説明

環境発電装置、環境発電装置システムおよびセンサ装置

【課題】設置可能な領域を拡大することができる環境発電装置を得る。
【解決手段】AM電波、FM電波、TV電波および無線LAN電波を受信し、受信した各電波から電気を発生する電波発電装置100と、外部から力を受けることにより振動する振動電気変換素子201を有し、振動電気変換素子201の振動を用いて発電を行う振動発電装置200と、熱電素子部301を有し、熱電素子部301に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置300とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、環境発電を行う環境発電装置、環境発電装置を備えた環境発電装置システムおよび環境発電装置を備えたセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話の電波、TVの電波、または、ラジオの電波などを受信し、受信した電波から発電を行う電波発電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−148414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電波を受信できる位置に電波発電装置を設置しなければ発電を行うことができず、設置可能な領域が狭いという問題点があった。
【0005】
この発明は、設置可能な領域を拡大することができる環境発電装置、環境発電装置システムおよびセンサ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る環境発電装置は、電波を受信し、受信した前記電波から発電を行う電波発電装置と、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、前記振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置と、熱電素子部を有し、前記熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置とのうちの少なくとも2つを備えている。
【0007】
この発明に係る環境発電装置システムは、電波を受信し、受信した前記電波から発電を行う電波発電装置、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、前記振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置および熱電素子部を有し、前記熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置のうちの少なくとも2つを有した環境発電装置と、前記環境発電装置により発生する電気を合成する合成回路とを備えている。
【0008】
この発明に係るセンサ装置は、電波を受信し、受信した前記電波から発電を行う電波発電装置、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、前記振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置および熱電素子部を有し、前記熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置のうちの少なくとも2つを有した環境発電装置と、周辺状態情報を検出するセンサと、前記センサの検出結果を取得するマイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサから前記検出結果が入力され、前記検出結果を外部に送信する無線通信回路とを備え、前記センサ、前記マイクロプロセッサおよび前記無線通信回路には、前記環境発電装置から電気が供給される。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る環境発電装置によれば、電波を受信し、受信した電波から発電を行う電波発電装置と、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置と、熱電素子部を有し、熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置とのうちの少なくとも2つを備えているので、例えば、電波を受信できない領域であっても、振動発電装置または熱電発電装置により発電を行うことができる。その結果、環境発電装置の設置可能な領域を拡大することができる。
【0010】
この発明に係る環境発電装置システムによれば、電波を受信し、受信した電波から発電を行う電波発電装置、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置および熱電素子部を有し、熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置のうちの少なくとも2つを有した環境発電装置と、環境発電装置により発生する電気を合成する合成回路とを備えているので、例えば、環境発電装置が電波を受信できない領域であっても、環境発電装置により発電を行って、環境発電装置により発生する電気を合成することができる。その結果、環境発電装置システムの設置可能な領域を拡大することができる。
【0011】
この発明に係るセンサ装置によれば、電波を受信し、受信した電波から発電を行う電波発電装置、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置および熱電素子部を有し、熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置のうちの少なくとも2つを有した環境発電装置と、周辺状態情報を検出するセンサと、センサの検出結果を取得するマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサから検出結果が入力され、検出結果を外部に送信する無線通信回路とを備え、センサ、マイクロプロセッサおよび無線通信回路には、環境発電装置から電気が供給されるので、例えば、環境発電装置が電波を受信できない領域であっても、センサが周辺状態情報を検出して、無線通信回路が検出結果を外部に送信することができる。その結果、センサ装置の設置可能な領域を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係るセンサ装置を示すブロック図である。
【図2】図1の環境発電装置システムを示すブロック図である。
【図3】図2の電波発電装置を示すブロック図である。
【図4】図2の振動発電装置を示すブロック図である。
【図5】図2の熱電発電装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るセンサ装置を示すブロック図である。図において、センサ装置は、環境発電装置1と、環境発電装置1により発生する電気が入力される合成回路2と、合成回路2で合成された電気を蓄積する蓄電装置3と、温度、湿度および圧力を含む周辺状態情報を検出する温度湿度圧力センサ4と、温度湿度圧力センサ4の検出結果を取得するマイクロプロセッサ(制御装置)5と、温度湿度圧力センサ4の検出結果がマイクロプロセッサ5から入力され、温度湿度圧力センサ4の検出結果を外部に無線通信により送信する無線通信回路(送信回路)6とを備えている。環境発電装置1、合成回路2および蓄電装置3から環境発電装置システム7が構成されている。
【0014】
環境発電装置1により発生する電気は、マイクロプロセッサ5に供給される。マイクロプロセッサ5は、環境発電装置1から電気が供給されることにより動作可能となる。また、環境発電装置1により発生する電気は、マイクロプロセッサ5を介して、温度湿度圧力センサ4および無線通信回路6に供給される。温度湿度圧力センサ4および無線通信回路6のそれぞれは、環境発電装置1から電気が供給されることにより動作可能となる。
【0015】
図2は図1の環境発電装置システム7を示すブロック図である。図において、環境発電装置1は、電波から発電を行う電波発電装置100と、外部から力を受けることにより振動して発電を行う振動発電装置200と、熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置300とを備えている。電波発電装置100、振動発電装置200および熱電発電装置300により発生する電気のそれぞれは、合成回路2に入力される。
【0016】
図3は図2の電波発電装置100を示すブロック図である。図において、電波発電装置100は、AM電波から発電を行うAM電波発電装置110と、FM電波から発電を行うFM電波発電装置120と、TV電波から発電を行うTV電波発電装置130と、無線LAN電波から発電を行う無線LAN電波発電装置140とを備えている。
【0017】
AM電波発電装置110は、AM電波を受信するAMアンテナ111と、AMアンテナ111が受信したAM電波の受信信号が入力される検波回路112と、検波回路112から出力される電気が入力される昇圧回路113とを有している。
【0018】
AMアンテナ111は、一般に531kHz〜1602kHzの帯域で放送されている中波のラジオ放送帯域の電波であるAM電波を受信する。検波回路112は、AMアンテナ111で受信されたAM電波を検波して、AM電波から発生した電気を昇圧回路113に出力する。昇圧回路113は、入力された電気の電圧を平滑するとともに、マイクロプロセッサ5が動作可能となる電圧に昇圧して、合成回路2へ電気を出力する。AM電波発電装置110は、複数の周波数のAM電波を同時に受信して、それぞれのAM電波から電気を発生するようになっている。つまり、AM電波発電装置110は、複数の放送局からのAM電波を同時に受信して、それぞれのAM電波から電気を発生するようになっている。
【0019】
FM電波発電装置120は、FM電波を受信するFMアンテナ121と、FMアンテナ121が受信したFM電波の受信信号が入力される検波回路122と、検波回路122から出力される電気が入力される昇圧回路123とを有している。
【0020】
FMアンテナ121は、一般に76MHz〜90MHzの帯域で放送されているVHF帯のラジオ放送帯域の電波であるFM電波を受信する。検波回路122は、FMアンテナ121で受信されたFM電波を検波して、FM電波から発生した電気を昇圧回路123に出力する。昇圧回路123は、入力された電気の電圧を平滑するとともに、マイクロプロセッサ5が動作可能となる電圧に昇圧して、合成回路2へ電気を出力する。FM電波発電装置120は、複数の周波数のFM電波を同時に受信して、それぞれのFM電波から電気を発生するようになっている。つまり、FM電波発電装置120は、複数の放送局からのFM電波を同時に受信して、それぞれのFM電波から電気を発生するようになっている。
【0021】
TV電波発電装置130は、TV電波を受信するTVアンテナ131と、TVアンテナ131が受信したTV電波の受信信号が入力される検波回路132と、検波回路132から出力される電気が入力される昇圧回路133とを有している。
【0022】
TVアンテナ131は、一般に470MHz〜770MHzの帯域で放送されているUHF帯のテレビ放送帯域の電波であるTV電波を受信する。検波回路132は、TVアンテナ131で受信されたTV電波を検波して、TV電波から発生した電気を昇圧回路133に出力する。昇圧回路133は、入力された電気の電圧を平滑するとともに、マイクロプロセッサ5が動作可能となる電圧に昇圧して、合成回路2へ電気を出力する。TV電波発電装置130は、複数の周波数のTV電波を同時に受信して、それぞれのTV電波から電気を発生するようになっている。つまり、TV電波発電装置130は、複数の放送局のTV電波を同時に受信して、それぞれのTV電波から電気を発生するようになっている。
【0023】
無線LAN電波発電装置140は、無線LAN電波を受信する無線LANアンテナ141と、無線LANアンテナ141が受信した無線LAN電波の受信信号が入力される検波回路142と、検波回路142から出力される電気が入力される昇圧回路143とを有している。
【0024】
無線LANアンテナ141は、一般に2400MHz〜2484MHzの帯域で使用されている無線LAN通信帯域の電波である無線LAN電波を受信する。検波回路142は、無線LANアンテナ141で受信された無線LAN電波を検波して、無線LAN電波から発生した電気を昇圧回路143に出力する。昇圧回路143は、入力された電気の電圧を平滑するとともに、マイクロプロセッサ5が動作可能となる電圧に昇圧して、合成回路2へ電気を出力する。
【0025】
図4は図2の振動発電装置200を示すブロック図である。図において、振動発電装置200は、マイクロフォンや電磁誘導素子や圧電素子から構成される振動電気変換素子(振動部)201と、振動電気変換素子201から出力される電気が入力される整流回路202と、整流回路202から出力される電気が入力される昇圧回路203とを有している。
【0026】
振動電気変換素子201は、外部から力を受けることにより振動する。振動電気変換素子201が受ける力としては、音波や物体の振動などが挙げられる。振動電気変換素子201がマイクロフォンである場合には、音波を受けることにより振動して、音波を電気信号に変換する。振動電気変換素子201は、振動電気変換素子201が音波を電気信号に変換することにより、電気を発生する。振動電気変換素子201が圧電素子である場合には、物体の振動を受けることにより振動電気変換素子201に力が加えられ、加えられた力によって振動電気変換素子201には起電力が発生する。振動電気変換素子201は、振動電気変換素子201に起電力が発生することにより、電気を発生する。
【0027】
整流回路202は、振動電気変換素子201により発生した電気を交流から直流に整流して、整流された電気を昇圧回路203に出力する。昇圧回路203は、入力された電気の電圧を平滑するとともに、マイクロプロセッサ5が動作可能となる電圧に昇圧して、合成回路2へ電気を出力する。
【0028】
図5は図2の熱電発電装置300を示すブロック図である。図において、熱電発電装置300は、ゼーベック素子から構成される熱電素子部301と、熱電素子部301から出力された電気が入力される昇圧回路302とを有している。
【0029】
熱電素子部301は、温接点(図示せず)および冷接点(図示せず)を含んでいる。熱電素子部301には、温接点と冷接点との間に温度差が生じることにより、熱起電力が発生する。熱電素子部301は、熱電素子部301に熱起電力が発生することにより、電気を発生する。また、熱電素子部301は、発生された電流を昇圧回路302に出力する。昇圧回路302は、入力された電気の電圧をマイクロプロセッサ5が動作可能となる電圧に昇圧して、合成回路2へ電気を出力する。
【0030】
図3、図4および図5に示すように、合成回路2は、AM電波発電装置110、FM電波発電装置120、TV電波発電装置130、無線LAN電波発電装置140、振動発電装置200および熱電発電装置300のそれぞれから入力された電気を1つに合成する。合成回路2は、AM電波発電装置110、FM電波発電装置120、TV電波発電装置130、無線LAN電波発電装置140、振動発電装置200および熱電発電装置300から入力された電気のうちの、予め設定された電圧を超えた電気のみを合成して、蓄電装置3(図1)に電気を一時的に蓄える。一時的に蓄電装置3に蓄えられた電気は、合成回路2を経由してマイクロプロセッサ5(図1)、温度湿度圧力センサ4(図1)および無線通信回路6(図1)へ供給される。予め設定された電圧としては、マイクロプロセッサ5が動作可能となる電圧である。
【0031】
図1に示すように、マイクロプロセッサ5は、温度湿度圧力センサ4の検出結果が温度湿度圧力センサ4を取得して、温度湿度圧力センサ4の検出結果を無線通信回路6に出力する。マイクロプロセッサ5のモードは、動作モードとスリープモードとの間で切り替わるようになっている。マイクロプロセッサ5の動作モードとは、温度湿度圧力センサ4および無線通信回路6の制御が可能であるモードであり、通常の電力量が消費されるモードである。マイクロプロセッサ5のスリープモードとは、温度湿度圧力センサ4および無線通信回路6の制御を行わないモードであり、動作モードよりも消費される電力量が少ないモードである。マイクロプロセッサ5は、モードが定期的にスリープモードから動作モードに遷移し、温度湿度圧力センサ4から検出結果を取得して、検出結果を無線通信回路6に出力する。また、マイクロプロセッサ5は、温度湿度圧力センサ4からの検出結果の取得を停止し、検出結果の無線通信回路6への出力を停止する場合には、モードがスリープモードとなる。
【0032】
無線通信回路6は、マイクロプロセッサ5の制御により、温度湿度圧力センサ4からの検出結果を無線通信により外部に送信する。無線通信回路6は、検出結果を外部に送信する場合には動作モードとなる。無線通信回路6の動作モードとは、検出結果を外部に送信することが可能となるモードであり、通常の電力量が消費されるモードである。また、無線通信回路6は、検出結果の送信が停止される場合にはスリープモードとなる。無線通信回路6のスリープモードとは、検出結果を外部に送信しないモードであり、動作モードよりも消費される電力量が少ないモードである。
【0033】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る環境発電装置1によれば、電波を受信し、受信した電波から発電を行う電波発電装置100と、外部から力を受けることにより振動する振動電気変換素子201を有し、振動電気変換素子201の振動を用いて発電を行う振動発電装置200と、熱電素子部301を有し、熱電素子部301に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置300とを備えているので、例えば、電波を受信できない領域であっても、振動発電装置200または熱電発電装置300により発電を行うことができる。その結果、環境発電装置1の設置可能な領域を拡大することができる。また、太陽電池を用いて発電を行う環境発電装置と比較して、壁の中など光が照射されない領域にも設置することができる。
【0034】
また、この発明の実施の形態1に係る環境発電装置システム7によれば、電波を受信し、受信した電波から発電を行う電波発電装置100、外部から力を受けることにより振動する振動電気変換素子201を有し、振動電気変換素子201の振動を用いて発電を行う振動発電装置200および熱電素子部301を有し、熱電素子部301に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置300を有した環境発電装置1と、環境発電装置1により発生する電気を合成する合成回路2とを備えているので、例えば、環境発電装置1が電波を受信できない領域であっても、環境発電装置1により発電を行って、環境発電装置1により発生する電気を合成することができる。その結果、環境発電装置システム7の設置可能な領域を拡大することができる。また、太陽電池を用いて発電を行う環境発電装置を備えた環境発電装置システムと比較して、壁の中など光が照射されない領域にも設置することができる。
【0035】
また、環境発電装置システム7は、合成回路2で合成された電気を蓄積する蓄電装置3を備えているので、環境発電装置システム7から供給される電気を安定させることができる。
【0036】
また、電波発電装置100は、AM電波から発電を行うAM電波発電装置110を有し、AM電波発電装置110は、複数の周波数のAM電波を受信するので、複数の放送局のAM電波から電気を発生することができる。これにより、単一の周波数のAM電波を受信する場合と比較して、大きな電力を得ることができる。
【0037】
また、電波発電装置100は、FM電波から発電を行うFM電波発電装置120を有し、FM電波発電装置120は、複数の周波数のFM電波を受信するので、複数の放送局のFM電波から電気を発生することができる。これにより、単一の周波数のFM電波を受信する場合と比較して、大きな電力を得ることができる。
【0038】
また、電波発電装置110は、TV電波から発電を行うTV電波発電装置130を有し、TV電波発電装置130は、複数の周波数のTV電波を受信するので、複数の放送局のTV電波から電気を発生することができる。これにより、単一の周波数のTV電波を受信する場合と比較して、大きな電力を得ることができる。
【0039】
また、この発明の実施の形態1に係るセンサ装置によれば、電波を受信し、受信した電波から発電を行う電波発電装置100、外部から力を受けることにより振動する振動電気変換素子201を有し、振動電気変換素子201の振動を用いて発電を行う振動発電装置200および熱電素子部301を有し、熱電素子部301に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置300を有した環境発電装置1と、周辺状態情報を検出する温度湿度圧力センサ4と、温度湿度圧力センサ4の検出結果を取得するマイクロプロセッサ5と、マイクロプロセッサ5から温度湿度圧力センサ4の検出結果が入力され、検出結果を外部に送信する無線通信回路6とを備え、温度湿度圧力センサ4、マイクロプロセッサ5および無線通信回路6には、環境発電装置1から電気が供給されるので、例えば、環境発電装置1が電波を受信できない領域であっても、温度湿度圧力センサ4が周辺状態情報を検出して、無線通信回路6が検出結果を外部に送信することができる。その結果、センサ装置の設置可能な領域を拡大することができる。また、太陽電池を用いて発電を行う環境発電装置を備えたセンサ装置と比較して、壁の中など光が照射されない領域にも設置することができる。
【0040】
また、センサ装置は、環境発電装置1により発生する電気を合成する合成回路2を備えているので、マイクロプロセッサ5へ供給される電気の量を増大させることができる。
【0041】
また、センサ装置は、合成回路2で合成された電気を蓄積する蓄電装置3を備えているので、マイクロプロセッサ5への電気の供給を安定させることができる。
【0042】
また、マイクロプロセッサ5は、モードが定期的にスリープモードから動作モードに遷移し、温度湿度圧力センサ4から検出結果を取得して、検出結果を無線通信回路6に出力する。また、マイクロプロセッサ5は、温度湿度圧力センサ4からの検出結果の取得を停止し、検出結果の無線通信回路6への出力を停止する場合には、モードがスリープモードとなる。これにより、センサ装置の消費電力を低減させて、環境発電装置1によって発生する電気を有効に使用することができる。
【0043】
また、無線通信回路6は、温度湿度圧力センサ4の検出結果を外部に送信する場合には動作モードとなり、温度湿度圧力センサ4の検出結果の外部への送信が停止される場合にはスリープモードとなるので、センサ装置の消費電力を低減させて、環境発電装置1によって発生する電気を有効に使用することができる。
【0044】
なお、上記実施の形態1では、電波発電装置100、振動発電装置200および熱電発電装置300の全てを備えた環境発電装置1について説明したが、電波発電装置100、振動発電装置200および熱電発電装置300のうちの少なくとも2つを備えた環境発電装置1であればよい。
【0045】
また、上記実施の形態1では、AM電波発電装置110、FM電波発電装置120、TV電波発電装置130および無線LAN電波発電装置140の全てを備えた電波発電装置100について説明したが、AM電波発電装置110、FM電波発電装置120、TV電波発電装置130および無線LAN電波発電装置140のうちの1つないし3つを有した電波発電装置100であってもよい。また、電波発電装置100は、AM電波、FM電波、TV電波および無線LAN電波以外の電波から発電を行う構成であってもよい。
【0046】
また、上記実施の形態1では、蓄電装置3を備えたセンサ装置について説明したが、環境発電装置1からマイクロプロセッサ5に安定的に電気が供給される場合には、蓄電装置3が削除されたセンサ装置であってもよい。
【0047】
また、上記実施の形態1では、蓄電装置3を備えた環境発電装置システム7について説明したが、蓄電装置3が削除された環境発電装置システム7であってもよい。
【0048】
また、上記実施の形態1では、周辺状態情報として、温度、湿度および圧力を例に説明したが、温度、湿度および圧力のうちの1つまたは2つであってもよく、また、これら以外の周辺状態情報であってもよい。
【0049】
また、上記実施の形態1では、温度湿度圧力センサ4の検出結果がマイクロプロセッサ5から入力され、検出結果を外部に送信する送信回路として、無線通信回路6を例に説明したが、有線通信回路であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 環境発電装置、2 合成回路、3 蓄電装置、4 温度湿度圧力センサ(センサ)、5 マイクロプロセッサ(制御装置)、6 無線通信回路(送信回路)、7 環境発電装置システム、100 電波発電装置、110 AM電波発電装置、111 AMアンテナ、112 検波回路、113 昇圧回路、120 FM電波発電装置、121 FMアンテナ、122 検波回路、123 昇圧回路、130 TV電波発電装置、131 TVアンテナ、132 検波回路、133 昇圧回路、140 無線LAN電波発電装置、141 無線LANアンテナ、142 検波回路、143 昇圧回路、200 振動発電装置、201 振動電気変換素子(振動部)、202 整流回路、203 昇圧回路、300 熱電発電装置、301 熱電素子部、302 昇圧回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を受信し、受信した前記電波から発電を行う電波発電装置と、
外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、前記振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置と、
熱電素子部を有し、前記熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置とのうちの少なくとも2つを備えたことを特徴とする環境発電装置。
【請求項2】
電波を受信し、受信した前記電波から発電を行う電波発電装置、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、前記振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置および熱電素子部を有し、前記熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置のうちの少なくとも2つを有した環境発電装置と、
前記環境発電装置により発生する電気を合成する合成回路とを備えたことを特徴とする環境発電装置システム。
【請求項3】
前記合成回路で合成された電気を蓄積する蓄電装置をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の環境発電装置システム。
【請求項4】
前記電波発電装置は、AM電波から発電を行うAM電波発電装置を有し、
前記AM電波発電装置は、複数の周波数の前記AM電波を受信することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の環境発電装置システム。
【請求項5】
前記電波発電装置は、FM電波から発電を行うFM電波発電装置を有し、
前記FM電波発電装置は、複数の周波数の前記FM電波を受信することを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の環境発電装置システム。
【請求項6】
前記電波発電装置は、TV電波から発電を行うTV電波発電装置を有し、
前記TV電波発電装置は、複数の周波数の前記TV電波を受信することを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れか1項に記載の環境発電装置システム。
【請求項7】
電波を受信し、受信した前記電波から発電を行う電波発電装置、外部から力を受けることにより振動する振動部を有し、前記振動部の振動を用いて発電を行う振動発電装置および熱電素子部を有し、前記熱電素子部に発生する熱起電力を用いて発電を行う熱電発電装置のうちの少なくとも2つを有した環境発電装置と、
周辺状態情報を検出するセンサと、
前記センサの検出結果を取得するマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサから前記検出結果が入力され、前記検出結果を外部に送信する無線通信回路とを備え、
前記センサ、前記マイクロプロセッサおよび前記無線通信回路には、前記環境発電装置から電気が供給されることを特徴とするセンサ装置。
【請求項8】
前記環境発電装置により発生する電気を合成する合成回路をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記合成回路で合成された電気を蓄積する蓄電装置をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記マイクロプロセッサは、モードが定期的にスリープモードから動作モードに遷移し前記センサから前記検出結果を取得して前記検出結果を前記無線通信回路に出力し、前記センサからの前記検出結果の取得を停止し前記検出結果の前記無線通信回路への出力を停止する場合には前記スリープモードとなることを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記無線通信回路は、前記検出結果を外部に送信する場合には動作モードとなり、前記検出結果の外部への送信が停止される場合にはスリープモードとなることを特徴とする請求項7ないし請求項10の何れか1項に記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−244846(P2012−244846A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114736(P2011−114736)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】