環境試験装置
【課題】環境試験装置全体を取り替えずに様々な環境試験が実施可能にする。
【解決手段】環境試験装置100は、温湿度調整手段が収容された気体調節室25を有する筐体12と、気体調節室25に隣接した被試験体9を収容する試験室14を構成するカバー15とを含んでいる。筐体12には、気体調節室25と試験室14とが連通する貫通孔51,52が形成されている。カバー15は、筐体12から取り外し可能に構成されている。
【解決手段】環境試験装置100は、温湿度調整手段が収容された気体調節室25を有する筐体12と、気体調節室25に隣接した被試験体9を収容する試験室14を構成するカバー15とを含んでいる。筐体12には、気体調節室25と試験室14とが連通する貫通孔51,52が形成されている。カバー15は、筐体12から取り外し可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験体の周囲環境を所定条件に変化させる環境試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、試料(被試験体)を収容して環境試験を行う試験室と、試験室に恒温恒湿空気を供給する空気流路(気体調節室)とを有する環境試験器(環境試験装置)について記載されている。この環境試験器において、試験室と空気流路との間には、二箇所の開口(流出孔、流入孔)が設けてある。空気流路は、送風機と、空気加熱ヒータと、除湿冷却器と、加湿器とを有している。送風機は空気流路の一方の開口に装着されている。そして、空気流路の他方の開口から流入空気が空気流路を流れる。このとき、流入空気は、加熱ヒータによる加熱、除湿冷却器による除湿及び冷却、または、加湿器による加湿をされた状態で送風機に吸い込まれて、試験室に恒温恒湿空気として供給される。
【0003】
また、特許文献2には、被検器材(被試験体)の環境試験を行う恒温室(試験室)を備えた恒温器(環境試験室)について記載されている。この恒温器の恒温室内には、送風機、加熱器、冷却器、除湿器及び加湿器が備えられている。そして、送風機で恒温室内を循環される空気は、これらにより温度と湿度が調整される。
【0004】
【特許文献1】特開2003−279083(図1)
【特許文献2】特開平2−89974(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の環境試験装置においては、試験室と気体調節室とが一体の筐体となっている。このため、例えば、様々な大きさの被試験体に対して環境試験を行う場合、使用している環境試験装置の試験室では収容できないほどの大きな被試験体のときには、試験室を大きくする必要があるが、試験室と気体調整室とが一体の筐体となっているため、試験室のみを大きくすることはできない。この結果、環境試験装置全体を取り替える必要がある。また、試験室と気体調整室とが一体の筐体になっていると、被試験体に対する様々な環境条件ごとに環境試験装置全体を取り替える必要がある。
【0006】
また、上述した特許文献2に記載の環境試験装置においては、被試験体の環境試験を行う試験室内に、送風機、加熱器、冷却器、除湿器及び加湿器が備えられているために、被試験体に対する様々な環境条件ごとに環境試験装置全体を取り替える必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、環境試験装置全体を取り替えずに様々な環境試験が実施可能な環境試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の環境試験装置は、被試験体の周囲条件を所定条件に変化させる環境試験装置において、気体の温湿度を変化させる温湿度調節手段と、前記温湿度調節手段が設けられた気体調節室を構成するとともに、前記温湿度調節手段によって調節された気体が流出する流出孔と前記温湿度調節手段によって調節される気体が前記気体調節室に流入する流入孔とを有する筐体と、前記筐体に着脱可能であって、被試験体、前記流入孔及び前記流出孔を覆いつつ前記筐体に取り付けられることで、前記流入孔及び前記流出孔と連通した前記気体調節室に隣接した被試験体を収容する試験室を構成するカバーとを備えている。
【0009】
これによると、筐体にカバーを取り付けることで試験室が構成されるので、環境試験装置全体を替えなくても共通化した筐体に種々のカバーを付け替えるだけで様々な環境試験が実施可能な装置になる。また、カバーが筐体から取り外し可能であるため、環境試験装置のメンテナンスが容易になる。
【0010】
本発明において、前記カバーが、前記試験室の天井部と、前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部と、前記環状壁部の前記筐体側の端部に着脱可能に設けられた環状の高さ調節部材とを有していることが好ましい。これにより、高さ調節部材を取り外した状態で筐体にカバーを取り付けたときと、高さ調節部材を取り付けた状態で筐体にカバーを取り付けたときとにおいて、試験室の高さが変化する。そのため、試験室の高さを2段階以上に調節することが可能になる。
【0011】
また、本発明において、前記カバーが、前記試験室の天井部と、前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部とを有しており、前記環状壁部が、前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることが好ましい。これにより、試験室の高さを可変にすることができるとともに、微調節することも可能になる。
【0012】
また、本発明において、前記カバーが、前記試験室の天井部と、前記天井部から高さ方向に延在した第1の環状壁部と、前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持された第2の環状壁部とを有しており、前記第1の環状壁部は、前記第2の環状壁部の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることが好ましい。これにより、試験室の高さの可変長をより大きくすることができるとともに、微調節することも可能になる。
【0013】
また、本発明において、前記カバーが、前記流出孔を覆う第1の包囲部材と、前記流入孔を覆う第2の包囲部材と、前記第1及び第2の包囲部材を連通させる筒部材とを有しており、前記筒部材の気流方向と直交する方向の断面積が、各包囲部材における気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことが好ましい。これにより、筒部材を通過する気体の速度を第1の包囲部材及び第2の包囲部材を通るときの気体の速度よりも上昇させることができる。
【0014】
また、本発明において、少なくとも2つの前記筐体を備えており、前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔と他方の前記筐体の前記流入孔とを連通させる第1の連通部材と、前記第1の連通部材を内包しつつ一方の前記筐体の前記流入孔と他方の前記筐体の前記流出孔とを連通させる第2の連通部材とを有しており、前記第1の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積が、前記第2の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことが好ましい。これにより、同じ2つの筐体を用いていても、第1の連通部材を通過する気体の速度を、第2の連通部材を通過する気体の速度よりも上昇させることができる。
【0015】
また、本発明において、互いに隣接した少なくとも2つの前記筐体を備えており、前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第1の領域と、他方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第2の領域とに前記試験室を仕切る仕切り壁を有していることが好ましい。これにより、第1の領域と第2の領域の条件を異なる状態に保つことができるので、1つのカバーで2種類の条件の試験を行うことができる。
【0016】
また、このとき、前記仕切り壁には、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通させる貫通孔が形成されていると共に、前記第1の領域と前記第2の領域とが連通する連通状態及び前記第1の領域と前記第2の領域とが連通しない非連通状態を取り得るように前記貫通孔を開閉する開閉手段が設けられていてもよい。これにより、カバーを2つの筐体から取り外すことなく、貫通孔を介して被試験体を移動させることが可能になるとともに、開閉手段が設けられていることで、第1の領域及び第2の領域の条件を維持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態による環境試験装置の概略断面図である。図2は、本発明の第1実施形態による環境試験装置のカバー15を取り外した状態における平面図である。図1に示すように、環境試験装置100は、内部に気体調節室25(後述する)を有する金属製の筐体12と、筐体12の上面を覆うように筐体12の上面に取り付けられたカバー15とを含んでいる。
【0019】
カバー15は、上部カバー60及び高さ方向に設けられた3つの調整カバー61(高さ調整部材)から構成されている。そして、カバー15は、筐体12に取り付けられたときに、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室14を構成する。上部カバー60と3つの調整カバー61とによるカバー15の構成の仕方については、後ほど説明する。
【0020】
上部カバー60は、天井20(天井部)と側壁24(環状壁部)とを有している。側壁24は、中空の角柱形状をしており、天井20によって上部を塞がれている。側壁24の下部には、下方に突出した凸部24aが形成されている。この凸部24aは、調整カバー61の上部に形成された凹部61a(後述する)と嵌合されている。上部カバー60の材質は、発泡スチロールからなり、加工が容易なため、適宜の位置に穴を開けることで、開口やケーブル孔を設けることができる。なお、本実施形態における上部カバー60は、断熱性に優れ、加工が容易な発泡スチロールからなるが、試験状態を観察できるようにガラス、抗菌作用のある銅並びに銀、及び、防錆作用のあるステンレスなどいかなる材質からなってもよく、要求される作用を実現可能なその他の材質も選択可能である。試験室14内が汚れやすい被試験体9を用いる場合においては、上部カバー60は、使い捨て可能なディスポーザブルな材質からなってもよい。試験目的によっては、電波を通過することができる材質や逆に電波を遮断する材質などからなってもよく、試験条件・目的に適合するその他の材質も選択することができる。
【0021】
調整カバー61は、中空の角柱形状をしており、上部に凹部61aが形成されており、下部に凸部61bが形成されている。また、調整カバー61は、上部カバー60と筐体12を構成する天井22(後述する)との間に着脱可能となっている。調整カバー61の材質は、発泡スチロールからなり、加工が容易なため、適宜の位置に穴を開けることで、開口やケーブル孔を設けることができる。なお、本実施形態における調整カバー61は、上部カバー60と同様に、断熱性に優れ、加工が容易な発泡スチロールからなるが、試験状態を観察できるようにガラス、抗菌作用のある銅並びに銀、及び防錆作用のあるステンレスなどいかなる材質からなってもよく、要求される作用を実現可能なその他の材質も選択可能である。試験室14内が汚れやすい被試験体9を用いる場合においては、調整カバー61は、使い捨て可能なディスポーザブルな材質からなってもよい。試験目的によっては、電波を通過することができる材質や逆に電波を遮断する材質などからなってもよく、試験条件・目的に適合するその他の材質も選択することができる。
【0022】
ここで、上部カバー60と3つの調整カバー61とによるカバー15の構成の仕方について説明する。まず、1つ目の調整カバー61の凸部61bと天井22の凹部22aとが嵌合される。そして、2つ目の調整カバー61の凸部61bと1つ目の調整カバー61の凹部61aとが嵌合される。次に、3つ目の調整カバー61の凸部61bと2つ目の調整カバー61の凹部61aとが嵌合される。最後に、上部カバー60の凸部24aと3つ目の調整カバー61の凹部61aとが嵌合される。このように、上部カバー60と3つの調整カバー61とによってカバー15が構成され、筐体12の天井22とで試験室14を構成している。
【0023】
筐体12は、中空で角柱形状の側壁21と、側壁21の上面及び下面に設けられた天井22及び床23とを有している。そして、筐体12は、側壁21、天井22及び床23によって囲まれた気体調節室25内に、加熱器33と、加湿器34とが設けられている。また、筐体12には、除湿及び冷却手段となるヒートパイプ31及びペルチェ素子32が設けられている。これらヒートパイプ31、ペルチェ素子32、加熱器33及び加湿器34によって気体調節室25内の空気の温湿度を所定温湿度に調整する温湿度調整手段を構成している。
【0024】
ヒートパイプ31は、側壁21を貫通しつつ側壁21に固定されており、一方の端部が気体調節室25内に配置され、他方の端部が気体調節室25の外側に配置されている。ヒートパイプ31の一方の端部であって気体調節室25内にある方は、吸熱フィン71が固定されている。これにより、気体調節室25内の空気を効果的に吸熱及び除湿することができる。一方、ヒートパイプ31の他方の端部には、ペルチェ素子32が固定されている。
【0025】
ペルチェ素子32は、気体調節室25の外に配置されており、一方の面32aにヒートパイプ31が固定されており、他方の面32bに放熱フィン72が固定されている。そして、ペルチェ素子32は、図示しない制御装置からの制御により電流が流されることで、一方の面32aが冷却されヒートパイプ31及び吸熱フィン71を介して気体調節室25の空気を冷却及び除湿する。このとき、ペルチェ素子32の他方の面32bが発熱するが、他方の面32bには放熱フィン72及び吸熱ファン(図示せず)が固定されているので、ペルチェ素子32からの発熱を効果的に放熱させることができる。これにより、気体調節室25を効果的に冷却及び除湿することが可能となる。なお、ペルチェ素子32が動作していない場合は、ヒートパイプ31の熱移動が停止され断熱が保たれる。一方、加熱器33は、図示しない制御装置からの制御により、気体調節室25の空気を加熱する。また、加湿器34は、図示しない制御装置からの制御により、気体調節室25の空気を加湿する。
【0026】
天井22の上面の周端部には、凹部22aが形成されている。この凹部22aは、調整カバー61の下部に形成された凸部61bと嵌合されている。また、天井22には、図2に示すように、気体調節室25と試験室14とを連通させる2つの貫通孔51(流出孔),52(流入孔)が形成されている。これら貫通孔51,52は、側壁21の内周面の内側において、図2中左右両端に矩形状をして配置されている。また、2つの貫通孔51,52には、それぞれの開口を覆う金属メッシュ53,54が設けられている。金属メッシュ53,54は、複数の網目状の開口を有するように複数の金属製線材が交差して形成されたものである。これら金属メッシュ53,54は、加熱器33、加湿器34から主に発生した電磁波が貫通孔51,52を介して試験室14に侵入するのを抑制している。つまり、筐体12は、金属製からなり、且つ、貫通孔51,52の開口を金属メッシュ53,54で塞いだ電磁シールド構造となっている。なお、筐体12を電磁シールド構造とする必要がなければ、金属メッシュ53,54はなくてもよい。筐体12も金属製ではなく、樹脂などいかなる材料から構成されてもよい。
【0027】
また、図1に戻って、気体調節室25には、送風機19が設けられている。送風機19はモータ42を有している。このモータ42が図示しない制御装置からの制御により駆動することで、送風機19は、気体調節室25の空気を吸い込み、試験室14に向けて排出する。送風機19は、気体調節室25の空気を排出する排出口18が、貫通孔51と対向する位置に形成されている。そのため、ヒートパイプ31、ペルチェ素子32、加熱器33及び加湿器34によって所定の温湿度に調整された気体調節室25の空気を効果的に試験室14に供給することが可能になる。なお、送風機19によって試験室14に強制的に空気が送り込まれることで、試験室14の空気が貫通孔52を介して気体調節室25に流れ込み、気体調節室25と試験室14とを循環する気流が生じる。こうして、気体調節室25と試験室14とが素早くほぼ同じ温湿度に保たれる。
【0028】
また、試験室14には、貫通孔51近傍に温湿度センサ26が設けられている。このように温湿度センサ26が設けられていることで、試験室14内の空気の温湿度を測定することが可能となる。そのため、温湿度センサ26の測定温度及び測定湿度を制御装置で認識し、試験室14の温湿度が所定条件になるように、ヒートパイプ31、ペルチェ素子32、加熱器33及び加湿器34を制御することが可能となる。したがって、試験室14の温湿度を確実に所定条件とすることができる。
【0029】
ここでは、3つの調整カバー61を上部カバー60と天井22との間に取り付けたが、この3つの調整カバー61を取り付けずに、上部カバー60の凸部24aと天井22の凹部22aとが嵌合されて取り付けられてもよい。また、3つの調整カバー61ではなく、2つもしくは4つ以上の調整カバー61を上部カバー60と天井22との間に取り付けてもよい。このように調整カバー61を取り付けるか否か、並びに、取り付ける調整カバー61の個数によって、試験室の高さを2段階以上に調整することが可能になる。
【0030】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図3〜図5を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0031】
図3は、本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。図4は、図3におけるX―X断面図である。図5は、本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。図3に示すように、環境試験装置200は、筐体12と、筐体12の上面を覆うように筐体12の外周側面21aにスライド可能に支持されたカバー115とを含んでいる。
【0032】
図4に示すように、筐体12の外周側面21aには、高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材80が設けられている。これら4組のスライド部材80は、側壁21のそれぞれの外周側面21aにおいて高さ方向に延在し、幅方向の中心に配置されている。
【0033】
図3に戻って、カバー115は、天井120(天井部)と側壁124(環状壁部)とを有している。側壁124は、中空の角柱形状をしており、天井120によって上部を塞がれている。側壁124の内周側面には、高さ方向に沿って延在した4つの凹部124aが形成されている。これら4つの凹部124aは、カバー115のそれぞれの内周側面において、幅方向の中心に配置されている。そして、カバー115は、これら4つの凹部124aを4組のスライド部材80と係合することによって、筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライド可能に支持されており、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室114を構成する。
【0034】
このスライド部材80によって、カバー115は筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライドし、ネジ81によって任意の高さに固定される。これにより、図3に示すように、カバー115を上方向にスライドすることによって、試験室14の高さを高くすることができる。また、図5に示すように、カバー115を下方向へスライドすることによって、試験室14の高さを低くすることができる。このように、カバー115が筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライド可能に支持されていることによって、試験室14の高さを可変にすることができるとともに、微調整することも可能になる。
【0035】
なお、本実施形態におけるカバー115は、筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライドするように構成されていたが、外周側面21aに限らず、筐体12の内周側面に高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材を設けて、側壁124の外周側面に、高さ方向に沿って延在した4つの凹部を設けて、それぞれを係合することによって、筐体12の内周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されてもよい。
【0036】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図6及び図7を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図6は、本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。図7は、本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。図6に示すように、環境試験装置300は、筐体12と、筐体12の上面を覆うように筐体12の外周側面にスライド可能に支持されたカバー215とを含んでいる。
【0038】
筐体12の外周側面21aには、第2実施形態と同様に、高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材80が設けられている。これら4組のスライド部材80は、側壁21のそれぞれの外周側面21aにおいて高さ方向に延在し、幅方向の中心に配置されている。
【0039】
カバー215は、上部カバー260と、下部カバー261(第2の環状壁部)とから構成されている。このカバー215は、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室214を構成する。
【0040】
上部カバー260は、天井220(天井部)と側壁224(第1の環状壁部)とを有している。側壁224は、中空の角柱形状をしており、上部を天井220によって塞がれている。側壁224の外周側面224aには、高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材80が設けられている。これら4組のスライド部材80は、側壁224のそれぞれの外周側面224aにおいて高さ方向に延在し、幅方向の中心に配置されている。
【0041】
下部カバー261は、中空の角柱形状をしており、内周側面の高さ方向に沿って延在した4つの凹部261a,261bが形成されている。これら4つの凹部261a,261bは、下部カバー261のそれぞれの内周側面において、幅方向の中心に配置されている。そして、下部カバー261の4つの凹部261aと上部カバー260の4組のスライド部材80とを係合することによって、上部カバー260は、下部カバー261の内周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されている。さらに、下部カバー261の4つの凹部261bと側壁21の4組のスライド部材80とを係合することによって、下部カバー261は、側壁21の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライド可能に支持されている。
【0042】
こうして、それぞれのカバーが高さ方向に沿ってスライドし、ネジ81によって任意の高さに固定される。これにより、図6に示すように、それぞれのカバーを上方向にスライドすることによって、試験室14の高さを高くすることができる。また、図7に示すように、それぞれのカバーを下方向にスライドすることによって、試験室14の高さを低くすることができる。このように、それぞれのカバーが高さ方向にスライド可能にスライド可能に支持されていることによって、試験室14の高さの可変長をより大きくすることができるとともに、微調節することも可能になる。
【0043】
なお、本実施形態における下部カバー261は、筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライドするように構成されていたが、外周側面21aに限らず、筐体12の内周側面に高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材を設けて、下部カバー261の外周側面に、高さ方向に沿って延在した4つの凹部を設けて、それぞれを係合することによって、筐体12の内周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されてもよい。また、本実施形態における上部カバー260は、下部カバー261の内周側面261aの高さ方向に沿ってスライドするように構成されていたが、内周側面261aに限らず、下部カバー261の外周側面に高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材を設けて、上部カバー260の内周側面に、高さ方向に沿って延在した4つの凹部を設けて、それぞれを係合することによって、下部カバー261の外周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されてもよい。
【0044】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、図8を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図8は、本発明の第4実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。図8に示すように、環境試験装置400は、筐体12と、カバー315とを含んでいる。
【0046】
カバー315は、天井22に形成された貫通孔51,52の開口を覆う包囲部材360(第1の包囲部材),361(第2の包囲部材)と、包囲部材360,361間を連通させる筒部材362とから構成されている。このカバー315は、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室314を構成する。
【0047】
包囲部材360,361は、中空の直方体形状をしており、その一面において、貫通孔51,52の開口より大きな面積を有している。この貫通孔51,52の開口より大きな面積を有している一方の面には、開口が形成されており、この面において貫通孔51,52を上方から覆っている。そして、包囲部材360,361において、貫通孔51,52と対向する面には、貫通孔51,52の開口より小さな円状の開口が形成されている。すなわち、包囲部材360,361において、筒部材362に覆われている面の円状の開口は、貫通孔51,52を覆っている面の開口よりも小さくなっている。
【0048】
筒部材362は、中空の円柱形状をしている。筒部材362の直径は、包囲部材360,361に形成された円状の開口径と同じ大きさとなっている。筒部材362は、両端近傍でL字状に折曲しており、その筒部材362の両端は、それぞれ包囲部材360,361に形成された円状の開口とつながっている。筒部材362の中央付近には、透明部材363が設けられている。この透明部材363内に被試験体9が載置される。これにより、被試験体9の試験状態の観察が容易になる。なお、この透明部材363は、筒部材362から取り外し可能であってもよい。このとき、透明部材363を取り外すだけで、容易に被試験体9を取り出すことができる。
【0049】
送風機19によって送風された空気は、貫通孔51を介して包囲部材360に強制的に送り込まれ、筒部材362を通過して包囲部材361から貫通孔52を介して気体調節室25に流れ込む。このとき、包囲部材360,361において、筒部材362に覆われている面の円状の開口は、貫通孔51,52を覆っている面の開口よりも小さいため、筒部材362を通過する気体の速度を、包囲部材360,361を通るときの気体の速度よりも上昇させることができる。
【0050】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について、図9を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図9は、本発明の第5実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。図9に示すように、環境試験装置500は、2つの筐体12と、カバー415とを含んでいる。
【0052】
カバー415は、左方の筐体12の貫通孔51と右方の筐体12の貫通孔52とを連通させる連通部材460(第1の連通部材)と、左方の筐体12の貫通孔52と右方の筐体12の貫通孔51とを連通させる連通部材461(第2の連通部材)とから構成されている。
【0053】
連通部材460の一方の端部は、左方の筐体12において貫通孔51の開口を覆い、他方の端部は、右方の筐体12において貫通孔52の開口を覆い、それぞれの端部がL字状に折曲して連通している。そして、この連通部材460内に被試験体9が載置される。すなわち、この連通部材460は、2つの筐体12とで被試験体9を取り囲む試験室413を構成する。
【0054】
連通部材461は、中空の直方体形状をしており、その一面の左右両側において筐体12の上面と同じ大きさの開口を有している。そして、この開口が、2つの筐体12の上面を覆うように構成されている。連通部材461の内部には、連通部材460が内包されている。そして、この連通部材461内における、連通部材460の上面に被試験体9が載置される。すなわち、この連通部材461は、2つの筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室414を構成する。連通部材460において空気の気流方向と直交する断面積は、連通孔461において空気の気流方向と直交する断面積よりも小さくなっている。
【0055】
左方の筐体12の送風機19から送風された空気は、左方の筐体12の貫通孔51を介して連通部材460に強制的に送り込まれ、右方の筐体12の貫通孔52を介して右方の筐体12の気体調節室25に流れ込む。また、右方の筐体12の送風機19から送風された空気は、右方の筐体12の貫通孔51を介して連通部材361に強制的に送り込まれ、左方の筐体12の貫通孔52を介して左方の筐体12の気体調節室25に流れ込む。このとき、連通部材460において空気の気流方向と直交する断面積は、連通孔461において空気の気流方向と直交する断面積よりも小さくなっている。そのため、同じ2つの筐体12を用いても、連通部材460内を通過する空気の速度を、連通部材461内を通過する空気の速度よりも上昇させることができる。つまり、空気の速度が、それぞれ異なる条件に設定可能となり、同時に、2種類の空気の速度の試験を行うことができる。なお、本実施形態においては、連通部材460内と連通部材460上にそれぞれ被試験体9を載置していたが、いずれか一方にのみ被試験体9を載置して試験を行ってもよい。
【0056】
<第6実施形態>
次に本発明の第6実施形態について、図10を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
図10は、本発明の第6実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。図10に示すように、環境試験装置600は、互いに隣接する2つの筐体12と、カバー515とを含んでいる。
【0058】
カバー515は、中空の直方体形状をしており、その一面が開口している。そして、この開口が、2つの筐体12の上面を覆うように構成されている。カバー515には、カバー515に覆われた空間を仕切る壁511(仕切り壁)が設けられている。この壁511は、2つの筐体12が互いに隣接する面の端部から高さ方向に配置されている。この壁511によって、カバー515と壁511と左方の筐体12とで囲まれた試験室516(第1の領域)が形成されている。また、カバー515と壁511と右方の筐体12とで囲まれた試験室517(第2の領域)が形成されている。カバー515の右方側面には、外部と連通可能に開閉する扉530が設けられている。これにより、カバー515を筐体12に取り付けた状態で、被試験体9を試験室517に入れること、及び、試験室517から取り出すことが可能になる。
【0059】
壁511には、空間516と空間517とを連通させる矩形の開口520(貫通孔)が形成されており、この開口を連通可能に開閉するシャッター521(開閉手段)が設けられている。このシャッター521を開くことにより、試験室517内に載置された被試験体9を試験室516内に移動させることが可能になる。また、シャッター521を閉じることにより、試験室516と試験室517の周囲条件を異なる条件に保っている。
【0060】
扉530を開くことによって、図示しない制御装置からの制御により駆動するロボットアーム522上に載置された被試験体9を試験室517内に運ぶことが可能になる。また、シャッター521を開くことにより、試験室517内に載置された被試験体9をロボットアーム522によって試験室516内に移動させることが可能になる。
【0061】
このように、壁511によって、試験室516と試験室517の周囲条件を異なる条件に保つことができるので、1つのカバー515で2種類の周囲条件の試験を行うことができる。また、シャッター521が開閉することによって、カバー515を2つの筐体12から取り外すことなく、開口520を介して被試験体9を移動させることが可能になるとともに、試験室516及び試験室517の周囲条件を維持することが可能になる。
【0062】
以上のような第1〜第6の実施形態による環境試験装置によると、筐体12にカバーを取り付けることで試験室が構成されるので、環境試験装置全体を替えなくても共通化した筐体に種々のカバーを付け替えるだけで様々な環境試験が実施可能な装置になる。また、カバーが筐体から取り外し可能であるため、環境試験装置のメンテナンスが容易になる。
【0063】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した第1実施形態においては、上部カバー60の上部は、塞がっていて開閉することができなかったが、図11に示すように、扉717を設けて開閉可能に構成されていてもよい。これにより、カバー15を筐体12に取り付けた状態で、被試験体9を試験室に入れること、及び、試験室から取り出すことが可能になる。加えて、この扉717に透明ガラス716が設けられてもよい。これにより、試験室における被試験体9の試験状態の観察が容易になる。
【0064】
また、上述した第1実施形態においては、試験体9を回転させることができなかったが、カバーに種々の装置を設けることによって試験体9を回転させてもよい。例えば、図12に示すように、上部カバー860の上部中央から延在する軸827と、この軸827の一端を支持しつつ、軸827を回転させるモータ841と、軸827の他端に回転板801とを設ける。そして、回転板801上に被試験体9を載置する。図示しない制御装置からの制御によりモータ841が駆動することにより、回転板801が回転し、被試験体9を回転させることができる。
【0065】
さらに、上述した第1〜第6の実施形態において、カバーにランプやガス供給装置など、気体調節室25によって調整される温湿度以外の試験環境設備を備えてもよい。これにより、筐体12を含めて環境試験装置全体を取り替える必要なく、適宜、試験条件・目的に応じたカバーを用いることで、環境試験を行うことができる。
【0066】
加えて、上述した第1〜第6の実施形態において、送風機19はモータ42を有していたが、このモータは、油圧モータでもエアモータでもいかなるモータであってもよい。このとき、例えば、この環境試験装置が電波暗室などの不要輻射波の測定を行う環境で用いられる場合においては、エアモータを使用することにより、電磁波が発生しないので、不要輻射波の測定精度が低下しない。
【0067】
また、上述した第1〜第6の実施形態においては、気体調節室25に送風機19が設けられずに、試験室14に送風機が設けられていてもよい。この場合、試験室14の空気が気体調節室25に強制的に流れるように設けることが好ましい。
【0068】
さらに、上述した第1〜第6の実施形態においては、環境試験装置の試験室14が気体調節室25の上方に配置されているが、試験室が気体調節室の下方に配置されていてもよい。さらに、試験室と気体調節室とが横並びに配置された環境試験装置であってもよい。
【0069】
加えて、上述した第5及び第6の実施形態においては、筐体12を2つ備えていたが、2つに限らず、複数の筐体12を備えていてもよい。
【0070】
また、上述した第1〜第6の実施形態においては、冷却手段として、ペルチェ素子32を備えていたが、ペルチェ素子32に限らず、いかなる冷却手段を備えていてもよい。
【0071】
さらに、上述した第3の実施形態においては、カバー215は上部カバー260と下部カバー261とから構成されていたが、図13に示すように、上部カバー260と下部カバー261との間にさらに中部カバー262を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態による環境試験装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による環境試験装置のカバーを取り外した状態における平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。
【図4】図3におけるX―X断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。
【図9】本発明の第5実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態による環境試験装置の変形例を示す概略斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態による環境試験装置の変形例を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による環境試験装置の変形例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0073】
100 環境試験装置
9 被試験体
12 筐体
14 試験室
15 カバー
19 送風機
25 気体調節室
31 ヒートパイプ
32 ペルチェ素子
33 加熱器
34 加湿器
51,52 貫通孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験体の周囲環境を所定条件に変化させる環境試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、試料(被試験体)を収容して環境試験を行う試験室と、試験室に恒温恒湿空気を供給する空気流路(気体調節室)とを有する環境試験器(環境試験装置)について記載されている。この環境試験器において、試験室と空気流路との間には、二箇所の開口(流出孔、流入孔)が設けてある。空気流路は、送風機と、空気加熱ヒータと、除湿冷却器と、加湿器とを有している。送風機は空気流路の一方の開口に装着されている。そして、空気流路の他方の開口から流入空気が空気流路を流れる。このとき、流入空気は、加熱ヒータによる加熱、除湿冷却器による除湿及び冷却、または、加湿器による加湿をされた状態で送風機に吸い込まれて、試験室に恒温恒湿空気として供給される。
【0003】
また、特許文献2には、被検器材(被試験体)の環境試験を行う恒温室(試験室)を備えた恒温器(環境試験室)について記載されている。この恒温器の恒温室内には、送風機、加熱器、冷却器、除湿器及び加湿器が備えられている。そして、送風機で恒温室内を循環される空気は、これらにより温度と湿度が調整される。
【0004】
【特許文献1】特開2003−279083(図1)
【特許文献2】特開平2−89974(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の環境試験装置においては、試験室と気体調節室とが一体の筐体となっている。このため、例えば、様々な大きさの被試験体に対して環境試験を行う場合、使用している環境試験装置の試験室では収容できないほどの大きな被試験体のときには、試験室を大きくする必要があるが、試験室と気体調整室とが一体の筐体となっているため、試験室のみを大きくすることはできない。この結果、環境試験装置全体を取り替える必要がある。また、試験室と気体調整室とが一体の筐体になっていると、被試験体に対する様々な環境条件ごとに環境試験装置全体を取り替える必要がある。
【0006】
また、上述した特許文献2に記載の環境試験装置においては、被試験体の環境試験を行う試験室内に、送風機、加熱器、冷却器、除湿器及び加湿器が備えられているために、被試験体に対する様々な環境条件ごとに環境試験装置全体を取り替える必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、環境試験装置全体を取り替えずに様々な環境試験が実施可能な環境試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の環境試験装置は、被試験体の周囲条件を所定条件に変化させる環境試験装置において、気体の温湿度を変化させる温湿度調節手段と、前記温湿度調節手段が設けられた気体調節室を構成するとともに、前記温湿度調節手段によって調節された気体が流出する流出孔と前記温湿度調節手段によって調節される気体が前記気体調節室に流入する流入孔とを有する筐体と、前記筐体に着脱可能であって、被試験体、前記流入孔及び前記流出孔を覆いつつ前記筐体に取り付けられることで、前記流入孔及び前記流出孔と連通した前記気体調節室に隣接した被試験体を収容する試験室を構成するカバーとを備えている。
【0009】
これによると、筐体にカバーを取り付けることで試験室が構成されるので、環境試験装置全体を替えなくても共通化した筐体に種々のカバーを付け替えるだけで様々な環境試験が実施可能な装置になる。また、カバーが筐体から取り外し可能であるため、環境試験装置のメンテナンスが容易になる。
【0010】
本発明において、前記カバーが、前記試験室の天井部と、前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部と、前記環状壁部の前記筐体側の端部に着脱可能に設けられた環状の高さ調節部材とを有していることが好ましい。これにより、高さ調節部材を取り外した状態で筐体にカバーを取り付けたときと、高さ調節部材を取り付けた状態で筐体にカバーを取り付けたときとにおいて、試験室の高さが変化する。そのため、試験室の高さを2段階以上に調節することが可能になる。
【0011】
また、本発明において、前記カバーが、前記試験室の天井部と、前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部とを有しており、前記環状壁部が、前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることが好ましい。これにより、試験室の高さを可変にすることができるとともに、微調節することも可能になる。
【0012】
また、本発明において、前記カバーが、前記試験室の天井部と、前記天井部から高さ方向に延在した第1の環状壁部と、前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持された第2の環状壁部とを有しており、前記第1の環状壁部は、前記第2の環状壁部の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることが好ましい。これにより、試験室の高さの可変長をより大きくすることができるとともに、微調節することも可能になる。
【0013】
また、本発明において、前記カバーが、前記流出孔を覆う第1の包囲部材と、前記流入孔を覆う第2の包囲部材と、前記第1及び第2の包囲部材を連通させる筒部材とを有しており、前記筒部材の気流方向と直交する方向の断面積が、各包囲部材における気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことが好ましい。これにより、筒部材を通過する気体の速度を第1の包囲部材及び第2の包囲部材を通るときの気体の速度よりも上昇させることができる。
【0014】
また、本発明において、少なくとも2つの前記筐体を備えており、前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔と他方の前記筐体の前記流入孔とを連通させる第1の連通部材と、前記第1の連通部材を内包しつつ一方の前記筐体の前記流入孔と他方の前記筐体の前記流出孔とを連通させる第2の連通部材とを有しており、前記第1の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積が、前記第2の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことが好ましい。これにより、同じ2つの筐体を用いていても、第1の連通部材を通過する気体の速度を、第2の連通部材を通過する気体の速度よりも上昇させることができる。
【0015】
また、本発明において、互いに隣接した少なくとも2つの前記筐体を備えており、前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第1の領域と、他方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第2の領域とに前記試験室を仕切る仕切り壁を有していることが好ましい。これにより、第1の領域と第2の領域の条件を異なる状態に保つことができるので、1つのカバーで2種類の条件の試験を行うことができる。
【0016】
また、このとき、前記仕切り壁には、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通させる貫通孔が形成されていると共に、前記第1の領域と前記第2の領域とが連通する連通状態及び前記第1の領域と前記第2の領域とが連通しない非連通状態を取り得るように前記貫通孔を開閉する開閉手段が設けられていてもよい。これにより、カバーを2つの筐体から取り外すことなく、貫通孔を介して被試験体を移動させることが可能になるとともに、開閉手段が設けられていることで、第1の領域及び第2の領域の条件を維持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態による環境試験装置の概略断面図である。図2は、本発明の第1実施形態による環境試験装置のカバー15を取り外した状態における平面図である。図1に示すように、環境試験装置100は、内部に気体調節室25(後述する)を有する金属製の筐体12と、筐体12の上面を覆うように筐体12の上面に取り付けられたカバー15とを含んでいる。
【0019】
カバー15は、上部カバー60及び高さ方向に設けられた3つの調整カバー61(高さ調整部材)から構成されている。そして、カバー15は、筐体12に取り付けられたときに、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室14を構成する。上部カバー60と3つの調整カバー61とによるカバー15の構成の仕方については、後ほど説明する。
【0020】
上部カバー60は、天井20(天井部)と側壁24(環状壁部)とを有している。側壁24は、中空の角柱形状をしており、天井20によって上部を塞がれている。側壁24の下部には、下方に突出した凸部24aが形成されている。この凸部24aは、調整カバー61の上部に形成された凹部61a(後述する)と嵌合されている。上部カバー60の材質は、発泡スチロールからなり、加工が容易なため、適宜の位置に穴を開けることで、開口やケーブル孔を設けることができる。なお、本実施形態における上部カバー60は、断熱性に優れ、加工が容易な発泡スチロールからなるが、試験状態を観察できるようにガラス、抗菌作用のある銅並びに銀、及び、防錆作用のあるステンレスなどいかなる材質からなってもよく、要求される作用を実現可能なその他の材質も選択可能である。試験室14内が汚れやすい被試験体9を用いる場合においては、上部カバー60は、使い捨て可能なディスポーザブルな材質からなってもよい。試験目的によっては、電波を通過することができる材質や逆に電波を遮断する材質などからなってもよく、試験条件・目的に適合するその他の材質も選択することができる。
【0021】
調整カバー61は、中空の角柱形状をしており、上部に凹部61aが形成されており、下部に凸部61bが形成されている。また、調整カバー61は、上部カバー60と筐体12を構成する天井22(後述する)との間に着脱可能となっている。調整カバー61の材質は、発泡スチロールからなり、加工が容易なため、適宜の位置に穴を開けることで、開口やケーブル孔を設けることができる。なお、本実施形態における調整カバー61は、上部カバー60と同様に、断熱性に優れ、加工が容易な発泡スチロールからなるが、試験状態を観察できるようにガラス、抗菌作用のある銅並びに銀、及び防錆作用のあるステンレスなどいかなる材質からなってもよく、要求される作用を実現可能なその他の材質も選択可能である。試験室14内が汚れやすい被試験体9を用いる場合においては、調整カバー61は、使い捨て可能なディスポーザブルな材質からなってもよい。試験目的によっては、電波を通過することができる材質や逆に電波を遮断する材質などからなってもよく、試験条件・目的に適合するその他の材質も選択することができる。
【0022】
ここで、上部カバー60と3つの調整カバー61とによるカバー15の構成の仕方について説明する。まず、1つ目の調整カバー61の凸部61bと天井22の凹部22aとが嵌合される。そして、2つ目の調整カバー61の凸部61bと1つ目の調整カバー61の凹部61aとが嵌合される。次に、3つ目の調整カバー61の凸部61bと2つ目の調整カバー61の凹部61aとが嵌合される。最後に、上部カバー60の凸部24aと3つ目の調整カバー61の凹部61aとが嵌合される。このように、上部カバー60と3つの調整カバー61とによってカバー15が構成され、筐体12の天井22とで試験室14を構成している。
【0023】
筐体12は、中空で角柱形状の側壁21と、側壁21の上面及び下面に設けられた天井22及び床23とを有している。そして、筐体12は、側壁21、天井22及び床23によって囲まれた気体調節室25内に、加熱器33と、加湿器34とが設けられている。また、筐体12には、除湿及び冷却手段となるヒートパイプ31及びペルチェ素子32が設けられている。これらヒートパイプ31、ペルチェ素子32、加熱器33及び加湿器34によって気体調節室25内の空気の温湿度を所定温湿度に調整する温湿度調整手段を構成している。
【0024】
ヒートパイプ31は、側壁21を貫通しつつ側壁21に固定されており、一方の端部が気体調節室25内に配置され、他方の端部が気体調節室25の外側に配置されている。ヒートパイプ31の一方の端部であって気体調節室25内にある方は、吸熱フィン71が固定されている。これにより、気体調節室25内の空気を効果的に吸熱及び除湿することができる。一方、ヒートパイプ31の他方の端部には、ペルチェ素子32が固定されている。
【0025】
ペルチェ素子32は、気体調節室25の外に配置されており、一方の面32aにヒートパイプ31が固定されており、他方の面32bに放熱フィン72が固定されている。そして、ペルチェ素子32は、図示しない制御装置からの制御により電流が流されることで、一方の面32aが冷却されヒートパイプ31及び吸熱フィン71を介して気体調節室25の空気を冷却及び除湿する。このとき、ペルチェ素子32の他方の面32bが発熱するが、他方の面32bには放熱フィン72及び吸熱ファン(図示せず)が固定されているので、ペルチェ素子32からの発熱を効果的に放熱させることができる。これにより、気体調節室25を効果的に冷却及び除湿することが可能となる。なお、ペルチェ素子32が動作していない場合は、ヒートパイプ31の熱移動が停止され断熱が保たれる。一方、加熱器33は、図示しない制御装置からの制御により、気体調節室25の空気を加熱する。また、加湿器34は、図示しない制御装置からの制御により、気体調節室25の空気を加湿する。
【0026】
天井22の上面の周端部には、凹部22aが形成されている。この凹部22aは、調整カバー61の下部に形成された凸部61bと嵌合されている。また、天井22には、図2に示すように、気体調節室25と試験室14とを連通させる2つの貫通孔51(流出孔),52(流入孔)が形成されている。これら貫通孔51,52は、側壁21の内周面の内側において、図2中左右両端に矩形状をして配置されている。また、2つの貫通孔51,52には、それぞれの開口を覆う金属メッシュ53,54が設けられている。金属メッシュ53,54は、複数の網目状の開口を有するように複数の金属製線材が交差して形成されたものである。これら金属メッシュ53,54は、加熱器33、加湿器34から主に発生した電磁波が貫通孔51,52を介して試験室14に侵入するのを抑制している。つまり、筐体12は、金属製からなり、且つ、貫通孔51,52の開口を金属メッシュ53,54で塞いだ電磁シールド構造となっている。なお、筐体12を電磁シールド構造とする必要がなければ、金属メッシュ53,54はなくてもよい。筐体12も金属製ではなく、樹脂などいかなる材料から構成されてもよい。
【0027】
また、図1に戻って、気体調節室25には、送風機19が設けられている。送風機19はモータ42を有している。このモータ42が図示しない制御装置からの制御により駆動することで、送風機19は、気体調節室25の空気を吸い込み、試験室14に向けて排出する。送風機19は、気体調節室25の空気を排出する排出口18が、貫通孔51と対向する位置に形成されている。そのため、ヒートパイプ31、ペルチェ素子32、加熱器33及び加湿器34によって所定の温湿度に調整された気体調節室25の空気を効果的に試験室14に供給することが可能になる。なお、送風機19によって試験室14に強制的に空気が送り込まれることで、試験室14の空気が貫通孔52を介して気体調節室25に流れ込み、気体調節室25と試験室14とを循環する気流が生じる。こうして、気体調節室25と試験室14とが素早くほぼ同じ温湿度に保たれる。
【0028】
また、試験室14には、貫通孔51近傍に温湿度センサ26が設けられている。このように温湿度センサ26が設けられていることで、試験室14内の空気の温湿度を測定することが可能となる。そのため、温湿度センサ26の測定温度及び測定湿度を制御装置で認識し、試験室14の温湿度が所定条件になるように、ヒートパイプ31、ペルチェ素子32、加熱器33及び加湿器34を制御することが可能となる。したがって、試験室14の温湿度を確実に所定条件とすることができる。
【0029】
ここでは、3つの調整カバー61を上部カバー60と天井22との間に取り付けたが、この3つの調整カバー61を取り付けずに、上部カバー60の凸部24aと天井22の凹部22aとが嵌合されて取り付けられてもよい。また、3つの調整カバー61ではなく、2つもしくは4つ以上の調整カバー61を上部カバー60と天井22との間に取り付けてもよい。このように調整カバー61を取り付けるか否か、並びに、取り付ける調整カバー61の個数によって、試験室の高さを2段階以上に調整することが可能になる。
【0030】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図3〜図5を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0031】
図3は、本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。図4は、図3におけるX―X断面図である。図5は、本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。図3に示すように、環境試験装置200は、筐体12と、筐体12の上面を覆うように筐体12の外周側面21aにスライド可能に支持されたカバー115とを含んでいる。
【0032】
図4に示すように、筐体12の外周側面21aには、高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材80が設けられている。これら4組のスライド部材80は、側壁21のそれぞれの外周側面21aにおいて高さ方向に延在し、幅方向の中心に配置されている。
【0033】
図3に戻って、カバー115は、天井120(天井部)と側壁124(環状壁部)とを有している。側壁124は、中空の角柱形状をしており、天井120によって上部を塞がれている。側壁124の内周側面には、高さ方向に沿って延在した4つの凹部124aが形成されている。これら4つの凹部124aは、カバー115のそれぞれの内周側面において、幅方向の中心に配置されている。そして、カバー115は、これら4つの凹部124aを4組のスライド部材80と係合することによって、筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライド可能に支持されており、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室114を構成する。
【0034】
このスライド部材80によって、カバー115は筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライドし、ネジ81によって任意の高さに固定される。これにより、図3に示すように、カバー115を上方向にスライドすることによって、試験室14の高さを高くすることができる。また、図5に示すように、カバー115を下方向へスライドすることによって、試験室14の高さを低くすることができる。このように、カバー115が筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライド可能に支持されていることによって、試験室14の高さを可変にすることができるとともに、微調整することも可能になる。
【0035】
なお、本実施形態におけるカバー115は、筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライドするように構成されていたが、外周側面21aに限らず、筐体12の内周側面に高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材を設けて、側壁124の外周側面に、高さ方向に沿って延在した4つの凹部を設けて、それぞれを係合することによって、筐体12の内周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されてもよい。
【0036】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図6及び図7を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図6は、本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。図7は、本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。図6に示すように、環境試験装置300は、筐体12と、筐体12の上面を覆うように筐体12の外周側面にスライド可能に支持されたカバー215とを含んでいる。
【0038】
筐体12の外周側面21aには、第2実施形態と同様に、高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材80が設けられている。これら4組のスライド部材80は、側壁21のそれぞれの外周側面21aにおいて高さ方向に延在し、幅方向の中心に配置されている。
【0039】
カバー215は、上部カバー260と、下部カバー261(第2の環状壁部)とから構成されている。このカバー215は、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室214を構成する。
【0040】
上部カバー260は、天井220(天井部)と側壁224(第1の環状壁部)とを有している。側壁224は、中空の角柱形状をしており、上部を天井220によって塞がれている。側壁224の外周側面224aには、高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材80が設けられている。これら4組のスライド部材80は、側壁224のそれぞれの外周側面224aにおいて高さ方向に延在し、幅方向の中心に配置されている。
【0041】
下部カバー261は、中空の角柱形状をしており、内周側面の高さ方向に沿って延在した4つの凹部261a,261bが形成されている。これら4つの凹部261a,261bは、下部カバー261のそれぞれの内周側面において、幅方向の中心に配置されている。そして、下部カバー261の4つの凹部261aと上部カバー260の4組のスライド部材80とを係合することによって、上部カバー260は、下部カバー261の内周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されている。さらに、下部カバー261の4つの凹部261bと側壁21の4組のスライド部材80とを係合することによって、下部カバー261は、側壁21の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライド可能に支持されている。
【0042】
こうして、それぞれのカバーが高さ方向に沿ってスライドし、ネジ81によって任意の高さに固定される。これにより、図6に示すように、それぞれのカバーを上方向にスライドすることによって、試験室14の高さを高くすることができる。また、図7に示すように、それぞれのカバーを下方向にスライドすることによって、試験室14の高さを低くすることができる。このように、それぞれのカバーが高さ方向にスライド可能にスライド可能に支持されていることによって、試験室14の高さの可変長をより大きくすることができるとともに、微調節することも可能になる。
【0043】
なお、本実施形態における下部カバー261は、筐体12の外周側面21aの高さ方向に沿ってスライドするように構成されていたが、外周側面21aに限らず、筐体12の内周側面に高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材を設けて、下部カバー261の外周側面に、高さ方向に沿って延在した4つの凹部を設けて、それぞれを係合することによって、筐体12の内周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されてもよい。また、本実施形態における上部カバー260は、下部カバー261の内周側面261aの高さ方向に沿ってスライドするように構成されていたが、内周側面261aに限らず、下部カバー261の外周側面に高さ方向に沿ってそれぞれ2つのレールから構成された4組のスライド部材を設けて、上部カバー260の内周側面に、高さ方向に沿って延在した4つの凹部を設けて、それぞれを係合することによって、下部カバー261の外周側面の高さ方向に沿ってスライド可能に支持されてもよい。
【0044】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、図8を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図8は、本発明の第4実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。図8に示すように、環境試験装置400は、筐体12と、カバー315とを含んでいる。
【0046】
カバー315は、天井22に形成された貫通孔51,52の開口を覆う包囲部材360(第1の包囲部材),361(第2の包囲部材)と、包囲部材360,361間を連通させる筒部材362とから構成されている。このカバー315は、筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室314を構成する。
【0047】
包囲部材360,361は、中空の直方体形状をしており、その一面において、貫通孔51,52の開口より大きな面積を有している。この貫通孔51,52の開口より大きな面積を有している一方の面には、開口が形成されており、この面において貫通孔51,52を上方から覆っている。そして、包囲部材360,361において、貫通孔51,52と対向する面には、貫通孔51,52の開口より小さな円状の開口が形成されている。すなわち、包囲部材360,361において、筒部材362に覆われている面の円状の開口は、貫通孔51,52を覆っている面の開口よりも小さくなっている。
【0048】
筒部材362は、中空の円柱形状をしている。筒部材362の直径は、包囲部材360,361に形成された円状の開口径と同じ大きさとなっている。筒部材362は、両端近傍でL字状に折曲しており、その筒部材362の両端は、それぞれ包囲部材360,361に形成された円状の開口とつながっている。筒部材362の中央付近には、透明部材363が設けられている。この透明部材363内に被試験体9が載置される。これにより、被試験体9の試験状態の観察が容易になる。なお、この透明部材363は、筒部材362から取り外し可能であってもよい。このとき、透明部材363を取り外すだけで、容易に被試験体9を取り出すことができる。
【0049】
送風機19によって送風された空気は、貫通孔51を介して包囲部材360に強制的に送り込まれ、筒部材362を通過して包囲部材361から貫通孔52を介して気体調節室25に流れ込む。このとき、包囲部材360,361において、筒部材362に覆われている面の円状の開口は、貫通孔51,52を覆っている面の開口よりも小さいため、筒部材362を通過する気体の速度を、包囲部材360,361を通るときの気体の速度よりも上昇させることができる。
【0050】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について、図9を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図9は、本発明の第5実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。図9に示すように、環境試験装置500は、2つの筐体12と、カバー415とを含んでいる。
【0052】
カバー415は、左方の筐体12の貫通孔51と右方の筐体12の貫通孔52とを連通させる連通部材460(第1の連通部材)と、左方の筐体12の貫通孔52と右方の筐体12の貫通孔51とを連通させる連通部材461(第2の連通部材)とから構成されている。
【0053】
連通部材460の一方の端部は、左方の筐体12において貫通孔51の開口を覆い、他方の端部は、右方の筐体12において貫通孔52の開口を覆い、それぞれの端部がL字状に折曲して連通している。そして、この連通部材460内に被試験体9が載置される。すなわち、この連通部材460は、2つの筐体12とで被試験体9を取り囲む試験室413を構成する。
【0054】
連通部材461は、中空の直方体形状をしており、その一面の左右両側において筐体12の上面と同じ大きさの開口を有している。そして、この開口が、2つの筐体12の上面を覆うように構成されている。連通部材461の内部には、連通部材460が内包されている。そして、この連通部材461内における、連通部材460の上面に被試験体9が載置される。すなわち、この連通部材461は、2つの筐体12の天井22とで被試験体9を取り囲む試験室414を構成する。連通部材460において空気の気流方向と直交する断面積は、連通孔461において空気の気流方向と直交する断面積よりも小さくなっている。
【0055】
左方の筐体12の送風機19から送風された空気は、左方の筐体12の貫通孔51を介して連通部材460に強制的に送り込まれ、右方の筐体12の貫通孔52を介して右方の筐体12の気体調節室25に流れ込む。また、右方の筐体12の送風機19から送風された空気は、右方の筐体12の貫通孔51を介して連通部材361に強制的に送り込まれ、左方の筐体12の貫通孔52を介して左方の筐体12の気体調節室25に流れ込む。このとき、連通部材460において空気の気流方向と直交する断面積は、連通孔461において空気の気流方向と直交する断面積よりも小さくなっている。そのため、同じ2つの筐体12を用いても、連通部材460内を通過する空気の速度を、連通部材461内を通過する空気の速度よりも上昇させることができる。つまり、空気の速度が、それぞれ異なる条件に設定可能となり、同時に、2種類の空気の速度の試験を行うことができる。なお、本実施形態においては、連通部材460内と連通部材460上にそれぞれ被試験体9を載置していたが、いずれか一方にのみ被試験体9を載置して試験を行ってもよい。
【0056】
<第6実施形態>
次に本発明の第6実施形態について、図10を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
図10は、本発明の第6実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。図10に示すように、環境試験装置600は、互いに隣接する2つの筐体12と、カバー515とを含んでいる。
【0058】
カバー515は、中空の直方体形状をしており、その一面が開口している。そして、この開口が、2つの筐体12の上面を覆うように構成されている。カバー515には、カバー515に覆われた空間を仕切る壁511(仕切り壁)が設けられている。この壁511は、2つの筐体12が互いに隣接する面の端部から高さ方向に配置されている。この壁511によって、カバー515と壁511と左方の筐体12とで囲まれた試験室516(第1の領域)が形成されている。また、カバー515と壁511と右方の筐体12とで囲まれた試験室517(第2の領域)が形成されている。カバー515の右方側面には、外部と連通可能に開閉する扉530が設けられている。これにより、カバー515を筐体12に取り付けた状態で、被試験体9を試験室517に入れること、及び、試験室517から取り出すことが可能になる。
【0059】
壁511には、空間516と空間517とを連通させる矩形の開口520(貫通孔)が形成されており、この開口を連通可能に開閉するシャッター521(開閉手段)が設けられている。このシャッター521を開くことにより、試験室517内に載置された被試験体9を試験室516内に移動させることが可能になる。また、シャッター521を閉じることにより、試験室516と試験室517の周囲条件を異なる条件に保っている。
【0060】
扉530を開くことによって、図示しない制御装置からの制御により駆動するロボットアーム522上に載置された被試験体9を試験室517内に運ぶことが可能になる。また、シャッター521を開くことにより、試験室517内に載置された被試験体9をロボットアーム522によって試験室516内に移動させることが可能になる。
【0061】
このように、壁511によって、試験室516と試験室517の周囲条件を異なる条件に保つことができるので、1つのカバー515で2種類の周囲条件の試験を行うことができる。また、シャッター521が開閉することによって、カバー515を2つの筐体12から取り外すことなく、開口520を介して被試験体9を移動させることが可能になるとともに、試験室516及び試験室517の周囲条件を維持することが可能になる。
【0062】
以上のような第1〜第6の実施形態による環境試験装置によると、筐体12にカバーを取り付けることで試験室が構成されるので、環境試験装置全体を替えなくても共通化した筐体に種々のカバーを付け替えるだけで様々な環境試験が実施可能な装置になる。また、カバーが筐体から取り外し可能であるため、環境試験装置のメンテナンスが容易になる。
【0063】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した第1実施形態においては、上部カバー60の上部は、塞がっていて開閉することができなかったが、図11に示すように、扉717を設けて開閉可能に構成されていてもよい。これにより、カバー15を筐体12に取り付けた状態で、被試験体9を試験室に入れること、及び、試験室から取り出すことが可能になる。加えて、この扉717に透明ガラス716が設けられてもよい。これにより、試験室における被試験体9の試験状態の観察が容易になる。
【0064】
また、上述した第1実施形態においては、試験体9を回転させることができなかったが、カバーに種々の装置を設けることによって試験体9を回転させてもよい。例えば、図12に示すように、上部カバー860の上部中央から延在する軸827と、この軸827の一端を支持しつつ、軸827を回転させるモータ841と、軸827の他端に回転板801とを設ける。そして、回転板801上に被試験体9を載置する。図示しない制御装置からの制御によりモータ841が駆動することにより、回転板801が回転し、被試験体9を回転させることができる。
【0065】
さらに、上述した第1〜第6の実施形態において、カバーにランプやガス供給装置など、気体調節室25によって調整される温湿度以外の試験環境設備を備えてもよい。これにより、筐体12を含めて環境試験装置全体を取り替える必要なく、適宜、試験条件・目的に応じたカバーを用いることで、環境試験を行うことができる。
【0066】
加えて、上述した第1〜第6の実施形態において、送風機19はモータ42を有していたが、このモータは、油圧モータでもエアモータでもいかなるモータであってもよい。このとき、例えば、この環境試験装置が電波暗室などの不要輻射波の測定を行う環境で用いられる場合においては、エアモータを使用することにより、電磁波が発生しないので、不要輻射波の測定精度が低下しない。
【0067】
また、上述した第1〜第6の実施形態においては、気体調節室25に送風機19が設けられずに、試験室14に送風機が設けられていてもよい。この場合、試験室14の空気が気体調節室25に強制的に流れるように設けることが好ましい。
【0068】
さらに、上述した第1〜第6の実施形態においては、環境試験装置の試験室14が気体調節室25の上方に配置されているが、試験室が気体調節室の下方に配置されていてもよい。さらに、試験室と気体調節室とが横並びに配置された環境試験装置であってもよい。
【0069】
加えて、上述した第5及び第6の実施形態においては、筐体12を2つ備えていたが、2つに限らず、複数の筐体12を備えていてもよい。
【0070】
また、上述した第1〜第6の実施形態においては、冷却手段として、ペルチェ素子32を備えていたが、ペルチェ素子32に限らず、いかなる冷却手段を備えていてもよい。
【0071】
さらに、上述した第3の実施形態においては、カバー215は上部カバー260と下部カバー261とから構成されていたが、図13に示すように、上部カバー260と下部カバー261との間にさらに中部カバー262を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態による環境試験装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による環境試験装置のカバーを取り外した状態における平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。
【図4】図3におけるX―X断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを高くしたときの概略断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態による環境試験装置の試験室の高さを低くしたときの概略断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。
【図9】本発明の第5実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態による環境試験装置の概略斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態による環境試験装置の変形例を示す概略斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態による環境試験装置の変形例を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による環境試験装置の変形例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0073】
100 環境試験装置
9 被試験体
12 筐体
14 試験室
15 カバー
19 送風機
25 気体調節室
31 ヒートパイプ
32 ペルチェ素子
33 加熱器
34 加湿器
51,52 貫通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験体の周囲条件を所定条件に変化させる環境試験装置において、
気体の温湿度を変化させる温湿度調節手段と、
前記温湿度調節手段が設けられた気体調節室を構成するとともに、前記温湿度調節手段によって調節された気体が流出する流出孔と前記温湿度調節手段によって調節される気体が前記気体調節室に流入する流入孔とを有する筐体と、
前記筐体に着脱可能であって、被試験体、前記流入孔及び前記流出孔を覆いつつ前記筐体に取り付けられることで、前記流入孔及び前記流出孔と連通した前記気体調節室に隣接した被試験体を収容する試験室を構成するカバーとを備えていることを特徴とする環境試験装置。
【請求項2】
前記カバーが、
前記試験室の天井部と、
前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部と、
前記環状壁部の前記筐体側の端部に着脱可能に設けられた環状の高さ調節部材とを有していることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項3】
前記カバーが、
前記試験室の天井部と、
前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部とを有しており、
前記環状壁部が、前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項4】
前記カバーが、
前記試験室の天井部と、
前記天井部から高さ方向に延在した第1の環状壁部と、
前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持された第2の環状壁部とを有しており、
前記第1の環状壁部は、前記第2の環状壁部の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項5】
前記カバーが、
前記流出孔を覆う第1の包囲部材と、
前記流入孔を覆う第2の包囲部材と、
前記第1及び第2の包囲部材を連通させる筒部材とを有しており、
前記筒部材の気流方向と直交する方向の断面積が、各包囲部材における気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項6】
少なくとも2つの前記筐体を備えており、
前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔と他方の前記筐体の前記流入孔とを連通させる第1の連通部材と、前記第1の連通部材を内包しつつ一方の前記筐体の前記流入孔と他方の前記筐体の前記流出孔とを連通させる第2の連通部材とを有しており、
前記第1の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積が、前記第2の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項7】
互いに隣接した少なくとも2つの前記筐体を備えており、
前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第1の領域と、他方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第2の領域とに前記試験室を仕切る仕切り壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項8】
前記仕切り壁には、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通させる貫通孔が形成されていると共に、前記第1の領域と前記第2の領域とが連通する連通状態及び前記第1の領域と前記第2の領域とが連通しない非連通状態を取り得るように前記貫通孔を開閉する開閉手段が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の環境試験装置。
【請求項1】
被試験体の周囲条件を所定条件に変化させる環境試験装置において、
気体の温湿度を変化させる温湿度調節手段と、
前記温湿度調節手段が設けられた気体調節室を構成するとともに、前記温湿度調節手段によって調節された気体が流出する流出孔と前記温湿度調節手段によって調節される気体が前記気体調節室に流入する流入孔とを有する筐体と、
前記筐体に着脱可能であって、被試験体、前記流入孔及び前記流出孔を覆いつつ前記筐体に取り付けられることで、前記流入孔及び前記流出孔と連通した前記気体調節室に隣接した被試験体を収容する試験室を構成するカバーとを備えていることを特徴とする環境試験装置。
【請求項2】
前記カバーが、
前記試験室の天井部と、
前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部と、
前記環状壁部の前記筐体側の端部に着脱可能に設けられた環状の高さ調節部材とを有していることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項3】
前記カバーが、
前記試験室の天井部と、
前記天井部から高さ方向に延在した環状壁部とを有しており、
前記環状壁部が、前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項4】
前記カバーが、
前記試験室の天井部と、
前記天井部から高さ方向に延在した第1の環状壁部と、
前記筐体の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持された第2の環状壁部とを有しており、
前記第1の環状壁部は、前記第2の環状壁部の外周面または内周面に沿って高さ方向にスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項5】
前記カバーが、
前記流出孔を覆う第1の包囲部材と、
前記流入孔を覆う第2の包囲部材と、
前記第1及び第2の包囲部材を連通させる筒部材とを有しており、
前記筒部材の気流方向と直交する方向の断面積が、各包囲部材における気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項6】
少なくとも2つの前記筐体を備えており、
前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔と他方の前記筐体の前記流入孔とを連通させる第1の連通部材と、前記第1の連通部材を内包しつつ一方の前記筐体の前記流入孔と他方の前記筐体の前記流出孔とを連通させる第2の連通部材とを有しており、
前記第1の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積が、前記第2の連通部材の気流方向と直交する方向の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項7】
互いに隣接した少なくとも2つの前記筐体を備えており、
前記カバーが、一方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第1の領域と、他方の前記筐体の前記流出孔及び前記流入孔と連通する第2の領域とに前記試験室を仕切る仕切り壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項8】
前記仕切り壁には、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通させる貫通孔が形成されていると共に、前記第1の領域と前記第2の領域とが連通する連通状態及び前記第1の領域と前記第2の領域とが連通しない非連通状態を取り得るように前記貫通孔を開閉する開閉手段が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の環境試験装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−164424(P2008−164424A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354048(P2006−354048)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】
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