現金自動取引装置
【課題】操作性よく、旧札を優先して入出金カセットから回収する。
【解決手段】紙幣処理装置は、新札を収納する第1の入出金カセット4と、新札と額面金額が同じ旧札を収納する第2の入出金カセット5,6と、回収すべき紙幣を収納する補充回収カセット8と、第1及び第2の入出金カセットとそこに集積する紙幣の額面金額及び枚数の対応関係を管理する管理手段と、第1及び第2の入出金カセット4,5,6に収納される紙幣の最大集積枚数を設定する第1の設定手段と、新札と旧札とを区別して紙幣処理を行う制御部とを有し、制御部は、本体制御部からの指令に応じて、第1の入出金カセット内4に設定された最大集積枚数未満の新札が集積しているか否かに応じて紙幣を補充回収カセット8に回収し、本体制御部からの紙幣出金の指令に応じて、第1の入出金カセット4に集積された新札を優先して出金するように制御する。
【解決手段】紙幣処理装置は、新札を収納する第1の入出金カセット4と、新札と額面金額が同じ旧札を収納する第2の入出金カセット5,6と、回収すべき紙幣を収納する補充回収カセット8と、第1及び第2の入出金カセットとそこに集積する紙幣の額面金額及び枚数の対応関係を管理する管理手段と、第1及び第2の入出金カセット4,5,6に収納される紙幣の最大集積枚数を設定する第1の設定手段と、新札と旧札とを区別して紙幣処理を行う制御部とを有し、制御部は、本体制御部からの指令に応じて、第1の入出金カセット内4に設定された最大集積枚数未満の新札が集積しているか否かに応じて紙幣を補充回収カセット8に回収し、本体制御部からの紙幣出金の指令に応じて、第1の入出金カセット4に集積された新札を優先して出金するように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行業務等において用いられる紙幣処理装置に係り、特に新旧の紙幣を混在して取扱う現金自動取引装置(以下、ATM)における紙幣の回収に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関の係員窓口に設置されるATMは、顧客の要求に応じて、顧客より入金される紙幣を入出金カセットに収納し、また顧客に支払う紙幣を入出金カセットから繰り出して出金する機能を有している。この機能は、主にATM内に実装される紙幣処理装置の機構によって実現される。
【0003】
入金の場合、紙幣処理装置内に備えられた識別部で、入金される紙幣の真偽判定や寸法判定を含む複数の項目について判定が行われ、その判定結果に従って紙幣が正常か異常を識別する。判定の結果、正常な紙幣は金種別に決められた入出金カセットに収納される。異常と識別された紙幣は入金が拒否され、顧客へ返却される。
出金の場合、顧客が要求した金額に応じて入出金カセットから紙幣を繰り出し、識別部で紙幣の正常異常を識別し、異常と判定された紙幣はリジェクトカセットへ送って収納し、正常と判定された紙幣を顧客へ出金する。
【0004】
ところで、新札を発行する目的の1つとして紙幣の偽造を防止することがある。即ち紙幣のデザインを新しくして紙幣を偽造し難い構造とし、偽造紙幣(偽札)の市場での流通を防ぐ。日本においても、偽札の流通量増加に伴う経済への悪影響(金融不安、インフレーション、各企業の偽札対策費用の発生等)を防ぐため、2004年に新1万円札や新千円札、新5千円札が発行された。
【0005】
また韓国では、2005年度末における偽札の発見量は、2004年度末と比べて約4倍となっており、2006年には新しいデザインの紙幣(新札)の発行が予定されている。上記の理由から、デザインの変更前の紙幣(旧札)の流通量を早急に減らし、偽造しにくい構造とした新札の流通量を増やしたいために、政府から各金融機関へ旧札の回収を促す要請を行う場合もある。
【0006】
新札が発行された場合、顧客からは新札を入手したいという要求もあり、顧客サービスの一環として、要求に応じてATMから新札を出金することもある。新札及び旧札の紙幣を取り扱うATMに関する従来技術としては以下のものが挙げられる。
例えば、特開平7−282320公報(特許文献1)には、新札が装填される補充回収カセットと、旧札が装填される入出金カセットと、新札及び旧札の支払い金額を指定する支払指定手段とを設け、その支払指定手段の指定に基づいて、新札又は旧札を該当するカセットから出金する装置が開示されている。
また、特開2004−355062公報(特許文献2)には、利用者が出金形態を選択するキーを操作することにより新札又は旧札の紙幣を出金する紙幣取扱装置が開示されている。
【0007】
また、特開平9−50551公報(特許文献3)には、新札専用の第1金庫と、新札以外の利用可能な紙幣を収納する第2金庫と、紙幣補充用の第3金庫を備え、顧客が入金した紙幣又は係員が補充する紙幣を真偽鑑別して、第1又は第2の該当する金庫に収納する装置が開示されている。
更に、特開昭60−195692公報(特許文献4)には、ATMに預入れられた現金を支払用現金として還流されるか、又は還流させずに回収するかを金種別に指定する手段を設け、この指定手段により旧札は還流禁止として回収するようにした装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−282320号公報
【特許文献2】特開2004−355062公報
【特許文献3】特開平9−50551号公報
【特許文献4】特開昭60−195692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ATMに一度入金した紙幣を還流させて再び出金する場合には、それらの紙幣を入出金カセットの中で整然と整列させる必要がある。紙幣を整然と整列させる簡便な方法は、入出金カセットの内部の大きさを取り扱う紙幣の大きさに合わせることである。
【0010】
図12に示すように、韓国の紙幣は、旧札と新札の寸法差が大きい。そのため、同じ金種の紙幣に対して同じ入出金カセットが使えない可能性がある。すなわち、紙幣の大きさに対して入出金カセット内部の大きさが大きい場合には、入金された紙幣を整然と整列させることが難しく、紙幣を再度出金する場合、入出金カセットの入口に紙幣がひっかかってしまう可能性がある。一方、紙幣の大きさに対して入出金カセットが小さいと、紙幣を集積することが出来なくなる。
韓国紙幣のように、新札と旧札の寸法が大きく異なる紙幣を混在して取り扱う紙幣処理装置では、同じ額面の紙幣用の入出金カセットを新旧別に装備していなければならず、これでは装置の実装スペースが大きくなり、コスト高となる。
【0011】
さらに、紙幣処理装置の内部に設けられ、取り扱う紙幣の最大幅に合わせて設計された紙幣の搬送路は、韓国の新札と旧札のように寸法差が大きい場合には、幅の広い旧札に合わせた搬送路の幅とする必要がある。そこで、幅の広い搬送路を用いて幅の狭い新札を扱うと、その差の分だけ新札が斜めにずれやすくなり、紙幣処理装置の性能低下を招く。取り扱う紙幣が新札のみで良ければ、搬送路の幅を新札に合わせて狭くすることができるため、紙幣処理装置の性能を向上させることができるが、現実的でない。上記の理由から考えても、新札と旧札を混在して取り扱う期間は短い方がよく、旧札を早急に回収することが望ましい。
【0012】
本発明の目的は、操作性を良くして旧札を回収することができる現金自動取引装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、回収したい紙幣の額面金額及び枚数を指定することにより対象となる紙幣を容易に回収することができる現金自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る現金自動取引装置は、好ましくは、回収すべき紙幣の額面金額及び枚数の入力を受け付ける係員操作部と、紙幣を取扱う紙幣処理装置と、該係員操作部が受け付けた回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令を該紙幣処理装置に発する本体制御部とを備え、該紙幣処理装置は、新札を収納する第1の入出金カセットと、該新札と額面金額が同じ旧札を収納する第2の入出金カセットと、回収すべき紙幣を収納する補充回収カセットと、該第1及び第2の入出金カセットとそこに集積する紙幣の額面金額及び枚数の対応関係を管理する管理手段と、該第1及び第2の入出金カセットに収納される紙幣の最大集積枚数を設定する第1の設定手段と、新札と旧札とを区別して紙幣処理を行う制御部とを有し、該制御部は、該本体制御部からの前記回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令に応じて、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数未満の新札が集積している場合は、第2の入出金カセットに集積された旧札、該第1の入出金カセットに集積された新札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数以上の新札が集積している場合は、該第1の入出金カセットに集積された新札、第2の入出金カセットに集積された旧札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該本体制御部からの紙幣出金の指令に応じて、第1の入出金カセットに集積された新札を優先して出金するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作性よく、旧札を優先して入出金カセットから回収することができる。また、回収したい紙幣の額面金額及び枚数を上位の制御部から指定することにより紙幣を容易に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ATMの概観を示す斜視図。
【図2】一実施例におけるATMの制御ブロック図。
【図3】一実施例による紙幣処理装置100の構成を示す図。
【図4】一実施例による紙幣処理装置100の制御ブロック図。
【図5】一実施例におけるATMの本体制御部50から紙幣処理装置制御部54に回収動作を指示するための命令のフォーマットを示す図。
【図6】一実施例による紙幣処理装置における紙幣の回収の動作フロー図。
【図7】一実施例による紙幣処理装置における出金の動作フロー図。
【図8】他の実施例による紙幣処理装置の構成を示すブロック図。
【図9】他の実施例による紙幣処理装置における紙幣の回収動作フロー図。
【図10】他の実施例による紙幣処理装置における新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセット内部の紙幣状態の組み合わせを示す図。
【図11】他の実施例による紙幣処理装置における新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセット内部の紙幣状態の組み合わせを示す図。
【図12】韓国の新旧紙幣の寸法関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例1)
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、一実施例が適用されるATMの外観を示す斜視図である。
ATM101は、顧客の取引カードや取引明細票を処理するカード・明細票処理装置102と、通帳を処理する通帳処理装置103と、硬貨を処理する硬貨処理装置104と、紙幣を処理する紙幣処理装置100と、取引に必要な情報を表示し及び顧客の操作を入力する顧客操作部105を備えている。
【0017】
図2は、ATM101の制御ブロックを示す。
ATM101内には、カード・明細票処理装置102、通帳処理装置103、硬貨処理装置104、紙幣処理装置100、顧客操作部105、係員操作部52、及びこれら各部を制御する本体制御部50が実装される。各部100〜105,52は本体制御部50の制御の下に必要な処理動作を行う。例えば、本体制御部50は紙幣処理装置制御部54に対して、紙幣処理装置100における処理動作例えば紙幣の回収の制御を行う。また、本体制御部50はホストコンピュータ53に接続され、ホストコンピュータ53との間で必要なデータのやりとりを行う。
【0018】
顧客操作部105はタッチパネルを備え、そこに必要な操作内容を表示し、顧客の入力を案内する。たとえば、預入、引出し、振込み等の取引種別の入力や、暗証暗号、金額の入力等の指示を表示し、顧客からの入力を受けて、本体制御部50に伝える。係員操作部52は銀行の係員等の作業者がATMを運用、保守を行うための操作部であり、紙幣枚数のセットのための入力部、及び装置状態、運用モード、障害個所等を表示するための表示部を有する。
【0019】
図3は、紙幣処理装置100の構成を示す図である。
入出金口1には入金する紙幣Sが投入され、また出金や返却する紙幣Sが放出される。識別部2は入出金する紙幣Sの金種の判定及び紙幣の正常性即ち紙幣が正常か異常か等の複数の判定項目について識別する。一時保留部3は投入された紙幣Sに対する処理が確定するまで紙幣Sを一時的に保留する。入出金カセット4、5、6は金種別の紙幣収納用のカセットであり、入金された紙幣Sを集積し及び支払いのための紙幣を放出する。ここで、入出金カセット4〜6は、各カセットを識別する固有の識別情報を記憶したICチップのような記憶素子が取り付けられている。また各入出金カセット4〜6が装填された状態の場所には、各ICチップの識別情報を読み取るセンサが設けられている。なお、図3には図示されないが、入出金カセット4〜6の各出入口には紙幣の通過を監視する出入口センサ(42(図4))が配置される。
【0020】
本実施例では韓国札を扱い、入出金カセット4は新万ウォン札専用、入出金カセット5は旧万ウォン札専用、入出金カセット6は旧千ウォン札専用とする。即ち、これらの紙幣はそれぞれ対応するカセットに収納されて出金用として還流するが、これらの紙幣以外例えば、新旧5千ウォンや新千ウォンは出金されない。しかし、新旧5千ウォンや新千ウォンを入出金するATMを実現するならば、それら専用の入出金カセットも追加して実装するのがよい。
【0021】
7は一時保留部3から金種別の入出金カセットへ集積する際に、識別部2で異常と判定された紙幣Sを集積するリジェクトカセットである。リジェクトカセット7には、入出金カセット4〜6から繰出されて識別部2で異常と判断された紙幣Sも集積される。また、新旧5千ウォンや新千ウォンの出金機能を持たないATMにおいては、それらの紙幣が入金されたら、それらの紙幣はリジェクトカセット7に収納される。
8は銀行の係員によってATMに脱着可能な補充回収カセットであり、顧客の取引中でも、識別部2を通して各金種別の入出金カセット4〜6に紙幣Sを補充したり、各金種別の入出金カセット4〜6から識別部2を通して回収したりする。補充回収カセット8の内部はセパレータ9によって2つの室に分割され、補充する紙幣Sや回収した紙幣Sを集積する補充回収部10と、補充の際に補充回収部10から繰り出された紙幣Sのうちで、識別部2によって異常と識別された紙幣Sを集積する補充リジェクト部11を有する。L1〜L10は紙幣Sを搬送する搬送路である。
【0022】
紙幣処理装置100は、投入される紙幣Sを金種別に内部の入出金カセット4〜6およびリジェクトカセット7に収納する機能と、入出金カセット4〜6に収納されている紙幣Sを取り出して出金する機能と、脱着可能な補充回収カセット8から入出金カセット4〜6へ補充する機能と、入出金カセット4〜6から補充回収カセット8へ回収する機能とを有する。いずれの機能も本体制御部50の指示に基づいて行われる。
【0023】
上述のように、補充回収カセット8は顧客の取引中でも脱着可能であるため、紙幣処理装置内の紙幣枚数が少なくなった場合、係員は補充回収カセット8を取り外し、その中に補充用の紙幣を装填した後、再び紙幣処理装置に補充回収カセット8を装填して入出金カセット4〜6に紙幣を補充することができる。また、入出金カセットが満杯になった場合や、任意の枚数の紙幣を紙幣処理装置から取り出したい場合には、入出金カセット4〜6から補充回収カセット8に紙幣を回収することができる。
【0024】
次に、各機能の動作について説明する。
まず、入金動作について説明する。入出金口1に投入された紙幣Sを入金する場合、紙幣は搬送路L1→L2→L3を搬送され、識別部2で識別される。その識別結果に基づいて、正常な紙幣Sは搬送路L4を通って一時保留部3に収納される。一方、異常と識別された紙幣Sは搬送路L6→L7を通って入出金口1へ返却される。
入出金口1の紙幣Sを繰り出し終えた後、入出金口1へ搬送された異常と識別された紙幣Sの抜き取りを顧客へ促す。その後、一時保留部3に集積された紙幣Sを入金するかどうか顧客へ確認を行い、入金しない場合はキャンセル動作として、一時保留部3から搬送路L5→L6→L7を通って入出金口1に紙幣Sを搬送し、顧客へ紙幣Sを返却する。一方、顧客が入金したい場合には、紙幣は一時保留部3から搬送路L5→L6→L2→L3→L8を通り識別部2で識別され、その結果、異常と判断された、あるいは入出金カセット4〜6に設定されていない金種と判断された紙幣Sはリジェクトカセット7に集積される。また識別部2で正常、かつ入出金カセット4〜6に設定された金種であると判断された紙幣Sはいずれかの入出金カセット4〜6に集積される。
【0025】
次に、出金動作について説明する。本体制御部50から出金の指示があった場合、指示のあった金種の紙幣Sが入出金カセット4〜6から繰り出され、搬送路L9→L2を通って識別部2で識別される。識別の結果、異常と判断された紙幣Sは搬送路L3→L8を通ってリジェクトカセット7に集積される。一方、正常と判断された紙幣Sは搬送路L3→L6→L7を通って入出金口1へ放出され、出金した紙幣の抜き取りを顧客へ促す。
【0026】
次に、紙幣の補充動作については、本体制御部50から補充の指示があると、補充回収部10から紙幣Sを繰り出し、搬送路L10→L6→L2→L3→L8を通って、識別部2で識別される。その結果正常かつ入出金カセット4〜6に設定された金種であると判断された紙幣Sは各金種別に入出金カセット4〜6に集積される。識別の結果、異常または入出金カセット4〜6に設定された金種でないと判断された紙幣Sは補充リジェクト部11に集積される。
【0027】
次に、紙幣の回収動作については、本体制御部50から回収の指示があると、紙幣Sは入出金カセット4〜6から繰り出され、搬送路L9→L2を通って識別部2で識別される。その結果、正常と識別された紙幣Sは搬送路L3→L8を通って、補充回収部10に回収して集積される。また、異常と識別された紙幣Sは搬送路L3→L8を通って、リジェクトカセット7に集積される。
【0028】
図4は紙幣処理装置100のブロック図である。
図4において、20は紙幣処理装置100の各部を制御する主制御部、21は紙幣処理装置100が接続されたATM101の本体制御部50と通信を行う通信部である。41は紙幣を搬送する搬送路L1〜L10を動かすための搬送モータ、42は入出金カセット4〜6の各出入口に配置された、紙幣の通過を監視する入出金カセット出入口センサである。22は紙幣処理装置制御部54の内部に設けられたデータ管理部であり、これはメモリ上に展開される。
【0029】
データ管理部22は、各入出金カセット4〜6が何れの紙幣を扱うためのカセットであるかを記憶したカセット配置データ30、入出金カセット4〜6に集積された紙幣枚数を表す入出金カセット集積枚数データ31、及び補充回収カセット8に回収された枚数を表す補充回収部回収枚数データ35を管理する。
即ち、カセット配置データ30は、入出金カセット4〜6に何れの紙幣を集積するかを、入出金カセット4〜6の識別情報とそこに集積すべき紙幣の種類を対応付けて記憶する。例えば、入出金カセット4(例えば識別情報「001」)は新万ウォン札、入出金カセット5(例えば識別情報「010」)は旧万ウォン札、入出金カセット6(例えば識別情報「011」)は旧千ウォン札を集積することを記憶する。入出金カセット集積枚数データ31は、例えば、入出金カセット4、5、6に集積された、現在における紙幣の枚数が、100枚、300枚、200枚のように、入出金カセット4〜6の識別情報とそこに集積される紙幣の枚数データを対応付けて記憶する。また、補充回収部回収枚数データ35は、補充回収カセット8に回収された紙幣の枚数を紙幣の種類毎に記憶する。例えば、新万ウォン札が20枚、旧万ウォン札が10枚、旧千ウォン札が5枚のようなデータを記憶する。
主制御部20は、入出金カセット出入口センサ42で計数される出入りした紙幣の枚数と、入出金カセット集積枚数データ31から、取引後に各入出金カセットに集積されている紙幣の枚数を計算し、入出金カセット集積枚数データ31を更新する。
【0030】
図5は、本体制御部50から紙幣処理装置制御部54へ紙幣の回収動作を指示する場合に使用される命令のフォーマットである。本体制御部50は、新札と旧札の区別をしないで、回収すべき紙幣の種類即ち額面金額(万ウォン、千ウォン)と、それぞれの回収枚数を指定する指令を発する。新札と旧札の両方を取り扱うATMの場合でも、この命令のフォーマットは変わらない。回収すべき紙幣の種類及び回収枚数は、ATMの係員が係員操作部52を操作して設定できる。
而して、新札と旧札を区別して判断するのは紙幣処理装置制御部54であることから、新札が発行されても、紙幣処理装置100の上位プログラム(本体制御部50)を変更する必要がなく、紙幣の回収を行える。
【0031】
次に、図6を参照して、一実施例における補充回収カセットへの回収動作について説明する。
紙幣処理装置100は、本体制御部50から通信部21を介して、図5に示す指令を受けると、紙幣処理装置制御部54の主制御部20は、回収する紙幣の額面金額とその枚数を認識する。そして、指定された額面金額の紙幣の有無を、データ管理部22が保持している入出金カセット集積枚数データ31から判定する(601)。判定の結果、指定された額面金額の紙幣があった場合に(601)、同様に入出金カセット集積枚数データ31から、その額面金額の旧札があるかどうかを確認する(602)。
【0032】
この確認の結果、旧札が集積されていなければ(602/No)、新札専用入出金カセット4を選択し(603)、入出金カセット4から新万ウォン紙幣を回収する(604)。一方、指定された額面金額の旧札があれば(602/Yes)、旧札専用入出金カセット5,6を選択し(606)、入出金カセット5,6から旧万ウォン紙幣又は旧千ウォン紙幣を回収する(607)。その後、本体制御部50より指定された枚数分の回収が完了したかを判定し(605)、完了していれば処理動作を終了する。完了していなければステップ601に戻って上記処理を再び行う。
上記の制御動作により、常に旧札を優先して回収することができ、旧札を早期回収することができる。
【0033】
次に、図7を参照して出金動作について説明する。
この例は、新札専用入出金カセット4から優先して出金する動作例である。
本体制御部50から通信部21を介して、図5に示す指令により、出金する紙幣の額面金額とその枚数の指示を受けると、主制御部20は指定された額面金額の紙幣の有無を入出金カセット集積枚数データ31から判定する(701)。判定の結果、紙幣が無ければ出金処理を終了する。一方、指定された額面金額の紙幣が有れば、入出金カセット集積枚数データ31から指定された額面金額の新札が集積されているかどうかを判定する(702)。その結果、新札がなければ旧札専用入出金カセット5又は6を選択し(703)、その入出金カセット5又は6から出金する(704)。そして、本体制御部50から指定された枚数を出金したか判定して(705)、指定された枚数を満たしていれば、出金処理を終了する。一方、指定された枚数を満たしていなければ、ステップ701に戻り処理を続行する。
【0034】
また、ステップ702で判定した結果、新札が紙幣処理装置内の入出金カセット4の中に集積していれば、その新札専用入出金カセット4を選択して(706)、その入出金カセット4から出金する(707)。そして同様に、出金した枚数の判定を行う(705)。
このような処理動作を行うことで、顧客に新札を優先して出金することが可能となり、旧札から新札への流通紙幣の移行を早めることができる。
【0035】
(実施例2)
次に、図8以降を参照して他の実施例について説明する。
図8は紙幣処理装置100のブロック図を示す。図4に示した紙幣処理装置100の構成に加えて、管理データ部22は、各入出金カセットが満杯になる時の入出金カセット最大集積枚数データ32と、新札専用入出金カセットから補充回収カセットへ回収した時の最大回収枚数を規定した最大回収枚数データ33を保持する。さらに、紙幣処理装置100は、入出金カセット最大集積枚数データ32を設定するための入出金カセット最大集積枚数設定キー43と、最大回収枚数データ33を設定するための最大回収枚数設定キー44を備える。
【0036】
図9は本実施例における補充回収カセットへの回収動作を示すフローである。
本体制御部50から通信部21を介して指示された指令を受けると、主制御部20は、入出金カセット集積枚数データ31を確認して、額面金額の紙幣があるかどうかを判定する(901)。その結果、額面金額の紙幣が無ければ回収動作を終了する。一方、その額面金額の紙幣が有れば、入出金カセット集積枚数データ31より旧札が有るか否かを判定する(902)。この判定の結果、旧札が無ければ新札専用入出金カセット4を選択し(903)、新札を回収する(904)。
一方、旧札が有る場合(902)、入出金カセット集積枚数データ31と入出金カセット最大集積枚数データ32から、条件「旧札専用入出金カセットが最大集積枚数以上ではない、かつ新札専用入出金カセットが最大集積枚数以上であるか?」を判定する(906)。その判定の結果、その条件が偽であれば、旧札専用入出金カセット5又は6を選択し(907)、そこから紙幣を回収する(908)。
一方、その条件が真であれば、新札専用入出金カセット4を選択し(909)、新札専用入出金カセット4から最大回収枚数33を限度として回収する(910)。その後、指定された枚数分の回収ができたかどうかを補充回収部回収枚数データ35と比較することで判定し(905)、回収が出来ていれば処理動作を終了する。しかし、指定された枚数を満たしていなければステップ901へ戻り、回収動作を続ける。
【0037】
次に、図10及び図11を参照して、新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセットの紙幣集積状態の組み合わせについて説明する。この組み合わせは、以下のように、CASE1〜CASE9の場合に分けられる。各ケースの処理動作について、図9により説明した動作も参照して以下に述べる。
【0038】
CASE1:
指定された額面金額の札がないために回収動作を終了する(901)。
CASE2、CASE3:
旧札専用入出金カセット5又は6を選択し(907)、旧札のみを回収する。
CASE4:
旧札がないため(902)、新札専用カセットを選択し(903)、新札を回収する。これにより本体制御部50から指定された回収枚数を満たすことができる。
【0039】
CASE5:
旧札専用入出金カセット5又は6から旧札を回収する(908)。旧札専用入出金カセット5又は6が空になっても指定された枚数を満たしていなければ(905)、次に新札専用入出金カセット4を選択して(903)、新札を回収する。これにより、旧札が優先して回収され、旧札の早期回収が行える。
CASE6:
旧札が最大集積枚数以上であることから(906)、旧札専用入出金カセット5又は6を選択して(907)、旧札を回収する。旧札専用入出金カセット5又は6が空になっても指定された枚数を満たしていなければ(905)、次に新札専用入出金カセット4を選択して(903)、新札を回収する。従って、旧札から優先して回収することができる。
【0040】
CASE7;
新札専用入出金カセット4が最大集積枚数を超えていて、旧札専用入出金カセット5又は6が空であることから(902)、新札専用入出金カセット4から新札を回収する(904)。
CASE8:
新札専用入出金カセット4が最大集積枚数以上の場合、新札専用入出金カセット4から回収を始めることで(909)、新札専用入出金カセット4内に、次回取引で入金される新札を集積するための空間を確保できる。設定された新札専用入出金カセット4の最大回収枚数32を超えて回収を行っても(910)、指定された枚数を満たしていなければ(905)、次には旧札専用入出金カセット5又は6を選択して(907)、旧札を回収する(908)。さらに、旧札専用入出金カセット5又は6が空になっても指定された枚数を満たさなければ(905)、再び新札専用入出金カセット4から再び回収を行う(904)。このような制御動作によれば、新札専用入出金カセット4の満杯状態を解消した後に、旧札の回収を行うことができ、運用中に新札の入金があった場合にも対応できる。
また、新札が発行されたばかりで、新札の出金が多く入金が少ない時期には、最大回収枚数設定キー44により最大集積枚数データ32を少なめに設定することで、新札専用入出金カセット4から回収する枚数を減らし、より多くの新札出金要求に応えることができる。
【0041】
CASE9:
新札専用入出金カセット4も旧札専用入出金カセット5又は6も最大集積枚数以上に集積している場合、始めに旧札専用入出金カセット5又は6から旧札の回収を始める(907)。旧札専用入出金カセットが空になるまで回収しても、本体制御部50で指定された回収枚数を満たさない場合には(905)、再度回収元となる入出金カセットを選択する判定を行い(906)、今度は最大集積枚数以上である新札専用入出金カセット4から、指定枚数に足りない枚数分の新札を回収する(908)。それでも本体制御部50で指定された回収枚数を満たさない場合には(905)、旧札専用入出金カセットへ集積された旧札は既に回収済みなので(902)、新札専用入出金カセット4から再度、新札を回収する(904)。
【0042】
以上のように、本実施例によれば、旧札を優先して補充回収カセット8に回収することができる。また、旧札の回収を優先的に行うが新札も回収するので、新札専用入出金カセットが満杯で取引出来なくなる事態を避けることができ、ATMの利便性が増す。 これにより、ATMの利用者へは新札が渡され、係員は旧札を回収することができ、結果として、市場に流通する旧札の量をより早く減らし、新札の量をより早く増やすことができ、顧客の要求も満たせる。
【0043】
また、本実施例によれば、紙幣処理装置に対して、入出金カセットから補充回収カセットへの紙幣の回収を指示する場合には、新札と旧札の区別、あるいは新札専用入出金カセットや旧札専用入出金カセットの場所や数を指示する必要がなく、回収したい紙幣の額面金額と枚数を指示すればよいため、本体制御部50の上位プログラムの変更をせずに、旧札を優先的に回収することができる。さらに、新しい第3のデザインの紙幣が発行された場合でも、紙幣の額面金額と枚数を指示すれば、旧札の優先回収が実現でき、上位プログラムの変更は不要となる。このように、上位プログラムの変更が不要か又は仮に変更したとしても必要最小限に留めることができるので、簡単で安価な回収機能を実現できる。
【0044】
また、本実施例によれば、新札が発行されたばかりの第1の時期には、入金される旧札が多いため、旧札を優先して回収すればよく、これは本実施例の構成により実現できる。また、旧札の流通量が徐々に減少する第2の時期には、入金される旧札の量は減り、補充回収カセットへ紙幣を回収する際に、旧札専用入出金カセットが空になっても指定された回収枚数に満たない場合には、新札専用入出金カセットから回収すればよく、本実施例の構成により実現できる。さらに、新札のみが流通する第3の時期には、旧札専用入出金カセット内に旧札は存在しないため、新札専用入出金カセットから新札を回収すればよい。このように、新札と旧札が入れ替わる過渡期においても、本実施例の構成は有効である。
【0045】
さらに本実施例によれば、各入出金カセットの最大集積枚数の設定手段と、設定した最大集積枚数を記憶する記憶手段を設け、入出金カセットから補充回収カセットへ紙幣を回収する場合、旧札専用カセットに紙幣があっても、新札専用入出金カセットに最大集積枚数以上の紙幣が集積していれば、新札専用入出金カセットから優先して回収することができる。最大集積枚数の設定手段としては、紙幣処理装置に操作用の入力キーを設け、このキーにより設定でき、また記憶手段としてはRAMなどの記憶素子を用いて実現できる。これにより、新札専用入出金カセットに最大限紙幣を集積でき、旧札専用入出金カセットは未だ集積可能な状態の時に、新札を回収できるので、以降の取引で新札の入金があっても、新札専用入出金カセットへ集積することが可能となり、利便性が向上する。
【0046】
さらに本実施例によれば、紙幣処理装置において、入出金カセットから補充回収カセットへ紙幣を回収する場合、新札専用入出金カセットに集積された紙幣の枚数が、設定された最大集積枚数以上で、かつ旧札専用入出金カセットに集積された紙幣の枚数も、設定された最大集積枚数以上であった場合に、旧札専用入出金カセットから優先して回収することができる。これにより、顧客取引で入金される可能性の高い旧札専用入出金カセットの集積枚数を減らすことができる。
【0047】
本実施例による紙幣処理装置では、旧札専用入出金カセットへの入金と、新札専用入出金カセットからの出金が多い構成となっている。従って、旧札専用入出金カセットの枚数が最大集積枚数以下で、新札専用入出金カセットの枚数が最大集積枚数以上である場合に、旧札が入金されると、最大集積枚数以下である旧札専用入出金カセットに集積可能であり、新札が出金されると、最大集積枚数以上である新札専用入出金カセットから出金を行い、結果として新札専用入出金カセットは最大集積枚数以下となる。このように、旧札専用入出金カセットの枚数を最大集積枚数以下にした方が、顧客取引を続けられる可能性が高く、利便性が向上する。
【0048】
さらに本実施例によれば、紙幣処理装置において、入出金カセットから補充回収カセットに紙幣を回収する場合、新札の最大回収枚数の設定手段を設け、新札専用入出金カセットから回収する際に、新札専用入出金カセットから回収した枚数が最大回収枚数に至った際に、前記新札専用入出金カセットからの回収を停止し、前記旧札専用入出金カセットから回収することができる。
これにより、新札専用入出金カセットが空になるまで、補充回収カセットへ紙幣を回収してしまうのを防ぐことができ、その後に顧客から出金要求があった際にも、新札を出金することができる。また、回収の途中で旧札専用入出金カセットから旧札を回収するように切り替えることで、係員はより多くの旧札を紙幣処理装置から回収することができ、旧札を早期に回収することができる。
【0049】
なお、新札専用入出金カセットから最大回収枚数を回収し、旧札専用入出金カセットから空になるまで回収しても、なお要求された回収枚数に満たない場合は、再度新札専用入出金カセットから回収を始めても構わない。これにより、要求された回収指示を確実に実行することができる。
【0050】
また、本実施例によれば、新札専用入出金カセットからの最大回収枚数を可変とすることができる。例えば、新札の流通量が少なく、旧札の流通量が多い時期には、新札の出金が多く入金が少ないため、新札専用入出金カセットから回収する最大回収枚数を少なめに設定することで、より多くの出金要求に応えることができる。また、新札の流通量が増えてくると、新札の入金取引も増加するため、新札専用入出金カセットから回収する最大回収枚数を多めに設定することで、より多くの新札を新札専用入出金カセットに受け入れることができる。上記のように新札専用入出金カセットからの最大回収枚数を可変とすることで、広範なニーズに合わせたATMの運用を行うことができ、利便性が向上する。
【0051】
また、本実施例によれば、同額面金額の新札専用入出金カセットや旧札専用入出金カセットが複数ある場合に、最大集積枚数として、各入出金カセットの枚数の総計を設定することもできる。例えば、同額面金額の旧札専用入出金カセットが複数ある場合に、一方の旧札専用入出金カセットの集積枚数が、旧札専用入出金カセットへ集積できる限界の枚数となっても、次の顧客取引では、他方の旧札専用入出金カセットに集積すればよいため、顧客取引を続行するための問題とはならない。従って、複数の旧札専用入出金カセットへ集積可能な枚数の限界を、最大集積枚数として設定することができる。
【0052】
本発明は上記した実施例に限定されることなく、種々変形して実施し得る。例えば、図3に示す入出金カセット4〜6の数は一例であってこれに限定されない。また何れのカセットを旧札専用とし、何れのカセットを新札専用にするかについても同様にして、図3の例に限定されない。何れにしても、データ管理部22のカセット配置データ30が入出金カセットとそれに収納される紙幣の種類を記憶しておくことで両者の対応関係は維持される。
また、上記実施例では、検知手段として各入出金カセットに識別情報を記憶する記憶素子を取り付け、その識別情報を検出することで各入出金カセットを認識したが、他の例によれば、新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセットを配置する場所を予め決めておき、紙幣処理装置の主制御部20がその入出金カセットの位置を記憶しておくことで各入手金カセットを識別することもできる。
【0053】
また、上記実施例では、旧札を優先して回収したが、新札を優先して回収ことも可能である。これは、例えば図6の処理動作において、旧札の処理を新札の処理に変更し、新札の処理を旧札の処理に変更することで実現できることが理解できるであろう。
【0054】
また、上記実施例において、紙幣の最大集積枚数を固定としないで可変としてもよい。これにより、設定の柔軟性が増し、多様なニーズに応えることができる。また、残量の尺度として紙幣の枚数データを用いたが、それ以外の尺度、例えば集積した紙幣の厚みや重量等で判断することもできる。
【符号の説明】
【0055】
1:入出金口、2:識別部、3:一時保留部、4,5,6:入出金カセット、7:リジェクトカセット、8:補充回収カセット、9:セパレータ、10:補充回収部、11:補充リジェクト部、20:主制御部、21:通信部、22:データ管理部、30:カセット配置データ、31:入出金カセット集積枚数データ、32:入出金カセット最大集積枚数データ、33:最大回収枚数データ、41:モータ、42:入出金カセット出入口センサ、50:本体制御部、52:係員操作部、53:ホストコンピュータ、54:紙幣処理装置制御部、100:紙幣処理装置、101:ATM、102:カード・明細票処理装置、103:通帳処理装置、104:硬貨処理装置、105:利用者操作部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行業務等において用いられる紙幣処理装置に係り、特に新旧の紙幣を混在して取扱う現金自動取引装置(以下、ATM)における紙幣の回収に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関の係員窓口に設置されるATMは、顧客の要求に応じて、顧客より入金される紙幣を入出金カセットに収納し、また顧客に支払う紙幣を入出金カセットから繰り出して出金する機能を有している。この機能は、主にATM内に実装される紙幣処理装置の機構によって実現される。
【0003】
入金の場合、紙幣処理装置内に備えられた識別部で、入金される紙幣の真偽判定や寸法判定を含む複数の項目について判定が行われ、その判定結果に従って紙幣が正常か異常を識別する。判定の結果、正常な紙幣は金種別に決められた入出金カセットに収納される。異常と識別された紙幣は入金が拒否され、顧客へ返却される。
出金の場合、顧客が要求した金額に応じて入出金カセットから紙幣を繰り出し、識別部で紙幣の正常異常を識別し、異常と判定された紙幣はリジェクトカセットへ送って収納し、正常と判定された紙幣を顧客へ出金する。
【0004】
ところで、新札を発行する目的の1つとして紙幣の偽造を防止することがある。即ち紙幣のデザインを新しくして紙幣を偽造し難い構造とし、偽造紙幣(偽札)の市場での流通を防ぐ。日本においても、偽札の流通量増加に伴う経済への悪影響(金融不安、インフレーション、各企業の偽札対策費用の発生等)を防ぐため、2004年に新1万円札や新千円札、新5千円札が発行された。
【0005】
また韓国では、2005年度末における偽札の発見量は、2004年度末と比べて約4倍となっており、2006年には新しいデザインの紙幣(新札)の発行が予定されている。上記の理由から、デザインの変更前の紙幣(旧札)の流通量を早急に減らし、偽造しにくい構造とした新札の流通量を増やしたいために、政府から各金融機関へ旧札の回収を促す要請を行う場合もある。
【0006】
新札が発行された場合、顧客からは新札を入手したいという要求もあり、顧客サービスの一環として、要求に応じてATMから新札を出金することもある。新札及び旧札の紙幣を取り扱うATMに関する従来技術としては以下のものが挙げられる。
例えば、特開平7−282320公報(特許文献1)には、新札が装填される補充回収カセットと、旧札が装填される入出金カセットと、新札及び旧札の支払い金額を指定する支払指定手段とを設け、その支払指定手段の指定に基づいて、新札又は旧札を該当するカセットから出金する装置が開示されている。
また、特開2004−355062公報(特許文献2)には、利用者が出金形態を選択するキーを操作することにより新札又は旧札の紙幣を出金する紙幣取扱装置が開示されている。
【0007】
また、特開平9−50551公報(特許文献3)には、新札専用の第1金庫と、新札以外の利用可能な紙幣を収納する第2金庫と、紙幣補充用の第3金庫を備え、顧客が入金した紙幣又は係員が補充する紙幣を真偽鑑別して、第1又は第2の該当する金庫に収納する装置が開示されている。
更に、特開昭60−195692公報(特許文献4)には、ATMに預入れられた現金を支払用現金として還流されるか、又は還流させずに回収するかを金種別に指定する手段を設け、この指定手段により旧札は還流禁止として回収するようにした装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−282320号公報
【特許文献2】特開2004−355062公報
【特許文献3】特開平9−50551号公報
【特許文献4】特開昭60−195692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ATMに一度入金した紙幣を還流させて再び出金する場合には、それらの紙幣を入出金カセットの中で整然と整列させる必要がある。紙幣を整然と整列させる簡便な方法は、入出金カセットの内部の大きさを取り扱う紙幣の大きさに合わせることである。
【0010】
図12に示すように、韓国の紙幣は、旧札と新札の寸法差が大きい。そのため、同じ金種の紙幣に対して同じ入出金カセットが使えない可能性がある。すなわち、紙幣の大きさに対して入出金カセット内部の大きさが大きい場合には、入金された紙幣を整然と整列させることが難しく、紙幣を再度出金する場合、入出金カセットの入口に紙幣がひっかかってしまう可能性がある。一方、紙幣の大きさに対して入出金カセットが小さいと、紙幣を集積することが出来なくなる。
韓国紙幣のように、新札と旧札の寸法が大きく異なる紙幣を混在して取り扱う紙幣処理装置では、同じ額面の紙幣用の入出金カセットを新旧別に装備していなければならず、これでは装置の実装スペースが大きくなり、コスト高となる。
【0011】
さらに、紙幣処理装置の内部に設けられ、取り扱う紙幣の最大幅に合わせて設計された紙幣の搬送路は、韓国の新札と旧札のように寸法差が大きい場合には、幅の広い旧札に合わせた搬送路の幅とする必要がある。そこで、幅の広い搬送路を用いて幅の狭い新札を扱うと、その差の分だけ新札が斜めにずれやすくなり、紙幣処理装置の性能低下を招く。取り扱う紙幣が新札のみで良ければ、搬送路の幅を新札に合わせて狭くすることができるため、紙幣処理装置の性能を向上させることができるが、現実的でない。上記の理由から考えても、新札と旧札を混在して取り扱う期間は短い方がよく、旧札を早急に回収することが望ましい。
【0012】
本発明の目的は、操作性を良くして旧札を回収することができる現金自動取引装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、回収したい紙幣の額面金額及び枚数を指定することにより対象となる紙幣を容易に回収することができる現金自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る現金自動取引装置は、好ましくは、回収すべき紙幣の額面金額及び枚数の入力を受け付ける係員操作部と、紙幣を取扱う紙幣処理装置と、該係員操作部が受け付けた回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令を該紙幣処理装置に発する本体制御部とを備え、該紙幣処理装置は、新札を収納する第1の入出金カセットと、該新札と額面金額が同じ旧札を収納する第2の入出金カセットと、回収すべき紙幣を収納する補充回収カセットと、該第1及び第2の入出金カセットとそこに集積する紙幣の額面金額及び枚数の対応関係を管理する管理手段と、該第1及び第2の入出金カセットに収納される紙幣の最大集積枚数を設定する第1の設定手段と、新札と旧札とを区別して紙幣処理を行う制御部とを有し、該制御部は、該本体制御部からの前記回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令に応じて、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数未満の新札が集積している場合は、第2の入出金カセットに集積された旧札、該第1の入出金カセットに集積された新札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数以上の新札が集積している場合は、該第1の入出金カセットに集積された新札、第2の入出金カセットに集積された旧札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該本体制御部からの紙幣出金の指令に応じて、第1の入出金カセットに集積された新札を優先して出金するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作性よく、旧札を優先して入出金カセットから回収することができる。また、回収したい紙幣の額面金額及び枚数を上位の制御部から指定することにより紙幣を容易に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ATMの概観を示す斜視図。
【図2】一実施例におけるATMの制御ブロック図。
【図3】一実施例による紙幣処理装置100の構成を示す図。
【図4】一実施例による紙幣処理装置100の制御ブロック図。
【図5】一実施例におけるATMの本体制御部50から紙幣処理装置制御部54に回収動作を指示するための命令のフォーマットを示す図。
【図6】一実施例による紙幣処理装置における紙幣の回収の動作フロー図。
【図7】一実施例による紙幣処理装置における出金の動作フロー図。
【図8】他の実施例による紙幣処理装置の構成を示すブロック図。
【図9】他の実施例による紙幣処理装置における紙幣の回収動作フロー図。
【図10】他の実施例による紙幣処理装置における新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセット内部の紙幣状態の組み合わせを示す図。
【図11】他の実施例による紙幣処理装置における新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセット内部の紙幣状態の組み合わせを示す図。
【図12】韓国の新旧紙幣の寸法関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例1)
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、一実施例が適用されるATMの外観を示す斜視図である。
ATM101は、顧客の取引カードや取引明細票を処理するカード・明細票処理装置102と、通帳を処理する通帳処理装置103と、硬貨を処理する硬貨処理装置104と、紙幣を処理する紙幣処理装置100と、取引に必要な情報を表示し及び顧客の操作を入力する顧客操作部105を備えている。
【0017】
図2は、ATM101の制御ブロックを示す。
ATM101内には、カード・明細票処理装置102、通帳処理装置103、硬貨処理装置104、紙幣処理装置100、顧客操作部105、係員操作部52、及びこれら各部を制御する本体制御部50が実装される。各部100〜105,52は本体制御部50の制御の下に必要な処理動作を行う。例えば、本体制御部50は紙幣処理装置制御部54に対して、紙幣処理装置100における処理動作例えば紙幣の回収の制御を行う。また、本体制御部50はホストコンピュータ53に接続され、ホストコンピュータ53との間で必要なデータのやりとりを行う。
【0018】
顧客操作部105はタッチパネルを備え、そこに必要な操作内容を表示し、顧客の入力を案内する。たとえば、預入、引出し、振込み等の取引種別の入力や、暗証暗号、金額の入力等の指示を表示し、顧客からの入力を受けて、本体制御部50に伝える。係員操作部52は銀行の係員等の作業者がATMを運用、保守を行うための操作部であり、紙幣枚数のセットのための入力部、及び装置状態、運用モード、障害個所等を表示するための表示部を有する。
【0019】
図3は、紙幣処理装置100の構成を示す図である。
入出金口1には入金する紙幣Sが投入され、また出金や返却する紙幣Sが放出される。識別部2は入出金する紙幣Sの金種の判定及び紙幣の正常性即ち紙幣が正常か異常か等の複数の判定項目について識別する。一時保留部3は投入された紙幣Sに対する処理が確定するまで紙幣Sを一時的に保留する。入出金カセット4、5、6は金種別の紙幣収納用のカセットであり、入金された紙幣Sを集積し及び支払いのための紙幣を放出する。ここで、入出金カセット4〜6は、各カセットを識別する固有の識別情報を記憶したICチップのような記憶素子が取り付けられている。また各入出金カセット4〜6が装填された状態の場所には、各ICチップの識別情報を読み取るセンサが設けられている。なお、図3には図示されないが、入出金カセット4〜6の各出入口には紙幣の通過を監視する出入口センサ(42(図4))が配置される。
【0020】
本実施例では韓国札を扱い、入出金カセット4は新万ウォン札専用、入出金カセット5は旧万ウォン札専用、入出金カセット6は旧千ウォン札専用とする。即ち、これらの紙幣はそれぞれ対応するカセットに収納されて出金用として還流するが、これらの紙幣以外例えば、新旧5千ウォンや新千ウォンは出金されない。しかし、新旧5千ウォンや新千ウォンを入出金するATMを実現するならば、それら専用の入出金カセットも追加して実装するのがよい。
【0021】
7は一時保留部3から金種別の入出金カセットへ集積する際に、識別部2で異常と判定された紙幣Sを集積するリジェクトカセットである。リジェクトカセット7には、入出金カセット4〜6から繰出されて識別部2で異常と判断された紙幣Sも集積される。また、新旧5千ウォンや新千ウォンの出金機能を持たないATMにおいては、それらの紙幣が入金されたら、それらの紙幣はリジェクトカセット7に収納される。
8は銀行の係員によってATMに脱着可能な補充回収カセットであり、顧客の取引中でも、識別部2を通して各金種別の入出金カセット4〜6に紙幣Sを補充したり、各金種別の入出金カセット4〜6から識別部2を通して回収したりする。補充回収カセット8の内部はセパレータ9によって2つの室に分割され、補充する紙幣Sや回収した紙幣Sを集積する補充回収部10と、補充の際に補充回収部10から繰り出された紙幣Sのうちで、識別部2によって異常と識別された紙幣Sを集積する補充リジェクト部11を有する。L1〜L10は紙幣Sを搬送する搬送路である。
【0022】
紙幣処理装置100は、投入される紙幣Sを金種別に内部の入出金カセット4〜6およびリジェクトカセット7に収納する機能と、入出金カセット4〜6に収納されている紙幣Sを取り出して出金する機能と、脱着可能な補充回収カセット8から入出金カセット4〜6へ補充する機能と、入出金カセット4〜6から補充回収カセット8へ回収する機能とを有する。いずれの機能も本体制御部50の指示に基づいて行われる。
【0023】
上述のように、補充回収カセット8は顧客の取引中でも脱着可能であるため、紙幣処理装置内の紙幣枚数が少なくなった場合、係員は補充回収カセット8を取り外し、その中に補充用の紙幣を装填した後、再び紙幣処理装置に補充回収カセット8を装填して入出金カセット4〜6に紙幣を補充することができる。また、入出金カセットが満杯になった場合や、任意の枚数の紙幣を紙幣処理装置から取り出したい場合には、入出金カセット4〜6から補充回収カセット8に紙幣を回収することができる。
【0024】
次に、各機能の動作について説明する。
まず、入金動作について説明する。入出金口1に投入された紙幣Sを入金する場合、紙幣は搬送路L1→L2→L3を搬送され、識別部2で識別される。その識別結果に基づいて、正常な紙幣Sは搬送路L4を通って一時保留部3に収納される。一方、異常と識別された紙幣Sは搬送路L6→L7を通って入出金口1へ返却される。
入出金口1の紙幣Sを繰り出し終えた後、入出金口1へ搬送された異常と識別された紙幣Sの抜き取りを顧客へ促す。その後、一時保留部3に集積された紙幣Sを入金するかどうか顧客へ確認を行い、入金しない場合はキャンセル動作として、一時保留部3から搬送路L5→L6→L7を通って入出金口1に紙幣Sを搬送し、顧客へ紙幣Sを返却する。一方、顧客が入金したい場合には、紙幣は一時保留部3から搬送路L5→L6→L2→L3→L8を通り識別部2で識別され、その結果、異常と判断された、あるいは入出金カセット4〜6に設定されていない金種と判断された紙幣Sはリジェクトカセット7に集積される。また識別部2で正常、かつ入出金カセット4〜6に設定された金種であると判断された紙幣Sはいずれかの入出金カセット4〜6に集積される。
【0025】
次に、出金動作について説明する。本体制御部50から出金の指示があった場合、指示のあった金種の紙幣Sが入出金カセット4〜6から繰り出され、搬送路L9→L2を通って識別部2で識別される。識別の結果、異常と判断された紙幣Sは搬送路L3→L8を通ってリジェクトカセット7に集積される。一方、正常と判断された紙幣Sは搬送路L3→L6→L7を通って入出金口1へ放出され、出金した紙幣の抜き取りを顧客へ促す。
【0026】
次に、紙幣の補充動作については、本体制御部50から補充の指示があると、補充回収部10から紙幣Sを繰り出し、搬送路L10→L6→L2→L3→L8を通って、識別部2で識別される。その結果正常かつ入出金カセット4〜6に設定された金種であると判断された紙幣Sは各金種別に入出金カセット4〜6に集積される。識別の結果、異常または入出金カセット4〜6に設定された金種でないと判断された紙幣Sは補充リジェクト部11に集積される。
【0027】
次に、紙幣の回収動作については、本体制御部50から回収の指示があると、紙幣Sは入出金カセット4〜6から繰り出され、搬送路L9→L2を通って識別部2で識別される。その結果、正常と識別された紙幣Sは搬送路L3→L8を通って、補充回収部10に回収して集積される。また、異常と識別された紙幣Sは搬送路L3→L8を通って、リジェクトカセット7に集積される。
【0028】
図4は紙幣処理装置100のブロック図である。
図4において、20は紙幣処理装置100の各部を制御する主制御部、21は紙幣処理装置100が接続されたATM101の本体制御部50と通信を行う通信部である。41は紙幣を搬送する搬送路L1〜L10を動かすための搬送モータ、42は入出金カセット4〜6の各出入口に配置された、紙幣の通過を監視する入出金カセット出入口センサである。22は紙幣処理装置制御部54の内部に設けられたデータ管理部であり、これはメモリ上に展開される。
【0029】
データ管理部22は、各入出金カセット4〜6が何れの紙幣を扱うためのカセットであるかを記憶したカセット配置データ30、入出金カセット4〜6に集積された紙幣枚数を表す入出金カセット集積枚数データ31、及び補充回収カセット8に回収された枚数を表す補充回収部回収枚数データ35を管理する。
即ち、カセット配置データ30は、入出金カセット4〜6に何れの紙幣を集積するかを、入出金カセット4〜6の識別情報とそこに集積すべき紙幣の種類を対応付けて記憶する。例えば、入出金カセット4(例えば識別情報「001」)は新万ウォン札、入出金カセット5(例えば識別情報「010」)は旧万ウォン札、入出金カセット6(例えば識別情報「011」)は旧千ウォン札を集積することを記憶する。入出金カセット集積枚数データ31は、例えば、入出金カセット4、5、6に集積された、現在における紙幣の枚数が、100枚、300枚、200枚のように、入出金カセット4〜6の識別情報とそこに集積される紙幣の枚数データを対応付けて記憶する。また、補充回収部回収枚数データ35は、補充回収カセット8に回収された紙幣の枚数を紙幣の種類毎に記憶する。例えば、新万ウォン札が20枚、旧万ウォン札が10枚、旧千ウォン札が5枚のようなデータを記憶する。
主制御部20は、入出金カセット出入口センサ42で計数される出入りした紙幣の枚数と、入出金カセット集積枚数データ31から、取引後に各入出金カセットに集積されている紙幣の枚数を計算し、入出金カセット集積枚数データ31を更新する。
【0030】
図5は、本体制御部50から紙幣処理装置制御部54へ紙幣の回収動作を指示する場合に使用される命令のフォーマットである。本体制御部50は、新札と旧札の区別をしないで、回収すべき紙幣の種類即ち額面金額(万ウォン、千ウォン)と、それぞれの回収枚数を指定する指令を発する。新札と旧札の両方を取り扱うATMの場合でも、この命令のフォーマットは変わらない。回収すべき紙幣の種類及び回収枚数は、ATMの係員が係員操作部52を操作して設定できる。
而して、新札と旧札を区別して判断するのは紙幣処理装置制御部54であることから、新札が発行されても、紙幣処理装置100の上位プログラム(本体制御部50)を変更する必要がなく、紙幣の回収を行える。
【0031】
次に、図6を参照して、一実施例における補充回収カセットへの回収動作について説明する。
紙幣処理装置100は、本体制御部50から通信部21を介して、図5に示す指令を受けると、紙幣処理装置制御部54の主制御部20は、回収する紙幣の額面金額とその枚数を認識する。そして、指定された額面金額の紙幣の有無を、データ管理部22が保持している入出金カセット集積枚数データ31から判定する(601)。判定の結果、指定された額面金額の紙幣があった場合に(601)、同様に入出金カセット集積枚数データ31から、その額面金額の旧札があるかどうかを確認する(602)。
【0032】
この確認の結果、旧札が集積されていなければ(602/No)、新札専用入出金カセット4を選択し(603)、入出金カセット4から新万ウォン紙幣を回収する(604)。一方、指定された額面金額の旧札があれば(602/Yes)、旧札専用入出金カセット5,6を選択し(606)、入出金カセット5,6から旧万ウォン紙幣又は旧千ウォン紙幣を回収する(607)。その後、本体制御部50より指定された枚数分の回収が完了したかを判定し(605)、完了していれば処理動作を終了する。完了していなければステップ601に戻って上記処理を再び行う。
上記の制御動作により、常に旧札を優先して回収することができ、旧札を早期回収することができる。
【0033】
次に、図7を参照して出金動作について説明する。
この例は、新札専用入出金カセット4から優先して出金する動作例である。
本体制御部50から通信部21を介して、図5に示す指令により、出金する紙幣の額面金額とその枚数の指示を受けると、主制御部20は指定された額面金額の紙幣の有無を入出金カセット集積枚数データ31から判定する(701)。判定の結果、紙幣が無ければ出金処理を終了する。一方、指定された額面金額の紙幣が有れば、入出金カセット集積枚数データ31から指定された額面金額の新札が集積されているかどうかを判定する(702)。その結果、新札がなければ旧札専用入出金カセット5又は6を選択し(703)、その入出金カセット5又は6から出金する(704)。そして、本体制御部50から指定された枚数を出金したか判定して(705)、指定された枚数を満たしていれば、出金処理を終了する。一方、指定された枚数を満たしていなければ、ステップ701に戻り処理を続行する。
【0034】
また、ステップ702で判定した結果、新札が紙幣処理装置内の入出金カセット4の中に集積していれば、その新札専用入出金カセット4を選択して(706)、その入出金カセット4から出金する(707)。そして同様に、出金した枚数の判定を行う(705)。
このような処理動作を行うことで、顧客に新札を優先して出金することが可能となり、旧札から新札への流通紙幣の移行を早めることができる。
【0035】
(実施例2)
次に、図8以降を参照して他の実施例について説明する。
図8は紙幣処理装置100のブロック図を示す。図4に示した紙幣処理装置100の構成に加えて、管理データ部22は、各入出金カセットが満杯になる時の入出金カセット最大集積枚数データ32と、新札専用入出金カセットから補充回収カセットへ回収した時の最大回収枚数を規定した最大回収枚数データ33を保持する。さらに、紙幣処理装置100は、入出金カセット最大集積枚数データ32を設定するための入出金カセット最大集積枚数設定キー43と、最大回収枚数データ33を設定するための最大回収枚数設定キー44を備える。
【0036】
図9は本実施例における補充回収カセットへの回収動作を示すフローである。
本体制御部50から通信部21を介して指示された指令を受けると、主制御部20は、入出金カセット集積枚数データ31を確認して、額面金額の紙幣があるかどうかを判定する(901)。その結果、額面金額の紙幣が無ければ回収動作を終了する。一方、その額面金額の紙幣が有れば、入出金カセット集積枚数データ31より旧札が有るか否かを判定する(902)。この判定の結果、旧札が無ければ新札専用入出金カセット4を選択し(903)、新札を回収する(904)。
一方、旧札が有る場合(902)、入出金カセット集積枚数データ31と入出金カセット最大集積枚数データ32から、条件「旧札専用入出金カセットが最大集積枚数以上ではない、かつ新札専用入出金カセットが最大集積枚数以上であるか?」を判定する(906)。その判定の結果、その条件が偽であれば、旧札専用入出金カセット5又は6を選択し(907)、そこから紙幣を回収する(908)。
一方、その条件が真であれば、新札専用入出金カセット4を選択し(909)、新札専用入出金カセット4から最大回収枚数33を限度として回収する(910)。その後、指定された枚数分の回収ができたかどうかを補充回収部回収枚数データ35と比較することで判定し(905)、回収が出来ていれば処理動作を終了する。しかし、指定された枚数を満たしていなければステップ901へ戻り、回収動作を続ける。
【0037】
次に、図10及び図11を参照して、新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセットの紙幣集積状態の組み合わせについて説明する。この組み合わせは、以下のように、CASE1〜CASE9の場合に分けられる。各ケースの処理動作について、図9により説明した動作も参照して以下に述べる。
【0038】
CASE1:
指定された額面金額の札がないために回収動作を終了する(901)。
CASE2、CASE3:
旧札専用入出金カセット5又は6を選択し(907)、旧札のみを回収する。
CASE4:
旧札がないため(902)、新札専用カセットを選択し(903)、新札を回収する。これにより本体制御部50から指定された回収枚数を満たすことができる。
【0039】
CASE5:
旧札専用入出金カセット5又は6から旧札を回収する(908)。旧札専用入出金カセット5又は6が空になっても指定された枚数を満たしていなければ(905)、次に新札専用入出金カセット4を選択して(903)、新札を回収する。これにより、旧札が優先して回収され、旧札の早期回収が行える。
CASE6:
旧札が最大集積枚数以上であることから(906)、旧札専用入出金カセット5又は6を選択して(907)、旧札を回収する。旧札専用入出金カセット5又は6が空になっても指定された枚数を満たしていなければ(905)、次に新札専用入出金カセット4を選択して(903)、新札を回収する。従って、旧札から優先して回収することができる。
【0040】
CASE7;
新札専用入出金カセット4が最大集積枚数を超えていて、旧札専用入出金カセット5又は6が空であることから(902)、新札専用入出金カセット4から新札を回収する(904)。
CASE8:
新札専用入出金カセット4が最大集積枚数以上の場合、新札専用入出金カセット4から回収を始めることで(909)、新札専用入出金カセット4内に、次回取引で入金される新札を集積するための空間を確保できる。設定された新札専用入出金カセット4の最大回収枚数32を超えて回収を行っても(910)、指定された枚数を満たしていなければ(905)、次には旧札専用入出金カセット5又は6を選択して(907)、旧札を回収する(908)。さらに、旧札専用入出金カセット5又は6が空になっても指定された枚数を満たさなければ(905)、再び新札専用入出金カセット4から再び回収を行う(904)。このような制御動作によれば、新札専用入出金カセット4の満杯状態を解消した後に、旧札の回収を行うことができ、運用中に新札の入金があった場合にも対応できる。
また、新札が発行されたばかりで、新札の出金が多く入金が少ない時期には、最大回収枚数設定キー44により最大集積枚数データ32を少なめに設定することで、新札専用入出金カセット4から回収する枚数を減らし、より多くの新札出金要求に応えることができる。
【0041】
CASE9:
新札専用入出金カセット4も旧札専用入出金カセット5又は6も最大集積枚数以上に集積している場合、始めに旧札専用入出金カセット5又は6から旧札の回収を始める(907)。旧札専用入出金カセットが空になるまで回収しても、本体制御部50で指定された回収枚数を満たさない場合には(905)、再度回収元となる入出金カセットを選択する判定を行い(906)、今度は最大集積枚数以上である新札専用入出金カセット4から、指定枚数に足りない枚数分の新札を回収する(908)。それでも本体制御部50で指定された回収枚数を満たさない場合には(905)、旧札専用入出金カセットへ集積された旧札は既に回収済みなので(902)、新札専用入出金カセット4から再度、新札を回収する(904)。
【0042】
以上のように、本実施例によれば、旧札を優先して補充回収カセット8に回収することができる。また、旧札の回収を優先的に行うが新札も回収するので、新札専用入出金カセットが満杯で取引出来なくなる事態を避けることができ、ATMの利便性が増す。 これにより、ATMの利用者へは新札が渡され、係員は旧札を回収することができ、結果として、市場に流通する旧札の量をより早く減らし、新札の量をより早く増やすことができ、顧客の要求も満たせる。
【0043】
また、本実施例によれば、紙幣処理装置に対して、入出金カセットから補充回収カセットへの紙幣の回収を指示する場合には、新札と旧札の区別、あるいは新札専用入出金カセットや旧札専用入出金カセットの場所や数を指示する必要がなく、回収したい紙幣の額面金額と枚数を指示すればよいため、本体制御部50の上位プログラムの変更をせずに、旧札を優先的に回収することができる。さらに、新しい第3のデザインの紙幣が発行された場合でも、紙幣の額面金額と枚数を指示すれば、旧札の優先回収が実現でき、上位プログラムの変更は不要となる。このように、上位プログラムの変更が不要か又は仮に変更したとしても必要最小限に留めることができるので、簡単で安価な回収機能を実現できる。
【0044】
また、本実施例によれば、新札が発行されたばかりの第1の時期には、入金される旧札が多いため、旧札を優先して回収すればよく、これは本実施例の構成により実現できる。また、旧札の流通量が徐々に減少する第2の時期には、入金される旧札の量は減り、補充回収カセットへ紙幣を回収する際に、旧札専用入出金カセットが空になっても指定された回収枚数に満たない場合には、新札専用入出金カセットから回収すればよく、本実施例の構成により実現できる。さらに、新札のみが流通する第3の時期には、旧札専用入出金カセット内に旧札は存在しないため、新札専用入出金カセットから新札を回収すればよい。このように、新札と旧札が入れ替わる過渡期においても、本実施例の構成は有効である。
【0045】
さらに本実施例によれば、各入出金カセットの最大集積枚数の設定手段と、設定した最大集積枚数を記憶する記憶手段を設け、入出金カセットから補充回収カセットへ紙幣を回収する場合、旧札専用カセットに紙幣があっても、新札専用入出金カセットに最大集積枚数以上の紙幣が集積していれば、新札専用入出金カセットから優先して回収することができる。最大集積枚数の設定手段としては、紙幣処理装置に操作用の入力キーを設け、このキーにより設定でき、また記憶手段としてはRAMなどの記憶素子を用いて実現できる。これにより、新札専用入出金カセットに最大限紙幣を集積でき、旧札専用入出金カセットは未だ集積可能な状態の時に、新札を回収できるので、以降の取引で新札の入金があっても、新札専用入出金カセットへ集積することが可能となり、利便性が向上する。
【0046】
さらに本実施例によれば、紙幣処理装置において、入出金カセットから補充回収カセットへ紙幣を回収する場合、新札専用入出金カセットに集積された紙幣の枚数が、設定された最大集積枚数以上で、かつ旧札専用入出金カセットに集積された紙幣の枚数も、設定された最大集積枚数以上であった場合に、旧札専用入出金カセットから優先して回収することができる。これにより、顧客取引で入金される可能性の高い旧札専用入出金カセットの集積枚数を減らすことができる。
【0047】
本実施例による紙幣処理装置では、旧札専用入出金カセットへの入金と、新札専用入出金カセットからの出金が多い構成となっている。従って、旧札専用入出金カセットの枚数が最大集積枚数以下で、新札専用入出金カセットの枚数が最大集積枚数以上である場合に、旧札が入金されると、最大集積枚数以下である旧札専用入出金カセットに集積可能であり、新札が出金されると、最大集積枚数以上である新札専用入出金カセットから出金を行い、結果として新札専用入出金カセットは最大集積枚数以下となる。このように、旧札専用入出金カセットの枚数を最大集積枚数以下にした方が、顧客取引を続けられる可能性が高く、利便性が向上する。
【0048】
さらに本実施例によれば、紙幣処理装置において、入出金カセットから補充回収カセットに紙幣を回収する場合、新札の最大回収枚数の設定手段を設け、新札専用入出金カセットから回収する際に、新札専用入出金カセットから回収した枚数が最大回収枚数に至った際に、前記新札専用入出金カセットからの回収を停止し、前記旧札専用入出金カセットから回収することができる。
これにより、新札専用入出金カセットが空になるまで、補充回収カセットへ紙幣を回収してしまうのを防ぐことができ、その後に顧客から出金要求があった際にも、新札を出金することができる。また、回収の途中で旧札専用入出金カセットから旧札を回収するように切り替えることで、係員はより多くの旧札を紙幣処理装置から回収することができ、旧札を早期に回収することができる。
【0049】
なお、新札専用入出金カセットから最大回収枚数を回収し、旧札専用入出金カセットから空になるまで回収しても、なお要求された回収枚数に満たない場合は、再度新札専用入出金カセットから回収を始めても構わない。これにより、要求された回収指示を確実に実行することができる。
【0050】
また、本実施例によれば、新札専用入出金カセットからの最大回収枚数を可変とすることができる。例えば、新札の流通量が少なく、旧札の流通量が多い時期には、新札の出金が多く入金が少ないため、新札専用入出金カセットから回収する最大回収枚数を少なめに設定することで、より多くの出金要求に応えることができる。また、新札の流通量が増えてくると、新札の入金取引も増加するため、新札専用入出金カセットから回収する最大回収枚数を多めに設定することで、より多くの新札を新札専用入出金カセットに受け入れることができる。上記のように新札専用入出金カセットからの最大回収枚数を可変とすることで、広範なニーズに合わせたATMの運用を行うことができ、利便性が向上する。
【0051】
また、本実施例によれば、同額面金額の新札専用入出金カセットや旧札専用入出金カセットが複数ある場合に、最大集積枚数として、各入出金カセットの枚数の総計を設定することもできる。例えば、同額面金額の旧札専用入出金カセットが複数ある場合に、一方の旧札専用入出金カセットの集積枚数が、旧札専用入出金カセットへ集積できる限界の枚数となっても、次の顧客取引では、他方の旧札専用入出金カセットに集積すればよいため、顧客取引を続行するための問題とはならない。従って、複数の旧札専用入出金カセットへ集積可能な枚数の限界を、最大集積枚数として設定することができる。
【0052】
本発明は上記した実施例に限定されることなく、種々変形して実施し得る。例えば、図3に示す入出金カセット4〜6の数は一例であってこれに限定されない。また何れのカセットを旧札専用とし、何れのカセットを新札専用にするかについても同様にして、図3の例に限定されない。何れにしても、データ管理部22のカセット配置データ30が入出金カセットとそれに収納される紙幣の種類を記憶しておくことで両者の対応関係は維持される。
また、上記実施例では、検知手段として各入出金カセットに識別情報を記憶する記憶素子を取り付け、その識別情報を検出することで各入出金カセットを認識したが、他の例によれば、新札専用入出金カセットと旧札専用入出金カセットを配置する場所を予め決めておき、紙幣処理装置の主制御部20がその入出金カセットの位置を記憶しておくことで各入手金カセットを識別することもできる。
【0053】
また、上記実施例では、旧札を優先して回収したが、新札を優先して回収ことも可能である。これは、例えば図6の処理動作において、旧札の処理を新札の処理に変更し、新札の処理を旧札の処理に変更することで実現できることが理解できるであろう。
【0054】
また、上記実施例において、紙幣の最大集積枚数を固定としないで可変としてもよい。これにより、設定の柔軟性が増し、多様なニーズに応えることができる。また、残量の尺度として紙幣の枚数データを用いたが、それ以外の尺度、例えば集積した紙幣の厚みや重量等で判断することもできる。
【符号の説明】
【0055】
1:入出金口、2:識別部、3:一時保留部、4,5,6:入出金カセット、7:リジェクトカセット、8:補充回収カセット、9:セパレータ、10:補充回収部、11:補充リジェクト部、20:主制御部、21:通信部、22:データ管理部、30:カセット配置データ、31:入出金カセット集積枚数データ、32:入出金カセット最大集積枚数データ、33:最大回収枚数データ、41:モータ、42:入出金カセット出入口センサ、50:本体制御部、52:係員操作部、53:ホストコンピュータ、54:紙幣処理装置制御部、100:紙幣処理装置、101:ATM、102:カード・明細票処理装置、103:通帳処理装置、104:硬貨処理装置、105:利用者操作部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収すべき紙幣の額面金額及び枚数の入力を受け付ける係員操作部と、紙幣を取扱う紙幣処理装置と、該係員操作部が受け付けた回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令を該紙幣処理装置に発する本体制御部とを備え、
該紙幣処理装置は、新札を収納する第1の入出金カセットと、該新札と額面金額が同じ旧札を収納する第2の入出金カセットと、回収すべき紙幣を収納する補充回収カセットと、該第1及び第2の入出金カセットとそこに集積する紙幣の額面金額及び枚数の対応関係を管理する管理手段と、該第1及び第2の入出金カセットに収納される紙幣の最大集積枚数を設定する第1の設定手段と、新札と旧札とを区別して紙幣処理を行う制御部とを有し、
該制御部は、該本体制御部からの前記回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令に応じて、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数未満の新札が集積している場合は、第2の入出金カセットに集積された旧札、該第1の入出金カセットに集積された新札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数以上の新札が集積している場合は、該第1の入出金カセットに集積された新札、第2の入出金カセットに集積された旧札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該本体制御部からの紙幣出金の指令に応じて、第1の入出金カセットに集積された新札を優先して出金するように制御することを特徴とする現金自動取引装置。
【請求項1】
回収すべき紙幣の額面金額及び枚数の入力を受け付ける係員操作部と、紙幣を取扱う紙幣処理装置と、該係員操作部が受け付けた回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令を該紙幣処理装置に発する本体制御部とを備え、
該紙幣処理装置は、新札を収納する第1の入出金カセットと、該新札と額面金額が同じ旧札を収納する第2の入出金カセットと、回収すべき紙幣を収納する補充回収カセットと、該第1及び第2の入出金カセットとそこに集積する紙幣の額面金額及び枚数の対応関係を管理する管理手段と、該第1及び第2の入出金カセットに収納される紙幣の最大集積枚数を設定する第1の設定手段と、新札と旧札とを区別して紙幣処理を行う制御部とを有し、
該制御部は、該本体制御部からの前記回収すべき紙幣の額面金額及び枚数を指定する指令に応じて、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数未満の新札が集積している場合は、第2の入出金カセットに集積された旧札、該第1の入出金カセットに集積された新札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該第1の入出金カセット内に該第1の設定手段により設定された最大集積枚数以上の新札が集積している場合は、該第1の入出金カセットに集積された新札、第2の入出金カセットに集積された旧札の順に紙幣を該補充回収カセットに回収し、該本体制御部からの紙幣出金の指令に応じて、第1の入出金カセットに集積された新札を優先して出金するように制御することを特徴とする現金自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−3314(P2010−3314A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191527(P2009−191527)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【分割の表示】特願2006−123491(P2006−123491)の分割
【原出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【特許番号】特許第4387456号(P4387456)
【特許公報発行日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【分割の表示】特願2006−123491(P2006−123491)の分割
【原出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【特許番号】特許第4387456号(P4387456)
【特許公報発行日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]