説明

狭窄部除去デバイス

【課題】破砕した狭窄部断片の逆流防止を図り得る狭窄部除去デバイスを提供する。
【解決手段】狭窄部除去デバイス10は、可撓性を有する管部110と、管部の先端に設けられた刃部111と、管部の内周面117に突設された台座部112と、台座部に接離可能な開閉体113と、を有し、開閉体は、台座部から離隔して管部の先端側から基端側への連通を許容する一方、台座部に近接して管部の基端側から先端側への連通を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体管腔内に形成される狭窄部を除去するための狭窄部除去デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
血管や器官等の生体管腔内の狭窄に対する処置として、先端に刃を備えたカテーテルを生体管腔内に挿入し、先端の刃によって狭窄部を除去することが提案されている。例えば特許文献1では、術者がカテーテル先端に設けられた刃を回転させつつ血管内でカテーテルを進行させ、狭窄部であるプラークを切削することが開示されている。
【0003】
切削によって、破砕した狭窄部の断片が複数生じるが、これら狭窄部の断片が生体管腔内に留まったままであると、生体管腔の閉塞等を生じさせる虞があるため、狭窄部の断片は、カテーテルの先端に設けられた吸引口から吸引され、カテーテルを通じて生体管腔の外部に取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−220153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、吸引手段に接続したカテーテルの基端は、吸引口であるカテーテル先端から離隔しており、また、生体管腔内に挿入されたカテーテルは曲がりくねっているため、吸引が弱まり、カテーテル内に一旦取り込まれた狭窄部の断片が、逆流してカテーテル先端の吸引口から出てしまう可能性が考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、狭窄部断片の逆流防止を図り得る狭窄部除去デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の狭窄部除去デバイスは、可撓性を有する管部と、当該管部の先端に設けられた刃部と、前記管部の内周面に突設された台座部と、当該台座部に接離可能な開閉体と、を有し、当該開閉体は、前記台座部から離隔して前記管部の先端側から基端側への連通を許容する一方、前記台座部に近接して前記管部の基端側から先端側への連通を遮断する。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明の狭窄部除去デバイスでは、開閉体によって基端側から先端側への連通が遮断されるため、狭窄部断片の逆流防止を図り得る。
【0009】
また、前記管部を挿通可能な可撓性を有する外側管部を有するようにすれば、生体管腔内に挿入された外側管部を通じて、管部及び刃部が案内されるため、管部及び刃部の挿入操作が容易である。
【0010】
また、前記刃部が交換可能であるようにすれば、狭窄部に応じて刃部を変更でき、汎用性に優れる。
【0011】
また、前記台座部から突出し、前記開閉体の周縁部に設けられた貫通孔を通る有頭突部によって、前記開閉体は前記台座部に近接離間するように揺動可能に支持されているようにすれば、開閉体に設けられた貫通孔及びそれに通された有頭突部という比較的単純な機構によって開閉体が開閉するため、構成が簡単である。
【0012】
また、前記開閉体が、前記管部の基端側から先端側に凸となった凸形状を有するとともに、前記台座部が、前記管部の内周面から立ち上がり前記開閉体と向かい合う対向面を有しており、前記開閉体が前記台座部に近接して前記管部の基端側から先端側への連通を遮断する際、前記開閉体は、前記対向面に接しつつ前記開閉体の周縁部と前記対向面との間に隙間を形成するようにすれば、開閉体が閉じる際、開閉体の周縁部と台座部の対向面との間に異物が挟まり難いため、逆流をより確実に防止できる。
【0013】
また、前記対向面と前記管部の内周面とのなす角が、90°以上120°以下であるようにすれば、開閉体の周縁部のうち前記有頭突部を通す前記貫通孔のまわりの部分と前記対向面との間に適度な間隔の隙間が形成されるため、開閉体を円滑に開閉できる。
【0014】
また、前記開閉体が、平板形状を有するとともに、前記台座部が、前記管部の内周面から立ち上がり前記開閉体の平面に対して傾斜して向かい合う対向面を有しており、前記開閉体が前記台座部に近接して前記管部の基端側から先端側への連通を遮断する際、前記開閉体は、前記対向面に接しつつ前記開閉体の周縁部と前記対向面との間に隙間を形成するようにすれば、開閉体が閉じる際、開閉体の周縁部と台座部の対向面との間に異物が挟まり難いため、逆流をより確実に防止できる。
【0015】
また、前記対向面と前記管部の内周面とのなす角が、60°以上90°より小さければ、開閉体の周縁部のうち前記有頭突部を通す前記貫通孔のまわりの部分と前記対向面との間に適度な間隔の隙間が形成されるため、開閉体を円滑に開閉できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態の狭窄部除去デバイスの概略構成図である。
【図2】刃部の斜視図である。
【図3】刃部の他の例を示す斜視図である。
【図4】刃部のさらなる他の例を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の切削カテーテルの先端の拡大断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿う断面図である。
【図7】狭窄部除去デバイスによる狭窄部の除去を説明するための模式図である。
【図8】第1実施形態の切削カテーテルの先端を比較例の開閉体とともに示す拡大断面図である。
【図9】第2実施形態の狭窄部除去デバイスの概略構成図である。
【図10】第2実施形態の切削カテーテル先端の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
【0018】
<第1実施形態>
図1において概説すると、第1実施形態の狭窄部除去デバイス10は、下肢の動脈内に形成される狭窄部の除去に用いられるものであり、狭窄部を切削するための切削カテーテル11と、切削カテーテル11を狭窄部に案内するためのガイディングカテーテル13(外側管部)と、を有する。
【0019】
ガイディングカテーテル13は、長尺状の管であり、また、可撓性を有する。また、ガイディングカテーテル13は、切削カテーテル11を挿通可能である。ガイディングカテーテル13を形成する材料は、例えば、高密度ポリエチレン、ポリエステルエラストマー、ポリアミド樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ナイロン樹脂等の樹脂材料であり、また、ステンレス合金やNiTi合金等から形成された補強材を含んでもよい。
【0020】
切削カテーテル11は、可撓性を有する管部110と、管部110の先端に設けられた刃部111と、を有する。また、切削カテーテル11は、管部110の内周面117に突設された台座部112と、台座部112に接離可能な開閉体113と、台座部112に設けられ開閉体113を支持する有頭突部114と、を有する。
【0021】
管部110は長尺状の管であり、軸方向に交差する管部110の断面は円形形状を有する。管部110の長さは、例えば1m〜2m程度であり、管部110の外径は、例えば1mm〜3mm程度である。管部110を形成する材料は、例えば、高密度ポリエチレン、ポリエステルエラストマー、ポリアミド樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ナイロン樹脂等の樹脂材料であり、また、ステンレス合金やNiTi合金等から形成された補強材を含んでもよい。
【0022】
図2に示すように、刃部111は、管部110の軸方向に突出した刃115と、管部110に連通する開口部116と、を有する。刃115は開口部116を横切るように設けられている。本実施形態では刃115は開口部116に近接して設けられるが、図3に示すように、刃115Aが開口部116から離隔して設けてられてもよい。このような刃部111Aは硬質な狭窄部を切削するのに適している。また、図4に示すように開口部を形成している縁115Bの幅を細くし、縁115B自体を刃として用いることもできる。このような刃部111Bは軟らかい狭窄部を切削するのに適している。刃部111、111A、111Bを形成する材料は、例えば、ステンレス合金等の金属材料である。
【0023】
図5に示すように、刃部111は、管部110の外周面に形成されたねじと螺合することによって管部110に接続しており、交換可能である。管部110は、刃部111と接続する部分が例えばステンレス合金等の金属によって構成されてもよい。
【0024】
図5及び図6に示すように、台座部112は、管部110の内周面117に沿って環状に突設されている。台座部112の突設方法は特に限定されないが、例えば、接着剤による接着、熱による溶着等が挙げられる。台座部112は、管部110の先端側から基端側に向かって内径が漸減するテーパ面121を有しており、基端側の開口部の径R2は、先端側の開口部の径R1に比べ小さい。本実施形態と異なり、台座部112がテーパ面121を有さず、段差状に縮径した形状を有してもよいが、この場合、狭窄部の断片が段差部分に溜まって管部110の基端側へ移動しない虞があるが、本実施形態では、台座部112がテーパ面121を有するため、狭窄部の断片が管部110の基端側へ円滑に移動し易く好ましい。
【0025】
また、台座部112は、管部110の内周面117から立ち上がり開閉体113と向かい合う対向面120を有する。対向面120と内周面117とのなす角A1は、好ましくは90°以上120°以下である。
【0026】
有頭突部114は、台座部112の対向面120から突出し、開閉体113の周縁部に設けられた貫通孔119を通っている。有頭突部114は、開閉体113を台座部112に近接離間するように揺動可能に支持する。貫通孔119は長穴形状を有し、有頭突部114の頭部118は球形である。頭部118の径は、貫通孔119の短軸方向の幅より大きく、このため、開閉体113の抜けが防止される。また、頭部118が球形であるため、曲率を有する開閉体113の周縁部と干渉し難く、開閉体113が円滑に開閉する。また、貫通孔119を管部110の軸方向先端側に投影した投影像は、対向面120内に収まることが好ましく、このような構成によって、狭窄部の断片が貫通孔119を通じて逆流するのを防止できる。
【0027】
開閉体113は、台座部112から離隔して管部110の先端側から基端側への連通を許容する一方、台座部112に近接して管部110の基端側から先端側への連通を遮断する。また、開閉体113は、管部110の基端側から先端側に凸となった凸形状を有しており、台座部112に近接して管部110の基端側から先端側への連通を遮断する際、対向面120に接しつつ開閉体113の周縁部と対向面120との間に隙間を形成する。開閉体113は、閉じて台座部112に接した際に開閉体113の周縁部と対向面120との間に隙間を形成するように管部110の基端側から先端側に凸となった凸形状を有していればよく、本実施形態のように円弧状に湾曲した椀形状に限定されず、例えば漏斗のような略円錐形状又は切頭円錐形状であってもよい。
【0028】
開閉体113は、開閉体113の周縁部のうち貫通孔119のまわりの部位が対向面120に接するまで開くことができる。すなわち、開閉体113の周縁部のうち貫通孔119のまわりの部位の曲率と角度A1とを調整することによって、開閉体113の開く度合いを制御できる。
【0029】
開閉体113を形成する材料は、好ましくは、各種金属材料又は各種プラスチックである。開閉体113を金属材料によって形成する場合、プラスチックによって形成する場合に比べ、強度に優れる。一方、開閉体113をプラスチックによって形成する場合、金属材料によって形成する場合に比べて安価で、また、血栓の付着を抑制できる。
【0030】
開閉体113及び台座部112は、好ましくは、管部110の先端近くに設けられ、より好ましくは、刃部111に隣接して設けられる。例えば、開閉体113及び台座部112が、管部110の先端と基端との中間に設けられた場合、管部110の先端と開閉体113との間に存在する狭窄部の断片が、逆流して切削カテーテル11の内部から出る虞があるが、管部110の先端近く、又は刃部111に隣接して開閉体113及び台座部112が設けられることによって、そのような狭窄部の断片の流出を抑制できる。
【0031】
次に、図7において狭窄部除去デバイス10を用いた狭窄部の除去について述べる。
【0032】
まず、術者は、プラーク等の狭窄部Sが発見された下肢の動脈BVにガイディングカテーテル13を経皮的に挿入し、狭窄部Sの近傍までガイディングカテーテル13を進める。次に、術者は、切削カテーテル11をガイディングカテーテル13に挿入し、ガイディングカテーテル13を通じて切削カテーテル11を狭窄部Sの近傍まで進める。
【0033】
その後、術者は、切削カテーテル11を軸方向に進退させ、ガイディングカテーテル13の先端から出た刃部111を狭窄部Sに繰り返し押し当てて狭窄部Sを切削する。このとき、切削によって生じる破砕した狭窄部Sの断片は、切削カテーテル11の先端吸引口から切削カテーテル11の内腔へと入り、切削カテーテル11の管部110を通じ、血圧によって血管の外に排出される。また、管部110に接続したポンプやシリンジ等の吸引手段(不図示)が、破砕した狭窄部Sの断片を吸引してもよい。狭窄部Sとしてのプラークは形成されてから時間の経過とともに硬くなるが、術者は、プラークの硬さに応じた適切な刃部111を選択する。
【0034】
狭窄部Sの切削によって血管内に所望の流路が確保された後、術者は、ガイディングカテーテル13を血管BV内に留置した状態で、ガイディングカテーテル13から切削カテーテル11を抜き、その後、ガイディングカテーテル13を血管BVから抜く。
【0035】
本実施形態の作用効果を述べる。
【0036】
狭窄部除去デバイス10は、狭窄部除去デバイス10内腔内の基端方向への圧力が弱まった際、開閉体113が台座部112に近接し開閉体113によって管部110の基端側から先端側への連通を遮断するため、切削によって生ずる狭窄部断片の逆流防止を図り得る。
【0037】
また、生体管腔内に挿入されたガイディングカテーテル13を通じて、切削カテーテル11が案内されるため、切削カテーテル11の挿入操作が容易である。また、狭窄部を切削するために術者が切削カテーテル11を進退させる際、ガイディングカテーテル13が、管部110が曲がって変形するのを抑制するため、軸方向の力が刃部111に伝わり易い。
【0038】
また、刃部111が交換可能であるため、狭窄部の特性に応じて刃部111を変更でき、汎用性に優れる。
【0039】
また、開閉体113に設けられた貫通孔119及びそれに通された有頭突部114という比較的単純な機構によって開閉体113が開閉するため、構成が簡単である。
【0040】
図8に示すように、本実施形態と異なり開閉体113Aが平板形状を有し、且つ対向面120が管部110の内周面117に対して直角に立ち上がっている場合、血栓等の異物BCが開閉体113Aの周縁部と対向面120との間に挟まり、開閉体113Aによる管部110の基端側から先端側への連通の遮断が不完全となり逆流防止が妨げられる虞がある。一方、本実施形態では、開閉体113が台座部112に近接して管部110の基端側から先端側への連通を遮断する際、開閉体113は、対向面120に接しつつ開閉体113の周縁部と対向面120との間に隙間を形成することにより、異物BCが該隙間の方へ流れ開閉体113の周縁部と対向面120との間に異物BCが挟まることによる管部110の不完全な遮断が起こりづらくなり、逆流をより確実に防止できる。
【0041】
また、対向面120と内周面117とのなす角A1が、90°以上120°以下であり、開閉体113の周縁部のうち貫通孔119のまわりの部分と対向面120との間に適度な間隔の隙間が形成されるため、開閉体113を円滑に開閉できる。角度A1が120°より大きいと、貫通孔119のまわりの部位と対向面120との間の間隔が狭くなり、それらが干渉して開閉体113が開き難くなる虞がある。また、角度A1が90°より小さいと、貫通孔119のまわりの部位と対向面120との間の間隔が広がり、開閉体113が開いた際に開き過ぎて閉じ難くなり、逆流防止が妨げられる虞がある。
【0042】
<第2実施形態>
図9及び図10において概説すると、第2実施形態の狭窄部除去デバイス20は、第1実施形態の狭窄部除去デバイス10と略同様であるが、第1実施形態と異なる構成の台座部212、開閉体213、及び有頭突部214を備える点で、第1実施形態と異なっている。ガイディングカテーテル13、管部110、及び刃部111、並びに狭窄部の除去方法については第1実施形態と同様であるので、これらについての重複する説明を省略する。
【0043】
開閉体213は、平板形状を有する点で第1実施形態の開閉体113と異なる。他の特徴については、開閉体213は、開閉体113と同様である。台座部212は台座部112と略同様であるが、対向面220と内周面117とのなす角A2が第1実施形態の角度A1と異なっている。角度A2は、60°以上90°より小さく、対向面220は開閉体213の平面に対して傾斜して向かい合う。角度A2以外の特徴については、台座部212は、台座部112と同様である。有頭突部214は、有頭突部114と異なる形状の頭部218を有している。頭部218は、円筒形状、又は直方体形状若しくは立方体形状を有する。円筒形状の径や、直方体形状若しくは立方体形状の辺の長さは、開閉体213が有頭突部214から抜けないように、開閉体213の周縁部に設けられた貫通孔219の寸法を考慮して設計される。頭部218の形状以外の特徴については、有頭突部214は、有頭突部114と同様である。
【0044】
以上のように、第2実施形態では、開閉体213が平板形状を有するが、対向面220が開閉体213の平面に対して傾斜して向かい合っており、開閉体213が閉じる際、開閉体213の周縁部と対向面220との間に隙間が形成される。従って、第1実施形態と同様、開閉体213の周縁部と対向面220との間に異物が挟まることによる管部110の不完全な遮断が起こりづらくなり、逆流がより確実に防止される。
【0045】
また、角度A2が、60°以上90°より小さく、開閉体213の周縁部のうち貫通孔219のまわりの部分と対向面220との間に適度な間隔の隙間が形成されるため、開閉体213を円滑に開閉できる。角度A2が90°以上であると、貫通孔219のまわりの部位と対向面220とが干渉して開閉体213が開き難くなる。また、角度A2が60°より小さいと、貫通孔219のまわりの部位と対向面220との間の間隔が広がり、開閉体213が開いた際に開きすぎて閉じ難くなり、逆流防止が妨げられる虞がある。
【0046】
また、狭窄部除去デバイス20は、上で述べたように狭窄部除去デバイス10と同様の構成も有しており、これらの構成によって、狭窄部除去デバイス10と同様の効果を奏するが、重複するため、ここでの説明を省略する。
【0047】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変できる。
【0048】
例えば、上記実施形態では、開閉体は、開閉体に設けられた貫通孔及びそれを通る有頭突部によって開閉するが、それに限定されず、本発明は、扉に用いられる蝶番のような機構によって開閉する開閉体を含む。
【0049】
また、刃部は上記実施形態で挙げたものに限定されず、従来公知のものを刃部として用いてもよい。また、上記実施形態では、狭窄部除去デバイスがガイディングカテーテルを含むが、本発明はこれに限定されず、ガイディングカテーテル(外側管部)のない形態を含む。
【0050】
また、上記実施形態では、下肢の動脈に形成される狭窄部の除去に用いられる狭窄部除去デバイスを説明したが、本発明はこれに限定されず、他の血管、さらには、血管以外の生体管腔にも適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
10、20 狭窄部除去デバイス、
11、21 切削カテーテル、
13 ガイディングカテーテル(外側管部)、
110 管部、
111 刃部、
112、212 台座部、
113、113A、213 開閉体、
114、214 有頭突部、
115 刃、
116 開口部、
117 内周面、
118 頭部、
119 貫通孔、
120 対向面、
121 テーパ面、
A1、A2 対向面と管部の内周面とのなす角、
BV 血管、
BC 異物、
S 狭窄部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する管部と、
当該管部の先端に設けられた刃部と、
前記管部の内周面に突設された台座部と、
当該台座部に接離可能な開閉体と、を有し、
当該開閉体は、前記台座部から離隔して前記管部の先端側から基端側への連通を許容する一方、前記台座部に近接して前記管部の基端側から先端側への連通を遮断する、狭窄部除去デバイス。
【請求項2】
前記管部を挿通可能な可撓性を有する外側管部を有する、請求項1に記載の狭窄部除去デバイス。
【請求項3】
前記刃部は交換可能である、請求項1又は請求項2に記載の狭窄部除去デバイス。
【請求項4】
前記台座部から突出し、前記開閉体の周縁部に設けられた貫通孔を通る有頭突部によって、前記開閉体は前記台座部に近接離間するように揺動可能に支持されている、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1つに記載の狭窄部除去デバイス。
【請求項5】
前記開閉体が、前記管部の基端側から先端側に凸となった凸形状を有するとともに、前記台座部が、前記管部の内周面から立ち上がり前記開閉体と向かい合う対向面を有しており、前記開閉体が前記台座部に近接して前記管部の基端側から先端側への連通を遮断する際、前記開閉体は、前記対向面に接しつつ前記開閉体の周縁部と前記対向面との間に隙間を形成する、請求項1〜請求項4のうちのいずれか1つに記載の狭窄部除去デバイス。
【請求項6】
前記対向面と前記管部の内周面とのなす角は、90°以上120°以下である、請求項5に記載の狭窄部除去デバイス。
【請求項7】
前記開閉体が、平板形状を有するとともに、前記台座部が、前記管部の内周面から立ち上がり前記開閉体の平面に対して傾斜して向かい合う対向面を有しており、前記開閉体が前記台座部に近接して前記管部の基端側から先端側への連通を遮断する際、前記開閉体は、前記対向面に接しつつ前記開閉体の周縁部と前記対向面との間に隙間を形成する、請求項1〜請求項4のうちのいずれか1つに記載の狭窄部除去デバイス。
【請求項8】
前記対向面と前記管部の内周面とのなす角は、60°以上90°より小さい、請求項7に記載の狭窄部除去デバイス。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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