説明

特殊シート

【課題】ボールペン、鉛筆、水性、油性のインキマーカー、特殊なフリクションボールペン等の所定の筆記具での書き込みが可能で、しかも、書き込んだインキの消去が簡単に行なえること。また、特殊シートへの書き込み、消去が少なくとも数百回は可能で、リサイクル化を図り、紙の省資源化を図ること。
【解決手段】紙材からなるベース基材2と、ベース基材2の表面に貼合した厚み12μm〜50μmのポリエステルフィルム層3とでシート本体1を構成する。ホワイトボード専用のインキマーカーでポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みができ、インキを消去する時は、付属の消し部、ティッシュペーパー、消しゴムのいずれでも消去することができる。シート本体1の全面にわたって書かれている文字等を一気に消す場合は、ティッシュペーパーを摘んでインキをこすっていくだけで、消去することができるので、ティッシュペーパーが最も効率が良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールペン、鉛筆、水性、油性のインキマーカー、特殊なフリクションボールペン等での書き込みが可能で、しかも、インキの消去が簡単に行なえる特殊シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般の紙に書く筆記具として、従来より、鉛筆、ボールペン、水性、油性のインキマーカー等があり、紙にボールペン、インキマーカーにて文字等を書いた後に、インキを消去しようとしても消去が不可能なのは周知に事柄である。その点、鉛筆で紙に文字等を書いた後は、簡単に消去することができる。
【0003】
文字等を書いた後に容易に消去できない筆記具としてボールペンやインキマーカーを用いたり、また、容易に消去可能な場合には鉛筆を使用するようにしている。このように、筆記具の種類は目的に応じて適宜選択して用いられている。
【0004】
また、容易に書き込みができて、簡単に消去が可能なものとして、所謂ホワイトボードがあり、部屋内に置いておくホワイトボードや、またペーパー式の持ち運びが可能なホワイトボードがある。これらのホワイトボードの表面は特殊なコーティングが施されており、また筆記具として専用のインキマーカーが必要である。
従来のホワイトボード用のインキマーカーは太字であり、そのため、細字のインキマーカーが要望されていたが、最近、細字のインキマーカーも市販されている。
【0005】
ところで、紙にボールペンで文字等を書いた場合、インキを消しゴムで消去が可能なフリクションボールペンと呼ばれる商品が最近市販されている。このフリクションボールペンは、インキをこすった場合に摩擦(フリクション)による熱にて該インキを消去するものである。そして、このフリクションボールペンには、専用の消しゴムがペンの端部に一体に設けてある。
【0006】
フリクションボールペンで紙に文字等を書いた後に、修正部分の文字等を専用の消しゴムでこすることで、こすった部分の文字等を消去することができる。しかしながら、修正箇所が1文字、2文字等の少ない場合は、その部分だけこすることで、容易にインキ(文字)を消去することができるものの、1行〜数行、あるいは紙の全面にわたって文字等を消去する場合には、可能であるが、非常な労苦を必要とし、気分的には全面にわたって文字等を消去するにはならない。
この場合、その紙を廃棄して、新たにまっさらの紙を用意して最初から書くことになる。そのため、廃棄する紙が無駄になってしまうことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、少なくとも以下の目的を持った特殊シートを提供することを目的としている。
(1)ボールペン、鉛筆、水性、油性のインキマーカー、特殊なフリクションボールペン等の所定の筆記具での書き込みが可能で、しかも、書き込んだインキの消去が簡単に行なえること。
(2)特殊シートへの書き込み、消去が少なくとも数百回は可能で、リサイクル化を図り、紙の省資源化を図ること。
(3)低価格、高品質な特殊シートを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明の請求項1に記載の特殊シートでは、ベース基材2の表面に、厚みが12μm〜50μmのポリエステルフィルム層3を貼合してシート本体1を構成していることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の特殊シートでは、ベース基材2の表面に、厚みが12μm〜50μmのポリプロピレンフィルム層6を貼合してシート本体1を構成していることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の特殊シートでは、ベース基材2の表面に、厚みが12μm〜50μmのポリプロピレンのパールフィルム層9を貼合してシート本体1を構成していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の特殊シートによれば、ベース基材2の表面に、厚みが12μm〜50μmのポリエステルフィルム層3を貼合してシート本体1を構成しているので、ホワイトボード専用のインキマーカーにてポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みが綺麗にでき、また、インキを消去する場合は、付属の消し部、ティッシュペーパー、消しゴムのいずれでも綺麗に消去することができる。
シート本体1の全面にわたって書かれている文字等を一気に消す場合は、ティッシュペーパーを摘んでインキを単にこすっていくだけで、インキを綺麗に消去することができるので、ティッシュペーパーが最も効率が良い。
一般に市販されている水性マーカーではシート本体1のポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みは若干インキがはじき、全体として薄い状態となる。しばらくしてからは、指で触ったり、こすったりしても容易に消えることはない。
消しゴムでも文字等の消去は可能であるが、ティッシュペーパーで強くこすった場合の方が綺麗に消去することができる。
一般に市販されている油性マーカーでは、紙の場合と同様に綺麗に文字等を書き込みすることができる。油性マーカーのインキを消す場合、ティッシュペーパーでは消去できないが、消しゴムは可能である。この消しゴムで文字等を消す場合は、少し力を入れてこすると、文字等を綺麗に消去することができる。
市販されているフリクションボールペンは、線幅が少し細くなるが、実使用上問題なく文字等を書くことができる。指で触ってもあまり消えることはない。インキを消去する場合、消しゴム、ティッシュペーパーで容易に綺麗に消すことができる。ティッシュペーパーの方が簡単に綺麗に消すことができる。したがって、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
また、所定の筆記具4において、シート本体1の表面に綺麗に書くことができ、しかも所定の消しゴムやティッシュペーパーで綺麗に消すことができるので、少なくとも数百回の書き込み、消去が可能である。
また、例えば、A4版の大きさのシート本体1として、その表面に学習用に文字や計算をし、不要となれば、消去することで、計算用紙等の無駄遣いを無くすことができ、省資源化に大いに寄与することができるものである。
さらに、ベース基材2の表面にポリエステルフィルム層3を貼合しているだけなので、シート本体1を安価に製造することができる。
【0012】
請求項2に記載の特殊シートによれば、ベース基材2の表面に、厚みが12μm〜50μmのポリプロピレンフィルム層6を貼合してシート本体1を構成しているので、ホワイトボード専用のインキマーカーではポリプロピレンフィルム層6の表面に文字等を綺麗に書くことができる。書いた後は、付属のフェルト状の消し部でこすると綺麗に消去が可能である。また、ティッシュペーパーでこすっても綺麗に消去が可能であり、消しゴムも簡単に文字等を消すことができる。
シート本体1の全面にわたって書かれている文字等を一気に消す場合は、ティッシュペーパーを摘んでインキを単にこすっていくだけで、インキを綺麗に消去することができるので、ティッシュペーパーが最も効率が良い。
一般に市販されている水性マーカーではシート本体1のポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みは若干インキがはじき、全体として薄い状態となる。しばらくしてからは、指で触ったり、こすったりしても容易に消えることはない。
消しゴムでも文字等の消去は可能であるが、ティッシュペーパーで強くこすった場合の方が綺麗に消去することができる。
一般に市販されている油性マーカーでは、紙の場合と同様に綺麗に文字等を書き込みすることができる。油性マーカーのインキを消す場合、ティッシュペーパーでは消去できないが、消しゴムは可能である。この消しゴムで文字等を消す場合は、少し力を入れてこすると、文字等を綺麗に消去することができる。
フリクションボールペンは、線幅が少し細くなるが、実使用上問題なく文字等を書くことができる。インキを消去する場合、指やティッシュペーパーでこすると簡単に綺麗に消去することができる。また、消しゴムでも簡単に文字等を綺麗に消すことができる。したがって、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
鉛筆では、少し力を入れることで、少し薄い箇所も生じるが、実使用上問題はない。文字等を消す場合、ティッシュペーパーでは難しいが消しゴムでは綺麗に消すことができる。
ボールペンでポリプロピレンフィルム層6の表面に綺麗に書くことができる。このボールペンのインキを消去する場合、消しゴムでも綺麗に消すことができる。ティッシュペーパーでこすると綺麗に消去でき、そのため、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
また、所定の筆記具4において、シート本体1の表面に綺麗に書くことができ、しかも所定の消しゴムやティッシュペーパーで綺麗に消すことができるので、少なくとも数百回の書き込み、消去が可能である。
また、例えば、A4版の大きさのシート本体1として、その表面に学習用に文字や計算をし、不要となれば、消去することで、計算用紙等の無駄遣いを無くすことができ、省資源化に大いに寄与することができるものである。
さらに、ベース基材2の表面にポリプロピレンフィルム層6を貼合しているだけなので、シート本体1を安価に製造することができる。
【0013】
請求項3に記載の特殊シートによれば、ベース基材2の表面に、厚みが12μm〜50μmのポリプロピレンのパールフィルム層9を貼合してシート本体1を構成しているので、フリクションボールペンは、線幅が若干細くなるが、実使用上全く問題なく文字等を書くことができる。インキを消去する場合、指やティッシュペーパーでこすると簡単に綺麗に消去することができる。また、消しゴムでも簡単に文字等を綺麗に消すことができる。したがって、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
鉛筆では、普通の紙の上に書いているようにパールフィルム層9の表面に綺麗に文字等を書くことができる。文字等を消す場合は、ティッシュペーパーでは無理であるが、消しゴムの場合は綺麗に消すことができる。
ゲルインキボールペンでは、パールフィルム層9の表面に綺麗に文字等を書くことができる。文字等を消す場合は、ティッシュペーパーでは無理であるが、消しゴムの場合は綺麗に消すことができる。
一般に市販されているボールペンでは、パールフィルム層9の表面に綺麗に文字等を書くことができる。文字等を消す場合は、ティッシュペーパーでは無理であるが、消しゴムの場合は綺麗に消すことができる。
このように、フリクションボールペンで書くことができるものの、このフリクションボールペンのインキを消す場合には、付属している消しゴムで消す必要はなく、一般の消しゴムで簡単に綺麗に消すことができる。なお、一般の紙にフリクションボールペンで書いたインキを一般の消しゴムで消しても、綺麗に消すことができず、跡が残る。
また、一般に市販されているボールペン、鉛筆で綺麗に書くことができ、しかも、一般の消しゴムで文字等を消すことができるものである。そのため、特に、やや特殊なフリクションボールペンを用いる必要はない。
また、所定の筆記具4において、シート本体1の表面に綺麗に書くことができ、しかも所定の消しゴムやティッシュペーパーで綺麗に消すことができるので、少なくとも数百回の書き込み、消去が可能である。
また、例えば、A4版の大きさのシート本体1として、その表面に学習用に文字や計算をし、不要となれば、消去することで、計算用紙等の無駄遣いを無くすことができ、省資源化に大いに寄与することができるものである。
さらに、ベース基材2の表面にポリプロピレンのパールフィルム層9を貼合しているだけなので、シート本体1を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるシート本体の要部拡大断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるシート本体のポリエステルフィルム層に筆記具にて書き込みをしている状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるシート本体の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態におけるシート本体の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態における特殊シートであるシート本体1の要部拡大断面図を示しており、このシート本体1は、ベース基材2と、このベース基材2の表面に貼合したポリエステルフィルム層3とで構成されている。
【0016】
シート本体1のベース基材2の材料としては、一般の紙材であり、また、厚さは任意の厚さの紙を用いることができる。ポリエステルフィルム層3の厚さは、12μm〜50μmの範囲である。
【0017】
本発明者は、省資源化の観点から、紙の無駄遣いを無くすべく、文字等を書き込んでは、インキを消去することができる材料を探求してきた結果、遂に、数百回の書き込み、消去が可能な材料を知見したものである。その材料は、第1の実施形態では、ポリエステルフィルムであり、後述する第2の実施形態では、ポリプロピレンフィルムであり、第3の実施形態では、東洋紡株式会社のポリプロピレンのパールフィルムである。
【0018】
また、図2に示すように、シート本体1のポリエステルフィルム層3に書き込む筆記具4としては、本特殊シート(シート本体1)専用の筆記具ではなく、一般に市販されている筆記具である。なお、各実施形態において、容易に書き込み、消去が可能な筆記具の種類が異なるので、各実施形態において筆記具の種類による書き込み、消去の有無について詳述する。
【0019】
(1)ホワイトボード専用のインキマーカー
このインキマーカーは、パイロット社製で、型番は、WBME−15EF−Bであり、インキは、アルコール系インキ(速乾性)である。
このインキマーカーでポリエステルフィルム層3の表面に文字等を書いた直後は、付属のフェルト状の消し部でこすると綺麗に消去が可能である。また、ティッシュペーパーでこすっても綺麗に消去が可能である。
【0020】
上記インキマーカーでポリエステルフィルム層3に文字等を書いた後、しばらく時間を経過させると、付属の消し部やティッシュペーパーで軽くこすってもインキはポリエステルフィルム層3に保持されている。ある程度時間が経過した後は、付属の消し部にて少し力を入れてインキをこすると、インキを綺麗に消去することができる。
また、ティッシュペーパーである程度力を入れてこすってもインキを綺麗に消去することができる。また、一般に市販されている消しゴム(以下、「消しゴム」と記載している場合は、すべて一般に市販されている消しゴムのことをいう。)で、鉛筆で書いた字を消すようにこすっても綺麗に消去することができる。
【0021】
ホワイトボード専用のインキマーカーにてポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みが綺麗にでき、また、インキを消去する場合は、付属の消し部、ティッシュペーパー、消しゴムのいずれでも綺麗に消去することができる。
シート本体1の全面にわたって書かれている文字等を一気に消す場合は、ティッシュペーパーを摘んでインキを単にこすっていくだけで、インキを綺麗に消去することができるので、ティッシュペーパーが最も効率が良い。
【0022】
(2)一般に市販されている水性マーカー
この水性マーカーではシート本体1のポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みは若干インキがはじき、全体として薄い状態となる。しばらくしてからは、指で触ったり、こすったりしても容易に消えることはない。
消しゴムでも文字等の消去は可能であるが、ティッシュペーパーで強くこすった場合の方が綺麗に消去することができる。
【0023】
(3)一般に市販されている油性マーカー
この油性マーカーでは、紙の場合と同様に綺麗に文字等を書き込みすることができる。油性マーカーのインキを消す場合、ティッシュペーパーでは消去できないが、消しゴムは可能である。この消しゴムで文字等を消す場合は、少し力を入れてこすると、文字等を綺麗に消去することができる。
【0024】
(4)フリクションボールペン
フリクションボールペンは、線幅が少し細くなるが、実使用上問題なく文字等を書くことができる。指で触ってもあまり消えることはない。インキを消去する場合、消しゴム、ティッシュペーパーで容易に綺麗に消すことができる。ティッシュペーパーの方が簡単に綺麗に消すことができる。したがって、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
【0025】
(5)鉛筆では、文字等を書くことができるものの、非常に薄くなり、実使用上は難しい。また、ゲルインキボールペンは、線が途切れるので、このゲルインキボールペンも実使用上難しい。
一般のボールペンは、ほとんど書けないので、ボールペンは適用不可である。
【0026】
なお、ベース基材2へのポリエステルフィルム層3の貼合方法は、水性樹脂貼合法、ドライラミネーション・タック樹脂による貼合法、押し出しラミネーション等の周知の方法で良い。後述の実施形態における貼合方法も同様である。
【0027】
また、ポリエステルフィルム層3の厚さを12μm〜50μmとしているが、12μm未満とした場合には、薄くなるので、フリクションボールペンで書いた場合などペン先で破損する場合がある。また、51μm以上としても、コストが高くなり、経済的効果が乏しい。したがって、ポリエステルフィルム層3の厚みは、12μm〜50μmの範囲が好適例である。
【0028】
(第2の実施の形態)
図3は第2の実施形態を示し、本実施形態では、上記ポリエステルフィルム層3の代わりに、ポリプロピレンフィルムを用いてポリプロピレンフィルム層6にてシート本体1を構成したものである。
また、ポリプロピレンフィルム層6の厚さは、20μm〜100μmの範囲としている。
【0029】
(1)ホワイトボード専用のインキマーカー
このインキマーカーではポリプロピレンフィルム層6の表面に文字等を綺麗に書くことができる。
書いた後は、付属のフェルト状の消し部でこすると綺麗に消去が可能である。また、ティッシュペーパーでこすっても綺麗に消去が可能であり、消しゴムも簡単に文字等を消すことができる。
【0030】
シート本体1の全面にわたって書かれている文字等を一気に消す場合は、ティッシュペーパーを摘んでインキを単にこすっていくだけで、インキを綺麗に消去することができるので、ティッシュペーパーが最も効率が良い。
【0031】
(2)一般に市販されている水性マーカー
この水性マーカーではシート本体1のポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みは若干インキがはじき、全体として薄い状態となる。しばらくしてからは、指で触ったり、こすったりしても容易に消えることはない。
消しゴムでも文字等の消去は可能であるが、ティッシュペーパーで強くこすった場合の方が綺麗に消去することができる。
【0032】
(3)一般に市販されている油性マーカー
この油性マーカーでは、紙の場合と同様に綺麗に文字等を書き込みすることができる。油性マーカーのインキを消す場合、ティッシュペーパーでは消去できないが、消しゴムは可能である。この消しゴムで文字等を消す場合は、少し力を入れてこすると、文字等を綺麗に消去することができる。
【0033】
(4)フリクションボールペン
フリクションボールペンは、線幅が少し細くなるが、実使用上問題なく文字等を書くことができる。インキを消去する場合、指やティッシュペーパーでこすると簡単に綺麗に消去することができる。また、消しゴムでも簡単に文字等を綺麗に消すことができる。したがって、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
【0034】
(5)鉛筆では、少し力を入れることで、少し薄い箇所も生じるが、実使用上問題はない。文字等を消す場合、ティッシュペーパーでは難しいが消しゴムでは綺麗に消すことができる。
また、ゲルインキボールペンは、線が途切れるので、このゲルインキボールペンは実使用上難しい。
【0035】
(6)ボールペン
ボールペンでポリプロピレンフィルム層6の表面に綺麗に書くことができる。このボールペンのインキを消去する場合、消しゴムでも綺麗に消すことができる。ティッシュペーパーでこすると綺麗に消去でき、そのため、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
【0036】
ポリプロピレンフィルム層6の厚さを20μm〜100μmの範囲としているが、20μm未満であれば、ボールペンのペン先で破損する恐れがあり、また、101μm以上とすると、コストが高くなり、経済的効果が乏しい。したがって、20μm〜100μmの範囲が好適例である。
【0037】
(第3の実施の形態)
図4は第3の実施形態を示し、本実施形態では、図1に示す上記ポリエステルフィルム層3の代わりに、ポリプロピレンのパールフィルム(東洋紡株式会社製)を用いてパールフィルム層9にてシート本体1を構成したものである。
また、パールフィルム層9の厚さは、35μm〜100μmの範囲としている。
【0038】
(1)ホワイトボード専用のインキマーカー
このインキマーカーではパールフィルム層9の表面に文字等を綺麗に書くことができる。
しかしながら、このインキマーカーに付属している消し部で消しても、跡が残り、ティッシュペーパーや消しゴムでも同じように跡が残るため、インキマーカーは本実施形態では向かない。
【0039】
(2)一般に市販されている水性マーカー
この水性マーカーではシート本体1のポリエステルフィルム層3に文字等の書き込みは若干インキがはじき、全体として薄い状態となる。
消しゴムやティッシュペーパーでこすっても、上記インキマーカーの場合と同様に跡が残り、この水性マーカーも本実施形態では向かない。
【0040】
(3)一般に市販されている油性マーカー
この油性マーカーでは、綺麗に書くことができるが、消しゴムやティッシュペーパーで消しても消しにくく、また、消えても跡が残る。そのため、この油性マーカーも本実施形態において向かない。
【0041】
(4)フリクションボールペン
フリクションボールペンは、線幅が若干細くなるが、実使用上全く問題なく文字等を書くことができる。インキを消去する場合、指やティッシュペーパーでこすると簡単に綺麗に消去することができる。また、消しゴムでも簡単に文字等を綺麗に消すことができる。したがって、シート本体1の全面にわたって文字等を消す場合は、ティッシュペーパーの方が好適例である。
【0042】
(5)鉛筆
普通の紙の上に書いているようにパールフィルム層9の表面に綺麗に文字等を書くことができる。文字等を消す場合は、ティッシュペーパーでは無理であるが、消しゴムの場合は綺麗に消すことができる。
【0043】
(6)ゲルインキボールペン
パールフィルム層9の表面に綺麗に文字等を書くことができる。文字等を消す場合は、ティッシュペーパーでは無理であるが、消しゴムの場合は綺麗に消すことができる。
【0044】
(7)一般に市販されているボールペン
パールフィルム層9の表面に綺麗に文字等を書くことができる。文字等を消す場合は、ティッシュペーパーでは無理であるが、消しゴムの場合は綺麗に消すことができる。
【0045】
本実施形態では、フリクションボールペンで書くことができるものの、このフリクションボールペンのインキを消す場合には、付属している消しゴムで消す必要はなく、一般の消しゴムで簡単に綺麗に消すことができる。なお、一般の紙にフリクションボールペンで書いたインキを一般の消しゴムで消しても、綺麗に消すことができず、跡が残る。
また、本実施形態では、一般に市販されているボールペン、鉛筆で綺麗に書くことができ、しかも、一般の消しゴムで文字等を消すことができるものである。そのため、特に、やや特殊なフリクションボールペンを用いる必要はない。
【0046】
ここで、パールフィルム層9の厚さを35μm〜100μmの範囲としているが、35μm未満では、薄くなってボールペンや鉛筆の先で破損する恐れがあり、また、101μm以上としてもコストが上がり、経済的効果が乏しい。それで、パールフィルム層9の厚さは、35μm〜100μmの範囲が好適例である。
【0047】
このように、上記各実施形態において、ベース基材2の表面に、ポリエステルフィルム層3、ポリプロピレンフィルム層6、パールフィルム層9のいずれかを単に貼合してシート本体1を形成していることで、シート本体1を安価に製造することができる。
【0048】
また、各実施形態において、所定の筆記具4において、シート本体1の表面に綺麗に書くことができ、しかも所定の消しゴムやティッシュペーパーで綺麗に消すことができるので、少なくとも数百回の書き込み、消去が可能である。
また、例えば、A4版の大きさのシート本体1として、その表面に学習用に文字や計算をし、不要となれば、消去することで、計算用紙等の無駄遣いを無くすことができ、省資源化に大いに寄与することができるものである。
【0049】
なお、ベース基材2の表面に、金色やアルミ箔、模様を施した和紙を貼合し、その表面にポリエステルフィルム層3、ポリプロピレンフィルム層6、パールフィルム層9のいずれかを貼合することで、シート本体1に高級感や豪華さを持たせることができ、しかも、安価にシート本体1を製造することができる。
【0050】
なお、上記各実施形態において、ベース基材2の一方の面にポリエステルフィルム層3、ポリプロピレンフィルム層6、パールフィルム層9のいずれか貼合していたが、ベース基材2の他方の面にも各フィルム層3、6、9のいずれかを貼合して、同じ特性の層を貼合したり、他の特性の層を貼合して組み合わせるようにしても良い。
【符号の説明】
【0051】
1 シート本体
2 ベース基材
3 ポリエステルフィルム層3
4 筆記具
6 ポリプロピレンフィルム層
9 ポリプロピレンのパールフィルム層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材(2)の表面に、厚みが12μm〜50μmのポリエステルフィルム層(3)を貼合してシート本体(1)を構成していることを特徴とする特殊シート。
【請求項2】
ベース基材(2)の表面に、厚みが20μm〜100μmのポリプロピレンフィルム層(6)を貼合してシート本体(1)を構成していることを特徴とする特殊シート。
【請求項3】
ベース基材(2)の表面に、厚みが35μm〜100μmのポリプロピレンのパールフィルム層(9)を貼合してシート本体(1)を構成していることを特徴とする特殊シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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