説明

特殊景品流通システム

【課題】特殊景品流通システムにおいて、特殊景品の真贋判定を行う手段を提供する。
【解決手段】特殊景品110の一般的な流通システムとして遊技場は景品問屋110から特殊景品を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である特殊景品を特殊景品交換所120に持参して売却、現金化し、特殊景品交換所は、遊技客から買い取った特殊景品を古物として景品問屋130へ売却し、景品問屋は景品交換所から買い取った特殊景品を遊技店に販売するものであり、特殊景品は非接触で通信可能なICタグを内蔵しているものであり、ICタグは、特殊景品の真贋を識別するための認証手段をICタグのメモリに格納されている価値情報を読みだす前に必要とし、認証手段は、少なくとも共有鍵、タグ固有ID、タグ鍵、乱数、ハッシュ演算コードを認証時に必要とするものであり、認証が成立後価値情報を読みだす際はデータの暗号化は行わないものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技店、景品交換所、景品問屋及び集配所を流通する特殊景品を管理する為の特殊景品流通システムに関するものである。前記特殊景品は、非接触通信が可能なICタグを内蔵し、表面にはホログラム等の特殊な光学式識別コードが付与されているものとする。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技店(以後、遊技店と記す)において、遊技者が遊技台を遊技して獲得した遊技媒体は、一般景品あるいは特殊景品に交換される。特殊景品は有価物であり、遊技店とは別の場所にある特殊景品交換場にて買い取ってもらうことが可能な景品である。
【0003】
従来の特殊景品流通システムは、特開2001−224058にも記されているように、大きくは2つある。一つは、遊技店は景品問屋から特殊景品を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である特殊景品を特殊景品交換所に持参して売却、現金化し、特殊景品交換所は、遊技客から買い取った特殊景品を古物として景品問屋へ売却し、景品問屋は景品交換所から買い取った特殊景品を遊技店に販売する。特殊景品にICタグが内蔵されている場合は、景品問屋から遊技店へ販売する前において、景品問屋において、ICタグのデータの一部ないし全部が書き換えないし消去が行われる。
【0004】
他の一つは、東京都における遊技業組合で導入され、特殊景品に、市場流通価格に見合った金製品を用い、遊技店は景品問屋から特殊景品を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である特殊景品を特殊景品交換所に持参して売却、現金化し、特殊景品交換所は、遊技客から買い取った特殊景品を古物として景品問屋へ売却し、景品問屋は景品交換所から買い取った特殊景品を集配所に持参し、集配所において検品・他の遊技店から持ち込まれた特殊景品と交換して持ち帰り、再び遊技店へ販売する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−224058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の特殊景品流通システムにおいては、悪意の第三者により以下のように模造品の製造とすり替えないし為りすましが発生している。
【0007】
その一つは、真正の特殊景品の外見と重さが同じ模造の模造品を製造し、真正の特殊景品に為りすます。模造品の製造コストの方が真正の特殊景品の買取価格より安いため、悪意の第三者にとって利益がみこめる。特殊景品にICタグが内蔵されていた場合でも、真正の特殊景品内蔵のICタグのメモリに格納されているデータがわかればそのデータを模造品内のICタグにコピーを行う。また、データから価値情報を読出し金額などのデータを模造品を作る際に書き換えることにより、模造の特殊景品は正規のそれと同じ価値かそれ以上で流通可能となる。
【0008】
換言すれば、ICタグを内蔵していても。ICタグのUID(ユニーク識別子)やデータが簡単に読み出せるようになっている場合、模造品の製作は容易に実現可能である。
【0009】
ICタグのUIDがユニークになっており、ICチップメーカがUIDを書き換え不可の状態で出荷されている場合がある。この場合、UIDのコピーはしにくい。これを利用して、遊戯店と景品交換所の間で、遊戯店が払い出した特殊景品のUIDを景品交換所に通信回線で伝えるという方法が考えられるが、この方法は遊戯店と景品交換所の間の直接的情報をやりとりを行うことになり、法律により禁止されている。また、ICチップそのものが模造された場合、模造チップのUIDは自由に書き換えられることになり、模造は容易に実現可能となる。
【0010】
〔従来の防止方法〕
悪意の第三者による模造品のなりすましに対しての、従来の防止策としては以下の方法がある。
(1)特殊景品の表面に偽造がされにくいホログラムを貼付。偽造防止を行う。
(2)特殊景品に内蔵された、ICタグに情報を書き込む際に、データの暗号化を行う公知の例(特公開2007−136085,グローリ)がある。特殊景品払い出し時に景品データを暗号化してICタグに書き込む。また、特殊景品買い取り時に景品データを複合化し、異常があった場合は、異常データを暗号化してタグに書き込む。ICタグのデータが暗号化されているため、悪意の第三者からデータを読みとられにくいという利点を有する。
【0011】
しかるに、従来の防止方法においても以下のような問題や不十分さが起きている。
(1)に関しては、特殊景品が流通して時間が経過すると共に、ホログラムの製造方法がリバースエンジニアリングにより解析され、同様な機能・性能を有する模造品が、悪意の第三者により製造されるようになった。また、真正のホログラムの機能・性能を失わずに、該ホログラムを特殊景品表面から剥がし、特殊景品の中身を模造品に入れ替える方法もとられている。
【0012】
(2)に関しては、暗号化を行う装置が遊技店に設置され、行われるものであり、景品交換場において、暗号の複合化を行うと共に、特殊景品に異常を判別した場合はICタグに暗号化した異常情報を書き込むようになっている。しかるに、特公開2007−136085には明記されていないが、暗号の複合化を行う際には、一般的には発行元(この場合は遊技店)から鍵情報を受領する必要があり、遊技店と交換所の直接データの授受が行われ風営法(風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律)第23条に抵触する恐れがあるシステムとなる。
【0013】
よって、本発明は、法律を順守しつつ、特殊景品のすり替えやなりすますなどの模造品を識別し排除しうる特殊景品の流通システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、遊技店などで顧客の遊技により獲得した遊技媒体の数量に応じて払い出させる少なくても一個の特殊景品であって該特殊景品を遊技店、景品交換所、景品問屋間で流通させる特殊景品流通システムであって、前記遊技店には少なくても一台の特殊景品払出装置があり、前記景品交換所には少なくても一台の特殊景品買取装置があり、前記景品問屋には少なくとも一台の特殊景品発行装置があり、前記特殊景品の一般的な流通システムとして前記遊技場は前記景品問屋から前記特殊景品を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である前記特殊景品を前記特殊景品交換所に持参して売却、現金化し、前記特殊景品交換所は、遊技客から買い取った前記特殊景品を古物として前記景品問屋へ売却し、前記景品問屋は前記景品交換所から買い取った前記特殊景品を前記遊技店に販売するものであり、前記特殊景品は非接触で通信可能なICタグを内蔵しているものであり、前記ICタグは、前記特殊景品の真贋を識別するための認証手段をICタグのメモリに格納されている価値情報を読みだす前に必要とし、前記認証手段は、少なくとも共有鍵、タグ固有ID、タグ鍵、乱数、ハッシュ演算コードを認証時に必要とするものであり、認証が成立後価値情報を読みだす際はデータの暗号化は行わないものであり、管理サーバであり、前記管理サーバは前記景品買取装置及び前記特殊景品発行装置と通信回線でつながっているものであり、前記通信回線を通じ、前記景品買取装置及び、前記景品発行装置は前記共有鍵を前記管理サーバから入手するものであり、前記管理サーバは特殊景品払出装置とは通信回線がつながっておらず、前記特殊景品払出装置は前記景品問屋からのセキュリティ媒体を通じて前記共有鍵を入手し、前記特殊景品払出装置及び前記特殊景品買取装置及び前記特殊景品発行装置は、前記共有鍵の入手及び前記認証手段を前記特殊景品内のICタグの価値情報を読みだす前に実行するものであり、前記認証手段の実施結果が正常の場合、真正の特殊景品と判断しICタグの価値情報を読みし、前記認証手段の実施結果が異常の場合、特殊景品に異常があったと判断することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の発明は遊技店などで顧客の遊技により獲得した遊技媒体の数量に応じて払い出させる少なくても一個の特殊景品であって該特殊景品を遊技店、景品交換所、景品問屋、集配所間で流通させる特殊景品流通システムであって、前記遊技店には少なくても一台の特殊景品払出装置があり、前記景品交換所には少なくても一台の特殊景品買取装置があり、前記景品問屋には少なくとも一台の特殊景品発行装置があり、前記集配所には少なくとも一台の特殊景品検品装置があり、前記特殊景品の一般的な流通システムとして前記特殊景品に、市場流通価格に見合った金製品を用い、前記遊技場は前記景品問屋から特殊景品を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である前記特殊景品を前記特殊景品交換所に持参して売却、現金化し、前記特殊景品交換所は、遊技客から買い取った前記特殊景品を古物として前記景品問屋へ売却し、前記景品問屋は景品交換所から買い取った特殊景品を前記集配所に持参し、前記集配所において検品・他の遊技場から持ち込まれた特殊景品と交換して持ち帰り、再び遊技店へ販売するものであり、前記特殊景品は非接触で通信可能なICタグを内蔵しているものであり、前記ICタグは、前記特殊景品の真贋を識別するための認証手段をICタグのメモリに格納されている価値情報を読みだす前に必要とし、前記認証手段は、少なくとも共有鍵、タグ固有ID、タグ鍵、乱数、ハッシュ演算コードを認証時に必要とするものであり、認証が成立後価値情報を読みだす際はデータの暗号化は行わないものであり、管理サーバであり、前記管理サーバは前記景品買取装置及び前記特殊景品発行装置及び前記特殊景品検品装置と通信回線でつながっているものであり、前記通信回線を通じ、前記景品買取装置及び前記景品発行装置及び前記特殊景品検品装置は前記共有鍵を前記管理サーバから入手するものであり、前記管理サーバは特殊景品払出装置とは通信回線がつながっておらず、前記特殊景品払出装置は前記景品問屋からのセキュリティ媒体を通じて前記共有鍵を入手し、前記特殊景品払出装置及び前記特殊景品買取装置及び前記特殊景品発行装置及び前記特殊景品検品装置は、前記共有鍵の入手及び前記認証手段を前記特殊景品内のICタグの価値情報を読みだす前に実行するものであり、前記認証手段の実施結果が正常の場合、真正の特殊景品と判断しICタグの価値情報を読みし、前記認証手段の実施結果が異常の場合、特殊景品に異常があったと判断することを特徴とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載の特殊景品内蔵のICタグにおいて、前記ICタグのメモリのデータが、少なくともICチップメーカが付与する製造者固有番号IDm、タグ固有番号ID、タグ鍵TK、ハッシュ演算コードR、金種・景品連番バーコード・店番号等の価値情報、前記ICタグが読み書きされた回数示す使用回数情報からなり、前記特殊景品払出装置、前記特殊景品買取装置、前記特殊景品発行装置、前記特殊景品検品装置において前記ICタグの価値情報を読みだす際に、装置毎に前記使用回数情報を一回づつ一方方向に増加ないし減少させる事を特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2記載の特殊景品の真贋を識別するための認証手段は、前記管理サーバないしセキュリティ媒体から配布される前記共有鍵PKを使い、前記タグ鍵TKを発生させるものであり、ICタグは前記特殊景品払出装置、前記特殊景品買取装置等装置側から送られてくる乱数Nと前記タグ鍵TKをもとに暫時鍵SKを発行し、前記暫時鍵SKと前記タグ固有IDをもとに、ハッシュ演算コードRを発生するものであり、前記暫時鍵SKとハッシュ演算コードRの発生式には、トリブルDES、AESなどの公的にセキュリティ強度が証明された発生式を使用することを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項2記載の特殊景品の構造は、前記ICタグと前記金製品とを接着剤にて接合させてあり、接合を剥離仕様とした場合、ICタグのアンテナ等が破断されICタグの機能が失われるような構造であることを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項5記載のICタグは、前記金製品の真下にICタグアンテナの一部が形成されているものであり、かつICタグが破断されやすいミシン目ないし切欠きを金製品の直下ないし近傍に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の特殊景品流通システムによれば、特殊景品が真正のものかどうかを読取装置と特殊景品に内蔵されたICタグとの認証手段により判断可能にしたので、特殊景品の模造品の排除が実現できる。かつ、遊技店内に設置された特殊景品払出機において特殊景品の価値情報などのデータの書き換えや暗号化は行わず、認証の為に必要な公開鍵の管理サーバからの送付は、遊技店内に設置された特殊景品払出機に対しては行われず、景品問屋からのセキュリティ媒体によってのみ行われるため、風営法第23条に抵触する恐れのないシステムとなる。なお、認証は特殊景品の真贋を判定する為に行われるのであり、従来技術にあるように、特殊景品の価値情報のデータの暗号化等のデータ加工を伴うものではない。
【0021】
本発明の更なる効果は、特殊景品内蔵のICタグのデータとして使用回数情報を設けることにより、特殊景品流通が適性なルートで流通しているか(たとえば、特殊景品交換所から遊技店へ直接特殊景品が送られていないか)どうかの判別が可能となる。また、悪意の第三者がICタグのデータをコピー・改竄するために特殊景品買取装置等を盗んだ場合にも、使用回数情報が急に不当に増えるなどの変化から不正行為が行われたことが検知可能となる。
【0022】
また、本発明の更なる効果は、金製品を特殊景品として採用した場合、悪意の第三者が純金製で作られた特殊景品を金メッキ製などの有価価値の小さいものとすり替えるという方法に対し、金製品とICタグを分離不可能なように接着し、万一分離した場合にも、ICタグの機能ないし性能が損なわれるようにしたことにより、すり替えの防止が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の特殊景品流通システムの第一の実施例を示す図である。
【図2】本発明の特殊景品流通システムの第二の実施例を示す図である。
【図3】特殊景品内のICタグのメモリデータ構成の実施例を示す図である。
【図4】特殊景品の真偽の認証方式を示す図である。
【図5】共有鍵PKの通信の認証方式を示す図である。
【図6】特殊景品買取装置の特殊景品買取処理フローを示す図である。
【図7】特殊景品の構造を示す図である。
【図8】特殊景品の構造を示す図である。
【図9】ICタグの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の特殊景品流通システムについて添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の特殊景品流通システムの第一の実施例である。図1において、特殊景品払出装置115は遊技店110の中に設置され、特殊景品買取装置125は特殊景品交換所120の中に設置され、特殊景品発行装置135は景品問屋130の中に設置される。遊技店110は景品問屋130から特殊景品100を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である特殊景品100を特殊景品交換所120に持参して売却、現金化し、特殊景品交換所120は、遊技客から買い取った特殊景品100を古物として景品問屋130へ売却し、景品問屋130は景品交換所120から買い取った特殊景品100を遊技店に販売する。本実施例においては特殊景品100にICタグが内蔵されている。図3に本発明の特殊景品内のICタグのメモリのデータ構成の実施例を示す。本発明の一実施例である特殊景品100内蔵のICタグは、特殊景品の真贋を判定する目的での認証を実行する為の演算機能及びメモリブロックを有している。
【0025】
具体的には、図3において、ICタグのメモリブロック310に格納するデータとして、少なくてもICチップ製造者が出荷時に付与するチップ製造者コードIDmブロック311及び特殊景品の価値情報を格納する価値情報格納ブロック312及び価値情報の累積の読出し回数を格納する使用回数情報格納ブロック313及びタグ固有番号を格納するタグ固有番号ID格納ブロック314及び認証時の秘密鍵として使用されるタグ鍵TK格納ブロック及び十分なセキュリティ強度を実現するための暗号演算(例えばトリプルDESやAES)結果を格納するハッシュ演算コードR格納ブロック316及び装置側から送信される乱数Nを格納する乱数格納ブロック317から構成されている。
【0026】
チップ製造者コードIDmはICチップ毎に異なるユニークな番号(例えば8バイト)320となっており、価値情報としては例えば特殊景品の流通価値金額を示す金種情報322及び景品連番バーコード323及び店コード324及び特殊景品の発行日時325が含まれる。使用回数情報ブロック312は回数が一方方向に増加(ないし減少)した場合でしか格納できないレジスタ(例えば16バイト)326となっている。換言すれば、回数を減少(ないし増加)させる操作は受け付けることができないようになっている。タグ固有番号IDはICタグの発行時に付与されるユニークなタグの番号(例えば16バイト)327となっている。タグ鍵TKはタグ毎に付与される秘密鍵(例えば16バイト)であり、例えば前記タグ固有番号IDと流通システム毎の共有鍵413からDESやAESなどのハッシュ演算式を使ってタグ発行時に生成・格納される。ハッシュ演算コード結果(例えば16バイトは例えばトリプルDESやAESなどのセキュリティ強度が一般的に証明されている演算方式を使った結果である。トリプルDESの方式については例えばソフトバンクパブリッシング社発行の「暗号技術入門」の64頁から67頁に記載されている。またAESについては例えば同書の68頁から73頁に記載されている。
【0027】
図1における管理サーバ145は、特殊景品流通システムの共有鍵413を管理・保管するための装置である。共有鍵413は特殊景品流通システムグループ毎に付与される秘密鍵であり、異なる流通グループ(例えば景品問屋や遊技店が異なる)の場合、相互に異なる共有鍵番号を有する。また、同一の流通システムグループであっても、例えば月単位で共有鍵413の番号は更新することも可能である。
【0028】
10は特殊景品の流通の流れを示すが11は通信の流れを示す。特殊景品買取装置125及び特殊景品発行装置135は、特殊景品の価値情報を読みだす際に認証を必要とし、そのため、公開鍵413を管理サーバに問合せ、通信路上には、公開鍵413の値そのものは乗らないようにして鍵情報を入手する。図6に特殊景品買取装置を例にとり、特殊景品の買取処理フロー610を説明する。遊技客から特殊景品を提示されると、特殊景品買取装置125は特殊景品100の中に内蔵されているICタグのデータからチップ製造者コードIDm513を読みだす611。チップ製造者コードIDm513は、ICチップ製造者が付与したチップ毎のユニークな番号であり、読みだす際には認証を必要としない。特殊景品買取装置125は次に公開鍵413の問合せ・認証・入手612を管理サーバ145を通じて行う。公開鍵413の問合せ・認証・入手612の詳細フローについては、図5に具体例を示す。公開鍵413の入手後、特殊景品買取装置125は特殊景品100の認証613を行う。特殊景品100の認証613の詳細フローについては図4に具体例を示す。認証合格614した場合、特殊景品100のICタグから価値情報を読みだし615を行う。価値情報に基づき現金払出617を行い、終了618となる。認証不合格614の場合、異常処理616を行う。異常処理とは、例えば、不合格となった特殊景品の分離及び該特殊景品を持ち込んだ遊技客の防犯カメラによる撮影等がある。
【0029】
更に、図1において12はセキュリティ媒体の流れである。セキュリティ媒体としては例えばICカードがある。セキュリティ媒体12には公開鍵413が格納されており、特殊景品払出装置115で特殊景品110を払い出すためには景品問屋130から特殊景品110と一緒に払い出されたセキュリティ媒体12を装置に挿入し、公開鍵413を読みだす必要がある。遊技店110に対して、管理サーバ145を介しての通信ではなく、セキュリティ媒体12で公開鍵413を渡すには、遊技店110の情報の独立性を担保する為である。もし、遊技店110と管理サーバ145を通信で接続した場合、管理サーバ145を介して、遊技店110景品交換所120と景品問屋130が接続させることになり、風営法に抵触する恐れがある。
【0030】
次に特殊景品の真偽の認証の方式について図4を用いて具体例を説明する。図4に特殊景品払出装置ないし買取装置ないし発行装置ないし検品装置側411(以後装置側と記す)での処理内容とICタグを内蔵した特殊景品側412(以後タグ側と記す)での処理内容と両者間の通信内容を記す。
【0031】
装置側には前述したように、図4の認証の前に公開鍵PK413が格納されている。装置側は新たに乱数Nを生成414し、タグ側に送信する415。タグ側は、タグ鍵TK416を予め格納している。タグ鍵TKはタグ毎に固有な個別鍵となっている。タグ側は乱数Nを受信し、乱数Nとタグ鍵TKから暫時鍵SK420を生成する417。この生成は、例えばトリプルDES等の暗号方式を使う。換言すれば、暫時鍵SK420はタグ鍵Nを乱数Nで多様化したものであり、認証プロセス一回毎に異なる値を有する。暫時鍵SKを生成した後、タグ側から装置側へレスポンスを行う418。但しこのレスポンス418は処理に不可欠のものではなく省略可能である。次に装置側からは、タグ側に対してレスポンスの要求419を行う。この要求をタグ側が受けて、タグ固有番号IDと暫時鍵SKからハッシュ演算コードRを生成する。この生成にも、例えばトリプルDES等の暗号方式を使う。その後、タグ側はハッシュ演算コードR及びタグ固有番号IDを装置側へレスポンスを行う422。
【0032】
タグ側からのレスポンス422を受けて、装置側は、タグ固有番号IDと共有鍵PKからタグ鍵TKを生成する。この装置側で生成されたタグ鍵TKはタグ側に格納されているそれと同じ値である必要があり、言い換えれば、タグ側のタグ鍵TKを生成する式と、装置側のそれとは同じ式を使う。タグ鍵TKと乱数Nから装置側でも暫時鍵SKを生成する。この時の生成式はタグ側のそれと同じである。その後、暫時鍵SKとタグ側から受信したタグ固有番号IDからハッシュ演算コードR‘を生成する。この場合の生成式もタグ側のハッシュ演算コードRの生成式と同じである。装置側で生成したハッシュ演算コードR’とタグ側で生成したハッシュ演算コードRが一致した場合、タグ側は正しい応答をしており、即ち、タグは真正と判断できる。もし、R‘≠Rの場合、タグ側の暫時鍵SKやハッシュ演算コードRの生成過程に誤りがあったことになり、タグは異常品と判断される。なお、タグ側のタグ鍵TKを生成するときに使う共有鍵PKの値と装置側に格納された共有鍵PKの値が違えば、当然、R’≠Rの結果となる。
【0033】
また、共有鍵PKを問い合わせる為の装置側と管理サーバ145との通信による認証の方式について図5を用いて具体例を説明する。図5に装置側511での処理内容と管理サーバ側512での処理内容と両者間の通信内容を記す。装置側においては、装置毎にシステム構築時に付与された秘密鍵である装置固有鍵(例えば16バイト)514及び装置番号が予め格納されている。装置番号と装置固有鍵は一対一で紐づけられている。また、タグ側から予めチップ製造者コードIDmを読みだし、装置番号及びチップ製造者コードIDmを装置側から管理サーバへ送信する516。管理サーバでは、装置番号及びそれに紐づけられた装置固有鍵をシステム構築時に保管している。また、共有鍵PKを保管している。本実施例では共有鍵PKはチップ製造者コードIDmに紐づけられている。共有鍵PKはチップ製造者コードIDmの紐づけは一対一である必要はなく、複数のチップ製造者コードIDmに対し一つの共有鍵PKの値もよい。装置側からの装置番号及びチップ製造者コードIDmを管理サーバは受信して、予め紐づけられている装置固有鍵DK及びチップ製造者コードIDmから問合せ照合鍵QKを生成する。更に、管理サーバは、問合せ照合鍵QKと共有鍵PKから暫時共有鍵SPKを生成518し、装置側へレスポンスする519。管理サーバ側からのレスポンスを受け、装置側はチップ製造者コードIDmと装置固有鍵DKから問合せ照合鍵QKを生成し、問合せ照合鍵QKと管理サーバから受信した暫時共有鍵SPKから共有鍵PKを複合する。
【0034】
上記の方式の場合、公開鍵PKは通信路上に乗ることはなく、暫時共有鍵SPKの値も装置毎や特殊景品毎に異なる。
【0035】
特殊景品の買取処理フローを図6、図5、図4、図3において説明したが、払出処理フローや発行処理フローも認証手段は買取処理フローのそれと同様である。
以上、本発明を実施する第一の実施例を説明した。
【0036】
次に図2において、本発明の第二の実施例を示す。第二の実施例は、第一の実施例の特殊景品流通システムに対し、特殊景品の検品を行う集配所が加わっている。図2において、特殊景品払出装置115は遊技店110の中に設置され、特殊景品買取装置125は特殊景品交換所120の中に設置され、特殊景品発行装置135は景品問屋130の中に設置され、特殊景品検品装置155は集配所150の中に設置される。
【0037】
遊技店110は景品問屋130から特殊景品105を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である特殊景品を特殊景品交換所120に持参して売却、現金化し、特殊景品交換所120は、遊技客から買い取った特殊景品を古物として景品問屋135へ売却し、景品問屋135は景品交換所120から買い取った特殊景品を集配所150に持参し、集配所150において検品・他の遊技店から持ち込まれた特殊景品と交換して持ち帰り、再び遊技店へ販売する。本実施例においては特殊景品105にICタグ及び金製品が内蔵されている。図3に本発明の特殊景品内のICタグのメモリのデータ構成の実施例を示す。本発明の一実施例である特殊景品105内蔵のICタグは、第一の実施例と同様に特殊景品の真贋を判定する目的での認証を実行する為の演算機能及びメモリブロックを有している。
【0038】
図2における管理サーバ145は、特殊景品流通システムの共有鍵413を管理・保管するための装置である。共有鍵413は特殊景品流通システムグループ毎に付与される秘密鍵であり、異なる流通グループ(例えば景品問屋や遊技店が異なる)の場合、相互に異なる共有鍵番号を有する。また、同一の流通システムグループであっても、例えば月単位で共有鍵413の番号は更新することも可能である。
【0039】
10は特殊景品の流通の流れを示すが11は通信の流れを示す。特殊景品買取装置125及び特殊景品発行装置135及び特殊景品検品装置155は、特殊景品の価値情報を読みだす際に認証を必要とし、そのため、公開鍵413を管理サーバ145に問合せ、通信路上には、公開鍵413の値そのものは乗らないようにして鍵情報を入手する。特殊景品105の買取フローは第一の実施例と同様であり、図6に示してある。また、公開鍵413の問合せ・認証・入手のフローについても第一の実施例と同様であり、図5に示してある。
【0040】
更に、図2において12はセキュリティ媒体の流れである。セキュリティ媒体としては例えばICカードがある。セキュリティ媒体12には、公開鍵413が格納されており、特殊景品払出装置115で特殊景品105を払い出すためには景品問屋130から特殊景品105と一緒に払い出されたセキュリティ媒体12を装置に挿入し、公開鍵413を読みだす必要がある。特殊景品の認証の方式について第一の実施例と同様に図4に示してある。
【0041】
特殊景品の買取処理フローを図6、図5、図4、図3において説明したが、払出処理フローや発行処理フロー及び検品フローも認証手段は買取処理フローのそれと同様である。
以上、本発明を実施する第二の実施例を説明した。
【0042】
次に本発明の第1、第2の実施例において、ICタグのデータ構造に使用回数の情報を格納する利点について説明する。図3において、使用回数情報格納ブロック313は、特殊景品発行装置135、特殊景品交換装置126、特殊景品検品装置155において、特殊景品の認証が成功し、価値情報の読み出しが行われる度に、使用回数のカウント値が一つずつ増大するものである。例えば、第1の実施例において、特殊景品発行装置135において使用回数Nとした場合、特殊景品買取装置125においては使用回数N+1となり、再び、特殊景品発行装置135に戻ってきた場合はN+2となる。使用回数情報をICタグに格納する利点としては、正常でない流通経路を辿った場合に検知が可能となることである。例えば、特殊景品が特殊景品交換所120から遊技場110へ直接戻された場合、この特殊景品は特殊景品発行装置135を経由せず、特殊景品交換所120に戻ってくることになり、使用回数がN+1及びN+2と記録されることになる。この状態は、景品発行装置においても検出が可能であり、正常でない経路を通った特殊景品であることが検知可能である。この為、使用回数情報格納ブロック313は値を増大する場合は書き換えが可能であるが、減少させる場合は書き換えができないような機能を有していることが好ましい。
【0043】
他の一つの利点は、万が一、悪意の第三者が景品交換所から特殊景品買取装置を盗難し、通信回線を通じ、公開鍵を入手し、特殊景品の価値情報をコピーし書き換えるような場合も、使用回数情報格納ブロック313の使用回数値は増大することになり、異常な増大として、後の装置で検知が可能となる。
【0044】
次に本発明の特殊景品の構造について、図7及び図8で実施例を説明する。
図8は、第一の実施例における特殊景品100の構造図である。特殊景品100は例えばゴルフマーカである。プラスチック板93及び94の間にICタグ90を挟み込んである。プラスチック板94にはゴルフ用マーカが埋め込まれてある。ICタグ90とプラスチック板94ICタグは薄厚化が可能な材料、例えばPETフィルムやガラエボ基板などで基材部分が作られている。ICタグアンテナは、基材部分上に銅エッチングやアルミエッチング等で形成されている。ICチップ91はICタグ基板上に実装され、ICタグアンテナと電気的に接続している。ICチップ91は本発明の第一の実施例で説明した機能を有している。ICタグ90とプラスチック板94I及び95は容易に分離が困難な強力接着剤(例えばセメダイン社製ロックタイトや東亜合成化学工業製のアロンアルファ等)で接着されている。
【0045】
図7は、第二の実施例における特殊景品105の構造図である。特殊景品105には有価物の金額相当の金製品84と偽造判別用のホログラムとICタグ80が内蔵されている。透明プラスチックケース88の上にICタグ80を接着し、ICタグ80上に金製品84を接着し、その上にプラスチック製支持板85を乗せ、ホログラム86を接着させ、透明プラスチックケース87を接着させてある。
【0046】
図7の構造においては、金製品84の市場価値が有価物の流通価格と同程度となっているため、金製品そのものを市場価値が低い偽物にすり替えるという悪意の第三者の手口が考えられる。この為、図7の実施例においては、金製品81はICタグ80と強く接着されており、金製品をすりかえようとした際には、ICタグ80の機能・性能が破壊されるようになっている。例えばICタグ80の基材がプラスチック製PETフィルムである、その上に銅ないしアルミエッチングでICタグアンテナ82が形成され、ICチップ81が実装されている。ICチップ91はICタグアンテナ82と電気的に接続しており、本発明の第二の実施例で説明した機能を有している。ICタグ81の直上に金製品84を強力接着剤(例えばセメダイン社製ロックタイトや東亜合成化学工業製のアロンアルファ等)で接着することにより、金製品84はICタグ80の機能・性能を損なうことなく分離できない。ICタグは本発明の第一及び第二の実施例で示すように、模造困難となっており、これにより、金製品のすり替えが防止可能である。
【0047】
図7の特殊景品の構造図において、ICタグの機能・性能を損なうことなく金製品とICタグの分離ができないようにするための本発明の実施例を図9に示す。図9において、ICタグ70は例えば図7におけるICタグ80である。ICタグ70の基材は例えばプラスチックPETフィルムが使用されており、ICタグアンテナ71はプラスチックPETフィルム上に、銅ないしアルミでエッチング形成されている。ICチップ72はプラスチックPETフィルム上に、例えばフリップチップ実装(例えば異方向導電樹脂を使ったACPやACF方式による実装)を使って実装されている。ICチップ72とICタグアンテナ71はICチップ上のアンテナ端子で接続される。金製品73は、ICタグアンテナ71の一部を覆うように、ICタグの直上に配置される。なお、金製品は導電性であるため、ICタグのアンテナ性能に大きく影響を及ぼさないためには、ICタグアンテナの全面や大部分を覆うようには配置しない方が良い。図9においては、ICタグアンテナの一部が金製品の直下になるようにアンテナ形状を工夫し、金製品を配置してある。ICタグ70と金製品73は、強力な接着剤で接着されており、金製品を剥離ないし分離しようとした場合、金製品直下のICタグアンテナが破断することなく、金製品を取り出すことは出来ない。
【0048】
かつ、ICタグ70は、金製品の直下において、ミシン目(ないし切欠け)を設け、金製品を剥離しようとした場合、容易にICタグが破断しやすい構造となっている。これにより、ICタグの機能・性能を損なうことなく金製品とICタグの分離は更に困難となる。ここで、金製品73の大きさは例えば5mm角であり、ICタグ70の大きさは例えば20mm×40mmである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の特殊景品流通システム及び特殊景品は特殊景品の発行処理、払出処理、買取処理、検品処理に利用可能であり、法律に定める規定を順守しつつ、特に悪意の第三者による特殊景品の偽造を防止することに有効である。
【符号の説明】
【0050】
70 ICタグ
71 ICタグアンテナ
72 ICチップ
73 金製品
74 ミシン目
80 ICタグ
81 ICチップ
82 ICタグアンテナ
84 金製品
85 支持板
86 ホログラム
87 透明プラスチックケース
88 透明プラスチックケース
90 ICタグ
91 ICチップ
93,94 プラスチック板
100 特殊景品
105 特殊景品
110 遊技店
115 特殊景品払出装置
120 特殊景品交換所
125 特殊景品買取装置
130 景品問屋
135 特殊景品発行装置
145 管理サーバ
150 集配所
155 特殊景品検品装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店などで顧客の遊技により獲得した遊技媒体の数量に応じて払い出させる少なくても一個の特殊景品であって該特殊景品を遊技店、景品交換所、景品問屋間で流通させる特殊景品流通システムであって、前記遊技店には少なくても一台の特殊景品払出装置があり、前記景品交換所には少なくても一台の特殊景品買取装置があり、前記景品問屋には少なくとも一台の特殊景品発行装置があり、前記特殊景品の一般的な流通システムとして前記遊技場は前記景品問屋から前記特殊景品を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である前記特殊景品を前記特殊景品交換所に持参して売却、現金化し、前記特殊景品交換所は、遊技客から買い取った前記特殊景品を古物として前記景品問屋へ売却し、前記景品問屋は前記景品交換所から買い取った前記特殊景品を前記遊技店に販売するものであり、
前記特殊景品は非接触で通信可能なICタグを内蔵しているものであり、前記ICタグは、前記特殊景品の真贋を識別するための認証手段をICタグのメモリに格納されている価値情報を読みだす前に必要とし、前記認証手段は、少なくとも共有鍵、タグ固有ID、タグ鍵、乱数、ハッシュ演算コードを認証時に必要とするものであり、認証が成立後価値情報を読みだす際はデータの暗号化は行わないものであり、
管理サーバであり、前記管理サーバは前記景品買取装置及び前記特殊景品発行装置と通信回線でつながっているものであり、前記通信回線を通じ、前記景品買取装置及び、前記景品発行装置は前記共有鍵を前記管理サーバから入手するものであり、前記管理サーバは特殊景品払出装置とは通信回線がつながっておらず、前記特殊景品払出装置は前記景品問屋からのセキュリティ媒体を通じて前記共有鍵を入手し、前記特殊景品払出装置及び前記特殊景品買取装置及び前記特殊景品発行装置は、前記共有鍵の入手及び前記認証手段を前記特殊景品内のICタグの価値情報を読みだす前に実行するものであり、前記認証手段の実施結果が正常の場合、真正の特殊景品と判断しICタグの価値情報を読みし、前記認証手段の実施結果が異常の場合、特殊景品に異常があったと判断することを特徴とする前記特殊景品流通システム。
【請求項2】
遊技店などで顧客の遊技により獲得した遊技媒体の数量に応じて払い出させる少なくても一個の特殊景品であって該特殊景品を遊技店、景品交換所、景品問屋、集配所間で流通させる特殊景品流通システムであって、前記遊技店には少なくても一台の特殊景品払出装置があり、前記景品交換所には少なくても一台の特殊景品買取装置があり、前記景品問屋には少なくとも一台の特殊景品発行装置があり、前記集配所には少なくとも一台の特殊景品検品装置があり、前記特殊景品の一般的な流通システムとして前記特殊景品に、市場流通価格に見合った金製品を用い、前記遊技場は前記景品問屋から特殊景品を購入し、景品として遊技客に提供し、遊技客は有価物である前記特殊景品を前記特殊景品交換所に持参して売却、現金化し、前記特殊景品交換所は、遊技客から買い取った前記特殊景品を古物として前記景品問屋へ売却し、前記景品問屋は景品交換所から買い取った特殊景品を前記集配所に持参し、前記集配所において検品・他の遊技場から持ち込まれた特殊景品と交換して持ち帰り、再び遊技店へ販売するものであり、
前記特殊景品は非接触で通信可能なICタグを内蔵しているものであり、前記ICタグは、前記特殊景品の真贋を識別するための認証手段をICタグのメモリに格納されている価値情報を読みだす前に必要とし、前記認証手段は、少なくとも共有鍵、タグ固有ID、タグ鍵、乱数、ハッシュ演算コードを認証時に必要とするものであり、認証が成立後価値情報を読みだす際はデータの暗号化は行わないものであり、
管理サーバであり、前記管理サーバは前記景品買取装置及び前記特殊景品発行装置及び前記特殊景品検品装置と通信回線でつながっているものであり、前記通信回線を通じ、前記景品買取装置及び前記景品発行装置及び前記特殊景品検品装置は前記共有鍵を前記管理サーバから入手するものであり、前記管理サーバは特殊景品払出装置とは通信回線がつながっておらず、前記特殊景品払出装置は前記景品問屋からのセキュリティ媒体を通じて前記共有鍵を入手し、前記特殊景品払出装置及び前記特殊景品買取装置及び前記特殊景品発行装置及び前記特殊景品検品装置は、前記共有鍵の入手及び前記認証手段を前記特殊景品内のICタグの価値情報を読みだす前に実行するものであり、前記認証手段の実施結果が正常の場合、真正の特殊景品と判断しICタグの価値情報を読みし、前記認証手段の実施結果が異常の場合、特殊景品に異常があったと判断することを特徴とする前記特殊景品流通システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の特殊景品内蔵のICタグにおいて、
前記ICタグのメモリのデータが、少なくともICチップメーカが付与する製造者固有番号IDm、タグ固有番号ID、タグ鍵TK、ハッシュ演算コードR、金種・景品連番バーコード・店番号等の価値情報、前記ICタグが読み書きされた回数示す使用回数情報からなり、前記特殊景品払出装置、前記特殊景品買取装置、前記特殊景品発行装置、前記特殊景品検品装置において前記ICタグの価値情報を読みだす際に、装置毎に前記使用回数情報を一回づつ一方方向に増加ないし減少させる事を特徴とする請求項1または請求項2記載の特殊景品流通システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の特殊景品の真贋を識別するための認証手段は、前記管理サーバないしセキュリティ媒体から配布される前記共有鍵PKを使い、前記タグ鍵TKを発生させるものであり、ICタグは前記特殊景品払出装置、前記特殊景品買取装置等装置側から送られてくる乱数Nと前記タグ鍵TKをもとに暫時鍵SKを発行し、前記暫時鍵SKと前記タグ固有IDをもとに、ハッシュ演算コードRを発生するものであり、前記暫時鍵SKとハッシュ演算コードRの発生式には、トリブルDES、AESなどの公的にセキュリティ強度が証明された発生式を使用することを特徴とする請求項1または請求項2記載の特殊景品流通システム。
【請求項5】
請求項2記載の特殊景品の構造は、前記ICタグと前記金製品とを接着剤にて接合させてあり、接合を剥離しようとした場合、ICタグのアンテナ等が破断されICタグの機能が失われるような構造であることを特徴とする請求項2記載の特殊景品流通システム。
【請求項6】
請求項5記載のICタグは、前記金製品の真下にICタグアンテナの一部が形成されているものであり、かつICタグが破断されやすいミシン目ないし切欠きを金製品の直下ないし近傍に形成したことを特徴とする請求項5記載の特殊景品流通システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−87652(P2011−87652A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241756(P2009−241756)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(504138403)
【出願人】(507418681)テムジン有限会社 (2)
【Fターム(参考)】