に下部材20と結合することができるが、好適には固定される。サセプタは均一な壁厚を有し、好適には約20mmとされるが例えば僅か0.1mmの厚みまたは50mmの厚みとすることもできる。サセプタは炭化珪素から形成しまた本発明に係るマイクロ波シールドを形成するために内面にプラチナを被覆することが好適であり、その被覆は図2において開放して図示されている蓋部材の内側にも形成されている。
【0054】
図3には変更されたサセプタ16の実施例が示されている。ここでサセプタ16は円形の基礎部24を備え、それがフード26によって被包されている。成形部材18は基礎部24上の中央に収容されるように設定されている。ここで基礎部24は良好に導電性である層によって被覆されており、それがサセプタ16の内部の温度を均一化するように作用する。
【0055】
図1の実施形態および図2の実施形態のいずれにおいても蓋部材22あるいはフード26が噛み合い式に下部材20あるいは基礎部24に固定される。そのため噛み合いのために機能する少なくとも1つのショルダ、溝部、あるいはその他の窪み部が設けられる。噛み合いは一種のパッキングのようにリング状に形成することが好適であり、それによってマイクロ波放射線がその部分から侵入し得ないようにする。
【0056】
図4には変更された本発明に係るサセプタ16の実施例が示されている。ここではサセプタにガスを貫流させるように構成されている。そのため容器の対向する面の中央、例えば実質的に円筒形のサセプタ容器16の上面と下面上に形成されたコネクタ28および30が設けられている。そのようにして設けられた開口部も同じ壁厚のサセプタ材料によって被包されている。しかしながらここで存在する開口部はラムダトラップとして形成されており、従ってその部分でマイクロ波放射線が侵入不可能となっている。
【0057】
図5には別の変更されたサセプタ16の実施例が示されている。図示されているサセプタ16の形状はその内側形状が実質的に製造される歯科成形部材、例えば複数の歯を架橋するブリッジの外形に相当する。ここでも二部品式の構成が好適であり、その際図5のサセプタ16の内面も他の実施例と同様に適宜な被覆をマイクロ波シールドとして備えることが理解される。
【符号の説明】
【0058】
10 マイクロ波オーブン
12 導波管
14 マイクロ波放射線
16 サセプタ
18 成形部材
20 サセプタ下部材
22 サセプタ蓋部材
24 基礎部
26 フード
28,30 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタに電磁放射線を照射するマイクロ波発生器あるいは誘導加熱器を備え、電磁放射線を吸収して熱線を成形部材に向かって放射する特に例えば閉鎖式の容器の形式で前記サセプタが成形部材を被包する、特に歯科成形部材等の成形部材を加熱する装置であり、電磁放射線がサセプタ(16)を加熱するとともにサセプタ(16)は成形部材(18)を電磁放射線から遮蔽することを特徴とする装置。
【請求項2】
放射線源と成形部材(18)の間の放射路内、特にサセプタ(16)の内壁上に成形部材(18)への電磁放射線の伝送を実質的に完全に防止するシールド、特にマイクロ波シールドを配置することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
サセプタ(16)によって形成された容器が均一な温度分布を有する熱処理空間として構成され、その中に加熱される成形部材(18)が収容されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
サセプタ(16)が電磁放射線を吸収して熱線を放射することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
サセプタ(16)と成形部材(18)の間にマイクロ波オーブン(10)とサセプタ(16)の間のものとは異なった熱伝達メカニズムを使用し、特に対流、放射、および/または熱伝導を使用することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
サセプタ(16)から放射された放射線が赤外線領域において放射最大値を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
サセプタ(16)が電磁放射線を吸収および/または遮断するように形成されるが、少なくとも1つの開口部を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
マイクロ波シールドがマイクロ波を強度に吸収する、および/またはマイクロ波を反射する材料からなり、特に金属を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
マイクロ波シールドがマイクロ波放射線(14)に対して極めて高い吸収率を有する材料、特に炭化珪素から製造されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
成形部材(18)がサセプタ(16)上の容器内あるいは熱処理空間内において必要に応じて適宜な支持材を介し特に圧力をかけずにサセプタ(16)に対して一定の熱接触をもって着合することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
サセプタ(16)および/または容器あるいは熱処理空間の内面上に塗付された層が良好な熱伝導体として形成されサセプタ(16)の内部空間内の温度を均一化することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
サセプタ(16)ならびに場合によって熱伝導体がガス用の接続フランジを備え、それからサセプタ(16)ならびに場合によって熱伝導体にガスが通流可能であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
マイクロ波シールドがサセプタ(16)の内側にそれを内張りするように塗付されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
マイクロ波シールドをサセプタ(16)に対して一体的に形成し、特に陽極酸化被膜によってサセプタの内壁上に形成することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
容器が少なくとも2つの部材および/または少なくとも2つの層から形成されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
請求項2のシールドが0ないし1750度の温度において遮蔽するように作用することを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−29664(P2010−29664A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175941(P2009−175941)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(596032878)イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト (63)
【Fターム(参考)】