説明

玄関台

【課題】この発明は、建物に存在する段差部を上り下りする動作が楽に行えるとともに、足載せ板上に人の足を確実に誘導することができる玄関台の提供を目的とする。
【解決手段】玄関Aに設置された玄関台10に室外側から人が接近した際には、前側枠板13に取り付けたセンサーユニット18の人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、該前側枠板13に取り付けたセンサーユニット18の発光素子18bが点灯される。また、玄関Aに設置された玄関台10に室内側から人が接近した際には、足載せ板11に取り付けたセンサーユニット18の人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、該足載せ板11の左右端部に取り付けたセンサーユニット18の発光素子18bが点灯される。これにより、玄関Aに設置された玄関台10の足載せ板11上に人の足を確実に誘導することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば玄関、勝手口、縁側等の建物に存在する段差部に設置される玄関台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記玄関台としては、例えば踏板部材の傾斜された踏面に、該踏面の存在を発光により視覚的に認識させる発光部を設け、該発光部を、明るさセンサー及び人体検知センサーから出力される検知信号に基づいて発光させる特許文献1の段差用補助具がある。
【0003】
しかし、人体検知センサーは、踏板部材の傾斜された踏面側に設けられているので、踏面より前側に存在する人は検知することができるが、踏面より後側に存在する人は検知することは不可能である。つまり、踏板部材に対し敷居側から人が近接する場合、踏面側に設定された人体検出センサーの検出範囲内に人が入るまでは検知信号が出力されず、踏板部材の踏面に足を載せると同時に、人体検知センサーから人を検知した検知信号が出力されることになるため、踏板部材の踏面に足を載せる前に、発光部の発光により踏面の存在を視覚的に認識させることが難しい。また、踏板部材は、敷居側から床面側に向けて徐々に薄くなっているので、踏板部材の低位側端部に発光部を設けることは構造的に困難である。つまり、低位側の踏面と床面の境界を視覚的に認識することが難しく、床面側から敷居側に上る際に、低位側の踏面に躓きやすく、老人や子供が怪我することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−255734
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、建物に存在する段差部を上り下りする動作が楽に行えるとともに、足載せ板上に人の足を確実に誘導することができる玄関台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、建物に存在する段差部の前側に設置される玄関台であって、前記玄関台を、人の足が載せられる大きさ及び形状に形成された足載せ板と、該足載せ板の下面側に固定された枠部とで構成し、前記足載せ板の足が載せられる上面側に、前記玄関台の後方から接近する人を検知するための人感知センサーと、前記人感知センサーから検知信号が出力された際に発光し、前記足載せ板の存在を視覚的に認識させる発光部を設けた玄関台であることを特徴とする。
【0007】
この発明の態様として、前記枠部の前面側に、前記玄関台の前方から接近する人を検知するための人感知センサーと、前記人感知センサーから検知信号が出力された際に発光し、前記玄関台の存在を視覚的に認識させる発光部を設けることができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記足載せ板に設けられた人感知センサーの検知範囲及び検知角度を、前記玄関台に対し後方から接近する人が検知される検知範囲及び検知角度に設定することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記枠部に設けられた人感知センサーの検知範囲及び検知角度を、前記玄関台に対し前方から接近する人が検知される検知範囲及び検知角度に設定することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記足載せ板の上面側両端部に、前記人感知センサー及び発光部を組にしてそれぞれ配置することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記足載せ板の上面側四隅部に、前記人感知センサー及び発光部を組にしてそれぞれ配置することができる。
【0012】
また、この発明の態様として、前記足載せ板の左右方向と平行して、該足載せ板の上面側に形成された溝部に柔軟性を有する滑り止め部材を埋め込み、前記滑り止め部材が埋設された溝部を、該足載せ板の前後方向と直交する方向に対し等間隔に隔てて複数配列するとともに、前記溝部より上方に、該溝部に埋め込まれた滑り止め部材の一部を突出することができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記足載せ板を、前記段差部の高さに応じて、所望する足載せ高さに上下調節自在に設けることができる。
【0014】
また、この発明の態様として、前記玄関台を、足載せ高さが低位となるように形成された前側足載せ台と、該足載せ高さが高位となるように形成された後側足載せ台とに分離自在に設け、前記前側足載せ台及び後側足載せ台を、人の足が載せられる大きさ及び形状に形成された足載せ板と、該足載せ板の下面側に固定された枠部とで構成することができる。
【0015】
また、この発明の態様として、前記玄関台の枠部と前記建物の段差部との間に、該枠部と段差部を着脱自在に固定する固定手段を設けることができる。
【0016】
前記段差部は、例えば玄関、勝手口、縁側等の建物(家屋を含む)に存在する段差がある部分で構成することができる。
【0017】
人感知センサーは、例えば赤外線センサー、超音波センサー、光電センサー等で構成することができる。
発光部は、例えば発光素子(LED)、白熱球、蛍光灯等の照明で構成することができる。
滑り止め部材は、例えばシリコンゴム、ウレタンゴム等の柔軟性及び/又は粘着性を有する弾性体で構成することができる。
固定手段は、例えば係止金具、受け金具、係止ピン等で構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、段差部の前側に設置された玄関台に人が接近した際に、足載せ板の上面側及び/又は枠部の前面側に設けられた人感知センサーから出力される検知信号に基づいて、該足載せ板の上面側及び/又は枠部の前面側に設けられた発光部が発光するので、玄関台及び足載せ板の存在を、発光部の発光によって視覚的に認識させることができる。
【0019】
これにより、段差部を上り下りする際に、玄関台の足載せ板上に人の足を確実に誘導することができ、踏み外しや躓きが起きるのを防止することができる。また、玄関台の足載せ板上に足を一旦載せて上り下りするので、段差部を上り下りする際の段差が小さくなり、段差部を上り下りする動作が楽に行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例の玄関台を前方右斜め上方から見た外観形状を示す斜視図。
【図2】玄関台を正面から見た外観形状を示す正面図。
【図3】センサーユニット及び滑り止め部材の配置を示す平面図。
【図4】玄関台の内部構造を示す中央縦断側面図。
【図5】上面及び正面のセンサーユニットの内部構造を示す断面図。
【図6】玄関に設置された玄関台の設置状態を示す側面図。
【図7】取付け金具による玄関台の固定状態を示す拡大縦断側面図。
【図8】図7の取付け金具の固定構造を示す斜視図。
【図9】他の例の取付け金具による玄関台の固定状態を示す拡大縦断側面図。
【図10】図9の取付け金具の固定構造を示す斜視図。
【図11】その他の例の取付け金具の固定構造を示す斜視図。
【図12】センサーユニットの他の配置例を示す平面図。
【図13】滑り止め部材の他の埋め込み構造を示す玄関台の中央縦断側面図。
【図14】階段状に組み立てられる玄関台の他の例を示す斜視図。
【図15】前後の足載せ台を分離した状態を示す斜視図。
【図16】前後の足載せ台を互いに合体した状態を示す斜視図。
【図17】前後足載せ台の固定構造を示す部分拡大断面図。
【図18】高さ調節機能を備えた玄関台のその他の例を示す斜視図。
【図19】玄関台の高さ調節動作を示す斜視図。
【図20】玄関台の高さ調節動作を示す側面図。
【図21】足載せ台の高さ調節構造を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0021】
図1は、本実施例の玄関台10を前方右斜め上方から見た外観形状を示す斜視図、図2は、玄関台10を正面から見た外観形状を示す正面図、図3は、センサーユニット18及び滑り止め部材19Aの配置を示す平面図、図4は、玄関台10の内部構造を示す中央縦断側面図、図5は、上面及び正面のセンサーユニット18の内部構造を示す拡大断面図、図6は、玄関Aに設置された玄関台10の設置状態を示す側面図、図7は、取付け金具40による玄関台10の固定状態を示す拡大縦断側面図、図8は、図7の取付け金具40の固定構造を示す斜視図である。
【0022】
本実施例の木製の玄関台10は、上方から見て略矩形に形成された足載せ板11と、該足載せ板11の下面側に固定される下方から見て略矩形に形成された枠部12とで構成される木製の玄関台10である。
【0023】
枠部12は、前後枠板13と左右枠板14とを下方から見て略コ字状に組み付けて形成される。また、枠部12の後側外壁面は、後述する一対の取付け金具40を用いて、図示しない建物に存在する玄関Aの框部Abの下部前面(或いは框部Abの前面)に固定される。なお、後側枠板13は、前側枠板13の略1/2の上下幅に形成されている。
【0024】
前側枠板13は、足載せ板11の下面側前縁部に沿って垂直に配置され、左右枠板14の前端側内壁面に対し前後回動自在に枢着されている。また、後側枠板13は、足載せ板11の下面側後縁部に沿って垂直に固定されている。また、左右枠板14は、足載せ板11の下面側左右縁部に沿って垂直に固定されている。
【0025】
左右枠板14の下面側前端部に形成された切欠き部14aには、玄関台10の高さを調節するためのアジャスター15が取り付けられている。また、左右枠板14の下面側後端部には、硬質のプラスチック或いは合成ゴムで形成された滑り止め用の接地部材14bが固定されている。
【0026】
アジャスター15の上面側中心部には、棒状に形成されたネジ部15aの下端部が垂直に固定されている。また、ネジ部15aの上端部は、枠板14に形成された切欠き部14aの下端面に対し垂直に螺合されている。
【0027】
つまり、アジャスター15を水平方向に回動操作して、玄関Aの床部Aaに接地される高さを上下調節することにより、玄関台10を、玄関Aの床部Aaに対しガタ付きの無い状態に設置することができる。
【0028】
アジャスター15の軸中心は、足載せ板11の前端を基準としてh寸法だけ後方に位置されているので、足載せ板11に付加される利用者の体重が、枠板14に取り付けられたアジャスター15に対し垂直に付加される。
これにより、利用者の体重がアジャスター15によって支えられるので、枠板14の前端側に変形が生じにくく、耐久性が向上する。なお、アジャスター15の全体を、足載せ板11の前端より後方に配置してもよい。
【0029】
前側枠板13の左右下端部と、左右枠板14の前端側内壁面にネジ止めされた軸受板16の下端部とは、一対の支軸17によって前後回動自在に枢着されている(図2参照)。
【0030】
つまり、前側枠板13は、左右の支軸17を中心として、枠部12の前面側が開放される図4中仮想線で示す開位置と、該枠部12の前面側が閉塞される図4中実線で示す閉位置とに前後開閉自在に設けられている。
【0031】
また、閉位置に回動された前側枠板13は、該前側枠板13の上端部に挿通される木ネジ13aによって足載せ板11の下面側前縁部に固定され、後述する電源ボックス13bに装填された電池13cを交換する際に開放される。
【0032】
前側枠板13の右側内壁面には、後述するセンサーユニット18に対し電力を供給するための電源ボックス13bが取り付けられている。また、電源ボックス13bには、複数本の電池13cが交換可能に装填されている。
【0033】
前側枠板13の前面側中央部と、足載せ板11の上面側両端部(足載せ面の右端及び左端)には、人が接近したことを検知する人感知センサー18aと、該人感知センサー18aから検知信号が出力された際に点灯されるLED型の発光素子18bとを内蔵してなるセンサーユニット18が配置されている。なお、センサーユニット18は、
【0034】
センサーユニット18は、透光性を有するプラスチック製のケース内部に、人感知センサー18aと発光素子18bとを内蔵してユニット化されている(図5のc,d参照)。そのユニット化されたセンサーユニット18は、足載せ板11の上面側両端部と、前側枠板13の前面側中央部に形成された図示しない略楕円形状の取付け孔に埋め込まれている。また、センサーユニット18の検知面が、足載せ板11の上面及び前側枠板13の前面に対し水平となるように取り付けられている。
【0035】
また、センサーユニット18は、図示しない制御装置を介して前記電源ボックス13bに接続されている。つまり、電源ボックス13bの電池13cから供給される電力で点灯されるとともに、制御装置よって点灯及び消灯が制御される。
なお、電池13cの代わりに、例えば太陽光発電、風力発電等の発電装置から供給される電力によって発光させてもよい。
【0036】
前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aは、玄関Aに設置された玄関台10に対し前方(室外側)から接近する人が検知されるように正面方向に向けて取り付けられている。
【0037】
足載せ板11に取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aは、玄関Aに設置された玄関台10に対し後方(室内側)から接近する人が検知されるように後側斜め上方に向けて取り付けられている。
【0038】
前側枠板13に取り付けられた人感知センサー18aの検知範囲及び検知角度は、玄関台10に対し前方から接近する人が検知される検知範囲(半径が1.5m〜2mの範囲)及び検知角度(略45度の角度)に設定されている(図5のd及び図7中の仮想線B参照)。
【0039】
足載せ板11に取り付けられた人感知センサー18aの検知範囲及び検知角度は、玄関台10に対し後方から接近する人が検知される検知範囲(半径が1.5m〜2mの範囲)範囲及び検知角度(略45度の角度)に設定されている(図5のc及び図7中の仮想線C参照)。
なお、人感知センサー18aの検知範囲及び検知角度は、場所や状況に応じて所望する範囲及び角度に変更することができる。
【0040】
つまり、玄関Aに設置された玄関台10に室外側から人が接近した際、前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aの検知範囲内に人が入ると同時に、人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0041】
また、玄関Aに設置された玄関台10に室内側から人が接近した際、足載せ板11の右端及び/又は左端に取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aの検知範囲内に人が入ると同時に、人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0042】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、足載せ板11及び前側壁板13に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bを、図示しない内蔵タイマーによって計時される一定時間(約20秒〜約30秒の間)だけ点灯させる。
【0043】
また、内蔵タイマーによって計時される時間が予め設定された時間経過した際に、発光素子18bが自動的に消灯されるので、電力の消費を低減することができる。なお、発光素子18bの点灯時間は、20秒以下又は30秒以上の時間に変更することができる。
【0044】
足載せ板11の上面側(足載せ面)には、柔軟性を有するシリコンゴム製の滑り止め部材19Aを埋め込むための凹状の溝部11aが、足載せ板11の長手方向(正面から見て左右方向)或いは足載せ板11に載せられる足の長手方向と平行して形成されている。
【0045】
溝部11aは、足載せ板11の短手方向(正面から見て前後方向)或いは足載せ板11に載せられる足の短手方向と直交する方向に対し等間隔に隔てて4条配列されている。また、溝部11aは、長手方向から見て上面が開放された四角断面形状に形成されている。
【0046】
滑り止め部材19Aの溝部11aに埋め込まれる下部は、溝部11aと対応して長手方向から見て四角断面形状に形成されている。また、滑り止め部材19Aの溝部11aより上方に突出される上部は、長手方向から見て滑らかな山形断面形状に形成されている(図4のa部参照)。
【0047】
なお、溝部11aより上方に突出される滑り止め部材19Aの突出寸法は、実施例において約3mmに設定しているが、3mm以下又は3mm以上の突出寸法に変更してもよい。
【0048】
足載せ板11の上面側(足載せ面)を含む溝部11aの内面は、滑り止め部材19Aを固定するための接着剤として、ウレタンゴム製の被覆材11bで覆われている。
【0049】
ウレタンゴムは、木製の足載せ板11及びシリコンゴム製の滑り止め部材19Aに対する密着性及び馴染み性がよく、滑り止め部材19Aが、足載せ板11の溝部11a内面に対し強固に固定される。
なお、被覆材11bを、足載せ板11及び滑り止め部材19Aの材質に応じて、相互を強固に固定するのに適した材質のものに変更してもよい。
【0050】
つまり、足の裏が、足載せ板11上に突出する滑り止め部材19Aに押し付けられた際、滑り止め部材19Aの接触抵抗が足の裏に付与される。また、滑り止め部材19Aの上部が人の体重によって偏平状態に変形され、足の裏に押し付けられる接触面積が大きくなる。
【0051】
これにより、玄関Aの框部Abを上り下りする際に、足載せ板11に載せられた足の方向或いは足の位置が変位するのを防止することができ、足の滑り止め防止に必要な接触抵抗が安定して得られる。
【0052】
図7は、取付け金具40による玄関台10の固定状態を示す拡大縦断側面図、図8は、図7の取付け金具40の固定構造を示す斜視図である。
【0053】
実施例の取付け金具40は、玄関台10の後側枠板13に対し該玄関台10の横幅より幅狭となる間隔に隔てて固定される係止金具41と、該係止金具41と対応する間隔に隔てて玄関Aの框部Ab前面に固定される受け金具42とで構成されている。
【0054】
係止金具41の上端側中央部には、後述する受け金具42の溝部44a及び開口部44bに対し差込み及び抜取りが許容される上方から見てT字状の差込み片41aが後側に向けて略直角に折り曲げ形成されている。
【0055】
係止金具41の上端側両側部には、後述する受け部44の差込み及び抜取りが許容される間隔に隔てて一対の支持片41bが後側に向けて略直角に折り曲げ形成されている。また、一対の支持片41bは、受け部44の横幅より幅広となる間隔に隔てて形成されている。
つまり、係止金具41の差込み片41aを受け金具42の溝部44aに差込むとともに、係止金具41の支持片41b,41b間に受け金具42の受け部44を差込むことにより、支持片41b,41bが受け部44の両側端面に当接されるので、係止金具41と受け金具42とがガタ付きの無い状態に固定される。
【0056】
一方、係止金具41の下端側には、後側枠板13の下端部に対し係止される係止片41cが前側に向けて略直角に折り曲げ形成されている。また、係止金具41の中央面には、木ネジ45を挿通するための孔部41dが左右位置に形成されている。つまり、係止金具41は、該係止金具41の孔部41dに挿通される木ネジ45によって玄関台10の後側枠板13に固定される(図7参照)。
【0057】
受け金具42は、玄関Aの框部Ab前面に固定される固定部43が上端側に形成され、前記係止金具41が係止される縦長の受け部44が下端側に形成されている。また、固定部43は、受け部44より後側に係止金具41の差込み片41aの差込み動作及び抜取り動作が許容される寸法分だけ変位されている。
【0058】
固定部43には、木ネジ45を挿通するための孔部43aが上下位置に形成されている。つまり、固定部43は、該固定部43の孔部43aに挿通される木ネジ45によって玄関Aの框部Ab前面に固定される。
【0059】
受け部44には、係止金具41のネジ部41bが挿通される縦長の溝部44aが、該受け部44の長手方向と平行して上下方向に形成されている。
溝部44aは、係止金具41の差込み片41aより幅狭に形成され、ネジ部41bの外径より幅広に形成されている。
【0060】
溝部44aの上端には、該溝部44aと連通して係止金具41の差込み片41aの差込み及び抜取りが許容される開口部44bが横長に形成されている。また、開口部44bは、固定部43と受け部44を連結する連結部44cの斜面に沿って幅方向に形成されている。
【0061】
前記取付け金具40を用いて、玄関台10を玄関Aに設置する場合、先ず、係止金具41を、玄関台10の後側枠板13の後面側下端部に装着して、該係止金具41の係止片41cを後側枠板13の下端部に係止した後、
木ネジ45を、係止金具41の孔部41dに対し後方から挿通して後側枠板13に捩じ込み、該係止金具41を、差込み片41a及び支持片41bが後側に向けて水平に突出したまま後側枠板13に固定する。
【0062】
次に、受け金具42の固定部43を玄関Aの框部Ab前面に押し付けた後、木ネジ45を、固定部43の孔部43aに対し前方から挿通して框部Ab前面に捩じ込み、該受け金具42を、框部Ab前面に対し下方に向けて垂直に固定する。
これにより、受け金具42の受け部44が框部Abに固定された固定部43より前方に突き出した状態に支持される(図7参照)。
【0063】
玄関台10を、玄関Aの框部Ab前面に据え付ける場合、玄関台10を一旦持ち上げて、玄関台10の後側枠板13を框部Ab前面に接近させる。
【0064】
この後、玄関台10を、框部Ab前面に沿って垂直降下させながら、後側枠板13に固定された左右の係止金具41の差込み片41aを、框部Ab前面に固定された受け金具42の開口部44bに対し上方から差込む。
【0065】
係止金具41と差込み片41aを連結する首部分を、受け金具42の受け部44に形成された溝部44aに沿って降下させ、係止金具41の差込み片41aを溝部44aの後側縁部に係止する。
【0066】
つまり、後側枠板13に固定された係止金具41の差込み片41aが、框部Ab前面に固定された受け金具42の溝部44aに係止されるので、玄関台10の設置位置が前後方向及び左右方向へ変位するのを防止することができる。
【0067】
玄関台10を、所望する場所へ移動する場合、玄関台10を上方へ持ち上げながら、玄関台10の後側枠板13に固定された係止金具41の差込み片41aを、框部Ab前面に固定された受け金具42の溝部44a及び開口部44bから抜取れば、玄関台10を所望する場所へ移動することができる。
【0068】
図示実施例は前記の如く構成するものにして、以下、玄関台10を、玄関Aの框部Abに沿って床部Aaに設置した例を説明する。
【0069】
先ず、図6に示すように、玄関台10を、玄関Aの框部Abに沿って床部Aaに設置するとともに、一対の取付け金具40を用いて框部Abの下部前面(或いは框部Abの前面)に固定する。
【0070】
玄関台10の設置完了後において、玄関Aに設置された玄関台10に室内側から人が接近した際、足載せ板11の右端及び/又は左端に取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aの検知範囲内に人が入ると同時に、人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0071】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、足載せ板11の右端及び左端に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bを一定時間だけ点灯させる。また、前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bを一定時間だけ連動して点灯させてもよい。
【0072】
これにより、足載せ板11の足を載せる足載せ位置が、足載せ板11の右端及び左端に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bが発光する間であることを、玄関台10に接近する人に対し視覚的に認識させることができる。
【0073】
また、玄関Aに設置された玄関台10に室外側から人が接近した際、玄関台10の前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aの検知範囲内に人が入ると同時に、人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0074】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、玄関台10の足載せ板11及び前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bを、図示しない内蔵タイマーによって計時される一定時間だけ点灯させる。
【0075】
つまり、玄関台10の前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bが点灯することにより、足載せ板11の足を載せる前端の位置が、前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bが発光する位置であることを、玄関台10に接近する人に対し視覚的に認識させることができる。
【0076】
また、前側枠板13に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bの点灯と連動して、足載せ板11の右端及び左端に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bを一定時間だけ点灯してもよい。
【0077】
これにより、玄関Aの框部Abを上り下りする際に、玄関Aに設置された玄関台10の足載せ板11上に人の足を確実に誘導することができ、玄関Aの床部Aaに足を接地するような踏み外しが起きるのを防止することができる。かつ、玄関台10の足載せ板11や前側枠板13に足先が当接するか、足先が引っ掛かるような躓きが起きるのを防止することができる。また、玄関台10の足載せ板11上に足を一旦載せて上り下りするので、框部Abを上り下りする際の段差が小さくなり、框部Abを上り下りする動作が楽に行える。
【0078】
図9は、他の例の取付け金具50による玄関台10の固定状態を示す拡大縦断側面図、図10は、図9の取付け金具50の固定構造を示す斜視図である。
【0079】
本例の取付け金具50は、玄関台10の後側枠板13に対し該玄関台10の横幅より幅狭となる間隔に隔てて固定される係止ピン51と、該係止ピン51と対応する間隔に隔てて玄関Aの框部Ab前面に固定される受け金具52とで構成されている。
【0080】
係止ピン51は、軸方向から見て略丸形状に形成された頭部51aと、該頭部51aの一端側中心部に連設された軸状のネジ部51bとで構成されている。
【0081】
受け金具52は、玄関Aの框部Ab前面に固定される固定部53が上端側に形成され、前記係止ピン51が係止される縦長の受け部54が下端側に形成されている。また、固定部53は、受け部54より後側に係止ピン51の頭部51aの差込み動作及び抜取り動作が許容される寸法分だけ変位されている。
【0082】
固定部53には、前記木ネジ45を挿通するための孔部53aが上下位置に形成されている。つまり、固定部53は、該固定部53の孔部53aに挿通される木ネジ45によって玄関Aの框部Ab前面に固定される。
【0083】
受け部54には、係止ピン51のネジ部51bが挿通される縦長の溝部54aが、該受け部54の長手方向と平行して上下方向に形成されている。
溝部54aは、係止ピン51の頭部51aより幅狭に形成され、ネジ部51bの外径より幅広に形成されている。
【0084】
溝部54aの上端には、該溝部54aと連通して係止ピン51の頭部51aの差込み及び抜取りが許容される開口部54bが横長に形成されている。また、開口部54bは、固定部53と受け部54を連結する連結部54cの斜面に沿って幅方向に形成されている。
【0085】
前記取付け金具50を用いて、玄関台10を玄関Aに設置する場合、先ず、係止ピン51のネジ部51bを玄関台10の後側枠板13に対し後方から捩じ込み、該係止ピン51を、後側枠板13に対し後方に向けて水平に突出された状態に固定する。
【0086】
次に、受け金具52の固定部53を玄関Aの框部Ab前面に押し付けた後、木ネジ45を、固定部53の孔部53aに対し前方から挿通して框部Ab前面に捩じ込み、該受け金具52を、框部Ab前面に対し下方に向けて垂直に固定する。
これにより、受け金具52の受け部54が框部Abに固定された固定部53より前方に突き出した状態に支持される(図9参照)。
【0087】
玄関台10を、玄関Aの框部Ab前面に据え付ける場合、玄関台10を一旦持ち上げて、玄関台10の後側枠板13を框部Ab前面に接近させる。
【0088】
この後、玄関台10を、框部Ab前面に沿って垂直降下させながら、後側枠板13に固定された左右の係止ピン51の頭部51aを、框部Ab前面に固定された受け金具52の開口部54bに対し上方から差込む。
【0089】
係止ピン51のネジ部51bを、受け金具52の受け部54に形成された溝部54aに沿って降下させ、係止ピン51の頭部51aを溝部54aの後側縁部に係止する。
【0090】
つまり、後側枠板13に固定された係止ピン51の頭部51aが、框部Ab前面に固定された受け金具52の溝部54aに係止されるので、玄関台10の設置位置が前後方向及び左右方向へ変位するのを防止することができる。これにより、前記取付け金具40と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0091】
玄関台10を、所望する場所へ移動する場合、玄関台10を上方へ持ち上げながら、玄関台10の後側枠板13に固定された係止ピン51の頭部51aを、框部Ab前面に固定された受け金具52の溝部54a及び開口部54bから抜取れば、玄関台10を所望する場所へ移動することができる。
【0092】
前記係止ピン51の代わりに、図10中に示す係止金具56を用いてもよい。
係止金具56の中央面には、前記木ネジ45を挿通するための孔部56aが左右位置に形成されている。つまり、係止金具56は、該係止金具56の孔部56aに挿通される木ネジ45によって玄関台10の後側枠板13に固定される。
【0093】
係止金具56の上下端部には、受け金具52の溝部54a及び開口部54bに対し差込み及び抜取りが許容される上方から見てT字状の差込み片56bが折り曲げ形成されている。
【0094】
つまり、玄関台10の後側枠板13に固定された係止金具56の差込み片56bを、框部Ab前面に固定された受け金具52の開口部54bに上方から差込み、受け金具52の受け部54に形成された溝部54aの後側縁部に係止すれば、前記係止ピン51と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0095】
図11は、その他の例の取付け金具60の固定構造を示す斜視図である。
本例の取付け金具60は、玄関台10の後側枠板13に固定される係止ピン61と、玄関Aの框部Abに固定される受け金具62とで構成されている。なお、係止ピン61は、前記実施例の係止ピン51と一緒であるので、その詳細な説明を省略する。
【0096】
受け金具62の上端側には、玄関Aの框部Abに固定される固定部63が形成されている。また、受け金具62の下端側には、前記係止ピン61の頭部61aが係止される縦長の受け部64が形成されている。
【0097】
固定部63の中央面には、前記木ネジ45を挿通するための孔部63aが上下位置に形成されている。つまり、固定部63は、該固定部63の孔部63aに挿通される木ネジ45によって玄関台10の後側枠板13に固定される。
【0098】
受け部64の前面側両端部には、上方から見てU字状の受け片64aが左右対称に折り曲げ形成されている。また、受け片64aの対向端部間には、係止ピン61のネジ部61bが挿通される縦長の溝部64bが、該受け部64の長手方向と平行して上下方向に形成されている。
【0099】
溝部64bは、係止ピン61の頭部61aより幅狭に形成され、ネジ部61bの外径より幅広に形成されている。また、溝部64bの上下端は、係止ピン61の頭部61aが上下方向に対し差込み及び抜取りが許容されるように開口されている。
【0100】
つまり、玄関台10の後側枠板13に固定された係止ピン61の頭部61aを、玄関Aの框部Ab前面に固定された受け金具62の受け部64に沿って、該受け部64の受け片64a間に形成された溝部64bに上方から差込む。
これにより、頭部61aの周縁部が受け片64aの対向内縁部に係止されるので、前記取付け金具40と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0101】
また、前記係止ピン61の代わりに、図11中に示す係止金具66を用いてもよい。係止金具66の中央面には、前記木ネジ45を挿通するための孔部66aが左右位置に形成されている。
つまり、係止金具66は、該係止金具66の孔部66aに挿通される木ネジ45によって玄関台10の後側枠板13の下端又は上端に固定される。
【0102】
係止金具66の前端部には、受け金具62の受け部64に対し差込み及び抜取りが許容される上方から見てT字状の差込み片66bが形成されている。
【0103】
つまり、玄関台10の後側枠板13に固定された係止金具66の差込み片66bを、玄関Aの框部Ab前面に固定された受け金具62の受け部64に沿って、該受け部64の受け片64a間に形成された溝部64bに上方から差込む。
これにより、差込み片66bが、受け片64aの対向内縁部に係止されるので、前記係止ピン61と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0104】
図12は、センサーユニット18の他の配置例を示す平面図である。
本例のセンサーユニット18は、玄関台10を上方から見て、足載せ板11の上面側四隅部(足載せ板11の左右縁部及び前後縁部に沿って)に配置されている。
【0105】
つまり、玄関Aに設置された玄関台10に室外側或いは室内側から人が接近した際、足載せ板11の上面側四隅部に配置された一つ又は複数のセンサーユニット18の人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0106】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、足載せ板11の上面側四隅部に配置されたセンサーユニット18の発光素子18bを点灯させるので、足載せ板11の左右端部及び前後端部の位置確認が視覚的に行える。
【0107】
これにより、足載せ板11の足を載せる足載せ位置が、足載せ板11の上面側四隅部に配置されたセンサーユニット18の発光素子18bが発光する間であることを、玄関台10に接近する人に対し視覚的に認識させることができ、前記実施例の玄関台10と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0108】
図13は、滑り止め部材19Bの他の埋め込み構造を示す玄関台10の中央縦断側面図である。
本例の玄関台10は、足載せ板11の上面側に、柔軟性を有するシリコンゴム製の滑り止め部材19Bを埋め込むための溝部11aが、足載せ板11の長手方向と平行して形成されている。
【0109】
溝部11aは、足載せ板11の短手方向と直交する方向に対し等間隔に隔てて4条配列されている。また、溝部11aは、長手方向から見て頂部が開放された三角断面形状に形成されている。また、溝部11aの内面は、ウレタンゴム製の被覆材11bで覆われている。
【0110】
溝部11aに埋め込まれる滑り止め部材19Bは、溝部11aと対応して長手方向から見て三角断面形状に形成されるとともに、該滑り止め部材19Bの頂部が溝部11aの開放された部分より上方に突出される大きさ及び形状に形成されている(図13のb部参照)。
【0111】
つまり、人の足が、足載せ板11の上面に突出する滑り止め部材19Bの頂部に載せられた際、滑り止め部材19Bの接触抵抗が足の裏に付与される。また、滑り止め部材19Bの頂部が人の体重によって扁平状態に変形され、足の裏に押し付けられる接触面積が大きくなるので、前記滑り止め部材19Aと略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0112】
また、溝部11aより上方に突出される滑り止め部材19Bの頂部に比べて、溝部11a内に埋め込まれる滑り止め部材19Bの底部側が大きいので、滑り止め部材19の頂部に大きな接触抵抗が付与されても、滑り止め部材19が溝部11aから抜き取られるのを防止することができる。
【0113】
図14は、階段状に組み立てられる2段式の玄関台20の他の例を示す斜視図、図15は、前後の足載せ台20A,20Bを分離した状態を示す斜視図、図16は、前後の足載せ台20A,20Bを互いに合体した状態を示す斜視図、図17は、前後足載せ台20A,20Bの固定構造を示す部分拡大断面図である。
【0114】
本例の玄関台20は、足載せ高さが低位となるように組み立てられた前側足載せ台20Aと、足載せ高さが高位となるように組み立てられた後側足載せ台20Bとで構成されている。また、前側足載せ台20Aは、後側足載せ台20Bの略1/2の足載せ高さに組み立てられている。
【0115】
前側足載せ台20Aは、上方から見て略矩形に形成された足載せ板21Aと、該足載せ板21Aの下面側に固定される枠部22Aとで構成されている。また、枠部22Aは、前側枠板23Aと左右枠板24Aとを下方から見て略コ字状となるように組み付けて形成されている。
【0116】
枠板24Aの後端側外壁面には、ボルト27を挿通するための孔部26が厚み方向に貫通して形成されている。つまり、枠板24Aの後端側は、該枠板24Aの孔部26に挿通されるボルト27によって後述する下部枠板24Cの前端側外壁面に固定される。
【0117】
前側足載せ台20Aの下面側及び後面側は、後側足載せ台20Bの下部外面に対し嵌合が許容される大きさ及び形状に開口されている。
左右枠板24Aの下面側前端部に形成された切欠き部24aには、前記実施例と同一構造のアジャスター25が取り付けられている。また、左右枠板24Aの下面側後端部と、後述する下部枠板24Cの下面側前端部には、前記実施例と同一材質の接地部材24bが固定されている。
【0118】
後側足載せ台20Bは、上方から見て略矩形に形成された足載せ板21Bと、該足載せ板21Bの下面側に固定される枠部22Bとで構成されている。また、枠部22Bは、前後枠板23Bと左右枠板24Bとを下方から見て略コ字状となるように組み付けて形成されている。
【0119】
左右枠板24Bの内側壁面には、前記枠板24Aの厚み分だけ内側に下部枠板24Cが組み付けられている。また、左右枠板24Bの前端より前方に突出する左右下部枠板24Cの前端側対向面間には、下部枠板24Dが固定されている。また、下部枠板24Cの前端側には、前記足載せ板21Aの後端を係合するための凹部24Eが形成されている。
【0120】
なお、足載せ板21A,21Bの上面側(足載せ面)は、足の滑り止め防止に必要な接触抵抗を有するウレタンゴム製の被覆材21aで覆われている。
【0121】
玄関台20を、玄関Aの框部Abに沿って設置する場合、前側足載せ台20Aの足載せ板21Aの後端側を、後側足載せ台20Bの下部枠板24Cの凹部24Eに対し前方から係合する。また、前側足載せ台20Aの左右枠板24Aの後端を、後側足載せ台20Bの左右枠板24Bより内側に固定された下部枠板24Cの前端側外壁面に係合する。
【0122】
この後、左右枠板24Aの後端を、左右下部枠板24Cの前端側外壁面にボルト27で固定すれば、前側足載せ台20Aと後側足載せ台20Bとが、図14に示す階段状に組み立てられる。この後、玄関台20は、前記取付け金具40,50を用いて玄関Aの框部Ab前面に固定される。
【0123】
つまり、玄関Aに設置された玄関台20の前側足載せ台20Aと後側足載せ台20Bに足を順に載せて上り下りするので、前記実施例の玄関台10より段差が小さく、玄関Aの框部Abを上り下りする動作が楽に行える。
【0124】
玄関台20を梱包又は保管する場合には、ボルト27による固定を解除して抜き取った後、前側足載せ台20Aを、後側足載せ台20Bから一旦分離して上下反転する(図15参照)。
【0125】
この後、前側足載せ台20Aの左右枠板24Aを、後側足載せ台20Bの左右下部枠板24Cの外壁面に係合して、前側足載せ台20Aと後側足載せ台20Bとを互いに合体する(図16参照)。
これにより、玄関台20の梱包及び保管に要するスペースが小さくて済み、取り扱いが簡単且つ容易に行える。
【0126】
前側足載せ台20Aの前側枠板23Aの前面側中央部と、足載せ板21Aの上面側両端部と、後側足載せ台20Bの足載せ板21Bの上面側両端部には、前記実施例と同一構造のセンサーユニット18が配置されている。
【0127】
つまり、玄関Aに設置された玄関台20に室内側から人が接近した際、後側足載せ台20Bの足載せ板21Bに取り付けられた右端及び/又は左端のセンサーユニット18の人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0128】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、前側足載せ台20A及び後側足載せ台20Bに取り付けられた全センサーユニット18の発光素子18bを一定時間だけ点灯させる。
【0129】
これにより、足載せ板21A,21Bの足を載せる足載せ位置が、足載せ板21A,21Bの左右端部に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bが発光する間であることを、玄関台20に接近する人に対し視覚的に認識させることができる。
【0130】
また、玄関Aに設置された玄関台20に室外側から人が接近した際、前側足載せ台20Aの前側枠板23Aに取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0131】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、前側足載せ台20A及び後側足載せ台20Bに取り付けられた全センサーユニット18の発光素子18bを一定時間だけ点灯させる。
【0132】
これにより、足載せ板21Aの足を載せる前端の位置が、前側枠板23Aに取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bが発光する位置であることを、玄関台20に接近する人に対し視覚的に認識させることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0133】
図18は、高さ調節機能を備えた玄関台30のその他の例を示す斜視図、図19は、玄関台30の高さ調節動作を示す斜視図、図20は、玄関台30の高さ調節動作を示す側面図、図21は、玄関台30の高さ調節構造を示す拡大縦断正面図である。
【0134】
本例の玄関台30は、玄関Aの框部Abに沿って設置される台本体31と、該台本体31の上面側に形成された上方から見て略矩形の枠部32外面に対し上下動自在に嵌合される足載せ台33とで構成されている。また、枠部32は、前後枠板32aと左右枠板32bとを上方から見て略矩形となるように組み付けて形成されている。
【0135】
前側枠板32aの下面側両端部に形成された切欠き部32cには、前記実施例と同一構造のアジャスター36が取り付けられている。また、前側枠板32aの下面側両端部には、前記実施例と同一材質の接地部材32dが固定されている。
【0136】
足載せ台33は、上方から見て略矩形に形成された足載せ板34と、該足載せ板34の下面側に固定される枠部35とで構成されている。また、足載せ板34の上面側(足載せ面)は、足の滑り止め防止に必要な接触抵抗を有するウレタンゴム製の被覆材34aで覆われている。
【0137】
枠部35は、前後枠板35aと左右枠板35bとを下方から見て略矩形となるように組み付けて形成されている。また、枠部35の下面側は、台本体31の枠部32外面に対し上下動自在に嵌合が許容される大きさ及び形状に開口されている。
【0138】
枠板35bの前後下端部には、ボルト38を挿通するための孔部37が厚み方向に貫通して形成されている。つまり、枠板35bの前後下端部は、該孔部37に挿通されるボルト38によって枠板32aの両側端面に固定される。
【0139】
枠板32aの両側端面には、ボルト38を螺合するための孔部39が該枠板32aの端面に沿って上下方向に対し等間隔に隔てて4個配列されている。
【0140】
つまり、ボルト38を、枠板35bの孔部37に挿通して、枠板32aに形成された所望する高さ位置の孔部39に螺合することにより、足載せ台33を、図18に示す足載せ高さが最低となる下限位置と、図19に示す足載せ高さが最高となる上限位置との間で、4段階に高さ調節することができる。
【0141】
これにより、足載せ台33(足載せ板34を含む)を、玄関Aの框部Abの高さに応じて、該玄関Aの框部Abを上り下りする動作が楽に行える高さに上下調節することができる。また、玄関台30は、前記取付け金具40,60を用いて玄関Aの框部Ab前面に固定される。
【0142】
足載せ板34の上面側両端部(足載せ面の左右端部)と、前側枠板35aの前面側中央部には、前記実施例と同一構造のセンサーユニット18が取り付けられている。
【0143】
つまり、玄関Aに設置された玄関台30に室内側から人が接近した際、足載せ板34の右端及び/又は左端に取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0144】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、足載せ板34の右端及び左端に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bを一定時間だけ点灯させる。
【0145】
これにより、足載せ板34の足を載せる足載せ位置が、足載せ板34の右端及び左端に取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bが発光する間であることを、玄関台30に接近する人に対し視覚的に認識させることができる。
【0146】
また、玄関Aに設置された玄関台30に室外側から人が接近した際、足載せ台33の前側枠板35aに取り付けられたセンサーユニット18の人感知センサー18aから人を検知した検知信号が出力される。
【0147】
図示しない制御装置は、人感知センサー18aから出力される検知信号に基づいて、足載せ台33に取り付けられた全センサーユニット18の発光素子18bを一定時間だけ点灯させる。
【0148】
これにより、足載せ台33の足を載せる前端の位置が、前側枠板35aに取り付けられたセンサーユニット18の発光素子18bが発光する位置であることを、玄関台30に接近する人に対し視覚的に認識させることができる。
【0149】
これにより、玄関Aの框部Abを上り下りする際に、玄関Aに設置された玄関台30の足載せ板34上に人の足を確実に誘導することができ、踏み外しや躓きが起きるのを防止することができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0150】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の建物に存在する段差部は、実施例の玄関Aの框部Abに対応し、
以下同様に、
発光部は、発光素子18bに対応し、
固定手段は、取付け金具40,50,60に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0151】
前記センサーユニット18の発光素子18bを、人感知センサー18aの検知範囲内に人が入ると点灯し、該人感知センサー18aの検視範囲外に人が出ると消灯するように設定してもよい。
また、前側枠板13の前面側に、センサーユニット18の人感知センサー18aのみを配置してもよい。
【0152】
被覆材11b,21a,34aの代わりに、例えば短繊維からなる起毛を静電気植毛するか、或いは、柔軟性を有するプラスチック、不織布、布地、皮革などを被覆してもよい。
取付け金具40,50,60の代わりに、例えば面ファスナー、マグネット等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0153】
A…玄関
Aa…床部
Ab…框部
10…玄関台
11…足載せ板
11a…溝部
12…枠部
13,14…枠板
18…センサーユニット
18a…人感知センサー
18b…発光素子
19A,19B…滑り止め部材
20,30…玄関台
20A…前側足載せ台
20B…後側足載せ台
21A,21B,34…足載せ板
22A,22B…枠部
26,37,39…孔部
27,38…ボルト
31…台本体
33…足載せ台
35…枠部
40,50,60…取付け金具
41…係止金具
41a…差込み片
51,61…係止ピン
51a,61a…頭部
42,52,62…受け金具
44a,54a,64b…溝部
44b,54b…開口部
64a…受け片
56,66…係止金具
56b,66b…差込み片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に存在する段差部の前側に設置される玄関台であって、
前記玄関台を、人の足が載せられる大きさ及び形状に形成された足載せ板と、該足載せ板の下面側に固定された枠部とで構成し、
前記足載せ板の足が載せられる上面側に、
前記玄関台の後方から接近する人を検知するための人感知センサーと、
前記人感知センサーから検知信号が出力された際に発光し、前記足載せ板の存在を視覚的に認識させる発光部を設けた
玄関台。
【請求項2】
前記枠部の前面側に、
前記玄関台の前方から接近する人を検知するための人感知センサーと、
前記人感知センサーから検知信号が出力された際に発光し、前記玄関台の存在を視覚的に認識させる発光部を設けた
請求項1に記載の玄関台。
【請求項3】
前記足載せ板に設けられた人感知センサーの検知範囲及び検知角度を、前記玄関台に対し後方から接近する人が検知される検知範囲及び検知角度に設定した
請求項1に記載の玄関台。
【請求項4】
前記枠部に設けられた人感知センサーの検知範囲及び検知角度を、前記玄関台に対し前方から接近する人が検知される検知範囲及び検知角度に設定した
請求項2に記載の玄関台。
【請求項5】
前記足載せ板の上面側両端部に、前記人感知センサー及び発光部を組にしてそれぞれ配置した
請求項1又は3に記載の玄関台。
【請求項6】
前記足載せ板の上面側四隅部に、前記人感知センサー及び発光部を組にしてそれぞれ配置した
請求項1又は3に記載の玄関台。
【請求項7】
前記足載せ板の左右方向と平行して、該足載せ板の上面側に形成された溝部に柔軟性を有する滑り止め部材を埋め込み、
前記滑り止め部材が埋設された溝部を、該足載せ板の前後方向と直交する方向に対し等間隔に隔てて複数配列するとともに、
前記溝部より上方に、該溝部に埋め込まれた滑り止め部材の一部を突出した
請求項1,3,5,6のいずれか一つに記載の玄関台。
【請求項8】
前記足載せ板を、前記段差部の高さに応じて、所望する足載せ高さに上下調節自在に設けた
請求項1,3,5,6,7のいずれか一つに記載の玄関台。
【請求項9】
前記玄関台を、足載せ高さが低位となるように形成された前側足載せ台と、該足載せ高さが高位となるように形成された後側足載せ台とに分離自在に設け、
前記前側足載せ台及び後側足載せ台を、人の足が載せられる大きさ及び形状に形成された足載せ板と、該足載せ板の下面側に固定された枠部とで構成した
請求項1〜8のいずれか一つに記載の玄関台。
【請求項10】
前記玄関台の枠部と前記建物の段差部との間に、該枠部と段差部を着脱自在に固定する固定手段を設けた
請求項1〜9のいずれか一つに記載の玄関台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−58197(P2011−58197A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206842(P2009−206842)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(502020168)ユーバ産業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】