説明

特殊合撚糸

【課題】 はさみやカッター等の鋭利な刃物での切断によっても解れ難く、また、水に濡れた状態においても結び目が緩み難い合撚糸を提供する。
【解決手段】 合撚糸において、合成繊維、好ましくはポリエステル長繊維からなるループ毛羽を有する加工糸と、該合成繊維の融点より少なくとも10℃以上低い融点を有する重合体(好ましくは当該重合体からなるバインダー繊維)とが含まれてなることを特徴とする合撚糸。網地用の仕立て糸として好適であり、作業性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結び目が緩み難く、切断部分の繊維が解れ難い特殊な合撚糸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の用途で、糸の結び目の緩み難い糸が求められており、例えば網地の接続や破損部補修に用いる網地用の仕立て糸として、網地やロープに結びつけた結び目において密着する繊維間に強い摩擦力を作用させるために、周面が毛羽立った短繊維紡績糸からなるものが使用されている。短繊維紡績糸は、加撚されて密着した短繊維間に作用する摩擦力によって結束されており、その短繊維間に作用する摩擦力によって張力に対応する強度が付与されて、糸条としての形態を維持している。
【0003】
しかし、上記のような短繊維紡績糸からなるものでは、屋外での雨天等でぬれた場合や、水中に沈められた状態では、水が短繊維紡績糸の内部に侵入し、短繊維間を滑り易くする滑剤の如く作用し、短繊維間の摩擦力が弱まる。このため、吸湿膨潤性を欠く合成繊維紡績糸からなるものでは、結び目が緩みやすくなるという問題がある。それに対し、吸湿膨潤性に富む麻や綿等のセルロース系繊維からなるものでは、セルロース系繊維が水中で吸湿膨潤して太くなるので短繊維間の密着性は増すが、水が滑剤の如く作用する点については合成繊維紡績糸の場合と同様であり、また、腐食し劣化し易いために耐久性の面での問題もある。
【0004】
上記のような問題を解決するため、ループ毛羽を有するポリエステル長繊維からなる加工糸が合撚されてなる網地用仕立て糸が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、これらを網地等の補修用に使用する場合には、補修作業時にはさみやカッター等鋭利な刃物で切断すると、切断された合撚糸の先端が解れてしまい、作業性に劣るという問題があった。そのような解れ防止のためには、ライターやヒートカッター等を用いることで対応できるが、結局のところ作業性が悪く、新たに火傷等の安全面での問題が生じることになる。
【特許文献1】実開平3−1980
【特許文献2】特開2001−103870
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような問題に鑑み、本発明の課題は、はさみやカッター等の鋭利な刃物での切断によっても解れ難く、また、水に濡れた状態においても結び目が緩み難い合撚糸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決できるものであり、その要旨は次の通りである。
(1)合撚糸において、合成繊維からなるループ毛羽を有する加工糸と、該合成繊維の融点より少なくとも10℃以上低い融点を有する重合体とが含まれてなることを特徴とする合撚糸。
(2)ループ毛羽を有する加工糸がポリエステル長繊維からなるものであることを特徴とする上記(1)の合撚糸。
(3)網地用の仕立て糸である上記(1)又は(2)に記載の合撚糸。
【発明の効果】
【0007】
本発明の合撚糸は、合成繊維からなるループ毛羽を有する加工糸を含有していることにより、ループ毛羽が合撚糸の表面に微細な凹凸を生ぜしめ、これが結節時に結び目を強く密着させ、たとえ水が浸入して来ても緩み難いものとなっている。また、上記加工糸を構成する合成繊維の融点より少なくとも10℃以上低い融点を有する重合体が含まれていることにより、この重合体が熱バインダーとして機能し、合撚糸の構成繊維同士の結束を強化する。したがって、本発明の合撚糸は、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断しても繊維が解れ難く、また、結節させるとその結び目は水に濡れても解れ難いので、結節を要する各種の用途、例えば荷造り用の縛り紐、ロープ、ネット等に好適に用いることができる。特に、切断時に繊維が解れ難いことから、漁網等の網地を仕立てたり補修したりするのに用いる網地用の仕立て糸として最適であり、作業性が大いに向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明の合撚糸は、合成繊維からなるループ毛羽を有する加工糸を含むものである。以後、合成繊維からなるループ毛羽を有する加工糸のことを、単に「ループ加工糸」と略記することがある。
【0010】
本発明に用いられるループ加工糸としては、例えば、空気を流体とした空気加工機を用いて、合成繊維をオーバーフィードの状態下で流体撹乱処理をすることにより得られる。ループの大きさやループの数としては、特に限定されるものではなく、上記の流体撹乱処理による場合であれば、オーバーフィード率、流体速度及び加工速度を適宜設定することにより調節すればよい。
【0011】
本発明の合撚糸は、ループ加工糸が含まれていることにより、合撚糸の表面にループ毛羽が存在するので、合撚糸を結節した際に当該ループ毛羽の摩擦作用により合撚糸の表面同士を滑り難くするので、結び目が緩み難くなる。したがって、ループ加工糸の含有率としては、特に限定されるものではないが、結び目の緩み難さを考慮すると、合撚糸の質量全体に対して30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
【0012】
ループ加工糸の単糸繊度としては、4.5〜17デシテックスが好ましく、6.6〜13デシテックスがより好ましい。
【0013】
本発明の合撚糸において、ループ加工糸以外の繊維(以下、「他の繊維」という)が含まれる場合、他の繊維も合成繊維であることが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる合成繊維を形成する重合体としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル、ポリアミドをはじめ、繊維形成性の熱可塑性重合体として知られている各種の重合体を使用することができるが、最も好ましいのはポリエステルである。
【0015】
ポリエステルとしては,テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2・6−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を酸成分とし、かつエチレングリコール、ジエチレングリコール、1・4−ブタジオール,ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1・4−ジメタノール等のジオール化合物をエステル成分とするホモポリエステル重合体あるいは共重合体が挙げられる。なお、これらのポリエステルには、パラオキシ安息香酸、5−ソジウムスルホイソフタール酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスススリトール等が添加あるいは共重合されていてもよい。さらには、生分解性を有するポリエステルでもよく、具体的には、ポリ-D-乳酸、ポリ-L-乳酸、ポリ-D/L-乳酸共重合体やポリ乳酸ステレオコンプレックス等のポリ乳酸系重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ε−カプロラクトン)や他の生分解性ポリエステル系重合体を共重合させたものであってもよい。
【0016】
ポリアミドとしては,ポリイミノ−1−オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66),ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシレンアジパミド、又はこれらのモノマーを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられる。
【0017】
なお、合成繊維を形成する重合体として複数のものを併用してもよいことはいうまでもない。また、合成繊維には、必要に応じて各種の添加剤、例えば艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等が本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。
【0018】
合成繊維の断面形状としては、特に限定されるものではなく、最も一般的な丸形のほか、例えば十字形、−形、菱形、T字形、Y字形、三角形、四型形等いずれの形状であってもよい。
【0019】
合成繊維としては、長繊維が好ましいが、合撚糸の一部に紡績糸が含まれていてもよい。
【0020】
本発明の合撚糸には、ループ加工糸を構成する合成繊維の融点より少なくとも10℃以上低い融点を有する重合体(以下、「低融点重合体」という)が含まれていることが必要である。これにより、低融点重合体がバインダーとして機能して合撚糸の結束が強化され、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断したときに解れ難いものとなるのである。なお、低融点重合体の融点としては、115℃以上であることが好ましい。例えば、ループ加工糸を構成する合成繊維がポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル繊維である場合、低融点重合体としては、融点が120〜220℃程度の共重合ポリエステルであることが特に好ましい。
【0021】
低融点重合体を含有させる態様としては、低融点重合体のみからなる繊維、又は、低融点重合体と、これより高い融点を有する重合体とからなる複合繊維を、いわゆるバインダー繊維として合撚糸中に混合して用い、好ましくは低融点樹脂の融点以上、ループ加工糸を構成する合成繊維の融点未満の温度で熱処理することが好ましい。そのようなバインダー繊維としては、低融点重合体を鞘成分とし、これより高い融点を有する重合体を芯成分とする芯鞘型複合繊維が特に好ましく、例えば、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が低融点の共重合ポリエステルで構成されているものが挙げられる。
【0022】
合撚糸における低融点重合体の含有率としては、特に限定されるものではないが、少なすぎると合撚糸を解れにくくする効果に乏しく、逆に多すぎると、合撚糸が硬くなったり、ループ毛羽が低融点重合体で覆われてしまって結び目の緩み難さが阻害されたりするおそれがある。したがって、低融点重合体の含有率としては、合撚糸の質量全体に対して1〜20%が好ましく、3〜15%がより好ましい。
【0023】
本発明の合撚糸の構造について、図1を用いて説明する。本発明の合撚糸は、撚糸2が複数本合撚されて合撚糸1を構成しているが、それぞれの撚糸2もまた複数本の糸から構成されているので、この撚糸2を構成する糸を構成糸3という。そして、構成糸3は、複数本の単糸から構成されているものであり、本発明の合撚糸では、少なくとも一部の構成糸3としてループ加工糸を用いる。なお、図1においては、この単糸の1本1本までは表示されていない。
【0024】
合撚糸1を構成する撚糸2の本数としては、2〜8本が好ましい。また、合撚糸1における構成糸3の合計本数としては、6〜50本が好ましく、10〜30本がより好ましく、12〜30本が特に好ましい。
【0025】
また、構成糸3は、長繊維の単糸からなるマルチフィラメントであることが好ましく、そのフィラメント数としては、構成糸3の1本あたりの合計フィラメント数が40〜300本であることが好ましく、48〜250本であることがより好ましい。
【0026】
撚糸2の撚り方向は、それぞれ同方向とするのが好ましい。つまり、全ての撚糸2をS撚りとするか、全ての撚糸2をZ撚りとするかのいずれかが好ましい。そして、複数本の撚糸2を合撚して合撚糸3とする際の撚り方向は、上記した撚糸2の撚り方向とは反対にするのが好ましい。すなわち、下撚りと上撚りの撚り方向を反対に、下撚りがS撚りであれば上撚りはZ撚りとし、下撚りがZ撚りであれば上撚りはS撚りとするのが好ましい。このような撚り方向の組み合わせとすることで、撚り戻りの力が作用するのを防ぐことができる。撚り戻りの力が生じると、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断した場合に解れるのを助長する方向に働くことになる。
【0027】
また、上撚りの撚り数は、下撚りの撚り数の半分以下であることが好ましい。そのようにすることで、張力によって合撚糸が引き伸ばされるのを抑制することができる。つまり、上撚りの撚り数を、下撚の撚り数の半分以下とすれば、複数本の撚糸2を合撚して合撚糸1を仕上げた後においても、上撚りとは反対方向の下撚りが合撚糸1に残存しているので、合撚糸1に張力が作用して上撚りと反対方向の解撚トルクが生じた際、その解撚トルクは撚糸2に残存した撚りの方向と同方向となり、構成糸3内の合成繊維が引き伸ばされ難くなるためである。なお、上撚りの撚り数としては、30〜250T/Mが好ましく、70〜180T/Mがより好ましい。
【0028】
上記した低融点重合体をバインダー繊維として含有させる好ましい態様としては、撚糸2において、低融点重合体を含むバインダー繊維からなる糸を構成糸1として併用することにより、あるいは、低融点重合体を含むバインダー繊維からなる糸を複数の撚糸2と合撚することにより達成できる。合撚の状態は特に限定されるものではないが、撚糸2の外側に存在させると効率良く撚糸2同士を融着することができる。
【0029】
なお、バインダー繊維としては、紡績糸であることが好ましい。紡績糸であることにより、結び目の緩み難さに有利に作用し得るからである。
【実施例】
【0030】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各種の特性は、次のようにして測定又は評価した。
(a)強伸度
JIS L−1013に準じ、試料長25cm、引張速度30cm/分で測定した。引張試験機としては、島津製作所製オートグラフDSS−500を用いた。
(b)結び目の緩み難さ
合撚糸を一重にきつく結節させたものについて、その結び目を手で解きほぐす作業を10人にそれぞれ行わせることにより、緩み難さを各人に○△×で判定させ、最も人数の多い判定結果を採用した。○が最も緩み難く、×が最も緩みやすいことを示す。
(c)切断時の解れ
合撚糸を鋭利なはさみで切断し、解れた長さを測定した。その長さが短いほど解れ難いことを示す。
【0031】
実施例1
黒原着ポリエステル繊維(ユニチカファイバー株式会社製、品番S132B、940デシテックス/96フィラメント)を、空気加工機(愛機製作所製、AT−501EX型)にて、オーバーフィード率を15%、空気圧6.5kg/cm、糸速度110m/分という条件で流体撹乱処理を施すことにより、ループ毛羽を有するポリエステルマルチフィラメント加工糸を得た。このポリエステルマルチフィラメント加工糸4本と、ポリエステル系の芯鞘型(芯/鞘=1/1)複合バインダー繊維からなる紡績糸(ユニチカファイバー製「エクスポラン(商品名)」10番手E100 MBK)1本とを合わせて引き揃え、リング撚糸機(共立製、ST−30型)にてS撚り450T/Mの下撚りをかけて撚糸とした。次いでこの撚糸を3本引き揃えて、Z撚り152T/Mの上撚りをかけて合撚した後、130℃、2分の熱処理を施した合撚糸を得た。
【0032】
実施例2
実施例1で使用したポリエステルマルチフィラメント加工糸4本と、同じく実施例1で使用した複合バインダー繊維からなる紡績糸1本とを合わせて引き揃え、リング撚糸機(共立製、ST−30型)にてS撚り450T/Mの下撚りをかけて撚糸(A1)とした。別途、実施例1で使用したポリエステルマルチフィラメント加工糸4本を引き揃えて、リング撚糸機(共立製、ST−30型)にてS撚り450T/Mの下撚りをかけて撚糸(B1)とした。次いで、上記の撚糸(A1)2本と、撚糸(B1)1本とを合わせて引き揃えて、Z撚り152T/Mの上撚りをかけて合撚した後、130℃、2分の熱処理を施した合撚糸を得た。
【0033】
実施例3
上撚りをかけるに際して、撚糸(A1)1本と、撚糸(B1)2本とを合わせること以外は、実施例2と同様にして、合撚糸を得た。
【0034】
比較例1
下撚りの際に複合バインダー繊維からなる紡績糸は用いずにポリエステルマルチフィラメント加工糸4本のみを用いること、及び、熱処理を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、合撚糸を得た。
【0035】
上記の実施例1〜3及び比較例1で得られた合撚糸の評価結果を下記表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
表1に示された結果から、実施例1〜3の合撚糸は、結び目が緩み難く、かつ、切断したときの解れ難さに優れていることがわかる。これに対して比較例1では、低融点重合体が含まれていないことにより、切断時に繊維が解れやすいものであることがわかる。
【0038】
実施例4
黒原着ポリエステル繊維(ユニチカファイバー株式会社製、品番S132B、1100デシテックス/96フィラメント)を、空気加工機(愛機製作所製、AT−501EX型)にて、オーバーフィード率を15%、空気圧7kg/cm、糸速度120m/分という条件で流体撹乱処理を施すことにより、ループ毛羽を有するポリエステルマルチフィラメント加工糸を得た。このポリエステルマルチフィラメント加工糸4本と、ポリエステル系の芯鞘型(芯/鞘=1/1)複合バインダー繊維からなる紡績糸(ユニチカファイバー製「エクスポラン(商品名)」10番手E100 MBK)1本とを合わせて引き揃え、リング撚糸機(共立製、ST−30型)にてS撚り270T/Mの下撚りをかけて撚糸とした。次いでこの撚糸を3本引き揃えて、Z撚り120T/Mの上撚りをかけて合撚した後、130℃、2分の熱処理を施した合撚糸を得た。
【0039】
実施例5
実施例4で使用したポリエステルマルチフィラメント加工糸4本と、同じく実施例4で使用した複合バインダー繊維からなる紡績糸1本とを合わせて引き揃え、リング撚糸機(共立製、ST−30型)にてS撚り270T/Mの下撚りをかけて撚糸(A2)とした。別途、実施例4で使用したポリエステルマルチフィラメント加工糸4本を引き揃えて、リング撚糸機(共立製、ST−30型)にてS撚り270T/Mの下撚りをかけて撚糸(B2)とした。次いで、上記の撚糸(A2)2本と、撚糸(B2)1本とを合わせて引き揃えて、Z撚り120T/Mの上撚りをかけて合撚した後、130℃、2分の熱処理を施した合撚糸を得た。
【0040】
実施例6
上撚りをかけるに際して、撚糸(A2)1本と、撚糸(B2)2本とを合わせること以外は、実施例5と同様にして、合撚糸を得た。
【0041】
比較例2
下撚りの際に複合バインダー繊維からなる紡績糸は用いずにポリエステルマルチフィラメント加工糸4本のみを用いること、及び、熱処理を行わないこと以外は、実施例4と同様にして、合撚糸を得た。
【0042】
上記の実施例4〜6及び比較例2で得られた合撚糸の評価結果を下記表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
表2に示された結果から、実施例4〜6の合撚糸は、結び目が緩み難く、かつ、切断したときの解れ難さに優れていることがわかる。これに対して比較例2では、低融点重合体が含まれていないことにより、切断時に繊維が解れやすいものであることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】合撚糸の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0046】
1 合撚糸
2 撚糸
3 構成糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合撚糸において、合成繊維からなるループ毛羽を有する加工糸と、該合成繊維の融点より少なくとも10℃以上低い融点を有する重合体とが含まれてなることを特徴とする合撚糸。
【請求項2】
ループ毛羽を有する加工糸がポリエステル長繊維からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の合撚糸。
【請求項3】
網地用の仕立て糸である請求項1又は2に記載の合撚糸。

【図1】
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【公開番号】特開2007−56399(P2007−56399A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242707(P2005−242707)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(399065497)ユニチカファイバー株式会社 (190)
【Fターム(参考)】