説明

狭体コイル・アイソレータ

【解決手段】対向する第1及び第2の端部を有し、対向する第1及び第2の側部を有する誘電性バリアを備えるコイル変換器と少なくとも第1及び第2のリードフレームとを具備し、前記誘電性バリアは、電気的絶縁体、非金属、非半導体、誘電性損失が低い材料、前記第1の側部近く又はその上に配置された第1の導電性の送信機用コイル、前記第1のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第1のリード、及び前記第2の側部近く又はその上に配置された第2の導電性の受信機用コイル、前記第2のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第2のリードを備え、前記誘電性バリアは前記第1及び第2のコイルの間に配置されるコイル・アイソレータ。
【効果】開示されたコイル・アイソレータは、高度の機能が安価に提供される小さいパッケージ内で、高い電圧分離及び高い電圧ブレイクダウン性能特性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願で説明される発明の種々の実施形態は、データ信号及び電源トランス又はガルヴァニック・アイソレータ及びコイル変換器に関し、さらに詳細には、データ信号及び/又は電力信号を誘電性バリア又は隔離バリアを越えて送信及び受信するための誘導結合されたコイル変換器を使用する装置に関する。
【0002】
関連出願
この出願は、下記の特許出願のそれぞれに基づく優先権及び他の利点を請求すると共に、それらの一部継続出願である。すなわち、(a)2006年8月28日出願の「Galvanic Isolator」という名称のFouquetらへの米国特許出願第11/512,034号(以後「’034号特許出願」と呼ぶ);(b)2008年3月31日出願の「Coil Transducer with Reduced Arcing and Improved High Voltage Breakdown Performance Characteristics」という名称のFouquetらへの米国特許出願第12/059,747号(以後「’747号特許出願」と呼ぶ);(c)2008年3月31日出願の「Galvanic Isolators and Coil Transducers」という名称のFouquetらへの米国特許出願第12/059,979号(以後「’979号特許出願」と呼ぶ);(d)2009年2月12日出願の「High Voltage Hold-off Coil Transducer」という名称のFouquetらへの米国特許出願第12/370,208号(以後「’208号特許出願」と呼ぶ);(e)2009年2月25日出願の「Miniature Transformers Adapted for Use in Galvanic Isolators and the Like」という名称のFouquetらへ米国特許出願第12/392,978号(以後「’978号特許出願」と呼ぶ);(f)2009年2月26日出願の「Minimizing Electromagnetic Interference in Coil Transducers」という名称のFouquetらへの米国特許出願第12/393,596号(以後「’596号特許出願」と呼ぶ);(g)2009年6月2日出願の「Galvanic Isolator」という名称のGek Yong Ngらへの米国特許出願第12/477,078号(以後「’078号特許出願」と呼ぶ);及び2009年6月30日出願の「Coil Transducer Isolator Packages」という名称の米国特許出願第12/495,733号(以後「’733号特許出願」と呼ぶ)。本特許出願は、前述した’034号、’747号、’979号、’208号、’978号、’596号、’078号、及び’733号特許出願は、参照することにより、それぞれ全体を本願に援用する。
【0003】
この特許出願はまた、本願と同じ日付で出願された「Widebody Coil Isolators」という名称のHoらへの米国特許出願第___号(以後「Hoの特許出願」と呼ぶ)を、参照することにより本願に援用する。
【背景技術】
【0004】
従来技術で周知の高圧アイソレーション通信装置は、光学素子、磁気装置及び容量性装置を備えている。従来技術の光学素子は、一般に、光信号を送信及び受信するためにLED及び対応するフォトダイオードを使用することによって、高圧アイソレーションを実現し、通常高い電力レベルを必要とするため、複数の通信チャネルを要求される場合、操作上及び設計上の制約を受ける。
【0005】
従来技術の磁気装置は、一般に、対向する誘導結合コイルを使用することによって高圧アイソレーションを実現し、通常高い電力レベルを必要とし(特に、高いデータ転送速度が要求される場合)、一般に少なくとも3つの別個の集積回路又はチップを使用する必要があり、また多くの場合、電磁妨害(「EMI」)の影響を受けやすい。
【0006】
従来技術の容量性装置は、複数対の送信電極及び受信電極を使用することによって電圧アイソレーションを実現する。ここで、例えば、第1の対の電極はデータを送信及び受信するために使用され、第2の対の電極は送信された信号をリフレッシュ又は維持するために使用される。そのような容量性装置は、一般に、高い電圧ホールドオフすなわちブレイクダウン特性が乏しいことを示している。
【0007】
小型で高速なガルヴァニック・アイソレータ又はコイル変換器の設計は、そのような装置を小型化する上での困難に加えて、製造費用を低く抑え、高圧ブレイクダウン特性を維持し、許容できるデータ又は電力転送速度を提供するといった、幾つかの極めて大きな技術的挑戦を提示している。
【発明の概要】
【0008】
1つの実施形態では、対向する第1及び第2の端部を有し、対向する第1及び第2の側部を有する誘電性バリアを含むコイル変換器と、少なくとも第1及び第2のリードフレームとを備えるコイル・アイソレータが提供される。ここで、誘電性バリアは電気的絶縁体、非金属、非半導体、誘電性損失が低い材料、第1の側部近く又はその上に配置された第1の導電性の送信機用コイル、第1のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第1のリード、及び第2の側部近く又はその上に配置された第2の導電性の受信機用コイル、第2のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第2のリードを含み、この誘電性バリアは第1及び第2のコイルの間に配置され、コイル変換器は第1及び第2のリードフレームの間に水平方向に延長し、第1及び第2の端部は第1及び第2のリードフレームの少なくとも一部の上又は下に延長し、第1及び第2のリードフレームのどの部分も第1及び第2のコイルのどの部分の上又は下に垂直に配置されることはなく、また第1及び第2のコイルのワイヤー・ボンド・パッドは、それぞれ第1及び第2のリードフレームの上又は下に垂直に配置される。
【0009】
別の実施形態では、対向する第1及び第2の端部を有し、対向する第1及び第2の側部を有する誘電性バリアを含むコイル変換器を形成するステップと、少なくとも第1及び第2のリードフレームを設けるステップと、かつコイル変換器が第1及び第2のリードフレームの間に水平方向に延長するように、コイル変換器を第1及び第2のリードフレームに取り付けるステップとを含むコイル・アイソレータを作る方法が提供される。ここで、誘電性バリアは電気的絶縁体、非金属、非半導体、誘電性損失が少ない材料、第1の側部近く又はその上に配置された第1の導電性の送信機用コイル、第1のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第1のリード、及び第2の側部近く又はその上に配置された第2の導電性の受信機用コイル、第2のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第2のリードを含み、この誘電性バリアは第1及び第2のコイルの間に配置され、第1及び第2の端部は第1及び第2のリードフレームの少なくとも一部の上又は下に延長し、第1及び第2のリードフレームのどの部分も第1及び第2のコイルのどの部分の上又は下に垂直に配置されることはなく、また第1及び第2のコイルのワイヤー・ボンド・パッドは、それぞれ第1及び第2のリードフレームの上又は下に垂直に配置される。
【0010】
さらに別の実施形態が本願で開示されるが、明細書及び図面を読んで理解すれば、当業者には明らかになるであろう。
【0011】
本発明の種々の実施形態の様々な態様は、下記の明細書、図面及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】クワド狭体形(quad narrowbody)コイル・アイソレータの1つの実施形態の平面図である。
【図2】付加的な部品間隔及び他の注釈が付いた図1のコイル・アイソレータの平面図である。
【図3】コイル・アイソレータの別の実施形態による平面図である。
【図4】図3のコイル・アイソレータに対応するSパラメータ・モデリング結果を示す図である。
【図5】コイル・アイソレータのさらに別の実施形態の一部の平面図である。
【図6】図5のコイル・アイソレータに対応するSパラメータ・モデリング結果を示す図である。
【図7】クワド狭体形コイル・アイソレータのさらに別の実施形態の平面図である。
【図8】図7のコイル・アイソレータに対応するSパラメータ・モデリング結果を示す図である。
【図9】クワド狭体形コイル・アイソレータのさらに別の実施形態の平面図である。
【図10】図9のコイル・アイソレータに対応するSパラメータ・モデリング結果を示す図である。
【0013】
これらの図面は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。同じ参照番号は、特に断りのない限り、図面全体を通して同じ部品又はステップを指している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記の説明では、特定の詳細が提供されて、本発明の種々の実施形態を完全に理解できるようにする。この明細書、クレーム及びその図面を読みかつ理解すれば、当業者は本願に記載された特定の細部に従わなくても本発明の幾つかの実施形態を実行できることが分かるであろう。さらに、本発明をわかりにくくすることを避けるために、本発明の種々の実施形態の中のアプリケーションで見つかる幾つかの周知の回路、材料、及び方法は、本願では詳細には開示していない。
【0015】
図面では、本発明の全てではないが幾つかの実現可能な実施形態が例示されているが、縮尺通りに示されていないものもある。
【0016】
「水平」という用語は、本願で使用される場合は、空間内の実際の向きにかかわらず、本願で開示された誘電性バリア及び基板の従来の面又は表面にほぼ平行な面を意味する。「垂直」という用語は、上記で定義された水平に対してほぼ直角な方向を指す。「上」、「上方」、「下方」、「底」、「頂点」、「側面」、「側壁」、「より高い」、「より低い」、「上の」、「〜の上に」及び「〜の下に」などの用語は、前述された水平面に関して定義される。
【0017】
絶縁基板上で製造された複数の金属層を有するコイル変換器に基づいたガルヴァニック・アイソレータは、高性能、高速及び低価格という利点を提供する。費用を低く維持するために、広いトレース及びトレース間の広い空間を用いる比較的安価な製造技術を用いてコイル変換器を製造することが望ましい。しかしながら、そのような方法から生じるコイル変換器は比較的大きい場合が多く、このことは、複数のアイソレータをこの技術に基づいて小型のパッケージに納める場合、問題が生じることがある。1つの解決策は、同時係属出願の’733号特許出願の中で説明されているように、パッケージ内の種々の部品を垂直方向に互いの上に積み重ねることである。この’733号特許出願は多数の様々な方法を説明しているが、パッケージの部品が互いの上に積み重ねる必要がない場合は、パッケージは単純でかつ安価になるであろう(リードフレームは別にして、従来から、回路部品はリードフレームの上部に取り付けられる)。
【0018】
多くの半導体チップ用パッケージでは、金属リードフレームの部分(一般的に、アース線)はパッケージ内を広げて、上にシリコン・チップなどの他の素子を置くことができる面を提供する。本願では、狭体パッケージの種々の実施形態が説明及び開示される。この筐体パッケージは、リードフレームは除いて積み重ねを必要としない構成で、4個の完全なコイル変換器式アイソレータを収容することができる。本願で説明されるクワド狭体パッケージの種々の実施形態は、隣接するチャネル間のクロストークが十分低い状態でデータ・ストリームが損なわれないように動作することができる。開示されるコイル変換器は、双方向性でかつ高度の機能を安価に提供する。
【0019】
信号アイソレータは、一般に、送信機、コイル変換器及び受信機を備えている。この送信機は入力信号を調整して、それが変換器を効率的に駆動するようにする。コイル変換器は、隔離バリアの一方の側部から他方の側部に信号を送信する。受信機は、隔離バリアの反対側からの信号を、入力信号を複写する(通常はディジタルの)信号に向ける。最も小さい量の電力を消費するアイソレータに対して、コイル・アイソレータが隔離バリアの一方の側部からの信号を高い効率で他方の側部に送信することが望ましい。しかしながら、2つの同様のコイル間の相互インダクタンスは、コイルの直径を減らすことで概ね減少する。このため、狭体パッケージで高い効率を得るために、コイル変換器の設計には慎重な注意を払う必要がある。アイソレータは、2つの側部の回路間の大きなDC電圧や過渡電圧を避ける必要もある。例えば、前述の’034号、’747号、’979号、’208号、’978号、’596号、’078号、’733号及びHoに与えられた特許出願を参照されたい。
【0020】
狭体パッケージは大きくなく、またパッケージ内の利用可能な空間の多くは、中に含まれるコイル変換器以外の部品や目的に使用される必要がある。例えば、シリコンの送信機及び受信機は、下記で説明及び開示される幾つかの実施例の中で例示されるように、例え2つのチャネルが1つのチップに結合される場合でも(例えば、1つのチップが2チャネル用の送信機を含み、他のチップが2チャネル用の受信機を含むことができる)、利用可能な「設置面積」の大きな部分を占める。パッケージ内に部品をおおざっぱに配置するために、遊びを作る必要がある。エポキシがダイをパッケージの中に取り付けるために使用される場合、遊びはエポキシの「スクイシャウト(squishout)」のためにも作られる。パッケージ内の他の部品を囲む成形材料のために遊びをさらに設けて、この成形材料によってパッケージ内の部品をカバーして、高圧ブレイクダウン又は外部環境との相互作用に関連した他の問題を防ぐ必要がある。
【0021】
その結果として、コイル変換器に対してパッケージの中に残っている「設置面積」の部分が、かなり小さくなる可能性がある。コイル変換器を過度に小さくすることから効率が低くなることを避けるために、シリコン・チップの大きさと小さくパッケージ化するための遊びとの両方を維持することが重要である。高精度のダイ配置技術は、おおざっぱな配置に対する遊びを減らすことができる。パッケージ内に部品を固定するためにエポキシではなく接着テープを使用することが好ましい。その理由は、テープはエポキシの「スクイシャウト」遊びに対する必要性を除くため、コイル変換器がパッケージ内で使用できる空間が増加されるためである。そのようなアプローチは、コイル変換器を使用するための比較的直裁的なアプローチである。接着テープの方法も、チップの底部からリードフレームへの放熱と見込まれる電気伝導に関する要求事項が適合されうる場合は、シリコン・チップをリードフレームに同様に取り付けるために使用できる。
【0022】
図1は、磁気コイル変換器10a、10b、10c、及び10dから構成するコイル・アイソレータ5に関するレイアウトの1つの実施形態を例示している。図2は幾つかの代表的な寸法を図1のレイアウトに適用して、金属のコイル変換器トレースに対して残された空間を示している。図1及び図2のレイアウトは、可撓性部品やシリコン部品が、例えば接着テープを用いて、十分なエポキシのスクイシャウトに対する遊びが要求されないような方法で取り付けられることを仮定している。
【0023】
コイル変換器の直ぐ下又は上に配置された金属リードフレームは、コイル変換器を通る信号送信を大きく減少させることがあることが発見されている。しかしながら、ワイヤ・ボンディングを簡略化するために、コイル変換器のワイヤボンド・パッドをリードフレームの直ぐ上に配置することも望ましい。1つの実施形態によれば、コイル・アイソレータ5の中の入力及び出力用のリードフレーム56及び58の間の代表的な間隔63は約0.2032mm(8ミル)である(0.1524mm(6ミル)や0.254mm(10ミル)など、そのようなギャップの他の幅も考えられる)。このため、図3に示された間隔に適合するようなコイル変換器を作ることができる。図3では、コイル変換器10の入力及び出力コイル28及び34は、リードフレーム56及び58の間の0.2032mm(8ミル)の中に納まる。しかしながら、そのようなコイル・アイソレータの動作は不十分であろう。Computer Simulation Technology(商標)(CST)社のソフトウェアMicrowave Studio(商標)を用いた完全三次元の電磁シミュレーションは、図4に示されるように、図3の構成によって行われたスループットが3GHzまで−15dBを超えないことを示している。さらに、ピーク周波数が、理想の周波数よりも遙かに上の3GHzよりも上にある。このアプリケーションに対して使用されたシリコン回路は一般に、ピーク周波数が約250〜500MHzの範囲でより良く動作する。残念なことに、図3に示されたアイソレータ5のスループットは、そのような周波数範囲では−25dB未満である。このため、コイル・アイソレータ10に対するより優れた設計が要求される。
【0024】
入力側と出力側57及び59との間の間隔を増加するためにリードフレーム56及び58の中に凹部を設けることにより、コイル・ターンのためにより大きな間隔ができるようになる。図5は、リードフレーム56がワイヤ・ボンディングを良好にするためにワイヤー・ボンド・パッド40及び42を機械的に支持するためにどのように入力側リードフレーム56が形成されるかを例示している。このリードフレーム56は、コイル変換器10に近接するパッケージすなわちコイル・アイソレータの長い端部に向かって窪みが付けられているため、コイル変換器10に対してより大きな設置面積を提供している。図5に示されたコイル変換器10内の金属コイル・ターンは、可撓性基板の全設置面積を占有しないことに注意されたい。この設置面積に、コイル28及び34、ワイヤー・ボンド・パッド40及び42、並びにバス・トレース43が形成される。(コイル変換器10は、可撓性基板以外の材料からも形成されうることにも、さらに注意されたい。)バス・リード線43及び45は外側端部に沿って走り、電源電圧、グラウンド信号又は制御信号を比較的遠いシリコンICに供給する。(さらに別のバス・リード線も種々の柔軟性レベルで通ることができるが、バイア・パッド、ボンド・パッド及びボンド・ワイヤのための空間を、コイル変換器10の中に設ける必要がある。)
【0025】
1つの実施形態によれば、0.1016mm(4ミル)又は100ミクロンの最小距離が、金属トレースとコイル変換器10の端部との間に維持されて、ポリイミド層間の金属層をシールする。これはコイル変換器10の基板を形成するために使用されることが好ましい。そうしないと、デラミネーションが変換器の端部付近で高圧のブレイクダウンを引き起こす恐れがある。さらに、ワイヤー・ボンド・パッド40及び42はコイル28及び34から間隔を空けて配置され、上部ポリイミド材料の中に穴を作る余地を与えて、下部金属コイル層のボンド・パッドへのアクセスを可能にする。
【0026】
上記で列挙された制約を除いて、図5のコイル変換器10は、高い信頼性を維持しながら、十分高い信号送信効率を得るように設計されている。効率と信頼性との間のトレードオフは、主として、コイル28及び34に対するトレース幅及び間隔幅を選択することから生じる。フレックス製作者(Flex fabricator)が、0.0254mm(1ミル)又は25ミクロンまで、又はさらに狭くした幅を提案することがあるが、銅トレースと可撓性基板との熱膨張係数の相違により、トレース幅を狭くすればそれだけ熱サイクルの間に破損する可能性が高くなり、同様に、Ni/Auボンド・パッドめっき工程から問題が生じる可能性がある。他方においては、トレースを狭くすればそれだけ、所定の領域により多くのコイル・ターンができるようになる。コイル・ターンの数が増加すると、コイル変換器10の信号送信効率が増加する。
【0027】
図5に示されたコイル変換器10は、35ミクロン幅のトレース及び空間を含み、図6に示されたSパラメータ動作(CST社のソフトMicrowave Studioを用いて計算された)を示す。ここで、約−6dBのピーク・スループットは、図4に示されたスループットよりも遙かに高く、良好なアイソレータ機能を提供している。ピーク信号の周波数は約360MHzであり、これは図4に示された3GHzのピーク周波数よりも、送信機及び受信機の設計において優れている。図5のコイル変換器設計を含むコイル・アイソレータ5の完全クワド狭体パッケージ設計が、図7に示されている。図7のクワド・アイソレータ・パッケージのSパラメータ動作が図8に示されている。ここで、主に、コイル変換器をシリコン・チップに取り付けるボンド・ワイヤの周波数応答が低いために、ピーク信号は約0.6dB弱く、またわずかに周波数が低いように見える。パッケージのレイアウトは、この効果を最小にするために、ボンド・ワイヤをできるだけ短く維持するように構成されることが好ましい。
【0028】
図8において、約−34dBでピークに達するクロストークは、2つの中央のコイル変換器10b及び10c間の相互作用を示す。これらは、コイル変換器10a、10b、10c及び10dの中で最も近い対である。この相互作用は、信号送信エラーの発生を避けるためには十分弱くする必要がある。中央のコイル変換器と最も近い外側のコイル変換器との間の相互作用は、より遠く離れている(シリコン・チップの反対側)ため非常に弱い。この値は約−70dBと別個に計算されている。それは非常に小さいため懸念すべき関心事ではない。
【0029】
4つの分離したフレックス変換器10a、10b、10c及び10dを製造して狭体パッケージ又はコイル変換器5の中に納める代わりに、4つのコイル変換器を含む1つのフレックス回路を製造することもできる。そのような設計は、図9に示されている。全ての変換器10a、10b、10c及び10dが製造されて組み立てられるため、端部の遊び、配置誤差及びエポキシのスクイシャウトが使用する空間はより少ない。このため、2つの中央コイル変換器10b及び10cはより接近して配置されうる。しかしながら、2つの中央コイル10b及び10c間の高圧ブレイクダウンを避けるために、この中央に配置された変換器の対の1つのレイアウトを逆にして(ここでは、偶数の変換器が逆にされる)、アイソレータの入力側に接続されたコイルが全てフレックス基板の同じレベルに置かれることが望ましい。この一層接近したスペーシングにより、各コイル変換器に対してより大きな設置面積を与えることができる。
【0030】
図9のわずかに拡大されたコイル変換器の設計に対してCSTで計算されたスループットが、図10に示されている。図9の設計では、2つの中央コイル変換器10b及び10cが200ミクロン分離されて、クロストークが−30dB未満にされる。しかしながら、コイル寸法の増加量が少ないため、スループットの変化は小さい。4つのコイル変換器を含む単一のフレックス部分と4つの単一コイル変換器との間を選択する場合、さらなる検討によって、2つの実例の間のスループットにおける小さな違いよりも一層重要であることを証明できる。
【0031】
単一フレックス・クワド・パッケージ又はコイル・アイソレータとの比較では、4つの単一フレックス変換器を使用するパッケージは、フレックス資源の使用が少ない、処理するためにより多くの部品を有する、中央チャネル・コイル間の分離を増加する特徴を有する、より高価な0.635mm(25ミル)のトレースを要求することがある(これらは破壊される可能性がある)、シリコン・チップがリードフレーム上に取り付けられるため、良好な放熱が得られる、全てのボンド・パッドの高さが同様である、電源電圧はシリコン・チップを通過する、電源電圧のルーティングは幾つかの(約8個)ワイヤ・ボンドを必要とする、パッケージ形成の間に金型を貫通するための多数の周囲領域がある、1つの「バス」がシリコンで形成されるためオプションを加えることが難しい、またパッケージの中心で高圧ブレイクダウンが発生する確率が高い。
【0032】
4つの単一フレックス変換器パッケージ又はコイル・アイソレータとの比較では、単一フレックス・クワド・パッケージは、約2.5倍多くのフレックス資源を使用する、処理するためにより少ない部品を有する、中央のコイル変換器用トレース間により少ない間隔しか要求しない、安価な0.889mm(35ミル)のトレースを使用できる、フレックス上に配置されたシリコン・チップの放熱は良好でない、シリコン・チップ用ボンド・パッドの頂部は他より高い、電源電圧のルーティングはフレックス材料を通過することができる、電源電圧のルーティングはより少ない(約4個)ワイヤ・ボンドに依存する、パッケージ・モールディングは端部でのみパッケージの頂部と底部とを連結する、複数のバスがグラウンド、電源電圧、及び他の接続体を運ぶことができる、及び高圧ブレイクダウンが中央コイル変換器の中で発生する可能性が極めて高い。
【0033】
ここで、図1、2、5、7及び9を参照すると、コイル・アイソレータ5は、それぞれ、コイル変換器10a、10b、10c及び10dを備えているように見える。各コイル変換器は対向する第1及び第2の端部15a〜15d及び17a〜17dを有している。コイル変換器10a、10b、10c及び10dのそれぞれは、対向する第1及び第2の側部を有する誘電性バリアを備えている。この誘電性バリアは、ポリイミド又はKAPTONなどの電気的に絶縁性で、非金属、非半導体、誘電性損失が低い材料から構成される。第1の導電性コイル28a〜28dは、各コイル変換器の誘電性バリア22a〜22dの第1の側部24a〜24dの近く又はその上に配置され、第1のリード線30a〜30d及び32a〜32dは、第1のコイル28a〜28dとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッド(40a〜40d及び42a〜42d)との間に延長する。第2の導電性コイル34a〜34dは、各コイル変換器の誘電性バリア22a〜22dの第2の側部26a〜26dの近く又はその上に配置され、第2のリード線36a〜36d及び38a〜38dは、第2のコイル34a〜34dとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッド(44a〜44d及び46a〜46d)との間に延長する。ここで、誘電性バリア22a〜22dは、第1及び第2のコイル28a〜28d及び34a〜34dの間に配置される。第1及び第2のリードフレーム56及び58は、互いに接近して配置されるが、ギャップ63によって分離される。ここで、入力リードフレーム用端部57はギャップ63を横切って出力リードフレーム用端部59に面している。それらが使用されるどの構成でも、第1及び第2のリードフレーム56及び58は、それらの間がショートするのを防ぐために、互いに接触できず、また互いに電気的に絶縁される必要がある。コイル変換器10a、10b、10c及び10dのそれぞれは、第1及び第2のリードフレーム56及び58の間を水平方向に延長して、第1及び第2の端部15a〜15d及び17a〜17dが第1及び第2のリードフレーム56及び58の少なくとも一部の上又は下に延長する、またさらに、第1及び第2のリードフレーム56及び58のどの部分も、第1及び第2のコイル28及び34のどの部分の上又は下に垂直方向に配置されることはなく、さらに、第1及び第2のコイル28a/34a〜28d/34dのワイヤー・ボンド・パッド40a〜40d、42a〜42d、44a〜44d、及び46a〜46dは、それぞれ、第1及び第2のリードフレーム56及び58の上又は下に垂直方向に配置される。バリア22a〜22d、側部24a〜24d、及び側部26a〜26dに関する詳細については、Hoの特許出願を参照されたい。
【0034】
前述されたように、1つの実施形態では、各コイル変換器はフレックス回路材料から形成されるが、セラミック、シリコン、プリント基板などの当業者には周知の他の材料や方法も使用することができる。
【0035】
図1、2、7及び9に示されているように、IC60a〜60d及び64a〜64dは、対応するワイヤー・ボンド・パッド40a〜40d、42a〜42d、44a〜44d及び46a〜46dを介してコイル変換器10a〜10dに作動可能に接続された送信機用及び受信機用端子を備えている。そのようなIC60a〜60d及び64a〜64dは、第1のコイル28a〜28d又は第2のコイル34a〜34dを超えて差動信号を提供するように構成されることができる。送信機及び受信機の機能は、必要に応じて、それぞれ送信機用及び受信機用IC内の適当なチャネルに割り当てられることができる。
【0036】
第1及び第2のコイル28a〜28d及び34a〜34dは間隔を空けて配置され、かつ電力信号及びデータ信号の少なくとも1つが第1のコイル28a〜28dのそれぞれによって、それぞれ誘電性バリアを超えて第2のコイル34a〜34dのそれぞれに送信されることができるように構成されることに注意されたい。
【0037】
第1及び第2のコイルの各対28a/34a、28b/34b、28c/34c及び28d/34dは、組み合わせて、少なくとも5ターン、少なくとも8ターン、少なくとも10ターン、又は少なくとも20ターンを有することができることに注意されたい。図5、7及び9に示されている実施形態では、第1及び第2のコイル28/34の各対のターンは約11.5である。
【0038】
各コイル変換器の中に含まれた誘電性バリアは、ガラスファイバー、ガラス、セラミック、ポリイミド、ポリイミド・フィルム、ポリマー、有機材料、フレックス回路材料、エポキシ、エポキシ樹脂、プリント基板用材料、PTFE及びガラス、PTFE及びセラミック、ガラス及びセラミック、熱硬化性プラスチック、及びプラスチックの内の1つ以上を含むことができる。
【0039】
第1のコイル28と第2のコイル34との間のブレイクダウン電圧は、約1分の時間にわたって加えられたとき、約2,000ボルトRMSを超えることがあり、約6分の時間にわたって加えられたとき、約2,000ボルトRMSを超えることがあり、24時間の時間にわたって加えられたとき、約2,000ボルトRMSを超えることがあり、約1分の時間にわたって加えられたとき、約5,000ボルトRMSを超えることがあり、約6分の時間にわたって加えられたとき、約5,000ボルトRMSを超えることがあり、又は24時間の時間にわたって加えられたとき、約5,000ボルトRMSを超えることがある。第1及び第2のコイル28及び34は、金属、金属合金又は金属の組合せから構成され得る。さらに、コイル変換器10a、10b、10c及び10dのそれぞれ並びに第1及び第2のリードフレーム56及び58の少なくとも一部は、シリカが添加されたエポキシなどの成形材料を用いてカプセル化されることができる。これは、熱膨張の不一致を減らすために発見された。
【0040】
ここで、図5を参照すると、コイル変換器10の第1及び第2の端部15及び17の間の長さLは、約2.5mm未満とすることができる。コイル変換器10の幅Wは、約1.5mm未満とすることができる。
【0041】
ここで、図7及び9を参照すると、コイル変換器10a、10b、10c及び10dのコイル28a〜28d及び34a〜34d用の全てのワイヤー・ボンド・パッド40a〜40d、42a〜42d、44a〜44d及び46a〜46dは、それぞれ、コイル変換器10a、10b、10c及び10dの主軸12の一方の側に配置されていることが分かる。別の実施形態では、コイル変換器10a〜10dのコイル28a〜28d及び34a〜34d用のワイヤー・ボンド・パッドは、主軸12の両側に配置される。
【0042】
図7及び9の参照を続けると、4つのコイル変換器10a〜10d、第1及び第2のリードフレーム56及び58、及び送信機用及び受信機用回路60a〜60d及び64a〜64dを備えるパッケージ5は、約20mm又は12mmよりも短い長さL、及び約10mm、約6mm、又は約4mmよりも狭い幅Wを有する。パッケージ5は、送信機60a〜60d及び受信機64a〜64dがコイル変換器10a〜10dのどの部分の上にも垂直に積み重ねられないように構成されることもできる。
【0043】
スペーサ層は、コイル変換器10a〜10dの上面及び下面の上に配置されることができる。ここで、スペーサ層は誘電体損失が少ない材料を含み、かつコイル変換器10a〜10dの少なくとも幾つかの導電性部分とコイル変換器の外部に配置された近傍の導電体すなわちトレースとの間の電気的相互作用を最小にするように構成される。そのようなスペーサ層の厚さは、約25ミクロンと約50ミクロンとの間の範囲にある。
【0044】
幾つかの実施形態によれば、コイル変換器は双方向性であり、このため、送信機/受信機の対は空間的に配置され、また必要に応じて、アイソレータ又はパッケージの中で構成される。例えば、アイソレータ内のコイル変換器は、データが全ての4チャネルの中で左から右へ、又は2チャネルの中で左から右へまた他の2チャネルの中で右から左に移動するように構成されうる。コイル・アイソレータ5の送信機及び受信機のサイドは逆にすることもでき、任意の送信機/受信機の対内の部品は逆にすることができ、また各金属パッド又はリードフレームは、グラウンド電位以外のそのローカルな電源電圧に維持されることができる。
【0045】
前述された幾つかの方法のように、本願で説明されたコイル・アイソレータの種々の構成要素、装置及びシステムを作る方法や使用方法は、本発明の範囲の中に含まれることに注意されたい。
【0046】
前述された実施形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の実施例として考えるべきである。本発明の前述の実施形態に加えて、詳細な説明及び添付した図面を綿密に調べると、本発明の別の実施形態が存在することが分かるであろう。従って、明示的に本願に記載されていない本発明の前述した実施形態の多くの組合せ、置き換え、変更及び修正は、本発明の範囲の中に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1及び第2の端部を有し、対向する第1及び第2の側部を有する誘電性バリアを備えるコイル変換器と、
少なくとも第1及び第2のリードフレームと、
を具備し、
前記誘電性バリアは、電気的絶縁体、非金属、非半導体、誘電性損失が低い材料、前記第1の側部近く又はその上に配置された第1の導電性の送信機用コイル、前記第1のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第1のリード、及び前記第2の側部近く又はその上に配置された第2の導電性の受信機用コイル、前記第2のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第2のリードを備え、前記誘電性バリアは前記第1及び第2のコイルの間に配置され、
前記コイル変換器は前記第1及び第2のリードフレームの間に水平方向に延長し、前記第1及び第2の端部は前記第1及び第2のリードフレームの少なくとも一部の上又は下に延長し、前記第1及び第2のリードフレームのどの部分も前記第1及び第2のコイルのどの部分の上又は下に垂直に配置されることはなく、また前記第1及び第2のコイルのワイヤー・ボンド・パッドは、それぞれ前記第1及び第2のリードフレームの上又は下に垂直に配置される、コイル・アイソレータ。
【請求項2】
前記コイル変換器がフレックス回路である、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項3】
送信機用出力端子を備えた送信機回路をさらに含み、前記送信機用出力端子が前記第1のコイルにそれに対応する前記ワイヤー・ボンド・パッドを介して作動可能に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項4】
前記送信機回路が、前記第1のコイルを超えて差動出力信号を提供するように構成される、ことを特徴とする請求項3に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項5】
受信機用入力端子を備えた受信機回路をさらに含み、前記受信機用入力端子が前記第2のコイルにそれに対応する前記ワイヤー・ボンド・パッドを介して作動可能に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項6】
前記受信機回路が、差動入力信号を受信するように構成される、ことを特徴とする請求項5に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項7】
前記受信機回路が集積回路である、ことを特徴とする請求項5に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項8】
前記第1及び第2コイルが空間的に配置され、電力信号とデータ信号の少なくとも1つが前記第1のコイルによって前記誘電性バリアを超えて前記第2のコイルに送信されることができるように互いに構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項9】
前記第1及び第2のコイルが、組み合わせて、少なくとも5ターン、少なくとも8ターン、少なくとも10ターン、又は少なくとも20ターンを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項10】
前記誘電性バリアが、ガラスファイバー、ガラス、セラミック、ポリイミド、ポリイミド・フィルム、ポリマー、有機材料、フレックス回路材料、エポキシ、エポキシ樹脂、プリント基板用材料、PTFE及びガラス、PTFE及びセラミック、ガラス及びセラミック、熱硬化性プラスチック、又はプラスチックを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項11】
第1のコイルと第2のコイルとの間のブレイクダウン電圧が、約1分の時間にわたって加えられたとき、約2,000ボルトRMSを超えるか、約6分の時間にわたって加えられたとき、約2,000ボルトRMSを超えるか、24時間の時間にわたって加えられたとき、約2,000ボルトRMSを超えるか、約1分の時間にわたって加えられたとき、約5,000ボルトRMSを超えるか、約6分の時間にわたって加えられたとき、約5,000ボルトRMSを超えるか、又は24時間の時間にわたって加えられたとき、約5,000ボルトRMSを超える、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項12】
前記コイル変換器が内部電源電圧のルーティングをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項13】
前記コイル変換器が、グラウンド用ルーティング又は1つ以上のグラウンド・パッドをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項14】
前記第1及び第2のコイルが金属、金属合金又は金属の組合せから構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項15】
前記コイル変換器及び前記第1及び第2のリードフレームの少なくとも一部が、シリカが添加されたエポキシを含む成形材料を用いてカプセル化される、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項16】
前記第1及び第2の端部の間の前記コイル変換器の長さが約2.5mm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項17】
前記コイル変換器の幅が約1.5mm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項18】
前記コイル変換器の全てのコイル用のワイヤー・ボンド・パッドが、前記コイル変換器の主軸の一方の側に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項19】
前記コイル変換器の前記コイル用のワイヤー・ボンド・パッドが、前記コイル変換器の主軸の両側に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項20】
前記コイル変換器、前記第1及び第2のリードフレーム、及び送信機用及び受信機用回路を備えたパッケージをさらに具備し、前記パッケージの長さが約20mm未満又は約12mm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項21】
前記コイル変換器、前記第1及び第2のリードフレーム、及び送信機用及び受信機用回路を備えたパッケージをさらに具備し、前記パッケージの幅が約10mm未満、約6mm未満、又は約4mm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項22】
送信機及び受信機が前記コイル変換器のどの部分の上にも垂直に積み重ねられないパッケージをさらに具備する、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項23】
前記コイル変換器の前記第1又は第2の側部上に配置されたスペーサ層をさらに備え、前記スペーサ層が誘電体損失が少ない材料を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項24】
前記スペーサ層が、前記コイル変換器の少なくとも幾つかの導電性部分と近傍の前記コイル変換器の外部に配置された導電体すなわちトレースとの間の電気的相互作用を最小にするように構成される、ことを特徴とする請求項23に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項25】
前記スペーサ層の厚さが、約25ミクロンと約50ミクロンとの間の範囲にある、ことを特徴とする請求項23に記載のコイル・アイソレータ。
【請求項26】
コイル・アイソレータを製作する方法であって、
対向する第1及び第2の端部を有し、対向する第1及び第2の側部を有する誘電性バリアを含むコイル変換器を形成するステップと、
少なくとも第1及び第2のリードフレームを設けるステップと、
前記コイル変換器が前記第1及び第2のリードフレームの間に水平方向に延長するように、前記コイル変換器を前記第1及び第2のリードフレームに取り付けるステップと
を含み、
前記誘電性バリアは電気的絶縁体、非金属、非半導体、誘電性損失が少ない材料、前記第1の側部近く又はその上に配置された第1の導電性の送信機用コイル、前記第1のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第1のリード、及び前記第2の側部近く又はその上に配置された第2の導電性の受信機用コイル、前記第2のコイルとそれに対応するワイヤー・ボンド・パッドとの間に延長する第2のリードを含み、前記誘電性バリアは前記第1及び第2のコイルの間に配置され、
前記第1及び第2の端部は前記第1及び第2のリードフレームの少なくとも一部の上又は下に延長し、前記第1及び第2のリードフレームのどの部分も前記第1及び第2のコイルのどの部分の上又は下に垂直に配置されることはなく、また前記第1及び第2のコイルの前記ワイヤー・ボンド・パッドは、それぞれ前記第1及び第2のリードフレームの上又は下に垂直に配置される、
ことを特徴とする方法。
【請求項27】
出力端子を有する送信機用回路を前記第1のコイルに対応する前記ワイヤー・ボンド・パッドに作動可能に接続するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
入力端子を有する受信機用回路を前記第2のコイルに対応する前記ワイヤー・ボンド・パッドに作動可能に接続するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記コイル変換器を形成するステップが、前記第1及び第2のコイルを組み合わせて、少なくとも5ターン、少なくとも8ターン、少なくとも10ターン、又は少なくとも20ターンを形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記コイル変換器を形成するステップが、前記誘電性バリアを形成するために、ガラスファイバー、ガラス、セラミック、ポリイミド、ポリイミド・フィルム、ポリマー、有機材料、フレックス回路材料、エポキシ、エポキシ樹脂、プリント基板用材料、PTFE及びガラス、PTFE及びセラミック、ガラス及びセラミック、熱硬化性プラスチック、又はプラスチックを使用するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記コイル変換器を形成するステップが、前記コイル変換器の内部又は上に内部電源電圧のルーティングを形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記コイル変換器を形成するステップが、グラウンド用ルーティング又は1つ以上のグラウンド・パッドを前記コイル変換器の内部又は上に形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記コイル変換器及び前記第1及び第2のリードフレームの少なくとも一部をシリカが添加されたエポキシを含む成形材料を用いてカプセル化するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記コイル変換器を形成するステップが、前記コイル変換器の長さが前記第1及び第2の端部の間で約2.5mm未満になるように構成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記コイル変換器を形成するステップが、前記コイル変換器の幅が約1.5mm未満になるように構成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記コイル変換器を形成するステップが、前記コイル変換器の全てのコイル用のワイヤー・ボンド・パッドを、前記コイル変換器の主軸の一方の側に配置するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記コイル変換器を形成するステップが、前記コイル変換器のコイル用のワイヤー・ボンド・パッドを前記コイル変換器の主軸の両側に配置するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項38】
前記コイル変換器、前記第1及び第2のリードフレーム、及び前記送信機用及び受信機用回路を備えたパッケージを形成するステップをさらに含み、前記パッケージの長さが約20mm未満又は約12mm未満である、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項39】
前記コイル変換器、前記第1及び第2のリードフレーム、及び前記送信機用及び受信機用回路を備えたパッケージを形成するステップをさらに含み、前記パッケージの幅が約10mm未満、約6mm未満、又は約4mm未満である、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項40】
送信機及び受信機が前記コイル変換器のどの部分の上にも垂直に積み重ねられないようなパッケージを形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記コイル変換器の前記第1又は第2の側部上にスペーサ層を配置するステップをさらに備え、前記スペーサ層が誘電体損失が少ない材料を含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−9821(P2012−9821A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−64272(P2011−64272)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(506200186)アバゴ・テクノロジーズ・イーシービーユー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (154)
【Fターム(参考)】