説明

状況管理装置及び状況管理プログラム

【課題】複数の管理対象の中から使用中の管理対象のそれぞれについて、使用開始時刻からの経過時間を容易に把握できるようにする。
【解決手段】複数の管理対象をそれぞれ識別する識別情報に対応づけて、その管理対象が未使用の状態にあるか使用中の状態にあるかを区別するステータス情報を記憶するとともに、使用中の状態にある管理対象に対しては使用開始時刻からの経過時間を記憶する記憶部を設ける。管理対象が未使用の状態から使用中の状態、または、使用中の状態から未使用の状態に変化する毎に、ステータス情報を変化後の状態に更新する。段階的に区分された滞留時間帯の中からいずれか1つの時間帯の選択入力を受付けると、その滞留時間帯の範囲内である管理対象の識別情報を記憶部から抽出し、抽出された管理対象の識別情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店の座席やカラオケボックスのカラオケルーム等の管理対象の利用状況を管理する状況管理装置、及び、コンピュータを当該状況管理装置として機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店において、客席毎に空席なのか在席なのかというような客席の利用状況を確認できる状況管理装置は、例えば特許文献1や特許文献2等に開示されている。
【0003】
特許文献1には、ディスプレイに表示されている卓(客席)のレイアウト画面から、オペレータが在席の卓を選択操作すると、その卓の使用開始時刻と在席時間とを表示する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、ディスプレイに表示されているフロワ別の卓レイアウト画面において、各卓(客席)をそれぞれ示すアイコン毎に、その卓に客が着いてからの在席時間を示すインジケータを表示する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、オペレータが在席の卓を一つ一つ選択しないと、各卓の在席時間を把握することができない。一方、特許文献2記載の技術では、一画面の情報から各卓の在席時間を確認できるものの、在席の卓と空席の卓とが一画面に混在して表示されているので、新人の店員のようにオペレータが不慣れな場合に把握しづらいという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、複数の管理対象の中から使用中の管理対象のそれぞれについて、使用開始時刻からの経過時間を容易に把握できる状況管理装置及びコンピュータを当該状況管理装置として機能させるためのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の状況管理装置は、複数の管理対象をそれぞれ識別する識別情報に対応づけて、その管理対象が未使用の状態にあるか使用中の状態にあるかを区別するステータス情報を記憶するとともに、使用中の状態にある管理対象に対しては使用開始時刻からの経過時間を記憶する記憶手段と、管理対象が未使用の状態から使用中の状態に変化したことを示す第1の情報及び管理対象が使用中の状態から未使用の状態に変化したことを示す第2の情報を受信する受信手段と、この受信手段により第1または第2の情報を受信したことに応じて、記憶手段により各管理対象の識別情報別に記憶されるステータス情報のなかから状態が変化した管理対象の識別情報に対応するステータス情報を変化後の状態に更新する状態更新手段と、段階的に区分された滞留時間帯の中からいずれか1つの時間帯の選択入力を受付ける滞留時間帯受付手段と、使用開始時刻からの経過時間が滞留時間帯受付手段により入力を受け付けた滞留時間帯の範囲内である管理対象の識別情報を記憶手段から抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された管理対象の識別情報を出力する出力手段とを備えたものである。
【0008】
本発明の状況管理プログラムは、複数の管理対象をそれぞれ識別する識別情報に対応づけて、その管理対象が未使用の状態にあるか使用中の状態にあるかを区別するステータス情報を記憶するとともに、使用中の状態にある管理対象に対しては使用開始時刻からの経過時間を記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータに、管理対象が未使用の状態から使用中の状態に変化したことを示す第1の情報及び管理対象が使用中の状態から未使用の状態に変化したことを示す第2の情報を受信させる受信機能と、この受信機能により第1または第2の情報を受信したことに応じて、記憶手段により各管理対象の識別情報別に記憶されるステータス情報のなかから状態が変化した管理対象の識別情報に対応するステータス情報を変化後の状態に更新させる状態更新機能と、段階的に区分された滞留時間帯の中からいずれか1つの時間帯の選択入力を受付けさせる滞留時間帯受付機能と、使用開始時刻からの経過時間が滞留時間帯受付機能により入力を受け付けた滞留時間帯の範囲内である管理対象の識別情報を記憶部から抽出させる抽出機能と、この抽出機能により抽出された管理対象の識別情報を出力させる機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、複数の管理対象の中から使用中の管理対象のそれぞれについて、使用開始時刻からの経過時間を容易に把握できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態である飲食店向け注文管理システムの全体図。
【図2】同実施形態における客席管理端末の要部構成を示すブロック図。
【図3】同客席管理端末のRAMに形成される客席管理テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図4】同客席管理端末のCPUが実行するメイン処理ルーチンを示す流れ図。
【図5】同客席管理端末のCPUが実行する画面入力処理の具体的手順を示す流れ図。
【図6】同客席管理端末のディスプレイに表示される客席状況画面の一例を示す模式図。
【図7】同客席管理端末のディスプレイに表示される滞留時間確認画面の一例を示す模式図。
【図8】同客席管理端末のディスプレイに表示される滞留時間確認画面の他の例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための一形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、ファミリーレストランや居酒屋等の飲食店において、客席が使用中の状態にあるか未使用の状態にあるかを管理するための状況管理装置に、本発明を適用した場合である。因みに、使用中の状態とは、その客席に着いた客の注文を受けてから会計を終えるまでであり、それ以外の状態を未使用の状態にあると定義する。
【0012】
図1は本実施形態の飲食店に構築される注文管理システムの全体構成図である。このシステムは、複数のハンディターミナル1と、該ハンディターミナル1との間で無線通信が可能な無線部2を有した注文管理装置3とを備えている。
【0013】
ハンディターミナル1は、ウェイターやウェイトレスと呼ばれる接客担当の店員がそれぞれ携帯し、客から注文を受けたメニュー品目のデータを入力するために用いる。各ハンディターミナル1は、メニューコード、卓番号、客数、接客担当者ID等を入力するためのキーボードと、キー入力されたデータを表示するための表示器とを備える。また、各ハンディターミナル1は、無線回路を内蔵しており、客席内の天井部等に取り付けられている無線部2との間でデータの無線通信を行う。
【0014】
注文管理装置3は、パーソナルコンピュータまたはワークステーション等のコンピュータ機器からなり、飲食店での注文管理に必要なデータベースとして、メニューデータベース4とオーダデータベース5とを具備している。メニューデータベース4は、当該飲食店で提供可能なメニュー品目のデータとして、メニューコード、品目名、価格等を記憶する。オーダデータベース5は、客が注文したメニュー品目のデータとして、メニューコード、注文数量、注文金額等を、その客に対して発行される注文伝票の伝票番号とともに記憶する。
【0015】
注文管理装置3は、LAN(Local Area Network)6を介して、POS(Point Of Sales)端末7、伝票発行機8、厨房端末9、及び客席管理端末10を接続している。POS端末7は、飲食を終えた客の会計を処理する。伝票発行機8は、客の注文内容を示す注文伝票を印字発行する。厨房端末9は、客から注文を受けたメニュー品目の内容を厨房に知らせるための表示または印字を行う。
【0016】
客席管理端末10は、本発明の状況管理装置として機能するコンピュータ機器であり、例えば店の出入口近傍に設置されている。客席管理端末10の要部構成を図2のブロック図にて示す。客席管理端末10は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を備えている。また、このCPU11に、アドレスバス,データバス等のバスライン12を介して、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、時計部15、通信インターフェース16、HDD(Hard Disk Drive)装置17のコントローラ18、ディスプレイ19のコントローラ20、キーボード21のコントローラ22、マウス23のインターフェース24等を接続している。
【0017】
時計部15は、現在の日付及び時刻を計時する。通信インターフェース16は、前記LAN6に接続される。ディスプレイ19は、後述する客席状況画面等を表示する。キーボード21及びマウス23は、上記客席状況画面の入力手段として用いられる。
【0018】
ROM13は、基本プログラム等の固定的データを記憶する。RAM14は、可変的なデータを一時的に記憶するための種々のメモリエリアを有する。HDD装置17は、当該コンピュータ機器が客席管理端末10として動作するのに必要なプログラムや設定データなどを保存する。
【0019】
かかる構成の客席管理端末10は、特に、図3に示すデータ構造の客席管理テーブル30をRAM14に形成している。図3において、卓番号エリア31は、当該飲食店に設置された全ての卓(客席)を個々に識別するために卓毎に異なるように設定された卓番号を記憶する。フロア番号エリア32は、対応する卓番号の卓が設置されているフロア(階)を示す番号を記憶する。
【0020】
ステータスエリア33は、対応する卓番号の卓の現在の状態(空席、着席、使用中または準備中)を示すステータスデータSを記憶する。ここで、空席(S=0)とは、客が着席可能な状態を意味する。着席(S=1)とは、入店した客が案内され、注文を受けるまでの状態を意味する。使用中(S=2)とは、着席した客が注文をし、飲食を終えて会計をするまでの状態を意味する。準備中(S=3)とは、飲食を終えた客が離席してから次の客が着席可能となるまでの状態を意味する。
【0021】
開始時刻は、対応するステータスエリア33のステータスデータSが更新された時刻を記憶する。人数は、対応する卓番号の卓に着いた客の人数を記憶する。経過時間は、対応する開始時刻エリア34にセットされた開始時刻からの経過時間を記憶する。
【0022】
ここに、客席管理テーブル30は、複数の管理対象(客席)をそれぞれ識別する識別情報(卓番号)に対応づけて、その管理対象が未使用の状態にあるか使用中の状態にあるかを区別するステータス情報Sを記憶するとともに、使用中の状態にある管理対象に対しては使用開始時刻からの経過時間を記憶する記憶手段として機能する。
【0023】
しかして、CPU11は、図4の流れ図に示す手順に従い、客席状況の管理動作を制御する。この制御手順は、ROM13またはHDD装置17に記憶された制御プログラムによって実現される。
【0024】
管理動作を開始すると、CPU11は、ST(ステップ)1として初期化処理を行う。この初期化処理において、客席管理テーブル30のステータスデータS、開始時刻、人数及び経過時間の各データが“0”にリセットされる。また、RAM14に形成されているフロワ番号メモリのデータがディフォルト値、例えば“1”に初期化される。
【0025】
初期化処理を終えると、CPU11は、ST2として客席管理テーブル30のデータを基に客席状況画面40の表示データを作成し、表示コントローラ20に出力する。表示コントローラ20は、ディスプレイ19を制御して客席状況画面40を表示させる。
【0026】
客席状況画面40の一例を、図6に示す。客席状況画面40には、プルダウン表示されるフロワ番号の中からいずれか1つのフロワ番号を選択するための操作ボックス41と、フロワ番号メモリに記憶されたフロワ番号のフロワに配置されている各卓をそれぞれ示す卓アイコン42の表示エリア43と、「空席」、「0〜60分」、「60〜120分」及び「120分以上」の4段階に設定された滞留時間帯の選択ボタン44とが表示されている。ここに、滞留時間帯の選択ボタン44は、段階的に区分された滞留時間帯の中からいずれか1つの時間帯の選択入力を受付ける滞留時間帯受付手段として機能する。
【0027】
図6の画面例の場合、CPU11は、操作ボックス41により選択されたフロワ番号が割り当てられた卓番号(TBLxxx)を客席管理テーブル30から取得する。そして、取得した卓番号毎に卓アイコン42を作成して、各卓アイコン42を卓番号の順に表示エリア43に整列させる。また、CPU11は、取得した卓番号毎に、その卓番号に対応して記憶されているステータスデータSを読み込む。そして、ステータスデータSが着席を示すとき(S=1)、対応する卓番号の卓アイコン42に、「着席」を表示させる。また、ステータスデータSが使用中を示すとき(S=2)、このステータスデータSに対応して記憶されている人数データを読み込み、卓番号の卓アイコン42に表示させる。また、ステータスデータSが準備中を示すとき(S=3)、対応する卓番号の卓アイコン42に、「準備中」を表示させる。ステータスデータSが空席を示すとき(S=0)には、対応する卓番号の卓アイコン42には何も表示させない。なお、このとき、各卓アイコン42の背景色をステータスデータSの違いによって異ならせてもよい。また、ステータスデータSが使用中を示す卓アイコン42の場合は、その卓番号に対応して記憶されている経過時間の違いにより、卓アイコン42の背景色をさらせ異ならせてもよい。
【0028】
ディスプレイ19に客席状況画面40が表示されると、CPU11は、ST3として画面40への入力があるか、ST4として外部からの割込信号を受信するのを待機する(受信手段)。通信インターフェース16を介して割込信号を受信すると、CPU11は、その割込信号の種類に応じた情報処理を実行する。
【0029】
ここで、割込信号には、少なくとも着席割込信号(ST5)と、注文割込信号(ST6)と、会計割込信号(ST7)と、片付完了割込信号(ST8)とがある。
【0030】
着席割込信号は、ハンディターミナル1において着席操作がなされると発生する。すなわち、接客担当の店員は、来店した客を客席のいずれかの卓に案内すると、ハンディターミナル1を操作してその卓の卓番号と客の人数とを入力する。そうすると、ハンディターミナル1から注文管理装置3に、卓番号と人数のデータを含む着席コマンドが無線送信される。この着席コマンドを受信した注文管理装置3は、コマンド中の卓番号が設定されたオーダデータファイルを作成し、オーダデータベース5に登録する。また、コマンド中の卓番号と人数とを含む着席割込信号を生成し、LAN6を介して客席管理端末10に送信する。
【0031】
着席割込信号を受信すると(ST5のYES)、CPU11は、ST51として客席管理テーブル30を検索し、割込信号に含まれる卓番号に対応したステータスデータSを、空席を示す値(S=0)から、着席を示す値(S=1)に更新する。また、ST52として割込信号に含まれる人数のデータを人数エリア35にセットする。
【0032】
注文割込信号は、ハンディターミナル1において注文操作がなされると発生する。すなわち、接客担当の店員は、客席の客からメニュー品目の注文を受けると、ハンディターミナル1を操作してそのメニュー品目のコードや注文数量等を、その客が着いている卓の卓番号とともに入力する。そうすると、ハンディターミナル1から注文管理装置3に、卓番号と注文データとを含む注文コマンドが無線送信される。この注文コマンドを受信した注文管理装置3は、オーダデータベース5を検索して、コマンド中の卓番号が設定されたオーダデータファイルを呼び出し、このオーダデータファイルにコマンド中の注文データを登録する。また、コマンド中の卓番号と注文データとにより注文伝票の印字データを生成し、LAN6を介して伝票発行機8に送信して、注文伝票を印字発行させる。さらに、調理指示データを生成し、LAN6を介して厨房端末9に送信して、注文を受けたメニュー品目の調理指示を行わせる。また、注文管理装置3は、コマンド中の卓番号を含む注文割込信号を生成し、LAN6を介して客席管理端末10に送信する。ここに、注文割込信号は、管理対象(客席)が未使用の状態から使用中の状態に変化したことを示す第1の情報として機能する。
【0033】
注文割込信号を受信すると(ST6のYES)、CPU11は、ST61として客席管理テーブル30を検索し、割込信号に含まれる卓番号に対応したステータスデータSを、着席を示す値(S=1)から、使用中を示す値(S=2)に更新する(状態更新手段)。また、ST62として時計部15にて計時されている現在の時刻データを取得し、開始時刻エリア34にセットする。しかる後、ST63として時計部15の時刻が1秒経過する毎に経過時間エリア46の経過時間nがカウントアップするように、カウンタをスタートさせる。
【0034】
会計割込信号は、POS端末7において会計操作がなされると発生する。すなわち、会計担当の店員は、飲食を終えた客から注文伝票を受け取ると、POS端末7を操作して伝票番号を入力する。そうすると、POS端末7から注文管理装置3に、その伝票番号を含む問合せコマンドが送信される。この問合せコマンドを受信した注文管理装置3は、オーダデータベース5を検索して、コマンド中の注文番号が登録されたオーダデータファイルを呼び出し、このオーダデータファイルに記憶されている注文データをPOS端末7に送信する。POS端末7は、注文管理装置3から受信した注文データを基に、会計処理を実行する。
【0035】
POS端末7にオーダデータファイルの注文データを送信した注文管理装置3は、このオーダデータファイルの卓番号を含む会計割込信号を生成し、LAN6を介して客席管理端末10に送信する。ここに、会計割込信号は、管理対象(客席)が使用中の状態から未使用の状態に変化したことを示す第2の情報として機能する。
【0036】
会計割込信号を受信すると(ST7のYES)、CPU11は、ST71として客席管理テーブル30を検索し、割込信号に含まれる卓番号に対応したステータスデータSを、使用中を示す値(S=2)から、準備中を示す値(S=3)に更新する(状態更新手段)。また、ST72として開始時刻エリア34の開始時刻と経過時間エリア36の経過時間nとを“0”にリセットする。そして、ST73として経過時間nのカウンタを停止させる。
【0037】
片付完了割込信号は、ハンディターミナル1において片付完了操作がなされると発生する。すなわち、接客担当の店員は、客が離席した卓の片付を完了すると、ハンディターミナル1を操作してその卓の卓番号を入力する。そうすると、ハンディターミナル1から注文管理装置3に、卓番号を含む片付完了コマンドが無線送信される。この片付完了コマンドを受信した注文管理装置3は、コマンド中の卓番号が設定されたオーダデータファイルをオーダデータベース5から呼び出し、会計済のデータファイルとして保存する。また、コマンド中の卓番号を含む片付完了割込信号を生成し、LAN6を介して客席管理端末10に送信する。
【0038】
片付完了割込信号を受信すると(ST8のYES)、CPU11は、ST81として客席管理テーブル30を検索し、割込信号に含まれる卓番号に対応したステータスデータSを、準備中を示す値(S=3)から、空席を示す値(S=0)に更新する。
【0039】
一方、キーボード21またはマウス23の入力手段を介して客席状況画面40に入力があると(ST3のYES)、CPU11は、図5に具体的に示す画面入力処理を実行する。
【0040】
すなわち、操作ボックス41の入力によりいずれか1つのフロワ番号が選択された場合には(ST11のYES)、CPU11は、ST12としてこの選択されたフロワ番号をRAM14のフロワ番号メモリで記憶する。しかる後、ST2の処理に戻り、客席状況画面40を更新する。すなわち、表示エリア43の内容を、フロワ番号メモリに記憶されたフロワ番号のフロワに配置されている各卓をそれぞれ示す卓アイコン42に変更する。
【0041】
これに対し、選択ボタン44の入力によりいずれか1つの滞留時間帯が選択された場合には(ST13のYES)、CPU11は、ST14として客席管理テーブル30から、フロワ番号メモリに記憶されたフロワ番号が割り当てられた客席データ(卓番号、ステータスS、開始時刻、人数、経過時間n)を抽出する。
【0042】
ここで、選択された時間帯が「空席」なのかそれ以外なのかで処理が分かれる。「空席」の場合(ST15のNO)、CPU11は、ST15として抽出した客席データの中から、ステータスSが“0”のデータを抽出する。そして、この抽出したデータの卓番号を示す卓アイコンだけが表示エリア43に配置された空席確認画面の表示データを作成し、表示コントローラ20に出力する。表示コントローラ20は、ディスプレイ19を制御して空席確認画面を表示させる。
【0043】
空席確認画面を表示させた後、CPU11は、ST18として確認操作がなされるのを待機する。入力手段を介して確認の操作入力がなされると(ST18のYES)、CPU11は、ST2の処理に戻り、ディスプレイ19の画面を客席状況画面40に戻す。
【0044】
選択された時間帯が「空席」以外の場合(ST15のYES)、CPU11は、ST19として抽出した客席データの中から、ステータスSが“2”のデータを抽出する。さらに、ST20としてこの抽出された客席データの中から経過時間nが選択された滞留時間帯内のデータを抽出する(抽出手段)。
【0045】
しかる後、CPU11は、ST21として、ST20の処理で抽出した客席データを、経過時間nの長い順にソートする(配列手段)。そして、ST22として抽出した客席データの卓番号が割り当てられた卓アイコン42を、ソートされた順番に配列してなる滞留時間確認画面50の表示データを生成し、表示コントローラ20に出力する(出力手段)。表示コントローラ20は、ディスプレイ19を制御して滞留時間確認画面50を表示させる。
【0046】
滞留時間確認画面50の一例を、図7に示す。滞留時間確認画面50の表示エリア43には、ST20の処理で抽出した客席データの卓番号が割り当てられた卓アイコン42、すなわち、使用中の状態にある客席で、使用中の状態になってからの経過時間nが選択された滞留時間帯内の客席に対応した卓アイコン42が、滞留時間の長い順に表示されている。また、各卓アイコン42に対応させて、その下側に、当該卓アイコン42に割り当てられた卓番号の客席の経過時間nが表示されている。
【0047】
ここに、出力手段は、抽出手段により抽出された管理対象(客席)の識別情報(卓番号)を配列手段により配列された順番に示す画面(滞留時間確認画面50)をディスプレイに表示出力させる手段である。また、この出力手段は、抽出手段により抽出された管理対象(客席)の識別情報(卓番号)とともにその管理対象の現時点の使用開始時刻からの経過時間nを表示出力させる。
【0048】
滞留時間確認画面50を表示させた後、CPU11は、ST23として確認操作がなされるのを待機する。入力手段を介して確認の操作入力がなされると(ST23のYES)、CPU11は、ST2の処理に戻り、ディスプレイ19の画面を客席状況画面40に戻す。
【0049】
このように本実施の形態においては、例えば図6に示される客席状況画面40がディスプレイ19に表示されている状態において、オペレータが、キーボード21またはマウス23を操作して、「60〜120分」の滞留時間帯選択ボタン44aを操作入力すると、ディスプレイ19の画面が、図7に示される滞留時間確認画面50に切り換わる。図7に示すように、滞留時間確認画面50には、客席の状態が使用中になってからの経過時間nが60分以上でかつ120分未満の客席の卓アイコン42のみが表示される。したがって、オペレータは、滞留時間確認画面50を一瞥するだけで、客の注文を受けてからの経過時間が60分以上でかつ120分未満の客席を容易に把握することができる。
【0050】
また、本実施形態では、滞留時間確認画面50に表示される卓アイコン42は、滞留時間の長い順に整列して表示されている。したがって、オペレータは、滞留時間確認画面50により、客の注文を受けてからの経過時間が60分以上でかつ120分未満の客席を、その経過時間が長い順に把握できる。よって、次に空席となる卓を容易に予測することができ、店舗運営の利便性向上を図ることができる。
【0051】
また、本実施形態では、滞留時間帯の選択ボタン44の中に「空席」のボタンを設けている。そして、この「空席」のボタンが操作入力されると、客席管理テーブル30からステータスSが“0”の客席データが抽出される。そして、この抽出したデータの卓番号を示す卓アイコンだけが表示エリア43に配置された空席確認画面がディスプレイ19に表示される。したがってオペレータは、空席確認画面を一瞥するだけで、空席状態にある客席を容易に把握できる。よって、来店した客をスムーズに空席状態にある客席に案内することができ、サービス性の向上を図ることができる。
【0052】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0053】
例えば前記実施形態では、滞留時間確認画面50に、使用中の状態にある客席のみの卓アイコン42を、滞留時間の長い順にソートして表示出力させたが、滞留時間の短い順にソートして表示出力させてもよい。また、図8に示すように、ソートすることなく滞留時間確認画面50に、使用中の状態にある客席のみの卓アイコン42を表示させるだけであっても、注文を受けてからの経過時間が所定時間帯の客席を容易に把握できるという効果は奏し得る。また、各卓アイコン42の下側に経過時間nを表示させるのでなく、図8に示すように、卓アイコン42の内部に経過時間nを表示させてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、出力手段を、抽出手段により抽出された管理対象(客席)の識別情報(卓番号)を配列手段により配列された順番に示す画面(滞留時間確認画面50)をディスプレイに表示出力させる手段としたが、出力手段は、これに限定されるものではない。例えば、抽出手段により抽出された管理対象(客席)の識別情報(卓番号)を、LAN6を介して注文管理装置3に送信出力し、さらに、無線部2を介してハンディターミナル1に送信出力して、ハンディターミナル1のディスプレイにて滞留時間確認画面50を確認できるようにしてもよい。同様に、LAN6を介してPOS端末7に送信出力して、POS端末7のディスプレイにて滞留時間確認画面50を確認できるようにしてもよい。
【0055】
また、前記実施の形態は、飲食店の客席が使用中の状態にあるか未使用の状態にあるかを管理するための状況管理装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、カラオケボックスのカラオケルームが使用中の状態にあるか未使用の状態にあるかを管理するための状況管理装置や、駐車場の駐車スペースが使用中の状態にあるか未使用の状態にあるかを管理するための状況管理装置にも、本発明を同様に適用できるものである。
【0056】
さらに、前記実施の形態では、装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0057】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…ハンディターミナル、2…無線部、3…注文管理装置、4…メニューデータベース、5…オーダデータベース、7…POS端末、8…伝票発行機、9…厨房端末、10…客席管理端末、30…客席管理テーブル。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2000−194759号公報
【特許文献2】特開2005−228175号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理対象をそれぞれ識別する識別情報に対応づけて、その管理対象が未使用の状態にあるか使用中の状態にあるかを区別するステータス情報を記憶するとともに、使用中の状態にある管理対象に対しては使用開始時刻からの経過時間を記憶する記憶手段と、
前記管理対象が未使用の状態から使用中の状態に変化したことを示す第1の情報及び前記管理対象が使用中の状態から未使用の状態に変化したことを示す第2の情報を受信する受信手段と、
この受信手段により前記第1または第2の情報を受信したことに応じて、前記記憶手段により各管理対象の識別情報別に記憶されるステータス情報のなかから状態が変化した管理対象の識別情報に対応するステータス情報を変化後の状態に更新する状態更新手段と、
段階的に区分された滞留時間帯の中からいずれか1つの時間帯の選択入力を受付ける滞留時間帯受付手段と、
前記使用開始時刻からの経過時間が前記滞留時間帯受付手段により入力を受け付けた滞留時間帯の範囲内である管理対象の識別情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された管理対象の識別情報を出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする状況管理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記抽出手段により抽出された管理対象の識別情報を示す画面をディスプレイに表示出力させる手段であることを特徴とする請求項1記載の状況管理装置。
【請求項3】
前記抽出手段により抽出された管理対象の識別情報を経過時間の長い順または短い順に配列する配列手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の状況管理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記抽出手段により抽出された管理対象の識別情報を前記配列手段により配列された順番に示す画面をディスプレイに表示出力させる手段であることを特徴とする請求項3記載の状況管理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記抽出手段により抽出された管理対象の識別情報とともにその管理対象の現時点の使用開始時刻からの経過時間を出力することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載の状況管理装置。
【請求項6】
複数の管理対象をそれぞれ識別する識別情報に対応づけて、その管理対象が未使用の状態にあるか使用中の状態にあるかを区別するステータス情報を記憶するとともに、使用中の状態にある管理対象に対しては使用開始時刻からの経過時間を記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータに、
前記管理対象が未使用の状態から使用中の状態に変化したことを示す第1の情報及び前記管理対象が使用中の状態から未使用の状態に変化したことを示す第2の情報を受信させる受信機能と、
この受信機能により前記第1または第2の情報を受信したことに応じて、前記記憶手段により各管理対象の識別情報別に記憶されるステータス情報のなかから状態が変化した管理対象の識別情報に対応するステータス情報を変化後の状態に更新させる状態更新機能と、
段階的に区分された滞留時間帯の中からいずれか1つの時間帯の選択入力を受付けさせる滞留時間帯受付機能と、
前記使用開始時刻からの経過時間が前記滞留時間帯受付機能により入力を受け付けた滞留時間帯の範囲内である管理対象の識別情報を前記記憶部から抽出させる抽出機能と、
この抽出機能により抽出された管理対象の識別情報を出力させる機能と、
を実現させるための状況管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−164692(P2011−164692A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23322(P2010−23322)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】