説明

玉揚装置、及びこれを備える繊維機械

【課題】玉揚装置の糸引出しアームを改良して、当該アームの耐久性、糸捕捉精度を向上させるとともに、各構成の配置自由度を向上させる。
【解決手段】糸捕捉部41は、糸引出しアーム36に取り付けられ、給糸ボビンの糸を捕捉する。支持部46は、糸引出しアーム36を任意の方向で揺動可能に支持する。駆動部47は、糸引出しアーム36に対して、当該糸引出しアーム36を第1方向に揺動させる駆動力を付与する。第1ガイド71は、駆動部47によって第1方向に揺動させられる糸引出しアーム36の揺動経路を、前記第1方向とは異なる方向に規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、満巻きとなったパッケージを回収するとともに新しく空の巻取ボビンをセットする玉揚装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の巻取ユニットを併設して設けた自動ワインダ(糸巻取装置)が知られている。各巻取ユニットは、給糸ボビンから糸を解舒するとともに、解舒された糸を巻取ボビンに巻き取ってパッケージを形成するように構成される。この種の自動ワインダは、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に記載の自動ワインダは、完成したパッケージを自動的に回収する玉揚装置を備えている。玉揚装置は、完成したパッケージを巻取ユニットから取り外すとともに、当該巻取ユニットに対して新しい空の巻取ボビンをセットするように構成されている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2に記載の玉揚装置は、新しくセットした巻取ボビンまで、給糸ボビンの糸を案内する糸引出しアーム(糸把持装置)を有している。特許文献1が開示しているように、糸引出しアームはエアシリンダにより伸縮自在に構成され、その先端に糸捕捉部(クランプ切断ヘッド)を備える構成である。この糸引出しアームは、エアシリンダを伸ばして、所定の位置において給糸ボビンの糸を捕捉するとともに、前記エアシリンダを縮めることにより、捕捉した糸を空の巻取ボビンの近傍まで案内する。
【0005】
また特許文献2が開示しているように、前記糸引出しアーム(糸把持装置)は、軸受を介して一方向に揺動自在とされている。そして玉揚装置は、糸引出しアームを揺動駆動するためのカム機構を備えている。この従来の玉揚装置において、糸引出しアームは平面内で揺動する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−286608号公報
【特許文献2】特開2006−341994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
玉揚装置及び巻取ユニットには、様々な機能部品が配置されている。しかし、これら機能部品は、揺動する糸引出しアームが衝突しないように配置されなければならないので、このためにレイアウトが制限されてしまうという問題がある。
【0008】
また、従来の玉揚装置のように糸引出しアームを平面内でのみ揺動させる構成は、揺動方向と直交する方向からの力(横方向の力)に弱いという課題がある。即ち、揺動可能方向と直交する方向の力が糸引出しアームに加えられた場合、軸受の破損、糸引出しアームの曲がり、伸縮用のエアシリンダの破損などが発生し得る。
【0009】
またこの糸引出しアームは、細長い部材であり、その先端に糸捕捉部(クランプ切断ヘッド)を備える構成であるから、当該糸捕捉部の位置がズレ易いという問題もあった。糸捕捉部の位置がズレた場合、給糸ボビンの糸を捕捉することが難しくなるため、巻取ボビンの交換に失敗する可能性がある。
【0010】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、玉揚装置の糸引出しアームを改良して、当該アームの耐久性、糸捕捉精度を向上させるとともに、各構成の配置自由度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0012】
本発明の第1の観点によれば、給糸ボビンから解舒された糸を巻取ボビンの外周に規定量巻き取ったパッケージを玉揚げし、新たな巻取ボビンへの糸掛け作業を行う玉揚装置の以下の構成が提供される。即ち、この玉揚装置は、本体フレームと、アーム部と、糸捕捉部と、支持部と、駆動部と、第1ガイドと、を備える。前記糸捕捉部は、前記アーム部に取り付けられ、前記給糸ボビンの糸を捕捉する。前記支持部は、前記アーム部を少なくとも2方向に揺動可能に支持する。前記駆動部は、前記アーム部に対して、当該アーム部を第1方向に揺動させる駆動力を付与する。前記第1ガイドは、前記駆動部によって前記第1方向に揺動させられる前記アーム部の揺動経路を、前記第1方向とは異なる方向に規定する。
【0013】
このようにアーム部を少なくとも2方向で揺動可能に支持することで、当該アーム部の先端に設けられた糸捕捉部の移動自由度が向上する。また、少なくとも2方向に揺動可能であることから、特定の方向からの力がアーム部に加わったとしても、当該アーム部が別の方向にスイングすることにより力を逃がすことができる。即ち、特定の方向からの力に弱いという従来の玉揚装置の糸引出しアームが有していた問題を解消することができる。また、第1ガイドによってアーム部の揺動経路を設定することができるので、例えば、玉揚装置が備える様々な機能部品を避けるようにアーム部を揺動させることが可能となる。
【0014】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の繊維機械が提供される。即ち、この繊維機械は、上記の玉揚装置と、給糸ボビンから解舒された糸を巻取ボビンに巻き取ってパッケージを形成する複数の巻取ユニットと、を備える。前記巻取ユニットは、前記給糸ボビンの糸を捕捉して糸受渡し位置で待機する下糸捕捉案内部材と、前記糸受渡し位置において、前記糸捕捉部の位置決めを行う第2ガイドと、を備える。
【0015】
このように、糸受渡し位置において糸捕捉部の位置決めを行うことにより、下糸捕捉案内部材が捕捉した糸を糸捕捉部によって確実に受け取ることができる。
【0016】
上記の繊維機械において、前記アーム部の前記糸捕捉部側、又は前記糸捕捉部には、前記第2ガイドと係合する第3ガイドが配置されていることが好ましい。
【0017】
このように、糸捕捉部の近傍に第3ガイドを設けるとともに、2つのガイドを係合させることにより、糸捕捉部を確実に位置決めすることができる。
【0018】
上記の繊維機械は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記第2ガイド及び前記第3ガイドの何れか一方は凸部を備える。前記第2ガイド及び前記第3ガイドの他方は、前記凸部に嵌合する凹部と、前記凹部へと前記凸部を案内するV字溝を備えている。
【0019】
V字溝によって凸部を案内する構成とすることにより、糸捕捉部やアーム部が多少位置ズレしていたとしても、凸部と凹部を嵌合させることができる。従って、糸捕捉部の位置決めを確実に行うことができる。
【0020】
上記の繊維機械は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記巻取ユニットは、前記給糸ボビンと前記巻取ボビンとの間で分断された糸を継ぐ糸継装置を備える。前記下糸捕捉案内部材は、分断された給糸ボビン側の糸端を捕捉して前記糸継装置に案内する機能を兼ねている。前記第2ガイドは、前記糸継装置の側方に設けられている。
【0021】
このように、下糸捕捉案内部材が、玉揚げ時の下糸案内と糸継時の下糸案内とを兼ねることができるので、巻取ユニットの構成を単純化することができる。また、第2ガイドを糸継装置の側方に配置したので、通常の巻き取り作業時に第2ガイドが邪魔にならない。
【0022】
上記の繊維機械において、前記アーム部は、伸縮可能に構成されていることが好ましい。
【0023】
これにより、糸捕捉部によって糸を捕捉する際などにはアーム部を伸ばすことができ、糸捕捉部を作動させないときにはアーム部を縮退させてコンパクトに収容しておくことができる。なお、このように伸縮可能に構成されたアーム部に無理な力が加わると、当該アーム部の破損につながるおそれがある。この点、本発明の構成によれば、少なくとも2方向に揺動可能な支持部でアーム部を支持しているので、当該アーム部にかかる力を、当該アーム部がスイングすることにより逃がすことができる。これにより、伸縮可能なアーム部の耐久性が向上する。
【0024】
上記の繊維機械は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記アーム部は、径の異なる複数の棒状部材によってテレスコープ状に伸縮可能に構成される。前記複数の棒状部材のうち一番細い棒状部材に前記糸捕捉部が設けられる。前記複数の棒状部材のうち一番太い棒状部材が、前記本体フレームに対して前記支持部を介して取り付けられる。前記第1ガイドは、前記一番太い棒状部材の移動を規制する。
【0025】
即ち、アーム部の根元部分を第1ガイドによって案内する構成としたので、コンパクトな第1ガイドによってアーム部の揺動を規定することができる。
【0026】
上記の繊維機械は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記玉揚装置は、前記アーム部の待機位置を規定する第4ガイドを備える。前記第4ガイドは、前記一番太い棒状部材の移動を規制する。
【0027】
このように第4ガイドを設けることにより、アーム部を待機位置で位置決めすることができる。また、第4ガイドによって一番太い棒状部材をガイドする構成としたので、当該第4ガイドによってアーム部をガイドした状態で、当該アーム部を自由に伸縮させることができる。従って、アーム部を伸ばしたときの糸捕捉部の位置を正確に位置決めすることができるので、当該糸捕捉部による給糸ボビンの糸の捕捉をより正確に行うことができる。
【0028】
上記の繊維機械は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記一番太い棒状部材及び前記第1ガイドの少なくとも何れか一方には、摩擦抵抗を低下させる第1摺動部材が取り付けられている。前記第1ガイドは、前記第1摺動部材を介して前記一番太い棒状部材を案内する。
【0029】
このように摺動部材を設けたことにより、擦れによる破損を防止することができる。
【0030】
上記の繊維機械は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記第2ガイド及び前記第3ガイドの少なくとも何れか一方には、摩擦抵抗を低下させる第2摺動部材が取り付けられている。前記第2ガイド及び前記第3ガイドは、前記第2摺動部材を介して係合する。
【0031】
摺動部材により、凹部と凸部の合致、取り外しをスムーズに行うことができる。
【0032】
上記の繊維機械において、前記第1ガイドは、長尺板部材を折り曲げて形成したU字状部材であり、長尺板部材の中央部分が前記本体フレームに取り付けられていることが好ましい。
【0033】
これにより、簡単な構造で第1ガイドを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動ワインダの全体的な構成を示す正面図。
【図2】巻取ユニットの側面図。
【図3】巻取ユニットの糸分断時の様子を示す側面図。
【図4】巻取ユニットの糸継ぎ作業時の様子を示す側面図。
【図5】玉揚装置の側面断面図。
【図6】玉揚開始時の様子を示す側面図。
【図7】第4ガイド近傍の様子を示す平面図。
【図8】糸引出しアームを伸ばしたときの様子を示す側面図。
【図9】糸引出しアームに糸を受け渡したときの様子を示す側面図。
【図10】第2ガイド及び第3ガイド近傍の様子を示す平面図。
【図11】糸引出しアームによってクレードル近傍まで糸を引き出した様子を示す側面図。
【図12】第1ガイド近傍の様子を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、本発明の実施形態に係る繊維機械としての自動ワインダについて、図面を参照して説明する。図1は自動ワインダ10の概略的な構成を示す正面図である。
【0036】
図1に示すように、自動ワインダ10は、並べて配置された複数の巻取ユニット11と、機台制御装置12と、給糸ボビン供給装置13と、玉揚装置14と、を主に備えている。
【0037】
機台制御装置12は、各巻取ユニット11と通信可能に構成されている。自動ワインダ10のオペレータは、機台制御装置12を適宜操作することにより、複数の巻取ユニット11を一括して管理することができる。
【0038】
それぞれの巻取ユニット11は、給糸ボビン15から糸を解舒し、解舒された糸16を綾振りしながら巻取ボビンに巻き取るように構成されている。糸16が巻き取られた状態の巻取ボビンは、パッケージ18と呼ばれる。
【0039】
給糸ボビン供給装置13と各巻取ユニット11との間には、ベルトコンベア等によって構成された給糸ボビン搬送機構(図略)が配設されている。この給糸ボビン搬送機構は、給糸ボビン15を載せた搬送トレイ19(図2)を各巻取ユニット11まで搬送することができるように構成されている。搬送トレイ19は、図2に示すように、給糸ボビン15を略直立状態で載せることができるように構成されている。前記給糸ボビン供給装置13は、給糸ボビン15を一本ずつ搬送トレイ19の上に載置したうえで、前記給糸ボビン搬送機構に送り出すように構成されている。この構成で、給糸ボビン15を各巻取ユニット11まで供給することができる。
【0040】
玉揚装置14は、各巻取ユニット11においてパッケージ18が満巻(規定量の糸が巻き取られた状態)となった際に、当該巻取ユニット11の位置まで走行し、前記満巻パッケージを取り外すとともに、空の巻取ボビンをセットするように構成されている。前記給糸ボビン供給装置13と玉揚装置14の動作は、機台制御装置12によって制御されている。
【0041】
次に、図2を参照して巻取ユニット11の構成について説明する。
【0042】
各巻取ユニット11は、給糸部20と、巻取部21と、を主に備えている。
【0043】
給糸部20は、搬送トレイ19に載せられた給糸ボビン15を所定の位置で保持するように構成されている。これにより、給糸ボビン15が略直立状態で保持され、当該給糸ボビン15から糸16を適切に解舒することができる。
【0044】
巻取部21は、クレードル23と、巻取ドラム17と、を備えている。
【0045】
クレードル23は一対のベアリングセンタを有しており、このベアリングセンタで巻取ボビン22を挟み込むことにより、当該巻取ボビン22(又はパッケージ18)を回転自在に支持するように構成されている。クレードル23は、支持しているパッケージ18の外周を巻取ドラム17の外周に接触させることができるように構成されている。
【0046】
巻取ドラム17は、パッケージ18の表面で糸16をトラバースさせるとともに前記パッケージ18を回転させるためのものである。巻取ドラム17は、図略の駆動源(電動モータなど)によって回転駆動される。パッケージ18の外周を巻取ドラム17に接触させた状態で、当該巻取ドラム17を回転駆動することにより、パッケージ18を従動回転させることができる。また、この巻取ドラム17の外周面には螺旋状の綾振溝(図略)が形成されている。給糸ボビン15から解舒された糸16は、前記綾振溝によって一定の幅でトラバース(綾振り)されながらパッケージ18表面に巻き取られる。これにより、一定の巻幅を有するパッケージ18を形成することができる。
【0047】
なお、クレードル23の上方には、空の巻取ボビン22を保持しておくためのボビンストッカ39が設けられている。
【0048】
また、各巻取ユニット11は、給糸部20と巻取部21との間の糸走行経路中に、給糸部20側から順に、解舒補助装置24と、張力付与装置25と、糸継装置26と、糸品質測定器27と、を配置した構成となっている。なお、以後の説明において、糸16の走行方向の上流側及び下流側を単に「上流側」及び「下流側」と称する場合がある。
【0049】
解舒補助装置24は、給糸ボビン15の芯管に被さることが可能な規制部材28を備えている。規制部材28は、略筒状に構成されており、給糸ボビン15の糸層上部に形成されたバルーンに接触するように配置されている。なお、バルーンとは、給糸ボビン15から解舒される糸16が遠心力に振り回されている部分を言う。このバルーンに対して規制部材28を接触させることにより、当該バルーンの部分の糸16に対してテンションを付与し、糸16が過度に振り回されることを防止する。これにより、当該糸16を給糸ボビン15から適切に解舒することができる。
【0050】
張力付与装置25は、走行する糸16に所定のテンションを付与するものである。本実施形態において、張力付与装置25は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式のもので構成されている。可動側の櫛歯は、櫛歯同士が噛み合わせ状態となるように付勢されている。噛み合わせ状態の櫛歯の間を屈曲させながら糸16を通過させることにより、当該糸16に対して適度なテンションを付与してパッケージ18の品質を高めることができる。ただし、張力付与装置25は上記ゲート式のものに限らず、例えばディスク式のものを採用することができる。
【0051】
糸継装置26は、給糸ボビン15とパッケージ18との間の糸16が何らかの理由により分断状態となったときに、給糸ボビン15側の下糸と、パッケージ18側の上糸と、を糸継ぎするものである。本実施形態において、糸継装置26は、圧縮空気により発生させた旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置として構成されている。ただし、糸継装置26は上記スプライサ装置に限らず、例えば機械式のノッタ等を採用することができる。
【0052】
糸品質測定器27は、糸16の太さを適宜のセンサで監視するように構成されている。また糸品質測定器27の近傍には、当該糸品質測定器27が糸太さの異常を検出したときに直ちに糸16を切断するための図略のカッタが付設されている。
【0053】
糸継装置26の下側及び上側には、給糸ボビン15側の糸(下糸)を捕捉して案内する下糸案内パイプ(下糸捕捉案内部材)29と、パッケージ18側の糸(上糸)を捕捉して案内する上糸案内パイプ30と、が設けられている。下糸案内パイプ29の先端には吸引口31が形成され、上糸案内パイプ30の先端にはサクションマウス32が備えられている。2つの案内パイプ29,30には適宜の負圧源がそれぞれ接続されており、前記吸引口31及びサクションマウス32に吸引流を作用させることができる。
【0054】
この構成で、給糸ボビン15とパッケージ18との間で糸が分断状態となったときには、下糸案内パイプ29の吸引口31が図3で示す位置で下糸を捕捉する。その後、下糸案内パイプ29は、軸33を中心にして上方へ回動することで、図4に示すように、糸継装置26に下糸を導入する。なお、このように下糸案内パイプ29が糸継装置26に下糸を導入するときの位置を、下糸案内パイプ29の導入位置と呼ぶ。
【0055】
また、これとほぼ同時に、上糸案内パイプ30が図2の位置から軸34を中心として上方へ回動し、図3で示す位置において、パッケージ18表面上に存在する上糸の糸端をサクションマウス32によって捕捉する。続いて、上糸案内パイプ30は、軸34を中心として下方へ回動することで、図4に示すように、糸継装置26に上糸を導入案内する。
【0056】
そして、図4のように上糸と下糸が糸継装置26に導入された状態で、当該糸継装置26を駆動することで、上糸と下糸を糸継ぎし、給糸ボビン15とパッケージ18との間で糸16を連続状態とする。これにより、パッケージ18への糸16の巻取りを再開することができる。
【0057】
また、各巻取ユニット11は、当該巻取ユニット11が備えている各構成を制御するためのユニット制御部(図略)を備えている。各ユニット制御部は、機台制御装置12との間で通信可能に構成されている。
【0058】
次に、前記玉揚装置14について具体的に説明する。
【0059】
図1に示すように、玉揚装置14は、本体フレーム35と、糸引出しアーム(アーム部)36と、クレードル開放アーム37と、チャッカ38と、を主要な構成として備えている。
【0060】
玉揚装置14の本体フレーム35は、巻取ユニット11が並べられる方向(図1の左右方向)に沿って巻取ユニット11の上方に配置されたレール40に沿って走行可能に構成されている。このレール40には、各巻取ユニット11と対応した位置に位置決めブロック66が配置されている。玉揚装置14の本体フレーム35は、位置決めブロック66に係合した状態と、係合を解除した状態と、の間で回動可能な図略のフラッパ機構を備えている。玉揚装置14は、前記フラッパ機構を位置決めブロック66に係合させることにより、所望の巻取ユニット11の直上の適切な位置に位置決めして、停止することができる。
【0061】
糸引出しアーム36は、径の異なる複数の棒状部材が同軸で入れ子状に配置され、いわゆるテレスコープ状に伸縮可能に構成されている。なお、上記のように入れ子状に配置するため、複数の棒状部材は中空状(筒状)に構成されている。もっとも、一番細い棒状部材は中実状であっても良い。また糸引出しアーム36はエアシリンダとして構成されており、図略の圧空源から供給される圧縮空気により伸縮駆動させることができる。
【0062】
図5に示すように、糸引出しアーム36は、その長手方向が略上下方向に沿うように配置されている。テレスコープ状の糸引出しアーム36を構成する複数の棒状部材のうち、一番細い(一番径の小さい)棒状部材36aの先端(下端)には、糸捕捉部41が取り付けられている。
【0063】
この糸捕捉部41は、図5に示すように、糸を把持するためのクランプ部42と、糸を切断するためのカッタ部43と、クランプ部42及びカッタ部43の駆動源であるエアシリンダ44と、を備えている。また、このエアシリンダ44には、当該エアシリンダ44を駆動するための圧縮空気を供給するエアホース45が接続されている。このエアホース45は、図5に示すように糸引出しアーム36の長手方向に沿って配索されている。また、糸引出しアーム36の伸縮に追従できるように、エアホース45の中途部分はコイル状に巻かれてスパイラルエアホースとして構成されている。
【0064】
テレスコープ状の糸引出しアーム36を構成する複数の棒状部材のうち、一番太い(一番径の大きい)棒状部材36bの上端は、支持部46によって支持されている。この支持部46は、棒状部材36bを揺動可能(旋回可能)に支持するように構成されている。これにより、糸引出しアーム36が揺動可能となっている。
【0065】
また、一番太い棒状部材36bには、駆動部47が接続されている。この駆動部は、糸引出しアーム36に対して、糸捕捉部41を装置の略前後方向(図5の左右方向)に移動させる方向の駆動力を付与するためのものである。この駆動部47は、図5に示すように、リンクロッド48と、操作レバー49と、駆動カム50と、を備えている。
【0066】
リンクロッド48は、糸引出しアーム36の一番太い棒状部材36bと、操作レバー49と、を接続している。操作レバー49は、装置左右方向に沿って設けられた軸51によって回動自在に支持されている。駆動カム50は、装置左右方向に沿って設けられた軸52に固定されている。この軸52は、図略の電動モータによって回転させることができるように構成されている。また、前記操作レバー49は、駆動カム50の端面に接触するカムフォロワ53を備えている。また操作レバー49は、前記カムフォロワ53を駆動カム50の端面に押し付ける方向に、付勢バネ54によって付勢されている。
【0067】
以上の構成で、軸52を中心として駆動カム50を回転させることにより、カムフォロワ53が駆動カム50に押されて、操作レバー49が軸51を中心として揺動する。操作レバー49の揺動は、リンクロッド48を介して糸引出しアーム36の一番太い棒状部材36bに伝達される。以上の構成により、糸引出しアーム36を支持部46を中心に揺動させて、糸捕捉部41を装置の略前後方向に移動させることができる。
【0068】
クレードル開放アーム37は、前記クレードル23を操作して開放し、満巻となったパッケージ18をクレードル23から取り外すことができるように構成されている。
【0069】
チャッカ38は、ボビンストッカ39に保持されている空の巻取ボビン22を掴むことができるように構成されている。また、このチャッカ38は、軸55に対して回動自在に取り付けられている。玉揚装置14は、このチャッカ38を、ボビンストッカ39に保持されている巻取ボビン22を掴む位置と、当該巻取ボビン22をクレードル23に取り付ける位置と、の間で回動駆動させるための図略のカム機構を備えている。
【0070】
次に、本実施形態の特徴的な構成について説明する。
【0071】
前述のように、従来の玉揚装置において、糸引出しアームは一方向にのみ(平面内でのみ)揺動可能な構成であった。このため、揺動方向に直交する方向からの力に弱いという課題があった。
【0072】
そこで、本実施形態の自動ワインダ10の玉揚装置14において、糸引出しアーム36は、2方向に揺動可能に構成されている。
【0073】
具体的には、以下のとおりである。即ち、糸引出しアーム36を支持している支持部46は、第1軸67と、第2軸68と、吊り下げ支持体69と、を備えている。
【0074】
第1軸67は、装置の略左右方向(図5の紙面に直交する方向)に沿って配置されている。糸引出しアーム36は、この第1軸67を中心に揺動可能に取り付けられている。糸引出しアーム36が第1軸67まわりで揺動することにより、当該糸引出しアーム36の先端の糸捕捉部41を装置略前後方向(図5の略左右方向)に移動させることができる。なお、以下の説明で、糸引出しアーム36が第1軸67まわりで揺動する方向(図5に太線の矢印で示す方向)を、第1方向と呼ぶ。
【0075】
一方、第2軸68は、装置の略前後方向(図5の左右方向)に沿って配置されており、吊り下げ支持体69によって回動可能に片持ち支持されている。このように、第1軸67と第2軸68は、直交するように設けられている。また、第1軸67及び第2軸68は一体的に形成されており、第1軸67は第2軸68まわりで回転することができるようになっている。従って、第1軸に取り付けられている糸引出しアーム36は、第2軸68まわりで揺動することも可能である。糸引出しアーム36が第2軸68まわりで揺動することにより、当該糸引出しアーム36の先端の糸捕捉部41を装置略左右方向(図1の略左右方向)に移動させることができる。なお、以下の説明で、糸引出しアーム36が第2軸68まわりで揺動する方向を、第2方向と呼ぶ。
【0076】
以上のように、本実施形態の玉揚装置14では、糸引出しアーム36を二軸で揺動自在に支持しているので、当該糸引出しアーム36を任意の方向に揺動させることができる。
【0077】
この点、従来の玉揚装置においては、糸引出しアームが一軸で支持されていたために、糸引出しアームの揺動方向が限定されており、当該揺動方向に直交する方向からの力に弱かったのである。本実施形態の玉揚装置14では、糸引出しアーム36を二軸で支持することにより任意方向に揺動可能としたので、当該糸引出しアーム36に対してどの方向から力が加わっても、当該糸引出しアーム36がスイングすることにより力を逃すことができる。即ち、本実施形態の玉揚装置14では、糸引出しアーム36が特定方向からの力に弱いということがないので、当該糸引出しアーム36(及び支持部46)の破損を未然に防ぐことができる。
【0078】
ところで、本実施形態の玉揚装置14が備える駆動部47は、駆動カム50の回転によって糸引出しアーム36に駆動力を付与するというシンプルな構成である。この駆動部47は、糸引出しアーム36を第1方向で揺動させる(図5の太線の矢印で示すように揺動させる)ことはできるものの、第2方向での揺動を規制することはできない。
【0079】
そこで本実施形態の自動ワインダ10において、玉揚装置14は、糸引出しアーム36の第2方向での揺動を規制するための第1ガイド71、第3ガイド73、及び第4ガイド74を備えている。また、各巻取ユニット11は、前記第3ガイドと係合する第2ガイド72を備えている。
【0080】
次に、図6から図12を参照して自動ワインダ10の玉揚作業について説明しながら、第1ガイド71、第2ガイド72、第3ガイド73、及び第4ガイド74について詳しく説明する。
【0081】
玉揚装置14による玉揚作業は、パッケージ18が満巻になったときに行われる。パッケージ18が満巻になったことが検出されると、前記ユニット制御部は、直ちにカッタを作動させて糸16を切断する。これにより、切断箇所より下流側の糸16はパッケージ18に巻き取られる。またこのとき、下糸案内パイプ29は、回動ストロークのほぼ下端の位置(捕捉位置)で待機している。糸16が切断されたとき、切断箇所よりも上流側の糸16は、下糸案内パイプ29の吸引口31に吸引される。このようにして下糸案内パイプ29に糸16が捕捉された様子が、図6に示されている。
【0082】
続いてユニット制御部は、図8の太線矢印で示すように、下糸案内パイプ29を軸33まわりに回動させ、回動ストロークのほぼ上端の位置(図8に示す)まで移動させる。なお、このときの吸引口31の位置を、糸受渡し位置と呼ぶ。吸引口31で糸を捕捉した状態で下糸案内パイプ29を回動させることにより、糸受渡し位置まで糸16を案内することができる。なお、前記糸受渡し位置は、前述の導入位置(図4に示す位置)よりも、吸引口31が装置正面側(図8の右側)に若干移動した位置となっている。これは、玉揚装置14が備える糸捕捉部41によって糸16を捕捉(後述)し易くするためである。
【0083】
その後、ユニット制御部は、機台制御装置12に玉揚要求信号を送信する。この玉揚要求信号を受信した機台制御装置12は、パッケージ18が満巻となった巻取ユニット11の直上方の位置まで、玉揚装置14を走行させて停止させる。玉揚装置14が走行する際には、糸引出しアーム36が巻取ユニット11等に衝突しないようにするため、当該糸引出しアーム36を待機位置(図5及び図6で示す位置)に待機させておく。この待機位置は、具体的には、糸引出しアーム36の第1方向での揺動ストロークの装置正面側端部である。
【0084】
玉揚装置14は、糸引出しアーム36の待機位置における第2方向での揺動を規制する第4ガイド74を備えている。この第4ガイド74は、図7に示すように、平面視で装置の背面側が開放された略U字状に形成されており、糸引出しアーム36の、支持部46と糸捕捉部41の間の部分(具体的には、一番太い棒状部材36bの中途部分)を、前記U字の内側に挟み込むことができるように配置されている。第4ガイド74の前記U字状の部分は、前記棒状部材36bに対して装置の略左右方向(図7の左右方向)の両側から接触するように配置されている。これにより、糸引出しアーム36の第2方向での揺動を規制することができる。従って、玉揚装置14の走行中であっても、糸引出しアーム36が第2方向に揺動してしまうことがない。即ち、玉揚装置14の走行中に、糸引出しアーム36を待機位置で位置決めしておくことができる。
【0085】
なお、この第4ガイド74は、糸引出しアーム36に接触する部分に、摩擦抵抗の少ない第3摺動部材75を有している。これにより、第4ガイド74は、第3摺動部材75を介して糸引出しアーム36をガイドするので、糸引出しアーム36が傷付くことを防止することができる。また、図5に示すように、棒状部材36bの第4ガイド74に接触する部分には、ホース保護部材76が配置されている。図7に示すように、このホース保護部材76は中空状に形成されており、その内部にエアホース45を挿通させるように構成されている。これにより、エアホース45が第4ガイド74に接触して傷付くことを防止できる。
【0086】
巻取ユニット11の直上に停止した玉揚装置14は、クレードル開放アーム37によってクレードル23を操作し、満巻となったパッケージ18をクレードル23から取り外す。取り外されたパッケージ18は、巻取ユニット11の背後に配置された図略のコンベアに移動し、次工程へ送られる。続いて、玉揚装置14は、ボビンストッカ39にストックされている空の巻取ボビン22をチャッカ38によって1つ取り上げるとともに、当該チャッカ38を回動させて、前記空の巻取ボビン22を、開放状態にあるクレードル23の近傍まで移動させる。
【0087】
チャッカ38による巻取ボビン22保持動作と前後して、玉揚装置14は、待機位置にある糸引出しアーム36を伸ばすように動作させて、当該糸引出しアーム36の先端に取り付けられている糸捕捉部41を、前記糸受渡し位置にある下糸案内パイプ29の吸引口31近傍まで下降させる(図8)。前述のように、待機位置にある糸引出しアーム36は、第4ガイド74によって位置決めされている。この第4ガイド74は、一番太い棒状部材36bに接触する構成であるから、当該第4ガイド74が糸引出しアーム36の伸縮運動を阻害することはない。即ち、糸引出しアーム36は、第4ガイド74によって位置決めされた状態のまま、伸縮することができる。
【0088】
続いて玉揚装置14は、駆動部47を駆動することにより、糸引出しアーム36を第1軸まわりで図8の時計回りに(装置背面側に向けて)揺動させる。ここで図7に示すように、第4ガイド74は平面視で装置背面側が開放された略U字状に形成されている。従って、この第4ガイド74によって位置決めされている糸引出しアーム36は、第4ガイド74内を装置背面側に向けて移動することができる。即ち、第4ガイド74によって糸引出しアーム36をガイドさせつつ、当該糸引出しアーム36を装置背面側に向けて揺動させることができる。
【0089】
下糸案内パイプ29が捕捉している糸16を糸捕捉部41が受け取ることができる位置(図9に示す位置)まで糸引出しアーム36が揺動すると、駆動部47は、当該糸引出しアーム36の揺動を停止させる。このときの糸捕捉部41の位置を、糸受取り位置と呼ぶ。糸受取り位置は、前記糸受渡し位置の近傍であって、当該糸受渡し位置の上流側に位置している。
【0090】
糸受取り位置において、糸捕捉部41は、下糸案内パイプ29の近傍の糸16をクランプ部42によって把持するとともに、把持した箇所よりやや上側(下流側)の位置でカッタ部43により糸16を切断する。これにより、下糸案内パイプ29が保持していた給糸ボビン側の糸が、玉揚装置14の糸捕捉部41に受け渡される。
【0091】
ところで前述のように、巻取ユニット11の下糸案内パイプ29は、もともと、給糸ボビン15側の糸16(下糸)を糸継装置26まで案内するための部材である。従って、本実施形態の下糸案内パイプ29は、下糸を糸継装置26に案内する部材と、下糸を糸捕捉部41に渡す部材と、の2つの機能を兼ねていると言える。このように、1つの部材が2つの機能を兼ねることにより、巻取ユニット11をシンプルに構成することができる。
【0092】
また前述のように、本実施形態の玉揚装置14は、糸引出しアーム36の揺動開始位置(待機位置)を第4ガイド74によって位置決めしており、しかも当該第4ガイド74によってガイドしながら糸引出しアーム36を揺動させる構成である。この構成によれば、糸引出しアーム36の揺動経路を規制させながら揺動させることができるため、糸捕捉部41を、糸受取り位置まで精度良く移動させることができる。これにより、糸捕捉部41への糸の受け渡しの成功率を向上させることができる。
【0093】
ところが、糸引出しアーム36は細長い部材であるため、当該糸引出しアーム36の先端に取り付けられている糸捕捉部41の位置はズレ易いという事情がある。また、仮に糸引出しアーム36の揺動経路が正確であったとしても、玉揚装置14の停止位置がズレていた場合には、糸捕捉部41の位置もズレてしまうため、当該糸捕捉部41への糸の受け渡しが失敗する場合がある。このような玉揚装置14の停止位置のズレは、位置決めブロック66が本来の位置からズレた位置に設定されている場合(設定ミスなど)に発生し得る。また、なんらかの理由により糸引出しアーム36が曲がってしまっている場合にも、糸捕捉部41の位置ズレが発生し得る。
【0094】
そこで本実施形態では、糸捕捉部41に設けられた第3ガイド73と、巻取ユニット11に設けられた第2ガイド72と、の係合により、糸捕捉部41の糸受取り位置での位置決めを行うように構成されている。
【0095】
図5に示すように、第3ガイド73は、糸捕捉部41に固定されており、装置背面側に向けて突出するように配置されている。即ち、第3ガイド73は、装置背面側に向けて突出する凸部として構成されている。一方、第2ガイド72は、図9等に示すように、下糸案内パイプ29の糸受け渡し位置の近傍(具体的には、側面視で糸継装置26の上方)に配置されている。なお、第2ガイド72は、給糸ボビン15とパッケージ18との間の糸道から装置左右方向に外れた位置に配置されている(具体的には、糸継装置26の側方上方に配置されている)。これにより、糸16の通常の巻き取り時に、第2ガイド72が糸16の走行を邪魔しないようになっている。
【0096】
図10に示すように、第2ガイド72には、装置略前後方向に形成された溝部(凹部)77が形成されている。この溝部77の装置左右方向の幅は、第3ガイド73の装置左右方向の厚みとほぼ同じか、若干広い程度となっている。また、溝部77の装置正面側の端部は開放されており、装置背面側の端部は閉鎖されている。
【0097】
以上の構成で、第3ガイド73が第2ガイド72の溝部77に係合することができる。この第2ガイド72と第3ガイド73との係合により、下糸案内パイプ29の糸受渡し位置の近傍(糸受取り位置)で、糸捕捉部41を位置決めすることができる。第3ガイド73は糸捕捉部41に直接設けられているので、当該第3ガイド73の係合により糸捕捉部41を精度良く位置決めすることができる。
【0098】
また、図10に示すように、第3ガイド73には、第2ガイド72と接触する部分に第2摺動部材78が取り付けられている。従って、第2ガイド72と第3ガイド73は、第2摺動部材78を介して係合する。これにより、第2ガイド72と第3ガイド73との係合及び係合解除をスムーズに行うことができる。
【0099】
また図10に示すように、第2ガイド72には、平面視において装置正面側に向けて広がるV字溝79が形成されている。このV字溝79の装置背面側の端部は、前記溝部77に連通している。この構成により、装置正面側から近付いてくる第3ガイド73を、V字溝79によってガイドしつつ溝部77の内側に導入することができる。これにより、第3ガイド73の位置が装置左右方向で多少ズレていても、第2ガイド72と第3ガイドを係合させることができる。従って、例えば玉揚装置14の停止位置がズレた場合や、糸引出しアーム36が曲がっていた場合であっても、第2ガイド72と第3ガイドを係合させることができる。これにより、糸捕捉部41を確実に位置決めすることができるので、糸捕捉部41への糸受け渡しの成功率を更に向上させることができる。
【0100】
以上に示した構成で、糸捕捉部41によって、給糸ボビン15側の糸16(下糸)を確実に受け取ることができる。このようにして糸16が下糸案内パイプ29から糸引出しアーム36に受け渡されると、玉揚装置14は、駆動部47によって糸引出しアーム36を図9の反時計回りに揺動させる。これにより、第2ガイド72と第3ガイド73との係合が解除されるとともに、糸引出しアーム36が再び第4ガイド74によって待機位置に位置決めされた状態となる。
【0101】
続いて、玉揚装置14は、糸引出しアーム36を縮めるように動作させることで給糸ボビン15の糸16を上方へ引き出す。更に、玉揚装置14は、駆動部47を駆動させ、糸捕捉部41が保持している糸16がクレードル23の近傍を通過する位置まで、糸引出しアーム36を揺動させる(図11に示す位置)。この位置を、糸引出しアーム36の糸固定位置と呼ぶ。
【0102】
玉揚装置14は、糸引出しアーム36の糸固定位置における第2方向での揺動を規制する第1ガイド71を備えている。この第1ガイド71は、図12に示すように、平面視で装置の正面側が開放された略U字状に形成されており、糸引出しアーム36の、支持部46と糸捕捉部41の間の部分(具体的には一番太い棒状部材36bの中途部分)を、前記U字の内側に挟み込むことができるように配置されている。第1ガイド71の前記U字状の部分は、前記棒状部材36bに対して装置の略左右方向(図12の左右方向)の両側から接触するように配置されている。
【0103】
以上の構成で、糸引出しアーム36は、第1ガイド71の前記U字状の部分によって案内されながら、糸固定位置まで揺動する。これにより、糸引出しアーム36を糸固定位置まで確実に揺動させることができるとともに、当該糸固定位置における糸引出しアーム36の第2方向での揺動を規制することができる。
【0104】
棒状部材36bは、第1ガイド71に接触する部分に、摩擦抵抗の少ない第1摺動部材80を有している。これにより、第1ガイド71は、第1摺動部材80を介して糸引出しアーム36をガイドするので、糸引出しアーム36が傷付くことを防止することができる。なお、図12に示すように、第1ガイド71は、細長い長方形状に形成された板金部材をU字状に折り曲げて形成されている。そして、当該板金の長手方向中央部分が、ネジ81によって本体フレームに固定されている。このように、板金の折り曲げという簡単な構成で第1ガイド71を形成することができる。また、第1ガイド71は板金製であるから、ある程度のバネ性を有しているので、当該第1ガイド71及び糸引出しアーム36が接触した際の両者の破損を防止することができる。
【0105】
糸引出しアーム36が糸固定位置まで揺動すると、玉揚装置14は、チャッカ38がボビンストッカ39から取り上げた空の巻取ボビン22に対して、糸16をバンチ巻きなどの公知の方法により固定する。そして、糸が固定された空の巻取ボビン22をクレードル23に装着する。以上により、玉揚作業が完了となる。前述のように、糸固定位置において、糸引出しアーム36の第2方向での揺動は、第1ガイド71によって規制されている。即ち、糸引出しアーム36を糸固定位置に正確に位置決めすることができるので、糸捕捉部41が捕捉している糸16を、バンチ巻きに適した位置まで確実に案内することができる。従って、空の巻取ボビン22に対する糸16の固定を確実に行うことができる。
【0106】
なお、図7及び図12に示すように、本実施形態において、第1ガイド71及び第4ガイド74は、装置前後方向に対して斜め方向に糸引出しアーム36を案内するように形成されている。これにより、本実施形態の糸引出しアーム36を、第1方向に対して斜め方向に揺動させることができる。即ち、カム機構による駆動部47は、糸引出しアーム36を第1方向(装置略前後方向)で揺動させる駆動力を付与できるのみであるから、当該駆動部47だけでは、糸引出しアーム36を前記第1方向とは異なる方向に揺動させることはできない。しかし、この第1方向とは異なる方向から糸引出しアーム36に対して接触する第1ガイド71及び第4ガイド74を設け、当該第1ガイド71及び第2ガイドによって糸引出しアーム36の揺動をガイドさせることにより、糸引出しアーム36を第1方向とは異なる方向で揺動させるように揺動経路を規定することができる。このように、駆動部47と、第1ガイド71及び第4ガイド74が協働することにより、糸引出しアーム36を、任意の揺動軌跡を描くように揺動させることができるのである。
【0107】
従って、第1ガイド71又は第4ガイド74の形状を適切に設定することにより、例えば、玉揚装置が備える構成(例えばチャッカ38)や巻取ユニットが備える構成(例えばボビンストッカ39)を回避するような揺動経路で糸引出しアーム36を揺動させることができる。従来の玉揚装置では、このように糸引出しアームを自由に揺動駆動することができなかったので、玉揚装置や巻取ユニットの各構成は、糸引出しアームの揺動軌跡に干渉しないように配置せざるを得なかった。即ち、従来の玉揚装置では、各構成の配置自由度が低かったのである。この点、本実施形態の自動ワインダ10では、糸引出しアーム36が各構成を回避するように揺動できるので、各構成の配置自由度を向上させることができる。
【0108】
また前述のように、第1ガイド71及び第4ガイド74は、糸引出しアーム36の一番太い棒状部材36bをガイドするように配置されている。このように、糸引出しアーム36の根元に近い部分(支持部46に近い部分)をガイドする構成であるから、第1ガイド71及び第4ガイド74自体がガイドする範囲は狭いとしても、糸引出しアーム36の先端部分(糸捕捉部41)を大きくスイングさせることができる。このように、第1ガイド71及び第4ガイド74によって糸引出しアーム36の根元部分をガイドする構成としたので、当該第1ガイド71及び第4ガイド74をコンパクトに構成することができる。
【0109】
以上に説明したように、本実施形態の玉揚装置14は、給糸ボビン15から解舒された糸16を巻取ボビン22の外周に規定量巻き取ったパッケージ18を玉揚げし、新たな巻取ボビン22への糸掛け作業を行う玉揚装置14であって、以下のように構成されている。即ち、この玉揚装置14は、本体フレーム35と、糸引出しアーム36と、糸捕捉部41と、支持部46と、駆動部47と、第1ガイド71と、を備える。糸捕捉部41は、糸引出しアーム36に取り付けられ、給糸ボビン15の糸16を捕捉する。支持部46は、糸引出しアーム36を任意の方向で揺動可能に支持する。駆動部47は、糸引出しアーム36に対して、当該糸引出しアーム36を第1方向に揺動させる駆動力を付与する。第1ガイド71は、駆動部47によって第1方向に揺動させられる糸引出しアーム36の揺動経路を、第1方向とは異なる方向に規定する。
【0110】
このように糸引出しアーム36を任意方向で揺動可能に支持することで、糸引出しアーム36の揺動経路を自由に決定できるので、糸捕捉部41の移動自由度が向上する。また、任意方向に揺動可能であることから、何れの方向からの力が糸引出しアーム36に加わったとしても、当該糸引出しアーム36がスイングすることにより力を逃がすことができる。即ち、特定の方向からの力に弱いという従来の玉揚装置の糸引出しアームが有していた問題を解消することができる。また、第1ガイド71によって糸引出しアーム36の旋揺動経路を自由に設定することができるので、例えば、玉揚装置14が備える様々な機能部品を避けるように糸引出しアーム36を揺動させることが可能となる。
【0111】
また本実施形態の自動ワインダ10は、上記の玉揚装置14と、給糸ボビン15から解舒された糸を巻取ボビン22に巻き取ってパッケージ18を形成する複数の巻取ユニット11と、を備える。巻取ユニット11は、給糸ボビン15の糸を捕捉して糸受渡し位置で待機する下糸案内パイプ29と、前記糸受渡し位置の近傍において、糸捕捉部41の位置決めを行う第2ガイド72と、を備える。
【0112】
このように、糸受渡し位置において糸捕捉部41の位置決めを行うことにより、下糸案内パイプ29が捕捉した糸16を糸捕捉部41によって確実に受け取ることができる。
【0113】
上記の繊維機械において、前記糸捕捉部41には、前記第2ガイドと係合する第3ガイドが配置されている。
【0114】
このように、糸捕捉部41の近傍に第3ガイド73を設けるとともに、2つのガイドを係合させることにより、糸捕捉部41を確実に位置決めすることができる。
【0115】
また本実施形態の自動ワインダ10において、第3ガイド73は凸部を備える。第2ガイド72は、前記凸部に嵌合する溝部77と、溝部77へと前記凸部を案内するV字溝79と、を備えている。
【0116】
V字溝79によって凸部を案内する構成とすることにより、糸捕捉部41や糸引出しアーム36が多少位置ズレしていたとしても、凸部と凹部を嵌合させることができる。従って、糸捕捉部41の位置決めを確実に行うことができる。
【0117】
また本実施形態の自動ワインダ10において、巻取ユニット11は、給糸ボビン15と巻取ボビン22との間で分断された糸を継ぐ糸継装置26を備える。下糸案内パイプ29は、分断された給糸ボビン15側の糸端を捕捉して糸継装置26に案内する機能を兼ねている。第2ガイド72は、糸継装置26の側方に設けられている。
【0118】
このように、下糸案内パイプ29が、玉揚げ時の下糸案内と糸継時の下糸案内とを兼ねることができるので、巻取ユニット11の構成を単純化することができる。また、第2ガイド72を糸継装置26の側方に配置したので、通常の巻き取り作業時に第2ガイド72が邪魔にならない。
【0119】
また本実施形態の自動ワインダ10において、糸引出しアーム36は、伸縮可能に構成されている。
【0120】
これにより、糸捕捉部41によって糸を捕捉する際などには糸引出しアーム36を伸ばすことができ、糸捕捉部41を作動させないときには糸引出しアーム36を縮退させてコンパクトに収容しておくことができる。なお、このように伸縮可能に構成された糸引出しアーム36に無理な力が加わると、当該糸引出しアーム36の破損につながるおそれがある。この点、本発明の構成によれば、任意方向に揺動可能な支持部46で糸引出しアーム36を支持しているので、当該糸引出しアーム36にかかる力を、当該糸引出しアーム36がスイングすることにより逃がすことができる。これにより、糸引出しアーム36の耐久性が向上する。
【0121】
また本実施形態の自動ワインダ10において、糸引出しアーム36は、径の異なる複数の棒状部材によってテレスコープ状に伸縮可能に構成される。複数の棒状部材のうち一番細い棒状部材36aに糸捕捉部41が設けられる。複数の棒状部材のうち一番太い棒状部材36bが、本体フレーム35に対して支持部46を介して取り付けられる。第1ガイド71は、前記一番太い棒状部材36bの移動を規制する。
【0122】
即ち、糸引出しアーム36の根元部分を第1ガイド71によって案内する構成としたので、コンパクトな第1ガイド71によって糸引出しアーム36の揺動を規定することができる。
【0123】
また本実施形態の自動ワインダ10において、玉揚装置14は、糸引出しアーム36の待機位置を規定する第4ガイド74を備える。第4ガイド74は、前記一番太い棒状部材36bの移動を規制する。
【0124】
このように第4ガイド74を設けることにより、糸引出しアーム36を待機位置で位置決めすることができる。また、第4ガイド74によって一番太い棒状部材36bをガイドする構成としたので、当該第4ガイド74によって糸引出しアーム36をガイドした状態で、当該糸引出しアーム36を自由に伸縮させることができる。従って、糸引出しアーム36を伸ばしたときの糸捕捉部41の位置を正確に位置決めすることができるので、当該糸捕捉部41による給糸ボビン15の糸16の捕捉をより正確に行うことができる。
【0125】
また本実施形態の自動ワインダ10において、一番太い棒状部材には、摩擦抵抗を低下させる第1摺動部材80が取り付けられている。第1ガイド71は、第1摺動部材80を介して前記一番太い棒状部材36bを案内する。
【0126】
摺動部材により、擦れによる破損を防止することができる。
【0127】
また本実施形態の自動ワインダ10において、第3ガイド73には、摩擦抵抗を低下させる第2摺動部材78が取り付けられており、第2ガイド72及び第3ガイド73は、第2摺動部材78を介して係合する。
【0128】
摺動部材により、凹部と凸部の合致、取り外しをスムーズに行うことができる。
【0129】
また本実施形態の自動ワインダ10において、第1ガイド71は、長尺板部材を折り曲げて形成したU字状部材であり、長尺板部材の中央部分が前記本体フレーム35に取り付けられている。
【0130】
これにより、簡単な構造で第1ガイド71を構成することができる。
【0131】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0132】
第1ガイド71、第2ガイド72、第3ガイド73、及び第4ガイド74の形状は、図示したものに限らず、糸引出しアーム36を適切にガイドできる形状であれば適宜のものを採用することができる。また、支持部46の構成は、糸引出しアーム36を任意方向に揺動自在に支持するものであれば、上記実施形態で説明した構成に限らない。同様に、駆動部の構成も、上記実施形態で説明したものに限らない。
【0133】
巻取ユニット11が備える下糸案内パイプ29によって糸捕捉部41に糸を受け渡す構成としたが、下糸案内パイプ29とは別に、糸捕捉部41に糸を受け渡す部材(下糸捕捉案内部材)を設けても良い。
【0134】
第1摺動部材は、第1ガイド71に設けても良い。また、第2摺動部材は、第2ガイド72に設けても良い。
【0135】
第3ガイド73は、糸捕捉部41が備える構成に限らず、糸引出しアーム36の糸捕捉部41側の適宜の場所(例えば一番細い棒状部材36aの先端)に配置しても良い。何れにしても、糸捕捉部41の近傍に第3ガイド73を設けることで、当該糸捕捉部41の位置決め精度を向上させることができる。
【0136】
糸引出しアーム36は、径の異なる複数の棒状部材によってテレスコープ状に伸縮可能に構成されているとしたが、糸引出しアーム36の形状はこれに限定されない。例えば、四角筒部材を重ねて伸縮可能とすることもできるし、板部材を複数重ね、これをスライドさせることで伸縮可能となる構成としても良い。
【符号の説明】
【0137】
10 自動ワインダ(繊維機械)
11 巻取ユニット
14 玉揚装置
18 パッケージ
22 巻取ボビン
36 糸引出しアーム(アーム部)
41 糸捕捉部
46 支持部
47 駆動部
71 第1ガイド
72 第2ガイド
73 第3ガイド
74 第4ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給糸ボビンから解舒された糸を巻取ボビンの外周に規定量巻き取ったパッケージを玉揚げし、新たな巻取ボビンへの糸掛け作業を行う玉揚装置であって、
本体フレームと、
アーム部と、
前記アーム部に取り付けられ、前記給糸ボビンの糸を捕捉する糸捕捉部と、
前記アーム部を少なくとも2方向に揺動可能に支持する支持部と、
前記アーム部に対して、当該アーム部を第1方向に揺動させる駆動力を付与する駆動部と、
前記駆動部によって前記第1方向に揺動させられる前記アーム部の揺動経路を、前記第1方向とは異なる方向に規定する第1ガイドと、
を備えることを特徴とする玉揚装置。
【請求項2】
請求項1に記載の玉揚装置と、
給糸ボビンから解舒された糸を巻取ボビンに巻き取ってパッケージを形成する複数の巻取ユニットと、
を備えた繊維機械であって、
前記巻取ユニットは、
前記給糸ボビンの糸を捕捉して糸受渡し位置で待機する下糸捕捉案内部材と、
前記糸受渡し位置において、前記糸捕捉部の位置決めを行う第2ガイドと、
を備えることを特徴とする繊維機械。
【請求項3】
請求項2に記載の繊維機械であって、
前記アーム部の前記糸捕捉部側、又は前記糸捕捉部には、前記第2ガイドと係合する第3ガイドが配置されていることを特徴とする繊維機械。
【請求項4】
請求項3に記載の繊維機械であって、
前記第2ガイド及び前記第3ガイドの何れか一方は凸部を備え、
前記第2ガイド及び前記第3ガイドの他方は、前記凸部に嵌合する凹部と、前記凹部へと前記凸部を案内するV字溝を備えていることを特徴とする繊維機械。
【請求項5】
請求項4に記載の繊維機械であって、
前記巻取ユニットは、前記給糸ボビンと前記巻取ボビンとの間で分断された糸を継ぐ糸継装置を備え、
前記下糸捕捉案内部材は、分断された給糸ボビン側の糸端を捕捉して前記糸継装置に案内する機能を兼ねており、
前記第2ガイドは、前記糸継装置の側方に設けられていることを特徴とする繊維機械。
【請求項6】
請求項2から5までの何れか一項に記載の繊維機械であって
前記アーム部は、伸縮可能に構成されていることを特徴とする繊維機械。
【請求項7】
請求項6に記載の繊維機械であって、
前記アーム部は、径の異なる複数の棒状部材によってテレスコープ状に伸縮可能に構成され、
前記複数の棒状部材のうち一番細い棒状部材に前記糸捕捉部が設けられ、
前記複数の棒状部材のうち一番太い棒状部材が、前記本体フレームに対して前記支持部を介して取り付けられ、
前記第1ガイドは、前記一番太い棒状部材の移動を規制することを特徴とする繊維機械。
【請求項8】
請求項7に記載の繊維機械であって、
前記玉揚装置は、前記アーム部の待機位置を規定する第4ガイドを備え、
前記第4ガイドは、前記一番太い棒状部材の移動を規制することを特徴とする繊維機械。
【請求項9】
請求項8に記載の繊維機械であって、
前記一番太い棒状部材及び前記第1ガイドの少なくとも何れか一方には、摩擦抵抗を低下させる第1摺動部材が取り付けられており、
前記第1ガイドは、前記第1摺動部材を介して前記一番太い棒状部材を案内することを特徴とする繊維機械。
【請求項10】
請求項3から5までの何れか一項に記載の繊維機械であって、
前記第2ガイド及び前記第3ガイドの少なくとも何れか一方には、摩擦抵抗を低下させる第2摺動部材が取り付けられており、
前記第2ガイド及び前記第3ガイドは、前記第2摺動部材を介して係合することを特徴とする繊維機械。
【請求項11】
請求項10に記載の繊維機械であって、
前記第1ガイドは、長尺板部材を折り曲げて形成したU字状部材であり、
前記長尺板部材の中央部分が前記本体フレームに取り付けられていることを特徴とする繊維機械。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−56766(P2013−56766A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197701(P2011−197701)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】