現像装置および画像形成装置
【課題】現像剤容器の貯留部に貯留される液体現像剤を第1供給ローラーおよび第2供給ローラーを介して現像剤担持体ローラーに供給する際、2つの駆動源により第1供給ローラー、第2供給ローラーおよび現像剤担持体ローラーを高精度に駆動して現像剤担持体ローラーに液体現像剤を良好に塗布する。
【解決手段】第1駆動モーターM1で発生する駆動力を第1駆動伝達部55によって現像ローラー51および中間塗布ローラー52に与えて回転させる。このように現像ローラー51および中間塗布ローラー52はともに第1駆動モーターM1を駆動源とし、しかも同一の第1駆動伝達部55を介して第1駆動モーターM1からの駆動力を受けているため、第1駆動モーターM1の回転成分の変動及び歯車のかみ合い周期変動の位相が揃うため、現像ローラー51と中間塗布ローラー52との回転周速差が小さくなる。
【解決手段】第1駆動モーターM1で発生する駆動力を第1駆動伝達部55によって現像ローラー51および中間塗布ローラー52に与えて回転させる。このように現像ローラー51および中間塗布ローラー52はともに第1駆動モーターM1を駆動源とし、しかも同一の第1駆動伝達部55を介して第1駆動モーターM1からの駆動力を受けているため、第1駆動モーターM1の回転成分の変動及び歯車のかみ合い周期変動の位相が揃うため、現像ローラー51と中間塗布ローラー52との回転周速差が小さくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トナーおよびキャリア液体を含む液体現像剤で現像する現像装置および該現像装置を装備する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、帯電している感光体に静電潜像を形成し、キャリア液体にトナーを分散した液体現像剤により静電潜像を現像してトナー像を形成する液体現像方式の画像形成装置が実用化されている。例えば特許文献1に記載の画像形成装置で採用されている現像装置では、現像ローラー用モーターによって回転駆動される現像ローラーに担持させるための液体現像剤を貯留する供給部が現像剤容器に設けられている。そして、螺旋状等の溝による凹凸面を形成したアニロクスローラーが現像ローラーに当接するとともに上記モーターと異なるアニロクスローラー用モーターによって回転駆動されて現像剤容器の供給部から現像ローラーへの液体現像剤の供給を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−204973号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記現像装置は、アニロクスローラーが現像ローラーに当接するとともに回転して現像ローラーに液体現像剤を供給する、いわゆる2ローラー構造を採用しているが、現像ローラーの保護に観点から両者の間に中間塗布ローラーを介在させた、いわゆる3ローラー構造が提案されている。ここで、中間塗布ローラーを回転駆動するためのモーターをさらに追加すると、装置コストの増大を招くのみならず、追加モーターの発熱による影響を考慮する必要があり、現像装置、さらには当該現像装置を装備する画像形成装置全体に関わる対策が必要になる。そこで、3ローラー構造においても2台でのモーターによって各ローラーを高精度に駆動させて容器内の液体現像剤を現像ローラーに良好に供給するための技術が要望されている。
【0005】
この発明にかかるいくつかの態様は、現像剤容器の貯留部に貯留される液体現像剤を第1供給ローラーおよび第2供給ローラーを介して現像剤担持体ローラーに供給する、いわゆる3ローラー構造の現像装置および当該現像装置を装備する画像形成装置において、2つの駆動源により第1供給ローラー、第2供給ローラーおよび現像剤担持体ローラーを高精度に駆動して現像剤担持体ローラーに液体現像剤を良好に塗布する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1の態様は、現像装置であって、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部と、回転して貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラーと、第1供給ローラーと当接するとともに回転して第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラーと、第2供給ローラーと当接するとともに回転して第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーと、現像剤担持体ローラーと第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、この発明の第2の態様は、画像形成装置であって、潜像が形成される潜像担持体と、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部、回転して貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラー、第1供給ローラーと当接するとともに回転して第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラー、及び第2供給ローラーと当接するとともに回転して第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーを有し、潜像担持体に形成された潜像を現像する現像部と、現像剤担持体ローラーと第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明(現像装置および画像形成装置)では、貯留部に貯留される液体現像剤が第1供給ローラーにより第2供給ローラーに供給され、さらに第2供給ローラーから現像剤担持体ローラーに供給される。そして、これらのうち、現像剤担持体ローラーと第2供給ローラーは第1駆動源により駆動されるため、現像剤担持体ローラーおよび第2供給ローラーの回転周速の誤差は小さくなる。また、第1供給ローラーが第1駆動源と異なる第2駆動源により駆動されるため、第2供給ローラーの回転周速と異なる回転周速で第1供給ローラーを駆動することができ、現像剤担持体ローラーへの液体現像剤の供給量を調整可能となっている。つまり、第1供給ローラーおよび第2供給ローラーの回転周速差に基づき第1供給ローラーから第2供給ローラーに供給される液体現像剤の供給量が調整され、それによって第2供給ローラーから現像剤担持体ローラーに供給される液体現像剤の量を調整可能となっており、現像剤担持体ローラーに液体現像剤を良好に塗布することができる。
【0009】
ここで、第1駆動源で発生する駆動力を現像剤担持体ローラーおよび第2供給ローラーに伝達し、現像剤担持体ローラーを回転させるとともに、現像剤担持体ローラーの回転方向と同じ方向に回転させ、かつ現像剤担持体ローラーの回転周速と同じ、もしくは現像剤担持体ローラーの回転周速よりも速く第2供給ローラーを回転させる駆動伝達部を備えてもよい。
【0010】
また、駆動伝達部は、第1駆動源の回転軸と同軸に配設された第1の駆動伝達部材、及び現像剤担持体ローラーの回転軸と同軸に配設されて第1の駆動伝達部材と接続された第2の駆動伝達部材を有してもよい。
【0011】
また、第2駆動源で発生された駆動力により、第1供給ローラーは第2供給ローラーの回転方向と逆方向に回転し、かつ第2供給ローラーの回転周速よりも遅く回転するように構成してもよい。
【0012】
第1供給ローラーの回転周速を調整する調整部を備えてもよい。
【0013】
また、貯留部に配設され、第1駆動源で発生する駆動力を受けて回転して貯留部に貯留される液体現像剤を撹拌する撹拌部材を備えてもよい。
【0014】
さらに、現像剤担持体ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部と、クリーニング部で回収された液体現像剤を貯留する回収部と、回収部に配設され、第2駆動源で発生する駆動力を受けて回転して回収部に回収された液体現像剤を搬送する搬送部材と、を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる現像装置の第1実施形態を装備した画像形成装置を示す図。
【図2】本発明の現像装置の第1実施形態たる現像部を示す図。
【図3】第1駆動モーターおよび第1駆動伝達部の構成を示す図。
【図4】第2駆動モーターおよび第2駆動伝達部の構成を示す図。
【図5】現像ローラーと中間塗布ローラーとの回転周速差を示す図。
【図6】位相差と回転周速の変動率との関係を示すグラフ。
【図7】中間塗布ローラーが現像ローラーおよびアニロックスローラーから受ける力を解析した図。
【図8】中間塗布ローラーの回転周速の変動率を示すグラフ。
【図9】駆動源に相違による貯留部での液面レベルの様子を示す模式図。
【図10】本発明にかかる現像装置の第2実施形態を示す図。
【図11】図10の装置の部分拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明にかかる現像装置の第1実施形態を装備した画像形成装置を示す図である。この画像形成装置は、感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPの鉛直方向の下方で、感光体ドラム1に担持される像を1次転写部2のブランケットローラー21に転写し、さらにブランケットローラー21に転写された像を転写紙に転写する、いわゆる下部転写構造を有している。なお、図1の画像形成装置は後述するように単色のトナー像を形成して転写紙に転写するものであり、同装置を複数台、例えば4台配列してカラー印刷システムを構成することが可能である。もちろん、図1の装置は単独でモノクロの画像形成装置としても機能する。
【0017】
この画像形成装置では、感光体ドラム1は、アモルファスシリコン感光体などの感光体材料からなる感光層を表面に有している。そして、その回転軸が主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように感光体ドラム1は配置されており、図1中矢印D1の方向に所定速度で回転駆動される。
【0018】
感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1表面を所定の電位に帯電させる帯電部3と、感光体ドラム1表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成する露光部4と、該静電潜像を液体現像剤で現像してトナー像を形成する現像部5と、第1スクイーズ部6と、第2スクイーズ部7と、1次転写部2のブランケットローラー21と、一次転写後の感光体ドラム1の表面をクリーニングする感光体クリーニング部8とが、それぞれこれらの順に感光体ドラム1の回転方向D1(図1では、反時計回り)に沿って配設されている。
【0019】
帯電部3は、6個の帯電器31と帯電器気流ダクト32とを有しており、図1紙面において、感光体ドラム1の回転中心を通る仮想鉛直面VPに対して右側で、しかも感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPに対して鉛直方向の下方に配されている。これらの帯電器31は感光体ドラム1の表面に接触しないものであり、感光体ドラム1の回転方向D1に沿って6個配列されている。帯電器31としては、例えば従来周知慣用のコロナ帯電器を用いることができる。コロナ帯電器にスコロトロン帯電器を用いた場合には、スコロトロン帯電器のチャージワイヤにはワイヤ電流が流されるとともに、グリッドには直流(DC)のグリッド帯電バイアスが印加される。このように帯電器31によるコロナ放電で感光体ドラム1が帯電されることで、感光体ドラム1の表面の電位が略均一の電位に設定される。また、帯電器気流ダクト32は帯電器31に向けて外気を導入する外気導入経路(図示省略)と、帯電器31での放電により発生する雰囲気を排気する排気経路(図示省略)とを有しており、帯電処理が行われる雰囲気を換気して雰囲気管理を行う。
【0020】
露光部4は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して右側で、しかも仮想水平面HP上に配されて外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームにより感光体ドラム1表面を露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。本実施形態では、この露光部4として発光素子を主走査方向(図1紙面に垂直な方向)に配列したラインヘッドを用いているが、これ以外に半導体レーザからの光ビームをポリゴンミラーにより主走査方向に走査させるもの等を用いてもよい。なお、本実施形態では、露光部4を仮想水平面HP上に配しているが、露光部4の配設位置はこれに限定されるものではなく、仮想水平面HPの鉛直方向の上方または下方に配してもよい。
【0021】
こうして形成された静電潜像に対し、本発明にかかる現像装置の第1実施形態たる現像部5から液体現像剤が付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。本実施形態では、絶縁性液体を主成分とするキャリア液体内に、着色された樹脂粒子をトナーとして概略重量比25%程度に分散させた液体現像剤を用いており、トナーは電界中を電気泳動可能なように電荷を有している。なお、この現像剤濃度については、上記25%に限定されるものではなく、10〜30%であってもよい。また、キャリア液体としては、例えばIsopar(エクソン社商標)、シリコンオイル、ノルマルパラフィンオイルなどが使用される。また、電気抵抗値は1010Ω・cm以上、望ましくは1012Ω・cm以上が好ましい。というのも、抵抗が低い場合には、トナーが電気泳動する過程で余剰な電流が流れ、移動に必要な電界が維持できない可能性があるからである。さらに、こうして調製された液体現像剤の粘度は、トナーを構成する樹脂や分散剤・荷電制御剤で左右されるが、50〜500[mPa・s]の粘度を示す液体現像剤を用いることができ、本実施形態では400[mPa・s]の液体現像剤を用いている。なお、現像部5の構成および動作については、後で詳述する。
【0022】
上記液体現像剤により静電潜像が現像される現像位置に対し、感光体ドラム1の回転方向D1の下流側では、第1スクイーズ部6が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部6の下流側に第2スクイーズ部7が配置されている。この実施形態では、第1スクイーズ部6のスクイーズローラー61および第2スクイーズ部7のスクイーズローラー71はいずれも図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の上方に配されている。
【0023】
この第1スクイーズ部6には、不図示のバネにより感光体ドラム1方向に付勢されたスクイーズローラー61が設けられている。そして、スクイーズローラー61が第1スクイーズ位置で感光体ドラム1の表面と当接しながら図示しないモーターにより回転駆動されてトナー像の余剰現像剤を除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー61に対して第1スクイーズバイアス発生部(図示省略)が電気的に接続されており、適当なタイミングで第1スクイーズバイアスが印加されるように構成されている。また、スクイーズローラー61の表面に対してクリーニングブレード62が当接し、ローラー表面に付着する液体現像剤を掻き取る。そして、こうして掻き取られた液体現像剤は回収部材63に回収される。
【0024】
また、第2スクイーズ部7では、感光体ドラム1の回転方向D1において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置でスクイーズローラー71が感光体ドラム1の表面と当接しながら回転してトナー像の余剰キャリア液体やカブリトナーを除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、第1スクイーズ部6と同様に、スクイーズローラー71に対して第2スクイーズバイアス発生部(図示省略)が電気的に接続されており、適当なタイミングで第2スクイーズバイアスが印加されるように構成されている。また、スクイーズローラー71の表面に対してクリーニングブレード72が当接し、ローラー表面に付着する液体現像剤を掻き取る。そして、こうして掻き取られた液体現像剤はガイド部材73により感光体ドラム1から離れる方向に案内され、ガイド部材73の鉛直方向の下方に配置された回収部材74に回収される。
【0025】
なお、本実施形態では2つのスクイーズ部6、7を設けているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
【0026】
第1および第2スクイーズ部6、7を通過してきた感光体ドラム1には装置外部から与えられた画像信号に対応するトナー像が形成されており、一次転写位置TR1でブランケットローラー21に転写される。このブランケットローラー21を含む転写部2は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の下方に配されている。この転写部2は、ブランケットローラー21と、ブランケットローラー21にキャリア液体を塗布するキャリア塗布機構22と、ブランケットローラー21のクリーニング部23と、二次転写ローラー24と、二次転写ローラー24のクリーニング部25とを有している。
【0027】
ブランケットローラー21の表面は、鉛直方向での感光体ドラム1の鉛直方向の下方で仮想鉛直面VPと交差する位置(以下「最下位置」という)BPに対し、感光体ドラム1の回転方向D1の上流側で感光体ドラム1の表面と当接して一次転写ニップを形成している。この一次転写ニップの形成位置が一次転写位置TR1となる。また、ブランケットローラー21は図示を省略するモーターと接続されており、図1及び図2紙面において時計回りD21に回転駆動されて感光体ドラム1に対してウィズ回転する。こうして感光体ドラム1に担持されるトナー像が一次転写位置TR1でブランケットローラー21に一次転写される。
【0028】
また、ブランケットローラー21の回転方向D21における一次転写位置TR1の下流側でブランケットローラー21に対し、二次転写ローラー24が当接しながらウィズ回転して二次転写ニップを形成する。この二次転写ニップの形成位置が二次転写位置TR2となる。したがって、図示を省略する搬送部により転写紙が二次転写位置TR2に給紙されて二次転写ニップを通過することでブランケットローラー21に転写されたトナー像が転写紙に二次転写される。こうして、上記した液体現像剤を用いた像が転写紙に印刷される。
【0029】
また、ブランケットローラー21の回転方向D21において二次転写位置TR2の下流側に、キャリア塗布機構22が配置されて二次転写後のブランケットローラー21の表面にキャリア液体を塗布する。このキャリア液体の塗布処理を行うために、キャリア塗布機構22は、ブランケットローラー21に対してウィズ回転するキャリア塗布ローラー221と、キャリア液体を貯蔵するキャリア貯蔵部材222と、キャリア貯蔵部材222からキャリア液体を汲み上げてキャリア塗布ローラー221に供給するキャリア汲み上げローラー223とを有している。
【0030】
ブランケットローラー21の回転方向D21においてキャリア塗布機構22の下流側でかつ一次転写位置TR1の上流側にクリーニング部23が配置されて一次転写直前にブランケットローラー21の表面をクリーニングする。このクリーニング処理を行うために、クリーニング部23は、ブランケットローラー21に対してカウンター方向に回転するクリーニングローラー231と、クリーニングローラー231に当接してクリーニングローラー231をクリーニングするクリーニングブレード232と、クリーニングブレード232により掻き取られたトナーやキャリア液体を回収する回収部材233とを有している。
【0031】
二次転写ローラー24の回転方向において二次転写位置TR2の上流側でクリーニング部25が配置されて二次転写直前に二次転写ローラー24の表面をクリーニングする。このクリーニング処理を行うために、クリーニング部25は、二次転写ローラー24に当接して二次転写ローラー24をクリーニングするクリーニングブレード251と、クリーニングブレード251により掻き取られたトナーやキャリア液体を回収する回収部材252とを有している。
【0032】
感光体ドラム1の回転方向D1において一次転写位置TR1の下流側で、かつ帯電位置の上流側に、感光体クリーニング部8が配置されている。この感光体クリーニング部8は、クリーニングブレード81と、感光体ドラム1の最下位置BPから垂れ落ちる液体現像剤を受ける現像剤受け部材82と、現像剤受け部材に受け止められた現像剤を回収する回収部材83と、これらクリーニングブレード81、現像剤受け部材82および回収部材83を一体的に支持する支持部材84とを有している。そして、この支持部材84は回動軸85を回動中心として回動自在となっている。
【0033】
また、支持部材84にはバネ部材(図示省略)が接続されて図1紙面において反時計回りに支持部材84を付勢し、クリーニングブレード81を感光体ドラム1から離間する方向に作用している。一方、支持部材84の反感光体ドラム側(図1の右側)の端部には係合部841が突設されており、図示を省略する可動片が係合部841を上記付勢力よりも大きな応力で押し下げると、支持部材84は図1紙面において時計回りに回動させられ、これによりクリーニングブレード81は感光体ドラム側に移動してクリーニングブレード81の先端部が感光体ドラム1の最下位置BPと当接する。これにより感光体ドラム1に残留する液体現像剤がクリーニング除去される。なお、こうしてクリーニングブレード81により掻き取られた液体現像剤は感光体ドラム1の最下位置BPの鉛直方向の下方に配置された現像剤受け部材82により受け止められ、さらに現像剤受け部材82の傾斜面に沿って回収部材83の内部に流れ落ちて貯蔵される。
【0034】
次に、現像部5について説明する。ここで、まず現像部5の構成について図1および図2を参照しつつ説明した後で、現像部5の各部を駆動するための構成について図3および図4を参照しつつ説明する。
【0035】
図2は本発明の現像装置の第1実施形態たる現像部を示す図である。現像部5は、図1および図2に示すように、現像ローラー(現像剤担持体ローラー)51と、中間塗布ローラー(第2供給ローラー)52と、アニロックスローラー(第1供給ローラー)53とを有する、いわゆる3ローラー構成を有している。これらのローラー51〜53は、いずれも回転軸が感光体ドラム1の回転軸と平行に配置されながら両端部が一対の側板(図示省略)にそれぞれ回転自在に軸支されている。より詳しくは、各ローラー51〜53はそれぞれ以下のように構成されている。
【0036】
現像ローラー51は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBRなどの弾性層を設け、さらに外周部である現像ローラー表層にはPFAチューブや樹脂コーティングされたものである。この現像ローラー51は後述する第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1(図3)に接続されている。そして、装置全体を制御する制御部(図示省略)からの制御指令に応じて第1駆動モーターM1を作動させると、この第1駆動モーターM1からの駆動力により図1及び図2紙面において時計回りD51に回転駆動され、その表面が感光体ドラム1の表面と当接しながら感光体ドラム1と同方向に移動するように回転(以下「ウィズ回転」という)する。また、この現像ローラー51は図示を省略する現像バイアス発生部と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
【0037】
また、この現像ローラー51に対して液体現像剤を供給するために中間塗布ローラー52とアニロックスローラー53とが設けられており、アニロックスローラー53から中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51へ液体現像剤が供給される。これらのうち中間塗布ローラー52は現像ローラー51と同様に金属製内芯の外周部に弾性層を設けたものであるのに対し、アニロックスローラー53は液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に彫刻された螺旋溝などによる凹部パターンが形成されたローラーである。もちろん、アニロックスローラー53を、現像ローラー51や中間塗布ローラー52と同様に、金属の芯金にウレタン、NBRなどのゴム層を巻き付けたものや、PFAチューブを被せたものなどを用いてもよい。
【0038】
これらのローラーのうち中間塗布ローラー52は第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において時計回り回転され、その表面が現像ローラー51の表面と当接しながら現像ローラー51と逆方向に移動するように回転(以下「カウンター回転」という)する。一方、アニロックスローラー53は後述する第2駆動伝達部56(図4)を介して第2駆動モーターM2(図4)に接続されている。そして、制御部からの制御指令に応じて第2駆動モーターM2を作動させると、この第2駆動モーターM2からの駆動力により図1及び図2紙面において反時計回り回転され、その表面が中間塗布ローラー52の表面と当接しながら中間塗布ローラー52と同じ方向に移動する、つまり中間塗布ローラー52に対してウィズ方向に回転する。このように、本実施形態では、いわゆる3ローラー構成により液体現像剤を現像剤容器54から現像ローラー51に供給しているため、液体現像剤がニップを複数回通過することで、液体現像剤を十分に練ることができ、現像ローラー51にて均一な液体現像剤の膜を形成することが可能となる。
【0039】
本実施形態では、現像ローラー51から液体現像剤をクリーニング除去するために、クリーニング部が設けられている。このクリーニング部は、クリーニングローラー511およびローラークリーニングブレード512を有しており、現像ローラー51に対してクリーニングローラー511が当接されるとともに、このクリーニングローラー511に対してローラークリーニングブレード512が当接されており、現像ローラー51のクリーニング処理を行う。より詳しくは、クリーニングローラー511は第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1(図3)からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において時計回り回転され、現像ローラー51の表面と当接しながら現像ローラー51に対してカウンター方向に回転し、現像に寄与せずに現像ローラー51に残存する液体現像剤を除去する。また、このクリーニングローラー511の表面にローラークリーニングブレード512が当接して上記液体現像剤を掻き落として除去する。
【0040】
ローラークリーニングブレード512の鉛直方向の下方で、かつ中間塗布ローラー52の鉛直方向の上方で、傾斜部材513が配置されている。この傾斜部材513は、現像ローラー側(図2の左側)の端部が反現像ローラー側(図2の右側)の端部よりも鉛直方向に高くなっており、しかも現像ローラー51から離れるにしたがって鉛直方向の下方に傾斜し、現像剤容器54の回収部541の鉛直方向の上方まで延設されている。そして、現像ローラー側端部がローラークリーニングブレード512の鉛直方向の下方に位置するように傾斜部材513は側板に固定されている。
【0041】
また、この傾斜部材513では、幅方向Xの両端側でサイドフェンス(壁部位)5131が鉛直方向の上方に立設されている。しかも、各サイドフェンス5131は傾斜部材513の反現像ローラー側の端部に向かって延設されており、液体現像剤(廃液)を回収部541の鉛直方向の上方に案内する。そして、当該位置から回収された液体現像剤が回収部541に滴下される。したがって、傾斜部材513は、ローラークリーニングブレード512で回収された液体現像剤(廃液)を、全て受け止めて現像剤容器54の回収部541に流入させる。
【0042】
また、中間塗布ローラー52に対してクリーニングブレード521が当接しており、現像に寄与せずに中間塗布ローラー52に残存する液体現像剤を中間塗布ローラー52の表面から掻き落として除去する。
【0043】
このクリーニングブレード521の鉛直方向の下方で、傾斜部材522が配置されている。この傾斜部材522は、傾斜部材513と同様に、中間塗布ローラー側(図2の左側)の端部が反中間塗布ローラー側(図2の右側)の端部よりも鉛直方向に高くなっており、しかも中間塗布ローラー52から離れるにしたがって鉛直方向の下方に傾斜し、現像剤容器54の回収部541の鉛直方向の上方まで延設されている。そして、中間塗布ローラー側端部がクリーニングブレード521の鉛直方向の下方に位置するように傾斜部材522は側板に固定されている。
【0044】
また、この傾斜部材522では、幅方向Xの両端側でサイドフェンス(壁部位)5221が鉛直方向の上方に立設されている。しかも、各サイドフェンス5221は傾斜部材522の反中間塗布ローラー側端部に向かって延設されており、液体現像剤(廃液)を回収部541の鉛直方向の上方に案内する。そして、当該位置から回収された液体現像剤が回収部541に滴下される。したがって、傾斜部材522は、ローラークリーニングブレード521で回収された液体現像剤(廃液)を、全て受け止めて現像剤容器54の回収部541に流入させる。
【0045】
一方、アニロックスローラー53に対して規制部材531が当接されている。この規制部材531として、金属製あるいは表面に弾性体を被覆して構成した弾性を有する部材を用いることができるが、本実施形態にかかる規制部材531は、アニロックスローラー53の表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成されている。そして、規制部材531は、アニロックスローラー53によって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚や量などを規制調整し、現像ローラー51に供給する液体現像剤の量を調整する機能を有している。また、規制部材531により掻き取られた液体現像剤は現像剤容器54の貯留部542に戻される。なお、この貯留部542には撹拌オーガ543が配置されており、後述するように第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1(図3)からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において反時計回り回転され、貯留部542内で液体現像剤を撹拌する。
【0046】
現像剤容器54の貯留部542は上記のようにアニロックスローラー53および中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51に供給する液体現像剤を貯留する機能を有しており、図2に示すように、貯留部542の底面中央部に設けられた補給口5421から濃度調整された液体現像剤が適宜補給される。そして、貯留部542内では、撹拌オーガ543の回転によって液体現像剤が撹拌されるとともにその軸方向(図1及び図2紙面の垂直方向)に搬送される。本実施形態では、補給口5421を境として撹拌オーガ543の搬送方向が異なったものとなっており、補給口5421から流入した液体現像剤は同図紙面の表側と裏側とに分かれて搬送される。
【0047】
現像剤容器54では、回収部541と貯留部542とを仕切る壁部材544が軸方向(図1及び図2紙面に対して垂直な方向)に延設されている。この壁部材544の軸方向Xの両端部には、壁部材544の上端を部分的に切り欠いてなる回収口(図示省略)が設けられており、撹拌オーガ543により貯留部542内を搬送される液体現像剤が各回収口を通じてオーバーフローし、回収部541に流動させられるように構成されている。このようにオーバーフロー構造を採用することで、貯留部542内での液体現像剤の液面レベルを一定に保ち、アニロックスローラー53および中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51に対して均一に液体現像剤を供給可能となっている。
【0048】
このように回収部541に対しては、貯留部542からオーバーフローしてくる液体現像剤と、クリーニング除去されて回収される液体現像剤とが流入する。そして、この回収部541内には、回収オーガ(回収スクリュー)545が配置されており、後述するように第2駆動伝達部56(図4)を介して第2駆動モーターM2(図4)からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において時計回り回転され、回収した液体現像剤を現像ローラー51の回転軸方向と平行な一方向(図2紙面に対して垂直な方向)に搬送し、回収部541の側面に開口された搬送穴(図示省略)から流出させる。
【0049】
次に、図3および図4に基づき現像部5の各部を上記のように回転させる構成については説明する。図3は第1駆動モーターおよび第1駆動伝達部の構成を示す図であり、図4は第2駆動モーターおよび第2駆動伝達部の構成を示す図である。
【0050】
図3に示すように、第1駆動モーターM1は上記したように現像ローラー51、中間塗布ローラー52および撹拌オーガ543を駆動するための駆動源であり、第1駆動モーターM1で発生する回転駆動力は次の駆動輪列構成を有する第1駆動伝達部55によって現像ローラー51、中間塗布ローラー52および撹拌オーガ543の各回転軸に与えられる。このように、本実施形態では、第1駆動モーターM1および第1駆動伝達部55がそれぞれ本発明の「第1駆動源」および「駆動伝達部」に相当している。
【0051】
図3における符号550は第1駆動モーターM1の回転軸に取り付けられた出力軸歯車であり、この出力軸歯車550に対して現像駆動歯車551が歯合されている。この現像駆動歯車551は現像ローラー51の回転軸に取り付けられており、出力軸歯車550および現像駆動歯車551を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力が現像ローラー51の回転軸に与えられる。これによって、現像ローラー51は回転駆動される。
【0052】
現像駆動歯車551は第1アイドル歯車552とも歯合している。この第1アイドル歯車552と同軸に第2アイドル歯車553が取り付けられている。また、この第2アイドル歯車553にクリーニング駆動歯車554が歯合されている。このクリーニング駆動歯車554はクリーニングローラー511の回転軸に取り付けられており、歯車550〜554を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力がクリーニングローラー511の回転軸に与えられる。これによって、クリーニングローラー511は回転駆動される。
【0053】
第1アイドル歯車552に対しては、中間塗布ローラー52の回転軸に取り付けられた中間塗布駆動歯車555も歯合しており、歯車550〜552、555を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力が中間塗布ローラー52の回転軸に与えられる。これによって、中間塗布ローラー52は現像ローラー51に対してカウンター回転する。なお、本実施形態では、現像駆動歯車551、第1アイドル歯車552および中間塗布駆動歯車555の歯数が次の関係、
(現像駆動歯車551の歯数)>(第1アイドル歯車552の歯数)
(第1アイドル歯車552の歯数)=(中間塗布駆動歯車555の歯数)
を満足するように構成されている。このため、中間塗布ローラー52は現像ローラー51よりも速い回転周速で回転させられる。
【0054】
中間塗布駆動歯車555は第3アイドル歯車556とも歯合している。この第3アイドル歯車556と同軸に第4アイドル歯車557が取り付けられている。また、撹拌オーガ543の回転軸には、撹拌駆動歯車558が取り付けられている。そして、これら第4アイドル歯車557と撹拌駆動歯車558とはベルト559により連結されている。このため、歯車550〜552、555〜558およびベルト559を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力が撹拌オーガ543の回転軸に与えられる。これによって、撹拌オーガ543は図3紙面における反時計回りに回転する。
【0055】
図4に示すように、第2駆動モーターM2は上記したようにアニロックスローラー53および回収オーガ545を駆動するための駆動源であり、第2駆動モーターM2で発生する回転駆動力は次の駆動輪列構成を有する第2駆動伝達部56によってアニロックスローラー53および回収オーガ545の各回転軸に与えられる。このように、本実施形態では、第2駆動モーターM2が本発明の「第2駆動源」に相当している。
【0056】
図4における符号560は第2駆動モーターM2の回転軸に取り付けられた出力軸歯車であり、この出力軸歯車560に対してアニロックス駆動歯車561および第5アイドル歯車562が歯合されている。これらのうちアニロックス駆動歯車561はアニロックスローラー53の回転軸に取り付けられており、歯車560、561を介して第2駆動モーターM2で発生した駆動力がアニロックスローラー53の回転軸に与えられる。これによって、アニロックスローラー53は回転駆動される。
【0057】
また、出力軸歯車560は第5アイドル歯車562とも歯合し、さらに第5アイドル歯車562に対して回収駆動歯車563が歯合する。この回収駆動歯車563は回収オーガ545の回転軸に取り付けられており、歯車560、562、563を介して第2駆動モーターM2で発生した駆動力が回収オーガ545の回転軸に与えられる。これによって、回収オーガ545は回転駆動される。
【0058】
以上のように、第1実施形態では、第1駆動モーターM1で発生する駆動力を第1駆動伝達部55によって現像ローラー51および中間塗布ローラー52に与えて回転させるように構成しているため、次の作用効果が得られる。すなわち、駆動モーターM1の回転成分は周期的に変動し、また第1駆動伝達部55を構成する歯車のかみ合い周期変動が存在している。このため、現像ローラー51の回転周速V51および中間塗布ローラー52の回転周速V52には、例えば図5に示すように、周期変動が含まれている。例えば同図(a)は回転周速V51と回転周速V52との位相差が180゜のときの回転周速差を示し、また同図(b)が回転周速V51と回転周速V52との位相差が0゜のときの回転周速差を示している。このように回転周速差(=V52−V51)は位相差により変動し、位相差に対する回転周速差の変動率をまとめると、図6に示すグラフとなる。この図6から明らかなように、位相差が小さくなるにしたがって現像ローラー51と中間塗布ローラー52との回転周速差が少なく、中間塗布ローラー52から現像ローラー51に供給される液体現像剤の量を安定化することが可能となる。この点に関し、第1実施形態では、現像ローラー51および中間塗布ローラー52はともに第1駆動モーターM1を駆動源とし、しかも同一の第1駆動伝達部55を介して第1駆動モーターM1からの駆動力を受けているため、第1駆動モーターM1の回転成分の変動及び歯車のかみ合い周期変動の位相が揃うため、現像ローラー51と中間塗布ローラー52との回転周速差が小さくなり、現像ローラー51への液体現像剤の供給を安定化させることができる。
【0059】
また、上記第1実施形態では、中間塗布ローラー52は現像ローラー51と逆方向に現像ローラー51よりも速い回転周速で回転するように第1駆動伝達部55を構成する歯車551、552、555の歯数が設定されている。このため、上記のように中間塗布ローラー52に形成される液体現像剤層を伸張することなく、現像ローラー51に供給することができ、均された平滑な液体現像剤の層を現像ローラー51の表面に供給することができる。なお、中間塗布ローラー52が現像ローラー51の回転周速と同じ回転周速で回転するように構成してもよく、この場合も同様の作用効果が得られる。
【0060】
また、第1実施形態では、現像ローラー51および中間塗布ローラー52を駆動する駆動源(第1駆動モーターM1)とは別に第2駆動モーターM2を設け、制御部からの指令に応じて第2駆動モーターM2の回転数を制御してアニロックスローラー53の回転周速を調整している。このため、中間塗布ローラー52およびアニロックスローラー53の間で回転周速差を付けることができ、その回転周速差に応じて液体現像剤の供給量、つまり中間塗布ローラー52に形成される液体現像剤層の厚みを調整することができる。このように、本実施形態では、制御部が本発明の「調整部」として機能している。
【0061】
また、制御部からの指令によりアニロックスローラー53が中間塗布ローラー52よりも遅い回転周速で中間塗布ローラー52と同じ方向に移動する、つまり中間塗布ローラー52に対してウィズ方向に回転することで、回転精度を向上させることができる。この理由を図7および図8を参照しつつ説明する。
【0062】
図7は、中間塗布ローラーが現像ローラーおよびアニロックスローラーから受ける力を解析した図であり、同図(a)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも速くした場合を示し、同図(b)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも遅くした場合を示している。また、図8は中間塗布ローラーの回転周速の変動率を示すグラフであり、同図(a)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも速くした場合を示し、同図(b)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも遅くした場合を示している。第1実施形態にかかる現像部5では、中間塗布ローラー52は現像ローラー51から接線力(摩擦力)F21を受けるとともに、アニロックスローラー53から接線力(摩擦力)F23を受けるが、それらの接線力F21、F23の向きは中間塗布ローラー52の回転周速V52とアニロックスローラー53の回転周速V53との大小関係により異なってくる。すなわち、アニロックスローラー53の回転周速V53を中間塗布ローラー52の回転周速V52よりも速くした場合、図7(a)に示すように、接線力F21、F23の向きは互いに逆方向となり、歯車が噛み合う方向が定まらず、噛み合いが不安定となる。その結果、歯車のバックラッシ分の回転変動が発生して中間塗布ローラー52の回転周速V52の変動が大きくなる(図8(a)参照)。
【0063】
これに対し、アニロックスローラー53の回転周速V53を中間塗布ローラー52の回転周速V52よりも遅くした場合、図7(b)に示すように、接線力F21、F23の向きは同方向となり、中間塗布ローラー52が回転される方向に歯車が安定して噛み合い、予圧を与えることができる。その結果、図8(b)に示すように中間塗布ローラー52の回転周速V52の変動は小さく、中間塗布ローラー52を高精度に回転させることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、第1駆動モーターM1で発生した駆動力を撹拌オーガ543の回転軸に与えて撹拌オーガ543を回転させているため、次のような作用効果が得られる。上記現像部5では、2つの駆動モーターM1、M2が設けられているため、撹拌オーガ543を回転させるための駆動源として駆動モーターM1、M2の一方を用いることができる。ここで、第1実施形態のように、第1駆動モーターM1を撹拌オーガ543の駆動源として用いた場合、現像ローラー51と同輪列で駆動されるため、撹拌オーガ543の回転数が一定となる。そのため、図9(a)に示すように、現像剤容器54の貯留部542に貯留される液体現像剤の液面を安定化することができ、アニロックスローラー53により貯留部542から汲み上げられる液体現像剤の量を安定化することができる。その結果、現像ローラー51に塗布される液体現像剤の量は一定となり、画像濃度ムラを発生させることなく、優れた画像品質で現像することができる。
【0065】
これに対し、アニロックスローラー53の駆動源たる第2駆動モーターM2を撹拌オーガ543の駆動源として用いると、図9(b)に示すように、現像剤容器54の貯留部542に貯留される液体現像剤の液面が暴れてしまうことがある。というのも、アニロックスローラー53の回転数は必要な塗布量に応じて随時変更されるため、それに伴って撹拌オーガ543の回転数も変更されるからである。このため、貯留部542では、液体現像剤の液面レベルが大きく変動してしまい、アニロックスローラー53による液体現像剤の汲み上げ量がばらつくことがある。その結果、現像ローラー51に塗布される液体現像剤の量が変動し、画像濃度ムラは発生することがある。
【0066】
このように、現像ローラー51の駆動源たる第1駆動モーターM1で発生する駆動力を第1駆動伝達部55により撹拌オーガ543に与えて回転させるように構成した第1実施形態によれば、液体現像剤の塗布量を安定化させて画像品質の向上を図ることができる。
【0067】
さらに、上記第1実施形態では、回収オーガ545の駆動源として第2駆動モーターM2を用いているため、次の作用効果が得られる。回収オーガ545は現像剤容器54の回収部541に配設されており、回収部541に回収された液体現像剤(回収液)を搬送して回収部541から回収液が溢れ出すのを防止する機能を担っている。この回収部541に回収される液体現像剤の量はアニロックスローラー53により汲み上げられる量に比例して増減する。このため、アニロックスローラー53により汲み上げられる最大量に対応した回転数で回収オーガ545を常時回転させておくと、回収部541から回収液の溢れを未然に防止することができる。しかしながら、高回転数を維持すると、軸端のシール(図示省略)の磨耗・劣化が進行し易くなる。そこで、本実施形態では、アニロックスローラー53により汲み上げられる量がアニロックスローラー53の回転数に比例することに着目し、図4に示すように、アニロックスローラー53の駆動源たる第2駆動モーターM2に対し、第2駆動伝達部56を介して回収オーガ545を接続している。つまり、アニロックスローラー53の回転数と比例して回収オーガ545の回転数が増減するように構成している。これによって、アニロックスローラー53の回転数を増加させて多くの液体現像剤を使用するときには回収オーガ545の回転数を高めて回収部541からの回収液の溢れを防止する一方、アニロックスローラー53の回転数を減少させて液体現像剤の使用量を抑えたときには回収オーガ545の回転数も低下させてシールの劣化を防止することができる。このように、液体現像剤の使用状況に応じて回収オーガ545の回転数を制御することで、回収液の溢れ防止とシール劣化の防止とを達成することができる。
【0068】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第1駆動伝達部55および第2駆動伝達部56の構成は上記第1実施形態で採用された構成に限定されるものではなく、例えば図10に示すように、第1駆動モーターM1の回転軸がカップリング(接続部材)57を介して現像ローラー51の回転軸の一方端に直結してもよい(第2実施形態)。この第2実施形態では、カップリング57は、第1駆動モーターM1の回転軸と同軸に配設された第1の駆動伝達部材(図示省略)及び現像ローラー51の回転軸と同軸に配設されて第1の駆動伝達部材と接続された第2の駆動伝達部材(図示省略)を有している。したがって、歯車550、551を介して第1駆動モーターM1と現像ローラー51とを接続した第1実施形態に比べて回転精度を高めることができ、好適である。また、このようにダイレクトドライブ方式を採用した第2実施形態では、例えば図10および図11に示すように、現像ローラー51の回転軸の他方端に歯車551を取り付けるとともに、第1実施形態と同様に、歯車552〜558およびベルト559を設け、現像ローラー51の回転とともに、中間塗布ローラー52および撹拌オーガ543が回転するように構成してもよい。なお、図10中の符号91は画像形成装置全体を制御する制御部であり、符号92、93は、制御部91からの制御指令に基づき、それぞれ駆動モーターM1、M2を駆動させる第1モーター駆動部および第2モーター駆動部であり、制御部91が本発明の「調整部」として機能する。
【0069】
また、第1駆動伝達部55を構成する歯車数を低減するために、第1駆動モーターM1としてギア内蔵モーターを用いてもよい。
【0070】
さらに、上記実施形態では、いわゆる下部転写構造を有する画像形成装置に対して本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPの鉛直方向の上方で、感光体ドラム1に担持される像を転写する、いわゆる上部転写構造を有する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1…感光体ドラム(潜像担持体)、 5…現像部(現像装置)、 51…現像ローラー(現像剤担持体ローラー)、 52…中間塗布ローラー(第2供給ローラー)、 53…アニロックスローラー(第1供給ローラー)、 54…現像剤容器、 57…カップリング(駆動伝達部)、 91…制御部、 511…クリーニングローラー、 512…ローラークリーニングブレード、 541…回収部、 542…貯留部、 543…撹拌オーガ(撹拌部材)、 545…回収オーガ(搬送部材)、 M1…第1駆動モーター(第1駆動源)、 M2…第2駆動モーター(第2駆動源)、 V51…(現像ローラーの)回転周速、 V52…(中間塗布ローラーの)回転周速、 V53…(アニロックスローラーの)回転周速
【技術分野】
【0001】
この発明は、トナーおよびキャリア液体を含む液体現像剤で現像する現像装置および該現像装置を装備する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、帯電している感光体に静電潜像を形成し、キャリア液体にトナーを分散した液体現像剤により静電潜像を現像してトナー像を形成する液体現像方式の画像形成装置が実用化されている。例えば特許文献1に記載の画像形成装置で採用されている現像装置では、現像ローラー用モーターによって回転駆動される現像ローラーに担持させるための液体現像剤を貯留する供給部が現像剤容器に設けられている。そして、螺旋状等の溝による凹凸面を形成したアニロクスローラーが現像ローラーに当接するとともに上記モーターと異なるアニロクスローラー用モーターによって回転駆動されて現像剤容器の供給部から現像ローラーへの液体現像剤の供給を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−204973号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記現像装置は、アニロクスローラーが現像ローラーに当接するとともに回転して現像ローラーに液体現像剤を供給する、いわゆる2ローラー構造を採用しているが、現像ローラーの保護に観点から両者の間に中間塗布ローラーを介在させた、いわゆる3ローラー構造が提案されている。ここで、中間塗布ローラーを回転駆動するためのモーターをさらに追加すると、装置コストの増大を招くのみならず、追加モーターの発熱による影響を考慮する必要があり、現像装置、さらには当該現像装置を装備する画像形成装置全体に関わる対策が必要になる。そこで、3ローラー構造においても2台でのモーターによって各ローラーを高精度に駆動させて容器内の液体現像剤を現像ローラーに良好に供給するための技術が要望されている。
【0005】
この発明にかかるいくつかの態様は、現像剤容器の貯留部に貯留される液体現像剤を第1供給ローラーおよび第2供給ローラーを介して現像剤担持体ローラーに供給する、いわゆる3ローラー構造の現像装置および当該現像装置を装備する画像形成装置において、2つの駆動源により第1供給ローラー、第2供給ローラーおよび現像剤担持体ローラーを高精度に駆動して現像剤担持体ローラーに液体現像剤を良好に塗布する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1の態様は、現像装置であって、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部と、回転して貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラーと、第1供給ローラーと当接するとともに回転して第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラーと、第2供給ローラーと当接するとともに回転して第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーと、現像剤担持体ローラーと第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、この発明の第2の態様は、画像形成装置であって、潜像が形成される潜像担持体と、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部、回転して貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラー、第1供給ローラーと当接するとともに回転して第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラー、及び第2供給ローラーと当接するとともに回転して第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーを有し、潜像担持体に形成された潜像を現像する現像部と、現像剤担持体ローラーと第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明(現像装置および画像形成装置)では、貯留部に貯留される液体現像剤が第1供給ローラーにより第2供給ローラーに供給され、さらに第2供給ローラーから現像剤担持体ローラーに供給される。そして、これらのうち、現像剤担持体ローラーと第2供給ローラーは第1駆動源により駆動されるため、現像剤担持体ローラーおよび第2供給ローラーの回転周速の誤差は小さくなる。また、第1供給ローラーが第1駆動源と異なる第2駆動源により駆動されるため、第2供給ローラーの回転周速と異なる回転周速で第1供給ローラーを駆動することができ、現像剤担持体ローラーへの液体現像剤の供給量を調整可能となっている。つまり、第1供給ローラーおよび第2供給ローラーの回転周速差に基づき第1供給ローラーから第2供給ローラーに供給される液体現像剤の供給量が調整され、それによって第2供給ローラーから現像剤担持体ローラーに供給される液体現像剤の量を調整可能となっており、現像剤担持体ローラーに液体現像剤を良好に塗布することができる。
【0009】
ここで、第1駆動源で発生する駆動力を現像剤担持体ローラーおよび第2供給ローラーに伝達し、現像剤担持体ローラーを回転させるとともに、現像剤担持体ローラーの回転方向と同じ方向に回転させ、かつ現像剤担持体ローラーの回転周速と同じ、もしくは現像剤担持体ローラーの回転周速よりも速く第2供給ローラーを回転させる駆動伝達部を備えてもよい。
【0010】
また、駆動伝達部は、第1駆動源の回転軸と同軸に配設された第1の駆動伝達部材、及び現像剤担持体ローラーの回転軸と同軸に配設されて第1の駆動伝達部材と接続された第2の駆動伝達部材を有してもよい。
【0011】
また、第2駆動源で発生された駆動力により、第1供給ローラーは第2供給ローラーの回転方向と逆方向に回転し、かつ第2供給ローラーの回転周速よりも遅く回転するように構成してもよい。
【0012】
第1供給ローラーの回転周速を調整する調整部を備えてもよい。
【0013】
また、貯留部に配設され、第1駆動源で発生する駆動力を受けて回転して貯留部に貯留される液体現像剤を撹拌する撹拌部材を備えてもよい。
【0014】
さらに、現像剤担持体ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部と、クリーニング部で回収された液体現像剤を貯留する回収部と、回収部に配設され、第2駆動源で発生する駆動力を受けて回転して回収部に回収された液体現像剤を搬送する搬送部材と、を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる現像装置の第1実施形態を装備した画像形成装置を示す図。
【図2】本発明の現像装置の第1実施形態たる現像部を示す図。
【図3】第1駆動モーターおよび第1駆動伝達部の構成を示す図。
【図4】第2駆動モーターおよび第2駆動伝達部の構成を示す図。
【図5】現像ローラーと中間塗布ローラーとの回転周速差を示す図。
【図6】位相差と回転周速の変動率との関係を示すグラフ。
【図7】中間塗布ローラーが現像ローラーおよびアニロックスローラーから受ける力を解析した図。
【図8】中間塗布ローラーの回転周速の変動率を示すグラフ。
【図9】駆動源に相違による貯留部での液面レベルの様子を示す模式図。
【図10】本発明にかかる現像装置の第2実施形態を示す図。
【図11】図10の装置の部分拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明にかかる現像装置の第1実施形態を装備した画像形成装置を示す図である。この画像形成装置は、感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPの鉛直方向の下方で、感光体ドラム1に担持される像を1次転写部2のブランケットローラー21に転写し、さらにブランケットローラー21に転写された像を転写紙に転写する、いわゆる下部転写構造を有している。なお、図1の画像形成装置は後述するように単色のトナー像を形成して転写紙に転写するものであり、同装置を複数台、例えば4台配列してカラー印刷システムを構成することが可能である。もちろん、図1の装置は単独でモノクロの画像形成装置としても機能する。
【0017】
この画像形成装置では、感光体ドラム1は、アモルファスシリコン感光体などの感光体材料からなる感光層を表面に有している。そして、その回転軸が主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように感光体ドラム1は配置されており、図1中矢印D1の方向に所定速度で回転駆動される。
【0018】
感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1表面を所定の電位に帯電させる帯電部3と、感光体ドラム1表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成する露光部4と、該静電潜像を液体現像剤で現像してトナー像を形成する現像部5と、第1スクイーズ部6と、第2スクイーズ部7と、1次転写部2のブランケットローラー21と、一次転写後の感光体ドラム1の表面をクリーニングする感光体クリーニング部8とが、それぞれこれらの順に感光体ドラム1の回転方向D1(図1では、反時計回り)に沿って配設されている。
【0019】
帯電部3は、6個の帯電器31と帯電器気流ダクト32とを有しており、図1紙面において、感光体ドラム1の回転中心を通る仮想鉛直面VPに対して右側で、しかも感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPに対して鉛直方向の下方に配されている。これらの帯電器31は感光体ドラム1の表面に接触しないものであり、感光体ドラム1の回転方向D1に沿って6個配列されている。帯電器31としては、例えば従来周知慣用のコロナ帯電器を用いることができる。コロナ帯電器にスコロトロン帯電器を用いた場合には、スコロトロン帯電器のチャージワイヤにはワイヤ電流が流されるとともに、グリッドには直流(DC)のグリッド帯電バイアスが印加される。このように帯電器31によるコロナ放電で感光体ドラム1が帯電されることで、感光体ドラム1の表面の電位が略均一の電位に設定される。また、帯電器気流ダクト32は帯電器31に向けて外気を導入する外気導入経路(図示省略)と、帯電器31での放電により発生する雰囲気を排気する排気経路(図示省略)とを有しており、帯電処理が行われる雰囲気を換気して雰囲気管理を行う。
【0020】
露光部4は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して右側で、しかも仮想水平面HP上に配されて外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームにより感光体ドラム1表面を露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。本実施形態では、この露光部4として発光素子を主走査方向(図1紙面に垂直な方向)に配列したラインヘッドを用いているが、これ以外に半導体レーザからの光ビームをポリゴンミラーにより主走査方向に走査させるもの等を用いてもよい。なお、本実施形態では、露光部4を仮想水平面HP上に配しているが、露光部4の配設位置はこれに限定されるものではなく、仮想水平面HPの鉛直方向の上方または下方に配してもよい。
【0021】
こうして形成された静電潜像に対し、本発明にかかる現像装置の第1実施形態たる現像部5から液体現像剤が付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。本実施形態では、絶縁性液体を主成分とするキャリア液体内に、着色された樹脂粒子をトナーとして概略重量比25%程度に分散させた液体現像剤を用いており、トナーは電界中を電気泳動可能なように電荷を有している。なお、この現像剤濃度については、上記25%に限定されるものではなく、10〜30%であってもよい。また、キャリア液体としては、例えばIsopar(エクソン社商標)、シリコンオイル、ノルマルパラフィンオイルなどが使用される。また、電気抵抗値は1010Ω・cm以上、望ましくは1012Ω・cm以上が好ましい。というのも、抵抗が低い場合には、トナーが電気泳動する過程で余剰な電流が流れ、移動に必要な電界が維持できない可能性があるからである。さらに、こうして調製された液体現像剤の粘度は、トナーを構成する樹脂や分散剤・荷電制御剤で左右されるが、50〜500[mPa・s]の粘度を示す液体現像剤を用いることができ、本実施形態では400[mPa・s]の液体現像剤を用いている。なお、現像部5の構成および動作については、後で詳述する。
【0022】
上記液体現像剤により静電潜像が現像される現像位置に対し、感光体ドラム1の回転方向D1の下流側では、第1スクイーズ部6が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部6の下流側に第2スクイーズ部7が配置されている。この実施形態では、第1スクイーズ部6のスクイーズローラー61および第2スクイーズ部7のスクイーズローラー71はいずれも図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の上方に配されている。
【0023】
この第1スクイーズ部6には、不図示のバネにより感光体ドラム1方向に付勢されたスクイーズローラー61が設けられている。そして、スクイーズローラー61が第1スクイーズ位置で感光体ドラム1の表面と当接しながら図示しないモーターにより回転駆動されてトナー像の余剰現像剤を除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー61に対して第1スクイーズバイアス発生部(図示省略)が電気的に接続されており、適当なタイミングで第1スクイーズバイアスが印加されるように構成されている。また、スクイーズローラー61の表面に対してクリーニングブレード62が当接し、ローラー表面に付着する液体現像剤を掻き取る。そして、こうして掻き取られた液体現像剤は回収部材63に回収される。
【0024】
また、第2スクイーズ部7では、感光体ドラム1の回転方向D1において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置でスクイーズローラー71が感光体ドラム1の表面と当接しながら回転してトナー像の余剰キャリア液体やカブリトナーを除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、第1スクイーズ部6と同様に、スクイーズローラー71に対して第2スクイーズバイアス発生部(図示省略)が電気的に接続されており、適当なタイミングで第2スクイーズバイアスが印加されるように構成されている。また、スクイーズローラー71の表面に対してクリーニングブレード72が当接し、ローラー表面に付着する液体現像剤を掻き取る。そして、こうして掻き取られた液体現像剤はガイド部材73により感光体ドラム1から離れる方向に案内され、ガイド部材73の鉛直方向の下方に配置された回収部材74に回収される。
【0025】
なお、本実施形態では2つのスクイーズ部6、7を設けているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
【0026】
第1および第2スクイーズ部6、7を通過してきた感光体ドラム1には装置外部から与えられた画像信号に対応するトナー像が形成されており、一次転写位置TR1でブランケットローラー21に転写される。このブランケットローラー21を含む転写部2は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の下方に配されている。この転写部2は、ブランケットローラー21と、ブランケットローラー21にキャリア液体を塗布するキャリア塗布機構22と、ブランケットローラー21のクリーニング部23と、二次転写ローラー24と、二次転写ローラー24のクリーニング部25とを有している。
【0027】
ブランケットローラー21の表面は、鉛直方向での感光体ドラム1の鉛直方向の下方で仮想鉛直面VPと交差する位置(以下「最下位置」という)BPに対し、感光体ドラム1の回転方向D1の上流側で感光体ドラム1の表面と当接して一次転写ニップを形成している。この一次転写ニップの形成位置が一次転写位置TR1となる。また、ブランケットローラー21は図示を省略するモーターと接続されており、図1及び図2紙面において時計回りD21に回転駆動されて感光体ドラム1に対してウィズ回転する。こうして感光体ドラム1に担持されるトナー像が一次転写位置TR1でブランケットローラー21に一次転写される。
【0028】
また、ブランケットローラー21の回転方向D21における一次転写位置TR1の下流側でブランケットローラー21に対し、二次転写ローラー24が当接しながらウィズ回転して二次転写ニップを形成する。この二次転写ニップの形成位置が二次転写位置TR2となる。したがって、図示を省略する搬送部により転写紙が二次転写位置TR2に給紙されて二次転写ニップを通過することでブランケットローラー21に転写されたトナー像が転写紙に二次転写される。こうして、上記した液体現像剤を用いた像が転写紙に印刷される。
【0029】
また、ブランケットローラー21の回転方向D21において二次転写位置TR2の下流側に、キャリア塗布機構22が配置されて二次転写後のブランケットローラー21の表面にキャリア液体を塗布する。このキャリア液体の塗布処理を行うために、キャリア塗布機構22は、ブランケットローラー21に対してウィズ回転するキャリア塗布ローラー221と、キャリア液体を貯蔵するキャリア貯蔵部材222と、キャリア貯蔵部材222からキャリア液体を汲み上げてキャリア塗布ローラー221に供給するキャリア汲み上げローラー223とを有している。
【0030】
ブランケットローラー21の回転方向D21においてキャリア塗布機構22の下流側でかつ一次転写位置TR1の上流側にクリーニング部23が配置されて一次転写直前にブランケットローラー21の表面をクリーニングする。このクリーニング処理を行うために、クリーニング部23は、ブランケットローラー21に対してカウンター方向に回転するクリーニングローラー231と、クリーニングローラー231に当接してクリーニングローラー231をクリーニングするクリーニングブレード232と、クリーニングブレード232により掻き取られたトナーやキャリア液体を回収する回収部材233とを有している。
【0031】
二次転写ローラー24の回転方向において二次転写位置TR2の上流側でクリーニング部25が配置されて二次転写直前に二次転写ローラー24の表面をクリーニングする。このクリーニング処理を行うために、クリーニング部25は、二次転写ローラー24に当接して二次転写ローラー24をクリーニングするクリーニングブレード251と、クリーニングブレード251により掻き取られたトナーやキャリア液体を回収する回収部材252とを有している。
【0032】
感光体ドラム1の回転方向D1において一次転写位置TR1の下流側で、かつ帯電位置の上流側に、感光体クリーニング部8が配置されている。この感光体クリーニング部8は、クリーニングブレード81と、感光体ドラム1の最下位置BPから垂れ落ちる液体現像剤を受ける現像剤受け部材82と、現像剤受け部材に受け止められた現像剤を回収する回収部材83と、これらクリーニングブレード81、現像剤受け部材82および回収部材83を一体的に支持する支持部材84とを有している。そして、この支持部材84は回動軸85を回動中心として回動自在となっている。
【0033】
また、支持部材84にはバネ部材(図示省略)が接続されて図1紙面において反時計回りに支持部材84を付勢し、クリーニングブレード81を感光体ドラム1から離間する方向に作用している。一方、支持部材84の反感光体ドラム側(図1の右側)の端部には係合部841が突設されており、図示を省略する可動片が係合部841を上記付勢力よりも大きな応力で押し下げると、支持部材84は図1紙面において時計回りに回動させられ、これによりクリーニングブレード81は感光体ドラム側に移動してクリーニングブレード81の先端部が感光体ドラム1の最下位置BPと当接する。これにより感光体ドラム1に残留する液体現像剤がクリーニング除去される。なお、こうしてクリーニングブレード81により掻き取られた液体現像剤は感光体ドラム1の最下位置BPの鉛直方向の下方に配置された現像剤受け部材82により受け止められ、さらに現像剤受け部材82の傾斜面に沿って回収部材83の内部に流れ落ちて貯蔵される。
【0034】
次に、現像部5について説明する。ここで、まず現像部5の構成について図1および図2を参照しつつ説明した後で、現像部5の各部を駆動するための構成について図3および図4を参照しつつ説明する。
【0035】
図2は本発明の現像装置の第1実施形態たる現像部を示す図である。現像部5は、図1および図2に示すように、現像ローラー(現像剤担持体ローラー)51と、中間塗布ローラー(第2供給ローラー)52と、アニロックスローラー(第1供給ローラー)53とを有する、いわゆる3ローラー構成を有している。これらのローラー51〜53は、いずれも回転軸が感光体ドラム1の回転軸と平行に配置されながら両端部が一対の側板(図示省略)にそれぞれ回転自在に軸支されている。より詳しくは、各ローラー51〜53はそれぞれ以下のように構成されている。
【0036】
現像ローラー51は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBRなどの弾性層を設け、さらに外周部である現像ローラー表層にはPFAチューブや樹脂コーティングされたものである。この現像ローラー51は後述する第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1(図3)に接続されている。そして、装置全体を制御する制御部(図示省略)からの制御指令に応じて第1駆動モーターM1を作動させると、この第1駆動モーターM1からの駆動力により図1及び図2紙面において時計回りD51に回転駆動され、その表面が感光体ドラム1の表面と当接しながら感光体ドラム1と同方向に移動するように回転(以下「ウィズ回転」という)する。また、この現像ローラー51は図示を省略する現像バイアス発生部と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
【0037】
また、この現像ローラー51に対して液体現像剤を供給するために中間塗布ローラー52とアニロックスローラー53とが設けられており、アニロックスローラー53から中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51へ液体現像剤が供給される。これらのうち中間塗布ローラー52は現像ローラー51と同様に金属製内芯の外周部に弾性層を設けたものであるのに対し、アニロックスローラー53は液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に彫刻された螺旋溝などによる凹部パターンが形成されたローラーである。もちろん、アニロックスローラー53を、現像ローラー51や中間塗布ローラー52と同様に、金属の芯金にウレタン、NBRなどのゴム層を巻き付けたものや、PFAチューブを被せたものなどを用いてもよい。
【0038】
これらのローラーのうち中間塗布ローラー52は第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において時計回り回転され、その表面が現像ローラー51の表面と当接しながら現像ローラー51と逆方向に移動するように回転(以下「カウンター回転」という)する。一方、アニロックスローラー53は後述する第2駆動伝達部56(図4)を介して第2駆動モーターM2(図4)に接続されている。そして、制御部からの制御指令に応じて第2駆動モーターM2を作動させると、この第2駆動モーターM2からの駆動力により図1及び図2紙面において反時計回り回転され、その表面が中間塗布ローラー52の表面と当接しながら中間塗布ローラー52と同じ方向に移動する、つまり中間塗布ローラー52に対してウィズ方向に回転する。このように、本実施形態では、いわゆる3ローラー構成により液体現像剤を現像剤容器54から現像ローラー51に供給しているため、液体現像剤がニップを複数回通過することで、液体現像剤を十分に練ることができ、現像ローラー51にて均一な液体現像剤の膜を形成することが可能となる。
【0039】
本実施形態では、現像ローラー51から液体現像剤をクリーニング除去するために、クリーニング部が設けられている。このクリーニング部は、クリーニングローラー511およびローラークリーニングブレード512を有しており、現像ローラー51に対してクリーニングローラー511が当接されるとともに、このクリーニングローラー511に対してローラークリーニングブレード512が当接されており、現像ローラー51のクリーニング処理を行う。より詳しくは、クリーニングローラー511は第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1(図3)からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において時計回り回転され、現像ローラー51の表面と当接しながら現像ローラー51に対してカウンター方向に回転し、現像に寄与せずに現像ローラー51に残存する液体現像剤を除去する。また、このクリーニングローラー511の表面にローラークリーニングブレード512が当接して上記液体現像剤を掻き落として除去する。
【0040】
ローラークリーニングブレード512の鉛直方向の下方で、かつ中間塗布ローラー52の鉛直方向の上方で、傾斜部材513が配置されている。この傾斜部材513は、現像ローラー側(図2の左側)の端部が反現像ローラー側(図2の右側)の端部よりも鉛直方向に高くなっており、しかも現像ローラー51から離れるにしたがって鉛直方向の下方に傾斜し、現像剤容器54の回収部541の鉛直方向の上方まで延設されている。そして、現像ローラー側端部がローラークリーニングブレード512の鉛直方向の下方に位置するように傾斜部材513は側板に固定されている。
【0041】
また、この傾斜部材513では、幅方向Xの両端側でサイドフェンス(壁部位)5131が鉛直方向の上方に立設されている。しかも、各サイドフェンス5131は傾斜部材513の反現像ローラー側の端部に向かって延設されており、液体現像剤(廃液)を回収部541の鉛直方向の上方に案内する。そして、当該位置から回収された液体現像剤が回収部541に滴下される。したがって、傾斜部材513は、ローラークリーニングブレード512で回収された液体現像剤(廃液)を、全て受け止めて現像剤容器54の回収部541に流入させる。
【0042】
また、中間塗布ローラー52に対してクリーニングブレード521が当接しており、現像に寄与せずに中間塗布ローラー52に残存する液体現像剤を中間塗布ローラー52の表面から掻き落として除去する。
【0043】
このクリーニングブレード521の鉛直方向の下方で、傾斜部材522が配置されている。この傾斜部材522は、傾斜部材513と同様に、中間塗布ローラー側(図2の左側)の端部が反中間塗布ローラー側(図2の右側)の端部よりも鉛直方向に高くなっており、しかも中間塗布ローラー52から離れるにしたがって鉛直方向の下方に傾斜し、現像剤容器54の回収部541の鉛直方向の上方まで延設されている。そして、中間塗布ローラー側端部がクリーニングブレード521の鉛直方向の下方に位置するように傾斜部材522は側板に固定されている。
【0044】
また、この傾斜部材522では、幅方向Xの両端側でサイドフェンス(壁部位)5221が鉛直方向の上方に立設されている。しかも、各サイドフェンス5221は傾斜部材522の反中間塗布ローラー側端部に向かって延設されており、液体現像剤(廃液)を回収部541の鉛直方向の上方に案内する。そして、当該位置から回収された液体現像剤が回収部541に滴下される。したがって、傾斜部材522は、ローラークリーニングブレード521で回収された液体現像剤(廃液)を、全て受け止めて現像剤容器54の回収部541に流入させる。
【0045】
一方、アニロックスローラー53に対して規制部材531が当接されている。この規制部材531として、金属製あるいは表面に弾性体を被覆して構成した弾性を有する部材を用いることができるが、本実施形態にかかる規制部材531は、アニロックスローラー53の表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成されている。そして、規制部材531は、アニロックスローラー53によって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚や量などを規制調整し、現像ローラー51に供給する液体現像剤の量を調整する機能を有している。また、規制部材531により掻き取られた液体現像剤は現像剤容器54の貯留部542に戻される。なお、この貯留部542には撹拌オーガ543が配置されており、後述するように第1駆動伝達部55(図3)を介して第1駆動モーターM1(図3)からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において反時計回り回転され、貯留部542内で液体現像剤を撹拌する。
【0046】
現像剤容器54の貯留部542は上記のようにアニロックスローラー53および中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51に供給する液体現像剤を貯留する機能を有しており、図2に示すように、貯留部542の底面中央部に設けられた補給口5421から濃度調整された液体現像剤が適宜補給される。そして、貯留部542内では、撹拌オーガ543の回転によって液体現像剤が撹拌されるとともにその軸方向(図1及び図2紙面の垂直方向)に搬送される。本実施形態では、補給口5421を境として撹拌オーガ543の搬送方向が異なったものとなっており、補給口5421から流入した液体現像剤は同図紙面の表側と裏側とに分かれて搬送される。
【0047】
現像剤容器54では、回収部541と貯留部542とを仕切る壁部材544が軸方向(図1及び図2紙面に対して垂直な方向)に延設されている。この壁部材544の軸方向Xの両端部には、壁部材544の上端を部分的に切り欠いてなる回収口(図示省略)が設けられており、撹拌オーガ543により貯留部542内を搬送される液体現像剤が各回収口を通じてオーバーフローし、回収部541に流動させられるように構成されている。このようにオーバーフロー構造を採用することで、貯留部542内での液体現像剤の液面レベルを一定に保ち、アニロックスローラー53および中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51に対して均一に液体現像剤を供給可能となっている。
【0048】
このように回収部541に対しては、貯留部542からオーバーフローしてくる液体現像剤と、クリーニング除去されて回収される液体現像剤とが流入する。そして、この回収部541内には、回収オーガ(回収スクリュー)545が配置されており、後述するように第2駆動伝達部56(図4)を介して第2駆動モーターM2(図4)からの駆動力を受けて図1及び図2紙面において時計回り回転され、回収した液体現像剤を現像ローラー51の回転軸方向と平行な一方向(図2紙面に対して垂直な方向)に搬送し、回収部541の側面に開口された搬送穴(図示省略)から流出させる。
【0049】
次に、図3および図4に基づき現像部5の各部を上記のように回転させる構成については説明する。図3は第1駆動モーターおよび第1駆動伝達部の構成を示す図であり、図4は第2駆動モーターおよび第2駆動伝達部の構成を示す図である。
【0050】
図3に示すように、第1駆動モーターM1は上記したように現像ローラー51、中間塗布ローラー52および撹拌オーガ543を駆動するための駆動源であり、第1駆動モーターM1で発生する回転駆動力は次の駆動輪列構成を有する第1駆動伝達部55によって現像ローラー51、中間塗布ローラー52および撹拌オーガ543の各回転軸に与えられる。このように、本実施形態では、第1駆動モーターM1および第1駆動伝達部55がそれぞれ本発明の「第1駆動源」および「駆動伝達部」に相当している。
【0051】
図3における符号550は第1駆動モーターM1の回転軸に取り付けられた出力軸歯車であり、この出力軸歯車550に対して現像駆動歯車551が歯合されている。この現像駆動歯車551は現像ローラー51の回転軸に取り付けられており、出力軸歯車550および現像駆動歯車551を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力が現像ローラー51の回転軸に与えられる。これによって、現像ローラー51は回転駆動される。
【0052】
現像駆動歯車551は第1アイドル歯車552とも歯合している。この第1アイドル歯車552と同軸に第2アイドル歯車553が取り付けられている。また、この第2アイドル歯車553にクリーニング駆動歯車554が歯合されている。このクリーニング駆動歯車554はクリーニングローラー511の回転軸に取り付けられており、歯車550〜554を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力がクリーニングローラー511の回転軸に与えられる。これによって、クリーニングローラー511は回転駆動される。
【0053】
第1アイドル歯車552に対しては、中間塗布ローラー52の回転軸に取り付けられた中間塗布駆動歯車555も歯合しており、歯車550〜552、555を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力が中間塗布ローラー52の回転軸に与えられる。これによって、中間塗布ローラー52は現像ローラー51に対してカウンター回転する。なお、本実施形態では、現像駆動歯車551、第1アイドル歯車552および中間塗布駆動歯車555の歯数が次の関係、
(現像駆動歯車551の歯数)>(第1アイドル歯車552の歯数)
(第1アイドル歯車552の歯数)=(中間塗布駆動歯車555の歯数)
を満足するように構成されている。このため、中間塗布ローラー52は現像ローラー51よりも速い回転周速で回転させられる。
【0054】
中間塗布駆動歯車555は第3アイドル歯車556とも歯合している。この第3アイドル歯車556と同軸に第4アイドル歯車557が取り付けられている。また、撹拌オーガ543の回転軸には、撹拌駆動歯車558が取り付けられている。そして、これら第4アイドル歯車557と撹拌駆動歯車558とはベルト559により連結されている。このため、歯車550〜552、555〜558およびベルト559を介して第1駆動モーターM1で発生した駆動力が撹拌オーガ543の回転軸に与えられる。これによって、撹拌オーガ543は図3紙面における反時計回りに回転する。
【0055】
図4に示すように、第2駆動モーターM2は上記したようにアニロックスローラー53および回収オーガ545を駆動するための駆動源であり、第2駆動モーターM2で発生する回転駆動力は次の駆動輪列構成を有する第2駆動伝達部56によってアニロックスローラー53および回収オーガ545の各回転軸に与えられる。このように、本実施形態では、第2駆動モーターM2が本発明の「第2駆動源」に相当している。
【0056】
図4における符号560は第2駆動モーターM2の回転軸に取り付けられた出力軸歯車であり、この出力軸歯車560に対してアニロックス駆動歯車561および第5アイドル歯車562が歯合されている。これらのうちアニロックス駆動歯車561はアニロックスローラー53の回転軸に取り付けられており、歯車560、561を介して第2駆動モーターM2で発生した駆動力がアニロックスローラー53の回転軸に与えられる。これによって、アニロックスローラー53は回転駆動される。
【0057】
また、出力軸歯車560は第5アイドル歯車562とも歯合し、さらに第5アイドル歯車562に対して回収駆動歯車563が歯合する。この回収駆動歯車563は回収オーガ545の回転軸に取り付けられており、歯車560、562、563を介して第2駆動モーターM2で発生した駆動力が回収オーガ545の回転軸に与えられる。これによって、回収オーガ545は回転駆動される。
【0058】
以上のように、第1実施形態では、第1駆動モーターM1で発生する駆動力を第1駆動伝達部55によって現像ローラー51および中間塗布ローラー52に与えて回転させるように構成しているため、次の作用効果が得られる。すなわち、駆動モーターM1の回転成分は周期的に変動し、また第1駆動伝達部55を構成する歯車のかみ合い周期変動が存在している。このため、現像ローラー51の回転周速V51および中間塗布ローラー52の回転周速V52には、例えば図5に示すように、周期変動が含まれている。例えば同図(a)は回転周速V51と回転周速V52との位相差が180゜のときの回転周速差を示し、また同図(b)が回転周速V51と回転周速V52との位相差が0゜のときの回転周速差を示している。このように回転周速差(=V52−V51)は位相差により変動し、位相差に対する回転周速差の変動率をまとめると、図6に示すグラフとなる。この図6から明らかなように、位相差が小さくなるにしたがって現像ローラー51と中間塗布ローラー52との回転周速差が少なく、中間塗布ローラー52から現像ローラー51に供給される液体現像剤の量を安定化することが可能となる。この点に関し、第1実施形態では、現像ローラー51および中間塗布ローラー52はともに第1駆動モーターM1を駆動源とし、しかも同一の第1駆動伝達部55を介して第1駆動モーターM1からの駆動力を受けているため、第1駆動モーターM1の回転成分の変動及び歯車のかみ合い周期変動の位相が揃うため、現像ローラー51と中間塗布ローラー52との回転周速差が小さくなり、現像ローラー51への液体現像剤の供給を安定化させることができる。
【0059】
また、上記第1実施形態では、中間塗布ローラー52は現像ローラー51と逆方向に現像ローラー51よりも速い回転周速で回転するように第1駆動伝達部55を構成する歯車551、552、555の歯数が設定されている。このため、上記のように中間塗布ローラー52に形成される液体現像剤層を伸張することなく、現像ローラー51に供給することができ、均された平滑な液体現像剤の層を現像ローラー51の表面に供給することができる。なお、中間塗布ローラー52が現像ローラー51の回転周速と同じ回転周速で回転するように構成してもよく、この場合も同様の作用効果が得られる。
【0060】
また、第1実施形態では、現像ローラー51および中間塗布ローラー52を駆動する駆動源(第1駆動モーターM1)とは別に第2駆動モーターM2を設け、制御部からの指令に応じて第2駆動モーターM2の回転数を制御してアニロックスローラー53の回転周速を調整している。このため、中間塗布ローラー52およびアニロックスローラー53の間で回転周速差を付けることができ、その回転周速差に応じて液体現像剤の供給量、つまり中間塗布ローラー52に形成される液体現像剤層の厚みを調整することができる。このように、本実施形態では、制御部が本発明の「調整部」として機能している。
【0061】
また、制御部からの指令によりアニロックスローラー53が中間塗布ローラー52よりも遅い回転周速で中間塗布ローラー52と同じ方向に移動する、つまり中間塗布ローラー52に対してウィズ方向に回転することで、回転精度を向上させることができる。この理由を図7および図8を参照しつつ説明する。
【0062】
図7は、中間塗布ローラーが現像ローラーおよびアニロックスローラーから受ける力を解析した図であり、同図(a)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも速くした場合を示し、同図(b)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも遅くした場合を示している。また、図8は中間塗布ローラーの回転周速の変動率を示すグラフであり、同図(a)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも速くした場合を示し、同図(b)はアニロックスローラーの回転周速を中間塗布ローラーの回転周速よりも遅くした場合を示している。第1実施形態にかかる現像部5では、中間塗布ローラー52は現像ローラー51から接線力(摩擦力)F21を受けるとともに、アニロックスローラー53から接線力(摩擦力)F23を受けるが、それらの接線力F21、F23の向きは中間塗布ローラー52の回転周速V52とアニロックスローラー53の回転周速V53との大小関係により異なってくる。すなわち、アニロックスローラー53の回転周速V53を中間塗布ローラー52の回転周速V52よりも速くした場合、図7(a)に示すように、接線力F21、F23の向きは互いに逆方向となり、歯車が噛み合う方向が定まらず、噛み合いが不安定となる。その結果、歯車のバックラッシ分の回転変動が発生して中間塗布ローラー52の回転周速V52の変動が大きくなる(図8(a)参照)。
【0063】
これに対し、アニロックスローラー53の回転周速V53を中間塗布ローラー52の回転周速V52よりも遅くした場合、図7(b)に示すように、接線力F21、F23の向きは同方向となり、中間塗布ローラー52が回転される方向に歯車が安定して噛み合い、予圧を与えることができる。その結果、図8(b)に示すように中間塗布ローラー52の回転周速V52の変動は小さく、中間塗布ローラー52を高精度に回転させることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、第1駆動モーターM1で発生した駆動力を撹拌オーガ543の回転軸に与えて撹拌オーガ543を回転させているため、次のような作用効果が得られる。上記現像部5では、2つの駆動モーターM1、M2が設けられているため、撹拌オーガ543を回転させるための駆動源として駆動モーターM1、M2の一方を用いることができる。ここで、第1実施形態のように、第1駆動モーターM1を撹拌オーガ543の駆動源として用いた場合、現像ローラー51と同輪列で駆動されるため、撹拌オーガ543の回転数が一定となる。そのため、図9(a)に示すように、現像剤容器54の貯留部542に貯留される液体現像剤の液面を安定化することができ、アニロックスローラー53により貯留部542から汲み上げられる液体現像剤の量を安定化することができる。その結果、現像ローラー51に塗布される液体現像剤の量は一定となり、画像濃度ムラを発生させることなく、優れた画像品質で現像することができる。
【0065】
これに対し、アニロックスローラー53の駆動源たる第2駆動モーターM2を撹拌オーガ543の駆動源として用いると、図9(b)に示すように、現像剤容器54の貯留部542に貯留される液体現像剤の液面が暴れてしまうことがある。というのも、アニロックスローラー53の回転数は必要な塗布量に応じて随時変更されるため、それに伴って撹拌オーガ543の回転数も変更されるからである。このため、貯留部542では、液体現像剤の液面レベルが大きく変動してしまい、アニロックスローラー53による液体現像剤の汲み上げ量がばらつくことがある。その結果、現像ローラー51に塗布される液体現像剤の量が変動し、画像濃度ムラは発生することがある。
【0066】
このように、現像ローラー51の駆動源たる第1駆動モーターM1で発生する駆動力を第1駆動伝達部55により撹拌オーガ543に与えて回転させるように構成した第1実施形態によれば、液体現像剤の塗布量を安定化させて画像品質の向上を図ることができる。
【0067】
さらに、上記第1実施形態では、回収オーガ545の駆動源として第2駆動モーターM2を用いているため、次の作用効果が得られる。回収オーガ545は現像剤容器54の回収部541に配設されており、回収部541に回収された液体現像剤(回収液)を搬送して回収部541から回収液が溢れ出すのを防止する機能を担っている。この回収部541に回収される液体現像剤の量はアニロックスローラー53により汲み上げられる量に比例して増減する。このため、アニロックスローラー53により汲み上げられる最大量に対応した回転数で回収オーガ545を常時回転させておくと、回収部541から回収液の溢れを未然に防止することができる。しかしながら、高回転数を維持すると、軸端のシール(図示省略)の磨耗・劣化が進行し易くなる。そこで、本実施形態では、アニロックスローラー53により汲み上げられる量がアニロックスローラー53の回転数に比例することに着目し、図4に示すように、アニロックスローラー53の駆動源たる第2駆動モーターM2に対し、第2駆動伝達部56を介して回収オーガ545を接続している。つまり、アニロックスローラー53の回転数と比例して回収オーガ545の回転数が増減するように構成している。これによって、アニロックスローラー53の回転数を増加させて多くの液体現像剤を使用するときには回収オーガ545の回転数を高めて回収部541からの回収液の溢れを防止する一方、アニロックスローラー53の回転数を減少させて液体現像剤の使用量を抑えたときには回収オーガ545の回転数も低下させてシールの劣化を防止することができる。このように、液体現像剤の使用状況に応じて回収オーガ545の回転数を制御することで、回収液の溢れ防止とシール劣化の防止とを達成することができる。
【0068】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第1駆動伝達部55および第2駆動伝達部56の構成は上記第1実施形態で採用された構成に限定されるものではなく、例えば図10に示すように、第1駆動モーターM1の回転軸がカップリング(接続部材)57を介して現像ローラー51の回転軸の一方端に直結してもよい(第2実施形態)。この第2実施形態では、カップリング57は、第1駆動モーターM1の回転軸と同軸に配設された第1の駆動伝達部材(図示省略)及び現像ローラー51の回転軸と同軸に配設されて第1の駆動伝達部材と接続された第2の駆動伝達部材(図示省略)を有している。したがって、歯車550、551を介して第1駆動モーターM1と現像ローラー51とを接続した第1実施形態に比べて回転精度を高めることができ、好適である。また、このようにダイレクトドライブ方式を採用した第2実施形態では、例えば図10および図11に示すように、現像ローラー51の回転軸の他方端に歯車551を取り付けるとともに、第1実施形態と同様に、歯車552〜558およびベルト559を設け、現像ローラー51の回転とともに、中間塗布ローラー52および撹拌オーガ543が回転するように構成してもよい。なお、図10中の符号91は画像形成装置全体を制御する制御部であり、符号92、93は、制御部91からの制御指令に基づき、それぞれ駆動モーターM1、M2を駆動させる第1モーター駆動部および第2モーター駆動部であり、制御部91が本発明の「調整部」として機能する。
【0069】
また、第1駆動伝達部55を構成する歯車数を低減するために、第1駆動モーターM1としてギア内蔵モーターを用いてもよい。
【0070】
さらに、上記実施形態では、いわゆる下部転写構造を有する画像形成装置に対して本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPの鉛直方向の上方で、感光体ドラム1に担持される像を転写する、いわゆる上部転写構造を有する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1…感光体ドラム(潜像担持体)、 5…現像部(現像装置)、 51…現像ローラー(現像剤担持体ローラー)、 52…中間塗布ローラー(第2供給ローラー)、 53…アニロックスローラー(第1供給ローラー)、 54…現像剤容器、 57…カップリング(駆動伝達部)、 91…制御部、 511…クリーニングローラー、 512…ローラークリーニングブレード、 541…回収部、 542…貯留部、 543…撹拌オーガ(撹拌部材)、 545…回収オーガ(搬送部材)、 M1…第1駆動モーター(第1駆動源)、 M2…第2駆動モーター(第2駆動源)、 V51…(現像ローラーの)回転周速、 V52…(中間塗布ローラーの)回転周速、 V53…(アニロックスローラーの)回転周速
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部と、
回転して前記貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラーと、
前記第1供給ローラーと当接するとともに回転して前記第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラーと、
前記第2供給ローラーと当接するとともに回転して前記第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーと、
前記現像剤担持体ローラーと前記第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、
前記第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
潜像が形成される潜像担持体と、
トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部、回転して前記貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラー、前記第1供給ローラーと当接するとともに回転して前記第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラー、及び前記第2供給ローラーと当接するとともに回転して前記第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーを有し、前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像部と、
前記現像剤担持体ローラーと前記第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、
前記第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1駆動源で発生する駆動力を前記現像剤担持体ローラーおよび前記第2供給ローラーに伝達し、前記現像剤担持体ローラーを回転させるとともに、前記現像剤担持体ローラーの回転方向と同じ方向に回転させ、かつ前記現像剤担持体ローラーの回転周速と同じ、もしくは現像剤担持体ローラーの回転周速よりも速く前記第2供給ローラーを回転させる駆動伝達部を備える請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記駆動伝達部は、前記第1駆動源の回転軸と同軸に配設された第1の駆動伝達部材、及び前記現像剤担持体ローラーの回転軸と同軸に配設されて前記第1の駆動伝達部材と接続された第2の駆動伝達部材を有する請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2駆動源で発生された駆動力により、前記第1供給ローラーは前記第2供給ローラーの回転方向と逆方向に回転し、かつ前記第2供給ローラーの回転周速よりも遅く回転する請求項2ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1供給ローラーの回転周速を調整する調整部を備える請求項2ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記貯留部に配設され、前記第1駆動源で発生する駆動力を受けて回転して前記貯留部に貯留される液体現像剤を撹拌する撹拌部材を備える請求項2ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像剤担持体ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部と、
前記クリーニング部で回収された液体現像剤を貯留する回収部と、
前記回収部に配設され、前記第2駆動源で発生する駆動力を受けて回転して前記回収部に回収された液体現像剤を搬送する搬送部材と、
を備える請求項2ないし7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部と、
回転して前記貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラーと、
前記第1供給ローラーと当接するとともに回転して前記第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラーと、
前記第2供給ローラーと当接するとともに回転して前記第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーと、
前記現像剤担持体ローラーと前記第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、
前記第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
潜像が形成される潜像担持体と、
トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤を貯留する貯留部、回転して前記貯留部に貯留される液体現像剤を担持する第1供給ローラー、前記第1供給ローラーと当接するとともに回転して前記第1供給ローラーから液体現像剤が供給される第2供給ローラー、及び前記第2供給ローラーと当接するとともに回転して前記第2供給ローラーから供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体ローラーを有し、前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像部と、
前記現像剤担持体ローラーと前記第2供給ローラーを駆動させる第1駆動源と、
前記第1供給ローラーを駆動させる第2駆動源と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1駆動源で発生する駆動力を前記現像剤担持体ローラーおよび前記第2供給ローラーに伝達し、前記現像剤担持体ローラーを回転させるとともに、前記現像剤担持体ローラーの回転方向と同じ方向に回転させ、かつ前記現像剤担持体ローラーの回転周速と同じ、もしくは現像剤担持体ローラーの回転周速よりも速く前記第2供給ローラーを回転させる駆動伝達部を備える請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記駆動伝達部は、前記第1駆動源の回転軸と同軸に配設された第1の駆動伝達部材、及び前記現像剤担持体ローラーの回転軸と同軸に配設されて前記第1の駆動伝達部材と接続された第2の駆動伝達部材を有する請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2駆動源で発生された駆動力により、前記第1供給ローラーは前記第2供給ローラーの回転方向と逆方向に回転し、かつ前記第2供給ローラーの回転周速よりも遅く回転する請求項2ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1供給ローラーの回転周速を調整する調整部を備える請求項2ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記貯留部に配設され、前記第1駆動源で発生する駆動力を受けて回転して前記貯留部に貯留される液体現像剤を撹拌する撹拌部材を備える請求項2ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像剤担持体ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部と、
前記クリーニング部で回収された液体現像剤を貯留する回収部と、
前記回収部に配設され、前記第2駆動源で発生する駆動力を受けて回転して前記回収部に回収された液体現像剤を搬送する搬送部材と、
を備える請求項2ないし7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−194426(P2012−194426A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59074(P2011−59074)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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