説明

球根類の移植機

【課題】 本発明では、複数の供給カップに供給された球根類が確実に植付装置に受け渡しされるようにした球根類の移植機を提供することを課題とする。
【解決手段】 ループ状に周回する複数の供給カップ6b下部の所定位置に供給カップ6bから球根類Aを受けて一時貯留する中継カップ17を設け、この中継カップ17の底部に設ける中継シャッタ18を開いて植付装置7に球根類Aを供給する構成とした球根類の移植機とする。また、供給カップ6bを筒状にして供給円盤6a上に接近配置し、該供給円盤6aの所定位置に設けた落下口から落下する球根類Aを中継カップ17で一時貯留するように構成し、更に、中継カップ17の底部に設ける中継シャッタ18を水平に開閉作動すべく構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種芋を含む球根類を圃場に植付ける球根類の移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業者によって種芋供給部に供給された球根類を植付装置で圃場に植付ける球根類の移植機が知られている。
例えば、特許文献1に示されるように、種芋を貯留する種芋載せ台と該種芋載せ台から種芋が移動して収容される収容部と該収容部の下方に配置された複数の供給カップが周回する供給部と該供給部から受け取った種芋を圃場に植付ける植付装置を装備した球根類の移植機がある。作業者は、供給部の中央上方に配置された収容部から種芋を一個ずつ取出して供給部の各供給カップに種芋を入れることで植付作業を続ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−51613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の球根類の移植機は、種芋が供給される複数の供給カップは、底部にシャッタが設けられ、該シャッタが所定位置で開き、供給カップの下方から上昇してくる植付装置に種芋を受け渡して、種芋を受け取った植付装置が降下して種芋を圃場へ植え付けるので、シャッタが開くタイミングで植付装置が供給カップの下側に接近位置している必要があるが、供給カップと共に移動する種芋に移動方向の慣性力が働いているのでシャッタが開くと移動方向に投げ出されるようになって、植付装置の上昇タイミングが遅れると種芋の受け渡しがうまくいかず、種芋が植付装置からこぼれることが有る。
【0005】
そこで、本発明では、複数の供給カップに供給された球根類が確実に植付装置に受け渡しされるようにした球根類の移植機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、ループ状に周回する複数の供給カップ6b下部の所定位置に供給カップ6bから球根類Aを受けて一時貯留する中継カップ17を設け、この中継カップ17の底部に設ける中継シャッタ18を開いて植付装置7に球根類Aを供給する構成としたことを特徴とする球根類の移植機とする。
【0007】
この構成で、一定速度で周回する供給カップ6bに供給された球根類Aは所定位置で中継カップ17に受け渡して移動慣性力が無くなった状態で、底部の中継シャッタ18を開き、球根類Aが真下に落下して植付装置7に供給されるので、球根類Aの脱落や引っ掛かりがなくなく、供給カップ6bから植付装置7への引継が確実に行われる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、供給カップ6bを筒状にして供給円盤6a上に接近配置し、該供給円盤6aの所定位置に設けた落下口から落下する球根類Aを中継カップ17で一時貯留するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の球根類の移植機とする。
【0009】
この構成で、請求項1に記載の発明の作用に加えて、複数設ける供給カップ6bに個別のシャッタを設ける必要が無いので、構成が簡単になる。
また、請求項3に係る発明は、中継カップ17の底部に設ける中継シャッタ18を水平に開閉作動すべくしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の球根類の移植機とした。
【0010】
この構成で、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、植付装置7を中継カップ17の底部に接近させることが出来て球根類Aの脱落や引っ掛かりを防ぎ易い。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、複数の供給カップ6bに供給された球根類が中継カップ17を経て脱落や引っ掛かりが無く確実に植付装置7に供給されて植え付けられ、植付ミスによる欠株が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例を示す移植機の側面図である。
【図2】本発明の実施例を示す移植機の平面図である。
【図3】送出装置の要部拡大側断面図である。
【図4】覆土鎮圧装置の要部拡大側面図(a)およびその背面図(b)である。
【図5】植付装置の植付ホッパ部の斜視図である。
【図6】植付装置の植付ホッパ部の側面図である。
【図7】回転テーブル装置の平面図である。
【図8】回転テーブル装置の側面図である。
【図9】乗用型移植機の側面図である。
【図10】乗用型移植機の平面図である。
【図11】別実施例の乗用型移植機の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記本発明の技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について、以下に、図面を参照しつつ説明する。
先ず、本発明の実施例を図1乃至図8に示す歩行型移植機について詳細に説明する。
【0014】
移植機1は、一体構成のエンジン2及び主伝動ケース2a、機体前部を支持する左右の前輪4,4、左右の伝動支持部5a,5aを介して機体高さと左右高さを調整可能に駆動支持する左右の駆動輪5,5、主伝動ケース2aの後部から一体的に延びるハンドルフレーム3、その後端に一体形成した歩行操縦用の操縦ハンドル3aよりなる走行部1aと、ジャガイモ等の種芋やラッキョウ等を含む球根類Aを圃場に植付けるための植付部1bとから構成される。尚、移植機1のエンジン2を設けた側を機体前部、操縦ハンドル3a側を機体後部と謂い、操縦ハンドル3a側の後部に立ってエンジン2側の前部に向かって左側を機体の左側、右側を機体の右側と謂う。
【0015】
植付部1bは、球根類Aを受けて供給円盤6a上を円状の周回軌道を描いて移動する複数個の供給カップ6b…を備える移送装置である回転テーブル装置6、植付け動作する植付ホッパ部7aを備える植付装置7、植付装置7の後方の覆土鎮圧輪8,8等からなり、また、回転テーブル装置6の各供給カップ6b…に作業者が投入する球根類Aを貯留する貯留部9を設ける。
【0016】
これら植付部1bは、主伝動ケース2aから副伝動ケース2bを介して回転テーブル装置6と植付装置7とを走行部1aと同期して駆動することにより、貯留部9内の球根類Aを作業者が取出して回転テーブル装置6の各供給カップ6b…に1個ずつ入れると、各供給カップ6b…に入れられた球根類Aは供給円盤6a上を移送されて、供給円盤6aに設けた落下口から中継カップ17内へ落下し、中継カップ17の底部に設けた中継シャッタ18を植付装置7の植付ホッパ部7aに設けた開口作用杆21が上昇作用で開口片19に当接して開口作動させ、植付装置7内に落下供給されて、植付装置7によって圃場に順次植付けを行うことができる。
【0017】
ここで、回転テーブル装置6を図7と図8で詳細に説明すると、回転テーブル装置6は副伝動ケース2bに支持アーム20で左右駆動輪5,5の後部左右中間位置上方に支持されている。立設した中心回転駆動軸23で回転する回転盤22の外周に等間隔で供給カップ6bを取り付け、この回転盤22の下側で固定する供給円盤6aには所定位置に落下口を設け、この落下口下方に中継カップ17を固定している。この中継カップ17は球根類Aを収納する深さとして、その底部には中継シャッタ18のシャッタアーム18aを支持アーム20に水平回動するようかつ閉じ付勢して設けている。シャッタアーム18aには中継シャッタ18と対称方向へ開口係合部18bを設け、後述する植付装置7の植付ホッパ部7aに側方へ張り出した開口作用杆21が開口係合部18bに当接してシャッタアーム18aを回して中継シャッタ18を開き、球根類Aを植付ホッパ部7aに落下供給する。
【0018】
供給円盤6aの落下口の位置は中継シャッタ18が開くよりも充分に早く球根類Aを落下させる位置で、供給円盤6aの上面には球根類Aが滑りやすいように摩擦係数の非常に低いフッ素樹脂シートを張り付けたり、細かな凹凸を形成したりすると良い。また、中継シャッタ18は、中継カップ17の底穴径よりも球根類Aが零れない程度で若干小さくして開いた際に球根類Aを素早く落下させる。
【0019】
また、中継カップ17と供給円盤6aの間に伸縮筒を設けて中継カップ17と供給円盤6aの隙間を埋めることを行っても良い。
次に、貯留部9を詳細に説明すると、貯留部9は、回転テーブル装置6の前方位置に配置された主貯留部9aと該主貯留部9aに貯留した球根類Aが回転テーブル装置6の上方位置に移動して収容される収容部9bとから構成されている。そして、主貯留部9aの底面を主伝動ケース2aの上部に基部が固定された鉄製の杆体よりなる支持枠9cの上部に固定して支持し、主貯留部9aから機体後方に向けて延設した状態で一体構成の収容部9bの底面を回転テーブル装置6の中心部に設けられた中心回転駆動軸23の上端に接当して載せた状態で支持している。
【0020】
そして、主貯留部9aは、移植作業状態で水平に設けられており、その球根類Aを貯留する内部底面には球根類Aを機体後方の収容部9bに向けて送り出す送り装置であるベルト送り装置10が設けられている。
【0021】
ベルト送り装置10は、主貯留部9aの後部側と前部側に各々駆動ロール11aと従動ロール11bを配置し、両ロール11a,11b間に平ベルト12を巻き掛けて構成し、駆動ロール11aの左側端部に送り操作装置である回動用ハンドル13を設けている。よって、作業者が該回動用ハンドル13を矢印イ方向に回すと、駆動ロール11aが回転し、平ベルト12もイ方向に回動して、主貯留部9a内に貯留している球根類Aを主貯留部9aから機体後方の収容部9bに向けて送り出すことができる。
【0022】
一方、収容部9bは、回転テーブル装置6の中央上方位置に配置され、その前側は順次テーパー状に狭まった流通路9b’を介して主貯留部9aの後側と連通し、前述のように球根類Aが主貯留部9aから送り出されてくる。また、収容部9bの左側に回転テーブル装置6の各供給カップ6b…に球根類Aを供給する機体側方に向けて開放した供給口14を設けている。そして、該供給口14の開放した左端部は、その下方で供給円盤6a上を移動している回転テーブル装置6の各供給カップ6b…の中央部の上方位置になるようにしている。
【0023】
また、供給口14には球根類Aをせき止める供給シャッタ15が設けられており、該供給シャッタ15は供給口14を閉鎖して球根類Aが側方に向けて落下又は取出されるのを阻止する状態と供給口14を開放して球根類Aが側方に向けて落下又は取出される状態に切替えられるように回動軸14aにて回動自在に装着されている。更に、貯留部9の前端部である主貯留部9aの前部の内部深さD1よりも、貯留部9の後端部である収容部9bの後部の内部深さD2の方が深くなる構成としている。
【0024】
従って、移植作業時の畝終端位置で機体を旋回させる時は、左右駆動輪5,5を機体に対して下降させ機体を上昇させた後に操縦ハンドル3aを押し下げて左右前輪4,4を浮かせて機体の旋回操作をする。その時、貯留部9は後下がり傾斜になるが、供給シャッタ15で供給口14を閉鎖して球根類Aが側方に向けて落下又は取出されるのを阻止する状態にしておけば、貯留部9の後端部である収容部9bの後部の内部深さD2が深いことも相俟って、球根類Aが貯留部9からこぼれ落ちるのが防止でき、良好な旋回操作が行なえて、作業性が良い。
【0025】
尚、供給シャッタ15を回動式でなく、供給口14を閉塞した状態から機体左側方に向けて供給カップ6bの外周よりも外側までスライドさせて供給口14を開放させる構成にすれば、その開放状態にした供給シャッタ15に作業者が手を置いて供給口14から球根類Aを指で落下させて各供給カップ6b…に供給でき、作業が楽に行なえて作業性が良い。
【0026】
回転テーブル装置6は、前記のように植付装置7の上方位置で球根類Aを受けて供給円盤6a上を移送する複数個の供給カップ6b…を備え、伝動回転軸2bの回転動力によって中心回転駆動軸23にて所定速度で回転作動される構成となっている。尚、伝動回転軸2bの回転動力にて所定速度で回転する中心回転駆動軸23による回転作動は植付ホッパ部7aの昇降動作と対応させており、即ち、供給カップ6bの底蓋が開いて球根類Aが落下するタイミングを植付ホッパ部7aが最も上昇した位置にある時に同期させている。
【0027】
次に、覆土鎮圧装置については、図4の要部拡大側面図(a)およびその背面図(b)に示すように、鎮圧輪支持フレーム31に植付装置7の植付ホッパ部7aの前側から作用する鎮圧輪アーム32を軸支し、植付装置7との干渉なしに覆土鎮圧輪33を片持ちに構成する。鎮圧輪アーム32により、植付装置7の植付ホッパ部7aが下降すると覆土鎮圧輪33が上がり、植付ホッパ部7aが上昇すると覆土圧を調整可能なスプリング34で覆土鎮圧輪33が作用するように構成する。尚、覆土鎮圧輪33の両サイドに鎮圧輪33a、33aを装備し、植付ホッパ部7aが作用しない時は、前鎮圧として畝面を固める。両脇の鎮圧輪33a、33aで植付け位置の両肩から覆土することで、植付け姿勢に影響しにくくする。中央の鎮圧輪33で前鎮圧する。
【0028】
次に、植付装置7の植付ホッパ部7aについては、図5の斜視図及び図6の側面図に示すように、下端の前後の植付体7bが機体進行方向に沿って前後に開く一般的な構成であるが、該前後の植付体7bの各前後壁には上部から下部にかけて大きな開口7cが設けられている。また、前後の植付体7b内には開閉しない上部筒部から弾性変形する樹脂製の下端が窄まった筒状の移植物案内ガイド7dが前後の植付体7bの下部近くまで設けられており(移植物案内ガイド7dは、その下端と前後の植付体7bの下端との間に移植物である球根類Aが丁度入る程度の長さになっている)、該移植物案内ガイド7dは隙間のある簾状に形成されている。
【0029】
従って、前後の植付体7bの各前後壁には上部から下部にかけて大きな開口7cが設けられているので、前後の植付体7bが圃場中に入って開く時に土の抵抗が少なくてスムーズに開き、また、開く時に該開口7cから土が前後の植付体7b内に入り込んで植付ける球根類Aの上に被さるようになり、植付装置7が上動する際に球根類Aを引っ掛けて持ち上げるような事態を回避でき、然も、覆土も球根類Aの上に土があるので容易に且つ適正に行えて、良好な球根類Aの移植作業が行える。
【0030】
また、前後の植付体7b内には弾性変形する樹脂製の下端が窄まった筒状の移植物案内ガイド7dが前後の植付体7bの下部近くまで設けられているので、球根類Aは前後の植付体7bの下端部まで適正に落下案内され、然も、植付体7bの下端部に収まった球根類Aは下端が窄まった筒状の移植物案内ガイド7dの下端部にて上動することが防止されて移植時まで植付体7b下端の適正位置に保持されて適正に移植される。また、移植物案内ガイド7dは隙間のある簾状に形成されているので、前後の植付体7bが開く時に開口7cから前後の植付体7b内に入り込んでくる土は植付ける球根類Aの上に適正に被さり、前記のように植付装置7が上動する際に球根類Aを引っ掛けて持ち上げるような事態を回避でき、然も、覆土も球根類Aの上に土があるので容易に且つ適正に行えて、良好な球根類Aの移植作業が行える。
【0031】
尚、上例では前後の植付体7bが機体進行方向に沿って前後に開く例を示したが、左右の植付体7bが機体進行方向に対して左右に開く構成とした場合には、左右の植付体7bの各左右側壁に開口7cを同様に開ければ、左右の植付体7bが圃場中に入って開く時に土の抵抗が少なくてスムーズに開き、また、開く時に該開口7cから土が左右の植付体7b内に入り込んで植付ける球根類Aの上に被さるようになり、植付装置7が上動する際に球根類Aを引っ掛けて持ち上げるような事態を回避でき、然も、覆土も球根類Aの上に土があるので容易に且つ適正に行えて、良好な球根類Aの移植作業が行える。
【0032】
また、移植物案内ガイド7dを隙間のある簾状に形成することなく、一体成型の烏口状にして、上端周囲から植物オイルを表面に流して土が付着しないようにすることが出来る。植物オイルを流すタイミングは移植物案内ガイド7dが例えば10回等の複数回昇降する毎でも任意にタイミングを設定できるようにしても良い。
【0033】
また、移植物案内ガイド7dの表面に土が付着し難いコーティング材を塗布しても良い。
さらに、移植物案内ガイド7dを開いた際に外周面が垂直より大きく開かないようにすることで、土の持上げを防ぐようにしても良い。
【0034】
ここで、上記の歩行型移植機でジャガイモの種芋Aを圃場の畝に移植する作業について説明する。
先ず、機体を圃場に入れて、左右駆動輪5,5及び左右前輪4,4が畝を跨いだ状態とし、貯留部9(主貯留部9a及び収容部9b)にジャガイモの種芋Aを入れる。そして、作業者は、機体の左側(回転テーブル装置6の左側方で供給口14からジャガイモの種芋Aを取出せ、且つ、回動用ハンドル13を操作できる位置)の畝溝に立って、供給シャッタ15で供給口14を開放して種芋Aが側方に向けて落下又は取出される状態に切替えて左右駆動輪5,5を駆動回転させて機体を前進させる。作業者は、機体の前進と共に畝溝を歩いて前進し、収容部9bの左側に設けられた供給口14からジャガイモの種芋Aを1つずつ周回軌道6aに沿って供給口14の下方を移動してくる各供給カップ6b…に各々供給する。この時、収容部9bの左側に設けられた供給口14は、供給口14の下方を移動してくる各供給カップ6b…の内側(回転テーブル装置6の回転中心側)から作業者の位置する方向に向かって開口した状態なので、作業者は容易に且つ作業性良く各供給カップ6b…にジャガイモの種芋Aを1つずつ供給することができて、作業が容易で且つ効率良く行え、移植作業が容易で且つ能率良く行える。
【0035】
そして、各供給カップ6b…に供給されたジャガイモの種芋Aは、供給カップ6bの移動に伴って供給円盤6a上を滑りながら落下口から植付装置7上の中継カップ17内へ落下し、植付ホッパ部7aの上昇で中継カップ17の底部に設けた中継シャッタ18が開くことにより最も上昇した位置にある時の植付ホッパ部7a内に落下供給され、植付装置7によって圃場に順次植付けられる。
【0036】
そして、移植作業を進めて、収容部9b内のジャガイモの種芋Aが残り少なくなると、作業者は、回動用ハンドル13を矢印イ方向に回動操作して、平ベルト12をイ方向に回動して、主貯留部9a内に貯留しているジャガイモの種芋Aを主貯留部9aから機体後方の収容部9bに向けて送り出し、移植作業を続行する。このように、主貯留部9a内に貯留しているジャガイモの種芋Aを収容部9bに容易に且つ作業性良く送り出すことができるので、作業が容易で且つ効率良く行え、移植作業が容易で且つ能率良く行える。
【0037】
図9〜図11に、機体上方に作業者が座る座席40を設けた球根類の移植機を示している。
座席40の後左右に球根類Aを収納するコンテナを置くコンテナ置き台41を設け、機体後方の回転テーブル装置6上に供給台42を設け、座席40に座った作業者が供給台42から球根類Aを取り出して供給カップ6bに供給する。
【0038】
供給台42の左右底部にスリットを設け、泥などが落下するようにしている。
図10の構成では、植付装置7の植付ホッパ部7aと植付体7bを左右駆動部からの両持ち伝動機構で昇降駆動するようにしている。
【0039】
図11の構成では、左右に一対設ける植付装置7R,7Lの植付ホッパ部7aと植付体7bをそれぞれ左右駆動部からの伝動機構で昇降駆動するようにして千鳥植えが出来るようにしている。供給カップ6bと植付装置7R,7Lの間には一つの上部供給口から下部で左右に分岐した排出口を形成した分岐ガイド筒を設けている。供給カップ6bは内部が左右に仕切られて二個の球根類Aが供給され左右の排出口から植付装置7R,7Lに供給する。また、分岐ガイド筒の左右分岐部は回動することで左右排出口の間隔を変更出来るようにする。
【0040】
なお、左右の植付装置7R,7Lを連結して、同期して昇降して植え付けるようにしても良い。また、左右の植付装置7R,7Lの間隔を調整可能にして植付幅を変更出来るようにする。
【符号の説明】
【0041】
6a 供給円盤
6b 供給カップ
17 中継カップ
18 中継シャッタ
A 球根類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ状に周回する複数の供給カップ(6b)下部の所定位置に供給カップ(6b)から球根類(A)を受けて一時貯留する中継カップ(17)を設け、この中継カップ(17)の底部に設ける中継シャッタ(18)を開いて植付装置(7)に球根類(A)を供給する構成としたことを特徴とする球根類の移植機。
【請求項2】
供給カップ(6b)を筒状にして供給円盤(6a)上に接近配置し、該供給円盤(6a)の所定位置に設けた落下口から落下する球根類(A)を中継カップ(17)で一時貯留するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の球根類の移植機。
【請求項3】
中継カップ(17)の底部に設ける中継シャッタ(18)を水平に開閉作動すべくしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の球根類の移植機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−5460(P2012−5460A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146518(P2010−146518)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】